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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045712
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】作業装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 69/06 20060101AFI20230327BHJP
   B65H 67/08 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B65H69/06
B65H67/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154268
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 真人
【テーマコード(参考)】
3F112
【Fターム(参考)】
3F112AA10
3F112ED03
3F112JA03
(57)【要約】
【課題】走行台車の移動を阻害することなく、機能機構における機能を適切に発揮させることができる作業装置を提供する。
【解決手段】糸継装置5は、走行台車51と、サクション機構56と、第一タンク57と、第一電磁弁58と、第一接続部材60と、第二接続部材61と、供給ホース66と、を備え、第一タンク57は、サクション機構56において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮空気を貯留し、第一接続部材60及び第二接続部材61のそれぞれにおける圧縮流体の単位時間当たりの供給量は、サクション機構56において所定の機能を発揮できる量であり、供給ホース66は、供給ホース66における圧縮空気の単位時間当たりの供給量が第一接続部材60及び第二接続部材61のそれぞれにおける圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、走行台車51の移動に伴って変形可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行台車と、
前記走行台車に取り付けられ、圧縮流体によって所定の機能を発揮する機能機構と、
前記走行台車に取り付けられ、前記圧縮流体を貯留する第一タンクと、
前記走行台車に取り付けられると共に前記機能機構と前記第一タンクとの間に設けられ、前記第一タンクから前記機能機構への前記圧縮流体の供給量を制御する第一弁と、
前記第一弁と前記機能機構とを接続している第一接続部材と、
前記第一タンクと前記第一弁とを接続している第二接続部材と、
前記第一タンクに前記圧縮流体を供給する供給ホースと、を備え、
前記第一タンクは、前記機能機構において前記所定の機能を所定時間発揮できる量の前記圧縮流体を貯留し、
前記第一接続部材及び前記第二接続部材のそれぞれにおける前記圧縮流体の単位時間当たりの供給量は、前記機能機構において前記所定の機能を発揮できる量であり、
前記供給ホースは、当該供給ホースにおける前記圧縮流体の単位時間当たりの供給量が前記第一接続部材及び前記第二接続部材のそれぞれにおける前記圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、前記走行台車の移動に伴って変形可能である、作業装置。
【請求項2】
前記供給ホースを保護案内する保護案内部材を備える、請求項1に記載の作業装置。
【請求項3】
前記走行台車は、一方向において往復動する、請求項2に記載の作業装置。
【請求項4】
前記供給ホースから供給される前記圧縮流体を貯留する第二タンクと、
前記第一タンクと前記第二タンクとの間に設けられ、前記第二タンクから前記第一タンクへの前記圧縮流体の供給量を制御する第二弁と、
前記第一タンクと前記第二弁とを接続している第三接続部材と、
前記第二タンクと前記第二弁とを接続している第四接続部材と、を備え、
前記供給ホースと前記第一タンクとの間において、前記圧縮流体の流れの上流側から、前記第二タンク、前記第四接続部材、前記第二弁及び前記第三接続部材の順で接続されており、
前記第二タンクの前記圧縮流体の貯留量は、前記第一タンクの前記圧縮流体の貯留量よりも多い、請求項1~3のいずれか一項に記載の作業装置。
【請求項5】
前記走行台車に取り付けられると共に、複数のアーム部と、対応する2つの前記アーム部を接続する関節部と、を有するロボットを備え、
前記機能機構、前記第一タンク、前記第一弁、前記第一接続部材、前記第二接続部材及び前記第三接続部材は、前記ロボットに取り付けられており、
前記機能機構は、前記ロボットの先端に設けられており、
前記第三接続部材は、前記ロボットに配設されており、
前記第三接続部材は、当該第三接続部材における前記圧縮流体の単位時間当たりの供給量が前記供給ホースにおける前記圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、前記ロボットの動作に伴って変形可能である、請求項4に記載の作業装置。
【請求項6】
前記機能機構は、前記圧縮流体によって糸を吸引して捕捉するサクション機構である、請求項1~5のいずれか一項に記載の作業装置。
【請求項7】
