IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045805
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】フォーム状皮膚洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20230327BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/86
A61K8/73
A61K8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154384
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】松本 真有奈
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD042
4C083AD271
4C083AD272
4C083AD282
4C083AD351
4C083AD352
4C083BB49
4C083CC23
4C083DD08
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】肌のつっぱり感が抑制されており、かつ、起泡力、泡質、及び皮脂の洗浄力が十分であるフォーム状皮膚洗浄料を提供する。
【解決手段】本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料である。原液は、成分A:N-アシルアミノ酸塩、成分B:HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステル、成分C:多価アルコール、成分D:キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤、及び成分E:水を含有する。原液中の、成分Aの含有量が0.5~15.0質量%、成分Bの含有量が0.1~10.0質量%、成分Cの含有量が3.0~40.0質量%、成分Dの含有量が0.05~3.0質量%、成分Eの含有量が17.0~95.0質量%である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料であって、前記原液が、下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D、及び下記成分Eを含有し、前記原液中の、前記成分Aの含有量が0.5~15.0質量%、前記成分Bの含有量が0.1~10.0質量%、前記成分Cの含有量が3.0~40.0質量%、前記成分Dの含有量が0.05~3.0質量%、前記成分Eの含有量が17.0~95.0質量%である、フォーム状皮膚洗浄料。
成分A:N-アシルアミノ酸塩
成分B:HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステル
成分C:多価アルコール
成分D:キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤
成分E:水
【請求項2】
前記原液が、さらに、下記成分Fを含有し、前記原液中の、前記成分Fの含有量が0.1~15.0質量%である、請求項1に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分F:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
【請求項3】
前記噴射剤中の、液化石油ガスの含有量が85.0質量%以上である、請求項1又は2に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
【請求項4】
前記原液は、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩を含有しないか、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩の含有量の合計が0.1質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
【請求項5】
前記原液が、さらに、下記成分Gを含有し、前記原液中の、前記成分Gの含有量が0.05~1.0質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分G:高級アルコール
【請求項6】
前記原液が、さらに、下記成分Hを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分H:ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
【請求項7】
前記原液が、さらに、下記成分Iを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分I:モノグリセリン脂肪酸エステル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール型のフォーム状皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗顔料やハンドソープ等の皮膚洗浄料の中でも、使用時に簡便に泡立てることができるものとして、ポンプタイプやエアゾールタイプのフォーマー容器より吐出して泡を形成するフォーム状皮膚洗浄料が知られている(例えば、特許文献1)。これらのフォーム状皮膚洗浄料では、泡立ち易さ(起泡力)、泡質(泡の細かさ等)や、泡の持続性(泡もち)などの特性が重視されている。上記泡質としては、例えば、細かな泡が高密度に形成された、濃密でクリーミーな泡質が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-102194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のような、高級脂肪酸塩を主たる界面活性剤成分として含む洗浄料は、起泡力が高く、泡質に優れ、皮脂の洗浄力も高い。しかし、例えば、洗顔料などとして使用する場合には、目に対する刺激が生じたり、洗顔後に肌のつっぱり感が生じたりする場合がある。
【0005】
本発明は、肌のつっぱり感が抑制されており、かつ、起泡力、泡質、及び皮脂の洗浄力が十分であるフォーム状皮膚洗浄料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明には、以下の態様が含まれている。
<1>
原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム状皮膚洗浄料であって、上記原液が、下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D、及び下記成分Eを含有し、上記原液中の、上記成分Aの含有量が0.5~15.0質量%、上記成分Bの含有量が0.1~10.0質量%、上記成分Cの含有量が3.0~40.0質量%、上記成分Dの含有量が0.05~3.0質量%、上記成分Eの含有量が17.0~95.0質量%である、フォーム状皮膚洗浄料。
成分A:N-アシルアミノ酸塩
成分B:HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステル
成分C:多価アルコール
成分D:キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤
