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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045535
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】連窓目板固定構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/36 20060101AFI20230327BHJP
   E06B 1/12 20060101ALI20230327BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
E06B1/36 Z
E06B1/12 A
E06B1/18 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154018
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】冨田 裕之
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011BA00
2E011DA01
2E011DB04
2E011DC00
(57)【要約】
【課題】生産効率の向上及び施工時の工数削減並びに意匠性向上を図ることができる連窓目板固定構造を提供する。
【解決手段】窓枠の縦枠同士を連結する方立と、方立の見込み方向の室内側に位置し縦方向に延びる目板と、を備える。方立は、目板に向けて突出する第1爪部を有する。目板は、方立に向けて突出し第1爪部と見込み方向に係合する第2爪部を有する。縦枠は、金属製の第1縦枠と、樹脂製の第2縦枠とを有する。方立と目板は、第2縦枠を介して嵌合して固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠の縦枠同士を連結する方立と、
前記方立の見込み方向の室内側に位置し縦方向に延びる目板と、
を備え、
前記方立は、前記目板に向けて突出する第1爪部を有し、
前記目板は、前記方立に向けて突出し前記第1爪部と前記見込み方向に係合する第2爪部を有し、
前記縦枠は、金属製の第1縦枠と、樹脂製の第2縦枠とを有し、
前記方立と前記目板は、前記第2縦枠を介して嵌合して固定されている、連窓目板固定構造。
【請求項2】
前記第2縦枠は、前記見込み方向に離れて配置され横方向の外側に開口する嵌合溝を形成する一対の嵌合壁を、前記横方向の両側にそれぞれ有し、
前記目板は、
前記方立と対向する対向壁と、
前記対向壁の前記横方向の両端からそれぞれ前記見込み方向の室外側に延びる側壁と、
前記側壁のそれぞれから前記横方向の内側に延びて前記嵌合溝に挿入され、一対の前記嵌合壁のうち、前記室内側の前記嵌合壁と前記見込み方向に係合する係合壁と、
を有する、
請求項1に記載の連窓目板固定構造。
【請求項3】
前記目板の上端を前記室内側から覆う上カバー部材および前記目板の下端を前記室内側から覆う下カバー部材の少なくとも一方を有する、
請求項1又は2記載の連窓目板固定構造。
【請求項4】
前記第1爪部は、前記上カバー部材および前記下カバー部材の少なくとも一方と対向する位置まで前記縦方向に延び、
前記上カバー部材および前記下カバー部材の少なくとも一方は、前記方立に向けて突出し前記第1爪部と前記見込み方向に係合する第3爪部を有する、
請求項3に記載の連窓目板固定構造。
【請求項5】
前記方立は、金属材料で形成され、
前記目板は、樹脂材料で形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の連窓目板固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連窓目板固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の窓では、複数の窓枠の縦枠同士を方立で連結し、連窓としたものがある。方立は、例えば押出成形されたアルミニウム合金で形成されている。特許文献1には、金属縦枠と樹脂縦枠の両方に係合する目板を有する単窓の建具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-160673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連窓用の縦枠に目板を固定する場合、単窓用樹脂縦枠に代えて連窓用樹脂縦枠を用いることがある。この場合、縦枠の生産効率が低下する。目板を方立にねじ固定する構成を採った場合には、施工時の工数が増加するとともに、ねじが露出して意匠性が低下する。
