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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045708
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ガス測定可視化装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/65 20060101AFI20230327BHJP
   G01S 17/894 20200101ALI20230327BHJP
【FI】
G01N21/65
G01S17/894
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154264
(22)【出願日】2021-09-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000144991
【氏名又は名称】株式会社四国総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】591114803
【氏名又は名称】公益財団法人レーザー技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】朝日 一平
(72)【発明者】
【氏名】杉本 幸代
(72)【発明者】
【氏名】市川 祐嗣
(72)【発明者】
【氏名】荻田 将一
(72)【発明者】
【氏名】染川 智弘
【テーマコード(参考)】
2G043
5J084
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043AA03
2G043BA07
2G043BA09
2G043BA11
2G043BA12
2G043BA13
2G043CA01
2G043DA05
2G043EA03
2G043FA01
2G043FA03
2G043GA06
2G043GA08
2G043GB21
2G043HA01
2G043HA06
2G043HA15
2G043JA02
2G043KA03
2G043KA05
2G043KA08
2G043KA09
2G043LA03
2G043MA01
2G043NA01
2G043NA06
2G043NA12
5J084AA04
5J084AA05
5J084AB12
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA19
5J084BA20
5J084BA34
5J084BA40
5J084BB01
5J084BB02
5J084BB20
5J084CA03
5J084CA65
5J084CA67
5J084EA04
5J084EA05
(57)【要約】
【課題】直径10mm以上の一定の面積を有する測定エリアにおけるガスの分布をほぼリアルタイムに測定し可視化することができるガス測定可視化装置を提供する。
【解決手段】測定対象ガスの励起波長を有するレーザー光を照射するレーザー光照射装置11と、レーザー光を直径10mm以上のビーム径に拡径し、測定エリアに射出するビームエキスパンダー12と、測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を、二次元状に配列した複数の受光素子を有する受光部24で受光する受光装置20と、複数の受光素子の受光データの時系列データに基づいて、測定対象ガスの分布を可視化した画像データを作成する処理装置30と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象ガスの励起波長を有するレーザー光を照射するレーザー光照射装置と、
前記レーザー光を直径10mm以上のビーム径に拡径し、測定エリアに射出するビームエキスパンダーと、
前記測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を、二次元状に配列した複数の受光素子を有する受光部で受光する受光装置と、
前記複数の受光素子の受光データの時系列データに基づいて、測定対象ガスの分布を可視化した画像データを作成する処理装置と、を有する、ガス測定可視化装置。
【請求項2】
前記受光装置は、前記測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光を通過させ、前記測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光の波長ではない特定の波長の光を遮断する光学フィルタを有し、当該光学フィルタを通過した共鳴ラマン散乱光を受光する、請求項1に記載のガス測定可視化装置。
【請求項3】
前記処理装置は、前記複数の受光素子の受光データの時系列データに基づいて、前記複数の受光素子の配列方向および前記レーザー光の光軸方向に分布する測定対象ガスの三次元分布を可視化した三次元画像データを作成する、請求項1または2に記載のガス測定可視化装置。
