(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045860
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20230327BHJP
G01S 17/88 20060101ALI20230327BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
G08B21/02
G01S17/88
G08B25/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154464
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】長坂 憲士朗
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳輝
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5J084
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA53
5C086BA30
5C086CA11
5C086CB40
5C086DA08
5C086DA40
5C086FA01
5C086FA06
5C086FA11
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA07
5C087AA31
5C087AA37
5C087DD03
5C087DD49
5C087EE07
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
5J084AA04
5J084AB07
5J084AC07
5J084BA20
5J084BA49
5J084BB02
5J084BB28
5J084EA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】危険源への周辺への物体の進入の検出精度の低下を抑制でき、危険源からの退避方向を容易に確認できる監視装置及び監視方法を提供する。
【解決手段】監視環境C1に配置され、危険源(ロボット装置30)の周辺への進入を監視する監視装置10は、不可視光を用いて、危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域MR内に進入した物体(作業者等)の位置を検出する検出部と、検出された物体の進入位置に基づいて、物体の進入位置に対して、物体が危険源から遠ざかる方向を示すか又は危険源に近づいている状態であることを示す案内情報GIを報知する報知部と、を備える。所定時刻に検出部により検出可能な検出方向と、所定時刻に報知部により報知可能な報知方向とは異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険源の周辺への進入を監視する監視装置であって、
不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源から遠ざかる方向を示す案内情報を報知する報知部と、
を備え、
所定時刻に前記検出部により検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記報知部により報知可能な報知方向と、が異なる、
監視装置。
【請求項2】
前記報知部は、可視光を照射する可視光照射部を含み、
前記可視光照射部は、前記監視装置から前記物体の進入位置に向かう物体進入方向に可視光を照射することで、前記案内情報を表示する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記監視領域は、前記危険源の動作可能範囲に応じて設定された第1領域と、前記第1領域の周囲に設定された第2領域と、を含み、
前記可視光照射部は、前記第1領域に前記物体が進入したことが検出された場合、前記案内情報として、前記第2領域の前記物体進入方向に対応する第2部分領域に、可視光を照射する、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記監視領域は、前記危険源の動作可能範囲に応じて設定された第1領域と、前記第1領域の周囲に設定された第2領域と、を含み、
前記可視光照射部は、前記第1領域に前記物体が進入したことが検出された場合、前記第1領域の前記物体進入方向に対応する第1部分領域と、前記第2領域の前記物体進入方向に対応する第2部分領域とに、異なる照射態様で、可視光を照射する、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項5】
前記可視光照射部は、前記検出部により前記監視領域内に複数の物体の進入が検出された場合、前記監視装置から前記複数の物体のそれぞれに向かう複数の物体進入方向のそれぞれに可視光を照射することで、複数の前記案内情報を報知する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項6】
前記報知部は、指向性を有し、音を出力する音出力部を含み、
前記音出力部は、前記監視装置から前記物体の進入位置に向かう物体進入方向に所定の音を出力することで、前記案内情報を報知する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項7】
前記監視領域は、前記危険源の動作可能範囲に応じて設定された第1領域と、前記第1領域の周囲に設定された第2領域と、を含み、
前記音出力部は、前記第1領域に前記物体が進入したことが検出された場合、前記第1領域の前記物体進入方向に対応する第1部分領域に対して、前記案内情報に対応する音声メッセージを出力する、
請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記音出力部は、前記検出部により前記監視領域内に複数の物体の進入が検出された場合、前記監視装置から前記複数の物体のそれぞれに向かう複数の物体進入方向のそれぞれに所定の音を出力することで、複数の前記案内情報を報知する、
請求項6又は7に記載の監視装置。
【請求項9】
第1平面に沿って前記検出部の回転を補助する回転機構部、を更に備え、
前記回転機構部は、前記第1平面に対して傾斜して配置されたミラー固定部を備え、
前記検出部は、
第1の不可視光を発する不可視光源と、
第2の不可視光を受光する受光部と、
前記ミラー固定部の第1面に固定された第1回転ミラーと、を備え、
前記第1回転ミラーは、
前記不可視光源からの前記第1の不可視光を反射して前記監視装置の外部に導き、
前記監視装置の外部からの前記第2の不可視光を反射して前記受光部に導く、
請求項1~8のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項10】
前記報知部は、可視光を照射する可視光照射部を含み、
前記可視光照射部は、
前記可視光を発する可視光源と、
前記ミラー固定部の前記第1面とは反対側の第2面に固定された第2回転ミラーと、を備え、
前記第2回転ミラーは、前記可視光源からの前記可視光を反射して前記監視装置の外部に導き、前記可視光の照射距離を調整可能である、
請求項9に記載の監視装置。
【請求項11】
前記第2回転ミラーは、複数のミラーを含み、
前記複数のミラーは、前記第1平面に対する設置角度が異なる、
請求項10に記載の監視装置。
【請求項12】
前記第2回転ミラーは、凸面鏡を含む、
請求項10又は11に記載の監視装置。
【請求項13】
前記第2回転ミラーは、単一の平面ミラーであり、
前記可視光照射部は、前記監視装置の前記第1平面に沿う方向の周端面に沿って配置され、前記平面ミラーからの前記可視光を通過させるレンズを備える、
請求項10に記載の監視装置。
【請求項14】
前記検出部の少なくとも一部を収容する筐体、を更に備え、
前記可視光照射部は、前記筐体の外面に配置された複数の可視光源を含み、
前記複数の可視光源の光軸は、それぞれ異なる、
請求項10に記載の監視装置。
【請求項15】
前記検出部の少なくとも一部を収容する筐体、を更に備え、
前記音出力部は、前記筐体の外面に配置された複数のスピーカを含み、
前記複数のスピーカの音軸は、それぞれ異なる、
請求項6~8のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項16】
前記監視装置は、ライダ装置である、
請求項1~15のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項17】
危険源の周辺への進入を監視する監視装置であって、
不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源に近づいている状態であることを示す接近案内情報を報知する報知部と、
を備え、
所定時刻に前記検出部により検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記報知部により報知可能な報知方向と、が異なる、
監視装置。
【請求項18】
前記報知部は、可視光を照射する可視光照射部を含み、
前記可視光照射部は、前記監視装置から前記物体の進入位置に向かう物体進入方向に可視光を照射することで、前記接近案内情報を表示する、
請求項17に記載の監視装置。
【請求項19】
前記監視領域は、前記危険源の動作可能範囲に応じて設定された第1領域と、前記第1領域の周囲に設定された第2領域と、を含み、
前記可視光照射部は、前記第2領域に前記物体が進入したことが検出された場合、前記接近案内情報として、前記第1領域の前記物体進入方向に対応する第1部分領域に、可視光を照射する、
請求項18に記載の監視装置。
【請求項20】
前記監視領域は、前記危険源の動作可能範囲に応じて設定された第1領域と、前記第1領域の周囲に設定された第2領域と、を含み、
前記可視光照射部は、前記第2領域に前記物体が進入したことが検出された場合、前記第1領域の前記物体進入方向に対応する第1部分領域と、前記第2領域の前記物体進入方向に対応する第2部分領域とに、異なる照射態様で、可視光を照射する、
請求項18に記載の監視装置。
【請求項21】
前記可視光照射部は、前記検出部により前記監視領域内に複数の物体の進入が検出された場合、前記監視装置から前記複数の物体のそれぞれに向かう複数の物体進入方向のそれぞれに可視光を照射することで、複数の前記接近案内情報を報知する、
請求項18~20のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項22】
危険源の周辺への進入を監視する監視方法であって、
不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出するステップと、
