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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045572
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ロール体収納具
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/52 20060101AFI20230327BHJP
   B26D 1/02 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B65D25/52 F
B26D1/02 D
B65D25/52 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154077
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】315002254
【氏名又は名称】ライセンスインターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 啓子
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA20
3E062AB13
3E062AC02
3E062BA20
3E062CA13
3E062LA01
3E062LA17
3E062LA25
(57)【要約】
【課題】安全にシート材を直線状にカットすることが可能なロール体収納具を提供する。
【解決手段】本体部1の主端辺部1cには、ロール体収納具の長手方向に沿う長溝を有するレール部1dと、このレール部1dに左右方向に摺動可能な摺動部1eとが配置されている。本体部1と接合する蓋部2の副端辺部2dには、長手方向に沿う長孔部2eが設けられており、長孔部2eは蓋部2を閉止した際に摺動部1eの摘み部1hが通過可能である一対の主孔部2fと、これらの一対の主孔部2fを連結する副孔部2gとから構成されている。蓋部2を閉止し、主孔部2fから突出した摺動部1eの摘み部1hを一方の主孔部2fから他方の主孔部2fまで移動させることで、シート材を直線状にカットすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール体を収納する本体部と、該本体部に対して開閉自在に連結された蓋部とから成るロール体収納具であって、
前記本体部の前記蓋部と接合する、又は前記蓋部の前記本体部と接合する主端辺部には、長手方向に沿う長溝を有するレール部と、該レール部に摺動可能に係止する摺動部とが配置されており、
前記摺動部は前記レール部に対して下側に位置する基部と、該基部と切断部を介して連結し、前記レール部に対して上側に位置する摘み部とを備えたことを特徴とするロール体収納具。
【請求項2】
前記本体部の前記主端辺部に前記レール部及び前記摺動部が配置されている場合に、前記蓋部の前記本体部と接合する副端辺部には、長手方向に沿う長孔部が設けられており、前記蓋部を閉止した際に、前記長孔部に沿って前記切断部が摺動可能であることを特徴とする請求項1に記載のロール体収納具。
【請求項3】
前記長孔部は、両端に設けられ、前記蓋部を閉止する際に前記摘み部が通過可能である一対の主孔部と、該一対の主孔部を連結し、前記主孔部の横幅より狭い横幅を有し、前記蓋部を閉止する際に前記摘み部を通過不可とする副孔部とから成ることを特徴とする請求項2に記載のロール体収納具。
【請求項4】
前記蓋部の前記主端辺部に前記レール部及び前記摺動部が配置されている場合に、前記本体部の前記蓋部と接合する副端辺部には、長手方向に沿う長溝部が設けられており、前記蓋部を閉止した際に、前記長溝部に沿って前記切断部が摺動可能であることを特徴とする請求項1に記載のロール体収納具。
【請求項5】
前記長溝部の両端には、溝を有しない一対の空隙部が配置されており、前記蓋部を閉止する際に前記摺動部の前記基部は、前記空隙部を通過可能であり、前記長溝部に対しては通過することができないことを特徴とする請求項4に記載のロール体収納具。
【請求項6】
前記切断部は、前記基部及び前記摘み部を連結する首部と、該首部に前記長手方向に沿って取り付けた一対の刃部とから成ることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のロール体収納具。
