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特開2023-45668テープライト、及び前記テープライトの製造方法
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  • 特開-テープライト、及び前記テープライトの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045668
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】テープライト、及び前記テープライトの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 4/24 20160101AFI20230327BHJP
   F21V 21/096 20060101ALI20230327BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230327BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230327BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230327BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20230327BHJP
【FI】
F21S4/24
F21V21/096
F21V23/00 160
F21Y115:10
F21Y103:10
F21Y107:70
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154216
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】595021271
【氏名又は名称】株式会社東海製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】陳 豪君
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】可撓性を低下させることなく簡易に設置することのできるテープライトを提供する。
【解決手段】テープライト1は、一側面にLED11が配設された帯状の可撓性回路基板10と、可撓性回路基板10の一側面において、長手方向に沿って所定の間隔をおいて配置された複数の盤状磁石20と、一側面においてLED11及び盤状磁石20を被覆する透明な可撓性被覆部30と、を具備し、使用状態で可撓性回路基板10の他側面が陳列台100に当接して磁着する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配設部に磁着されて使用されるテープライトであって、
一側面に光源が配設された帯状の可撓性回路基板と、
前記可撓性回路基板の一側面において、当該可撓性回路基板の長手方向に沿って所定の間隔をおいて配置された複数の第1の磁性体と、
前記一側面において前記光源及び前記第1の磁性体を被覆する透明な可撓性被覆部と、
を具備し、
前記所定の配設部に磁着された使用状態で、前記可撓性回路基板の他側面が前記配設部に当接してなる
ことを特徴とするテープライト。
【請求項2】
前記可撓性回路基板に電気的に接続された電源コード部を備え、
前記電源コード部の外周には、当該電源コード部の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の第2の磁性体が配置されてなる
請求項1に記載のテープライト。
【請求項3】
所定の配設部に磁着されて使用されるテープライトの製造方法であって、
平滑な載置面を有し、かつ磁着可能な磁性テーブル部の前記載置面に、一側面に光源が配設された帯状の可撓性回路基板の他側面が当接するように当該可撓性回路基板を載置する工程Aと、
工程Aの後、前記可撓性回路基板の一側面において、当該可撓性回路基板の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の第1の磁性体を載置し、当該第1の磁性体と前記磁性テーブル部とを磁着させる工程Bと、
工程Bの後、前記可撓性回路基板の一側面において前記光源及び前記第1の磁性体を被覆する透明な可撓性被覆部を形成する工程Cと、
を含む
ことを特徴とするテープライトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の配設部に磁着されて使用されるテープライト、及び前記テープライトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可撓性を有する回路基板にLEDを配置して発光する、いわゆるテープライトが知られている。また、テープライトを配設対象に配設する作業性を向上するために、例えば特許文献1に開示されているような、基板をチューブで被覆したテープライトも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-145020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のテープライトにあっては、可撓性の高い回路基板がチューブで被覆され、チューブは回路基板ほどの可撓性しか有しないため、配設対象に急峻な凹凸等が形成されている場合には、配設対象の外観形状に対する馴染みが悪く、取り付け状態で間に隙間が生じてしまう問題があった。
【0005】
そこで本発明は、取り扱いやすく、しかも取り付け状態での見栄えが悪化しないテープライトを提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、取り扱いやすく、しかも取り付け状態での見栄えが悪化しないテープライトの好適な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の配設部に磁着されて使用されるテープライトであって、一側面に光源が配設された帯状の可撓性回路基板と、前記可撓性回路基板の一側面において、当該可撓性回路基板の長手方向に沿って所定の間隔をおいて配置された複数の第1の磁性体と、前記一側面において前記光源及び前記第1の磁性体を被覆する透明な可撓性被覆部と、を具備し、前記所定の配設部に磁着された使用状態で、前記可撓性回路基板の他側面が前記配設部に当接してなることを特徴とするテープライトである。
【0008】
かかる構成にあっては、前記第1の磁性体を前記配設部に磁着させて使用するものであり、テープライトの取り付け作業が極めて簡便である。また、大がかりで複雑な別部品も要しないことから、部品点数が低減でき、コストが高騰することもない。また、可撓性回路基板の可撓性能を損なうこともないため、保管や収納が行いやすい利点もある。
【0009】
また、前記可撓性回路基板に電気的に接続された電源コード部を備え、前記電源コード部の外周には、当該電源コード部の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の第2の磁性体が配置されてなる構成が提案される。
【0010】