【0005】
本開示は、以上のような点を考慮してなされたもので、生産効率の向上及び施工時の工数削減並びに意匠性向上を図ることができる連窓目板固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、窓枠の縦枠同士を連結する方立と、前記方立の見込み方向の室内側に位置し縦方向に延びる目板と、を備え、前記方立は、前記目板に向けて突出する第1爪部を有し、前記目板は、前記方立に向けて突出し前記第1爪部と前記見込み方向に係合する第2爪部を有し、前記縦枠は、金属製の第1縦枠と、樹脂製の第2縦枠とを有し、前記方立と前記目板は、前記第2縦枠を介して嵌合して固定されている、連窓目板固定構造である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施の形態を示す図であって、本建具の室内側正面図である。
図2】縦枠及び方立の上側と下側を部分的に拡大した斜視図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4】第1上枠と第2上枠と第3上枠の部分左側面図である。
図5】第1下枠と第2下枠の部分左側面図である。
図6】目板と上カバー部材を室外側から見た斜視図である。
図7図2のB-B断面図である。
図8図7のC-C断面図である。
図9】下カバー部材を室外側から見た斜視図である。
図10】目板と下カバー部材を室外側から見た図である。
図11図2のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の連窓目板固定構造の実施の形態を、図1から図11を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている場合がある。
【0009】
連窓目板固定構造が適用される建具10について説明する。建具10は、例えばビルの窓に用いられる。図1及び図2に示すように、建具10は、左右に隣り合って配置されたサッシ枠1と、方立2と、目板3と、上カバー部材40と、下カバー部材70と、を有する。建具10は、左右に隣り合って配置されたサッシ枠1、1同士が方立2で連結された連窓構造を有する。サッシ枠1には、複層ガラス11が嵌め込まれている。サッシ枠1は、窓枠に対応する。
【0010】
建具10を室内側から見たときに、上下となる方向を縦方向、左右となる方向を横方向として示す。縦方向のうち、方立2の長手方向の端部側を外側と呼び、端部と逆側を内側と呼ぶ場合がある。横方向のうち、方立2から離れる側を外側と呼び、方立2に近づく側を内側と呼ぶ場合がある。建具10において、縦方向及び横方向に直交し室内外方向に沿った方向を見込み方向と呼ぶ。
【0011】
サッシ枠1は、縦枠4と上枠7と下枠8とをそれぞれ有する。縦枠4は、縦方向に延びる。図3に示すように、縦枠4は、右縦枠5と左縦枠6とを有する。右縦枠5は、金属製の第1縦枠51と、樹脂製の第2縦枠52とを有する。左縦枠6は、金属製の第1縦枠61と、樹脂製の第2縦枠62とを有する。第1縦枠51及び第1縦枠61は、アルミニウム合金の押出成形体である。第2縦枠52及び第2縦枠62は、ポリ塩化ビニルの押出成形体である。
【0012】
方立2が連結する右縦枠5と左縦枠6について説明する。第1縦枠51は、室内側から室外側に亘って見込み方向に延びる見込み壁53を有する。見込み壁53は、突壁53aと突壁53bと爪部53cとを有する。突壁53aは、見込み壁53の室外側に位置する。突壁53aは、見込み壁53から横方向内側に突出する。突壁53aは、見込み方向の室外側から方立2に係合する。突壁53bは、見込み壁53の室内側に位置する。突壁53bは、見込み壁53から横方向外側に突出する。爪部53cは、突壁53bよりも見込み壁53の室内側に位置する。爪部53cは、見込み壁53から横方向外側に突出する。
【0013】
