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  • 特開-電圧自動切替回路 図1
  • 特開-電圧自動切替回路 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045628
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】電圧自動切替回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/10 20060101AFI20230327BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
G05F1/10 L
H02M3/28 B
G05F1/10 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154159
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】598162562
【氏名又は名称】株式会社白寿生科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】北野 利明
【テーマコード(参考)】
5H410
5H730
【Fターム(参考)】
5H410BB04
5H410CC03
5H410CC05
5H410DD03
5H410EA19
5H410EA28
5H410EB38
5H410FF03
5H410FF25
5H410LL02
5H730AS01
5H730CC01
5H730EE53
5H730FD01
5H730FF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】各国の商用電源電圧に対応でき、消費電力の大きな電気製品に使用できる電圧自動切替回路を提供する。
【解決手段】電圧自動切替回路1Aは、一次巻線11に商用電源Vが接続された電源トランス10と、一次巻線11に設けられた中間タップ11aと、常閉端子13ncが中間タップに、常開端子13noが商用電源Vに夫々接続され、常閉端子13ncと常開端子13noとを切替えて所定の電圧を出力する切替スイッチと、二次巻線12に接続されたAC/DC変換器14と、AC/DC変換器14に接続されたレギュレータ15と、AC/DC変換器14の出力電圧を分圧する分圧回路16と、レギュレータ15の出力電圧と分圧回路16の出力電圧を比較する比較器17と、を備える。比較器による比較の結果、分圧回路の出力電圧がレギュレータの出力電圧より低い場合は切替スイッチを商用電源側に切替え、高い場合は切替スイッチを中間タップ側に切替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の商用電源電圧に対応し、異なる商用電源電圧が入力されても所定の電圧を出力する電圧自動切替回路であって、
一次巻線に商用電源が接続された電源トランスと、
前記電源トランスの一次巻線に設けられた中間タップと、
一方の接点が前記商用電源に、他方の接点が前記中間タップにそれぞれ接続され、前記一方の接点と前記他方の接点とを選択的に切替えて共通端子から前記所定の電圧を出力する切替スイッチと、
前記電源トランスの二次巻線に接続されたAC/DC変換器と、
前記AC/DC変換器に接続され一定電圧を出力するレギュレータと、
前記AC/DC変換器の出力電圧を分圧する分圧回路と、
前記レギュレータの出力電圧と前記分圧回路の出力電圧を比較する比較器と、を備え、
前記中間タップは前記所定の電圧を出力する位置に形成されており、
前記比較器による比較の結果、前記分圧回路の出力電圧が前記レギュレータの出力電圧より低い場合は前記切替スイッチを前記商用電源側に切替え、前記分圧回路の出力電圧が前記レギュレータの出力電圧より高い場合は前記切替スイッチを前記中間タップ側に切替えることで、所定の電圧を切替スイッチから出力するように制御する、
ことを特徴とする電圧自動切替回路。
【請求項2】
前記切替スイッチは常閉端子を有し、前記常閉端子が前記中間タップに接続された、
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧自動切替回路。
【請求項3】
前記切替スイッチの共通端子側に安全スイッチが設けられ、
前記安全スイッチは前記切替スイッチが制御された後、ON状態になるようにした、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電圧自動切替回路。
【請求項4】
請求項1~3に記載の電圧自動切替回路を用いた、
ことを特徴とする電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各国の商用電源電圧の相違に踏まえ、生産国の電源電圧仕様の電気製品を使用国の商用電源に接続可能にする電圧自動切替回路に関する。