【請求項4】
前記受光装置の前記受光部は、前記測定エリアからの前記共鳴ラマン散乱光の受光と、受光した前記共鳴ラマン散乱光の受光データの出力とを繰り返し実行することで、前記共鳴ラマン散乱光の受光データの時系列データを前記処理装置に出力する、請求項3に記載のガス測定可視化装置。
【請求項5】
前記照射装置は、パルスレーザー光のパルス幅を変更可能であり、前記パルスレーザー光のパルス幅を変更することで、前記測定エリアの光軸方向における空間解像度を調整可能となっている、請求項4に記載のガス測定可視化装置。
【請求項6】
前記ビームエキスパンダーは、平凹レンズおよび平凸レンズを有しており、光軸方向における前記平凹レンズおよび/または前記平凸レンズの位置を変えることで、測定エリアに照射するレーザー光のビーム径を調整可能である、請求項1ないし5のいずれかに記載のガス測定可視化装置。
【請求項7】
前記ビームエキスパンダーは、前記レーザー光を直径50mm以上のビーム径に拡径する、請求項1ないし6のいずれかに記載のガス測定可視化装置。
【請求項8】
前記照射装置は、レーザー光源と、前記レーザー光源から射出されたレーザー光を、測定対象ガスの励起波長に合わせた波長のレーザー光に変換する波長変換器とを有する、請求項1ないし7のいずれかに記載のガス測定可視化装置。
【請求項9】
前記処理装置が、前記レーザー光の光軸上に設置された検査対象物から漏出する測定対象ガスを検知すると共に、測定対象ガスの漏出位置を可視化する機能を備える、請求項1ないし8のいずれかに記載のガス測定可視化装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象であるガスを遠隔地から測定し可視化するガス測定可視化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザー光を被照射空間に照射するレーザー装置と、レーザー装置から射出されたレーザー光の波長を複数の異なる波長に変換し、被照射空間に射出する波長変換装置と、被照射物からの共鳴ラマン散乱による共鳴ラマン散乱光を集光および検出する集光処理装置と、集光処理装置による検出結果に基づいて、被照射物を同定する処理装置と、を備える物質遠隔特定装置が開示されている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2019/065828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の物質遠隔特定装置では、空間分解能を高めるため、レーザー装置から照射されるレーザー光のビーム径を測定箇所において直径1mmとする構成が開示されているが、このようにレーザー光のビーム径を小さくしてしまうと、一定の面積(たとえば直径100mm)を有する測定エリアにおけるガスの分布を把握したい場合には、レーザー装置を上下左右に少しずつ旋回させてレーザー光を順次異なる方向に繰り返し照射し、それぞれの方向にレーザー光を照射した際に得られた共鳴ラマン散乱光の検出結果を合成することで、測定エリアにおけるガスの二次元分布を把握することが可能となる。しかしながら、この場合、測定エリアのガスの二次元分布を検出するために、レーザー装置の旋回と、パルスレーザー光の照射と、共鳴ラマン散乱光の検出とを何度も繰り返す必要があり(たとえばビーム径が直径1mmの場合に直径100mmの測定エリアを測定する場合には上記動作を10000回繰り返す必要があり)、測定エリアが広くなるほど測定時間がかかり(たとえば数分から数十分ほどの測定時間がかかり)、リアルタイムで測定エリアのガスの二次元分布を測定することが困難な場合があった。さらに、測定エリアにおいてガスの光軸方向における分布まで含めた三次元分布を求める場合には、それ以上の時間がかかり、実用が困難なことが想定された。
【0005】
本発明は、直径10mm以上の一定の面積を有する測定エリアにおけるガスの分布をほぼリアルタイムで測定し可視化することができるガス測定可視化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガス測定可視化装置は、測定対象ガスの励起波長を有するレーザー光を照射するレーザー光照射装置と、前記レーザー光を直径10mm以上のビーム径に拡径し、測定エリアに射出するビームエキスパンダーと、前記測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を、二次元状に配列した複数の受光素子を有する受光部で受光する受光装置と、前記複数の受光素子の受光データに基づいて、測定対象ガスの分布を可視化した画像データを作成する処理装置と、を有する。