第1縦枠61は、室内側から室外側に亘って見込み方向に延びる見込み壁63を有する。見込み壁63は、突壁63aと突壁63bと爪部63cと爪部63dとを有する。突壁63aは、見込み壁63の室外側に位置する。突壁63aは、見込み壁63から横方向内側に突出する。突壁63aは、見込み方向の室外側から方立2に係合する。突壁63bは、突壁63aよりも見込み壁63の室内側に位置する。突壁63bは、見込み壁63から横方向外側に突出する。爪部63cは、突壁63bよりも見込み壁63の室内側に位置する。爪部63cは、見込み壁63から横方向外側に突出する。爪部63dは、爪部63cよりも見込み壁63の室内側に位置する。爪部63dは、見込み壁63から横方向外側に突出する。
【0014】
第2縦枠52は、見込み方向に延びる壁部54を有する。壁部54は、突壁53bに横方向外側から接する。壁部54は、爪部54aと突壁54bと一対の嵌合壁54c、54dとを有する。爪部54aは、突壁53bよりも壁部54の室内側に位置する。爪部54aは、壁部54から横方向内側に延びる。爪部54aは、爪部53cに横方向内側から係合する。突壁54bは、爪部53cよりも壁部54の室内側に位置する。突壁54bは、壁部54から横方向内側に延びる。突壁54bは、見込み壁53に横方向外側から接する。
【0015】
壁部54が突壁53bに横方向外側から接し、突壁54bが見込み壁53に横方向外側から接したときに、第2縦枠52は、第1縦枠51に対して横方向に位置決めされる。爪部54aが爪部53cに横方向内側から係合したときに、第2縦枠52は、第1縦枠51の横方向外側に固定される。
【0016】
一対の嵌合壁54c、54dは、壁部54の見込み方向の室内側端部に配置される。一対の嵌合壁54c、54dは、見込み方向に離れて配置されている。一対の嵌合壁54c、54dは、横方向内側において連結壁54fを介して連結されたU字状である。一対の嵌合壁54c、54dは、横方向に延び横方向外側に開口する嵌合溝54eを形成する。
【0017】
第2縦枠62は、見込み方向に延びる壁部64と、壁部64に連結された突壁64a、爪部64b、突壁64c、突壁64d、爪部64e及び突壁64fと、一対の嵌合壁64g、64hとを有する。突壁64aは、壁部64よりも室外側に位置する。突壁64aは、見込み方向に延びている。突壁64aは、突壁63bに横方向外側から接する。爪部64bは、壁部64から横方向内側に延びる。爪部64bは、爪部63cに横方向内側から係合する。突壁64cは、爪部64bよりも室内側に位置する。突壁64cは、横方向内側に延びる。突壁64cは、見込み壁63に横方向外側から接する。突壁64dは、突壁64cよりも室内側に位置する。突壁64dは、横方向内側に延びる。突壁64dは、見込み壁63に横方向外側から接する。爪部64eは、突壁64dよりも室内側に位置する。爪部64eは、横方向内側に延びる。爪部64eは、爪部63dに横方向内側から係合する。突壁64fは、爪部64eよりも室内側に位置する。突壁64fは、横方向内側に延びる。突壁64fは、見込み壁63に横方向外側から接する。
【0018】
突壁64aが突壁63bに横方向外側から接し、突壁64c、突壁64d及び突壁64fが見込み壁63に横方向外側から接したときに、第2縦枠62は、第1縦枠61に対して横方向に位置決めされる。爪部64bが爪部63cに横方向内側から係合し、爪部64eが爪部63dに横方向内側から係合したときに、第2縦枠62は、第1縦枠61の横方向外側に固定される。
【0019】
一対の嵌合壁64g、64hは、壁部64の見込み方向の室内側端部に配置される。一対の嵌合壁64g、64hは、見込み方向に離れて配置されている。一対の嵌合壁64g、64hは、横方向内側において連結壁64jを介して連結されたU字状である。一対の嵌合壁64g、64hは、横方向に延び横方向外側に開口する嵌合溝64iを形成する。
【0020】
図2に示すように、上枠7は、金属製の第1上枠12と樹脂製の第2上枠13と樹脂製の第3上枠14とを有する。左側のサッシ枠1の第1上枠12は、第1縦枠51における上側の横方向外側に固定されている。右側のサッシ枠1の第1上枠12は、第1縦枠61における上側の横方向外側に固定されている。
【0021】
図4に示すように、第1上枠12は、上壁12aと縦壁12bと爪部12cとを有する。上壁12aは、見込み方向に延びている。縦壁12bは、上壁12aにおける見込み方向の室内側から下側に延びる。爪部12cは、縦壁12bから室内側に突出してから下側に延びる。
【0022】
