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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004559
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】洗車システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230110BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20230110BHJP
   B60S 3/04 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
B60S3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106342
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】594163811
【氏名又は名称】株式会社京南
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100121049
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】田澤 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】津田 雅彦
【テーマコード(参考)】
3D026
5L049
【Fターム(参考)】
3D026AA02
3D026AA76
5L049AA06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】複数の洗車場を統括的に管理することができる洗車システムを提供する。
【解決手段】対象契約毎に、複数の洗車場の中からメイン洗車場を設定する設定部と、前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場として設定されたメイン洗車場対象契約数を取得する取得部と、前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場対象契約数に応じた売上高を演算する演算部と、を有することを特徴とする洗車システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象契約毎に、複数の洗車場の中からメイン洗車場を設定する設定部と、
前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場として設定されたメイン洗車場対象契約数を取得する取得部と、
前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場対象契約数に応じた売上高を演算する演算部と、
を有することを特徴とする洗車システム。
【請求項2】
前記設定部は、前記対象契約毎に、前記複数の洗車場のうち、前記メイン洗車場以外をサブ洗車場として設定し、
前記メイン洗車場における洗車メニューの制限を相対的に緩くする一方、前記サブ洗車場における洗車メニューの制限を相対的に厳しくする制限部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の洗車システム。
【請求項3】
前記設定部は、前記対象契約毎に、前記複数の洗車場の利用履歴に基づいて、前記メイン洗車場を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、会員顧客に適した洗車場を示すことができる洗車システムが開示されている。この洗車システムは、データベースと、位置情報取得部と、洗車場情報取得部と、周辺情報取得部と、領域情報管理部と、演算部とを有している。データベースは、会員情報を格納する。位置情報取得部は、車両位置情報を取得する。洗車場情報取得部は、洗車場情報を取得する。周辺情報取得部は、洗車場の周辺情報を取得する。領域情報管理部は、検索領域情報を管理する。演算部は、会員情報及び車両位置情報の他、洗車場情報、周辺情報又は検索領域情報に基づいて、会員顧客に適した洗車場を演算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-95375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の洗車システムは、複数の洗車場を統括的に管理することが要求されるところ、その要求に十分に応えきれていないという点において、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、複数の洗車場を統括的に管理することができる洗車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における洗車システムは、対象契約毎に、複数の洗車場の中からメイン洗車場を設定する設定部と、前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場として設定されたメイン洗車場対象契約数を取得する取得部と、前記複数の洗車場のそれぞれについて、前記メイン洗車場対象契約数に応じた売上高を演算する演算部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗車システムによれば、複数の洗車場を統括的に管理することができる洗車システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による洗車システムの構成の一例を示す図である。