検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源から遠ざかる方向を示す案内情報を報知するステップと、
を有し、
所定時刻に前記物体の進入位置を検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記案内情報を報知可能な報知方向と、が異なる、
監視方法。
【請求項23】
危険源の周辺への進入を監視する監視方法であって、
不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出するステップと、
検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源に近づいている状態であることを示す接近案内情報を報知するステップと、
を有し、
所定時刻に前記物体の進入位置を検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記接近案内情報を報知可能な報知方向と、が異なる、
監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボット周辺への物体の侵入を監視する監視システムが知られている(特許文献1参照)。この監視システムの1つとして、ロボットの動作可能範囲を包含するように設定された動作領域への予め登録されていない新規物体の侵入を監視するセンサ部と、ロボットより高い位置から、動作領域と動作領域の周囲に設定された所定領域との少なくとも一方の少なくとも外縁部に向けて可視光を照射する可視光照射部と、センサ部により動作領域内への新規物体の侵入が有ると判定されたときに、ロボットを制御するロボット制御部にロボットの停止要求を発行する監視制御部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の監視システムでは、動作領域と動作領域の周囲に設定された所定領域との少なくとも一方の少なくとも外縁部に向けて可視光を照射されるので、領域境界線のみが可視化される。そのため、可視光が照射された領域境界線を基準にどの方向に移動すると危険から遠ざかるかを把握し難い。また、領域境界線のみの可視化では、危険源に近づいていることを把握し難い。
【0005】
また、この監視システムでは、新規物体の侵入を検出する不可視光と、上記の外縁部に照射される可視光と、の照射方向は、同一時刻において同一の方向とされている。具体的には、不可視光を照射する不可視光源と可視光を照射する可視光源とは、同一の位置から同一の方向に向けて同一時刻に各光を発する。そのため、可視光と不可視光とが同一の経路を進行することで可視光と不可視光とが干渉する可能性があり、新規物体の侵入の検出精度が低下し得る。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、危険源への周辺への物体の進入の検出精度の低下を抑制でき、危険源からの退避方向を容易に確認できる監視装置及び監視方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、危険源の周辺への進入を監視する監視装置であって、不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源から遠ざかる方向を示す案内情報を報知する報知部と、を備え、所定時刻に前記検出部により検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記報知部により報知可能な報知方向と、が異なる、監視装置である。
【0008】
本開示の一態様は、危険源の周辺への進入を監視する監視方法であって、不可視光を用いて、前記危険源の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域内に進入した物体の位置を検出するステップと、検出された前記物体の進入位置に基づいて、前記物体の進入位置に対して、前記物体が前記危険源から遠ざかる方向を示す案内情報を報知するステップと、を有し、所定時刻に前記物体の進入位置を検出可能な検出方向と、前記所定時刻に前記案内情報を報知可能な報知方向と、が異なる、監視方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、危険源への周辺への物体の進入の検出精度の低下を抑制でき、危険源からの退避方向を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態における監視装置が配置される監視環境の一例を示す模式図
【
図2A】側方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図2B】上方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図8】監視装置による複数人進入時の領域表示例を示す図
【
図9】上方及び側方から見た検出部及び回転機構部の構成例を示す図
【
図10】側方から見た可視光照射部の第1構成例を示す図
【
図11】側方から見た可視光照射部の第2構成例を示す図
【
図12】側方から見た可視光照射部の第3構成例を示す図
【
図13A】変形例における側方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図13B】変形例における上方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図14】第2の実施形態における監視装置による正常時の領域音出力例を示す図
【
図15】監視装置による注意時の領域音出力例を示す図
【
図16】監視装置による警戒時の領域音出力例を示す図
【
図17】監視装置による危険時の領域音出力例を示す図
【
図18】監視装置による複数人進入時の領域音出力例を示す図
【
図19A】第2の実施形態における側方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図19B】第2の実施形態における上方から見た監視装置の外観例を示す概略図
【
図20A】第1ユースケースにおけるラックシステムと荷物運搬装置と監視装置との一例を示す模式図
【
図20B】荷物運搬装置に設置された監視装置と、載置棚から突出した荷物と、の一例を示す図
【
図20C】第1ユースケースにおける防護領域と警戒領域との一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
<監視環境の説明>
図1は、実施形態における監視装置10が配置される監視環境C1の一例を示す図である。監視環境C1は、例えば工場内であり、安全な作業がされているかどうかが監視装置10により監視されている。監視装置10は、例えば、ライダ(LiDAR)装置であり、電動光機械式のライダ装置である。監視環境C1には、例えば、監視装置10及びロボット装置30が配置される。
図1では、ロボット装置30がベース40上に配置され、監視装置10がベース40上のロボット装置30の近傍に配置されているが、これに限られない。また、監視環境C1には、作業者H1やその他の物体が存在し得る。作業者H1は、例えば、監視環境C1を目視確認、ロボット装置30の確認又はロボット装置30により製造された製造物の確認等を行う。その他の物体は、例えば工場内での作業に必要な物体や車両が考えられる。
【0013】
作業者H1がロボット装置30に接近すると、ロボット装置30の動作により作業者H1に対して危険が生じ得る。そのため、ロボット装置30の動作可能範囲(例えばロボットアーム等が到達可能な範囲)を基に、監視領域MRが設定される。監視装置10は、監視領域MR内を監視し、監視領域MR内に作業者H1等の物体が存在するか否かを検出する。監視領域MRに物体が存在することが検出された場合には、監視装置10は、物体がロボット装置30から遠ざかる方向を示す案内情報GIを視覚的又は聴覚的に報知する。案内情報GIは、警告情報の1つである。したがって、監視装置10は、警告報知機能付きのエリアスキャナとして動作可能である。また、案内情報GIは、物体がロボット装置30から遠ざかる方向を示す情報の代わりに、物体がロボット装置30に近づいている状態であることを示す接近案内情報を含んでもよい。
【0014】
<監視装置の構成>
図2Aは、側方から見た監視装置10の外観例を示す概略図である。
図2Bは、上方から見た監視装置10の外観例を示す概略図である。
【0015】
なお、本実施形態では、x方向、y方向及びz方向を規定している。x方向は、監視装置10が設置される設置面P1に平行なxy平面における任意の方向である。y方向は、xy平面においてx方向に垂直な方向である。z方向はxy平面に垂直な方向である。xy平面は、例えば水平方向に平行である。z方向は、例えば重力方向に平行である。z方向の正側を上とも記載し、z方向の負側を下とも記載する。
【0016】
監視装置10は、下筐体15と上筐体16とを有する。下筐体15は、例えば直方体形状(箱型形状)を有するが、その他の形状であってもよい。下筐体15は、例えば、透光性を有さず、金属により構成可能である。上筐体16は、上方から見ると円形状を有しており、監視装置10の設置面P1に近い方から設置面P1に遠い方に向けて拡径する形状を有するが、その他の形状(例えば直方体形状)であってもよい。上筐体16は、例えば樹脂により構成可能であり、少なくとも一部に透光性を有する透光窓を有する。透光窓は、例えば、監視装置10の内部から外部へ及び外部から内部へ不可視光(例えば赤外光)及び可視光を透過可能である。なお、透光窓は、可視光に対して透光性を有しなくてもよい。また、上筐体16は、上筐体16の全体が透光性を有する場合には、透光性を有する有色又は無色のカバーであってもよい。
【0017】
図3は、監視装置10の構成例を示すブロック図である。監視装置10は、検出部110と、報知部120と、回転機構部130と、通信部140と、制御部150と、記憶部160と、を含む構成である。
【0018】
検出部110は、不可視光(例えば不可視レーザ光)を用いて、ロボット装置30の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域MR内に存在する物体(例えば作業者H1)の位置を検出する。検出部110の具体的な構成については後述する。
【0019】
報知部120は、検出部110により検出された物体の位置に基づいて、物体の位置に対して、物体がロボット装置30から遠ざかる方向を示す案内情報GIを報知する。本実施形態では、報知部120は、可視光(例えば可視レーザ光)を照射する可視光照射部120Aを含む。可視光照射部120Aは、監視装置10から検出物体(例えば作業者H1)の位置に向かう物体進入方向dr1に可視光を照射することで、案内情報GIを表示する。報知部120の具体的な構成については後述する。
