(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045858
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】味噌収容用容器及び味噌容器形成用樹脂フィルム
(51)【国際特許分類】
B65D 85/72 20060101AFI20230327BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B65D85/72 100
B65D33/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154462
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】501460501
【氏名又は名称】株式会社ダイセン
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(72)【発明者】
【氏名】扇間 博和
【テーマコード(参考)】
3E035
3E064
【Fターム(参考)】
3E035AA19
3E035BA05
3E035BA08
3E035BB08
3E035BC02
3E035BC10
3E035CA07
3E064AA11
3E064BA22
3E064BC18
3E064BC20
3E064EA12
3E064FA05
3E064HM01
3E064HN05
(57)【要約】
【課題】調理時等において、容器の内表面近くにある半固形の味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存することを抑制することができる味噌収容用容器、及び、該容器の形成に好適な味噌容器形成用樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の味噌収容用容器1は、味噌と接触する内表面に、数密度が40~3000個/m
2である凸部11e,12eを備える。この内表面において、凸部の合計面積に占める割合は、好ましくは40%以上である。また、凸部の高さは、好ましくは30~150μmである。袋容器の場合、開口部にチャックを有することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
味噌を収容する味噌収容用容器であって、
上記味噌と接触する内表面に、数密度が40~3000個/cm2である凸部を備えることを特徴とする味噌収容用容器。
【請求項2】
上記内表面において、上記凸部の合計面積に占める割合が40%以上である請求項1に記載の味噌収容用容器。
【請求項3】
上記内表面において、上記凸部がパターン化されている請求項1又は2に記載の味噌収容用容器。
【請求項4】
上記数密度が50~450個/cm2である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
【請求項5】
上記凸部の高さが30~150μmである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
【請求項6】
上記味噌収容用容器が、三方袋、ガゼット袋及び自立性袋から選ばれた少なくとも一種の袋容器である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
【請求項7】
上記袋の開口部にチャックを備える請求項6に記載の味噌収容用容器。
【請求項8】
上記味噌収容用容器がカップ容器である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
【請求項9】
上記味噌収容用容器が樹脂製である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
【請求項10】
請求項6に記載の味噌収容用容器の製造に用いられる樹脂フィルムであって、
1面側に、数密度が40~3000個/cm2である凸部を有する凸部樹脂層を備えることを特徴とする味噌容器形成用樹脂フィルム。
【請求項11】
上記凸部樹脂層の平面において、上記凸部の合計面積に占める割合が40%以上である請求項10に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
【請求項12】
上記凸部の高さが30~150μmである請求項10又は11に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
【請求項13】
上記凸部樹脂層における上記凸部が存在しない側に他の樹脂層を備える請求項10乃至12のいずれか一項に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
【請求項14】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の味噌収容用容器と、該味噌収容用容器に収容された味噌とを備えることを特徴とする味噌入り商品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半固形の味噌を充填又は収容する容器、及び、該容器の形成に用いられる味噌容器形成用樹脂フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