成分E:水
<2>
上記原液が、さらに、下記成分Fを含有し、上記原液中の、上記成分Fの含有量が0.1~15.0質量%である、<1>に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分F:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
<3>
上記噴射剤中の、液化石油ガスの含有量が85.0質量%以上である、<1>又は<2>に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
<4>
上記原液は、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸塩を含有しないか、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩の含有量の合計が0.1質量%以下である、<1>~<3>のいずれかに記載のフォーム状皮膚洗浄料。
<5>
上記原液が、さらに、下記成分Gを含有し、上記原液中の、上記成分Gの含有量が0.05~1.0質量%である、<1>~<4>のいずれかに記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分G:高級アルコール
<6>
上記原液が、さらに、下記成分Hを含有する、<1>~<5>のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分H:ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
<7>
上記原液が、さらに、下記成分Iを含有する、<1>~<6>のいずれか1項に記載のフォーム状皮膚洗浄料。
成分I:モノグリセリン脂肪酸エステル
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、肌のつっぱり感が抑制されており、かつ、起泡力、泡質、及び皮脂の洗浄力が十分であるフォーム状皮膚洗浄料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。
【0009】
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。本明細書において、フォーム状皮膚洗浄料の原液を構成する成分の含有量は、別途記載のない限り、原液の全質量を100%とする質量%で表す。
【0010】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されているものである。すなわち、本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、エアゾール容器と、上記エアゾール容器に充填された原液と、上記エアゾール容器に充填された噴射剤とを少なくとも備える。本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、使用時、すなわちエアゾール容器から吐出される際に、及び/又は、対象に付着した後に、泡(フォーム)を形成するものである。
【0011】
上記原液は、成分A:N-アシルアミノ酸塩、成分B:HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステル、成分C:多価アルコール、成分D:キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤、及び成分E:水を必須成分として含有する。上記原液は、上記必須成分に加えて、成分F:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、成分G:高級アルコール、成分H:ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、及び成分I:モノグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される1つ以上を含有してもよい。上記原液は、さらに上記成分A~I以外の成分(その他の成分)を含有してもよい。成分A~Iやその他の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0012】
〔成分A:N-アシルアミノ酸塩〕
上記成分Aは、N-アシルアミノ酸塩である。成分Aは、アニオン界面活性剤であり、洗浄成分として作用しフォーム状皮膚洗浄料の洗浄力(特に、水溶性の汚れに対する洗浄力)を高める。また、成分Aは、フォーム状皮膚洗浄料の起泡力を向上させる。成分Aは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0013】
成分Aにおけるアシル基としては、特に限定されないが、炭素数8~24の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アシル基等が挙げられ、例えば、オクタノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレオイル基、リノレオイル基、ベヘニル基、ヤシ油脂肪酸由来のアシル基(以下、ヤシ油脂肪酸アシル基という)、パーム油脂肪酸由来のアシル基(以下、パーム脂肪酸アシル基という)等が挙げられる。
【0014】
成分Aにおけるアミノ酸としては、例えば、グリシン、ジメチルグリシン、トリメチルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチギン、リジン、サルコシン等が挙げられる。中でも、炭酸ガスを含有した系でも起泡力が良好であり、かつ良好な洗浄力を有する観点から、アスパラギン酸、グルタミン酸が好ましく、アスパラギン酸がより好ましい。
【0015】
成分Aは、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等である。
【0016】
上記成分Aは、中でも、起泡力、洗浄力の観点から、N-アシルアスパラギン酸塩、N-アシルグルタミン酸塩が好ましく、例えば、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム(N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム)、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0017】
原液100質量%中の、成分Aの含有量は、0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましい。原液100質量%中の、成分Aの含有量は、15.0質量%以下であり、10.0質量%以下が好ましい。上記含有量が0.5質量%以上であることにより起泡力、洗浄力が与えられ、上記含有量が15.0質量%以下であることにより洗い上がりのつっぱり感の無さが与えられる。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Aの含有量の合計量である。
【0018】
〔成分B:HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステル〕