上記ガス測定可視化装置において、前記受光装置は、前記測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光を通過させ、前記測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光の波長ではない特定の波長の光を遮断する光学フィルタを有し、当該光学フィルタを通過した共鳴ラマン散乱光を受光する構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記処理装置は、前記複数の受光素子の受光データの時系列データに基づいて、前記複数の受光素子の配列方向および前記レーザー光の光軸方向に分布する測定対象ガスの三次元分布を可視化した三次元画像データを作成する。
上記ガス測定可視化装置において、前記受光装置の前記受光部は、前記測定エリアからの前記共鳴ラマン散乱光の受光と、受光した前記共鳴ラマン散乱光の受光データの出力とを繰り返し実行することで、前記共鳴ラマン散乱光の受光データの時系列データを前記処理装置に出力する構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記照射装置は、パルスレーザー光のパルス幅を変更可能であり、前記パルスレーザー光のパルス幅を変更することで、前記測定エリアの光軸方向における空間解像度を調整可能となっている構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記ビームエキスパンダーは、平凹レンズおよび平凸レンズを有しており、光軸方向における前記平凹レンズおよび/または前記平凸レンズの位置を変えることで、測定エリアに照射するレーザー光のビーム径を調整可能である構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記ビームエキスパンダーは、前記レーザー光を直径50mm以上のビーム径に拡径する構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記照射装置は、レーザー光源と、前記レーザー光源から射出されたレーザー光を、測定対象ガスの励起波長に合わせた波長のレーザー光に変換する波長変換器とを有する構成とすることができる。
上記ガス測定可視化装置において、前記処理装置が、前記レーザー光の光軸上に設置された検査対象物から漏出する測定対象ガスを検知すると共に、測定対象ガスの漏出位置を可視化する機能を備える、構成とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、直径10mm以上の所定の面積を有する測定エリアに対しても、特定のガスの分布をほぼリアルタイムで測定し可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るガス測定可視化装置を示す構成図である。
図2】本実施形態に係るガス測定可視化装置を用いたガス測定試験の試験方法を説明するための図である。
図3図2に示すガス測定試験で得られた測定対象ガスの二次元分布画像の一例を示す図である(その1)。
図4図2に示すガス測定試験で得られた測定対象ガスの二次元分布画像の一例を示す図である(その2)。
図5】測定対象ガスの三次元分布画像の作成方法を説明するための図である(その1)。
図6】測定対象ガスの三次元分布画像の作成方法を説明するための図である(その2)。
図7】パルスレーザー光のパルス幅と測定対象ガスの光軸方向における空間解像度との関係を説明するための図である。
図8】本実施例に係る測定エリアを説明するための図である。
図9】本実施例で撮像された二酸化硫黄(SO)ガスの二次元分布画像を示す図である。
図10】本実施例で撮像された二次元分布画像に基づいて作成した、二酸化硫黄(SO)ガスの三次元分布画像の一例を示す図である。
図11】本実施例と同様の構成において、一酸化窒素(NO)ガスを撮像した撮像画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図に基づいて、本実施形態に係るガス測定可視化装置1を説明する。本実施形態では、測定対象ガスとして二酸化硫黄(SO)ガスを測定する構成を例示して説明するが、本発明において、測定対象ガスは二酸化硫黄(SO)ガスに限定されず、たとえばCO,O,CO,N,HS,CH,NH,Hなどのガスを測定対象とすることができる。また、本実施形態では、ガスの濃度を測定し可視化するガス測定可視化装置1を例示して説明するが、本発明は、ガスの濃度を測定し可視化する装置に限定されず、たとえば、測定対象エリアに存在するガスを特定するガス特定装置、または測定対象エリアにおいて測定対象とするガスが存在するかを監視する監視装置としても適用することができる。
【0010】