【0020】
また、可視光照射部120Aは、監視領域MR内の各領域に、可視光を照射してよい。監視領域MRは、例えば、ロボット装置30に近い側から順に、防護領域R3、警戒領域R2、及び注意領域R1を含んでよい。防護領域R3は、ロボット装置30の動作可能範囲に基づいて設定され、ロボット装置30の動作可能範囲の一部又は全部を含む。防護領域R3は、危険源としてのロボット装置30から防護するために、進入が禁止される領域である。警戒領域R2は、防護領域R3の周囲に設定される。警戒領域R2は、ロボット装置30からの距離が比較的近いために、進入しないことが推奨される領域である。注意領域R1は、警戒領域R2の周囲に設定される。注意領域R1の幅は、例えば、JIS規格で規定された水平安全距離dsに相当する長さである。注意領域R1は、進入する際に注意が必要な領域である。なお、監視領域MRは、注意領域R1を含まなくてもよい。なお、監視領域MRの外側の領域では、進入が規制されず、例えば作業者H1は自由に移動可能である。
【0021】
可視光照射部120Aは、監視領域MR内の異なる領域(例えば防護領域R3、警戒領域R2、注意領域R1)に対して、異なる照射態様(例えば可視光の照射パターン、照射色)で、可視光を照射してよい。例えば、防護領域R3には赤色の可視光が照射され、警戒領域R2には黄色の可視光が照射され、注意領域R1には緑色の可視光が照射されてよい。また、可視光照射部120Aは、検出された物体の位置に基づいて、監視領域MR内のどの領域に可視光を照射するかを決定し、決定された領域に、この領域に対応する可視光を照射してよい。
【0022】
回転機構部130は、検出部110の一部(後述)を回転させる。回転機構部130は、可視光照射部120Aの一部(後述)を回転させてもよい。なお、回転機構部130は、実際に回転する構成部の他に、固定配置された回転を補助する構成部を含むこともある。
【0023】
通信部140は、各種データや情報を外部装置(例えばロボット装置30)との間で通信する。通信部140は、有線通信でも無線通信でもよい。通信部140による通信方式は、LAN(Local Area Network)通信、WAN(Wide Area Network)通信、電力線通信、近距離通信、又は携帯電話用の通信(例えばLTE(Long Term Evolution)通信、5G(5th Generation)通信)等を含んでよい。
【0024】
制御部150は、例えばプロセッサにより構成され、記憶部160に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。制御部150は、監視装置10の各部の動作を統括し、各種処理を行う。例えば、制御部150は、検出部110による検出動作、報知部120による報知動作、又は回転機構部130による回転動作等を制御する。
【0025】
制御部150は、検出部110により検出された作業者H1が進入した位置(作業者H1の進入位置、作業者H1の検出位置ともいう)に基づいて、ロボット装置30の動作の制御を指示してよい。例えば、制御部150は、防護領域R3内に作業者H1が進入していると検出された場合、通信部140を介して、ロボット装置30の動作を停止するための動作停止指示信号を、ロボット装置30へ送信する。例えば、制御部150は、警戒領域R2内に作業者H1が進入していることが検出された場合、ロボット装置30の動作を制限するための動作制限指示信号をロボット装置30へ送信する。ロボット装置30の動作の制限には、例えば、ロボット装置30の動作を正常時よりも遅くすることを含んでよい。
【0026】
ロボット装置30は、監視装置10から各種指示信号を受信すると、指示信号に従って動作する。ロボット装置30は、監視装置10から動作停止指示信号を受信した場合、動作停止指示信号に従って動作を停止(例えば緊急停止)してよい。ロボット装置30は、監視装置10から動作停止制限信号を受信した場合、動作停止制限信号に従って動作を制限してよい。このように、監視装置10は、作業者H1の進入位置の危険源からの距離に応じて、危険源の動作を変更可能である。
【0027】
記憶部160は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。記憶部160は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。記憶部160は、その他の記憶装置を含んでよい。記憶部160は、各種データ、情報、又はプログラム等を記憶する。例えば記憶部160は、監視領域MRに関する情報(例えば監視領域MRの位置、サイズの情報)、監視領域MRの各領域に照射される可視光に関する情報(例えば照射態様の情報)、監視領域MR内に照射される不可視光に関する情報(例えば照射態様の情報)、等を記憶してよい。不可視光の照射態様は、例えば、不可視光の照射間隔、不可視光の周波数、又は照射パターン等を含んでよい。
【0028】
<領域に対応する可視光照射>
図4は、監視装置10による正常時の領域表示例を示す図である。作業者H1が監視領域MR内のいずれの領域にも進入していない場合、つまり作業者H1が注意領域R1の外側に所在する場合、検出部110により監視領域MR内への進入が検出されない。この場合(正常時ともいう)、可視光照射部120Aは、監視領域MR内のいずれの領域にも可視光を照射せず、監視領域MR内のいずれの領域も可視化しない。この場合でも、作業者H1が監視領域MR内に進入していないので、作業者H1の安全は確保される。
【0029】
図5は、監視装置10による注意時の領域表示例を示す図である。作業者H1が注意領域R1に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の注意領域R1への進入が検出される。この場合(注意時ともいう)、可視光照射部120Aは、制御部150の制御に従って、注意領域R1の進入位置(検出位置)の周辺である注意部分領域R11に対して、注意領域R1に対応した可視光を照射し、注意部分領域R11を可視化する。この進入領域への可視光の照射は、接近案内情報の報知の一例である。注意部分領域R11は、注意領域R1において、監視装置10から注意領域R1の進入位置(検出位置)に向かう物体進入方向dr1にある一部の領域である。これにより、作業者H1は、注意領域R1に進入したことを認識可能であり、ロボット装置30に接近していることを認識可能である。また、可視光照射部120Aは、警戒領域R2における物体進入方向dr1にある警戒部分領域R21に、警戒領域R2に対応した可視光を照射し、警戒部分領域R21を可視化してもよい。この場合、注意部分領域R11と警戒部分領域R21とで異なる照射態様で可視光を照射してよい。この異なる照射態様での各領域への可視光の照射は、接近案内情報の報知の一例である。これにより、作業者H1は、注意領域R1よりもロボット装置30側にある警戒領域R2を認識可能であり、ロボット装置30に接近していることを認識可能である。
【0030】
図6は、監視装置10による警戒時の領域表示例を示す図である。作業者H1が警戒領域R2に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の警戒領域R2への進入が検出される。この場合(警戒時ともいう)、可視光照射部120Aは、制御部150の制御に従って、警戒領域R2の進入位置の周辺である警戒部分領域R21に対して、警戒領域R2に対応した可視光を照射し、警戒部分領域R21を可視化する。この進入領域への可視光の照射は、接近案内情報の報知の一例である。これにより、作業者H1は、警戒領域R2のどの位置に進入したかを認識可能である。また、可視光照射部120Aは、防護領域R3における物体進入方向dr1にある防護部分領域R31に、防護領域R3に対応した可視光を照射し、防護部分領域R31を可視化してもよい。この場合、警戒部分領域R21と防護部分領域R31とで異なる照射態様で可視光を照射してよい。この異なる照射態様での各領域への可視光の照射は、接近案内情報の報知の一例である。これにより、作業者H1は、警戒領域R2よりもロボット装置30側にある防護領域R3を認識可能であり、ロボット装置30に一層接近していることを認識可能である。
【0031】
図7は、監視装置10による危険時の領域表示例を示す図である。作業者H1が防護領域R3に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の防護領域R3への進入が検出される。この場合(危険時ともいう)、可視光照射部120Aは、制御部150の制御に従って、防護領域R3の進入位置の周辺である防護部分領域R31に対して、防護領域R3に対応した可視光を照射し、防護部分領域R31を可視化する。これにより、作業者H1は、防護領域R3のどの位置に進入したかを認識可能である。
【0032】
また、作業者H1が防護領域R3に進入したことが検出された場合、可視光照射部120Aは、制御部150の制御に従って、作業者H1と監視装置10とを結ぶ半径方向において、作業者H1の位置を含む周辺(進入領域とも称する)よりも1つ外側(監視装置10から遠ざかる側)の領域(退避領域とも称する)を示す可視光を照射する。例えば、可視光照射部120Aは、防護領域R3内(進入領域)の作業者H1の位置の周辺(進入部分領域とも称する)の外側にある警戒領域R2(退避領域)の位置の周辺(退避部分領域とも称する)に対して、警戒領域R2に対応する可視光を照射する。退避部分領域は、監視装置10から作業者H1が進入した位置に向かう物体進入方向dr1に存在する。作業者H1は、警戒部分領域R21(退避部分領域)へ照射された可視光を確認することで、ロボット装置30から遠ざかる方向(退避方向)を容易に確認できる。なお、防護領域R3への進入に限らず、警戒領域R2に作業者H1が進入したことが検出された場合に、可視光照射部120Aは、退避部分領域としての注意部分領域R11に対して、注意領域R1に対応する可視光を照射してもよい。このような作業者H1が所在する位置の1つ外側の領域を表示することは、案内情報GIの表示の一例である。
【0033】
また、この結果、防護領域R3の作業者H1が位置する防護部分領域R31とその外側の警戒部分領域R21とに対して、各領域に対応する可視光が照射されることで、異なる照射態様で、可視光が照射されることになる。同様に、警戒領域R2の作業者H1が位置する警戒部分領域R21とその外側の注意部分領域R11とに対して、各領域に対応する可視光が照射されることで、異なる照射態様で可視光が照射されてもよい。このような異なる照射態様での可視光の照射は、案内情報GIの表示の一例である。
【0034】