図2】第1洗車場~第3洗車場の洗車メニューの一例を示す図である。
図3】制御装置の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】メイン洗車場の設定画面の一例を示す図である。
図5】複数の洗車場のそれぞれについてのメイン洗車場の対象契約数の一例を示す図である。
図6】第1洗車場~第3洗車場の洗車メニューの制限の一例を示す図である。
図7】メイン洗車場の判定処理の一例を示す図である。
図8】複数の洗車場への支払い処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態による洗車システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、洗車システム1は、第1洗車場10と、第2洗車場20と、第3洗車場30と、制御装置40とを有している。制御装置40は、第1洗車場10~第3洗車場30とコンピュータネットワーク50により接続されており、第1洗車場10~第3洗車場30を統括的に管理(制御)する。
【0010】
特許請求の範囲に記載された発明としての洗車システム1は、第1洗車場10~第3洗車場30を構成要件としてもよいし、構成要件としなくてもよい。すなわち、洗車システム1は、制御装置40を主たる構成要件としており、第1洗車場10~第3洗車場30は必須の構成要件とはしていない。
【0011】
第1洗車場10~第3洗車場30は、「複数の洗車場」に該当する。複数の洗車場は、ここで例示した3つに限定されることはなく、2つ又は4つ以上であってもよい。複数の洗車場は、例えば、自動洗車装置による洗車、洗車スタッフの手作業による洗車、及び、これらの組み合わせによる洗車の少なくとも1つを行うことができる施設であってもよい。複数の洗車場は、例えば、洗車に特化した専用の施設、給油施設(ガソリンスタンド)に併設されたもの、及び、車両整備施設(オイル交換やタイヤ交換等)に併設されたものの少なくとも1つであってもよい。また、複数の洗車場は、例えば、スーパー、ホームセンター、コンビニなどの小売業、ゲームセンター、パチンコ店などの遊戯場などロードサイド商業施設に併設されたものも含まれる。複数の洗車場は、例えば、同一(共通)の経営者又はこれと同視できる者に紐付けられた者が経営する施設であってもよい。より具体的に、複数の洗車場は、同一(共通)のフランチャイズに対する複数の加盟店であってもよい。
【0012】
図2は、第1洗車場10~第3洗車場30の洗車メニューの一例を示す図である。図2に示すように、第1洗車場10~第3洗車場30は、車両(自動車)の洗車メニューとして、シャンプー洗車、ワックス洗車、撥水コーティング洗車を有している。第1洗車場10~第3洗車場30に設置された自動洗車装置では、図2で示す洗車メニュー選択画面が表示されて、ユーザが洗車メニュー選択画面を操作することにより、シャンプー洗車、ワックス洗車、撥水コーティング洗車のいずれかを選択することができる。ユーザが希望する洗車メニューを選択した後、所定位置に車両(自動車)を停止させると、自動洗車装置により、選択した洗車メニューに従った洗車処理が実行される。なお、図2に示す洗車メニューは一例にすぎず、代替の洗車メニュー及び追加の洗車メニューを適宜適用することができる。例えば、タイヤ、ホイール、バンパー等の特定部位のオプション洗車メニューが適用されてもよい。さらには、シャンプー泡追加、下回り洗浄、丁寧洗いなどのオプション洗車メニューが含まれてもよい。
【0013】
図3は、制御装置40の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。図3の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実現される機能ブロックである。
【0014】
制御装置40は、洗車料金プラン選択部(以下、選択部)41と、メイン・サブ洗車場設定部(以下、設定部)42と、メイン洗車場対象契約数取得部(以下、取得部)43と、洗車メニュー制限部(以下、制限部)44と、売上高演算部(以下、演算部)45とを有している。
【0015】
選択部41は、ユーザによる洗車料金プランの選択を行う。ここで言う洗車料金プランとは、例えば、洗車処理の度に現金を投入するものではなく、所定期間(例えば1カ月)における洗車料金を銀行口座からの引き落とし又はクレジットカード決済するものを含む。特に本実施形態では、所定期間(例えば1カ月)の洗車料金を定額(例えば2000円~5000円)とする一方、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のいずれかを「メイン洗車場(マイ店舗)」に設定し、残りの洗車場を「サブ洗車場」に設定し、メイン洗車場(マイ店舗)とサブ洗車場の利用態様を異ならせる洗車料金プランを選択可能としている。以下では、この洗車料金プランを「マイ店舗・洗い放題プラン」と呼び、当該洗車料金プランが選択されている場合を想定して説明する。なお、洗車月額料金は、洗車メニューのグレード(例えば、ノーマル、スペシャル、プレミアム等)に応じて柔軟に設定されてもよい。
【0016】
