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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045551
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20230327BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230327BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
H05K9/00 A
B41J29/00 S
G03G15/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154041
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】井上 英明
(72)【発明者】
【氏名】永田 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 賢裕
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
5E321
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061BB08
2C061BB35
2C061CP09
2H171FA01
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA26
2H171HA37
2H171UA02
5E321AA01
5E321AA03
5E321AA14
5E321AA33
5E321CC16
5E321CC30
5E321GG05
(57)【要約】
【課題】筐体の開口部を導電性の部材でシールドする構造を用いることなく、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる電子機器を提供する。
【解決手段】筐体4は、導電性の部材で形成され、開口部4bを有する。搬送部2は、筐体4内に配置され、ノイズ電波を放射する。導電部6は、導電性の部材で形成され、少なくとも一部が開口部4bに平面視にて重複するように、搬送部2に対して開口部4b側に配置され、一端が筐体4に電気的に接続され、他端が電気的に開放端とされている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の部材で形成され、開口部を有する筐体と、
前記筐体内に配置され、ノイズ電波を放射する放射源と、
導電性の部材で形成され、少なくとも一部が前記開口部に平面視にて重複するように、前記放射源に対して前記開口部側に配置され、一端が前記筐体に電気的に接続され、他端が電気的に開放端とされた導電部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記導電部は、前記ノイズ電波の偏波方向に細長い形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記導電部の前記ノイズ電波の偏波方向における長さが、前記ノイズ電波の波長に応じて設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記開口部を開閉する扉をさらに備え、
前記導電部は、前記扉に設置され、前記扉が閉じられると、一端が前記筐体に電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置等の電子機器において、内蔵された部品等からノイズ電波(不要輻射)が放射されることがある(特許文献1参照)。このノイズ電波が外部に漏洩すると、他の電子機器に障害を発生させるおそれがある。
【0003】
電子機器の筐体を金属製で開口部のない構造とすれば、ノイズ電波の漏洩は抑制される。しかし、例えば電子機器内のメンテナンスを容易に行うことができるように、筐体に比較的大きな開口部が設けられることがある。このような電子機器では、筐体の開口部からノイズ電波が漏洩することがある。
【0004】
これに対し、金属等の導電性の部材で開口部をシールドする構造とすれば、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4609452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように導電性の部材で開口部をシールドする構造とすると、電子機器の重量の増大やコストの増大を招く。このため、筐体の開口部を導電性の部材でシールドする構造を用いることなく、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる技術が要望されていた。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、筐体の開口部を導電性の部材でシールドする構造を用いることなく、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の電子機器は、導電性の部材で形成され、開口部を有する筐体と、前記筐体内に配置され、ノイズ電波を放射する放射源と、導電性の部材で形成され、少なくとも一部が前記開口部に平面視にて重複するように、前記放射源に対して前記開口部側に配置され、一端が前記筐体に電気的に接続され、他端が電気的に開放端とされた導電部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子機器によれば、筐体の開口部を導電性の部材でシールドする構造を用いることなく、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示す斜視図である。