【請求項7】
前記本体部の両側壁に、前記蓋部の両端に設けた係合片と係合する被係合部を設け、該被係合部に前記係合片を係合することで、前記蓋部の閉止状態が維持されることを特徴とする請求項1~6の何れかに1項に記載のロール体収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まな板として使用するシート材が巻回されたロール体を収納し、ロール体からシート材を適宜の長さに引き出してカットして使用するロール体収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、引き出されたラップフィルムに対して、非鋭利刃をバックアップ部材に押圧して摺動させながら切断するラップフィルム収納体が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、フィルムロールを収容したカッター刃付き外箱が開示されており、蓋部に設けたガイドにカッター刃を摺動可能に取り付け、蓋部を閉止した状態でカッター刃を摺動させることで、フィルムを任意の長さでカットすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-33937号公報
【特許文献2】特開2008-87852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、シート材の厚みがラップフィルムに比べて、10倍以上も厚いまな板用の樹脂シート材を巻回したロール体が販売されている。このロール体を特許文献1の収納体に収納させた場合には、非鋭利刃ではカットすることができず、鋭利刃を採用せざるを得ない。
【0006】
また、特許文献2は鋭利なカッター刃が蓋部に取り付けられているので、蓋部を閉める際等に指を傷つけることがあり、危険である。
【0007】
更に、特許文献1、2の収納体は、何れも蓋部を閉止した際に、刃部が端部に位置しているとは限らない。ガイド中央に刃部が位置していた場合は、閉止後に一旦、刃部を一方の端部まで摺動させ、更に他の端部まで移動させることでシート材のカットを行う。
【0008】
このように途中からシート材をカットした場合には、直線状にカットすることができなくなると、再度、シート材のカットをし直すことがあり、手間を要した。
【0009】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、シート材を任意の長さで容易にカットすることができると共に、安全にシート材を直線状にカットすることが可能なロール体収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るロール体収納具は、ロール体を収納する本体部と、該本体部に対して開閉自在に連結された蓋部とから成るロール体収納具であって、前記本体部の前記蓋部と接合する、又は前記蓋部の前記本体部と接合する主端辺部には、長手方向に沿う長溝を有するレール部と、該レール部に摺動可能に係止する摺動部とが配置されており、前記摺動部は前記レール部に対して下側に位置する基部と、該基部と切断部を介して連結し、前記レール部に対して上側に位置する摘み部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るロール体収納具によれば、シート材を任意の長さで容易にカットすることができると共に、鋭利な刃部によって手が傷付けられることなく、安全にシート材を直線状にカットすることができる。また、片手が作業等で塞がっているときでも、他方の手のみで、シート材をカットすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1のロール体収納具の分解斜視図である。
図2】ロール体収納具を組み立て、ロール体を収納可能な状態の斜視図である。
図3】(a)~(c)は摺動部の正面図、側面図、平面図である。
図4】ロール体をセットし、シート材を引き出した状態の斜視図である。
図5】蓋部を閉止した状態の斜視図である。
図6】蓋部を閉止した状態の側面断面図である。
図7】摺動部を途中まで移動させた状態の斜視図である。
図8】摺動部を他方の主孔部まで移動させた状態の斜視図である。
図9】実施例2のロール体収納具の分解斜視図である。
図10】ロール体収納具を組み立てた状態の斜視図である。
図11】蓋部を閉止した状態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0014】