味噌桶から掘り出された米味噌、麦味噌、豆味噌等の、醸造された味噌又はこれらの調合味噌等は、通常、半固形であり、密度も高いことから、剛性を有する樹脂容器等に充填、収容されて、味噌入り商品として販売されている。また、市販の味噌入り商品は、サイズ、量等において多種に渡るため、消費者は、利便性を考慮し、味噌を取り出して、自ら準備した容器に移し替えて使用することがある。
【0003】
従来、半固形の味噌の充填に用いる容器としては、下記の各種容器が知られている。
特許文献1には、合成樹脂シートを重ねて側辺部を溶着した袋であって、袋に味噌を詰めて密封し、袋の上側を切り取って開封し、袋内の味噌を圧迫して袋の開封口から押し出す味噌の包装袋において、袋内の上側部を、頂上部を中央部に配置した山形状に形成し、袋内の山形状上側部の頂上部を開封口にする構成にしたことを特徴とする味噌の包装袋が開示されている。
特許文献2には、エチレン含有量32~48モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成された厚み10~40μmの無延伸EVOHフィルムの片面に、接着剤層を介して、厚み200~1200μmの無延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層がラミネート加工により積層された積層シートを、無延伸EVOHフィルム層が外面側に配置された容器の形状に熱成形してなる食品包装容器が開示されている。
【0004】
特許文献3には、カップ状に成形されている樹脂層からなる容器の内表面にセラミック薄膜がコーティングされていることを特徴とするカップ状プラスチック容器が開示されている。
また、特許文献4には、合成樹脂によって形成されており上部を開口してなる蓋付きのケースと、合成樹脂製シートによって袋状に形成されており味噌を充填した状態でケースの内部に収容される袋体とからなるものであるとともに、袋体が、二つ折りされた折り込み材を表裏の胴材の左右に挟み込むことによって、左右両側にそれぞれ折り込み部を設けるとともに、挟み込まれた左右の各折り込み材の上端際の部分を、合成樹脂製で一定幅の帯状部材によって、表裏の胴材の裏面にヒートシールしたガゼット袋であることを特徴とする味噌用収納容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実登3058972号公報
【特許文献2】特開2001-31047号公報
【特許文献3】特開2003-72763号公報
【特許文献4】特開2018-47920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、公知の味噌容器の内表面は、平滑であるため、調理時等において、容器の内表面近くにある味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存して、こすり取る等の回収作業が必要となることがあった。
【0007】
本発明の課題は、上記不具合を解消する味噌収容用容器、即ち、調理時等において、容器の内表面近くにある半固形の味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存することを抑制することができる味噌収容用容器を提供することである。また、本発明の課題は、該容器の形成に用いる味噌容器形成用樹脂フィルム、及び、味噌入り商品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、半固形の味噌が充填、収容される容器において、味噌が接触する内表面にパターン化させた凸部を、単位面積あたりに特定の数としたことで、上記課題が解決される知見を得、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下に示される。
〔1〕味噌を収容する味噌収容用容器であって、
上記味噌と接触する内表面に、数密度が40~3000個/cm2である凸部を備えることを特徴とする味噌収容用容器。
〔2〕上記内表面において、上記凸部の合計面積に占める割合が40%以上である上記〔1〕に記載の味噌収容用容器。
〔3〕上記内表面において、上記凸部がパターン化されている上記〔1〕又は〔2〕に記載の味噌収容用容器。
〔4〕上記数密度が50~450個/cm2である上記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
〔5〕上記凸部の高さが30~150μmである上記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
〔6〕上記味噌収容用容器が、三方袋、ガゼット袋及び自立性袋から選ばれた少なくとも一種の袋容器である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
〔7〕上記袋の開口部にチャックを備える上記〔6〕に記載の味噌収容用容器。