前記サクション機構は、前記糸を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記圧縮流体が供給されていないときに前記糸を挟んで保持可能な保持状態となり、前記圧縮流体が供給されることで前記保持状態から前記糸を挟まない解除状態となる、請求項6に記載の作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、合繊糸用糸継システムにおいて、2つの給糸パッケージの糸を自動で繋ぐ糸継装置が開示されている。特許文献1に記載の糸継装置は、給糸パッケージの糸を捕捉して案内する捕捉案内機構と、2つの給糸パッケージの糸同士の糸継ぎを行う糸継機構と、を備えている。糸継装置は、走行台車に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-24742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記捕捉案内機構は、給糸パッケージの糸を吸引して捕捉し、捕捉した糸を糸継機構に糸を案内する。捕捉案内機構が捕捉する糸は、静止している(送出されていない)ため、捕捉案内機構では、給糸パッケージの糸を吸引して捕捉した後は糸を吸引し続ける必要がない。そのため、捕捉案内機構においては、糸を捕捉するために、所定時間だけ糸を吸引すればよい。捕捉案内機構において糸を吸引して捕捉する機能を発揮させるためには、圧縮空気の流量を相応確保する必要がある。そのため、作業装置では、走行台車によって移動して作業位置で停止した際に、所定量の圧縮空気が必要となる。
【0005】
作業装置が圧縮空気の供給を受ける機構として、工場等に圧縮空気を流通させる配管を設置し、作業装置がカプラ等の端子を配管に接続して、配管から圧縮空気の供給を受けるものが知られている。しかしながら、この構成では、作業装置が作業を行う度にカプラを配管に接続する必要がある。そのため、カプラを接続するための時間が発生するので効率的でない。また、カプラの抜き差しを繰り返し行うため、カプラの耐久性を確保する必要があり、カプラの構造が複雑化したり高価になったりする。
【0006】
また、作業装置がコンプレッサを備え、コンプレッサから捕捉案内機構に圧縮空気を供給する構成が知られている。しかしながら、コンプレッサは、音や振動が発生し、振動等が他の機構の動作に影響を及ぼすおそれがある。また、作業装置での作業にコンプレッサを適合させるための開発が必要となるため、コンプレッサが高価となりコストが増大し得る。また、コンプレッサは定期的なメンテナンス(オイルの交換等)が必要であり、メンテナンスのために作業を停止することになるため効率的でない。
【0007】
そこで、作業装置にホースを接続し、ホースによって捕捉案内機構に圧縮空気を供給することが考えられる。上記のように、捕捉案内機構において上記の機能を発揮させるためには、圧縮空気の流量を相応確保する必要がある。そのためには、捕捉案内機構に圧縮空気を供給するホースを太く(内径を大きく)する必要がある。しかしながら、太いホースは、曲がり難かったりするため、取り回しし難い。そのため、ホースを太くすると、走行台車の移動がホースによって阻害され得る。一方で、ホースを細く(内径を小さく)すると、単位時間当たりの圧縮空気の流量が少なくなるため、捕捉案内機構において相応の流量を確保できず、捕捉案内機構において糸の吸引を適切に行うことができない。
【0008】
本発明の一側面は、走行台車の移動を阻害することなく、機能機構における機能を適切に発揮させることができる作業装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係る作業装置は、走行台車と、走行台車に取り付けられ、圧縮流体によって所定の機能を発揮する機能機構と、走行台車に取り付けられ、圧縮流体を貯留する第一タンクと、走行台車に取り付けられると共に機能機構と第一タンクとの間に設けられ、第一タンクから機能機構への圧縮流体の供給量を制御する第一弁と、第一弁と機能機構とを接続している第一接続部材と、第一タンクと第一弁とを接続している第二接続部材と、第一タンクに圧縮流体を供給する供給ホースと、を備え、第一タンクは、機能機構において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮流体を貯留し、第一接続部材及び第二接続部材のそれぞれにおける圧縮流体の単位時間当たりの供給量は、機能機構において所定の機能を発揮できる量であり、供給ホースは、当該供給ホースによって第一タンクに供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量が第一接続部材及び第二接続部材のそれぞれの圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、走行台車の移動に伴って変形可能である。
【0010】