第2上枠13は、縦壁13aと壁部13bと爪部13cと突壁13dと一対の嵌合壁13e、13fとを有する。縦壁13aは、上壁12aよりも室内側に位置し縦方向に延びる。壁部13bは、縦壁13aよりも室外側に位置し見込み方向に延びる。壁部13bは、縦壁12bの下端に下側から接する。爪部13cは、縦壁12bよりも室内側に位置し上側に延びる。爪部13cは、室内側から縦壁12bに接する。爪部13cは、爪部12cに上側から係合する。突壁13dは、縦壁13aから室外側に突出する。突壁13dは、室内側から縦壁12bに接する。
【0023】
爪部13c及び突壁13dが縦壁12bに接したときに、第2上枠13は、第1上枠12に対して見込み方向に位置決めされる。爪部13cが爪部12cに上側から係合したときに、第2上枠13は、第1上枠12に対して縦方向に位置決めされる。図2に示すように、左側の第2上枠13は、第2縦枠52の上側に固定された支持部材13gに接する。右側の第2上枠13は、第2縦枠62の上側に固定された図示しない支持部材13gに接する。支持部材13gは、下側から左側と右側の第2上枠13を支持する。
【0024】
一対の嵌合壁13e、13fは、縦壁13aの上端に配置される。一対の嵌合壁13e、13fは、見込み方向に離れて配置されている。一対の嵌合壁13e、13fは、上側において連結壁13hを介して連結されたU字状である。一対の嵌合壁13e、13fは、横方向に延び下側に開口する嵌合溝13iを形成する。
【0025】
第3上枠14は、縦壁14aと壁部14bと突壁14cと突壁14dとを有する。縦壁14aは、嵌合壁13fよりも室内側に位置し縦方向に延びる。壁部14bは、縦壁14aの下端から室外側に延びる。壁部14bは、嵌合壁13fよりも下側に位置する。壁部14bは、室内側から縦壁13aに接する。突壁14cは、壁部14bから上側に延びる。突壁14cは、下側から嵌合溝13iに挿入されている。突壁14cは、縦壁14aに対して室外側に離れて配置されている。突壁14cは、縦壁14aとの間に嵌合溝14eを形成する。嵌合溝14eは、横方向に延び上側に開口する。嵌合溝14eには、上側から嵌合壁13fが挿入されている。突壁14cは、壁部14bよりも上側の位置において室外側から嵌合壁13fに接する。
【0026】
壁部14bが室内側から縦壁13aに接し、突壁14cが室外側から嵌合壁13fに接したときに、第3上枠14は、第2上枠13に対して見込み方向に位置決めされる。突壁14dは、縦壁14aの上端から室内側に延びる。
【0027】
図2に示すように、下枠8は、金属製の第1下枠15と樹脂製の第2下枠16とを有する。左側のサッシ枠1の第1下枠15は、第1縦枠51における下側の横方向外側に固定されている。右側のサッシ枠1の第1下枠15は、第1縦枠61における下側の横方向外側に固定されている。
【0028】
図5に示すように、第1下枠15は、縦壁15aと壁部15bと突壁15cとを有する。縦壁15aは、第1下枠15における室内側の端部側に位置し縦方向に延びる。壁部15bは、縦壁15aにおける縦方向の中途から室内側に延びる。突壁15cは、壁部15bから上側に突出し室内側に延びる。
【0029】
第2下枠16は、壁部16aと突壁16bと傾斜壁16cと突壁16dとを有する。壁部16aは、突壁15cよりも上側に位置し見込み方向に延びる。突壁15cは、下側から壁部16aを支持する。突壁16bは、壁部16aから下側に延びる。突壁16bは、室内側から縦壁15aに接する。突壁16bは、上側から壁部15bに接する。突壁16bが室内側から縦壁15aに接したときに、第2下枠16は第1下枠15に対して見込み方向に位置決めされる。突壁16bが上側から壁部15bに接したときに、第2下枠16は第1下枠15に対して縦方向に位置決めされる。傾斜壁16cは、壁部16aにおける室内側の端部から室内側に離れるにつれて下側に向かう方向に傾斜する。突壁16dは、傾斜壁16cにおける室内側の端部から下側に延びる。図2に示すように、左側の第2下枠16は、第2縦枠52の下側に固定された支持部材16gに接する。右側の第2下枠16は、第2縦枠62の下側に固定された図示しない支持部材16gに接する。支持部材16gは、上側から左側と右側の第2下枠16を支持する。
【0030】
図3に示すように、方立2は、縦枠4を構成する右縦枠5と左縦枠6とを横方向に連結する。方立2の断面形状は、見付け壁21、22と見込み壁23、24と中空部25、26とを有する見込み方向に長い矩形である。方立2は、縦方向に延びる角筒状である。方立2は、金属材料で形成されている。方立2は、アルミニウム合金の押出成形材である。
【0031】