〔8〕上記味噌収容用容器がカップ容器である上記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
〔9〕上記味噌収容用容器が樹脂製である上記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器。
〔10〕上記〔6〕に記載の味噌収容用容器の製造に用いられる樹脂フィルムであって、
1面側に、数密度が40~3000個/cm2である凸部を有する凸部樹脂層を備えることを特徴とする味噌容器形成用樹脂フィルム。
〔11〕上記凸部樹脂層の平面において、上記凸部の合計面積に占める割合が40%以上である上記〔9〕に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
〔12〕上記凸部の高さが30~150μmである上記〔10〕又は〔11〕に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
〔13〕上記凸部樹脂層における上記凸部が存在しない側に他の樹脂層を備える上記〔10〕乃至〔12〕のいずれか一項に記載の味噌容器形成用樹脂フィルム。
〔14〕上記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一項に記載の味噌収容用容器と、該味噌収容用容器に収容された味噌とを備えることを特徴とする味噌入り商品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、味噌収容用容器に充填、収容された半固形の味噌を、調理又は移し替えのために取り出す際に、特に、容器の内表面近くにある味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存することを抑制することができる。従って、例えば、容器内の味噌を使い切ろうとする場合に、容器の内表面でこすり取る等の回収作業を不要とすることができる。また、味噌を使い切った後、廃棄する前に水洗等を行うことがあるが、付着、残存している味噌が皆無又はごくわずかであるため、洗浄の際に使用する水量を削減することができる。
本発明において、凸部の数密度が50~3000個/cm2であれば、容器の材質は、限定されないが、例えば、樹脂製容器であって、内表面における凸部の数密度が50~450個/cm2である場合には、透明容器とすることができるので、開封することなく収容されている味噌又はその残存状態を視認することができる。また、例えば、紙製容器又は樹脂製容器であって、三方袋、ガゼット袋及び自立性袋から選ばれた少なくとも一種の袋容器である場合には、嵩張るカップ容器に比べて折り畳みが容易であり、使用後には、小型の廃棄物とすることができる。
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムは、上記効果を有する味噌収容用容器である、樹脂製の袋容器を製造するための原料資材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)本発明の味噌収容用容器の1例(自立性袋)の自立させた状態、(b)寝かせた状態を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明の味噌入り商品の1例を示す概略斜視図である。
【
図3】本発明の味噌収容用容器の他例(ガゼット袋)を示す概略斜視図である。
【
図4】本発明の味噌収容用容器の他例(三方袋)を示す概略斜視図である。
【
図5】本発明の味噌収容用容器の他例(合掌袋)を示す概略斜視図である。
【
図6】本発明の味噌収容用容器の他例(カップ容器)を示す概略斜視図である。
【
図7】本発明の味噌収容用容器の内表面における凸部パターンを例示する概略図である。
【
図8】本発明の味噌収容用容器の内表面における凸部の断面形状を例示する概略図である。
【
図9】本発明の味噌収容用容器(自立性袋)の製造方法の1例を示す説明図である。
【
図10】本発明の味噌収容用容器(ガゼット袋)の製造方法の1例を示す説明図である。
【
図11】本発明の味噌収容用容器(三方袋)の製造方法の1例を示す説明図である。
【
図12】本発明の味噌収容用容器(合掌袋)の製造方法の1例を示す説明図である。
【
図13】の本発明の味噌収容用容器(カップ容器)の製造方法の1例を示す説明図である。
【
図14】本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムを構成する凸部樹脂層における凸部の断面構造を例示する概略図である。
【
図15】本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムの性能を評価する試験方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る「味噌」は、味噌桶から掘り出された米味噌、麦味噌、豆味噌等の、醸造された味噌又はこれらの調合味噌等の、半固形の味噌であり、液状調味料として市販される液状の味噌は含まれない。
【0013】