本発明の一側面に係る作業装置では、供給ホースは、当該供給ホースによって第一タンクに供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量が第一接続部材によって機能機構に供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量及び第二接続部材によって第一弁に供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有する。そのため、供給ホースによって第一タンクに供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量が、第一タンクから機能機構に供給される圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくできる。したがって、作業装置では、供給ホースの太さを細くすることができる。また、供給ホースは、前記内径を有することに加えて、走行台車の移動に伴って変形可能である。したがって、作業装置では、走行台車の移動が供給ホースによって阻害されることを抑制できる。また、作業装置は、機能機構に圧縮流体を供給する第一タンクを備える。第一タンクは、機能機構において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮流体を貯留する。これにより、作業装置では、第一弁を開放することによって、第一接続部材及び第二接続部材を介して、第一タンクから機能機構に対して、機能機構において所定の機能を所定時間発揮するために必要な量の圧縮流体を供給できる。そのため、作業装置では、供給ホースを細くした場合であっても、機能機構に対して充分な圧縮流体が供給されるため、機能機構において所定の機能を適切に発揮させることができる。
【0011】
一実施形態においては、供給ホースを保護案内する保護案内部材を備えていてもよい。この構成では、供給ホースが保護案内部材によって保護案内されることによって供給ホースの動きが整理されるため、供給ホースの取り回しがし易くなる。その結果、走行台車の移動が供給ホースによって阻害されることを抑制できる。
【0012】
一実施形態においては、走行台車は、一方向において往復動してもよい。このように、走行台車が一方向において往復動する場合においても、供給ホースが保護案内部材によって保護案内されることによって供給ホースの動きが整理される。そのため、走行台車が一方向において往復動する構成において、走行台車の移動が供給ホースによって阻害されることを抑制できる。
【0013】
一実施形態においては、供給ホースから供給される圧縮流体を貯留する第二タンクと、第一タンクと第二タンクとの間に設けられ、第二タンクから第一タンクへの圧縮流体の供給量を制御する第二弁と、第一タンクと第二弁とを接続している第三接続部材と、第二タンクと第二弁とを接続している第四接続部材と、を備え、供給ホースと第一タンクとの間において、圧縮流体の流れの上流側から、第二タンク、第四接続部材、第二弁及び第三接続部材の順で接続されており、第二タンクの圧縮流体の貯留量は、第一タンクの圧縮流体の貯留量よりも多くてもよい。この構成では、第一タンクから機能機構に圧縮流体が供給された場合、第二弁を開放することによって、第二タンクから第一タンクに対して、機能機構において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮流体を直ぐに供給することができる。
【0014】
一実施形態においては、走行台車に取り付けられると共に、複数のアーム部と、対応する2つのアーム部を接続する関節部と、を有するロボットを備え、機能機構、第一タンク、第一弁、第一接続部材、第二接続部材及び第三接続部材は、ロボットに取り付けられており、機能機構は、ロボットの先端に設けられており、第三接続部材は、ロボットに配設されており、第三接続部材は、当該第三接続部材における圧縮流体の単位時間当たりの供給量が供給ホースにおける圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、ロボットの動作に伴って変形可能であってもよい。ロボットは、複雑な動作を行う場合がある。そのため、ロボットは、アーム部及び関節部を有する多関節の機構である必要があり、複雑な構成となると共に動作に高い自由度が求められる。作業装置では、第一タンクは、機能機構において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮流体を貯留する。そのため、作業装置では、第一タンクと第二弁とを接続している第三接続部材において、当該第三接続部材における圧縮流体の単位時間当たりの供給量が、供給ホースにおける圧縮流体の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径として、第三接続部材を細くした場合であっても、機能機構において所定の機能を所定時間発揮できる。また、第三接続部材は、前記内径を有することに加えて、ロボットの動作に伴って変形可能である。したがって、作業装置では、ロボットの動作が第三接続部材によって制限され難いため、ロボットの動作の自由度を確保することができる。
【0015】
一実施形態においては、機能機構は、圧縮流体によって糸を吸引して捕捉するサクション機構であってもよい。
【0016】
一実施形態においては、サクション機構は、糸を保持する保持部を有し、保持部は、圧縮流体が供給されていないときに糸を挟んで保持可能な保持状態となり、圧縮流体が供給されることで保持状態から糸を挟まない解除状態となってもよい。この構成では、保持部において糸を保持するために動力を必要としない。そのため、保持部のための配線やホースが設けられないため、走行台車の移動が当該配線等によって阻害されることを抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、走行台車の移動を阻害することなく、機能機構における機能を適切に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一実施形態に係る作業装置が適用される糸継装置を備える仮撚加工機の構成を示す図である。
