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特開2023-45841荷役装置、制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045841
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】荷役装置、制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
B65G47/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154439
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】牛山 隆文
(72)【発明者】
【氏名】菅原 淳
(72)【発明者】
【氏名】中本 秀一
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA06
3F072GA10
3F072KA01
3F072KD03
3F072KE04
3F072KE23
(57)【要約】
【課題】搬送効率を向上させることが可能な、荷役装置、制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】実施形態に係る荷役装置は、保持部と、撮像部と、測距センサと、制御部と、を備える。前記保持部は、物品を保持する。前記撮像部は、第1方向において前記物品を撮像する。前記測距センサは、前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する。前記制御部は、前記保持部を制御する。前記制御部は、前記撮像部による撮像結果に基づき、保持される第1物品を選択する。前記制御部は、さらに、前記第1方向と交差する前記第1物品の第1面の位置と前記第2方向と交差する前記第1物品の第2面の位置とを、前記測距センサによる計測結果に基づいて算出する。前記制御部は、さらに、算出された前記第1面の前記位置及び前記第2面の前記位置に応じて前記保持部を動作させ、前記第1物品を保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持する保持部と、
第1方向において前記物品を撮像する撮像部と、
前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する測距センサと、
前記保持部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮像部による撮像結果に基づき、保持される第1物品を選択し、
前記第1方向と交差する前記第1物品の第1面の位置と前記第2方向と交差する前記第1物品の第2面の位置とを、前記測距センサによる計測結果に基づいて算出し、
算出された前記第1面の前記位置及び前記第2面の前記位置に応じて前記保持部を動作させ、前記第1物品を保持する、
荷役装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1物品を保持する際に、前記第1物品に向けて、前記保持部を第1速度で前記第1方向において移動させた後に、前記保持部を前記第1速度よりも遅い第2速度で前記第1方向において移動させる、請求項1記載の荷役装置。
【請求項3】
前記第1方向は上下方向に平行である請求項1記載の荷役装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1物品を保持する際に、前記第1物品に向けて、前記保持部を第1速度で下降させた後に、前記保持部を前記第1速度よりも遅い第2速度で下降させる、請求項1または2記載の荷役装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1物品を保持した前記保持部の前記第1方向の移動中に、前記測距センサによる前記第1物品との第1距離の計測結果に基づいて、前記第1物品の前記第1方向における長さを算出する、請求項1~4のいずれか1つに記載の荷役装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1物品を保持した前記保持部の前記第1方向の移動中に、前記測距センサによって前記第1距離を計測しつつ、前記測距センサを、前記保持部と反対の向きに移動させる、請求項5記載の荷役装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記保持部の前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記保持部の移動量を取得し、
前記測距センサの前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記測距センサの移動量を取得し、
前記測距センサによる前記第1物品の前記第1方向における端部の検出タイミングを取得し、
前記検出タイミングでの前記保持部の前記移動量及び前記測距センサの前記移動量から、前記第1物品の前記長さを算出する、
請求項6記載の荷役装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1物品を載置する際に、計測された前記第1物品の前記長さに応じて、前記保持部を動作させる、請求項5~7のいずれか1つに記載の荷役装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1物品を載置する際に、載置場所に向けて、前記保持部を第3速度で移動させた後に、前記保持部を前記第3速度よりも遅い第4速度で移動させる、請求項8記載の荷役装置。
【請求項10】
物品を保持する保持部と、
第1方向において前記物品を撮像する撮像部と、
前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する測距センサと、
を備え、
前記撮像部による撮像、及び前記測距センサによる1つの前記物品との距離の計測の後に、前記保持部が前記1つの物品を保持して前記第1方向に移動しながら、前記測距センサが前記保持部とは逆方向に移動しつつ前記1つの物品との前記距離を計測する、荷役装置。
【請求項11】
前記第1方向は上下方向に平行である、請求項10記載の荷役装置。
【請求項12】
前記測距センサは、レーザ光を用いて前記距離を計測し、
前記レーザ光の照射範囲は、前記第1方向における広がりが相対的に小さい第1範囲と、前記第1方向における広がりが相対的に大きい第2範囲と、を含み、
前記測距センサは、前記第1範囲の前記レーザ光を前記物品に照射する、請求項1~11のいずれか1つに記載の荷役装置。
【請求項13】
物品を保持する保持部と、第1方向において前記物品を撮像する撮像部と、前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する測距センサと、を含む荷役装置を制御する制御装置であって、
前記撮像部による撮像結果に基づき、保持される第1物品を選択し、
前記第1方向と交差する前記第1物品の第1面の位置と前記第2方向と交差する前記第1物品の第2面の位置とを、前記測距センサによる計測結果に基づいて算出し、
算出された前記第1面の前記位置及び前記第2面の前記位置に応じて、前記保持部に前記第1物品を保持させる、
制御装置。
【請求項14】