図8は、監視装置10による複数人進入時の領域表示例を示す図である。防護領域R3に複数の作業者H1が進入したことが検出された場合、可視光照射部120Aは、作業者H1毎に、作業者H1の進入位置の周辺である進入部分領域に対して、作業者H1の進入領域に対応する可視光を照射する。また、上述のように、可視光照射部120Aは、作業者H1毎に、進入部分領域の1つ外側にある退避部分領域に対して、退避領域に対応する可視光を照射する。
図8では、作業者H11の進入方向が物体進入方向dr11であり、作業者H12の進入方向が物体進入方向dr12であることが示されている。
【0035】
例えば、2人の作業者H1のうちの作業者H11が防護領域R3に進入し、作業者H12が警戒領域R2に進入したことが検出されたとする。この場合、可視光照射部120Aは、防護部分領域R31に防護領域R3に対応する可視光を照射し、警戒部分領域R22に警戒領域R2に対応する可視光を照射する。また、この場合、可視光照射部120Aは、防護領域R3に位置する作業者H11の退避部分領域である警戒部分領域R21に対して、警戒領域R2に対応する可視光を照射してよく、警戒領域R2に位置する作業者H12の退避部分領域である注意部分領域R12に対して、注意領域R1に対応する可視光を照射してよい。
【0036】
また、可視光照射部120Aは、退避方向を示す案内情報GIと同様に、接近状態を示す接近案内情報を作業者H1毎に報知してもよい。この場合、例えば、監視領域MR内に複数の作業者H1が進入したことが検出された場合、可視光照射部120Aは、作業者H1毎に、作業者H1の進入位置の周辺である進入部分領域に対して、作業者H1の進入領域に対応する可視光を照射する。また、上述のように、可視光照射部120Aは、作業者H1毎に、進入領域の作業者H1の位置の周辺(進入部分領域)の内側にある接近領域の位置の周辺(接近部分領域とも称する)に対して、接近領域に対応する可視光を照射する。接近部分領域は、監視装置10から作業者H1が進入した位置に向かう物体進入方向dr1に存在する。これにより、作業者H11,H12は、監視領域MRのどの領域又はどの位置に進入したか等を認識可能である。また、作業者H11,H12は、複数の作業者H1のうちどの作業者H1がロボット装置30に近づいたか、いずれの作業者H1もロボット装置30に近づいた状態であるのか、等を判別できる。
【0037】
<検出部、報知部、及び回転機構部の具体的な構成>
次に、監視装置10の検出部110、報知部120、及び回転機構部130の構成の具体例について説明する。
【0038】
図9は、上方及び側方から見た検出部110及び回転機構部130の構成例を示す図である。
【0039】
まず、回転機構部130について説明する。回転機構部130は、一例として、外周に配置されたコイルと内周に配置された磁石とを含み、中空モータを構成する。中空モータでは、制御部150によりコイルを流れる電流を切り替えて、磁石を含む回転部が一体となって回転する。
【0040】
具体例として、回転機構部130は、監視装置10を設置する設置面P1に沿って、検出部110及び可視光照射部120Aが回転することを補助する。回転機構部130は、外側筒状部131と、内側筒状部132と、複数の磁石133と、複数のコイル134と、ミラー固定部135と、ベアリング136と、を含む構成である。
【0041】
外側筒状部131は、z方向に沿う円環状の周壁部131aと、xy平面に沿う底部131bと、xy平面に沿って外側筒状部131の中央部に位置する軸体131cと、を有する。軸体131cに対応する底部131bの中央部は、開口部となっている。周壁部131aの内面には、複数(例えば8個)のコイル134が設置される。外側筒状部131は、内方に、内側筒状部132の少なくとも一部を収容する。外側筒状部131の軸体131cと内側筒状部132の半径方向の中央部との間には、ベアリング136が挿入されてよい。ベアリング136は、軸体131cを回転中心とした内側筒状部132の回転を円滑化できる。外側筒状部131自体は、固定設置され、回転しない。
【0042】
内側筒状部132は、外側筒状部131の内方に配置される。内側筒状部132は、外周が、z方向に沿う周壁部132aと、一部がxy平面に沿う上壁部132cと、で形成される。内側筒状部132は、上壁部132cに対向する底部を有しておらず、上壁部132cに対向して開口部を有する。周壁部132aの外周面には、複数(例えば8個)の磁石133が固定設置される。複数の磁石133は、上方から見ると、円環状に配置される。隣り合う2つの磁石133は、異なる磁極を有する。つまり、複数の磁石133が、円環状にS極とN極とが交互になるように配置される。複数の磁石133は、複数のコイル134とは接しない状態で設置される。内側筒状部132の上部の中央部には、後述するミラーが固定されるミラー固定部135が配置される。ミラー固定部135は、内側筒状部132の上壁部132cの一部であってもよいし、上壁部132cに設置されてもよい。ミラー固定部135は、xy平面に対して傾斜して配置される。内側筒状部132の内方には、検出部110の少なくとも一部が収容される。
【0043】
複数のコイル134には、制御部150の制御に従って交流電流が流れ、磁界が発生する。複数のコイル134のそれぞれは、各コイル134による磁界を切り替えるために独立している。コイル134による磁界と磁石133の磁界とで発生する反発し合う力と引き付け合う力とを利用することで、内側筒状部132は、外側筒状部131に対して、軸体131cを回転中心としてxy平面に沿って回転する。一方、複数のコイル134に交流電流が流れていない場合には、コイル134による磁界は発生せず、内側筒状部132は回転しない。
【0044】
次に、検出部110について説明する。検出部110は、不可視光源111、回転ミラー113、レンズ114、及び受光部115を備える。不可視光源111、回転ミラー113は、内側筒状部132の内部に設置されており、内側筒状部132の回転とともに回転する。
【0045】
不可視光源111は、不可視光LA1(例えば赤外光)を発する。回転ミラー113は、ミラー固定部135の下面135aに固定される。回転ミラー113は、不可視光LA1を反射して、上筐体16の投光窓を介して監視装置10の外部に向かって、例えば水平方向の全周に対して、不可視光LA1を導出する。これにより、不可視光源111は、不可視光LA1を監視装置10の外部に照射可能である。
【0046】
また、監視装置10は、上筐体16の投光窓を介して監視装置10の外部から内部へ不可視光LA2を導入可能である。不可視光LA2は、例えば、検出対象の物体により不可視光LA1が反射又は散乱された光である。回転ミラー113は、投光窓から導入された不可視光LA2を反射し、受光部115の方向に導く。レンズ114は、回転ミラー113で反射された不可視光LA2を受光部115に集光する。受光部115は、集光された不可視光LA2を受光する。
【0047】
回転ミラー113は、ミラー固定部135とともにxy平面に沿って回転する。よって、タイミングによって、不可視光LA1が回転ミラー113によって反射されて照射される方向が変化する。制御部150は、回転機構部130の回転状態を認識しており、例えば回転ミラー113が不可視光LA2を反射することで、不可視光LA2が水平方向のどの方向から受光されたかを認識可能である。よって、検出部110は、xy平面の様々な方向に不可視光LA1を照射でき、xy平面の様々な方向から不可視光LA2を受光でき、xy平面の様々な方向の物体を検出できる。
【0048】
検出部110は、制御部150の制御に従って、不可視光LA1及び不可視光LA2に基づいて、不可視光LAの照射位置に作業者H1等の物体が存在するか、監視領域MRへの物体の進入の有無を判別する。
【0049】
次に、報知部120の構成について説明する。ここでは、報知部120として可視光照射部120Aについて説明する。
【0050】
図10は、側方から見た可視光照射部120Aの第1構成例を示す図である。可視光照射部120A1は、可視光源121と、回転ミラー122としての回転ミラー122A1と、を含む構成である。可視光源121は、可視光VLAを発する。可視光源121は、制御部150の制御に従って、可視光VLAの照射態様(例えば照射位置、照射方向、照射パターン、照射色(つまり可視光の周波数))を調整してよい。可視光源121は、複数の光源を有する。
図10では、可視光源121は、第1光源121a、第2光源121b、及び第3光源121cを含む。なお、可視光源121内の光源の数は3個に限られない。第1光源121a、第2光源121b、及び第3光源121cはそれぞれ、複数の異なる波長に調整可能であってよく、照射色を調整可能であってよい。
【0051】
回転ミラー122は、可視光源121からの光を反射して、可視光VLAを監視装置10の外部に向かって、例えば水平方向の全周に対して、照射可能である。回転ミラー122A1は、複数のミラー122a,122b,122cで構成され、このミラーの個数は3個に限られない。また、各ミラー122a,122b,122cは、例えば平面ミラーであるが、平面ミラーでなくてもよい。回転ミラー122は、回転機構部130のミラー固定部135の上面135bに設置される。回転ミラー122A1の各ミラー122a,122b,122cは、可視光VLAの照射位置がずれるように、ミラー固定部135に対して異なる角度で固定される。各ミラー122a,122b,122cは、いずれも、水平方向では同じ方向に各可視光VLAを反射し、上筐体16の投光窓を介して監視装置10の外部に導出する。ミラー122aは、第1光源121aからの可視光を反射する。ミラー122bは、第2光源121bからの可視光を反射する。ミラー122cは、第3光源121cからの可視光を反射する。各ミラー122a,122b,122cにより反射された各可視光は、各ミラー122a,122b,122cの設置角度の違いにより、到達距離が異なる。これにより、監視装置10は、監視装置10からの距離が異なる3つの領域である防護領域R3、警戒領域R2、及び注意領域R1に対して、可視光を照射可能である。
【0052】
回転ミラー122は、ミラー固定部135とともにxy平面に沿って回転する。よって、タイミングによって、可視光VLAが回転ミラー122によって反射されて照射される方向が変化する。制御部150は、回転機構部130の回転状態を認識しており、例えば回転ミラー122が可視光VLAを反射することで、可視光VLAが水平方向のどの方向に照射されるかを認識可能である。制御部150は、回転ミラー122が、検出部110により検出された作業者H1の進入位置に対して可視光を照射可能な向きである期間に、照射対象の領域に対応する少なくとも1つの光源が可視光を発するよう制御する。これにより、監視装置10は、回転ミラー122が回転しながら、可視光源121が発した可視光VLAを反射して照射対象の領域に照射できる。
【0053】