図2図2は、糸継装置の側面図である。
図3図3は、糸継装置の上面図である。
図4図4は、ロボットの構成の一部を模式的に示す図である。
図5図5は、サクション機構を示す図である。
図6図6(a)は、サクション機構の解除状態を示す図であり、図6(b)は、サクション機構の保持状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
一実施形態に係る作業装置は、仮撚加工機の糸継装置に適用される。図1に示されるように、仮撚加工機1は、給糸部2と、加工部3と、巻取部4と、糸継装置(作業装置)5(図2参照)と、を備えている。後述する給糸部2、加工部3及び巻取部4が有する各構成は、給糸部2から加工部3を通って巻取部4に至る糸道が配置される糸Yの走行面(図1の紙面)と直交する方向(機台長手方向)において、複数配列されている。
【0021】
給糸部2は、加工部3に糸Yを供給する。給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド21を備えている。
【0022】
加工部3は、給糸部2から供給された糸Yに対して仮撚加工を施す。加工部3は、第一フィードローラ31と、撚止ガイド32と、第一加熱装置33と、冷却装置34と、加撚装置35と、第二フィードローラ36と、第二加熱装置37と、第三フィードローラ38と、を備えている。
【0023】
巻取部4は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取装置41で巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。
【0024】
給糸部2から加工部3に供給された糸Yは、第一フィードローラ31と第二フィードローラ36との間で延伸され、加撚装置35によって撚りが付与される。加撚装置35によって形成される撚りは、撚止ガイド32までは伝播されるが、撚止ガイド32よりも糸走行方向上流側には伝播しない。こうして延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第一加熱装置33で加熱された後、冷却装置34で冷却されて熱固定される。加撚装置35を通過した糸Yは、第二フィードローラ36に至るまでに撚りが解かれる。しかし、糸Yの撚りは上述のように熱固定されているため、各フィラメントが波状の仮撚状態を維持する。その後、第二加熱装置37で熱固定された糸Yは、巻取装置41によって巻き取られる。
【0025】
床面には、機台長手方向に延びるレールRがそれぞれ敷設されている。図2及び図3に示されるように、糸継装置5は、レールRに沿って走行する。糸継装置5は、クリールスタンド21において同じ高さ位置に配置されている2つの給糸パッケージPsのうちの、一方の給糸パッケージPsの内層側の糸端である尻糸と、他方の給糸パッケージPsの外層側の糸端である口糸とを交絡させる。糸継装置5は、レールRに沿って走行することで、機台長手方向において複数配列されるクリールスタンド21のそれぞれと対向する位置に移動可能である。
【0026】
図2図4に示されるように、糸継装置5は、走行台車51と、支柱52と、昇降台53と、糸継機構54と、ロボット55と、サクション機構(機能機構)56と、第一タンク57と、第一電磁弁(第一弁)58と、糸回収部59と、第一接続部材60と、第二接続部材61と、第二タンク62と、第二電磁弁(第二弁)63と、第三接続部材64と、第四接続部材65と、供給ホース66と、を有している。糸継装置5では、供給ホース66と第一タンク57との間において、圧縮空気の流れの上流側から、第二タンク62、第四接続部材65、第二電磁弁63及び第三接続部材64の順で接続されている。
【0027】
走行台車51は、レールRに沿って走行する。走行台車51は、レールRに沿って、一方向において往復動する。走行台車51は、支柱52を支持する。支柱52は、走行台車51に立設されている。支柱52は、上下方向に沿って配置されている。昇降台53は、支柱52に移動可能に設けられている。昇降台53は、支柱52に沿って上下方向に移動可能である。糸継装置5では、昇降台53が支柱52に沿って昇降することで、クリールスタンド21に支持されている複数の給糸パッケージPsのそれぞれと対向する位置に移動可能である。
【0028】
糸継機構54は、尻糸と口糸とを交絡させる。糸継機構54は、昇降台53に設置されている。糸継機構54は、スプライサ、ガイド、テンサ(いずれも図示省略)等を有している。
【0029】
ロボット55は、基部551と、旋回部552と、第一アーム部553と、第二アーム部554と、第一関節部555と、第二関節部556と、を備えている。基部551、旋回部552、第一関節部555、第一アーム部553、第二関節部556及び第二アーム部554は、ロボット55の基端から先端に向けてこの順に接続されている。
【0030】
基部551は、設置面に固定されており、ロボット55全体を支持する。本実施形態では、基部551は、昇降台53の設置面に固定されている。
【0031】