図1は実施例1のロール体収納具の分解斜視図であり、図2はロール体収納具を組み立て、ロール体Rを収納可能な状態の斜視図である。ロール体収納具は例えば硬質の合成樹脂から成り、長さ30cm程度の筒状体とされている。
【0015】
ロール体収納具は、シート材S、例えば合成樹脂製の厚さ0.5mm程度のまな板シートを巻回したロール体Rを収納する本体部1と、この本体部1に軸部を介して取り付けられる蓋部2とから構成されている。
【0016】
本体部1と蓋部2とを連結する軸部3は、本体部1に設けた複数の軸受部1aと、蓋部2に設けられ、軸受部1aに対応する複数の軸片部2aとから構成されている。
【0017】
なお、本体部1及び蓋部2に対して、軸受部1a及び軸片部2aを逆に配置するようにしてもよいし、蓋部2が本体部1に対して開閉自在に連結されていれば、ヒンジ等の適宜の連結構造を採用することもできる。
【0018】
軸部3に対して空隙部1bを介した反対側であって、蓋部2と接合する本体部1の主端辺部1cには、ロール体収納具の長手方向に沿う長溝を有するレール部1dと、このレール部1dに左右方向に摺動可能な摺動部1eとが配置されている。
【0019】
図1に示すように、レール部1dは本体部1から分離可能であり、摺動部1eを端部から挿入したレール部1dを図2に示すように組み立てた後は、摺動部1eがレール部1dから外れることはない。
【0020】
図3(a)~(c)は、それぞれ摺動部1eの正面図、側面図、及びレール部1dに取り付けられた状態の平面図であり、摺動部1eは、レール部1dに対して下側に位置する基部1fと、この基部1fと切断部1gを介して連結し、レール部1dに対して上側に位置する摘み部1hとを有している。
【0021】
切断部1gは、基部1fと摘み部1hとを連結する首部1iと、この首部1iに長手方向に沿って取り付けた1対の刃部1jとから構成されている。刃部1jは(a)の正面図に示すように切断辺が斜め方向であり、(b)の側面図に示すように、首部1iの厚みより薄い鋭利な金属刃である刃部1jが首部1iの側面中央に配置されている。基部1fと摘み部1hとの間隔は5mm程度と狭いため、指が刃部1jに触れることのない構造とされている。
【0022】
本体部1の底面には、マグネットシート材1kが貼着されており、このマグネットシート材1kにより本体部1を例えば冷蔵庫の扉面等に吸着させることが可能となる。なお、ロール体収納具にマグネットシート材1kを必ずしも付設する必要はない。
【0023】
本体部1のレール部1dと直交する短手方向に沿う両側の側壁部1lは、上端辺が円弧状とされ、この上端辺の一部に凹状の被係合部1mが設けられている。被係合部1mには、後述する蓋部2の係合片2bが係合することで、蓋部2を閉止した際に、閉止状態が維持される。
【0024】
本体部1に取り付けられた蓋部2は、本体部1に対して開閉自在とされており、軸部3に対して覆部2cを介した反対側であって、本体部1と接合する蓋部2の副端辺部2dには、長手方向に沿う長孔部2eが設けられている。
【0025】
蓋部2の閉止状態に抗して、蓋部2の副端辺部2dを持ち上げることで、係合片2bと被係合部1mとの係合が解除されるが、この解除は片手で行うことが可能である。
【0026】
長孔部2eは副端辺部2dに沿って設けられ、蓋部2を閉止した際に摺動部1eの摘み部1hが通過可能である一対の主孔部2fと、これらの一対の主孔部2fを連結し、主孔部2fの溝幅よりも狭い溝幅を有する副孔部2gとから構成されている。摘み部1hは、副孔部2gに対しては蓋部2を閉止した状態では通過することはできない。
【0027】
覆部2cの両側に設けられた縁部2hは、本体部1の側壁部1lの上端辺と接する円弧凹状とされ、この縁部2hの副端辺部2d側の主孔部2fの近傍に、本体部1の被係合部1mと係合する係合片2bが設けられている。
【0028】
図4に示すように、組み立てたロール体収納具の空隙部1b内に、上方からロール体Rをセットし、ロール体Rからシート材Sを任意の長さで引き出す。なお、シート材Sを引き出す際は、図示するように摺動部1eは右端又は左端に位置することになる。
【0029】
カットすべき長さにシート材Sを引き出した後に、図5に示すように摺動部1eがレール部1dの端部に位置する状態で蓋部2を閉止する。図6は蓋部2を閉止した状態の側面の断面図であり、本体部1の被係合部1m及び蓋部2の係合片2bが係合すると共に、シート材Sは本体部1の主端辺部1c及び蓋部2の副端辺部2dによって挟持される。