選択部41を利用した洗車料金プランの選択処理は、例えば、以下の通りである。ユーザは、サービス提供者のWeb広告を見て、「マイ店舗・洗い放題プラン」に興味を持ち、サービス提供者の専用Webサイトにアクセスして、当該洗車料金プランの詳細を調べる。ユーザは、他社の洗車料金プランと比較検討するなどした後に、「マイ店舗・洗い放題プラン」の購入(契約)を決定すると、専用Webサイトに、氏名、性別、年齢、住所、メールアドレス、クレジットカード情報等を入力する。「マイ店舗・洗い放題プラン」の購入(契約)の確定後、ユーザはさらに、専用Webサイトに、車両情報(車種や車番等)を入力する。そして、「マイ店舗・洗い放題プラン」に関するマイページアカウント作成、パスワード設定を行うことで、「マイ店舗・洗い放題プラン」が利用可能となる。利用時には、例えば、マイページにログインしてマイQRコード(登録商標)を表示させ、店舗の端末で当該QRコード(登録商標)を読み取る。そして、店舗スタッフに契約内容と車両の一致を確認して貰い、利用する洗車ができるコードやカード等を受け取るか、店舗スタッフにコースをセットして貰う。
【0017】
「マイ店舗・洗い放題プラン」は、ユーザが登録する車両情報(車種や車番等)と対応付けて(紐付けられて)設定される。「マイ店舗・洗い放題プラン」は、原則として、一契約について一車両が設定されるが、例えば、家族で使用する複数台の車両が存在する場合には、一契約について複数車両が設定されてもよい。
【0018】
設定部42は、「マイ店舗・洗い放題プラン」の対象契約毎に、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)の中からメイン洗車場(マイ店舗)を設定し、メイン洗車場以外をサブ洗車場として設定する。契約締結時における初期設定では、選択部41による洗車料金プランの選択処理に連動して(選択処理の一部として)、メイン洗車場(マイ店舗)を設定する。
【0019】
図4は、メイン洗車場(マイ店舗)の設定画面の一例を示す図である。図4に示すように、サービス提供者の専用Webサイトには、第1洗車場10~第3洗車場30の中から初期設定するメイン洗車場(マイ店舗)を選択することを促す画面が表示され、ユーザの操作により、第1洗車場10~第3洗車場30のいずれかをメイン洗車場(マイ店舗)として選択する。第1洗車場10をメイン洗車場(マイ店舗)として選択(設定)した場合は、その他の第2洗車場20と第3洗車場30がサブ洗車場として選択(設定)される。同様に、第2洗車場20をメイン洗車場(マイ店舗)として選択(設定)した場合は、その他の第1洗車場10と第3洗車場30がサブ洗車場として選択(設定)される。同様に、第3洗車場30をメイン洗車場(マイ店舗)として選択(設定)した場合は、その他の第1洗車場10と第2洗車場20がサブ洗車場として選択(設定)される。
【0020】
設定部42は、メイン洗車場(マイ店舗)の初期設定後は、対象契約毎に、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)の利用履歴に基づいて、メイン洗車場(マイ店舗)を変更する。設定部42は、例えば、所定期間(例えば1カ月)における洗車回数が最も多い洗車場をメイン洗車場(マイ店舗)に変更することができる(月末で利用履歴を集計して月初でリセットする)。例えば、第1洗車場10がメイン洗車場(マイ店舗)に設定されている場合において、ある月における洗車回数が、第1洗車場10で2回、第2洗車場20で0回、第3洗車場30で4回のときを想定する。この場合、設定部42は、翌月から、対象契約におけるメイン洗車場(マイ店舗)を第1洗車場10から第3洗車場30に変更する。
【0021】
ここで、洗車回数の数え方には自由度があり、種々の設計変更が可能である。例えば、1日に2回以上の洗車を行った場合であっても、洗車回数を1回とカウントしてもよい。また、「マイ店舗・洗い放題プラン」の一契約について複数車両が設定されている場合、各車両の洗車回数の合計をカウントしてもよい。
【0022】
設定部42は、上記のようなメイン洗車場(マイ店舗)の変更要件を満足した場合、対象契約者にその旨を報知し、当該対象契約者からの承認が得られた場合に、メイン洗車場(マイ店舗)を変更する。設定部42は、例えば、対象契約者にPOP(Post Office Protocol)通知等で告知を行い、当該対象契約者からの承認が得られた場合にのみ、メイン洗車場(マイ店舗)を変更し、当該対象契約者からの承認が得られない場合には、メイン洗車場(マイ店舗)を変更せず、現状のメイン洗車場(マイ店舗)を維持する。
【0023】
メイン洗車場(マイ店舗)の変更に関する告知は、例えば、月初から最初のマイページログイン時に行うことができる。また、メイン洗車場(マイ店舗)の変更要件を満足した後に1カ月以上ログインがなかった場合にも、マイページログイン時に告知を行うことができる。例えば、第1洗車場10がメイン洗車場(マイ店舗)に設定されている場合において、ある月における洗車回数が、第1洗車場10で2回、第2洗車場20で4回、第3洗車場30で1回であり、翌月にマイページログインがなかったときを想定する。この場合、翌月にマイページログインがなかったので、第1洗車場10のメイン洗車場(マイ店舗)の設定を維持して、翌々月のマイページログイン時に、第2洗車場20へのメイン洗車場(マイ店舗)の変更を問い合わせてもよい。あるいは、マイページログインがなかった翌月分の利用履歴に基づいて、メイン洗車場(マイ店舗)の変更に関する告知を行ってもよい。メイン洗車場(マイ店舗)の変更要件を満足しない場合は、当該変更に関する告知は行わない。
【0024】
メイン洗車場(マイ店舗)以外のサブ洗車場の利用が多く、且つ、サブ洗車場の利用回数が同一の場合は、対象契約者にサブ洗車場のいずれをメイン洗車場(マイ店舗)に変更するかを選択させてもよい。例えば、第1洗車場10がメイン洗車場(マイ店舗)に設定されている場合において、ある月における洗車回数が、第1洗車場10で1回、第2洗車場20で2回、第3洗車場30で2回のときを想定する。この場合、対象契約者にその旨を報知し、メイン洗車場(マイ店舗)を第2洗車場20又は第3洗車場30に変更するか、あるいは、メイン洗車場(マイ店舗)を第1洗車場10に維持するかを選択させてもよい。