旋回部552は、基部551上に設けられている。旋回部552は、鉛直方向に延びる軸を旋回軸として、基部551に対して軸周りに旋回可能である。第一アーム部553は、旋回部552の先端に接続されている。第一アーム部553は、第一関節部555を介して、旋回部552に接続されている。第一アーム部553は、旋回部552に対して、第一関節部555を中心に揺動可能である。第二アーム部554は、第一アーム部553に接続されている。第二アーム部554は、第二関節部556を介して、第一アーム部553に接続されている。第二アーム部554は、第一アーム部553に対して、第二関節部556を中心に揺動可能である。第二アーム部554は、第二関節部556の中心に直交する軸周りに旋回可能である。
【0032】
サクション機構56は、圧縮空気によって所定の機能を発揮する。本実施形態では、サクション機構56は、圧縮空気によって糸Yを吸引して捕捉する。サクション機構56は、ロボット55の先端に設けられている。図5に示されるように、サクション機構56は、パイプ部560と、ノズル部561と、固定部562と、第一可動部563と、第二可動部564と、保持部565と、弾性部材566と、を備えている。
【0033】
パイプ部560は、二重管構造を有している。パイプ部560は、第一パイプ部材560Aと、第二パイプ部材560Bと、を有している。第一パイプ部材560A及び第二パイプ部材560Bのそれぞれは、円筒状の部材である。第一パイプ部材560Aは、第二パイプ部材560Bよりも長い。第一パイプ部材560Aの内径は、第二パイプ部材560Bの内径よりも小さい。第一パイプ部材560Aは、第二パイプ部材560Bの内側に配置されている。第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとは、同軸に配置されている。
【0034】
第一パイプ部材560Aの内周面は、空気又は糸の流路を形成している。第一パイプ部材560Aの内周面を通るものとして、ノズル部561と保持部565とで形成される空間から流入する空気や糸、後述するノズル561Aから流入する圧縮空気がある。第一パイプ部材560Aの先端部(図面左端部)は、ノズル部561に接続されている。第一パイプ部材560Aの基端部(図面右端部)は、糸回収部59に接続されている。第一パイプ部材560Aは、糸回収部59の収容空間に連通している。第一パイプ部材560Aの外周面と第二パイプ部材560Bの内周面とは、圧縮空気の流路を形成している。第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとの間を、圧縮空気が流通可能である。
【0035】
ノズル部561は、パイプ部560(第一パイプ部材560A)に層流又は旋回流を発生させる。ノズル部561は、第一パイプ部材560Aの先端部に接続されている。ノズル部561は、複数(例えば三個)のノズル561Aを有している。複数のノズル561Aのそれぞれは、ノズル部561の周囲に所定間隔で配置されている。ノズル561Aは、ノズル部561の外周面と内周面とを貫通している。ノズル561Aは、圧縮空気を第一パイプ部材560Aに流入させることによって、パイプ部560に層流又は旋回流を発生させる。ノズル部561の先端部の内周面は、先端部側から基端部側に向かって先細りとなるテーパー形状を呈している。
【0036】
固定部562は、糸回収部59に固定されている。固定部562は、第一パイプ部材560Aの基端部に接続されている。固定部562には、第一接続部材60が接続される接続部562Aが設けられている。接続部562Aは、第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとの間の空間に連通している。第一接続部材60から接続部562Aを介して供給される圧縮空気は、第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとによって形成される流路に流れ込む。固定部562には、弾性部材566の一端部が接続され、弾性部材566を支持する第一支持部562Bが設けられている。
【0037】
第一可動部563は、第二パイプ部材560Bに接続されている。第一可動部563は、第二パイプ部材560Bの基端部に固定されている。第一可動部563は、固定部562に対して相対的に移動可能である。第一可動部563は、第二パイプ部材560Bと一緒に移動する。第一可動部563は、固定部562に近接する第一位置と、固定部562から離間する第二位置と、の間において移動可能である。第一可動部563には、弾性部材566の他端部が接続され、弾性部材566を支持する第二支持部563Aが設けられている。
【0038】
第二可動部564は、第二パイプ部材560Bに接続されている。第二可動部564は、第二パイプ部材560Bの先端部に固定されている。第二可動部564は、第二パイプ部材560Bと一緒に移動する。すなわち、第一可動部563、第二可動部564及び第二パイプ部材560Bは、一体で移動する。第二可動部564には、連通部564Aが設けられている。連通部564Aは、第二可動部564の内周面に形成されており、第二可動部564の全周にわたって形成されている。連通部564Aは、第二可動部564の位置によって、第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとによって形成される流路とノズル561Aとを連通させる。
【0039】