前記第1物品を保持した前記保持部を前記第1方向に移動させている間に、前記測距センサによって前記第1物品との第1距離を計測しつつ、前記測距センサを前記保持部と反対の向きに移動させ、前記第1距離の計測結果に基づいて前記第1物品の前記第1方向における長さを算出する、請求項13記載の制御装置。
【請求項15】
前記保持部の前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記保持部の移動量を取得し、
前記測距センサの前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記測距センサの移動量を取得し、
前記測距センサによる前記第1物品の前記第1方向における端部の検出タイミングを取得し、
前記検出タイミングでの前記保持部の前記移動量及び前記測距センサの前記移動量から、前記第1物品の前記長さを算出する、請求項14記載の制御装置。
【請求項16】
物品を保持する保持部と、第1方向において前記物品を撮像する撮像部と、前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する測距センサと、を含む荷役装置の制御方法であって、
前記撮像部による撮像結果に基づき、保持される第1物品を選択し、
前記第1方向と交差する前記第1物品の第1面の位置と前記第2方向と交差する前記第1物品の第2面の位置とを、前記測距センサによる計測結果に基づいて算出し、
算出された前記第1面の前記位置及び前記第2面の前記位置に応じて、前記保持部に前記第1物品を保持させる、
制御方法。
【請求項17】
前記第1物品を保持した前記保持部を前記第1方向に移動させている間に、前記測距センサによって前記第1物品との第1距離を計測しつつ、前記測距センサを前記保持部と反対の向きに移動させ、前記第1距離の計測結果に基づいて前記第1物品の前記第1方向における長さを算出する、請求項16記載の制御方法。
【請求項18】
前記保持部の前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記保持部の移動量を取得し、
前記測距センサの前記第1方向の移動中における、時間ごとの前記測距センサの移動量を取得し、
前記測距センサによる前記第1物品の前記第1方向における端部の検出タイミングを取得し、
前記検出タイミングでの前記保持部の前記移動量及び前記測距センサの前記移動量から、前記第1物品の前記長さを算出する、請求項17記載の制御方法。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか1つに記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項20】
請求項16~18のいずれか1つに記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記憶媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷役装置、制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を保持して搬送する荷役装置がある。荷役装置について、搬送効率の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-217570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、搬送効率を向上させることが可能な、荷役装置、制御装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る荷役装置は、保持部と、撮像部と、測距センサと、制御部と、を備える。前記保持部は、物品を保持する。前記撮像部は、第1方向において前記物品を撮像する。前記測距センサは、前記第1方向と交差する第2方向における前記物品との距離を計測する。前記制御部は、前記保持部を制御する。前記制御部は、前記撮像部による撮像結果に基づき、保持される第1物品を選択する。前記制御部は、さらに、前記第1方向と交差する前記第1物品の第1面の位置と前記第2方向と交差する前記第1物品の第2面の位置とを、前記測距センサによる計測結果に基づいて算出する。前記制御部は、さらに、算出された前記第1面の前記位置及び前記第2面の前記位置に応じて前記保持部を動作させ、前記第1物品を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る荷役装置の概略構成を示す模式図である。
図2】実施形態に係る荷役装置の具体的構成を例示する斜視図である。
図3】第1実施形態に係る荷役装置の一部を示す側面図である。
図4】実施形態に係る荷役装置の一部を示す斜視図である。
図5】第1実施形態に係る荷役装置の一部を示す側面図である。
図6】第1実施形態に係る荷役装置の第1動作を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る荷役装置の第1動作を示す模式図である。
図8】第1実施形態に係る荷役装置の第1動作を示す模式図である。
図9】第1実施形態に係る荷役装置の第2動作を示す模式図である。
図10】第1実施形態に係る荷役装置の第2動作を示す模式図である。
図11】第1実施形態に係る荷役装置の第2動作を示す模式図である。
図12】実施形態に係る荷役装置が第1動作を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係る荷役装置が第2動作を示すフローチャートである。
図14】保持部及び測距センサについての時間と移動量との関係を示すグラフである。
図15】物品の高さを算出する際の制御シーケンス図である。
図16】(a)測距センサを示す模式図である。(b)実施形態に係る荷役装置における測距センサ近傍を示す模式的平面図である。
図17】ハードウェア構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
図1は、実施形態に係る荷役装置の概略構成を示す模式図である。
実施形態に係る荷役装置1は、図1に示すように、保持部10、撮像部13、測距センサ15、及び制御部60を含む。
【0009】
保持部10は、物品を保持(安定して把持)する。保持の方法は、例えば吸着である。保持部10は、挟持又はジャミングにより物品を保持しても良い。
【0010】
撮像部13は、第1方向において物品を撮像し、画像を取得する。撮像部13は、イメージセンサ及び距離画像センサから選択される少なくとも1つを含む。
【0011】
測距センサ15は、第1方向と交差する第2方向において、物品との距離を計測する。測距センサ15は、赤外線、レーザ光、又は超音波を物品に向けて発する。距離の計測精度の観点から、測距センサ15は、レーザ光を用いたレーザレンジファインダ(LRF)であることが好ましい。
【0012】
制御部60は、保持部10、撮像部13、及び測距センサ15を制御する。制御部60は、撮像部13により取得された画像に基づき、物品を認識する。制御部60は、認識された物品から、保持される物品を選択する。物品は、第1方向と交差する第1面と、第2方向と交差する第2面と、を有する。制御部60は、測距センサ15による計測結果に基づき、物品の第1面の位置及び第2面の位置を算出する。制御部60は、算出された第1面の位置及び第2面の位置に応じて保持部10を動作させ、保持部10で物品を保持する。例えば、保持部10は、物品の第1面を保持する。保持部10は、第1面に加えて第2面をさらに保持しても良い。
【0013】
図2は、実施形態に係る荷役装置の具体的構成を例示する斜視図である。