また、ミラー固定部135は、xy平面に対して傾斜しており、下面135aに検出部110の回転ミラー113が設置され、下面135aの反対側にある上面135bに、可視光照射部120Aの回転ミラー122が設置される。よって、同じタイミング(同一時刻)では、不可視光源111が発して監視装置10から照射される不可視光の照射方向と、可視光源121が発して監視装置10から照射される可視光の照射方向とは、反対方向であり、つまり異なる方向である。この不可視光の照射方向は、
図10に示した検出方向dr2に相当する。この可視光の照射方向は、
図10に示した報知方向dr3に相当する。
【0054】
また、ミラー固定部135の相互に反対側の面に回転ミラー113と回転ミラー122とが設置されることで、可視光源121が発する可視光VLAは、検出部110側には到達し難く、不可視光源111が発する不可視光LA1及び監視装置10の外部からの不可視光LA2は、可視光照射部120A側に到達し難い。そのため、ミラー固定部135の両面に回転ミラー113,122が設置されることで、時間的にも空間的にも可視光及び不可視光が交わり難い。よって、監視装置10は、可視光及び不可視光の干渉を抑制でき、検出部110による検出精度の低下を抑制できる。
【0055】
図11は、側方から見た可視光照射部120Aの第2構成例を示す図である。
図11の可視光照射部120A2において、
図10の可視光照射部120A1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0056】
可視光照射部120A2は、可視光源121Aと、回転ミラー122としての回転ミラー122A2と、駆動ミラー123と、を含む構成である。可視光源121Aは、可視光を発する。可視光源121Aは、1つの光源でよい。可視光源121Aは、制御部150の制御に従って、可視光の照射態様(例えば照射パターン、照射色)を調整してよい。
【0057】
駆動ミラー123は、制御部150の制御に従って、例えばx方向に移動する。駆動ミラー123の移動距離は可変である。可視光源121Aが発した可視光は、駆動ミラー123によって反射され、回転ミラー122A2に入射される。回転ミラー122A2におけるどの位置に入射されるかは、駆動ミラー123の位置に依存する。
【0058】
回転ミラー122A2は、凸面鏡である。凸面鏡は、
図10の可視光照射部120A1の回転ミラー122A1が有する複数のミラーの設置角度を微小角度ずつずらして多数配列した状態に相当する。よって、回転ミラー122A2は、可視光源121Aからの可視光を、回転ミラー122A2での反射位置に応じて異なる角度で反射でき、回転ミラー122A2での反射位置に応じて可視光の照射距離を調整可能である。
【0059】
可視光照射部120A2によれば、監視装置10からの距離が異なる3つの領域である防護領域R3、警戒領域R2、及び注意領域R1に対して、可視光を照射可能である。また、回転ミラー122A2が単一の凸面鏡で済み、回転ミラー122A2の構成を簡素化でき、回転ミラー122A2が小型化可能である。
【0060】
図12は、側方から見た可視光照射部120Aの第3構成例を示す図である。
図12の可視光照射部120A3において、
図10の可視光照射部120A1又は
図11の可視光照射部120A2と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0061】
可視光照射部120A3は、可視光源121Aと、回転ミラー122としての回転ミラー122A3と、駆動ミラー123と、レンズ124と、を含む構成である。回転ミラー122A3は、平面ミラーを1つ含む。可視光源121Aが発した可視光は、駆動ミラー123によって反射され、回転ミラー122A3に入射される。回転ミラー122A3におけるどの位置に入射されるかは、駆動ミラー123の位置に依存する。
【0062】
レンズ124は、上筐体16の投光窓の内側に配置される。投光窓は、上筐体16の側方の全周にわたって設けられていてよい。レンズ124は、上筐体16の側方の全周にわたって複数配列されてよい。レンズ124は、回転ミラー122A3に反射された光を入射し、各光成分を屈折させて集光する。可視光に含まれる光成分を屈折することにより、各光成分が到達可能な距離つまり可視光の照射距離を調整可能である。なお、上筐体16の投光窓自体がレンズにより構成されてもよい。
【0063】
可視光照射部120A3によれば、監視装置10からの距離が異なる3つの領域である防護領域R3、警戒領域R2、及び注意領域R1に対して、可視光を照射可能である。また、回転ミラー122A3が一般的な形状の単一の平面ミラーで済み、回転ミラー122A3の構成を簡素化でき、回転ミラー122A3が小型化可能である。
【0064】
(第1の実施形態の変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0065】
変形例における監視装置10Aは、報知部120として可視光照射部120Bを備える。なお、監視装置10Aにおけるその他の構成は、前述した監視装置10の構成と同様であるので、説明を省略又は簡略化する。
【0066】
図13Aは、側方から見た監視装置10Aの外観例を示す概略図である。
図13Bは、上方から見た監視装置10Aの外観例を示す概略図である。
【0067】
可視光照射部120Bは、複数の可視光源121Bを有する。複数の可視光源121Bは、下筐体15の側面に設置される。具体例として、下筐体15の4つの側面のうちの3つ又は4つの側面に、複数の可視光源121Bが設置される。下筐体15の側面毎に、複数の可視光源121Bが二次元に配列され、例えば、x方向及びz方向にマトリクス状に配列される。
図13Aでは、1つの側面に、x方向に3個、z方向に4個、の合計12個の可視光源121Bが配列されている。なお、複数の可視光源121Bの配列方法はこれに限られない。
【0068】
各可視光源121Bは、光軸oaの方向が異なるように設置される。この場合、例えば
図13Aにおいてz方向の位置(z座標)が同じである3つの可視光源121B毎に、可視光の照射距離が同程度となるように、光軸oaの方向が設定されている。また、例えば、
図13Aにおいてx方向の位置(x座標)が同じである4つの可視光源121B毎に、光軸oaの方向がxy平面に投影された投影方向が同じ方向になるように、光軸oaの方向が設定されている(
図13B参照)。なお、この4つの可視光源121Bであっても、z方向を加味すると、光軸oaの方向はそれぞれ異なる。また、例えば、z方向に沿う4つの可視光源121Bのうち、最下段の可視光源121Bからの照射距離が最短となり、最上段の可視光源121Bからの照射距離が最長となるように、各可視光源121Bの光軸oaの方向が設定されていてよい。
【0069】
なお、監視装置10Bでは、検出部110による検出に用いられる不可視光は、上筐体16の投光窓を通る。また、各可視光源121Bが発する可視光は、下筐体15における各位置から照射される。よって、不可視光と可視光の通過位置は大きく異なっており、検出部110による検出方向dr2と報知部120(ここでは可視光照射部120B)による報知方向dr3とは、同一時刻において異なっている。
【0070】
このように、変形例の監視装置10Aは、各可視光源121Bは、光軸oaの方向が異なるように設置されることで、監視領域MR内の各領域に可視光を照射可能となる。
【0071】
このような第1の実施形態の監視装置10,10Aによれば、ロボット装置30から遠ざかる退避方向を含む案内情報GIを作業者H1に対して視覚的に提供できる。よって、作業者H1は、ロボット装置30の周辺から退避し易くなる。よって、監視装置10,10Aは、ロボット装置30の動作が停止されたり制限されたりすることを抑制でき、ロボット装置30の動作の復帰を待機する時間を短縮でき、ロボット装置30による生産性の低下を抑制できる。また、監視装置10は、検出部110と報知部120とを一体化して小型化できるので、設置面積を縮小でき、空間を効率的に使用でき、配線等の設置工数を削減できる。
【0072】
また、監視装置10,10Aは、監視領域MR内の異常を検出した領域として、床、壁又は物体等に向けて可視光を照射でき、どの領域(座標)付近に異常が発生しているかを視認可能にできる。異常の検出は、例えば作業者H1の監視領域MRへの進入の検出を含む。また、監視装置10,10Aは、床、壁、物体等に向けて案内情報GIを照射し、作業者H1がどの方向に動くとより安全な方へ移動ができるのかを、視認できるように支援できる。よって、監視装置10,10Aは、不用意に作業者H1が防護領域R3や警戒領域R2に留まることを抑制でき、ロボット装置30の生産性低下を抑制できる。
【0073】
また、案内情報によって、各領域に対応する照射色で各領域を可視化する場合、作業者H1は一層退避し易くなる。例えば、防護領域R3、警戒領域R2、注意領域R1に向かって、赤色、黄色、緑色に変化する場合、作業者H1は、赤色から黄色の領域に移動すれば安全性が高くなり、黄色から緑色の領域に移動すれば更に安全性が高くなることを容易に認識できる。
【0074】
また、検出方向dr2と報知方向dr3とを分離することで、検出及び報知に用いる光の干渉が生じ難くなり、検出性能及び報知性能を向上できる。このようにして、監視装置10は、監視領域MRにおける安全性を確保できるので、例えば、ロボット装置30と作業者H1との間に柵などがなくても、人と機械が協働可能である。
【0075】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、可視光を用いて案内情報を報知(表示)する代わりに、音により案内情報を報知(音出力)することを想定する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の事項については、その説明を省略又は簡略化する。
【0076】
第2の実施形態における監視装置10Bは、第1の実施形態と同様に、検出部110、報知部120、回転機構部130、通信部140、制御部150、及び記憶部160を備える。監視装置10Bは、例えばライダ装置であるが、電動光機械式のライダ装置に限らずに、様々な方式のライダ装置を適用可能である。
【0077】
監視装置10Bは、報知部120として音出力部120Cを備える。制御部150は、第1の実施形態の制御部150の機能と同様であるが、可視光照射部120A,120Bに関する処理を行わず、音出力部120Cによる音出力に関する処理を行う。音出力に関する処理は、例えば、音による案内情報GIの報知に関する処理を含む。
【0078】
音出力部120Cは、監視装置10から検出物体(例えば作業者H1)の位置に向かう物体進入方向dr1に対して音を出力することで、案内情報GIを報知する。音出力部120Cの具体的な構成については後述する。