保持部565は、ノズル部561の先端部のテーパー形状に対応する形状を呈している。保持部565は、例えば、円錐台形状を呈している。保持部565は、第二可動部564にブラケット567を介して接続されている。保持部565は、第二可動部564の移動に伴って移動する。保持部565は、ノズル部561に接触(近接)する位置と、ノズル部561から離間する位置と、の間で移動する。保持部565は、ノズル部561との協働で糸Yを保持(把持)する。保持部565は、圧縮空気が供給されていないときに糸Yを挟んで保持可能な保持状態となり(図6(b)参照)、圧縮空気が供給されることで保持状態から糸Yを挟まない解除状態となる(図6(a)参照)。
【0040】
弾性部材566は、固定部562と第一可動部563とに掛け渡されている。弾性部材566は、例えば、コイルばねである。弾性部材566の一端部は、固定部562の第一支持部562Bに接続されている。弾性部材566の他端部は、第一可動部563の第二支持部563Aに接続されている。弾性部材566は、第一可動部563が第一位置の状態において初期状態(伸長していない状態)であり、第一可動部563が第二位置の状態において伸長状態となる。弾性部材566は、第一可動部563が第二位置から第一位置に移動する方向に付勢力を与える。
【0041】
サクション機構56の動作について説明する。図6(a)に示されるように、サクション機構56では、第一タンク57から第二接続部材61と第一接続部材60を介してサクション機構56に圧縮空気が供給されると、パイプ部560の第一パイプ部材560Aと第二パイプ部材560Bとの間を圧縮空気が流れる。圧縮空気が第二可動部564の連通部564Aに流入すると、圧縮空気の作用によって第二可動部564が第一位置から第二位置に向かって移動する。これにより、第一可動部563、第二可動部564及び第二パイプ部材560Bが先端側に向かって移動する。第二可動部564の移動に伴って、保持部565も移動し、ノズル部561と保持部565とが離間する。これにより、サクション機構56に糸Yが流入可能となる。また、第二可動部564が移動すると、連通部564Aとノズル部561のノズル561Aとが連通し、ノズル561Aから圧縮空気が第一パイプ部材560Aに流入する。これにより、旋回流が発生し、糸Yが吸引可能となる。サクション機構56は、例えば、吸い込み流量:320L/minで糸Yを吸引可能である。
【0042】
図6(b)に示されるように、第一タンク57からの圧縮空気の供給が停止されると、弾性部材566の付勢力によって、第一可動部563が第二位置から第一位置に移動する。これにより、第一可動部563、第二可動部564及び第二パイプ部材560Bが基端側に向かって移動する。第二可動部564が移動すると、保持部565も移動し、ノズル部561と保持部565とが接触する。これにより、ノズル部561と保持部565とによって糸Yが保持される。
【0043】
図2及び図4に示されるように、第一タンク57は、圧縮空気(圧縮流体)を貯留する。第一タンク57は、第二アーム部554の先端に取り付けられている。第一タンク57は、サクション機構56において所定の機能を所定時間発揮できる量の圧縮空気を貯留する。第一タンク57の外形は、特に限定されず、円柱状、角柱状等であってもよい。
【0044】
第一電磁弁58は、サクション機構56に供給する圧縮空気の供給量を制御する。第一電磁弁58は、第一タンク57とサクション機構56との間に設けられている。第一電磁弁58は、サクション機構56の近傍に設けられている。第一電磁弁58は、例えば、第一タンク57に取り付けられている。第一電磁弁58には、第一電線70が接続されている。第一電磁弁58は、第一電線70から供給される電流により、ON/OFFが制御される。
【0045】
糸回収部59は、糸Yを回収する。糸回収部59は、サクション機構56によって捕捉され、糸継機構54において糸継ぎが行われた後に切断された糸Y(屑糸)を回収する。
【0046】
第一接続部材60は、サクション機構56と第一電磁弁58とを接続している。第一接続部材60の一端部は、第一電磁弁58に接続されている。第一接続部材60の他端部は、サクション機構56の接続部562Aに接続されている。第二接続部材61は、第一タンク57と第一電磁弁58とを接続している。第二接続部材61の一端部は、第一タンク57に接続されている。第二接続部材61の他端部は、第一電磁弁58に接続されている。第一接続部材60及び第二接続部材61のそれぞれにおける圧縮空気の単位時間当たりの供給量は、サクション機構56において所定の機能を発揮できる量である。第一接続部材60及び第二接続部材61のそれぞれにおける圧縮空気の単位時間当たりの供給量は、例えば、260L/minである。
【0047】
第二タンク62は、圧縮空気を貯留する。本実施形態では、第二タンク62は、走行台車51に設置されている。第二タンク62の圧縮空気の貯留量は、第一タンク57の圧縮空気の貯留量よりも多い。第二タンク62は、第一タンク57に圧縮空気を供給する。
【0048】
第二電磁弁63は、第二タンク62から第一タンク57への圧縮空気の供給量を制御する。第二電磁弁63は、第一タンク57と第二タンク62との間に設けられている。第二電磁弁63は、例えば、第二タンク62の近傍に設けられている。第二電磁弁63は、例えば、第二タンク62に取り付けられている。第二電磁弁63には、第二電線71が接続されている。第二電磁弁63は、第二電線71から供給される電流により、ON/OFFが制御される。
【0049】