【背景技術】
【0002】
各国において商用電源電圧は異なっており、例えば、日本国内はAC100Vであるが、韓国および中国はAC220V、アメリカはAC120V、欧州はAC220V~240Vなどとなっている。
【0003】
スイッチング電源の普及で、商用電源電圧が異なっても、国内/海外で容易に共通の電気製品を使用できるようになっているが、大型家電、ヒーターや冷却ファン等の制御を要する電気製品は商用電源電圧をそのまま利用するケースが多く、海外電気製品を使用するユーザーは別途変圧トランスを用意する必要があった。
【0004】
また、メーカーにおいては海外に電気製品を輸出する場合、当該電気製品を各国ごとの電源電圧の仕様にする必要があり、国内/海外で別仕様の電気製品を開発する必要があった。
【0005】
このような問題を解決するものとして、特許文献1に記載のACアダプタがある。このACアダプタは、電源トランスの一次巻線に所定の巻線比で中間タップを設け、電源トランスの両端に220Vプラグを接続し、中間タップと電源トランスの一端とに100Vプラグを接続したもので、220Vプラグと100Vプラグとを人為的に選択することで、二次巻線から一定の電圧(例えば10V)が出力されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-148012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のACアダプタにあっては、差込プラグを人為的に選択しなければならないという煩わしさがあり、また、電源トランスの二次巻線からのAC出力電圧をDCにして電気製品に対して供給するため、消費電力の小さなDC電源の製品しか使用出来ないという問題もあった。
【0008】
そこでこの発明は、各国の商用電源電圧に対応することができ、自動的にかつ商用電源電圧を電気製品に効率よく供給するため、商用電源と直に接続する消費電流の大きな製品にも使用することができる電圧自動切替回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種の商用電源電圧に対応し、異なる商用電源電圧が入力されても所定の電圧を出力する電圧自動切替回路であって、一次巻線に商用電源が接続された電源トランスと、前記電源トランスの一次巻線に設けられた中間タップと、一方の接点が前記商用電源に、他方の接点が前記中間タップにそれぞれ接続され、前記一方の接点と前記他方の接点とを選択的に切替えて共通端子から前記所定の電圧を出力する切替スイッチと、前記電源トランスの二次巻線に接続されたAC/DC変換器と、前記AC/DC変換器に接続され一定電圧を出力するレギュレータと、前記
AC/DC変換器の出力電圧を分圧する分圧回路と、前記レギュレータの出力電圧と前記分圧回路の出力電圧を比較する比較器と、を備え、前記中間タップは前記所定の電圧を出力する位置に形成されており、前記比較器による比較の結果、前記分圧回路の出力電圧が前記レギュレータの出力電圧より低い場合は前記切替スイッチを前記商用電源側に切替え、前記分圧回路の出力電圧が前記レギュレータの出力電圧より高い場合は前記切替スイッチを前記中間タップ側に切替えることで、所定の電圧を切替スイッチから出力するように制御する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電圧自動切替回路において、前記切替スイッチは常閉端子を有し、前記常閉端子が前記中間タップに接続された、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電圧自動切替回路において、前記切替スイッチの共通端子側に安全スイッチが設けられ、前記安全スイッチは前記切替スイッチが制御された後、ON状態になるようにした、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、電気製品であって、請求項1~3に記載の電圧自動切替回路を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、商用電源の電圧の高低を、電源トランスの二次巻線の出力電圧の高低から判断して、商用電源電圧をそのまま出力するか、電源トランスの一次巻線に設けた中間タップで降圧した電圧で出力するかを決定するようにしたので、自動で、しかも、商用電源電圧を電気製品に効率よく供給することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、切替スイッチの常閉端子は電源トランスの一次巻線に設けた中間タップに接続しているため、電圧自動切替回路を商用電源に接続した時点で、商用電源電圧よりも低電圧としか成り様がなく、例えばAC220Vの商用電源に接続された場合でもAC220Vが電気製品に供給されることはなく、電気製品へのダメージを防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、切替スイッチの共通端子側に安全スイッチが設け、安全スイッチを前記切替スイッチが制御された後、ON状態になるようにしたので、電気製品における適正な電圧(定格電圧)になってからでないと、電圧の供給がなされないため、誤った電圧が供給されず、電気製品の故障、あるいは誤動作を防止することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、電気製品の輸出入時に、輸出先における使用者が商用電源電圧を変換する変圧トランスを用意する必要がなく、また、生産者は輸出先の商用電源電圧を考慮しての製品設計・開発をする必要がないため、多くの無駄を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施の形態1に係る電圧自動切替回路を用いた電位治療装置の回路図である。
図2】この発明の実施の形態2に係る電圧自動切替回路を用いた電位治療装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2は、本発明の各実施の形態を図示したものであり、本発明に係る電圧自動切替回路1、1Aを用いた電位治療装置Pに適用したものである。なお、図1及び図2
、電圧自動切替回路1、1Aの回路図を中心に示したもので、実際には、電圧自動切替回路1、1Aは電位治療装置Pの一構成部品として電位治療装置Pに内蔵されている。
【0019】
電位治療装置Pは、商用電源Vを昇圧トランスで、例えば、AC9000Vに昇圧し、絶縁された人体の周囲に電界を発生させて治療を行うものとして知られている。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電圧自動切替回路1を用いた電位治療装置Pの回路図である。この電圧自動切替回路1は、例えばAC100V仕様(日本仕様)の電位治療装置Pを商用電源電圧がAC220Vの国(例えば韓国)でも使用可能にするためのものである。
【0021】
電圧自動切替回路1は、電源トランス10と、電源トランス10の入力側となる商用電源Vと、商用電源V及び電源トランス10の一次巻線11の中間タップ11aを選択的に接続し電位治療装置Pに給電する切替スイッチ13と、電源トランス10の二次巻線12に接続されたAC/DC変換器14と、AC/DC変換器14の出力側に接続され定圧を出力するレギュレータ15と、AC/DC変換器14の出力側に接続され電圧を分圧する分圧回路16と、レギュレータ15で出力される定圧と分圧回路16の出力電圧とを比較するとともに、各種制御信号を送出するマイコン17と、を備える。
【0022】
電源トランス10は、一次巻線11の両端タップが商用電源Vに接続され、AC220V又はAC100Vが入力されるようになっている。また、一次巻線11には中間タップ11aが設けられ、中間タップ11aは巻線比45:55の位置に設けられており、一次巻線11にAC220Vが入力されたときに、中間タップ11aの出力電圧がAC100Vになるようになっている。
【0023】
なお、以下の実施の形態1、2に係る電圧自動切り替えスイッチ1、1Aの説明においては、簡略化を図るため商用電源Vの片側(一方)のみ行い、もう片側(他方)は省略するが、前記切替スイッチ13の共通端子13comの出力と共に後段に接続する電位治療装置P(電気製品)に直接接続するものとする。
【0024】
切替スイッチ13はc接点スイッチで、共通端子13comは電位治療装置Pに、接点のうち常開端子13noは商用電源Vに、常閉端子13ncは中間タップ11aにそれぞれ接続されている。
【0025】
電源トランス10の一次巻線11と二次巻線12との巻線比は例えば11:1とされ、一次巻線11にAC220Vが入力されると、二次巻線12にAC20Vが、一次巻線11にAC100Vが入力されると二次巻線12に約AC9Vが出力されるようになっている。
【0026】
AC/DC変換器14は二次巻線12の出力をACからDCに変換するもので、後段にレギュレータ15と分圧回路16が接続されている。
【0027】
レギュレータ15はAC/DC変換器14の出力電圧にかかわらず、定圧(例えば、DC3V)をマイコン17に後述する比較器の基準電圧として出力するようになっている。
【0028】
分圧回路16はAC/DC変換器14の出力電圧を分圧するもので、例えば、AC/DC変換器14の入力電圧がAC9Vで出力電圧が約DC12Vのとき、すなわち、一次巻線11にAC100Vが入力されているとき、分圧された電圧はレギュレータ15から出力されたDC3Vよりも小さく(例えばDC2V)なるようにされている。