方立2は、一対の第1爪部27を有する。一対の第1爪部27は、横方向に離れて配置されている。第1爪部27は、見付け壁22から目板3に向けて室内側に突出する。一対の第1爪部27は、縦方向に延びる。一対の第1爪部27における上端の位置は、目板3の上端よりも上側である。一対の第1爪部27における下端の位置は、目板3の下端よりも下側である。一対の第1爪部27は、縦方向の両側で目板3よりも縦方向に突出する。
【0032】
目板3は、方立2の見込み方向の室内側に位置し縦方向に延びる。目板3は、対向壁31と側壁32と係合壁33と一対の第2爪部34とを有する。対向壁31は、横方向に延び方立2と対向する。側壁32は、対向壁31における横方向の両端からそれぞれ見込み方向の室外側に延びる。係合壁33は、側壁32のそれぞれから横方向の内側に延びる。左側の係合壁33は、嵌合溝54eに挿入されて嵌合する。右側の係合壁33は、嵌合溝64iに挿入されて嵌合する。
【0033】
一対の第2爪部34は、横方向に離れて配置されている。第2爪部34は、対向壁31から方立2に向けて室外側に突出する。第2爪部34は、第1爪部27と見込み方向に係合する。第2爪部34は、第1爪部27に室外側から係合する。目板3は、樹脂材料で形成されている。目板3は、ポリ塩化ビニルの押出成形材である。
【0034】
係合壁33が嵌合溝54e、64iに挿入されて嵌合したときに、目板3は、第2縦枠52、62に見込み方向に位置決めされて固定される。係合壁33が嵌合溝54e、64iに挿入されて嵌合したときに、目板3は、第2縦枠52、62を介して方立2に見込み方向に位置決めされて固定される。一対の第2爪部34が第1爪部27に室外側から係合したときに、目板3は、方立2に対して横方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。
【0035】
図2及び図6に示すように、上カバー部材40は、目板3の上端を室内側から覆う。上カバー部材40の上端は、目板3の上端よりも上側に位置する。上カバー部材40の下端は、目板3の上端よりも下側に位置する。上カバー部材40は、室内壁41と側壁42と第1突出部43と係止部44と突壁45と縦壁46と一対の第3爪部47とを有する。
【0036】
室内壁41は、室内側で目板3と対向する平板状である。室内壁41の横方向の寸法は、目板3の横方向の寸法よりも長い。側壁42は、室内壁41における横方向の両端からそれぞれ室外側に延びる。側壁42は、目板3の横方向の外側に位置する。側壁42は、目板3を横方向の外側から覆う。側壁42は、横方向の外側から目板3を保持する。突壁45は、室内壁41の上端から室内側に延びる。図7に示すように、突壁45は、下側から第3上枠14の突壁14dに接する。突壁45が突壁14dに接するとは、突壁45と突壁14dとの間に接着剤等が介在する場合も含む。突壁45は、両面テープを用いて突壁14dの下側に固定されている。縦壁46は、突壁45における室内側の端部から上側に延びる。縦壁46は、突壁14dの室内側に位置する。縦壁46は、突壁14dを室内側から覆う。
【0037】
第1突出部43は、室内壁41から見込み方向の室外側に突出する。第1突出部43は、横方向に延びる。第1突出部43における横方向の端部は、側壁42に繋がる。第1突出部43の縦方向の位置は、目板3の縦方向の端部よりも縦方向の外側に位置する。第1突出部43の縦方向の位置は、目板3の上端よりも上側に位置する。突壁45が突壁14dの下側に固定されたときに、第1突出部43と目板3との間には縦方向に隙間が形成される。
【0038】
係止部44は、第1突出部43における室外側の先端から縦方向の内側に延びる。係止部44は、第1突出部43における室外側の先端から下側に延びる。係止部44は、横方向に間隔をあけて複数設けられている。係止部44は、三つ設けられている。係止部44は、室内壁41との間に間隙44aを形成する。間隙44aは、縦方向に延びて下側に開口する。第1突出部43は、間隙44aの上側を閉塞する。三つの係止部44は、横方向に離れる二つの側壁42の間に亘って横方向に延びる間隙44aを形成する。間隙44aには、目板3における対向壁31の上端が下側から縦方向にスライド可能に挿入される。係止部44は、室外側から対向壁31に係止する。突壁45が突壁14dの下側に固定されたときに、係止部44は、室外側から対向壁31に係止する。
【0039】