上記成分Bは、HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及び/又はHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステルである。即ち、成分Bは、HLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリンジ脂肪酸エステル及びHLB値が4.0~9.0であるポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステルのうち、1つ以上である。成分Bは洗浄成分として作用し、フォーム状皮膚洗浄料の洗浄力(特に、皮脂に対する洗浄力)を高める。また、成分Bは、洗いあがり後のつっぱり感のなさを向上させる。成分Bは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0019】
成分BのHLB(hydrophile-lipophile balance)値は、4.0以上であり、4.5以上が好ましく、6.5以上がより好ましい。成分BのHLB値は、9.0以下であり、8.5以下が好ましい。成分BのHLBが上記の範囲であることにより、成分Bは親油性の界面活性剤として働き、皮脂に対する洗浄力が高まる。また、成分Bは、脂肪酸に由来する構造(例えば、アルキル基やアルケニル基)を分子内に2個又は3個有している。つまり、成分Bは親油基が大きいため、この点においても皮脂に対する洗浄力が高まる。
【0020】
成分Bにおける酸化エチレンの平均付加モル数は、8~22が好ましく、10~20がより好ましい。
【0021】
成分Bにおける脂肪酸は、皮脂に対する洗浄力の観点から、炭素数が6~22の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が8~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。成分Bにおける脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。この中でも、ステアリン酸、イソステアリン酸が好ましい。
【0022】
成分Bとしては、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが挙げられる。中でも、皮脂の洗浄力の観点から、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが好ましい。
【0023】
原液100質量%中の、成分Bの含有量は、0.1質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましい。原液100質量%中の、成分Bの含有量は、10.0質量%以下であり、5.0質量%以下が好ましい。上記含有量が0.1質量%以上であることにより、皮脂に対する洗浄力が与えられ、また洗い上がりのつっぱり感の無さが与えられる。上記含有量が10.0質量%以下であることにより、水洗時のべたつき感が低減され、また洗い上がりのつっぱり感の無さが与えられる。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Bの含有量の合計量である。
【0024】
〔成分C:多価アルコール〕
上記成分Cは、多価アルコールである。成分Cは、泡質(濃密でクリーミーな泡質)を向上させる。また、洗い上がりのしっとり感を向上させる効果も有する。成分Cは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0025】
成分Cとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。上記ポリエチレングリコールの数平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは50~10000、より好ましくは100~5000である。上記の中でも、泡質向上の観点から、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。
【0026】
原液100質量%中の、成分Cの含有量は、3.0質量%以上であり、好ましくは5.0質量%以上である。原液100質量%中の、成分Cの含有量は、40.0質量%以下であり、30.0質量%以下が好ましい。上記含有量が3.0質量%以上であることにより泡質が向上する。上記含有量が40.0質量%以下であることにより、起泡力が向上し、洗い上がりのぬるつきの無さも向上する。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Cの含有量の合計量である。
【0027】
〔成分D:キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤〕
上記成分Dは、キサンタンガム及び/又はセルロース系増粘剤、即ち、キサンタンガム及びセルロース系増粘剤のうちの一方又は両方である。成分Dは、泡質(濃密でクリーミーな泡質)を向上させる。さらに、成分Dは、形成した泡をつぶれにくくし、フォーム状皮膚洗浄料の泡もち(泡の持続性)を向上させる。成分Dは、特に、エアゾール剤型で用いることにより、上記効果を発揮しやすい。逆に、成分Dをポンプ式のフォーマー容器に充填される洗浄料に配合したとしても、泡の形成が不十分となり、濃密でクリーミーな泡を形成しにくくなりやすい。成分Dは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0028】
上記セルロース系増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。上記の中でも、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。成分Dとしては、他の界面活性剤とのコンプレックスや不溶物を形成しにくく安定性に優れる観点から、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースが好ましく、キサンタンガムが特に好ましい。
【0029】
原液100質量%中の、成分Dの含有量は、0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましい。原液100質量%中の、成分Dの含有量は、3.0質量%以下であり、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。上記含有量が0.05質量%以上であることにより泡質及び泡もちが向上する。上記含有量が3.0質量%以下であることにより、吐出された原液を泡状に保つことができ、また洗い上がりのぬるつきの無さが向上する。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Dの含有量の合計量である。
【0030】
〔成分E:水〕
上記成分Fは水であり、特に限定されないが、精製水が好ましい。原液100質量%中の、成分Fの水の含有量は、17.0質量%以上であり、50.0質量%以上が好ましく、60.0質量%以上がより好ましい。原液100質量%中の、成分Fの水の含有量は、95.0質量%以下であり、好ましくは90.0質量%以下であり、より好ましくは85.0質量%以下である。成分Fの含有量が上記範囲であることにより、良好な泡が形成される。
【0031】
〔成分F:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル〕