【0029】
マイコン17は比較器を備え、レギュレータ15の出力電圧(この電圧が基準電圧となる。)と分圧回路16により分圧された電圧とを比較し、上記切替スイッチ13を制御する。
【0030】
次に、電圧自動切替回路1の動作について説明する。
【0031】
まず、商用電源Vの電圧がAC220Vの場合(例えば韓国で使用した場合)、電源トランス10の一次巻線11の両端タップにAC220Vが入力されるとともに、切替スイッチ13の常開端子13noにAC220Vが印加される。
【0032】
また、電源トランス10の一次巻線11の中間タップ11aからはAC100Vが出力され、切替スイッチ13の常閉端子13ncにAC100Vが印加される。
【0033】
電源トランス10の二次巻線12にはその両端タップにAC20Vが出力され、例えばAC/DC変換器14の出力電圧が約DC26V、分圧回路16で分圧された電圧が例えばDC4.5Vとなる。
【0034】
これを受けてマイコン17では、レギュレータ15の出力電圧DC3Vと分圧回路16の分圧電圧DC4.5Vとが比較され、分圧電圧が高いため、上記切替スイッチ13へ、その可動子13mが常閉端子13ncに接触するように制御信号が送出され、切替スイッチ13においては、共通端子13comと常閉端子13ncとが接続された状態が維持される。
【0035】
これにより、中間タップ11aからの出力電圧AC100Vが切替スイッチ13を介して電位治療装置Pに供給されることになる。
【0036】
次に、商用電源Vの電圧がAC100Vの場合(例えば日本国内で使用した場合)、電源トランス10の一次巻線11の両端タップにAC100Vが入力されるとともに、切替スイッチ13の常開端子13noにAC100Vが印加される。
【0037】
また、電源トランス10の一次巻線11の中間タップ11aからはAC45.5Vが出力され、切替スイッチ13の常閉端子13ncにAC45.5Vが印加される。ちなみに、このとき切替スイッチ13の共通端子13comからはAC45.5Vが電位治療装置Pに供給されるが、商用電源Vに接続してから切替スイッチ13内の可動子13mが常閉端子13ncから常開端子13noに切り替わる時間が短いこと、さらに入力電圧が定格電圧以下であることから、問題を引き起こすことはない。
【0038】
電源トランス10の二次巻線12にはその両端タップにAC9Vが出力され、分圧回路16で分圧された電圧が例えばDC2Vとなる。
【0039】
これを受けてマイコン17では、レギュレータ15の出力電圧DC3Vと分圧回路16の分圧電圧DC2Vとが比較され、分圧電圧が低いため、上記切替スイッチ13へ制御信号が送出され、切替スイッチ13においては、可動子13mが動作して共通端子13comと常開端子13noとが接続されることになる。
【0040】
これにより、商用電源Vと直接接続されたAC100Vが切替スイッチ13を介して電位治療装置Pに供給されることになる。
【0041】
以上のように、この実施の形態1に係る電圧自動切替回路1によれば、電源トランス10の二次側出力電圧を所定の基準電圧と分圧回路16にて分圧した電圧とを比較し、電源
トランス10に入力された電圧が高いか低いかを自動で判断することで、中間タップ11aの出力か、電源電圧Vの出力かを切替えるため、接続される商用電源VがAC220VであってAC100Vであっても、AC100Vの電圧を電位治療装置Pに供給することができる。
【0042】
また、この実施の形態1に係る電圧自動切替回路1にあっては、切替スイッチ13の接点のうち常開端子13noに商用電源Vを接続したので、当該電圧自動切替回路1を商用電源Vに不用意に接続しても高電圧AC220Vが電位治療装置Pに供給されることはなく、電気製品へのダメージを防止することができる。
【0043】
なお、この実施の形態1にあっては切替スイッチ13の接点のうち、常閉端子13ncが中間タップ11aに接続したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、常時は可動子13mがいずれの接点にも接触していない切替スイッチでも良く、マイコン17からの制御信号を受けて可動子13mが中間タップ11aもしくは商用電源Vに接触するように動くようになっていれば良い。
【0044】
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係る電圧自動切替回路1Aを用いた電位治療装置Pの回路図であり、この実施の形態2では、電位治療装置Pに不用意な事態であってもダメージをより与えないように、メインスイッチ18及び安全スイッチ19を設けた点で上記実施の形態1を異なっており、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0045】