本発明の味噌収容用容器の構造は、味噌と接触する内表面に、特定の数密度をもって形成された凸部を有するものであれば、特に限定されない。例えば、袋容器、カップ容器、チューブ容器等とすることができる。材質も特に限定されず、金属製、ガラス製、樹脂製、紙製、木製等とすることができる。
【0014】
袋容器としては、例えば、
図1に示される自立性袋1、例えば、
図3に示されるガゼット袋2、例えば、
図4に示される三方袋3、例えば、
図5に示される合掌袋4、二方袋(図示せず)等が挙げられる。尚、
図1~
図5の袋容器は、好ましくは、1面側に凸部を有するフィルムを用いて製造されたものであるため、例えば、
図1のシール部15等においては、凸部が押しつぶされた痕跡が視認されるが、
図1~
図5の袋容器では、味噌が収容される容器の内表面に凸部を有することのみを明確に示すようにした。
【0015】
図1に示される自立性袋1は、一対の胴部シート11と底部シート12とからなる。そして、胴部シート11には、両側縁部を封止するシール部15が形成されている。底部シート12は、その周縁が両胴部シート11の下部内側に封止されてシール部16が形成されている。
ここで、胴部シート11及び底部シート12の各内面には、それぞれ、複数の凸部11e及び複数の凸部12eが形成されている。
図2に示すように、この自立性袋1に収容された味噌Mを備えることで味噌入り商品100となる。
【0016】
図3に示されるガゼット袋2は、胴部シート21とその両側縁部の一対のガゼットシート22とからなる。そして、胴部シート21及び一対のガゼットシート22が封止されてシール部25が形成されている。胴部シート21及びガゼットシート22の各内面には、それぞれ、複数の凸部21e及び複数の凸部22eが形成されている。
図4に示される三方袋3は、一対の胴部シート31からなる。そして、その両側縁部が封止されてシール部35が形成され、更にその底部が封止されてシール部36が形成されている。そして、胴部シート31の内面には複数の凸部31eが形成されている。
図5に示される合掌袋4は、一枚のシートを筒状に形成した胴部シート41からなる。そして、胴部シート41の内側縁どうしが封止されてシール部45が形成され、底部は封止されてシール部46が形成されている。そして、胴部シート41の内面には複数の凸部41eが形成されている。
【0017】
図1、
図3及び
図4の袋容器は、ガスバリア性を確保するため、開口部にチャック(図示せず)を備えることができる。
【0018】
カップ容器としては、例えば、
図6に示されるカップ容器5が挙げられる。
図6に示されるカップ容器5は、側面部51、底面部52、及び底面部52に対向する開口部55を有している。側面部51、底面部52の内面には、それぞれ、複数の凸部51e、52eが形成されている。カップ容器5は、底面部及び開口部をいずれも四角形(多角形)としているが、カップ容器は、これに限定されず、底面及び開口部の形状を円又は楕円としてもよい。
【0019】
本発明の味噌収容用容器の内表面には、複数の凸部が形成されている。本発明において、凸部は、全体としてパターン化されていることが好ましい。「パターン化された」とは、少なくとも一直線上で隣り合う凸部どうしが好ましくは等間隔に配列していることを意味する。
図7の(i)及び(ii)は、凸部を有する面を正面から見た「パターン化された凸部」を例示するものである。後述するように、1面における複数の凸部の形状及びサイズは、互いに同一であっても、異なってもよいので、(i)及び(ii)に限定されない。
【0020】
容器内表面における凸部の構造は、特に限定されず、
図8の(a)、(b)、(c)又は(d)の断面形状を有するものとすることができる。これらのうち、本発明の効果が十分に得られることから、(a)及び(b)の断面形状を有する凸部が好ましい。尚、凸部の断面形状は、上記所定の形状の相似形であってもよく、円錐形状、円錐台形状、角錐形状、角錐台形状、ドーム形状、横長ドーム形状、又は、縦長ドーム形状とすることができる。
【0021】
また、容器内表面における凸部の平面形状(容器内表面の凸部を有する面を正面から見たときの形状)は、円、楕円、多角形(三角形、四角形等)、線(直線、曲線等)、文字(数字、アルファベット等)等とすることができる。これらのうち、円、楕円及び多角形が好ましい。
容器内表面における凸部の高さは、好ましくは30~150μm、より好ましくは40~120μmである。
本発明において、複数ある凸部は、互いに同じ形状及びサイズであってよいし、異なってもよい。
【0022】
本発明において、容器内表面における凸部の数密度は、例えば、容器の内表面近くにある半固形の味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存することが抑制されることから、40~3000個/cm2であり、好ましくは45~1000個/cm2、より好ましくは50~450個/cm2である。このような数密度を有し、パターン化された凸部を備えると、上記効果を確実に得ることができる。更に、隣り合う凸部の単位長さあたりの個数は、特に限定されないが、好ましくは7~40個/cmである。
【0023】
また、容器内表面における凸部の合計面積、即ち、容器内表面を正面に見たときに全ての凸部が存在する平面部分の合計面積の割合は、好ましくは40%以上、より好ましくは50~80%である。このような割合であると、上記効果が十分に発揮される。