一対の第3爪部47は、横方向に離れて配置されている。一対の第3爪部47は、目板3の上端よりも上側に位置する。一対の第3爪部47における上端の縦方向の位置は、方立2における第1爪部27の上端の位置と同一である。図8に示すように、一対の第3爪部47は、室内壁41から方立2に向けて室外側に突出する。第3爪部47は、第1爪部27と見込み方向に係合する。第3爪部47は、第1爪部27に室外側から係合する。上カバー部材40は、樹脂材料で形成されている。上カバー部材40は、射出成形体である。
【0040】
間隙44aに下側から挿入された目板3における対向壁31の上端に、係止部44が室外側から対向壁31に係止したときに、上カバー部材40は、目板3に対して見込み方向に位置決めされて固定される。突壁45が突壁14dの下側に固定されていないときに、上カバー部材40は、自重で下側に下降可能である。対向壁31の上端が挿入された間隙44aの上側は、第1突出部43が閉塞しているため、上カバー部材40が下降したときに第1突出部43が対向壁31の上端に上側から係合する。第1突出部43が対向壁31の上端に係合するため、上カバー部材40の落下を抑制できる。突壁45が突壁14dの下側に固定され、且つ、係止部44が室外側から目板3に係止したときに、上カバー部材40は、落下を抑制されつつ目板3に対して見込み方向に位置決めされて固定される。一対の第3爪部47が第1爪部27に室外側から係合したときに、上カバー部材40は、方立2に対して横方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。
【0041】
図2に示すように、下カバー部材70は、目板3の下端を室内側から覆う。下カバー部材70の上端は、目板3の下端よりも上側に位置する。下カバー部材70の下端は、目板3の下端よりも下側に位置する。図9に示すように、下カバー部材70は、室内壁71と第2側壁72と第1突出部73と係止部74と傾斜壁75と縦壁76と第2突出部77と第2係止部78とを有する。
【0042】
室内壁71は、室内側で目板3と対向する平板状である。室内壁71の横方向の寸法は、目板3の横方向の寸法よりも長い。第2側壁72は、室内壁71の横方向の両端からそれぞれ見込み方向の室外側に延びる。図10に示すように、第2側壁72は、目板3における側壁32の横方向の外側に位置する。第2側壁72は、目板3を横方向の外側から覆う。第2側壁72は、横方向の外側から目板3を保持する。傾斜壁75は、第2側壁72における室外側端部の下端から見込み方向の室内側に向かうにつれて漸次下側に向かう方向に傾斜して延びる。図11に示すように、傾斜壁75は、第2下枠16の傾斜壁16cに上側から接する。傾斜壁75が傾斜壁16cに接するとは、傾斜壁75と傾斜壁16cとの間に接着剤等が介在する場合も含む。傾斜壁75は、両面テープを用いて傾斜壁16cの上側に固定されている。縦壁76は、傾斜壁75における室内側の端部から下側に延びる。縦壁76は、室内側から突壁16dに接する。縦壁76は、室内側から突壁16dを覆う。
【0043】
第1突出部73は、室内壁71から見込み方向の室外側に突出する。第1突出部73の縦方向の位置は、目板3の縦方向の端部よりも縦方向の外側に位置する。第1突出部73の縦方向の位置は、目板3の下端よりも下側に位置する。第1突出部73は、下側から目板3における対向壁31を支持する。
【0044】
係止部74は、第1突出部73における室外側の先端から縦方向の内側に延びる。係止部74は、第1突出部73における室外側の先端から上側に延びる。係止部74は、室内壁71との間に間隙74aを形成する。間隙74aは、縦方向に延び上側に開口する。第1突出部73は、間隙74aの下側を閉塞する。間隙74aには、目板3における対向壁31の下端が上側から縦方向にスライド可能に挿入される。係止部74は、室外側から対向壁31に係止する。係止部74は、室内側に突出する嵌合突部74bを有する。嵌合突部74bは、室内壁71との間で目板3における対向壁31の下端を挟み込む。
【0045】
第2突出部77は、左右の第2側壁72からそれぞれ横方向の内側に突出する。第2突出部77の縦方向の位置は、第1突出部73と同一である。第2突出部77は、下側から目板3における側壁32を支持する。
【0046】
第2係止部78は、第2突出部77における横方向内側の先端から上側に延びる。第2係止部78は、第2側壁72との間に間隙78aを形成する。間隙78aは、見込み方向に延び上側に開口する。第2突出部77は、間隙78aの下側を閉塞する。間隙78aには、目板3における側壁32の下端が上側から挿入される。第2係止部78は、横方向の内側から側壁32に係止する。第2係止部78は、横方向の外側に突出する第2嵌合突部78bを有する。第2嵌合突部78bは、第2側壁72との間で目板3における側壁32の下端を挟み込む。