【0079】
また、音出力部120Cは、監視領域MR内の各領域に、各領域に対応する音(領域音とも称する)を出力してよい。領域音は、領域毎に、音の周波数(音の高低)が異なってよいし、音の出力レベル(音の強弱)が異なってもよいし、音のパターンが異なってもよい。音出力部120Cは、監視領域MR内の異なる領域(例えば防護領域R3、警戒領域R2、注意領域R1)に対して、異なる領域音を出力してよい。また、音出力部120Cは、検出された物体の位置に基づいて、監視領域MR内のどの領域に領域音を出力するかを決定し、決定された領域に対応する領域音を出力してよい。
【0080】
また、音出力部120Cは、音の出力方向に指向性を有してよい。例えば、音出力部120Cは、作業者H1の進入位置に対して音を出力し、作業者H1の進入位置以外には音を出力しないように、指向性をもって音を出力してよい。音出力部120Cは、指向性を有する音を出力することで、音の出力先が誰であるか、どこであるかを明確にできる。
【0081】
<領域に対応する領域音出力>
図14は、監視装置10による正常時の領域音出力例を示す図である。作業者H1が監視領域MR内のいずれの領域にも進入していない場合、つまり作業者H1が注意領域R1の外側に所在する場合、検出部110により監視領域MR内への進入が検出されない。この場合(正常時ともいう)、音出力部120Cは、監視領域MR内のいずれの領域にも音出力しない。この場合でも、作業者H1が監視領域MR内に進入していないので、作業者H1の安全は確保される。
【0082】
図15は、監視装置10による注意時の領域音出力例を示す図である。作業者H1が注意領域R1に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の注意領域R1への進入が検出される。この場合(注意時ともいう)、音出力部120Cは、制御部150の制御に従って、注意領域R1の進入位置の周辺である注意部分領域R11に対して、注意領域R1に対応した領域音を出力する。これにより、作業者H1は、注意領域R1に進入したことを認識可能である。
【0083】
図16は、監視装置10による警戒時の領域音出力例を示す図である。作業者H1が警戒領域R2に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の警戒領域R2への進入が検出される。この場合(警戒時ともいう)、音出力部120Cは、制御部150の制御に従って、警戒領域R2の進入位置の周辺である警戒部分領域R21に対して、警戒領域R2に対応した領域音を出力する。これにより、作業者H1は、警戒領域R2に進入したことを認識可能である。
【0084】
図17は、監視装置10による危険時の領域音出力例を示す図である。作業者H1が防護領域R3に進入した場合、検出部110により監視領域MR内の防護領域R3への進入が検出される。この場合(危険時ともいう)、音出力部120Cは、制御部150の制御に従って、防護領域R3の進入位置の周辺である防護部分領域R31に対して、防護領域R3に対応した領域音を出力する。これにより、作業者H1は、防護領域R3に進入したことを認識可能である。
【0085】
また、作業者H1が防護領域R3に進入したことが検出された場合、音出力部120Cは、制御部150の制御に従って、作業者H1の進入領域の外側にある退避領域を示す音案内情報を音で出力する。音案内情報は、退避領域に対応する領域音であってもよいし、退避領域を示す音声メッセージ(例えば退避のための移動方向を指示するメッセージ)であってもよい。例えば、音出力部120Cは、防護部分領域R31に対して、防護部分領域R31の外側にある警戒領域R2を示す音案内情報を音で出力する。これにより、作業者H1は、警戒領域R2に対応する音案内情報を確認することで、ロボット装置30から遠ざかる方向(退避方向)を容易に確認できる。なお、防護領域R3への進入に限らず、警戒領域R2に作業者H1が進入したことが検出された場合に、音出力部120Cは、警戒部分領域R21に対して、警戒部分領域R21の外側にある注意領域R1を示す音案内情報を音で出力してもよい。このような音案内情報は、案内情報GIの一例である。
【0086】
図18は、監視装置10による複数人進入時の領域音出力例を示す図である。防護領域R3に複数の作業者H1が進入したことが検出された場合、音出力部120Cは、作業者H1毎に、作業者H1の進入位置の周辺である進入部分領域に対して、作業者H1の進入領域に対応する領域音を出力する。また、上述のように、音出力部120Cは、作業者H1毎に、作業者H1の進入領域に対して、進入領域の1つ外側にある退避領域を示す音案内情報を音で出力する。
【0087】
よって、例えば2人の作業者H1のうちの作業者H11が防護領域R3に進入し、作業者H12が警戒領域R2に進入したことが検出されたとする。この場合、音出力部120Cは、防護部分領域R31に防護領域R3に対応する領域音を出力し、警戒部分領域R22に警戒領域R2に対応する領域音を出力する。また、この場合、音出力部120Cは、防護部分領域R31に対して、防護部分領域R31の1つ外側にある警戒領域R2を示す音案内情報を音で出力してよく、警戒部分領域R22に対して、警戒部分領域R22の1つ外側にある注意領域R1を示す音案内情報を音で出力してよい。
【0088】
図19Aは、側方から見た監視装置10Bの外観例を示す概略図である。
図19Bは、上方から見た監視装置10Bの外観例を示す概略図である。
【0089】
音出力部120Cは、複数のスピーカ126を有する。各スピーカ126は、指向性を有するスピーカでよい。複数のスピーカ126は、下筐体15の側面に設置される。具体例として、下筐体15の4つの側面のうちの3つ又は4つの側面に、複数のスピーカ126が設置される。下筐体15の側面毎に、複数のスピーカ126が一方向(例えばx方向)に配列される。
図19Aでは、1つの側面に、x方向に3個のスピーカ126が配列されている。なお、複数のスピーカ126の配列方法はこれに限られない。
【0090】
各スピーカ126は、音軸saの方向が異なるように設置される。この場合、例えば
図19Aにおいてz方向の位置(z座標)が同じである3つのスピーカ126毎に、音の到達距離が同程度となるように、音軸saの方向が設定されてよい。なお、音軸saは、例えば、スピーカ126から出力される音の出力方向又は進行方向等を示す。
【0091】
なお、音出力部120Cの複数のスピーカ126は、第1の実施形態の変形例における可視光照射部120Bの複数の可視光源121Bと同様に、下筐体15の側面毎にマトリクス状に配列されてもよい。これにより、音出力部120Cは、複数のスピーカ126による音の到達距離と音の出力方向とを細かく区分してもよい。この場合には、監視領域MRにおける細分化された各部分領域に対して音を出力可能である。
【0092】
なお、監視装置10Bでは、検出部110による検出に用いられる不可視光は、上筐体16の投光窓を通る。また、各スピーカ126が発する音は、下筐体15における各位置から照射される。よって、不可視光と音との通過位置は大きく異なっており、検出部110による検出方向dr2と報知部120(ここでは音出力部120C)による報知方向dr3とは、同一時刻において異なっている。
【0093】
このように、本実施形態の監視装置10Bによれば、ロボット装置30から遠ざかる退避方向を含む音案内情報を作業者H1に対して聴覚的に提供できる。よって、作業者H1は、ロボット装置30の周辺から退避し易くなる。よって、監視装置10Bは、ロボット装置30の動作が停止されたり制限されたりすることを抑制でき、ロボット装置30の動作の復帰を待機する時間を短縮でき、ロボット装置30による生産性の低下を抑制できる。また、監視装置10Bは、検出部110と報知部120とを一体化して小型化できるので、設置面積を縮小でき、空間を効率的に使用でき、配線等の設置工数を削減できる。
【0094】
また、監視装置10Bは、監視領域MR内の作業者H1の進入領域に対応する音を、対象位置に向けて出力することで、作業者H1は、出力される音の態様(例えば音の音の発生間隔、周波数又は強弱)によって、進入領域がどの領域かを判断できる。また、監視装置10Bは、各スピーカ126が音の出力方向に指向性を有することで、作業者H1の進入位置の検出精度を一層高くできる。また、監視装置10Bは作業者H1の進入領域に対応した音を出力できるので、作業者H1自身が、今どこの領域に進入しているか聴覚的に判別できる。
【0095】
(ユースケース)
次に、第1の実施形態又は第2の実施形態の監視装置10,10A,10Bを使用するユースケースについて説明する。ここでは、2つのユースケースについて主に例示する。また、ここでは、監視装置10が設けられることを主に説明するが、監視装置10A,10Bが設けられる場合も同様である。
【0096】
<第1ユースケース>
まず、第1ユースケースについて説明する。第1ユースケースでは、複数の荷物が保管されるラックシステム50の監視に、監視装置10が使用される。
【0097】
図20Aは、第1ユースケースにおけるラックシステム50と荷物運搬装置55と監視装置10との一例を示す模式図である。
図20Bは、荷物運搬装置55に設置された監視装置10と、載置棚から突出した荷物57と、の一例を示す図である。
図20Cは、第1ユースケースにおける防護領域R3と警戒領域R2との一例を示す図である。
【0098】
ラックシステム50は、例えば保管庫において複数個設置される。各ラックシステム50には、水平方向に垂直な高さ方向を仕切る複数段の棚や、水平方向を仕切る複数の仕切り板、などが配置される。各ラックシステム50において高さ方向及び水平方向に仕切られた保管空間には、1つ以上の荷物が載置可能であり、少なくとも一時的に保管可能である。
【0099】
第1ユースケースでは、例えば保管庫内を水平方向に移動可能な荷物運搬装置55が配置される。荷物運搬装置55は、例えば水平方向に沿って配置された保持部56を有し、荷物を保持可能である。保持部56は、単に載置台に荷物を載置することで保持してもよいし、荷物を引っ掛けたり挟んだりして荷物を保持してもよい。また、保持部56は、荷物運搬装置55において高さ方向に移動可能である。よって、荷物を保持する保持部56は、水平方向及び高さ方向に移動自在であり、ラックシステム50において3次元空間のどの位置に保管されていても、荷物運搬装置55により荷物を保持して他の場所へ運搬可能である。
【0100】
荷物運搬装置55では、保持部56の先端に監視装置10が設置されている。よって、監視装置10による監視領域MRをラックシステム50側に向けることで、ラックシステム50における3次元空間の任意の位置を監視可能であり、異常の検出が可能である。
【0101】