荷役装置1は、例えば図2に示すように、保持部10、撮像部13、測距センサ15、駆動部21x、21y、22x、22y、及び23z、ベースプレート30a及び30b、フレーム31、リフト40、及び制御部60を含む。
【0014】
図2の例では、保持部10は、吸着により物品を保持する。保持部10は、第1保持部11及び第2保持部12を含む。第1保持部11は、物品の第1面を保持可能である。第2保持部12は、物品の第2面を保持可能である。第1保持部11及び第2保持部12の両方を用いることで、物品をより安定して保持できる。又は、第1保持部11のみを用いることで、保持される物品の手前に別の物品が有る場合でも、対象の物品のみを選択的に保持できる。
【0015】
ここでは、説明のために、X方向(前後方向)、Y方向(左右方向)、及びZ方向(上下方向)を用いる。Z方向は、第1方向に平行である。X方向は、第2方向に平行である。Y方向は、X方向及びZ方向に平行な面と交差する。例えば、X方向及びY方向は、水平面に平行である。Z方向は、鉛直方向に平行である。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。
【0016】
図3は、第1実施形態に係る荷役装置の一部を示す側面図である。
図3に示すように、第1保持部11は、筐体11aと、筐体11aに取り付けられる吸着ユニット11bと、を含む。筐体11aは、真空吸着に必要な配管、バルブ等を含む。吸着ユニット11bは、ロッド11c及び吸着パッド11dを含む。ロッド11cは、Z方向に延びている。吸着パッド11dは、ロッド11cの先端に設けられ、不図示の負圧センサを含む。吸着パッド11d先端の吸着面は、下方に向いている。
【0017】
第2保持部12は、第1保持部11と同様に、筐体12aと、筐体12aに取り付けられる吸着ユニット12bと、を含む。筐体12aは、真空吸着に必要な配管、バルブ等を含む。吸着ユニット12bは、ロッド12c及び吸着パッド12dを含む。第2保持部12が物品を保持するとき、ロッド12cは、X方向に延びている。吸着パッド12dは、ロッド12cの先端に設けられ、不図示の負圧センサを含む。第2保持部12が物品を保持する際、吸着パッド12d先端の吸着面は、前方に向いている。
【0018】
吸着ユニット11b及び12bの内部空間は、筐体11a及び12aの内部に設けられた配管及びバルブを解して、第1保持部11及び第2保持部12の外部に設けられた排気装置等の不図示の排気系とそれぞれ接続される。吸着ユニット11bの内部空間は、吸着ユニット12bの内部空間とは独立して排気可能である。
【0019】
吸着ユニット11b及び12bは、それぞれ複数設けられても良い。図2及び図3の例では、第1保持部11は、互いに直交する2方向に配列された複数の吸着ユニット11bを含む。第2保持部12は、一方向に配列された複数の吸着ユニット12bを含む。
【0020】
図4は、実施形態に係る荷役装置の一部を示す斜視図である。
駆動部21xは、第1保持部11をX方向に移動させる。駆動部21yは、第1保持部11をY方向に移動させる。
【0021】
例えば図4に示すように、駆動部21xは、アクチュエータ21a、プーリ21b、ベルト21c、バー21d、及びガイド21eを含む。この例では、アクチュエータ21aは、モータである。アクチュエータ21aの回転軸は、Y方向に平行である。アクチュエータ21aの回転軸は、プーリ21bに連結される。このプーリ21bとはX方向において離れた位置に、別のプーリ21bが設けられる。ベルト21cは、一対のプーリ21bに掛けられる。バー21dは、ベルト21cに対して固定される。バー21dは、X方向に沿って延びるガイド21eと嵌合する。アクチュエータ21aによりプーリ21bがY方向周りに回転すると、一対のプーリ21bの間をベルト21cがX方向に沿って移動する。ベルト21cに対して固定されたバー21dが、ガイド21eに沿ってX方向に移動する。
【0022】
ロッド21fは、Y方向に沿って延び、バー21dに対して固定される。この例では、X方向に互いに離れた一対のロッド21fが設けられている。第1保持部11は、それぞれのロッド21fに連結される。バー21dの移動に応じて、ロッド21f及び第1保持部11がX方向に移動する。
【0023】
駆動部21yは、バー21dと共にX方向に移動する。駆動部21yは、アクチュエータ21h、プーリ21i、及びベルト21jを含む。アクチュエータ21hは、モータである。アクチュエータ21hの回転軸は、プーリ21iに連結される。このプーリ21iとはY方向において離れた位置に、別のプーリ21iが設けられる。ベルト21jは、一対のプーリ21iに掛けられる。
【0024】
第1保持部11は、Y方向に摺動可能にロッド21fに連結される。第1保持部11は、ベルト21jに対して固定されている。アクチュエータ21hによりプーリ21iが回転すると、一対のプーリ21iの間をベルト21jがY方向に沿って移動する。ベルト21jに対して固定された第1保持部11が、Y方向に移動する。
【0025】
駆動部22xは、第2保持部12をX方向に移動させる。駆動部22yは、第2保持部12をY方向に移動させる。
【0026】
例えば図4に示すように、駆動部22xは、アクチュエータ22a、プーリ22b、ベルト22c、バー22d、及びガイド22eを含む。この例では、アクチュエータ22aは、モータである。アクチュエータ22aの回転軸は、Y方向に平行である。アクチュエータ22aの回転軸は、プーリ22bに連結される。このプーリ22bとはX方向において離れた位置に、別のプーリ22bが設けられる。ベルト22cは、一対のプーリ22bに掛けられる。バー22dは、ベルト22cに対して固定される。バー22dは、X方向に沿って延びるガイド22eと嵌合する。アクチュエータ22aによりプーリ22bがY方向周りに回転すると、一対のプーリ22bの間をベルト22cがX方向に沿って移動する。ベルト22cに対して固定されたバー22dが、ガイド22eに沿ってX方向に移動する。
【0027】
バー22mは、リンク22kを介して、バー22dに連結される。ロッド22fは、Y方向に沿って延び、バー22mに対して固定される。この例では、X方向に互いに離れた一対のロッド22fが、バー22mに対して固定される。X方向に互いに離れた一対のリンク22kが、バー22mにそれぞれ連結される。バー21dの移動に応じて、リンク22k、バー22m、ロッド22f、及び第2保持部12がX方向に移動する。
【0028】
駆動部22yは、バー22dと共にX方向に移動する。駆動部22yは、アクチュエータ22h、プーリ22i、及びベルト22jを含む。アクチュエータ22hは、モータである。アクチュエータ22hの回転軸は、プーリ22iに連結される。このプーリ22iとはY方向において離れた位置に、別のプーリ22iが設けられる。ベルト22jは、一対のプーリ22iに掛けられる。アクチュエータ22hの回転軸は、X方向に平行であり、いずれかのプーリ22iに連結される。
【0029】
第2保持部12は、Y方向に移動可能にロッド22fに連結される。第2保持部12は、ベルト22jに対して固定されている。アクチュエータ22hによりプーリ22iが回転すると、一対のプーリ22iの間をベルト22jがY方向に沿って移動する。ベルト22jに対して固定された第2保持部12が、Y方向に移動する。
【0030】