図1は、本実施形態に係るガス測定可視化装置1を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るガス測定可視化装置1は、照射装置10、受光装置20、および処理装置30を有している。以下に、各構成について説明する。なお、図1に示す例では、ガスセルのガス放出口から二酸化硫黄(SO)ガスを放出し、二酸化硫黄(SO)ガスのガス放出口の周辺を測定エリアとして、二酸化硫黄(SO)ガスを測定し可視化する構成を例示して説明する。また、本実施形態では、照射装置10および受光装置20をそれぞれ独立した装置として備える構成を例示するが、これに限定されず、たとえばフラッシュ型LIDAR(Light Detection and Ranging)のように、照射装置10および受光装置20を一体化した装置として用いることもできる。
【0011】
照射装置10は、図1に示すように、波長可変レーザー11と、ビームエキスパンダー12とを有している。また、波長可変レーザー11は、一例として、レーザー光源であるNd:YAGレーザーと、光パラメトリック発振器(OPO)を有する構成とすることができる。この場合、波長可変レーザー11は、たとえば、Nd:YAGレーザーにより、波長1064nmのレーザー光を、10Hz~数kHzの繰り返し周波数で出力することができ、光パラメトリック発振器により、Nd:YAGレーザーにより照射されたレーザー光を、たとえば200nm~1000nmの波長に変更し、ビームエキスパンダー12へと出力することができる。また、波長可変レーザー11は、必要に応じて、第2高調波発生器や第3高調波発生器を有する構成とすることもできる。本実施形態において、波長可変レーザー11は、疑似パルスレーザー、Qスイッチレーザー、または、モード同期レーザーなどを用いることができ、数ns~数msのパルス幅のパルスレーザー光を照射することができる。
【0012】
ビームエキスパンダー12は、図1に示すように、平凹レンズ121および平凸レンズ122を有し、平凹レンズ121および平凸レンズ122を用いて、波長可変レーザー11から照射されたパルスレーザー光のレーザー径を変更することができる。具体的には、平凹レンズ121は、波長可変レーザー11から照射されたパルスレーザー光のビーム径が拡大するように、パルスレーザー光を発散し、平凸レンズ122は、平凹レンズ121により発散されたパルスレーザー光を平行光へと戻す。また、本実施形態において、ビームエキスパンダー12は、波長可変レーザー11により射出されたパルスレーザー光のビーム径を、測定エリアにおいて直径10mm以上、好ましくは直径50mm以上、より好ましくは直径100mm以上の大きさまで拡大することができる。たとえば、ビームエキスパンダー12は、処理装置30の制御に基づいて、平凹レンズ121および/または平凸レンズ122の光軸方向における位置をシフトさせることができ、平凹レンズ121および/または平凸レンズ122の光軸方向における位置を調節することで、波長可変レーザー11により射出されたパルスレーザー光のビーム径を一定範囲において自在に変更することができる。
【0013】
また、本実施形態において、照射装置10は、処理装置30の制御に基づいて、測定対象ガスの励起波長のパルスレーザー光を照射することができる。たとえば、測定対象ガスが二酸化硫黄(SO)ガスである場合、照射装置10は、二酸化硫黄(SO)ガスが共鳴ラマン散乱光を発生させる210~230nmのパルスレーザー光を照射するように波長可変レーザー11を制御することで、210~230nmのパルスレーザー光を照射することができる。なお、本実施形態では、図1に示すように、照射装置10から照射されたパルスレーザー光が測定エリアを通過した後に終端するように、ビームディフューザーが配置されている。
【0014】
受光装置20は、測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を受光する受光部24を有し、受光部24で受光した共鳴ラマン散乱光の強度に応じた信号(受光データ)を、処理装置30へと出力する。具体的に、受光装置20は、図1に示すように、バンドパスフィルタ21と、紫外線撮影用レンズ22と、エッジフィルタ23と、受光部24とを有する。バンドパスフィルタ21は、所定の波長領域の光(たとえば本実施形態では、二酸化硫黄(SO)ガスが散乱する共鳴ラマン散乱光の波長である222.5nm付近の光)を通過させ、それ以外の光の全てまた一部を遮断する。また、紫外線撮影用レンズ22は、紫外領域の光の透過率の高いレンズであり、たとえば二酸化硫黄(SO)ガスに対応する共鳴ラマン散乱光の波長である222.5nm付近の光に適したレンズである。さらに、エッジフィルタ23は、目的とする波長(たとえば本実施形態では218nm)よりも長波長の光を遮断するフィルタであり、バンドパスフィルタ21を通過してしまった長波長のノイズ光を遮断することができる。このように、本実施形態では、受光装置20が、バンドパスフィルタ21、紫外線撮影用レンズ22、エッジフィルタ23を備えることで、目的とする波長の光(たとえば、本実施形態では、二酸化硫黄(SO)ガスの共鳴ラマン散乱光に対応する210~230nm付近の波長の光)を高い精度(高いS/N比)で検出することが可能となる。なお、測定対象ガスに応じて、これらの構成は適宜変更することができる。また、受光装置20の構成を簡潔にするために、バンドパスフィルタ21、紫外線撮影用レンズ22、および/または、エッジフィルタ23を備えない構成とすることもできる。