例えば、ラックシステム50における所定の位置において、荷物57がラックシステム50の載置棚から、荷物運搬装置55が移動可能な通路側へ突出していたとする。この場合、突出している荷物57に、通路を移動する荷物運搬装置55又は作業者H1が当たると、荷物57自体が破損したり、荷物運搬装置55が故障したり、作業者H1が負傷したりし得る。
【0102】
そこで、第1ユースケースでは、所定の保管位置からずれて保管された(例えば載置棚から突出した)荷物57が危険源とされてよい。また、検出部110による検出対象の物体が、移動可能であり荷物57を運搬可能な荷物運搬装置55とされてよい。この場合、制御部150が、ずれて保管された荷物57の位置に基づいて監視領域MRを設定してよい。例えば、荷物57は自ら動作しないので、荷物57が存在する領域を含む周辺の領域が、動作可能領域であるとして防護領域R3として設定されてよい。そして、制御部150は、防護領域R3の周囲の領域を警戒領域R2に設定し、警戒領域R2の周囲の領域を注意領域R1として設定してよい。例えば、制御部150は、ずれて保管された荷物57自体の大きさ、又は荷物57の載置棚からの突出部分の大きさ等に基づいて、防護領域R3や監視領域MRの大きさを決定してよい。
【0103】
報知部120は、監視領域MR内への荷物運搬装置55の進入を検出した場合、荷物運搬装置55の進入位置に基づいて、進入領域を可視化したり案内情報GIを報知したりしてよい。これにより、保管中の荷物が所定の保管位置からずれている場合、例えば荷物57が載置棚から突出している場合には、荷物運搬装置55が移動中に荷物57に接触し得る。この場合でも、監視装置10は、荷物57の位置の付近の監視領域MRにおける領域を可視化等して案内情報GIを報知することで、例えばどの方向に荷物運搬装置55が移動すると安全性が高くなるかを報知できる。
【0104】
このように、第1ユースケースでは、監視装置10は、ラックシステム50内に正常に保管されていない荷物57を検出して、荷物運搬装置55がこの荷物57に接近すると、案内情報GIを報知できる。よって、保管庫内の作業者H1や管理者は、どの領域(座標)付近に異常が発生しているか、荷物運搬装置55の退避方向、等を視認できる。よって、監視装置10は、異常の状態を解消(例えば作業者H1により、突出した荷物57を載置棚内に収める)して正常状態への復帰を早めることを補助できる。
【0105】
<第2ユースケース>
次に、第2ユースケースについて説明する。第2ユースケースでは、工場60において、車両65が走行することを例示する。ここでの移動可能な車両65は、危険源の一例であり、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)を想定するが、有人の車両であってもよい。工場60内のエリアには、車両65が走行可能な走行エリア61と、ロボット装置30又は作業者H1等が作業可能な作業エリア62と、が含まれる。工場60内の任意の位置、例えば走行エリア61と作業エリア62との境界付近に、監視装置10が設置される。
【0106】
図21は、第2ユースケースを説明するための図である。監視装置10による監視領域MRは、例えば走行エリア61と作業エリア62との境界付近において、走行エリア61と作業エリア62との一部を含むように設定される。監視領域MR内の走行エリア61は、防護領域R3に設定される。監視領域MR内の作業エリア62は、警戒領域R2に設定される。なお、
図21では、防護領域R3及び警戒領域R2が矩形状を有するが、これに限られない。また、
図21に示した防護領域R3及び警戒領域R2の大きさはこれに限られず、例えば
図21よりも大きな領域であってもよい。
【0107】
例えば、監視領域MRにおいて作業者H1が作業エリア62から走行エリア61に進入しようとすると、警戒領域R2、防護領域R3の順に通過することになる。この場合、制御部150は、まず警戒領域R2において作業者H1を検出して、警戒領域R2に対応する可視光で作業者H1の周辺を可視化する。作業者H1が更に防護領域R3に進むと、制御部150は、防護領域R3において作業者H1を検出して、防護領域R3に対応する可視光で作業者H1の周辺を可視化する。
【0108】
監視領域MR内への物体(例えば作業者H1)の進入の検出は、例えば、車両65が監視領域MRから所定距離以内に進入した時点(つまり車両と監視領域MRの周端との距離が所定距離となった時点)において実施されてよい。車両65が監視領域MRから所定距離以内に進入したことは、例えば外部センサにより検出されてよい。監視装置10は、通信部140が、車両65が監視領域MRから所定距離以内に進入したことを示す車両検出情報を外部センサから取得してよい。この場合、監視装置10は、車両65が監視領域MRの周辺に接近した段階で、監視領域MRにおける作業者H1の進入領域や退避領域の少なくとも一部を可視化でき、作業者H1の安全性を確保できる。また、この物体の検出は、例えば、車両65と監視領域MRの周端との距離が所定距離以内である期間にわたって、実施されてもよい。この場合、監視装置10は、車両65が監視領域MRの周辺を走行中には監視領域MRにおける作業者H1の進入領域や退避領域の少なくとも一部を可視化でき、作業者H1の安全性を確保できる。
【0109】
このように、報知部120は、監視領域MRから所定距離以内で車両65の進入が検出され、且つ、監視領域MR内に作業者H1の進入が検出された場合、物体の進入位置に対して、案内情報GIを報知してよい。
【0110】
このように、第2ユースケースでは、監視装置10は、車両65の走行状況を監視し、車両65が監視領域MRの周辺を通過する際に監視領域MR内で作業者H1等の物体の進入が検出された場合、物体周辺の進入領域や物体進入方向dr1の退避領域を可視化できる。また、監視装置10は、例えば工場60の通路の交差点の角等に設置されることで、この交差点付近を監視領域MRに設定可能であり、監視領域MRにおける作業者H1の進入領域や退避領域を可視化できる。よって、作業者H1は、車両65を目視しなくても車両65の位置を認識でき、車両65の走行による危険を回避し易くなる。
【0111】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0112】
上記実施形態では、CPU等のプロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
【0113】
以上のように、上記実施形態の監視装置10は、ロボット装置30(危険源の一例)の周辺への進入を監視する。監視装置10は、検出部110及び報知部120を備える。検出部110は、不可視光を用いて、ロボット装置30の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域MR内に進入した作業者H1(物体の一例)を検出する。報知部120は、検出部110により検出された作業者H1の進入位置に基づいて、作業者H1の進入位置に対して、作業者H1がロボット装置30から遠ざかる方向を示す案内情報を報知する。また、所定時刻に検出部110により検出可能な検出方向dr2と、この所定時刻に報知部120により報知可能な報知方向dr3と、が異なる。
【0114】
これにより、監視装置10が案内情報を提供することで、作業者H1は、ロボット装置30からの退避方向を容易に確認できる。また、同一時刻では検出方向と報知方向とが異なることで、物体検出と案内情報の報知とが相互に干渉することを抑制でき、監視領域MRへの物体の進入の検出精度の低下を抑制できる。よって、監視装置10は、報知によって監視領域MRの安全性が低下することを抑制できる。
【0115】
また、報知部120は、可視光を照射する可視光照射部120Aを含んでよい。可視光照射部120Aは、監視装置10から作業者H1の進入位置に向かう物体進入方向dr1に可視光を照射することで、案内情報を表示してよい。
【0116】
これにより、監視装置10は、視認可能な光により案内情報を報知できる。また、監視装置10は、物体検出用の不可視光と案内情報の報知用の可視光とが同時に同方向に照射されて相互に干渉することを抑制でき、監視領域MRへの作業者H1の検出精度の低下を抑制できる。
【0117】
また、監視領域MRは、ロボット装置30の動作可能範囲に応じて設定された防護領域R3(第1領域の一例)と、防護領域R3の周囲に設定された警戒領域R2(第2領域の一例)と、を含んでよい。可視光照射部120Aは、防護領域R3に作業者H1が進入したことが検出された場合、案内情報として、警戒領域R2の物体進入方向に対応する警戒部分領域R21(第2部分領域の一例)に、可視光を照射してよい。
【0118】
これにより、監視装置10が防護領域R3の外側にある警戒領域R2に可視光を照射することで、防護領域R3に進入した作業者H1は、視覚的に退避方向を容易に確認できる。
【0119】
また、監視領域MRは、ロボット装置30の動作可能範囲に応じて設定された防護領域R3と、防護領域R3の周囲に設定された警戒領域R2と、を含んでよい。可視光照射部120Aは、防護領域R3に作業者H1が進入したことが検出された場合、防護領域R3の物体進入方向dr1に対応する防護部分領域R31(第1部分領域の一例)と、警戒領域R2の物体進入方向dr1に対応する警戒部分領域R21とに、異なる照射態様で、可視光を照射してよい。
【0120】
これにより、監視装置10が、防護領域R3と、防護領域R3の外側にある警戒領域R2とに、異なる態様で可視光を照射することで、防護領域R3に進入した作業者H1は、視覚的に防護領域R3と警戒領域R2とを識別でき、退避方向を容易に確認できる。
【0121】
また、可視光照射部120Aは、検出部110により監視領域MR内に複数の作業者H1の進入が検出された場合、監視装置10から複数の作業者H1のそれぞれに向かう複数の物体進入方向dr11,dr12のそれぞれに可視光を照射することで、複数の案内情報を報知してよい。
【0122】
これにより、監視装置10は、複数の作業者H1に応じた複数の案内情報により報知できる。よって、監視領域MRに進入した複数の作業者H1は、その作業者H1に合ったそれぞれの退避方向を容易に確認できる。
【0123】
また、報知部120は、指向性を有し、音を出力する音出力部120Cを含んでよい。音出力部120Cは、監視装置10Bから作業者H1の進入位置に向かう物体進入方向dr1に所定の音を出力することで、案内情報を報知してよい。
【0124】
これにより、監視装置10Bは、音により聴覚的に案内情報を報知できる。
【0125】
また、監視領域MRは、ロボット装置30の動作可能範囲に応じて設定された防護領域R3と、防護領域R3の周囲に設定された警戒領域R2と、を含んでよい。音出力部120Cは、防護領域R3に作業者H1が進入したことが検出された場合、防護領域R3の物体進入方向dr1に対応する防護部分領域R31に対して、案内情報に対応する音声メッセージを出力してよい。