ベースプレート30a及び30bは、第1保持部11及び第2保持部12を支持するための支持部として設けられる。図2に示すように、ベースプレート30a及び30bは、X-Z面に沿って広がる板状の部材であり、Y方向において互いに離れている。ベースプレート30a及び30bは、プーリ21b、ベルト21c、バー21d、及びロッド21fを介して第1保持部11を支持している。また、ベースプレート30a及び30bは、プーリ22b、ベルト22c、バー22d、リンク22k、バー22m、及びロッド22fを介して第2保持部12を支持している。
【0031】
プーリ21b、ベルト21c、バー21d、ガイド21e、プーリ22b、ベルト22c、バー22d、ガイド22e、リンク22k、及びバー22mは、ベースプレート30a及び30bのそれぞれに取り付けられ、Z方向から見たときにベースプレート30a及び30bの間に位置する。ロッド21fは、Y方向において互いに対向するバー21dに固定される。ロッド22fは、Y方向において互いに対向するバー22dに固定される。アクチュエータ21a及び22aは、ベースプレート30aに取り付けられる。アクチュエータ21a及び22aは、ベースプレート30b、又はベースプレート30a及び30bの両方に取り付けられても良い。
【0032】
ベースプレート30aの前方のプーリ21bとベースプレート30bの前方のプーリ21bは、Y方向に延びるロッド30cによって互いに連結される。ベースプレート30aに取り付けられるアクチュエータ21aの駆動力は、ロッド30cによって、ベースプレート30bのプーリ21bに伝達する。ベースプレート30bの一対のプーリ21bは、ベースプレート30aの一対のプーリ21bと同期して回転する。これにより、ベースプレート30bのバー21dは、ベースプレート30aのバー21dと同期してX方向に移動する。
【0033】
ベースプレート30aの前方のプーリ22bとベースプレート30bの前方のプーリ22bは、Y方向に延びるロッド30dによって互いに連結される。ベースプレート30aに取り付けられるアクチュエータ22aの駆動力は、ロッド30dによって、ベースプレート30bのプーリ22bに伝達する。ベースプレート30bの一対のプーリ22bは、ベースプレート30aの一対のプーリ22bと同期して回転する。これにより、ベースプレート30bのバー22mは、ベースプレート30aのバー22mと同期してX方向に移動する。
【0034】
ロッド21f、22f、ロッド30c、及び30dをベースプレート30a及び30bに架け渡すことにより、第1保持部11及び第2保持部12をより安定して支持できる。例えば、第1保持部11及び第2保持部12のZ方向における位置を、より安定させることができる。
【0035】
図2に示すように、駆動部23zは、Y方向において複数設けられる。一対の駆動部23zは、ベースプレート30a及び30bをZ方向に移動させる。駆動部23zの動作により、第1保持部11及び第2保持部12が、Z方向に移動する。
【0036】
例えば、それぞれの駆動部23zは、アクチュエータ23a、一対のプーリ23b、ベルト23c、ブロック23d、及びガイド23eを含む。アクチュエータ23aは、モータである。アクチュエータ23aの回転軸は、Y方向に平行である。アクチュエータ23aの回転軸は、いずれかのプーリ23bに連結される。一対のプーリ23bは、Z方向において互いに離れている。ベルト23cは、一対のプーリ23bに掛けられる。
【0037】
ベースプレート30aの側面及び30bの側面には、それぞれブロック23dが固定される。ブロック23dは、ベルト23cに固定される。また、ベースプレート30a及び30bのそれぞれは、ガイド23eと嵌合する。アクチュエータ23aの回転により、プーリ23bがY方向まわりに回転し、一対のプーリ23bの間をベルト23cがZ方向に沿って移動する。これにより、ベルト23cに対して固定されたベースプレート30a及び30bが、Z方向に移動する。
【0038】
駆動部23zは、フレーム31に取り付けられる。第1保持部11及び第2保持部12は、駆動部21x、21y、22x、22y、及び23zにより、フレーム31に対して、X方向、Y方向、及びZ方向に移動可能である。
【0039】
測距センサ15は、駆動部15zを介して、フレーム31に取り付けられる。駆動部15zは、アクチュエータ15a及びガイド15bを含む。ガイド15bは、Z方向に沿って延びている。アクチュエータ15aは、測距センサ15を、ガイド15bに沿ってZ方向に移動させる。測距センサ15は、斜め前方に位置する物品との距離を計測する。
【0040】
撮像部13は、パレットPの上方に位置し、不図示の固定具を介してフレーム31に対して固定される。撮像部13は、パレットPの上に積載された物品を撮像し、画像を取得する。
【0041】
例えば、フレーム31は、縦フレーム31a~31d及び横フレーム31e~31kを含む。縦フレーム31aと31bは、X方向において離れている。縦フレーム31cと31dは、X方向において離れている。縦フレーム31a及び31bは、Y方向において、縦フレーム31c及び31dと対向する。横フレーム31e及び31fは、縦フレーム31a及び31bの下端同士及び上端同士を連結する。横フレーム31g及び31hは、縦フレーム31c及び31dの下端同士及び上端同士を連結する。横フレーム31i及び31jは、縦フレーム31b及び31dの下端同士及び上端同士を連結する。横フレーム31kは、縦フレーム31a及び31cの上端同士を連結する。ガイド15bは、縦フレーム31aに取り付けられる。ガイド23eは、縦フレーム31a及び31cのそれぞれに取り付けられる。
【0042】
リフト40は、フレーム31の内側に設けられる。すなわち、Z方向から見たときに、リフト40は、縦フレーム31a~31dによって囲まれる矩形状の領域内に位置する。リフト40の上面は、X方向及びY方向に平行である。リフト40は、不図示の駆動部によってZ方向に移動する。
【0043】
図2に示すように、リフト40は、一対のローラ40a及びベルト40bを含む。一対のローラ40aは、X方向において互いに離れている。ベルト40bは、一対のローラ40aに掛けられる。ローラ40aの回転軸は、Y方向に平行である。不図示のモータによりローラ40aが回転されると、一対のローラ40aの間をベルト40bがX方向に沿って移動する。
【0044】
フレーム31の外側には、コンベアCが設けられる。リフト40の駆動部により、リフト40がコンベアCと同じ高さにある状態、リフト40がコンベアCよりも低い位置にある状態、又はリフト40がコンベアCよりも高い位置にある状態に設定される。
【0045】
物品が積載されたパレットPが荷役装置1の前に置かれると、荷役装置1は、物品をリフト40に順次搬送する。リフト40は、コンベアCと同じ高さに設定される。その後、リフト40の上に載置された物品は、コンベアCの上に搬送される。
【0046】
制御部60は、荷役装置1の各駆動部、排気装置、撮像部13、及び測距センサ15と接続され、これらを制御する。また、制御部60は、物品Aの保持及び搬送に必要なデータを処理する。制御部60は、中央演算処理装置を含む処理回路、プログラムが記憶されたメモリなどを備える。
【0047】
図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る荷役装置の一部を示す側面図である。
制御部60は、第2保持部12の位置を、保持位置と退避位置との間で切り替え可能である。第2保持部12が物品を保持する場合、第2保持部12の位置は、保持位置に設定される。第2保持部12が物品を保持しない場合、第2保持部12の位置は、退避位置に設定される。
【0048】