【0024】
次に、味噌収容用容器である袋容器及びカップ容器の製造方法について、説明する。
【0025】
(1)袋容器の製造方法
袋容器の製造原料は、特に限定されず、樹脂、紙、金属又は合金とすることができ、用途により、適宜、選択することができる。以下、
図9~
図12を用いて、樹脂製の袋容器を製造する方法並びに
図13を用いて、樹脂製のカップ容器を製造する方法を説明する。
樹脂製の袋容器は、原料資材として、後述の味噌容器形成用樹脂フィルムを用いて製造することが好ましい。味噌容器形成用樹脂フィルムは、1面側に複数の凸部を有する凸部樹脂層を備える樹脂フィルムであり、この樹脂フィルムを用いて、袋容器の内面側が凸部樹脂層で構成されるように製造する。尚、煩雑さを避けるため、
図9において、シール代11a及び11bにおいて存在するはずの凸部11e、21aの表示を省略している。
図10~
図12も同様である。
【0026】
(1―1)自立性袋の製造方法
図1に示される自立性袋1は、例えば、
図9に示される、一対の胴部シート素材11Aと、底部シート素材12Aとを用いて製造することができる。
胴部シート素材11Aは、側縁部に一対の帯状のシール代11aと下部に左右端に向かって上方向に拡幅するシール代11bが形成されている。底部シート素材12Aは、上方に向かって2つ折りに曲げ形成され、下部に左右端に向かって上方向に拡幅するシール代12aが形成されている。
胴部シート素材11Aの対向する内面側には、シール代11a、11bを除き複数の凸部11eが形成されている。また、底部シート素材12Aは、上面側に、シール部12aを除き複数の凸部12eが形成されている。
そして、胴部シート素材11Aの内面どうしをシール代11aで熱接着することでシール部15が形成され、胴部シート素材11Aのシール代11bと底部シート素材12Aのシール代12aとを熱接着することで、シール部16が形成され、胴部シート11と底部シート12からなる自立性袋1が製造される。
【0027】
(1-2)ガゼット袋の製造方法
図3に示されるガゼット袋2は、例えば、
図10に示される、一枚の胴部シート素材21Aと、一対の2つ折りにしたガゼットシート素材22Aとを用いて製造することができる。
胴部シート素材21Aの側縁部には、一対の帯状のシール代21aが形成されている。胴部シート素材21Aの1面側には、シール代21aを除き複数の凸部21eが形成されている。そして、その1面側を内側にして2つ折りに曲げ形成する。
ガゼットシート素材22Aの1面側には、一対の帯状のシール代22aを除き複数の凸部22eが形成されている。そして、1面側を外側にして2つ折りに曲げ形成する。
そして、2つ折りにした胴部シート素材21Aの内面側に一対のガゼットシート素材22Aを挿着する。そして、胴部シート素材21Aのシール代21aとガゼットシート素材22Aのシール代22aとを熱接着することで、シール部25が形成され、胴部シート21とガゼットシート25からなるガゼット袋2が製造される。
【0028】
(1-3)三方袋の製造方法
図4に示される三方袋3は、例えば、
図11に示される、一対の胴部シート素材31Aを用いて製造することができる。
胴部シート素材31Aの側縁部及び底部には、一対の帯状のシール代31aが形成されている。胴部シート素材31Aの1面側には、シール代31aを除き複数の凸部が形成されている。そして、1面側どうしを内側にして重ね合わせる。
そして、胴部シート素材31Aのシール代31aどうしを熱接着することで、シール部35を形成して、一対の胴部シート31からなる三方袋3が製造される。
【0029】
(1-4)合掌袋の製造方法
図5に示される合掌袋4は、例えば、
図12に示される、一枚の胴部シート素材41Aを用いて製造することができる。
一枚の胴部シート素材41Aの両側縁部及び底部には、一対の帯状のシール代41a、41bが形成されている。胴部シート素材41Aの1面側には、シール代41a、41bを除き複数の凸部が形成されている。そして、1面側を内側にして筒状にし、シール代41aの内面どうしを熱接着して、シール部45を形成する。更に、底部のシール代41bどうしを熱接着することで、シール部46を形成して、合掌袋4が製造される。
【0030】
(2)カップ容器の製造方法
カップ容器の製造原料は、特に限定されず、樹脂、紙、金属又は合金とすることができ、用途により、適宜、選択することができる。
樹脂製のカップ容器は、例えば、平滑な樹脂シートと、容器形状のキャビティを形成する金型とを用いて製造することができる。
図13は、
図6に示されるカップ容器であって、樹脂製容器を製造する方法を示す概略図である。金型は、上型80と下型90とからなり、上型80の側面80a、底面80bには、平滑な樹脂シート5Aに複数の凸部を形成させるための複数の凹凸が設けられている。初めに、平滑な樹脂シート5Aを加熱し、金型を備えた真空成形機にセットし、次いで、上型80を加圧して、樹脂シート5Aを、上型80及び下型90で密閉する。そして、図示しない真空孔から真空吸引することにより樹脂シート5Aを成形加工する。その後、冷却し、型開きする。これにより、側面部51、底面部52の内面に、それぞれ、複数の凸部51e、52eを備えるカップ容器5が製造される。