【0047】
建具10において、方立2に目板3を固定する際の施工方法について説明する。本開示における連窓目板の施工方法は、サッシ枠1の縦枠4同士を連結する方立2に、方立2の見込み方向の室内側に位置し縦方向に延びる目板3を固定する連窓目板の施工方法であって、室内側で目板3と対向する室内壁41、71と、目板3の縦方向の端部よりも縦方向の外側に位置し、室内壁41、71から見込み方向の室外側に突出する第1突出部43、73と、第1突出部43、73の先端から縦方向の内側に延び、室内壁41、71との間に縦方向の内側に延びて開口する間隙44a、74aを形成する係止部44、74と、をそれぞれ有する上カバー部材40と下カバー部材70の間隙44a、74aに目板3の縦方向の端部を縦方向の内側から挿入し、室外側から目板3に係止部44、74を係止させて目板3の上端と下端の少なくとも一方を覆う工程を有する。
【0048】
目板3に対しては、上カバー部材40及び下カバー部材70を取り付ける。下カバー部材70を目板3に取り付ける際には、目板3における対向壁31及び側壁32の下端を下カバー部材70の間隙74a及び間隙78aにそれぞれ挿入し下側に押し込む。間隙74a及び間隙78aにそれぞれ押し込まれた対向壁31及び側壁32の下端は、第1突出部73及び第2突出部77の上側に接して縦方向に位置決めされる。
【0049】
間隙74aに押し込まれた対向壁31の下端は、係止部74が室外側から係止するとともに、嵌合突部74bと室内壁71との間で挟み込まれる。対向壁31の下端が間隙74aに押し込まれた下カバー部材70は、目板3に対して縦方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。
【0050】
間隙78aに押し込まれた側壁32の下端は、第2係止部78が横方向の内側から係止するとともに、第2嵌合突部78bと第2側壁72との間で挟み込まれる。側壁32の下端が間隙78aに押し込まれた下カバー部材70は、目板3に対して縦方向及び横方向に位置決めされて固定される。下カバー部材70は、目板3に対して縦方向、見込み方向及び横方向に位置決めされて固定される。
【0051】
上カバー部材40を目板3に取り付ける際には、目板3における対向壁31の上端を上カバー部材40の間隙44aに挿入する。間隙44aに対向壁31の上端が挿入された上カバー部材40は、側壁42が目板3に対して横方向の外側に位置するため横方向に位置決めされる。突壁45が突壁14dに固定されていないときに、上カバー部材40は縦方向に固定されていない。縦方向に固定されていない上カバー部材40は下降して、第1突出部43が目板3の上端に係合して取り付けられる。
【0052】
上カバー部材40及び下カバー部材70が取り付けられた目板3については、方立2における第1爪部27に向けて一対の第2爪部34を押し込んで室外側から係合させる。第2爪部34を第1爪部27に係合させつつ、係合壁33が横方向に互いに離れる方向に側壁32を弾性変形させて嵌合溝54eの開口部と対向させた後に、側壁32の弾性変形を解除する。側壁32の弾性変形を解除することで、係合壁33は嵌合溝54eに横方向の外側から挿入される。目板3における第2爪部34を方立2における第1爪部27に係合させる際には、上カバー部材40における第3爪部47を方立2における第1爪部27に係合させる。
【0053】
第2爪部34が第1爪部27に係合し、係合壁33が嵌合溝54eした目板3は、方立2に対して横方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。目板3に対して横方向、見込み方向及び縦方向に位置決めされて固定された下カバー部材70は、目板3を介して方立2に横方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。第3爪部47が第1爪部27に係合した上カバー部材40は、方立2に対して横方向及び見込み方向に位置決めされて固定される。
【0054】
縦方向に固定されていない下カバー部材70については、目板3とともに上側に移動させ、図11に示すように、両面テープを用いて傾斜壁75を傾斜壁16cに固定する。傾斜壁75を傾斜壁16cに固定したときに、目板3及び下カバー部材70は方立2に対して横方向、見込み方向及び縦方向に位置決めされて固定される。