かかる構成とすることにより、電源コード部もまた、前記第2の磁性体によって前記配設部に磁着させることができ、使用状態で電源コード部が垂れ下がって見栄えが悪くなる等の不具合が解消される。
【0011】
また本発明は、所定の配設部に磁着されて使用されるテープライトの製造方法であって、平滑な載置面を有し、かつ磁着可能な磁性テーブル部の前記載置面に、一側面に光源が配設された帯状の可撓性回路基板の他側面が当接するように当該可撓性回路基板を載置する工程Aと、工程Aの後、前記可撓性回路基板の一側面において、当該可撓性回路基板の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数の第1の磁性体を載置し、当該第1の磁性体と前記磁性テーブル部とを磁着させる工程Bと、工程Bの後、前記可撓性回路基板の一側面において前記光源及び前記第1の磁性体を被覆する透明な可撓性被覆部を形成する工程Cと、を含むことを特徴とするテープライトの製造方法である。
【0012】
かかる構成にあっては、前記第1の磁性体を前記磁性テーブル部に磁着させた状態で前記可撓性回路基板に配置することにより、当該第1の磁性体の位置ずれを防止しながら、当該第1の磁性体上に透明な可撓性被覆部を形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のテープライトは、取り扱いやすく、しかも取り付け状態での見栄えが悪化しない優れた効果がある。
【0014】
また、本発明のテープライトの製造方法は、取り扱いやすく、しかも取り付け状態での見栄えが悪化しないテープライトを好適に製造することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】テープライトの使用状態を示す斜視図である。
図2】磁性テーブル部の概要を示す説明図である。
図3】テープライトの製造過程(工程A)を示す説明図である。
図4】テープライトの製造過程(工程B)を示す説明図である。
図5】テープライトの製造過程(工程C)を示し、(a)は斜め上方から見た状態を示す説明図であり、(b)は側方から見た状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお、本発明は、実施例に限定されることはなく、当該発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0017】
図1に示すように、テープライト1は、所定の配設部である鉄製の陳列台100の内部側に磁着されて陳列台100の内部用照明として使用される。
【0018】
テープライト1は、帯状で可撓性のある可撓性回路基板10を備え、この可撓性回路基板10の表裏面のうち、一側面(表面)には、光源であるLED11が複数配設されている。
【0019】
また、可撓性回路基板10の一側面には、長手方向に沿って所定の間隔をおいて第1の磁性体である円形の盤状磁石20が複数配置されている。なお、盤状磁石20は、公知品が好適に使用でき、例えばネオジウム磁石を採用することができる。
【0020】
さらにテープライト1には、可撓性回路基板10の一側面において、LED11及び盤状磁石20を被覆する透明な可撓性被覆部30が備えられている。可撓性被覆部30としては、例えば透明なポリウレタン樹脂等が採用可能である。
【0021】
また、テープライト1には、可撓性回路基板10に対して電気的に接続された電源コード部40が備えられている。かかる電源コード部40により、発光のための電源供給が可能となっている。
【0022】
なお、電源コード部40の外周面には、長手方向に沿って所定の間隔をおいて第2の磁性体である磁石50が複数取り付けられている。
【0023】
かかるテープライト1は、鉄製の陳列台100の内部側面に可撓性回路基板10の他側面(裏面)が当接して配置され、陳列台100に盤状磁石20が磁着することによって安定して取り付けられて使用される。
【0024】
さらに、電源コード部40にも磁石50が配置されており、磁石50を陳列台100に磁着させて電源コード部40を配設することで、電源コード部40が垂れ下がって見栄えが悪くなる等の不具合をなくすことができる。
【0025】
上述のように、テープライト1は所定の配設部に磁着可能であれば場所を選ばず磁着させて使用することができる。また、可撓性回路基板10の可撓性が阻害されない構造であるため、複雑な形状部分にも見栄え良く好適に取り付けることが可能である。
【0026】
なお、テープライト1を収納しておく際には、全体を丸く束ねて保管することができるため、無駄なスペースを占有することもない。また、チューブ等の別部材を使用した構造ではないため、部品点数が増大する問題もなく、製造コストも高騰しない。
【0027】
以下に、テープライト1の製造過程を詳述する。
【0028】
〔前準備〕
まず、図2に示すように、安定した平らな面としてアルミニウム製の角パイプ60の一側面部に、鉄製の板部材70を両面粘着テープ等で貼着して磁性テーブル部80を構成する。なお、板部材70の外部に露出した面には、両面粘着テープ等を用いて粘着層90を設けておく。
【0029】
〔工程A〕
そして、図3に示すように、磁性テーブル部80の粘着層90に、他側面(裏面)が当接するように可撓性回路基板10を載置する。これにより、可撓性回路基板10が粘着層90に粘着して固定される。
【0030】
〔工程B〕
次に、図4に示すように、可撓性回路基板10の一側面(表面)の所定の位置に、盤状磁石20を配置していく。このとき、盤状磁石20が磁性テーブル部80に磁着することによって盤状磁石20が位置ずれすることなく安定的に配置される。
【0031】
〔工程C〕
そして、図5に示すように、可撓性回路基板10の一側面(表面)において、LED11及び盤状磁石20を被覆するように透明なポリウレタン樹脂である可撓性被覆部30を形成する。
【0032】
ここで、可撓性被覆部30を形成する際には、液状のポリウレタン樹脂が硬化するための時間が必要であるところ、硬化時間が経過する間に意図しない振動等が発生した場合にも、盤状磁石20は磁性テーブル部80に磁着しているため、位置がずれてしまう問題が生じない。
【0033】
そして、十分に可撓性被覆部30が硬化すると、テープライト1が提供可能となる。
【0034】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0035】
また、盤状磁石20や磁石50の形状・寸法は、特に限定されることはない。
【0036】
また、磁性テーブル部80は、上記した実施例のように角パイプ60と板部材70とによって構成される必要はなく、磁着可能で平らな面が得られるのであれば他の構成であっても構わない。
【0037】
また、上記工程Aにおいて、可撓性回路基板10が短手方向に位置ずれを起こさないように、磁性テーブル部80に段差等のガイド部が設けられていても構わない。
【0038】
可撓性被覆部30は、透明(光透過性)のものであればポリウレタン樹脂以外の材料が選択されても勿論よい。
【符号の説明】
【0039】
1 テープライト
10 可撓性回路基板
11 LED
20 盤状磁石
30 可撓性被覆部
40 電源コード部
50 磁石
60 角パイプ
70 板部材
80 磁性テーブル部
90 粘着層
100 陳列台
図1
図2
図3
図4
図5