また、金属製のカップ容器の場合、上型に複数の凹凸が設けた金型を用いたプレス成形により、内面に複数の凸部を形成させ、金属製カップ容器を製造することができる。
【0031】
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムは、上記本発明の味噌収容用容器の製造に用いられ、1面側に、数密度が50~3000個/cm2である凸部を有する凸部樹脂層を備えるフィルムである。本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムは、凸部樹脂層のみからなる単層フィルムであってよいし、この凸部樹脂層と、1又は2以上の他の層とからなる複層フィルム(積層フィルム)でもよい。
【0032】
凸部樹脂層の断面形状は、特に限定されず、
図8の(a)、(b)、(c)又は(d)の断面形状を有するものとすることができる。これらのうち、本発明の効果が十分に得られることから、(a)及び(b)の断面形状を有する凸部が好ましい。尚、凸部の断面形状は、上記所定の形状の相似形であってもよく、円錐形状、円錐台形状、角錐形状、角錐台形状、ドーム形状、横長ドーム形状、又は、縦長ドーム形状とすることができる。
凸部樹脂層の断面構造は、特に限定されず、
図14の(A)、(B)又は(C)とすることができる。
図14の(A)は、上方側に凸部e1を、対応する下方側に凹部erを、それぞれ、備える断面構造を示す。
図14の(B)及び(C)は、上方側にのみ凸部e1、e2を備える断面構造を示す。(B)は、中実体からなる凸部e3の断面構造であり、(C)は、中空部ehを含む凸部e3の断面構造である。
【0033】
また、凸部樹脂層における凸部の平面形状(凸部樹脂層を正面から見たときの形状)は、円、楕円、多角形(三角形、四角形等)、線(直線、曲線等)、文字(数字、アルファベット等)等とすることができる。これらのうち、円、楕円及び多角形が好ましい。
凸部樹脂層における凸部の高さは、好ましくは40~120μm、より好ましくは50~110μmである。
本発明において、複数ある凸部は、互いに同じ形状及びサイズであってよいし、異なってもよい。
【0034】
本発明において、凸部樹脂層における凸部の数密度は、例えば、凸部樹脂層の凸部を有する表面に接触している半固形の味噌を、その一部が付着、残存することなく取り出すことができることから、40~3000個/cm2であり、好ましくは45~1000個/cm2、より好ましくは50~450個/cm2である。更に、隣り合う凸部の単位長さあたりの個数は、特に限定されないが、好ましくは7~40個/cmである。
【0035】
また、凸部樹脂層における凸部の合計面積、即ち、凸部樹脂層を正面に見たときに全ての凸部が存在する平面部分の合計面積の割合は、好ましくは40%以上、より好ましくは50~80%である。
【0036】
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムが単層フィルムである場合、凸部樹脂層のみからなる。含まれる樹脂は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー等の樹脂等が挙げられる。これらのうち、凸部の形状保持性、袋容器とした場合の耐衝撃性及びシール安定性等の観点から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。凸部樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂のみからなるものであってよいし、ポリオレフィン系樹脂と、食品用包装材に含まれる、従来、公知の樹脂添加剤とからなるものであってもよい。
【0037】
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムが複層フィルムである場合、凸部樹脂層と、この凸部樹脂層の凸部のない側に配された、1又は2以上の他の層とを備える。このように、複数の層からなるフィルムは、ガスバリア性、袋の自立性等の観点から、好ましい。
【0038】
2層型複層フィルムの場合、例えば、凸部樹脂層として、ポリオレフィン系樹脂(好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン)に由来する層、他の層として、二軸延伸ポリアミド(ONY)に由来する層を、それぞれ、備えるものとすることができる。二軸延伸ポリアミド(ONY)により、複層フィルムにガスバリア性を付与することができる。
【0039】