【0015】
受光部24は、照射装置10により照射されたパルスレーザー光が、測定エリアにおいて検出対象ガスに衝突することで発生した共鳴ラマン散乱光を受光する。また、受光部24は、二次元状に配列された複数の受光素子を有しており、受光部24の撮像範囲内の各位置に対応する受光素子から、当該撮像範囲の各位置に対応する共鳴ラマン散乱光の強度に応じた信号データを受光し、二次元データとして、処理装置30に出力する。なお、受光装置20は、焦点が無限遠となるように設定されている。このような受光部24として、たとえば、ICCD検出器を用いることができ、電子シャッターにより、ピコ秒~マイクロ秒単位で光を受光して、受光した光の量に応じた受光データを処理装置30に出力する処理を繰り返すことができる。
【0016】
処理装置30は、受光装置20により出力された共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データを受信する。ここで、測定エリアの各位置における共鳴ラマン散乱光の強度は、複数の受光素子の配列方向における測定対象ガスの二次元分布を示すものであり、処理装置30は、二次元データに基づいて、測定対象ガスの二次元分布を示す二次元分布画像データを生成する。さらに、処理装置30は、ディスプレイを有しており、このディスプレイにより、生成した測定対象ガスの二次元分布画像データに基づいて、測定対象ガスの二次元分布を可視化した二次元分布画像を表示する。ここで、図2は、本実施形態に係るガス測定可視化装置1のガス測定試験の試験方法を説明するための図であり、図3および図4は、図2に示すガス測定試験で得られた測定対象ガスの二次元分布画像の一例を示す図である。
【0017】
図2に示す試験例では、照射装置10により、二酸化硫黄ガス(SO)の励起波長である217nmのパルスレーザー光を、ガスセルのガス放出口とガスを排出するためのダクトとの間の測定エリアに向けて照射した。また、パルスレーザー光の照射に合わせて、ガスセルのガス放出口から20ppmの二酸化硫黄(SO)ガスを放出した。なお、パルスレーザー光のエネルギーは0.5mJとした。さらに、図2には図示していないが、受光装置20は、測定エリアからの共鳴ラマン散乱光(より具体的には222nmの波長の光)を受光部24で受光するように構成され、受光した共鳴ラマン散乱光の光強度に応じた二次元データを、処理装置30に出力させた。
【0018】
たとえば、図3は、図2に示す試験例において、照射装置10により照射するパルスレーザー光のビーム径を測定エリアにおいて直径50mmまで拡大した場合の測定結果に基づく測定対象ガスの二次元分布画像である。また、図4は、図2に示す試験例において、照射装置10により照射するパルスレーザー光のビーム径を測定エリアにおいて直径100mmまで拡大した場合の測定結果に基づく測定対象ガスの二次元分画像である。処理装置30は、図3および図4に示すように、受光装置20で受光した共鳴ラマン散乱光の光強度に応じた二次元データから測定対象ガスの二次元分布画像データを作成する。すなわち、処理装置30は、図3および図4に示すように、像面(パルスレーザー光の光軸に垂直な面)における測定対象ガスの二次元分布を示す画像データを、測定対象ガスの二次元分布画像データとして作成する。特に、本実施形態では、受光部24において二次元状に配列された複数の受光素子において、同じタイミングで受光された共鳴ラマン散乱光の受光データを二次元データとして取得することで、測定対象ガスの二次元分布画像データをリアルタイムで作成することが可能である。また、本実施形態において、処理装置30は、共鳴ラマン散乱光の光強度が弱いほど青色となり、共鳴ラマン散乱光の光強度が高いほど赤色となるように、二次元分布画像の各画素を色付けできるように、二次元分布画像データを作成する。これにより、図3および図4に示すように、二次元分布画像を見た使用者に、測定対象ガスの存在する場所や、測定対象ガスの濃度を、直感的に把握させることができる。
【0019】
なお、図3および図4に示す試験例では、20ppmという微量の二酸化硫黄(SO)ガスをガスセルから放出して試験を行ったが、図3に示す試験例のように、パルスレーザー光のビーム径を測定エリアにおいて直径50mmとなるように設定した場合でも、二酸化硫黄ガス(SO)を適切に検出することができた。また、図4に示すように、パルスレーザー光のビーム径を測定エリアにおいて直径100mmまで広げた場合でも、図3と比べてノイズは増えたが、20ppmの二酸化硫黄(SO)ガスを検出することができることがわかった。
【0020】