【0025】
また、ある月におけるメイン洗車場(マイ店舗)とサブ洗車場の利用回数(洗車回数)が同一の場合には、メイン洗車場(マイ店舗)を優先して維持することで、メイン洗車場(マイ店舗)の変更告知を省略してもよい。
【0026】
また、複数の洗車場の一部が「マイ店舗・洗い放題プラン」を事後的に止める(不採択とする)場合がある。例えば、第1洗車場10がメイン洗車場(マイ店舗)に設定されている場合において、ある月に第1洗車場10が「マイ店舗・洗い放題プラン」を止める(不採択とする)ことを想定する。この場合、翌月の最初のマイページログイン時にその旨の告知を行うとともに、第2洗車場20又は第3洗車場30を別の新たなメイン洗車場(マイ店舗)に設定するか否かの選択を対象契約者に促すことができる。
【0027】
取得部43は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、メイン洗車場(マイ店舗)として設定されたメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数を取得する。日常的に、「マイ店舗・洗い放題プラン」は契約締結や契約解除が行われ、また、メイン洗車場(マイ店舗)の変更も行われる。このため、メイン洗車場(マイ店舗)としての対象契約数は、時々刻々と変化するものである。
【0028】
図5は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについてのメイン洗車場(マイ店舗)の対象契約数の一例を示す図である。図5Aはある月における対象契約数を例示しており、図5Bはその翌月における対象契約数の一例を示している。図5Aに示すある月において、第1洗車場10のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は87、第2洗車場20のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は122、第3洗車場30のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は29である。図5Bに示すその翌月において、第1洗車場10のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は141、第2洗車場20のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は79、第3洗車場30のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数は166である。
【0029】
制限部44は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)の洗車メニューを制限する。制限部44は、メイン洗車場(マイ店舗)における洗車メニューの制限を相対的に緩くする一方、サブ洗車場における洗車メニューの制限を相対的に厳しくする。
【0030】
図6A図6Bは、第1洗車場10~第3洗車場30の洗車メニューの制限の一例を示す図である。図6A図6Bは、第1洗車場10がメイン洗車場(マイ店舗)に設定されており、第2洗車場20と第3洗車場30がサブ洗車場に設定されている場合を例示している。この場合、図6Aに示すように、メイン洗車場(マイ店舗)としての第1洗車場10では、シャンプー洗車、ワックス洗車、撥水コーティング洗車のいずれもが選択可能である(洗車メニューに制限がない)。一方、図6Bに示すように、サブ洗車場としての第2洗車場20と第3洗車場30では、シャンプー洗車のみが選択可能であり、ワックス洗車、撥水コーティング洗車は選択不能となっている。
【0031】
演算部45は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、メイン洗車場(マイ店舗)対象契約数に応じた売上高を演算する。
【0032】
「マイ店舗・洗い放題プラン」では、所定期間(例えば1カ月)の洗車料金を定額(例えば2000円~5000円)として、その定額の洗車料金がメイン洗車場(マイ店舗)の売上高として算出される。以下では、洗車場の規定料金、つまり、メイン洗車場(マイ店舗)の月額料金が3000円であるものとして説明する。
【0033】
演算部45は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、洗車場の規定料金(月額3000円)に洗車場のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数を乗じた金額を売上高として演算する。
【0034】
図5Aの月に当て込んで算出すると、第1洗車場10の売上高は、3000円×87=261000円であり、第2洗車場20の売上高は、3000円×122=366000円であり、第3洗車場30の売上高は、3000円×29=87000円である。
【0035】
図5Bの月に当て込んで算出すると、第1洗車場10の売上高は、3000円×141=423000円であり、第2洗車場20の売上高は、3000円×79=237000円であり、第3洗車場30の売上高は、3000円×166=498000円である。
【0036】
演算部45は、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、洗車場のメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数に応じた係数をかけて売上高を演算してもよい。ここでは、第1洗車場10~第3洗車場30のうち、メイン洗車場(マイ店舗)対象契約数が最も多い洗車場の係数を1.0とし、メイン洗車場(マイ店舗)対象契約数が2番目に多い洗車場の係数を0.9とし、メイン洗車場(マイ店舗)対象契約数が最も少ない洗車場の係数を0.8とする場合を例示して説明する。