3層型複層フィルムの場合、例えば、凸部樹脂層を、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に由来する層とし、この凸部樹脂層に、二軸延伸ポリアミド(ONY)に由来する層、及び、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)に由来する層を、順次、備えるものとすることができる。二軸延伸ポリアミド(ONY)及び二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)により、複層フィルムにガスバリア性を付与することができる。この態様における、各層の厚さは、袋容器の形成性及び形状保持性並びにガスバリア性の観点から、LLDPE層は30~150μm、ONY層は13~17μm、OPET層は10~14μmであることが好ましく、LLDPE層は50~120μm、ONY層は14~16μm、OPET層は11~13μmであることが更に好ましい。
【0040】
また、4層型複層フィルムの場合、例えば、上記の3層型複層フィルムのOPET層に、更に、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)に由来する層を接着させたものとすることができる。このような構成の複層フィルムとすることで、特に、自立性袋の場合には腰感を高め、自立しやすくすることができる。
この態様における、各層の厚さは、LLDPE層は30~150μm、ONY層は13~17μm、OPET層は10~14μm、OPP層は27~33μmであることが好ましく、LLDPE層は50~120μm、ONY層は13~17μm、OPET層は10~14μm、OPP層は28~32μmであることが更に好ましい。
【0041】
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムを製造する方法は、通常、該フィルムの構造により、選択され、特に限定されない。フィルムの1面側にパターン化された凸部を形成する場合、エンボス加工、デボス加工、空押し加工等を適用することができる。これらのうち、エンボスロールを用いた熱成型によるエンボス加工が好ましい。尚、本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムが複層フィルムの場合、凸部が形成されていない積層フィルムの1面側に対して、上記加工を適用してもよいが、その厚さによっては、形成される凸部が明瞭でない場合がある。即ち、凸部が形成されたシーラント層と次の層とはドライラミネートするのを基本とする。シーラント層と次の層とを押し出しラミネートする場合、300℃程度の加熱を要するため、熱で凸部(エンボス)の目が消失するおそれがある。
そのため、複層フィルムからなる味噌容器形成用樹脂フィルムを製造する場合、単層フィルムに対して、パターン化された凸部を形成した後、他のフィルムとともに一体化させる方法を適用することが好ましい。
一方、シーラント層を含まない層どうしでは、厚みや耐ピンホール性を高めるために押し出しラミネートすることが好ましい。
【0042】
ガスバリア性を有する複層フィルムからなる味噌容器形成用樹脂フィルムを製造する場合、上記のように、ガスバリア性を有するフィルムを用いることが好ましいが、複数のフィルムを接着積層する際に、例えば、ガスバリア性を付与する素材を配合したドライラミネート液を使用してもよい。また、収容する味噌の光劣化を抑制するため、紫外線等の光の侵入する素材を配合したラミネート液を使用してもよい。
【実施例0043】
以下、味噌容器形成用樹脂フィルムの製造及び評価、並びに、味噌容器形成用フィルムを用いた自立性袋の製造例について、具体的に説明する。
【0044】
1.味噌容器形成用樹脂フィルムの製造及び評価
東洋紡社製低密度ポリエチレンフィルム(厚さ:60μm)に対して、1面側表面に、平面形状が菱形で断面形状が角錐台形である凸部、又は、平面形状が円形で断面形状がドーム状である凸部が等間隔に配列されるようエンボス加工したもの、あるいは、フィルムを未加工のまま用い、市販品である、ハナマルキ社製「無添加こうじ味噌」(商品名、以下、「味噌A」という)又はマルサンアイ社製「ミックス味噌」(商品名、以下、「味噌B」という)を用いた下記の試験方法により、付着残存性の評価を行った。
【0045】
(付着残存性の試験方法)
図15に示すように、同じ味噌容器形成用樹脂フィルムF1及びF2を用いて、凸部を有する面どうしの間であって、約100mm×約100mmの領域に、厚さが約8mmとなるように味噌を挟み、室温で30分間放置した。その後、上下さかさまにしてフィルムF2を剥離し、フィルムF2における凸部を有する面における味噌の付着残存を目視観察し、下記判定基準により評価した。また、未処理の樹脂フィルムについても同様に2枚用いて、同じ試験を行った。
〇:味噌の載置領域における付着残存面積割合が5%未満であった。
×:味噌の載置領域における付着残存面積割合が40%以上であった。
【0046】
比較例1
未処理フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
比較例2
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、2つの対角線の長さが、それぞれ、約2mm及び約3mmである菱形の凸部が、等間隔で約30個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
実施例1