さらに、本実施形態において、処理装置30は、受光装置20から取得した共鳴ラマン散乱光の二次元データの時系列データに基づいて、測定エリアにおいて、複数の受光素子の配列方向およびパルスレーザー光の光軸方向に分布する測定対象ガスの三次元分布画像データをほぼリアルタイムで作成し、当該三次元分布画像データに基づく三次元分布画像を表示することもできる。ここで、図5は、測定対象ガスの三次元分布画像を説明するための図である。たとえば、図5(A)に示すように、照射装置10から照射したパルスレーザー光が測定エリア内の空間S1を進む場合、パルスレーザー光が空間S1に存在する測定対象ガスと衝突することで、空間S1において測定対象ガスに起因する共鳴ラマン散乱光R1が発生する。また、図5(B)に示すように、パルスレーザー光が空間S2まで進むと、パルスレーザー光が空間S2に存在する測定対象ガスと衝突し共鳴ラマン散乱光R2が発生する。なお、図5(A)で発生した共鳴ラマン散乱光R1の一部は受光装置20に向けて進むが、図5(B)に示すタイミングでは、受光装置20により受光されていない。しかしながら、その後、共鳴ラマン散乱光R1および共鳴ラマン散乱光R2は順次、異なるタイミングで、受光装置20により受光され、受光した共鳴ラマン散乱光R1および共鳴ラマン散乱光R2の強度に応じた二次元データが時系列順に処理装置30へと出力されることとなる。
【0021】
図6も、図5と同様に、共鳴ラマン散乱光の二次元データの時系列データを説明するための図である。なお、図6に示す例においては、照射装置10がパルスレーザー光を照射し、時刻nで測定エリアに到達し、時刻nから時刻n+1までの間にパルスレーザー光が進んだ際に生じた共鳴ラマン散乱光が、時刻n+2から時刻n+3の間に、受光装置20で受光されるものとする。この場合、受光装置20は、時刻nから時刻n+1の間で受光した共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データを、時刻n+3において、処理装置30へ出力するとともに、続く時刻n+1から時刻n+2において受光した共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データを、時刻n+4において、処理装置30へ出力する。同様に、受光装置20は、時刻n+2から時刻n+3までの間、時刻n+3から時刻n+4までの間というように、一定時間受光した共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データを繰り返し処理装置30へと出力する。これにより、処理装置30は、パルスレーザー光が時刻nから時刻n+1まで進んだ際の共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データ、時刻n+1から時刻n+2まで進んだ際の共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データというように、共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データの時系列データを取得することができる。そして、処理装置30は、時刻nから時刻n+1まで進んだ際の共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データ、時刻n+1から時刻n+2まで進んだ際の共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データ、および、それ以降の一定時間において受光された共鳴ラマン散乱光の強度に応じた二次元データを、パルスレーザー光の光軸方向に合成することで、パルスレーザー光の光軸方向を含む、測定対象ガスの三次元分布画像を生成することができる。
【0022】
また、本実施形態では、パルスレーザー光のパルス幅(照射時間)を短くすることで、パルスレーザー光の光軸方向における空間解像度を高めることが可能となる。ここで、図7は、パルスレーザー光のパルス幅とパルスレーザー光の光軸方向における空間解像度との関係を説明するための図である。たとえば、処理装置30は、図7(A)に示す例では、照射装置10は、パルス幅W1のパルスレーザー光を照射し、図7(B)に示す例では、照射装置10は、パルス幅W2のパルスレーザー光を照射している。これにより、図7(A)に示す例では、パルスレーザー光の光軸方向における空間解像度はW1となるが、図7(B)に示す例では、パルスレーザー光の光軸方向における空間解像度はW2となり、図7(A)に示す例よりも、パルスレーザー光の光軸方向における空間解像度が高くなる。
【実施例0023】