図5(a)は、第2保持部12が保持位置にあるときの様子を示す。図5(b)は、第2保持部12が退避位置にあるときの様子を示す。例えば、駆動部22xが第2保持部12をX方向に移動させることで、第2保持部12の位置が、保持位置と退避位置との間で切り替わる。図5(b)に示した、第2保持部12が退避位置にあるときの第1保持部11と第2保持部12との間の距離は、図5(a)に示した、第2保持部12が保持位置にあるときの第1保持部11と第2保持部12との間の距離よりも長い。
【0049】
荷役装置1は、第1配列の物品を搬送する際、第1動作を実行する。第1動作では、第2保持部12の位置は、退避位置に設定される。荷役装置1は、第2配列の物品を搬送する際、第2動作を実行する。第2動作では、第2保持部12の位置は、保持位置に設定される。第1配列では、サイズが異なる物品が、X方向及びY方向に並べられ、Z方向に積載されている。第2配列では、ほぼ同じサイズの物品が、X方向及びY方向に並べられ、Z方向に積載されている。
【0050】
パレットP上の物品Aの配列を示すデータは、ユーザによって入力されても良いし、通信手段によって制御部60へ送信されても良い。例えば、制御部60は、配列を示すデータを受信する。制御部60は、受信したデータに基づいて、第2保持部12の位置を切り替える。
【0051】
図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)、図8(a)、及び図8(b)は、第1実施形態に係る荷役装置の第1動作を示す模式図である。図9(a)、図9(b)、図10(a)、図10(b)、図11(a)、及び図11(b)は、第1実施形態に係る荷役装置の第2動作を示す模式図である。
【0052】
第1配列の物品を搬送する場合、荷役装置1は、上面が最も高い位置にある物品から順次搬送する。第1配列の物品の搬送には、第2保持部12を用いる必要はない。このため、図6(a)~図8(b)では、第2保持部12が省略されている。
【0053】
まず、撮像部13が、上方から、パレットP上の複数の物品Aを撮像する。制御部60は、撮像結果の画像から、上面が最も高い位置にある物品A(第1物品)を、保持の対象として選択する。また、制御部60は、撮像結果から、選択した物品Aの上面の位置を算出する。図6(a)に示すように、測距センサ15は、選択された物品Aとの距離(第1距離)を計測する。制御部60は、計測結果に基づき、物品Aの上面USの位置及び側面SSの位置を算出する。側面SSは、X方向又はY方向のいずれかに向いた面である。側面SSは、X方向及びY方向に対して斜めに向いていても良い。
【0054】
例えば、駆動部15zは、撮像結果から算出された上面USの位置よりも少し上方に、測距センサ15を位置させる。測距センサ15が測距を繰り返す間、駆動部15zは、測距センサ15を下降させる。上面USの位置では、計測される距離が変化する。具体的には、上面USよりも上方では、計測される距離が相対的に長い。上面USと同じ高さ、及び上面USよりも下方では、計測される距離が相対的に短い。制御部60は、計測された距離が大きく変化した位置を、上面USの位置として取得する。また、制御部60は、測距センサ15のX-Y面における位置と、計測された距離と、に基づいて、側面SSの位置を算出する。
【0055】
制御部60は、算出された側面SSの位置に基づいて、第1保持部11のX-Y面における位置を決定し、その位置へ第1保持部11を移動させる。制御部60は、算出された上面USの位置へ、第1保持部11を下降させる。例えば、制御部60は、上面USから離れた位置では、第1保持部11を第1速度で下降させる。制御部60は、上面USに近い位置では、第1保持部11を第2速度で下降させる。第2速度は、第1速度よりも遅い。
【0056】
図6(b)に示すように、制御部60は、第1保持部11を物品Aの上面に押し付ける。制御部60は、排気系を動作させ、吸着ユニット11bの内部の圧力を大気圧よりも低くする。これにより、第1保持部11が、物品Aの上面を保持する。このとき、測距センサ15は、保持される物品Aよりも高い位置で待機する。
【0057】
図7(a)に示すように、制御部60は、第1保持部11を上昇させる。第1保持部11の上昇中に、測距センサ15は、測距を繰り返しながら下降する。例えば、測距センサ15は、保持された物品Aの下面LSが検出されるまで、測距を繰り返しながら下降する。制御部60は、上面USが検出されてから下面LSが検出されるまでの第1保持部11の上昇量及び測距センサ15の下降量から、物品Aの高さ(Z方向の寸法)を算出する。
【0058】
制御部60は、第1保持部11をリフト40の上へ移動させる。図7(b)に示すように、制御部60は、第1保持部11をリフト40に向けて下降させる。第1保持部11の下降量は、リフト40の位置、算出された物品Aの高さ、及び保持後の第1保持部11の上昇量に基づいて算出される。例えば、制御部60は、リフト40から離れた位置では、第1保持部11を第3速度で下降させる。制御部60は、リフト40に近い位置では、第1保持部11を第4速度で下降させる。第4速度は、第3速度よりも遅い。
【0059】
制御部60は、吸着ユニット11bの内部の圧力を上昇させ、第1保持部11による吸着力を弱める。例えば、制御部60は、吸着ユニット11bの内部を大気開放する。これにより、第1保持部11による物品Aへの吸着が解除される。物品Aは、リフト40の上へ載置される。図8(a)に示すように、制御部60は、第1保持部11を上昇させることで、第1保持部11を物品Aから離す。
【0060】
その後、物品Aは、リフト40及びコンベアCによって払い出される。具体的には、制御部60は、リフト40の上面を、コンベアCの上面と同じ高さに位置させる。図8(b)に示すように、制御部60は、リフト40を動作させ、物品AをコンベアCの上に搬送する。コンベアCは、物品Aを別の場所へ搬送する。パレットPに載置された物品Aが全て払い出されるまで、荷役装置1は、図6(a)~図8(b)に示す第1動作を繰り返す。
【0061】
第2配列の物品を搬送する場合、制御部60は、図9(a)に示すように、第2保持部12を保持位置に位置させる。制御部60は、リフト40の上面を、搬送する物品Aの上面と同じ高さに位置させる。第2配列の物品を搬送する場合には、荷役装置1は、上面が最も高い位置にあり且つ手前に位置する物品から順次搬送する。
【0062】
まず、撮像部13は、上方から、パレットP上の複数の物品Aを撮像する。制御部60は、撮像結果から、上面が最も高い位置にあり且つリフト40との間のX方向の距離が最も短い物品Aを選択する。また、制御部60は、撮像結果から、選択した物品Aの上面の位置を算出する。測距センサ15は、選択された物品Aとの距離を計測する。制御部60は、計測結果に基づき、物品Aの上面USの位置及び側面SSの位置を算出する。
【0063】
制御部60は、算出された側面SSの位置に基づいて、第1保持部11のX-Y面における位置を決定し、その位置へ第1保持部11を移動させる。制御部60は、算出された上面USの位置へ、第1保持部11を下降させる。例えば、制御部60は、上面USから離れた位置では、第1保持部11を第1速度で下降させる。制御部60は、上面USに近い位置では、第1保持部11を第2速度で下降させる。
【0064】
図9(b)に示すように、制御部60は、第1保持部11を物品Aの上面USに押し付ける。ロッド11cが変位し、吸着パッド11dが上面USの形に応じて変形する。制御部60は、排気系を動作させ、吸着ユニット11bの内部の圧力を大気圧よりも低くする。これにより、第1保持部11が、上面USを保持する。