図2図1に示す印刷装置のカバーが閉じられた状態を示す斜視図である。
図3図1に示す印刷装置の印刷部および搬送部の概略構成を示す図である。
図4図1に示す印刷装置の搬送部の斜視図である。
図5図1に示す印刷装置の搬送部と導電部とにより形成されるアンテナ構造のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0012】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す印刷装置のカバーが閉じられた状態を示す斜視図である。図3は、図1に示す印刷装置の印刷部および搬送部の概略構成を示す図である。図4は、図1に示す印刷装置の搬送部の斜視図である。以下の説明において、図1の矢印で示す上下左右前後を上下左右前後方向とする。なお、図2では、カバーを破線で示している。
【0014】
図1図2に示すように、本実施の形態に係る印刷装置(電子機器に相当)1は、搬送部(放射源に相当)2と、印刷部3と、筐体4と、カバー(扉に相当)5A,5Bと、導電部6と、接続部7と、マグネットキャッチ8と、吸着板金9とを備える。
【0015】
搬送部2は、給紙部(図示せず)から給紙された用紙(図示せず)を搬送する。搬送部2は、筐体4内に配置されている。搬送部2は、昇降機構(図示せず)により昇降可能に構成されている。図3図4に示すように、搬送部2は、搬送ベルト11と、駆動ローラ12と、従動ローラ13~15と、側板16とを備える。
【0016】
搬送ベルト11は、用紙を吸着保持して搬送する。搬送ベルト11は、駆動ローラ12および従動ローラ13~15に掛け渡された環状のベルトである。搬送ベルト11には、多数のベルト穴が形成されている。搬送ベルト11は、ファン(図示せず)の駆動によりベルト穴に発生する吸着力により用紙を吸着保持する。
【0017】
駆動ローラ12は、搬送ベルト11を回転させる。駆動ローラ12は、図示しないモータにより回転駆動される。従動ローラ13~15は、駆動ローラ12とともに搬送ベルト11を支持する。従動ローラ13~15は、搬送ベルト11に従動回転する。
【0018】
側板16は、駆動ローラ12および従動ローラ13~15を回転可能に保持する。搬送部2には、2枚の側板16が設けられている。一方の側板16が駆動ローラ12および従動ローラ13~15を前側の端部で保持し、他方の側板16が駆動ローラ12および従動ローラ13~15を後側の端部で保持している。側板16は、金属等の導電性の部材で形成されている。
【0019】
印刷部3は、搬送部2により搬送される用紙に印刷を行う。印刷部3は、筐体4内において、搬送部2の上方に配置されている。図1図3に示すように、印刷部3は、複数のインクジェットヘッド21と、ヘッドホルダ22と、ヘッドホルダ接続部23と、接続ピン24とを備える。
【0020】
インクジェットヘッド21は、搬送部2に対向する下面に開口する複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを吐出して用紙に画像を形成する。インクジェットヘッド21内には、各ノズルからインクを吐出させる複数の圧電素子、および圧電素子を駆動させるヘッド駆動IC(いずれも図示せず)が配置されている。
【0021】
ヘッドホルダ22は、インクジェットヘッド21を保持する。ヘッドホルダ22は、中空状の略直方体形状に形成されている。ヘッドホルダ22は、金属等の導電性の部材で形成されている。ヘッドホルダ22内には、各インクジェットヘッド21の駆動を制御する駆動回路(図示せず)が配置されている。
【0022】
ヘッドホルダ接続部23は、ヘッドホルダ22を筐体4に接続する。
【0023】
接続ピン24は、ヘッドホルダ22と搬送部2とを位置決めするための部材である。接続ピン24は、ヘッドホルダ22の前側の左右2か所に立設されている。昇降可能な搬送部2の接続穴に、接続ピン24が挿入されることで、搬送部2とヘッドホルダ22とが接続され、搬送部2が位置決めされる。接続ピン24は、前後方向における位置を調整可能に構成されている。接続ピン24は、金属等の導電性の部材で形成されている。接続ピン24により搬送部2とヘッドホルダ22とが接続された状態では、ヘッドホルダ22と搬送部2の側板16とが電気的に接続された状態となる。
【0024】
筐体4は、搬送部2および印刷部3を内部に収容する。筐体4は、中空状の略直方体形状に形成されている。筐体4は、金属等の導電性の部材で形成されている。筐体4は、接地されている。筐体4は、その前面を構成する前面板金4aの一部を開口する開口部4bを有する。
【0025】
開口部4bは、ユーザがメンテナンス等を行う際に、筐体4内の搬送部2等にアクセスすることができるようにするためのものである。開口部4bは、ユーザが搬送部2等にアクセスするのに十分な大きさに形成されている。開口部4bは、平面視(開口面視)にて、開口部4bの開口領域内に搬送部2の少なくとも一部が入るように形成されている。本実施の形態では、開口部4bは、平面視(開口面視)にて、開口部4bの開口領域内に搬送部2の全体が入るように形成されている。
【0026】