【0055】
縦方向に固定されていない上カバー部材40については、目板3に対して上側にスライド移動させ、図7に示すように、両面テープを用いて突壁45を突壁14dに固定する。突壁45を突壁14dに固定したときに、上カバー部材40は方立2に対して横方向、見込み方向及び縦方向に位置決めされて固定される。
【0056】
本実施形態の連窓目板固定構造によれば、目板3における第2爪部34が方立2の第1爪部27に係合し、目板3における係合壁33が第2縦枠52、62における嵌合壁54c、54d、64g、64hに嵌合したときに、方立2と目板3が固定されるため、連窓専用の樹脂縦枠を用いる必要がない。単窓用樹脂縦枠と連窓用樹脂縦枠を選択的に用いる必要がないため、縦枠4の生産効率の向上を図ることができる。
【0057】
目板3を方立2にねじ固定せずに第2爪部34と第1爪部27との係合と、係合壁33と嵌合壁54c、54d、64g、64hとの嵌合で固定しており、ねじ固定のための作業が生じないとともにねじが露出しないため、施工時の工数削減及び意匠性向上を図ることができる。
【0058】
目板3の上端を室内側から覆う上カバー部材40が目板3の上端よりも上側に位置し、室内壁41から見込み方向の室外側に突出する第1突出部43と、第1突出部43の先端から上側に延び室内壁41との間に縦方向に延び下側に開口する間隙44aを形成する係止部44とを有するため、目板3における対向壁31の上端を下側から間隙44aに挿入したときに、ねじ固定することなく目板3に上カバー部材40を取り付けることができる。ねじ固定することなく目板3に上カバー部材40を取り付けるため、ねじ固定のための作業が生じないとともにねじが露出せず、施工時の工数削減及び意匠性向上を図ることができる。
【0059】
上カバー部材40における第1突出部43が間隙44aの上側を閉塞しているため、上カバー部材40が下降した場合に第1突出部43が目板3における対向壁31の上端に係合して落下することを抑制できる。
【0060】
上カバー部材40における一対の第3爪部47が方立2における一対の第1爪部27と見込み方向に係合するため、方立2に対して上カバー部材40を横方向及び見込み方向に安定して取り付けることができる。
【0061】
下カバー部材70の係止部74が室内側に突出する嵌合突部74bを有し、嵌合突部74bと室内壁71との間で目板3における対向壁31の下端を挟み込むため、目板3を安定して固定することができる。
【0062】
下カバー部材70が縦方向の位置が第1突出部73と同一であり、第2側壁72から横方向の内側に突出する第2突出部77と、第2突出部77の先端から上側に延び、横方向の内側から目板3の側壁32に係止する第2係止部78とを有するため、対向壁31に加えて目板3における側壁32を横方向に安定して位置決めすることができる。
【0063】
第2係止部78が横方向の外側に突出する第2嵌合突部78bを有し、第2嵌合突部78bと第2側壁72との間で目板3における側壁32の下端を挟み込むため、目板3を一層安定して固定することができる。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0065】
例えば、上記実施形態では、方立2が金属材料で形成される構成を例示したが、この構成に限定されない。方立2の一部が樹脂材料で形成され、他の箇所が金属材料で形成される構成であってもよい。上記実施形態では、目板3が樹脂材料で形成される構成を例示したが、この構成に限定されない。目板3が金属材料で形成される構成であってもよい。目板3の一部が樹脂材料で形成され、他の箇所が金属材料で形成される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
2…方立、3…目板、4…縦枠、27…第1爪部、31…対向壁、32…側壁、33…係合壁、34…第2爪部、40…上カバー部材、41、71…室内壁、42…側壁、43、73…第1突出部、44、74…係止部、44a、74a…間隙、47…第3爪部、51、61…第1縦枠、52、62…第2縦枠、54c、54d、64g、64h…嵌合壁、54e、64i…嵌合溝、70…下カバー部材、72…第2側壁、74b…嵌合突部、77…第2突出部、78…第2係止部、78b…第2嵌合突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11