上記成分Fは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルである。即ち、成分Fは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうち1つ以上である。上記原液は、成分Fを含んでいてもよい。成分Fは、起泡力及び泡質をより一層向上させる。成分Fは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0032】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。中でも、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好ましい。
【0033】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける酸化エチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、濃密な泡をより効果的に形成させる観点から、10~100であることが好ましく、20~80であることがより好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、濃密な泡をより効果的に形成させる観点から、好ましくは炭素数が8~24の脂肪酸、より好ましくは炭素数が10~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。
【0034】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸モノエステル;ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸ジエステル;トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸トリエステル;ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸ペンタエステル等が挙げられる。中でも、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリルが好ましい。
【0035】
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの平均重合度は、濃密な泡をより効果的に形成させる観点から、2~20が好ましく、より好ましくは5~12である。ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、濃密な泡をより効果的に形成させる観点から、好ましくは炭素数が8~24の脂肪酸、より好ましくは炭素数が10~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。
【0036】
原液100質量%中の、成分Fの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。原液100質量%中の、成分Fの含有量は、15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がより好ましい。上記含有量が0.1質量%以上であることにより、起泡力及び泡質がより一層向上する。上記含有量が15.0質量%以下であることにより、フォームの形成性がより一層向上し、また洗い上がり後のべたつき感がより一層低減する。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Fの含有量の合計量である。
【0037】
〔成分G:高級アルコール〕
上記成分Gは、高級アルコールである。上記原液は、成分Gを含んでいてもよい。成分Gは、フォーム状皮膚洗浄料の泡質のより一層の向上に効果的である。成分Gは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0038】
成分Gの炭素数は、12~22が好ましく、14~18がより好ましい。成分Gは、泡質をより一層向上する効果を有する。成分Gとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。上記の中でも、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。
【0039】
原液100質量%中の、成分Gの含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましい。原液100質量%中の、成分Gの含有量は、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下が特に好ましい。上記含有量が0.05質量%以上であることにより泡質がより一層向上し、上記含有量が1.0質量%以下であることにより成分Gの析出のリスクをより一層抑制することができる。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Gの含有量の合計量である。
【0040】
〔成分H:ポリエチレングリコール脂肪酸エステル〕
上記成分Hは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルである。上記原液は、成分Hを含んでいてもよい。成分Hは、フォーム状皮膚洗浄料の泡もちと泡質のより一層の向上に効果的である。上記成分Hは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0041】
成分Hとしては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のモノ脂肪酸ポリエチレングリコール;ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール等のジ脂肪酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。中でも、泡質、泡もちを高める観点から、モノ脂肪酸ポリエチレングリコールが好ましく、例えばモノステアリン酸ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0042】
成分Hにおける脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数が8~24の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が10~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。成分Hにおける酸化エチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、100~300が好ましく、より好ましくは120~280である。
【0043】
原液100質量%中の、成分Hの含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。原液100質量%中の、成分Hの含有量は、3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。上記含有量が0.05質量%以上であることにより泡質、泡もちがより一層向上し、上記含有量が3.0質量%以下であることにより泡がかたくなり過ぎず、泡が適度な弾力性を有するものとなりやすく好ましい。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Hの含有量の合計量である。
【0044】
〔成分I:モノグリセリン脂肪酸エステル〕