メインスイッチ18は商用電源Vの後段に設けられ、このメインスイッチ18をONにしなければ、電源トランス10及び切替スイッチ13に電圧がかからないようになっている。
【0046】
安全スイッチ19は切替スイッチ13の後段であって電位治療装置Pとの間に設けられており、上記マイコン17により制御される。
【0047】
この安全スイッチ19は常時はOFF状態であるが、上記切替スイッチ13の可動子13mの常開端子13no又は常閉端子13ncへの接触が選択された後、マイコン17から制御信号が送出され、ON状態になるようになっている。
【0048】
これは、メインスイッチ18を投入したときに、供給電圧が定格のAC100Vになっていない状態(電圧が高くても低くても)で電位治療装置Pに給電されると、電位治療装置Pの制御回路などの故障あるいは誤動作する恐れがあり、これらを回避するためである。換言すれば、供給電圧が確実に定格のAC100Vになってから電位治療装置Pに給電することで、より安全な設計とするためのものである。
【0049】
これにより、この実施の形態2に係る電圧自動切替回路1Aにあっては、切替スイッチ13の切替えが完了後、供給電圧がAC100Vになった状態で、当該安全スイッチ19がON状態になり、電位治療装置Pには確実に定格電圧(AC100V)を供給することができる。
【0050】
以上のように、この電圧自動切替回路1、1A及びこの電圧自動切替回路を用いた電位治療装置Pによれば、商用電源Vの電圧の高低(AC100VかAC220Vか)を、電源トランス10の二次巻線12の出力電圧の高低(AC9VかAC20Vか)を元に、AC/DC変換器14(DC12VかDC26V)、そして分圧器16(DC2VかDC4.5V)を作り出し、レギュレータ15の出力電圧(DC3V)との高低を、マイコン1
7内の比較器にて判断して、商用電源電圧をそのまま出力するか、電源トランス10の一次巻線11に設けた中間タップ11aで降圧した電圧で出力するかを決定するようにしたので、商用電圧のAC100VであってもAC220Vであっても、常にAC100V(定格電圧)が電位治療装置Pに供給される。
【0051】
しかも、その使用に当たっては自動で切替スイッチ13が作動するため、使用者は商用電圧を意識する必要はなく、煩わしさを感ずることもない。
【0052】
なお、上記各実施の形態においては、商用電源Vをトランスで高電圧に昇圧して電界を発生させる電位治療装置Pを電気製品として説明したが、本発明に係る電圧自動切替回路1、1Aにあっては、他の電気製品にも適用することができる。
【0053】
例えば、商用電源電圧をそのまま駆動電圧とするモーター、ヒーターなどを主要部品とする電気製品、例えば、電気毛布、ドライヤー、アイロン、各種ファン、扇風機、洗濯機などにも適用することができ、同時に一般の電気製品例えば冷蔵庫、電子レンジ等にも適用することができる。
【0054】
本発明電圧自動切替回路1、1Aは上記実施の形態のように電位治療装置Pに組み込んでも良いが、電圧自動切替回路のみの製品にすることもできる。例えば、当該電圧自動切替回路1、1Aの入力側に海外での使用できるプラグを設け、出力側に所望の電気製品のプラグが差込可能なコンセントにすることが考えられる。このようにすることで、いわゆる変換アダプタとして機能する。
【0055】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記実施の形態1、2にあっては、商用電源電圧がAC220VとAC100Vとについて説明したが、本発明はこれに限らず、AC100V、AC120V、AC220V、AC230V、AC240Vなど、いずれの組み合わせでも良いし、また、2種類の電源電圧に限らず、3種類、4種類など多種類の商用電源電圧の組み合わせが考えられる。
【0056】
多種類の商用電源電圧の組み合わせにする場合には、電源トランスの中間タップ、分圧回路の出力、比較器の比較数、切替スイッチの接点数などをその分を増やすこと事により実現することができる。
【0057】
なお、上記実施の形態1、1Aにあっては、マイコン17に比較器を備えたものについて説明したが、本発明はこれに限らず、マイコン制御によらず、比較器のみで所定の基準電圧と分圧回路にて分圧した電圧とを比較して切替スイッチ13を動作させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0058】
V 商用電源
P 電位治療装置(電気製品)
10 電源トランス
11 一次巻線
11a 中間タップ
12 二次巻線
13 切替スイッチ
13com 共通端子
13no 常開端子(一方の接点)
13nc 常閉端子(他方の接点)
14 AC/DC変換器
15 レギュレータ
16 分圧回路
17 マイコン(比較器)
18 メインスイッチ
19 安全スイッチ



図1
図2