【0126】
これにより、監視装置10Bは、防護領域R3から防護領域R3の外側にある警戒領域R2に向かう方向を音声メッセージにより提供するので、防護領域R3に進入した作業者H1は、聴覚的に退避方向を容易に確認できる。
【0127】
また、音出力部120Cは、検出部110により監視領域MR内に複数の作業者H1の進入が検出された場合、監視装置10Bから複数の作業者H1のそれぞれに向かう複数の物体進入方向dr11,dr12のそれぞれに所定の音を出力することで、複数の案内情報を報知してよい。
【0128】
これにより、監視装置10Bは、複数の作業者H1に応じた複数の案内情報により報知できる。よって、監視領域MRに進入した複数の作業者H1は、その作業者H1に合ったそれぞれの退避方向を音で容易に確認できる。
【0129】
また、監視装置10は、監視装置10の設置面P1(第1平面の一例)に沿って検出部110の回転を補助する回転機構部130、を更に備えてよい。回転機構部130は、設置面P1に対して傾斜して配置されたミラー固定部135を備えてよい。検出部110は、不可視光源111と、受光部115と、回転ミラー113(第1回転ミラーの一例)と、を備えてよい。不可視光源111は、不可視光LA1(第1の不可視光の一例)を発する。受光部115は、不可視光LA2(第2の不可視光の一例)を受光する。回転ミラー113は、ミラー固定部135の下面135a(第1面の一例)に固定される。回転ミラー113は、不可視光源111からの不可視光LA1を反射して監視装置10の外部に導き、監視装置10の外部からの不可視光LA2を反射して受光部115に導いてよい。
【0130】
これにより、監視装置10は、回転機構部130によって設置面P1に沿って不可視光LA1を監視装置10の外周方向の様々な方向(例えば全周方向)へ照射可能であり、不可視光LA2を監視装置10の外周方向の様々な方向から受光可能である。よって、監視装置10は、監視装置10の周囲の各位置に存在し得る作業者H1等を検出可能である。
【0131】
報知部120は、可視光を照射する可視光照射部120Aを含んでよい。可視光照射部120Aは、可視光VLAを発する可視光源121と、ミラー固定部135の下面135aとは反対側の上面135b(第2面の一例)に固定された回転ミラー122(第2回転ミラーの一例)と、を備えてよい。回転ミラー122は、可視光源121からの可視光VLAを反射して監視装置10の外部に導き、可視光VLAの照射距離を調整可能であってよい。
【0132】
これにより、監視装置10は、ミラー固定部135の両面のそれぞれに回転ミラー113と回転ミラー122が設置されることで、時間的且つ空間的に可視光VLAと不可視光LA1,LA2とを分離できる。よって、監視装置10は、可視光VLAと不可視光LA1,LA2とが干渉することを抑制できる。
【0133】
また、回転ミラー122は、複数のミラー122a,122b,122cを含んでよい。複数のミラー122a,122b,122cは、設置面P1に対する設置角度が異なってよい。
【0134】
これにより、監視装置10は、複数のミラー122a,122b,122cにより反射されて監視装置10の外部へ導出される各可視光の方向(照射方向)を異なるようにして、可視光VLAの照射距離を調整可能である。よって、監視装置10は、監視領域内の所望の領域に向けて可視光VLAを照射可能である。
【0135】
また、回転ミラー122は、凸面鏡であってよい。これにより、監視装置10は、1つの凸面鏡により、可視光VLAの照射距離を調整でき、監視領域MRにおける各領域へ可視光を照射可能である。
【0136】
また、回転ミラー122は、単一の平面ミラーであってよい。可視光照射部120A3は、監視装置10の設置面P1に沿う方向の周端面に沿って配置され、平面ミラーからの可視光VLAを通過させるレンズ124を備えてよい。
【0137】
これにより、監視装置10は、回転ミラー122が特殊な形状を有していなくても、可視光VLAの照射距離を調整でき、監視領域MRにおける各領域へ可視光を照射可能である。
【0138】
また、監視装置10Aは、検出部110の少なくとも一部を収容する下筐体15(筐体の一例)、を更に備えてよい。可視光照射部120Bは、下筐体15の外面に配置された複数の可視光源121Bを含んでよい。複数の可視光源121Bの光軸oaは、それぞれ異なってよい。
【0139】
これにより、監視装置10Aは、下筐体15の内部に案内情報の報知に関する構成(例えば可視光照射部120A)を設けることを不要にできるので、監視装置10Aを小型化できる。この場合でも、複数の可視光源121Bの照射方向(光軸oa)がそれぞれ異なるので、監視装置10Aは、監視領域MR内の各領域へ可視光を照射できる。
【0140】
また、監視装置10Bは、検出部110の少なくとも一部を収容する下筐体15(筐体の一例)、を更に備えてよい。音出力部120Cは、下筐体15の外面に配置された複数のスピーカ126を含んでよい。複数のスピーカ126の音軸saは、それぞれ異なってよい。
【0141】
これにより、監視装置10Bは、下筐体15の内部に案内情報の報知に関する構成(例えば可視光照射部120A)を設けることを不要にできるので、監視装置10Bを小型化できる。この場合でも、複数のスピーカ126の音の出力方向(音軸sa)がそれぞれ異なるので、監視装置10Bは、監視領域MR内の各領域へ音を出力できる。
【0142】
また、監視装置10は、ライダ装置であってよい。これにより、監視装置10は、レーザ光を用いることで、電波の反射率が低い物体(例えば段ボール、木材、発砲スチロールなど)でも検出可能である。また、ライダ装置が高い検出分解能を持つので、物体の進入自体の検出以外にも、監視装置10と物体との間の距離の検出も容易に可能である。
【0143】
また、上記実施形態の監視装置10は、ロボット装置30の周辺への進入を監視する。監視装置10は、検出部110及び報知部120を備える。検出部110は、不可視光を用いて、ロボット装置30の動作可能範囲に基づいて設定された監視領域MR内に進入した作業者H1を検出する。報知部120は、検出部110により検出された作業者H1の進入位置に基づいて、作業者H1の進入位置に対して、作業者H1がロボット装置30に近づいている状態であることを示す接近案内情報を報知する。また、所定時刻に検出部110により検出可能な検出方向dr2と、この所定時刻に報知部120により報知可能な報知方向dr3と、が異なる。
【0144】
これにより、監視装置10が接近案内情報を提供することで、作業者H1は、ロボット装置30に接近して危険が増していることを容易に確認できる。また、同一時刻では検出方向と報知方向とが異なることで、物体検出と接近案内情報の報知とが相互に干渉することを抑制でき、監視領域MRへの物体の進入の検出精度の低下を抑制できる。よって、監視装置10は、報知によって監視領域MRの安全性が低下することを抑制できる。
【0145】
また、報知部120は、可視光を照射する可視光照射部120Aを含んでよい。可視光照射部120Aは、監視装置10から作業者H1の進入位置に向かう物体進入方向dr1に可視光を照射することで、接近案内情報を表示してよい。
【0146】
これにより、監視装置10は、視認可能な光により接近案内情報を報知できる。また、監視装置10は、物体検出用の不可視光と接近案内情報の報知用の可視光とが同時に同方向に照射されて相互に干渉することを抑制でき、監視領域MRへの作業者H1の検出精度の低下を抑制できる。
【0147】
また、監視領域MRは、ロボット装置30の動作可能範囲に応じて設定された防護領域R3と、防護領域R3の周囲に設定された警戒領域R2と、を含んでよい。可視光照射部120Aは、警戒領域R2に作業者H1が進入したことが検出された場合、接近案内情報として、防護領域R3の物体進入方向に対応する防護部分領域R31に、可視光を照射してよい。
【0148】
これにより、監視装置10が防護領域R3の外側にある警戒領域R2に可視光を照射することで、防護領域R3に進入した作業者H1は、視覚的に接近方向を容易に確認できる。
【0149】
また、監視領域MRは、ロボット装置30の動作可能範囲に応じて設定された防護領域R3と、防護領域R3の周囲に設定された警戒領域R2と、を含んでよい。可視光照射部120Aは、警戒領域R2に作業者H1が進入したことが検出された場合、防護領域R3の物体進入方向dr1に対応する防護部分領域R31と、警戒領域R2の物体進入方向dr1に対応する警戒部分領域R21とに、異なる照射態様で、可視光を照射してよい。
【0150】
これにより、監視装置10が、防護領域R3と、防護領域R3の外側にある警戒領域R2とに、異なる態様で可視光を照射することで、警戒領域R2に進入した作業者H1は、視覚的に防護領域R3と警戒領域R2とを識別でき、作業者H1がロボット装置30に接近していること及び接近方向を容易に確認できる。
【0151】
また、可視光照射部120Aは、検出部110により監視領域MR内に複数の作業者H1の進入が検出された場合、監視装置10から複数の作業者H1のそれぞれに向かう複数の物体進入方向dr11,dr12のそれぞれに可視光を照射することで、複数の接近案内情報を報知してよい。
【0152】
これにより、監視装置10は、複数の作業者H1に応じた複数の接近案内情報により報知できる。よって、監視領域MRに進入した複数の作業者H1は、その作業者H1に合ったそれぞれのロボット装置30への接近状態を容易に確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本開示は、危険源への周辺への物体の進入の検出精度の低下を抑制でき、危険源からの退避方向を容易に確認できる監視装置及び監視方法等に有用である。
【符号の説明】
【0154】
10,10A,10B 監視装置
30 ロボット装置
50 ラックシステム
55 荷物運搬装置
56 保持部
57 荷物
60 工場
61 走行エリア
62 作業エリア
65 車両
110 検出部
111 不可視光源
113 回転ミラー
114 レンズ
115 受光部
120 報知部
120A,120B 可視光照射部
120C 音出力部
121 可視光源
122,122A1,122A2,122A3 回転ミラー
123 駆動ミラー
124 レンズ
130 回転機構部
131 外側筒状部
132 内側筒状部
133 磁石
134 コイル
135 ミラー固定部
136 ベアリング
140 通信部
150 制御部
160 記憶部
dr1,dr11,dr12 物体進入方向
dr2 検出方向
dr3 報知方向
LA1,LA2 不可視光
MR 監視領域
oa 光軸
R1 注意領域
R2 警戒領域
R3 防護領域
R11 注意部分領域
R21 警戒部分領域
R31 防護部分領域
sa 音軸
VLA 可視光