上記成分Iは、モノグリセリン脂肪酸エステルである。上記原液は、成分Iを含んでいてもよい。成分Iは、形成した泡をつぶれにくくし、フォーム状皮膚洗浄料の泡もち(泡の持続性)をより一層向上させる。特に、水の存在下でもフォーム状皮膚洗浄料の泡もち(泡の持続性)を向上させることができる。成分Iは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0045】
上記成分Iとしては、例えば、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル等のモノグリセリン脂肪酸モノエステル;ジカプリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のモノグリセリン脂肪酸ジエステルが挙げられる。中でも、泡もちを向上させる観点から、モノグリセリン脂肪酸モノエステルが好ましい。
【0046】
成分Iにおける脂肪酸は、泡もちを向上させる観点から、炭素数が6~22の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が6~16の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が8~12の脂肪酸である。成分Iにおける脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等が挙げられ、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸が好ましい。
【0047】
成分Iとしては、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリルが特に好ましい。
【0048】
原液100質量%中の、成分Iの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。原液100質量%中の、成分Iの含有量は、10.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下がさらに好ましい。上記含有量が0.1質量%以上であることにより泡もちがより一層向上し、上記含有量が10.0質量%以下であることにより洗い上がりのつっぱりの無さがより一層向上する。上記含有量は、原液中に含まれる全ての成分Iの含有量の合計量である。
【0049】
〔その他の成分〕
上記原液は、特に限定されないが、例えば、界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等);香料;エタノール;シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン等のシリコーン油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸セチル等の脂肪酸エステル油;植物油;フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等の防腐剤;メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファー、ペパーミント油等の冷感剤;グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエ等の植物抽出エキス;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等の増粘性高分子;トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;アルブチン、アスコルビン酸等の美白剤;シリカ、タルク、ナイロンパウダー等の粉体;ラベンダー油、オレンジ油等の精油;ヒアルロン酸及び/又はヒアルロン酸誘導体;N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン等のアミノ酸及び/又はアミノ酸誘導体など(但し、成分A~I以外の成分)をさらに含んでもよい。
【0050】
[高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩]
上記原液は、特に限定されないが、目刺激低減、洗い上がりのつっぱり感低減の特性を求める場合には、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩を含まないか、又は、含んでいても少量であることが好ましい。具体的には、原液100質量%中の高級脂肪酸の含有量と高級脂肪酸塩の含有量の合計量が0.1質量%以下(即ち、0~0.1質量%)であることが好ましく、より好ましくは、0.01質量%以下である。高級脂肪酸や高級脂肪酸塩を実質的に含まないことにより、目に対する刺激性や洗顔後に肌のつっぱり感をより一層低減できるため好ましい。また、高級脂肪酸塩の析出によるエアゾール容器の噴射口の詰まりのおそれがなくなるため、析出抑制のための成分を別途配合する必要がなくなるため、品質設計上やコスト面で有利となる。
【0051】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の炭素数12~22の高級脂肪酸;オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂等が挙げられる。また、上記高級脂肪酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0052】
〔噴射剤〕
上記噴射剤としては、特に限定されないが、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素等のガス(特に、圧縮ガス);液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フロロカーボン等が挙げられる。上記噴射剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。エアゾール容器の内圧の調整が容易である観点から、上記噴射剤は、液化石油ガスを含有することが好ましい。
【0053】
上記液化石油ガスとしては、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン等が挙げられる。上記液化石油ガスは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。本発明では、皮膚への刺激が小さいことから、上記液化石油ガスはイソブタンを含有することが好ましい。上記液化石油ガス100体積%中の、イソブタンの含有量は、80.0体積%以上が好ましく、より好ましくは90.0体積%以上である。
【0054】
噴射剤100質量%中の液化石油ガスの含有量は、吐出性及び起泡性を向上する観点から、85.0質量%以上が好ましい。噴射剤100質量%中の液化石油ガスの含有量は、97.0質量%以下であってもよい。
【0055】
上記噴射剤は、炭酸ガスを含有してもよく、含有しなくてもよい。噴射剤が炭酸ガスを含有する場合には、噴射剤100質量%中の炭酸ガスの含有量は、5.0質量%以上が好ましく、より好ましくは10.0質量%以上である。また、噴射剤100質量%中の炭酸ガスの含有量は、15.0質量%未満が好ましく、より好ましくは14.0質量%以下である。
【0056】
〔フォーム状皮膚洗浄料の製造方法及び用途〕
上記原液は、常法により製造することができる。例えば、上記した各構成成分を混合し、公知の方法、具体的には、ホモミキサー等で撹拌する方法等が挙げられる。
【0057】