【0065】
図10(a)に示すように、制御部60は、第2保持部12を前方に移動させ、第2保持部12を物品Aの側面SSに押し付ける。ロッド12cが変位し、吸着パッド12dが側面SSの形に応じて変形する。制御部60は、排気系を動作させ、吸着ユニット12bの内部の圧力を大気圧よりも低くする。これにより、第2保持部12が、側面SSを保持する。
【0066】
図10(b)に示すように、制御部60は、第1保持部11及び第2保持部12を後方へ移動させ、物品AをパレットPの上からリフト40の上へ搬送する。物品Aがリフト40の上へ搬送されると、制御部60は、第1保持部11及び第2保持部12による保持を解除する。すなわち、制御部60は、吸着ユニット11bの内部の圧力及び吸着ユニット12bの内部の圧力を上昇させ、第1保持部11及び第2保持部12による吸着力を弱める。
【0067】
図11(a)に示すように、制御部60は、第1保持部11及び第2保持部12を物品Aから離す。制御部60は、リフト40の上面を、コンベアCの上面と同じ高さに位置させる。図11(b)に示すように、リフト40を動作させ、物品AをコンベアCの上に搬送する。コンベアCは、物品Aを別の場所へ搬送する。パレットPに載置された物品Aが全て払い出されるまで、荷役装置1は、図9(a)~図11(b)に示す第2動作を繰り返す。
【0068】
図12は、実施形態に係る荷役装置の第1動作を示すフローチャートである。
撮像部13が、パレットP上の複数の物品Aを撮像する(ステップSt11)。制御部60は、撮像結果から、上面が最も高い位置にある物品を選択する(ステップSt12)。制御部60は、撮像結果から、選択された物品Aの上面の位置を算出する(ステップSt13)。測距センサ15が、選択された物品Aとの距離を計測する(ステップSt14)。制御部60は、計測結果から、物品Aの上面の位置及び側面の位置を算出する(ステップSt15)。制御部60は、第1保持部11により物品Aを保持し、第1保持部11を上昇させる(ステップSt16)。このとき、測距センサ15は、距離を計測しながら下降する。制御部60は、計測結果から、物品Aの高さを算出する(ステップSt17)。制御部60は、物品Aを搬送する(ステップSt18)。搬送では、制御部60は、保持部10を上昇させ、X-Y面において移動させ、リフト40に向けて下降させる。物品Aの載置時には、高さの算出結果が用いられる。物品Aは、リフト40及びコンベアCによって払い出される(ステップSt19)。
【0069】
図13は、実施形態に係る荷役装置が第2動作を示すフローチャートである。
撮像部13が、パレットP上の複数の物品Aを撮像する(ステップSt21)。制御部60は、撮像結果から、上面が最も高い位置にあり且つリフト40に最も近い位置にある物品を選択する(ステップSt22)。制御部60は、撮像結果から、選択された物品Aの上面の位置を算出する(ステップSt23)。測距センサ15が、選択された物品との距離を計測する(ステップSt24)。制御部60は、計測結果から、物品Aの上面の位置及び側面の位置を算出する(ステップSt25)。制御部60は、第1保持部11及び第2保持部12により物品Aを保持し、物品Aを搬送する(ステップSt26)。搬送では、制御部60は、保持部10をリフト40に向けて移動させる。物品Aは、リフト40及びコンベアCによって払い出される(ステップSt27)。
【0070】
以上では、実施形態に係る荷役装置1による好ましい動作について説明した。荷役装置1による動作は、上述した例に限定されない。例えば、第2配列の物品を搬送する場合に、上面が最も高い位置にあり且つリフト40から離れた位置の物品Aから、順次搬送されても良い。この場合、荷役装置1は、第1動作と同様に、第1保持部11のみを用いて物品Aを保持する。第1保持部11が上昇する際に、前述のような測距センサ15による測距及び物品Aの高さの算出が、実行されても良い。
【0071】
実施形態の利点を説明する。
荷役装置1については、より短い時間でより多くの物品を搬送できることが求められる。すなわち、搬送効率の向上が求められる。例えば、保持部10の移動を早めることで、物品の搬送時間を短縮できる。ただし、物品の保持中に保持部10の移動を早め過ぎると、物品が落下する可能性がある。このため、物品の保持中以外に保持部10の移動を早めることが好ましい。一方で、高速で移動する保持部10に物品が接触すると、物品が損傷する。物品の損傷を抑制するために保持部10の移動を遅くすると、保持部10の移動時間が延び、搬送効率が低下する。
【0072】
この課題について、保持される物品の上面の位置を予め算出する方法が考えられる。上面から離れた位置では、保持部10を第1速度で移動させる。第1速度での移動後に、上面に近い位置では、保持部10を第2速度で移動させる。第2速度は、第1速度よりも遅い。これにより、保持部10の移動時間を短縮しつつ、保持部10が物品に高速で接触する可能性を低減できる。
【0073】
上述した方法については、上面の位置が精度良く算出されるほど、搬送効率を向上できる。算出される上面の位置の誤差が大きいと、保持部10の第1速度での移動中に、保持部10が物品と接触する可能性がある。精度が高いほど、保持部10の下降時に、保持部10が第1速度で移動できる距離をより長く設定でき、移動時間をより短縮できる。
【0074】
実施形態に係る荷役装置1では、制御部60が、撮像部13による撮像結果に基づき、保持される物品を選択する。そして、制御部60は、その物品の上面の位置を、測距センサ15による計測結果に基づいて算出する。測距センサ15の計測結果を用いることで、撮像結果を用いた場合に比べて、上面の位置をより精度良く算出できる。算出された上面の位置に応じて保持部10が動作することで、保持部10が物品に高速で接触する可能性を低減しつつ、移動時間をより短縮できる。
【0075】
さらに、荷役装置1では、制御部60は、測距センサ15の計測結果を用いて、物品の側面の位置を算出する。第1配列の物品が搬送される場合には、側面の位置の精度向上により、第1保持部11が物品の上面からずれることを抑制できる。この結果、物品をより安定して保持できる。第2配列の物品が搬送される場合には、側面の位置の精度向上により、第2保持部12が、保持される物品又はその他の物品と干渉することを抑制できる。物品が損傷する可能性を低減できる。
【0076】
搬送時間の短縮及び物品の損傷の抑制のためには、保持された物品の高さも算出されることが好ましい。物品の高さは、物品を載置する際に参照される。例えば、制御部60は、載置場所から離れた位置では、保持部10を第3速度で下降させる。第3速度での下降後に、制御部60は、載置場所に近い位置で、保持部10を第4速度で下降させる。第4速度は、第3速度よりも遅い。これにより、物品が載置場所に高速で接触する可能性を低減しつつ、保持部10の搬送時間を短縮できる。
【0077】
算出される高さの精度も、高いことが好ましい。荷役装置1では、物品を保持した保持部10の上昇中に、制御部60が、測距センサ15による計測結果に基づいて、物品の高さを算出する。高さの算出に測距センサ15による計測結果を用いることで、高さの精度を向上できる。保持部10の下降時に、保持部10が第3速度で移動できる距離をより長く設定でき、搬送時間をより短縮できる。
【0078】