第三接続部材64は、第一タンク57と第二電磁弁63とを接続している。第三接続部材64の一端部は、第一タンク57に接続されている。第三接続部材64の他端部は、第二電磁弁63に接続されている。第三接続部材64は、支柱52及びロボット55に配設されている。第三接続部材64は、第三接続部材64における圧縮空気の単位時間当たりの供給量が供給ホース66における圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有する。第三接続部材64の内径は、例えば、φ2mmである。第三接続部材64は、ロボット55の動作に伴って変形可能である。変形とは、第三接続部材64が撓んだり屈曲したりすることを意味する。
【0050】
第四接続部材65は、第二タンク62と第二電磁弁63とを接続している。第四接続部材65の一端部は、第二タンク62に接続されている。第四接続部材65の他端部は、第二電磁弁63に接続されている。
【0051】
供給ホース66は、第二タンク62に圧縮空気を供給する。供給ホース66の一端部は、第二タンク62に接続されている。供給ホース66の他端部は、圧縮空気の供給源(図示省略)に接続されている。供給ホース66は、供給ホース66における圧縮空気の単位時間当たりの供給量が第一接続部材60及び第二接続部材61のそれぞれにおける圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有する。供給ホース66の内径は、例えば、φ2mmである。供給ホース66は、走行台車51の移動に伴って変形可能である。変形とは、供給ホース66が撓んだり屈曲したりすることを意味する。
【0052】
図2及び図3に示されるように、供給ホース66は、保護案内部材8に収容されている。保護案内部材8は、例えば、ベアケーブル(登録商標)である。保護案内部材8には、第一電線70及び第二電線71を含む電線ケーブル73も収容されている。保護案内部材8は、供給ホース66及び電線ケーブル73を保護案内する。
【0053】
保護案内部材8は、本体部81と、可動部82と、を有している。図3に示されるように、本体部81は、レールRに沿って配置されている。本体部81は、可動部82を収容している。可動部82は、供給ホース66、第一電線70及び第二電線71の移動に応じて可動する。供給ホース66及び電線ケーブル73は、可動部82に収容されている。
【0054】
糸継装置5では、第一電磁弁58を制御することにより、第一タンク57からサクション機構56に圧縮空気を供給し、サクション機構56において吸引流を発生させて糸Yを捕捉する。サクション機構56に吸引流を発生させる時間は、例えば、0.5secに設定される。サクション機構56に捕捉された糸Yは、サクション機構56に保持される。糸継装置5では、サクション機構56によって糸Yを保持した状態でロボット55が動作することにより、糸Yをハンドリングする。糸継装置5では、サクション機構56の使用間隔が、例えば、10secに設定される。すなわち、第一タンク57からサクション機構56に圧縮空気を供給した後、次に圧縮空気を供給するまで、10secの間隔をあける。
【0055】
糸継装置5では、第一タンク57からサクション機構56に圧縮空気が供給されると、第二電磁弁63を制御することにより、上記10secの間に、第二タンク62から第一タンク57に圧縮空気が供給される。これにより、第一タンク57に圧縮空気が貯留される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る糸継装置5では、供給ホース66は、供給ホース66によって第一タンク57に供給される圧縮空気の単位時間当たりの供給量が第一接続部材60によってサクション機構56に供給される圧縮空気の単位時間当たりの供給量及び第二接続部材61によって第一電磁弁58に供給される圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有する。そのため、供給ホース66によって第一タンク57に供給される圧縮空気の単位時間当たりの供給量が、第一タンク57からサクション機構56に供給される圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくできる。したがって、糸継装置5では、供給ホース66の太さを細くすることができる。また、供給ホース66は、上記内径を有することに加えて、走行台車51の移動に伴って変形可能である。したがって、糸継装置5では、走行台車51の移動が供給ホース66によって阻害されることを抑制できる。また、糸継装置5は、サクション機構56に圧縮空気を供給する第一タンク57を備える。第一タンク57は、サクション機構56においてサクション機能を所定時間発揮できる量の圧縮空気を貯留する。これにより、糸継装置5では、第一電磁弁58を開放することによって、第一接続部材60及び第二接続部材61を介して、第一タンク57からサクション機構56に対して、サクション機構56においてサクション機能を所定時間発揮するために必要な量の圧縮空気を供給できる。そのため、糸継装置5では、供給ホース66を細くした場合であっても、サクション機構56に対して充分な圧縮空気が供給されるため、サクション機構56においてサクション機能を適切に発揮させることができる。
【0057】
本実施形態に係る糸継装置5では、供給ホース66を保護案内する保護案内部材8を備えている。この構成では、供給ホース66が保護案内部材8によって保護案内されることによって供給ホース66の動きが整理されるため、供給ホース66の取り回しがし易くなる。その結果、走行台車51の移動が供給ホース66によって阻害されることを抑制できる。