【0037】
この場合、図5Aの月に当て込んで算出すると、第1洗車場10の売上高は、261000円×0.9=234900円であり、第2洗車場20の売上高は、366000円×1.0=366000円であり、第3洗車場30の売上高は、87000円×0.8=69600円である。
【0038】
また、図5Bの月に当て込んで算出すると、第1洗車場10の売上高は、423000円×0.9=380700円であり、第2洗車場20の売上高は、237000円×0.8=189600円であり、第3洗車場30の売上高は、498000円×1.0=498000円である。
【0039】
以上の売上高算出方法から明らかなように、「マイ店舗・洗い放題プラン」での売上高を伸ばすためには、各洗車場は、如何にして、自店舗をメイン洗車場(マイ店舗)とした対象契約数を増やすかが重要となる。この観点から、各洗車場(例えばフランチャイズ加盟店)の競争効果に基づいたサービス品質の向上が期待できる。例えば、メイン洗車場(マイ店舗)として自店舗を訪れた顧客に対しては、自店舗をメイン洗車場(マイ店舗)とした対象契約を維持して貰うべく、良質な顧客対応が期待できる。一方、サブ洗車場として自店舗を訪れた顧客に対しては、自店舗をメイン洗車場(マイ店舗)に変更して貰うためのチャンスとして捉えて、良質な顧客対応が期待できる。
【0040】
一方で、各洗車場にとって、サブ洗車場として自店舗を訪れた顧客が洗車をする場合、その洗車料金が売上高に計上されないことになる。そこで、サブ洗車場での洗車メニューに一定の制限を設ける(図6A図6Bの例ではサブ洗車場ではシャンプー洗車のみが可能でその他のワックス洗車と撥水コーティング洗車を禁止している)ことで、メイン洗車場(マイ店舗)とサブ洗車場の利益のバランスを図っている。
【0041】
図7は、メイン洗車場(マイ店舗)の判定処理の一例を示す図である。図7に示す全ての処理がシステムの自動演算によって実行される。
【0042】
ステップST1では、洗車利用時に会員QRコード(登録商標)を読み込む。ステップST2では、利用履歴を会員データに反映する。ステップST3では、月末に履歴をシステムが集計する。ステップST4では、利用頻度から店舗順位を算出する。ステップST5では、ルールに基づきマイ店舗を判定する。ステップST6では、結果を各顧客データに反映する。ステップST7では、変更あれば顧客に告知POPを行う。ステップST8では、結果を各加盟店データに反映する。
【0043】
図8は、複数の洗車場(加盟店)への支払い処理の一例を示す図である。図8に示す全ての処理がシステムの自動演算によって実行される。
【0044】
ステップST11では、マイ店舗ルールに基づきマイ店舗を確定する。ステップST12では、加盟店のマイ店舗会員数を確定する。ステップST13では、マイ店舗会員数より月の売上高を算出する。ステップST14では、決済手数料を演算する。ステップST15では、加盟店の契約ランクによる手数料を演算する。ステップST16では、広告費、システム費、その他経費を演算する。ステップST17では、加盟店への月の支払い金額を確定する。ステップST18では、加盟店のデータベースに反映を行う。ステップST19では、翌月末に加盟店へ支払いを行う(例えば自動振り込み)。
【0045】
このように、本実施形態の洗車システム1は、対象契約毎に、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)の中からメイン洗車場(マイ店舗)を設定する設定部42と、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、メイン洗車場(マイ店舗)として設定されたメイン洗車場(マイ店舗)対象契約数を取得する取得部43と、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)のそれぞれについて、メイン洗車場(マイ店舗)対象契約数に応じた売上高を演算する演算部45とを有している。従って、複数の洗車場(第1洗車場10~第3洗車場30)を統括的に管理することができる。
【0046】
以上の実施形態では、メイン洗車場(マイ店舗)の対象契約数に応じて売上高を演算する事例を紹介したが、一定の係数をかけて洗車利用があったサブ洗車場に売上を配分する形にしてもよい。さらに、洗車利用があったサブ洗車場に対して何らかのルールに基づいて固定料金を支払うものでもよい。また、入会当初にメイン洗車場(マイ店舗)になった店舗については、店舗変更があり、サブ洗車場になった場合、洗車利用の有無に関わらず、一定の売上を配分する形にしてもよい。このようにして、メイン洗車場(マイ店舗)の対象契約数に応じて売上高を演算する基本スキームを維持しつつ、サブ洗車場への利益配分のバランスを図ってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 洗車システム
10 第1洗車場(複数の洗車場、メイン洗車場(マイ店舗)、サブ洗車場)
20 第2洗車場(複数の洗車場、メイン洗車場(マイ店舗)、サブ洗車場)
30 第3洗車場(複数の洗車場、メイン洗車場(マイ店舗)、サブ洗車場)
40 制御装置
41 洗車料金プラン選択部(選択部)
42 メイン・サブ洗車場設定部(設定部)
43 メイン洗車場対象契約数取得部(取得部)
44 洗車メニュー制限部(制限部)
45 売上高演算部(演算部)
50 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8