次に、図8図10を参照して、本実施形態に係るガス測定可視化装置1の実施例について説明する。本実施例では、図1に示すガス測定可視化装置1を用いて、40×10mmのガス放出口から放出した200ppmの二酸化硫黄(SO)ガスを測定した。具体的には、励起エネルギー2mJで、励起波長217nmのレーザー光を照射装置10からガスセルの上方に向けて照射し、ガスセルから飛来する観測波長222.6nmのラマン散乱光を受光した。また、本実施例では、測定エリアにおいてビーム径が250mmとなるようにレーザー光を照射し、当該ビーム径に含まれる領域を測定エリアとしてラマン散乱を受光した。なお、図8は、本実施例における測定エリアを例示した図である。また、本実施例において、照射装置10からガスセルまでの距離、および、ガスセルから受光装置20までの距離は2mとした。さらに、レーザー光の発振から受光部24の受光素子のゲートを開放するタイミング(ディレイタイム)を、ガス放出口の光軸方向における測定エリアに相当する(ガス放出口の上方を含む光軸方向の所定領域からのラマン散乱光を受光可能な)96~112ナノ秒において、数ナノ秒ずつ変化させて画像を撮像した(後述する図9参照。)。なお、光軸方向における測定エリアの始点に相当する、上記「96ナノ秒」は、装置構成(ガス放出口までの距離や信号ケーブルの長さなど)によって決まる値であり、装置構成によっては適宜変化する必要がある。また、本実施例において、96ナノ秒から112ナノ秒までの16ナノ秒間の範囲は、距離に換算すると、約2.4mの区間に相当し、2~4ナノ秒ごとに繰り返し撮像することで上記区間を約30~60cmずつずらして撮像したことに相当する(光の往復を考えるため,時間×光速度÷2が距離になる。)。
【0024】
図9は、本実施例で撮像された二酸化硫黄(SO)ガスの二次元分布画像を示す図である。具体的には、図9(A)はレーザー光を照射してから96ナノ秒後の撮像画像であり、図9(B)はレーザー光を照射してから100ナノ秒後の撮像画像であり、図9(C)はレーザー光を照射してから102ナノ秒後の撮像画像であり、図9(D)はレーザー光を照射してから105ナノ秒後の撮像画像であり、図9(E)はレーザー光を照射してから108ナノ秒後の撮像画像であり、図9(F)はレーザー光を照射してから112ナノ秒後の撮像画像である。図9(A)に示す96ナノ秒後の撮像画像の撮像位置を0cm(測定エリアの基準位置)とした場合、図9(B)に示す100ナノ秒後の撮像画像の撮像位置は測定エリアのうち基準位置から光軸方向に60cmの位置となり、図9(C)に示す102ナノ秒後の撮像画像の撮像位置は基準位置から光軸方向に90cmの位置となり、図9(D)に示す105ナノ秒後の撮像画像の撮像位置は基準位置から光軸方向に135cmの位置となり、図9(E)に示す108ナノ秒後の撮像画像の撮像位置は基準位置から光軸方向に180cmの位置となり、図9(F)に示す112ナノ秒後の撮像画像の撮像位置は基準位置から光軸方向に240cmの位置となる。そのため、図10に示すように、これら撮像画像を基準位置からの距離に合わせて配置し合成することで、二酸化硫黄(SO)ガスの三次元画像を得ることができる。なお、図10は、本実施例で得られた二次元分布画像データに基づいて作成した、二酸化硫黄(SO)ガスの三次元分布画像の一例を示す図である。
【0025】
また、図11は、上記実施例と同様の構成において、一酸化窒素(NO)ガスを撮像した撮像画像を示す図である。ガス測定可視化装置1は、図11に示すように、一酸化窒素(NO)ガスを検出する場合も、二酸化硫黄(SO)ガスと同様に、二次元分布画像を撮像することができ、異なるタイミングで撮像して得た二次元分布画像データから、一酸化窒素(NO)ガスの三次元分布画像を作成することができる。
【0026】
以上のように、本実施形態に係るガス測定可視化装置1は、直径10mm以上のビーム径を有するレーザー光を測定エリアに対して照射する照射装置10と、測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を、二次元状に配列した複数の受光素子を有する受光部24で受光する受光装置20と、複数の受光素子において同じタイミングで受光された共鳴ラマン散乱光の強度に基づく二次元データに基づいて、測定エリアに存在するガスを測定することで、測定エリアで同時に存在する測定対象ガスの二次元分布データをリアルタイムで取得し可視化することができる。すなわち、従来は、ラスタースキャン方式のように、測定エリアの各位置にパルスレーザー光を照射し、照射した位置からのラマン散乱光を受光し、続いて、照射する位置を変えて再度、パルスレーザー光の照射とラマン散乱光の受光を繰り返すことで、測定エリアにおける測定対象ガスの二次元分布を測定していた。しかしながら、従来では、パルスレーザー光の照射とラマン散乱光の受光を繰り返す必要があるため、測定対象エリアが広い場合には、測定対象エリア全体における測定対象ガスの二次元分布を測定するために数分から数十分という時間がかかる場合もあり、測定対象ガスの二次元分布をリアルタイムで測定することができないという問題があった。これに対して、本実施形態に係るガス測定可視化装置1は、直径10mm以上のビーム径を有するレーザー光を測定エリアに対して照射し、二次元状に配列した複数の受光素子を有する受光部24で測定エリアからの共鳴ラマン散乱光を受光することで、測定エリアに存在する測定対象ガスの濃度に応じた二次元データをリアルタイムで取得し、測定対象ガスの二次元分布画像をリアルタイムで表示することが可能となる。