【0058】
本実施形態に係る糸継装置5では、走行台車51は、一方向において往復動する。このように、走行台車51が一方向において往復動する場合においても、供給ホース66が保護案内部材8によって保護案内されることによって供給ホース66の動きが整理される。そのため、走行台車51が一方向において往復動する構成において、走行台車51の移動が供給ホース66によって阻害されることを抑制できる。
【0059】
本実施形態に係る糸継装置5は、供給ホース66から供給される圧縮空気を貯留する第二タンク62と、第一タンク57と第二タンク62との間に設けられ、第二タンク62から第一タンク57への圧縮空気の供給量を制御する第二電磁弁63と、第一タンク57と第二電磁弁63とを接続している第三接続部材64と、第二タンク62と第二電磁弁63とを接続している第四接続部材65と、を備えている。糸継装置5では、供給ホース66と第一タンク57との間において、圧縮空気の流れの上流側から、第二タンク62、第四接続部材65、第二電磁弁63及び第三接続部材64の順で接続されている。第二タンク62の圧縮空気の貯留量は、第一タンク57の圧縮空気の貯留量よりも多い。この構成では、第一タンク57からサクション機構56に圧縮空気が供給された場合、第二電磁弁63を開放することによって、第二タンク62から第一タンク57に対して、サクション機構56においてサクション機能を所定時間発揮できる量の圧縮空気を直ぐに供給することができる。
【0060】
本実施形態に係る糸継装置5は、走行台車51に取り付けられると共に、基部551と、旋回部552、第一アーム部553、第二アーム部554、第一関節部555及び第二関節部556を有するロボット55を備える。サクション機構56、第一タンク57、第一電磁弁58、第一接続部材60、第二接続部材61及び第三接続部材64は、ロボット55に取り付けられている。サクション機構56は、ロボット55の先端に設けられている。第三接続部材64は、ロボット55に配設されている。第三接続部材64は、第三接続部材64における圧縮空気の単位時間当たりの供給量が供給ホース66における圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径を有し、ロボット55の動作に伴って変形可能である。ロボット55は、複雑な動作を行う場合がある。そのため、ロボット55は、上記アーム部及び関節部を有する多関節の機構である必要があり、複雑な構成となると共に動作に高い自由度が求められる。糸継装置5では、第一タンク57は、サクション機構56においてサクション機能を所定時間発揮できる量の圧縮空気を貯留する。そのため、糸継装置5では、第一タンク57と第二電磁弁63とを接続している第三接続部材64において、第三接続部材64における圧縮空気の単位時間当たりの供給量が、供給ホース66における圧縮空気の単位時間当たりの供給量よりも少なくなる内径として、第三接続部材64を細くした場合であっても、サクション機構56においてサクション機能を所定時間発揮できる。また、第三接続部材64は、上記内径を有することに加えて、ロボット55の動作に伴って変形可能である。したがって、糸継装置5では、ロボット55の動作が第三接続部材64によって制限され難いため、ロボット55の動作の自由度を確保することができる。
【0061】
本実施形態に係る糸継装置5では、サクション機構56は、糸Yを保持する保持部565を有する。保持部565は、圧縮空気が供給されていないときに糸Yを挟んで保持可能な保持状態となり、圧縮空気が供給されることで保持状態から糸Yを挟まない解除状態となる。この構成では、保持部565において糸Yを保持するために動力を必要としない。そのため、保持部565のための配線やホースが設けられないため、走行台車51の移動が当該配線等によって阻害されることを抑制できる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0063】
上記実施形態では、作業装置が糸継装置5に適用される形態を一例に説明した。しかし、作業装置は、種々の構成を採用することができる。
【0064】
上記実施形態では、第二タンク62が走行台車51に設置されている形態を一例に説明した。しかし、第二タンク62は、例えば、支柱52に設置されていてもよいし、昇降台53に設置されていてもよい。
【0065】
上記実施形態では、第一タンク57及び第二タンク62が圧縮空気を貯留する形態を一例に説明した。しかし、機能機構がサクション機構56以外である場合、第一タンク57及び第二タンク62は、他の圧縮流体を貯留することができる。
【0066】
上記実施形態では、機能機構がサクション機構56である形態を一例に説明した。しかし、機能機構は、圧縮流体によって所定の機能を発揮するものであればよく、例えば、シリンダ等であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
5…糸継装置(作業装置)、8…保護案内部材、51…走行台車、55…ロボット、56…サクション機構(機能機構)、57…第一タンク、58…第一電磁弁(第一弁)、60…第一接続部材、61…第二接続部材、62…第二タンク、63…第二電磁弁(第二弁)、64…第三接続部材、65…第四接続部材、66…供給ホース、565…保持部、Y…糸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6