上記原液と上記噴射剤の合計量100質量%中の、上記噴射剤の含有量は、好ましくは1.1~12.0質量%、より好ましくは1.1~9.5質量%である。
【0058】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、常法により、エアゾール容器に原液と噴射剤とを充填して、製造することができる。上記エアゾール容器としては、公知慣用のエアゾールスプレー容器を用いることができる。
【0059】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、顔等の皮膚を洗浄するために用いられる皮膚洗浄料である。本発明のフォーム状皮膚洗浄料としては、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープや頭皮の洗浄料等が挙げられる。本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、濃密でクリーミーな泡を吐出することができるため、特に洗顔料等、デリケートな部位の洗浄料にも適している。また、特に水の存在下でも泡もちに優れるため、浴室等の湿度の高い環境下や、手や洗浄部位に水分が付着した状態での洗浄やマッサージ等にも好適に用いることができる。
【0060】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0061】
〔材料〕
実施例及び比較例において使用した材料の詳細を下記に記載する。
●成分A
・N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム(旭化成ファインケム社製、商品名「アミノフォーマーFLDS-L」)
・N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム(旭化成ファインケム社製、商品名「アミノサーファクトACDS-L」)
●成分B
・トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL TGI-20」、HLB:8.0)
・トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル(日本エマルジョン社製、商品名「EMALEX GWIS-310EX」、HLB:5.0)
・ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル(日本エマルジョン社製、商品名「EMALEX GWIS-210EX」、HLB:7.0)
●成分C
・グリセリン
・ジプロピレングリコール
・ポリエチレングリコール(数平均分子量:1,500)
●成分D
・キサンタンガム(DSP五協フード&ケミカル社製、商品名「エコーガムT」)
・ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル社製、商品名「HECダイセルSE400」)
●成分F
・モノラウリン酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン(日油社製、商品名「ノニオンLT-280」)
・モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL TL-10」)
・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL TS-10V」)
・モノミリスチン酸デカグリセリル(青木油脂工業社製、商品名「グリサーフ10MM」)
●成分G
・ミリスチルアルコール
●成分H
・モノステアリン酸ポリエチレングリコール(花王社製、商品名「エマノーン3199VB」)
●成分I
・ラウリン酸グリセリル(太陽化学社製、商品名「サンソフトNo.750-C」)
【0062】
〔評価方法〕
[起泡力及び泡質]
キムタオル(4つ折りタイプ:日本製紙クレシア社製)の上に、実施例及び比較例に係るフォーム状皮膚洗浄料を1秒間吐出した。泡の形成性を目視にて確認した。また、吐出を終えてから10秒後に、形成した泡を目視にて確認するとともに、泡を上から掌で押さえるように触った。評価基準は下記の通りである。
<起泡力の評価基準>
◎(優れる):吐出直後にドーム状に泡が形成していた。
○(良好) :吐出直後はドーム状の泡を形成しなかったが、吐出を終えてから10秒後にはドーム状に泡が形成していた。
×(不良) :発泡が不十分でありドーム状に泡が形成しなかった。
<泡質の評価基準>
◎(優れる):細かな泡が均一かつ高密度に形成しており、全体的にクリーミーな外観であった。加えて、掌で押さえたときに弾力感が強く感じられた。
○(良好) :細かな泡が均一かつ高密度に形成しており、全体的にクリーミーな外観であった。加えて、掌で押さえたときに弾力感がやや弱く感じられた。
×(不良) :泡を形成せず(あるいは、泡の表面に比較的大きな気泡が認められ)、泡の密度が低く泡の大きさが不均一であった。
【0063】
[皮脂の洗浄力及び肌のつっぱり感]
実施例及び比較例に係るフォーム状皮膚洗浄料を掌に2秒間吐出し、吐出した泡により洗顔を行いタオルドライした。タオルドライ直後の肌の感触により、皮脂の洗浄力及び肌のつっぱり感を評価した。評価基準は下記の通りである。
<皮脂の洗浄力の評価基準>
〇(良好):肌にべたつきがなく、皮脂が十分に除去されているように感じられた。
×(不良):肌にべたつきがあり、皮脂が残存しているように感じられた。
<肌のつっぱり感のなさ>
〇(良好):肌につっぱり感が感じられなかった。
×(不良):肌につっぱり感が感じられた。
【0064】
〔実施例1~36、比較例1~7〕
表1~6に記した組成からなる原液をエアゾール容器(φ35mm×110mm、アルミ缶、容器満注量:95ml)に充填し、エアゾールバルブを該容器にクリンチした後、噴射剤をステムより充填し、適したスパウトを装着し、フォーム状皮膚洗浄料を得た。エアゾール容器に充填した原液は38.4g、噴射剤は1.6gであった。噴射剤に使用したLPGは、100%イソブタンであった。
【0065】
表1~6において、原液に含まれる成分の配合量は、原液の全量を100質量%としたときの質量%で表している。噴射剤に含まれる成分の配合量は、噴射剤の全量を100質量%としたときの質量%で表している。
【0066】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
〔結果〕
表1~4には、それぞれ、成分A~Dの配合量を変化させた実施例及び比較例が示されている。表1~4から、起泡力、泡質、皮脂の洗浄力及び肌のつっぱり感のなさの効果を全て得るためには、成分A~Dの全てを特定の数値範囲で含有している必要があることが分かる。
【0067】
表5には、成分Fの配合量を変化させた実施例が示されている。表5から、起泡力及び泡質を向上させる観点からは、成分Fを特定の数値範囲で配合することが好ましいことが分かる。
【0068】
表6には、成分G、成分H又は成分Iを配合した実施例が示されている。また、表6には、噴射剤を液化石油ガスのみとした実施例が示されている。表6から、上述のような組成でも、フォーム状皮膚洗浄料を上首尾に調製できることが分かる。
【0069】
〔処方例〕
【表7】
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のフォーム状皮膚洗浄料は、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープや頭皮の洗浄料等として好ましく用いられる。