【0027】
また、直径10mm以上のビーム径となるようにパルスレーザー光の照射範囲を広げて照射し、測定エリアからのラマン散乱光を受光して、測定エリアに存在するガスの濃度を測定する場合に、たとえば図3または図4に示すように、測定対象ガスの濃度が低い場合には、十分な強度のラマン散乱光を検出することができず、測定対象ガスを測定できないという問題があった。これに対して、本実施形態に係るガス測定可視化装置1では、測定対象ガスの励起波長のパルスレーザー光を照射し、測定対象ガスに応じた共鳴ラマン散乱光を受光する構成としている。共鳴ラマン散乱光は、ラマン散乱光と比べて1万~100万倍の強度を有するため、パルスレーザー光の照射範囲を広げて照射した場合でも、従来と比べて、低い濃度の測定対象ガスを測定することが可能となる。
【0028】
さらに、本実施形態に係るガス測定可視化装置1において、受光装置20は、測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光を通過させ、測定対象ガスにより散乱された共鳴ラマン散乱光の波長ではない特定の波長の光を遮断する光学フィルタ21~23を有しており、共鳴ラマン散乱光以外の波長の光をノイズとして除去することができ、共鳴ラマン散乱光に基づく測定対象ガスの検出精度を高めることができる。また、本実施形態に係るガス測定可視化装置1において、照射装置10は、レーザー光のビーム径を拡大するビームエキスパンダー12を有しており、たとえば平凹レンズ121および/または平凸レンズ122の位置を調整することで、測定エリアに照射するレーザー光のビーム径を調整することができる。
【0029】
加えて、本実施形態では、受光装置20の受光部24は、測定エリアからの共鳴ラマン散乱光の受光と、受光した共鳴ラマン散乱光の受光データの出力とを繰り返し実行することで、共鳴ラマン散乱光の受光データの時系列データを処理装置30に出力し、処理装置30は、共鳴ラマン散乱光の受光データの時系列データに基づいて、測定エリアにおいてレーザー光の光軸方向に分布する測定対象ガスの三次元分布画像データをほぼリアルタイムで作成することができる。また、照射装置10は、パルスレーザー光のパルス幅を変更可能であり、パルスレーザー光のパルス幅を変更することで、測定エリアの光軸方向における空間解像度を調整可能となっている。
【0030】
なお、上記では、測定対象ガスを測定するガス測定可視化装置1を例示して説明したが、このようなガス測定可視化装置1を用いて検査装置を構成することもできる。たとえば、ガスが通過する配管を有する製品においてガス漏れなどを検査する場合に、当該ガス測定可視化装置1によりガスの測定を行うことで、ガス漏れがどこからどの程度生じているかを、測定対象ガスの二次元分布画像または三次元分布画像として表示することができる。なお、このような二次元分布画像または三次元分布画像は、製品を別に撮像した撮像画像に、ガスの二次元分布画像または三次元分布画像を重畳して表示する構成としてもよい。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0032】
たとえば、上述した実施形態に加えて、パルスレーザー光が光軸方向に進むほど、パルスレーザー光が減衰するため、たとえ測定対象ガスの濃度が同じ場合でも、離れた位置ほど(パルスレーザー光が光軸方向に進んだ位置ほど)、共鳴ラマン散乱光の強度は小さくなる。そのため、測定エリアのうち、照射装置10から離れた位置ほど(あるいは受光装置20から離れた位置ほど)、共鳴ラマン散乱光の強度を高くなるように、受光データを補正する構成としてもよい。
【0033】
また、ビーム径を、直径100mmを超える大きさまで広げる構成とすることもできる。反対に、極微量成分を高い感度で測定するため、ビーム径を縮小して可視化する構成とすることができる。すなわち、本実施形態に係るガス測定可視化装置1では、直径10mm以上の範囲において、ビーム径を自在に拡大・縮小することができる。
また、ビーム径を広げてスキャンする場合には、その分、共鳴ラマン散乱光の強度が弱くなり、測定対象ガスを検出できない可能性があるため、その場合は、スキャン回数を増加させて受光データを合成し、受光時間を長くし、あるいは、パルスレーザー光のエネルギーを大きくする構成とすることができる。
【符号の説明】
【0034】
1…ガス測定可視化装置
10…照射装置
11…波長可変レーザー
12…ビームエキスパンダー
121…平凹レンズ
122…平凸レンズ
20…受光装置
21…バンドパスフィルタ
22…紫外線撮影用レンズ
23…エッジフィルタ
24…受光部
30…処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11