カバー5A,5Bは、筐体4の前面(前面板金4a)を覆うものである。カバー5Aは、筐体4の前面の右側を覆うものであり、カバー5Bは、筐体4の前面の左側を覆うものである。カバー5A,5Bは、開閉可能な扉状に形成されている。すなわち、カバー5A,5Bは、筐体4の開口部4bを開閉する扉を構成している。カバー5A,5Bは、樹脂等の絶縁体により形成されている。
【0027】
導電部6は、後述するように搬送部2の側板16から放射されるノイズ電波(不要輻射)の印刷装置1の外部への漏洩を抑制するためのリターン経路を形成するものである。導電部6は、導電性の部材で形成されている。例えば、導電部6は、カバー5Aに貼り付けられた導電テープにより形成されている。導電部6は、カバー5Aが閉じられた状態において、少なくとも一部が開口部4bに平面視(開口面視)にて重複するように、搬送部2に対して開口部4b側に配置されている。本実施の形態では、導電部6は、カバー5Aが閉じられた状態において、筐体4の外側の開口部4b近傍に配置されている。
【0028】
導電部6は、搬送部2の側板16から放射されるノイズ電波の偏波方向に細長い形状に形成されている。本実施の形態では、搬送部2の側板16から放射されるノイズ電波の偏波方向が垂直方向である。このため、導電部6は、垂直方向(上下方向)に細長い形状に形成されている。
【0029】
導電部6は、カバー5Aが閉じられた状態において、一端(下端)が接続部7、マグネットキャッチ8、および吸着板金9を介して筐体4に電気的に接続され、他端(上端)が電気的に開放端とされている。これにより、導電部6は、搬送部2とアンテナ構造を形成し、ノイズ電波のリターン経路として機能する。ノイズ電波の偏波方向(上下方向)における導電部6の長さは、高効率でノイズ電波を受信できるように、ノイズ電波の波長(周波数)に応じた長さに設定されている。ノイズ電波の波長が長いほど、ノイズ電波の偏波方向における導電部6の長さが長くなる。ノイズ電波の偏波方向における導電部6の長さは、例えば、実験的に決定されている。
【0030】
本実施の形態では、導電部6は、カバー5Aが閉じられた状態において、左右方向においてノイズ電波が最も強くなる位置に配置されている。カバー5Aが閉じられた状態における導電部6の左右方向における位置は、例えば、実験的に決定されている。また、カバー5Aが閉じられた状態における導電部6と搬送部2の側板16との間の前後方向における距離は、導電部6がノイズ電波のリターン経路として機能することが可能な所定距離以下になっている。
【0031】
接続部7は、導電部6とマグネットキャッチ8とを電気的に接続する。接続部7は、導電性の部材で形成されている。接続部7は、例えば、カバー5Aに貼り付けられた導電テープにより形成されている。接続部7は、導電部6と一体に形成されていてもよい。
【0032】
マグネットキャッチ8は、カバー5Aを閉じられた状態で保持するために、磁気により吸着板金9に吸着する部品である。また、マグネットキャッチ8は、カバー5Aが閉じられた状態において、接続部7と吸着板金9とを電気的に接続する。マグネットキャッチ8は、金属等の導電性の部材で形成された部分を有し、この部分により、カバー5Aが閉じられた状態において接続部7と吸着板金9とを電気的に接続する。マグネットキャッチ8は、カバー5Aの内側の下部に設置されている。
【0033】
吸着板金9は、カバー5Aが閉じられた際にマグネットキャッチ8が吸着する部材である。吸着板金9は、金属等の導電性の部材で形成されている。吸着板金9は、筐体4の前面板金4aに設置され、筐体4に電気的に接続されている。
【0034】
次に、印刷装置1の動作について説明する。
【0035】
印刷装置1で印刷を行う際、搬送部2に給紙部から用紙が給紙され、搬送部2は用紙を搬送する。そして、印刷部3のインクジェットヘッド21が、搬送部2により搬送される用紙にインクを吐出して画像を形成する。ここで、印刷動作は、カバー5A,5Bが閉じられた状態で行われる。
【0036】
印刷動作において前述の駆動回路がインクジェットヘッド21を吐出駆動させると、吐出駆動に関係する周波数の高周波電流Iが、ヘッドホルダ22および接続ピン24を介して搬送部2の側板16へ伝達される。このため、搬送部2(の側板16)がノイズ電波の放射源となる。
【0037】
ここで、カバー5A,5Bが閉じられた状態では、搬送部2と導電部6とにより、アンテナ構造が形成される。このアンテナ構造のイメージ図を図5に示す。図5のアンテナ構造では、搬送部2(の側板16)が正極の電極を構成し、導電部6が負極の電極を構成する。導電部6は、接地された筐体4に電気的に接続されている。
【0038】
印刷動作中は、図5に示すように、搬送部2には、上述した高周波電流Iが流れる。この高周波電流Iは、搬送部2の側板16から空間容量を経由して導電部6に流れる。これにより、搬送部2の側板16からノイズ電波が放射され、そのノイズ電波が導電部6で受信される。このように、導電部6がノイズ電波のリターン経路となることで、印刷装置1の外部へのノイズ電波の漏洩が低減する。
【0039】
本実施の形態とは異なり、導電部6がない場合、ノイズ電波のリターン経路がないため、印刷装置1の外部へのノイズ電波の漏洩が抑えられず、周辺の電子機器に障害を発生させるおそれがある。
【0040】
以上説明したように、印刷装置1は、導電部6を備える。この導電部6が、搬送部2(の側板16)から放射されたノイズ電波のリターン経路となるため、印刷装置1の外部に漏洩するノイズ電波を低減できる。また、導電部6を設けることで、カバー5A,5Bを、開口部4bをシールドする構造の、金属等の導電性の部材からなるものとすることなく、印刷装置1の外部に漏洩するノイズ電波を低減できる。
【0041】