さらに、荷役装置1では、物品を保持した保持部10の上昇中に、測距センサ15が、距離を計測しつつ下降する。これにより、物品の上面が検出されてから物品の底面が検出されるまでの時間を短縮でき、高さが算出されるタイミングをより早めることができる。算出された高さに応じた制御を、より早く開始できる。これにより、搬送時間をより短縮できる。
【0079】
物品の高さの精度をさらに向上させるためには、測距センサ15と制御部60との間の通信時間も考慮されることが望ましい。通信時間により、算出される高さに僅かな誤差が発生するためである。以下では、通信時間による誤差を低減するための方法を説明する。
【0080】
図14は、保持部及び測距センサについての時間と移動量との関係を示すグラフである。
図14において、横軸は、時間Tを表す。縦軸は、保持部10及び測距センサ15のそれぞれの移動量Mを表す。太い実線は、保持部10と測距センサ15の、時間に対する移動量の変化を表している。この例では、時間に対する保持部10の移動量は、時間に対する測距センサ15の移動量と同じである。
【0081】
例えば、制御部60は、全体制御部及び監視部を含む。全体制御部は、荷役装置1を全体的に制御する。監視部は、測距センサ15による計測結果に基づき、物品Aの上面、側面、下面などを検出する。監視部は、例えば、測距センサ15とともに設けられる。
【0082】
一例として、監視部が、時刻T1で、上昇する物品Aの下面を検出する。監視部は、全体制御部に、下面の検出結果を送信する。全体制御部は、時刻T2で、検出結果を受信する。参考例に係る方法では、全体制御部は、保持部10の上昇開始から時刻T2までの、保持部10及び測距センサ15の移動量Z2に基づいて、物品の高さを算出する。実際には、下面が検出された時刻T1では、保持部10及び測距センサ15の移動量は、移動量Z1である。参考例に係る方法では、通信に要する時間に起因して、物品Aの高さに、移動量Z1とZ2の差に応じた誤差が生じる。
【0083】
誤差を低減するために、荷役装置1では、保持部10の移動データ及び測距センサの移動データが記録される。保持部10の移動データは、保持部10の上昇中における、時間ごとの保持部10の移動量を示す。測距センサ15の移動データは、測距センサ15の下降中における、時間ごとの測距センサ15の移動量を示す。時間ごとの移動量は、下面の検出に拘わらず、記録される。例えば図14に示すように、時刻t1~t12のそれぞれにおける、移動量z1~z12が記録される。
【0084】
監視部は、下面が検出されると、下面が検出された時刻T1に最も近い時刻t6のタイムスタンプを生成する。監視部は、下面の検出結果及びタイムスタンプを全体制御部へ送信する。全体制御部は、下面の検出タイミングを示すタイムスタンプ、保持部10の移動データ、及び測距センサ15の移動データから、物品Aの高さを算出する。具体的には、全体制御部は、保持部10及び測距センサ15のそれぞれについて、時刻t6における移動量z6を参照し、移動量z6に基づいて、物品Aの高さを算出する。物品Aの高さには、移動量Z1とz6の差に応じた誤差が生じる。上述した、移動量Z1とZ2の差に応じた誤差に比べて、誤差を小さくできる。
【0085】
図15は、物品の高さを算出する際の制御シーケンス図である。
例えば図15に示すように、制御部60は、全体制御部61、監視部62、駆動制御部63、駆動制御部64、及びセンサ制御部65を含む。駆動制御部63は、保持部10を移動させるための各駆動部を制御する。駆動制御部64は、測距センサ15を移動させるための駆動部15zを制御する。センサ制御部65は、測距センサ15の動作を制御する。
【0086】
全体制御部61は、監視開始要求S1を監視部62へ送信する。監視部62は、監視開始要求S1を受信すると、連続スキャン開始要求S2をセンサ制御部65へ送信する。センサ制御部65は、連続スキャン開始要求S2を受信すると、連続スキャン(測距の繰り返し)を開始する。センサ制御部65は、連続スキャン中、スキャンの結果が得られるたびに、スキャン結果応答S3を監視部62へ送信する。監視部62は、最初のスキャン結果応答S3を受信すると、監視開始応答S4を全体制御部61へ送信する。監視開始応答S4は、監視部62が下面検出の監視を開始したことを示す。
【0087】
全体制御部61は、監視開始応答S4を受信すると、上昇要求S5を駆動制御部63へ送信する。駆動制御部63は、上昇要求S5を受信すると、保持部10を上昇させる。駆動制御部63は、上昇中に、時間ごとの移動量を記録する。また、全体制御部61は、監視開始応答S4を受信すると、下降要求S6を駆動制御部64へ送信する。駆動制御部64は、下降要求S6を受信すると、測距センサ15を下降させる。駆動制御部64は、下降中に、時間ごとの移動量を記録する。
【0088】
監視部62は、連続スキャン中に、スキャン結果応答S3に基づいて、物品の下面検出を監視する。監視部62は、下面が検出されると、検出通知S7を全体制御部61へ送信する。検出通知S7は、下面が検出されたことを示し、下面検出のタイミングを示すタイムスタンプを含む。全体制御部61は、検出通知S7を受信すると、駆動制御部63及び64へ、停止要求S8及びS9をそれぞれ送信する。
【0089】
駆動制御部63は、停止要求S8を受信すると、上昇結果応答S10を全体制御部61へ送信する。上昇結果応答S10は、上昇中の保持部10の移動データを含む。駆動制御部64は、停止要求S9を受信すると、下降結果応答S11を全体制御部61へ送信する。下降結果応答S11は、下降中の測距センサ15の移動データを含む。
【0090】
全体制御部61は、上昇結果応答S10及び下降結果応答S11を受信すると、監視終了要求S12を監視部62へ送信する。監視部62は、監視終了要求S12を受信すると、連続スキャン終了要求S13をセンサ制御部65へ送信する。センサ制御部65は、連続スキャン終了要求S13を受信すると、連続スキャンを終了する。センサ制御部65は、連続スキャン終了応答S14を監視部62へ送信する。連続スキャン終了応答S14は、連続スキャンが終了したことを示す。
【0091】
監視部62は、連続スキャン終了応答S14を受信すると、監視終了応答S15を全体制御部61へ送信する。全体制御部61は、監視終了応答S15を受信すると、検出通知S7に含まれるタイムスタンプ、上昇結果応答S10に含まれる移動データ、及び下降結果応答S11に含まれる移動データから、物品の高さを算出する。
【0092】
図16(a)は、測距センサを示す模式図である。図16(b)は、実施形態に係る荷役装置における測距センサ近傍を示す模式的平面図である。
測距センサ15については、レーザ光が用いられることが好ましい。レーザ光は、通常の光に比べて、拡散が小さく、指向性が高い。レーザ光を用いることで、距離の計測の精度を向上できる。
【0093】
レーザ光については、一般的に、光の広がり方が、測距センサ15の向きに応じて変化する。例えば図16(a)に示すように、測距センサ15の正面方向D1では、一方向における光Lの広がりが小さく、その一方向と直交する方向における光Lの広がりが大きい。測距センサ15の側面方向D2では、当該一方向における光Lの広がりが大きく、直交方向における光Lの広がりが小さい。
【0094】
荷役装置1では、測距センサ15による計測結果から、物品の上面及び下面が検出される。検出の精度を向上させるために、物品に向けて照射される光の縦方向における広がりは、小さいことが好ましい。荷役装置1では、上記一方向が縦方向と平行になるように測距センサ15が取り付けられる。また、図16(b)に示すように、測距センサ15の正面方向D1のX方向及び横方向に対する角度θは、45度に設定される。すなわち、図16(a)及び図16(b)に示すように、正面方向D1に対して、おおよそ+40度から-40度までの範囲Rの光Lが、物品に照射される。これにより、縦方向における広がりの小さい光Lを、物品に向けて照射できる。