【0030】
このように、シート材Sを挟持することでシート材Sは仮固定される。この仮固定された状態のシート材Sは、仮挟持状態に抗して更に外方に引き出すことが可能であり、引き出すべきシート材Sの長さを調整することができる。
【0031】
蓋部2を閉止すると、蓋部2の主孔部2fから摺動部1eの摘み部1hのみが突出し、長孔部2e内に摺動部1eの切断部1gが摺動可能な状態となる。そして、摘み部1hを指で摘まみ、一方の主孔部2fから他方の主孔部2fまで摺動部1eを図7図8に示す斜視図の順に移動させることで、シート材Sを直線状にカットすることができる。
【0032】
シート材のカット後は、摺動部1eはそのままの位置で保管することが可能であり、再びシート材Sをカットするときは、蓋部2を開放し、任意の長さにシート材Sを引き出して、蓋部2を閉止して上述のカット処理を行えばよい。
【実施例0033】
図9は実施例2のロール体収納具の分解斜視図、図10はロール体収納具を組み立て、ロール体Rを収納可能な状態の斜視図、図11は蓋部2を閉止した状態のロール体収納具の側面断面図である。
【0034】
この実施例2のロール体収納具も、本体部1と、この本体部1に軸部3を介して取り付けられる蓋部2とから構成されており、軸部3に対して覆部2cを介した反対側であって、本体部1と接合する蓋部2の主端辺部2d’には、長手方向に沿うレール部2iが設けられている。そして、長手方向に沿う長溝を有するレール部2iには、左右方向に摺動可能な摺動部2jが配置されている。摺動部2jをレール部2iに図9に示すように取り付けた後は、摺動部2jがレール部2iから外れることはない。
【0035】
摺動部2jは、実施例1の摺動部1e同様に、レール部2iに対して下側に位置する基部2kと、この基部2kと切断部2lを介して連結し、レール部2iの溝部と嵌合する摘み部2mとを有している。
【0036】
切断部2lは、実施例1の切断部1gと同様に、基部2kと摘み部2mとを連結する首部2nと、この首部2nに長手方向に沿って取り付けた1対の刃部2oとから構成されている。基部2kと摘み部2mとの間隔は5mm程度と狭いため、指が刃部2oに触れることのない構造とされている。
【0037】
軸部3に対して空隙部1bを介した反対側であって、蓋部2と接合する本体部1の副端辺部1c’には、ロール体収納具の長手方向に沿う長溝部1nと、長溝部1nの両端に配置され、溝を有しない一対の空隙部1oとを備える副レール部1pが取り外し可能に設けられている。
【0038】
蓋部2を閉止した際に摺動部2jの基部2kが空隙部1oを通過可能としている。一対の空隙部1oを連結する長溝部1nに対しては、蓋部2を閉止した状態で基部2kが通過することはできない。
【0039】
ロール体Rを収納した実施例2のロール体収納具からカットすべき長さにシート材Sを引き出した後に、摺動部2jがレール部2iの端部に位置する状態で蓋部2を閉止する。
【0040】
そして、レール部2iに対して上側に位置する摘み部2mを指で摘まみ、一方の空隙部1oから他方の空隙部1oまで摺動部2jを移動させることで、実施例1のロール体収納具と同様に、シート材Sを直線状にカットすることができる。
【0041】
このように、実施例1、2のロール体収納具によれば、シート材Sを任意の長さで容易にカットすることができると共に、鋭利な刃部1jによって指が傷付けられることなく、安全にシート材Sを直線状にカットすることができる。
【0042】
また、従来のロール体収納具のように、一方の手でシート材を掴み、シート材に張力を掛けた状態で収納具を把持する他方の手でカットするような、両手を使用する必要はない。本実施例のロール体収納具を用いることで、片手が作業等で塞がっているときでも、他方の手のみで、シート材Sをカットすることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 本体部
1c,2d’ 主端辺部
1c’,2d 副端辺部
1d,2i レール部
1e,2j 摺動部
1f,2k 基部
1g,2l 切断部
1h,2m 摘み部
1i,2n 首部
1j,2o 刃部
1l 側壁部
1m 被係合部
1n 長溝部
1o 空隙部
2 蓋部
2b 係合片
2e 長孔部
2f 主孔部
2g 副孔部
3 軸部
R ロール体
S シート材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11