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、直径が約500μmである円形の凸部が、等間隔で約60個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0049】
実施例2
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、直径が約450μmである円形の凸部が、等間隔で約120個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
実施例3
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、2つの対角線の長さが、それぞれ、約600μm及び約800μmである菱形の凸部が、等間隔で約230個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0051】
実施例4
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、2つの対角線の長さが、それぞれ、約400μm及び約550μmである菱形の凸部が、等間隔で約330個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0052】
実施例5
凹凸パターンを有するエンボスロールを用いて、未処理フィルムの1面側に、直径が約150μmである円形の凸部が、等間隔で約2860個/cm2となるように形成された味噌容器形成用樹脂フィルムを製造した。この味噌容器形成用樹脂フィルムに対して、付着残存性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0053】
【0054】
2.味噌収容用容器(自立性袋)の製造
実施例3で得られた味噌容器形成用樹脂フィルム(以下、「第1フィルム」という)、下記の各種フィルム及び接着剤を用いて、ドライラミネートを行い、自立性袋の形成に用いる複層フィルム(味噌容器形成用樹脂フィルム)を作製し、その後、この複層フィルムを用いて、
図1に示す自立性袋からなる味噌収容用容器を製造した。
(1)東洋紡社製2軸延伸ポリアミドフィルム(厚さ:15μm)
(2)東洋紡社製2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:12μm)
(3)東洋紡社製2軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ:30μm)
【0055】
実施例6
各フィルムの間に接着剤を配した状態で、上方側から、凸部を表面側(上面側)とした第1フィルム、ポリアミドフィルム及びポリエチレンテレフタレートフィルムの順に積載し、次いで、加圧して、厚さ117μmの複層フィルム(以下、「複層フィルム(L1)」という)を得た。この複層フィルムL1を裁断加工し、
図9に示すような胴部シート素材11A及び底部シート素材12Aの各形状に調整した。そして、底部シート素材12Aを2つ折りとし、胴部シート素材11Aのシール代11bと底部シート素材12Aのシール代12aとを熱接着、更に、胴部シート素材11Aの内面側(凸部を有する側)どうしをシール代11aで熱接着することで、それぞれ、シール部16及びシール部15を形成させ、内表面に第1フィルムに由来する凸部を有し、サイズが、幅200mm、高さ200mmの胴部シート及び底マチ50mm×2の底部シートからなる自立性袋1を得た(
図1参照)。
【0056】
実施例7
各フィルムの間に接着剤を配した状態で、上方側から、凸部を表面側(上面側)とした第1フィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリプロピレンフィルムの順に積載し、次いで、加圧して、厚さ107μmの複層フィルム(以下、「複層フィルム(L2)」という)を得た。
その後、この複層フィルム(L2)を用いて、実施例6と同様の操作を行い、内表面に第1フィルムに由来する凸部を有する、胴部シート及び底部シートからなる自立性袋を得た。
【0057】
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例を挙げると、実施例1~5の味噌容器形成用樹脂フィルムを、例えば、
図6の形状を有し、凹凸がなく平らな内表面の容器の該内表面に沿うように、容器状に加工して得られた容器保護体を用いることができる。
本発明の味噌収容用容器は、その中に充填、収容された半固形の味噌を、調理又は移し替えのため取り出す際に、特に、容器の内表面近くにある味噌を取り出す際に、一部の味噌が内表面に付着、残存することが抑制されるという作用を有するので、味噌を使い切った後の、廃棄作業を簡易化することができる味噌入り商品を提供することができる。
また、本発明の味噌収容用容器は、市販の味噌入り商品から味噌のみ移し替えた後、調理のため取り出す際に、一部の味噌が内壁又は底面に付着、残存することが抑制される樹脂製容器とすることもできる。
本発明の味噌容器形成用樹脂フィルムは、本発明の効果を十分に発揮する味噌収容用容器である、樹脂製の袋容器(三方袋、ガゼット袋、自立性袋等)を製造するための原料資材として好適である。