【0095】
すなわち、レーザ光の照射範囲に、縦方向における広がりが相対的に小さい第1範囲と、縦方向における広がりが相対的に大きい第2範囲と、が含まれる場合は、測距センサ15は、第1範囲のレーザ光を物品に照射することが好ましい。
【0096】
図17は、ハードウェア構成を示す模式図である。
制御部60は、例えば図17に示すハードウェア構成を含む。図17に示す処理装置90は、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、入力インタフェース95、出力インタフェース96、及び通信インタフェース97を含む。
【0097】
ROM92は、コンピュータの動作を制御するプログラムを格納している。ROM92には、上述した各処理をコンピュータに実現させるために必要なプログラムが格納されている。RAM93は、ROM92に格納されたプログラムが展開される記憶領域として機能する。
【0098】
CPU91は、処理回路を含む。CPU91は、RAM93をワークメモリとして、ROM92又は記憶装置94の少なくともいずれかに記憶されたプログラムを実行する。プログラムの実行中、CPU91は、システムバス98を介して各構成を制御し、種々の処理を実行する。
【0099】
記憶装置94は、プログラムの実行に必要なデータや、プログラムの実行によって得られたデータを記憶する。
【0100】
入力インタフェース(I/F)95は、処理装置90と入力装置95aとを接続する。入力I/F95は、例えば、USB等のシリアルバスインタフェースである。CPU91は、入力I/F95を介して、入力装置95aから各種データを読み込むことができる。
【0101】
出力インタフェース(I/F)96は、処理装置90と表示装置96aとを接続する。出力I/F96は、例えば、Digital Visual Interface(DVI)やHigh-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))等の映像出力インタフェースである。CPU91は、出力I/F96を介して、表示装置96aにデータを送信し、表示装置96aに画像を表示させることができる。
【0102】
通信インタフェース(I/F)97は、処理装置90外部のサーバ97aと、処理装置90と、を接続する。通信I/F97は、例えば、LANカード等のネットワークカードである。CPU91は、通信I/F97を介して、サーバ97aから各種データを読み込むことができる。カメラ99aは、物品を撮影し、画像をサーバ97aに保存する。カメラ99aは、撮像部13として機能する。LRF99bは、距離を計測し、計測結果をサーバ97aに保存する。LRF99bは、測距センサ15として機能する。
【0103】
記憶装置94は、Hard Disk Drive(HDD)及びSolid State Drive(SSD)から選択される1つ以上を含む。入力装置95aは、マウス、キーボード、マイク(音声入力)、及びタッチパッドから選択される1つ以上を含む。表示装置96aは、モニタ及びプロジェクタから選択される1つ以上を含む。タッチパネルのように、入力装置95aと表示装置96aの両方の機能を備えた機器が用いられても良い。
【0104】
上述した種々のデータの処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク及びハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又は、他の非一時的なコンピュータで読取可能な記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されても良い。
【0105】
例えば、記録媒体に記録された情報は、コンピュータ(または組み込みシステム)により読み出されることが可能である。記録媒体において、記録形式(記憶形式)は任意である。例えば、コンピュータは、記録媒体からプログラムを読み出し、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させる。コンピュータにおいて、プログラムの取得(または読み出し)は、ネットワークを通じて行われても良い。
【0106】
以上で例示した実施形態では、第1方向が鉛直方向に平行である。実施形態は、この例に限定されず、第1方向が水平方向に平行であっても良い。いずれの場合においても、撮像部13による撮像結果及び測距センサ15による計測結果から、物品の互いに異なる面の位置を算出できる。また、保持部10によって物品を第1方向に移動させる際に、測距センサ15を保持部10とは逆の方向に移動させることで、物品の第1方向における長さをより早いタイミングで算出できる。物品の第1方向における長さに応じた制御を、より早く開始できる。
【0107】
以上で説明した実施形態によれば、搬送効率を向上させることが可能な、荷役装置1が提供される。また、上述した制御部60(制御装置)又はその制御方法によれば、荷役装置1による搬送効率を向上させることができる。上述した制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0108】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0109】
1:荷役装置、 10:保持部、 11:第1保持部、 11a:筐体、 11b:吸着ユニット、 11c:ロッド、 11d:吸着パッド、 12:第2保持部、 12a:筐体、 12b:吸着ユニット、 12c:ロッド、 12d:吸着パッド、 13:撮像部、 15:測距センサ、 15a:アクチュエータ、 15b:ガイド、 15z:駆動部、 21a:アクチュエータ、 21b:プーリ、 21c:ベルト、 21d:バー、 21e:ガイド、 21f:ロッド、 21h:アクチュエータ、 21i:プーリ、 21j:ベルト、 21x,21y:駆動部、 22a:アクチュエータ、 22b:プーリ、 22c:ベルト、 22d:バー、 22e:ガイド、 22f:ロッド、 22h:アクチュエータ、 22i:プーリ、 22j:ベルト、 22k:リンク、 22m:バー、 22x,22y:駆動部、 23a:アクチュエータ、 23b:プーリ、 23c:ベルト、 23d:ブロック、 23e:ガイド、 23z:駆動部、 30a,30b:ベースプレート、 30c,30d:ロッド、 31:フレーム、 31a~31d:縦フレーム、 31e~31k:横フレーム、 40:リフト、 40a:ローラ、 40b:ベルト、 60:制御部、 61:全体制御部、 62:監視部、 63,64:駆動制御部、 65:センサ制御部、 90:処理装置、 91:CPU、 92:ROM、 93:RAM、 94:記憶装置、 95:入力インタフェース、 95a:入力装置、 96:出力インタフェース、 96a:表示装置、 97:通信インタフェース、 97a:サーバ、 98:システムバス、 99a:カメラ、 99b:LRF、 A:物品、 C:コンベア、 D1:正面方向、 D2:側面方向、 L:光、 LS:下面、 M:移動量、 P:パレット、 R:範囲、 SS:側面、 US:上面、 θ:角度
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