したがって、印刷装置1によれば、筐体4の開口部4bを導電性の部材でシールドする構造を用いることなく、外部に漏洩するノイズ電波を低減できる。
【0042】
また、印刷装置1では、導電部6は、搬送部2の側板16から放射されるノイズ電波の偏波方向に細長い形状に形成されている。これにより、コンパクトな導電部6でノイズ電波のリターン経路を実現できる。
【0043】
また、印刷装置1では、ノイズ電波の偏波方向における導電部6の長さが、ノイズ電波の波長に応じて設定されている。これにより、導電部6が高効率でノイズ電波を受信でき、外部に漏洩するノイズ電波をより低減できる。
【0044】
また、印刷装置1では、導電部6は、カバー5Aに設置され、カバー5Aが閉じられると、一端が筐体4に電気的に接続される。これにより、既存のカバー5Aを利用して導電部6によるノイズ電波のリターン経路を実現できる。
【0045】
また、印刷装置1では、カバー5A,5Bが樹脂等の絶縁体により形成されているので、導電部6が形成するノイズ電波のリターン経路に影響を与えることなく導電部6を所定位置に支持することができる。また、印刷装置1を軽量化できる。
【0046】
なお、上述した実施の形態では、開口部4bは、筐体4の前面(前面板金4a)の一部を開口するものとしたが、筐体4の1つの面の全面を開口するものであってもよい。
【0047】
また、上述した実施の形態では、導電部6をノイズ電波の偏波方向に細長い形状としたが、これに限らず、例えば、導電部6が正方形等の幅広の矩形の面状のものであってもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、導電部6は、カバー5Aに貼り付けられた導電テープにより形成されているものとした。しかし、導電部6は、導電テープ以外の導電性の部材で形成されたものであってもよい。また、導電部6は、カバー5Aとは分離して、一端が筐体4に電気的に接続するように設けられたものであってもよい。また、導電部6は、筐体4の内部において、搬送部2に対して開口部4b側に配置されていてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態では、導電部6の一端がマグネットキャッチ8等を介して間接的に筐体4に電気的に接続するものとしたが、導電部6の一端が直接、筐体4に電気的に接続するものであってもよい。
【0050】
また、上述した実施の形態では、カバー5A,5Bが樹脂等の絶縁体により形成されているものとしたが、カバーが金属等の導電性の部材で形成されているが開口部4bをシールドできない構成でも本発明は適用可能である。
【0051】
また、上述した実施の形態では、2枚のカバー5A,5Bで筐体4の前面(前面板金4a)を覆う構成としたが、これに限らず、カバーは1枚でも3枚以上でもよい。また、カバーがない構成で、導電部6を搬送部2に対して開口部4b側に配置したものであってもよい。
【0052】
また、上述した実施の形態では、導電部6は、カバー5Aが閉じられた状態において、左右方向においてノイズ電波が最も強くなる位置に配置されているものとした。しかし、これに限らず、導電部6の左右方向における位置は、例えば、左右方向においてノイズ電波が最も強くなる位置を含む所定の範囲内であってもよい。導電部6は、搬送部2(放射源)の位置に応じて、導電部6の少なくとも一部が開口部4bに平面視(開口面視)にて重複する範囲で、搬送部2(放射源)に近い位置に配置することが望ましい。
【0053】
また、上述した実施の形態では、印刷装置を例に説明したが、これに限らず、ノイズ電波の放射源が開口部を有する筐体内に配置された電子機器に本発明は適用可能である。
【0054】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0055】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0056】
(付記1)
導電性の部材で形成され、開口部を有する筐体と、
前記筐体内に配置され、ノイズ電波を放射する放射源と、
導電性の部材で形成され、少なくとも一部が前記開口部に平面視にて重複するように、前記放射源に対して前記開口部側に配置され、一端が前記筐体に電気的に接続され、他端が電気的に開放端とされた導電部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【0057】
(付記2)
前記導電部は、前記ノイズ電波の偏波方向に細長い形状に形成されていることを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【0058】
(付記3)
前記導電部の前記ノイズ電波の偏波方向における長さが、前記ノイズ電波の波長に応じて設定されていることを特徴とする付記1または2に記載の電子機器。
【0059】
(付記4)
前記開口部を開閉する扉をさらに備え、
前記導電部は、前記扉に設置され、前記扉が閉じられると、一端が前記筐体に電気的に接続されることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の電子機器。
【符号の説明】
【0060】
1 印刷装置
2 搬送部
3 印刷部
4 筐体
4a 前面板金
4b 開口部
5A,5B カバー
6 導電部
7 接続部
8 マグネットキャッチ
9 吸着板金
11 搬送ベルト
12 駆動ローラ
13~15 従動ローラ
16 側板
21 インクジェットヘッド
22 ヘッドホルダ
23 ヘッドホルダ接続部
24 接続ピン
図1
図2
図3
図4
図5