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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045966
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】キャビネットの設置構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230327BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20230327BHJP
   A47B 96/06 20060101ALI20230327BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
H05K5/02 E
A47B55/00
A47B96/06 C
A47B96/06 F
A47G29/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154600
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】河部 行則
【テーマコード(参考)】
3B067
3K100
4E360
【Fターム(参考)】
3B067AA00
3B067BA01
3B067DA00
3K100CA60
3K100CB05
3K100CC03
4E360AB17
4E360BA06
4E360BD05
4E360EA05
4E360EB02
4E360EB03
4E360EC04
4E360EC11
4E360ED02
4E360ED18
4E360ED19
4E360ED28
4E360GA53
4E360GB94
4E360GC02
(57)【要約】
【課題】重量のあるキャビネットであっても、床面にアンカー固定することなく壁面に沿って設置することができるキャビネットの設置構造を提供する。
【解決手段】荷物受取ボックス1の背面にボックス金具10を、壁面W側に壁面金具15を夫々設け、壁面金具15に、下方へ突出する掛止部17を設ける一方、ボックス金具10に、荷物受取ボックス1の上方への移動に伴う掛止部17の相対的な下方への移動により、掛止部17が上方から差し込まれて掛止され、自身の前方への移動が規制される被掛止部12を設けた。さらに、掛止部17と被掛止部12との掛止状態において、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2を差し込んで介在させている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、
前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、
前記第2設置部に、下方へ突出する掛止部が設けられている一方、
前記第1設置部に、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の相対的な下方への移動により、前記掛止部が上方から差し込まれて掛止され、自身の前方への移動が規制される被掛止部が設けられており、
さらに、前記掛止部と前記被掛止部との掛止状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とするキャビネットの設置構造。
【請求項2】
キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、
前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、
前記第1設置部に、上方へ突出する掛止部が設けられている一方、
前記第2設置部に、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の上方への移動により、前記掛止部が下方から差し込まれて掛止され、前記掛止部の前方への移動を規制する被掛止部が設けられており、
さらに、前記掛止部と前記被掛止部との掛止状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とするキャビネットの設置構造。
【請求項3】
キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、
前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、
前記第2設置部に、前方へ突出する掛止部が設けられている一方、
前記第1設置部に、前記掛止部を後方から挿入可能な挿入部と、前記挿入部から下方へ延びる長孔状の被掛止部とが設けられており、
前記挿入部に前記掛止部が挿入された状態から、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の相対的な下方への移動により、前記掛止部が前記被掛止部内へ移動して後方への抜け止めがなされるようになっており、
さらに、前記掛止部が前記被掛止部内に位置する状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とするキャビネットの設置構造。
【請求項4】
キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、
前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、
前記第1設置部に、後方へ突出する掛止部が設けられている一方、
前記第2設置部に、前記掛止部を前方から挿入可能な挿入部と、前記挿入部から上方へ延びる長孔状の被掛止部とが設けられており、
前記挿入部に前記掛止部が挿入された状態から、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の上方への移動により、前記掛止部が前記被掛止部内へ移動して前方への抜け止めがなされるようになっており、
さらに、前記掛止部が前記被掛止部内に位置する状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とするキャビネットの設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばキャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネットを壁面に沿って設置するにあたっては、たとえば特許文献1に記載されているように、壁面側に突起を、キャビネット側に突起を挿通可能な挿通孔を夫々設け、キャビネットを突起に引っ掛けるようにして設置することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-351629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなキャビネットの設置構造では、重量のあるキャビネットを設置することができないという問題がある。そこで、そのような重いキャビネットの設置に際して、キャビネットを床面にアンカー固定するという設置構造も考えられるが、床面がタイル貼り等されているとアンカー固定できないという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、重量のあるキャビネットであっても、床面にアンカー固定することなく壁面に沿って設置することができるキャビネットの設置構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、前記第2設置部に、下方へ突出する掛止部が設けられている一方、前記第1設置部に、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の相対的な下方への移動により、前記掛止部が上方から差し込まれて掛止され、自身の前方への移動が規制される被掛止部が設けられており、さらに、前記掛止部と前記被掛止部との掛止状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、前記第1設置部に、上方へ突出する掛止部が設けられている一方、前記第2設置部に、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の上方への移動により、前記掛止部が下方から差し込まれて掛止され、前記掛止部の前方への移動を規制する被掛止部が設けられており、さらに、前記掛止部と前記被掛止部との掛止状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、前記第2設置部に、前方へ突出する掛止部が設けられている一方、前記第1設置部に、前記掛止部を後方から挿入可能な挿入部と、前記挿入部から下方へ延びる長孔状の被掛止部とが設けられており、前記挿入部に前記掛止部が挿入された状態から、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の相対的な下方への移動により、前記掛止部が前記被掛止部内へ移動して後方への抜け止めがなされるようになっており、さらに、前記掛止部が前記被掛止部内に位置する状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項4に記載の発明は、キャビネットを壁面に沿って設置するための設置構造であって、前記キャビネットの背面側に第1設置部が、前記壁面側に第2設置部が夫々設けられ、前記第1設置部に、後方へ突出する掛止部が設けられている一方、前記第2設置部に、前記掛止部を前方から挿入可能な挿入部と、前記挿入部から上方へ延びる長孔状の被掛止部とが設けられており、前記挿入部に前記掛止部が挿入された状態から、前記キャビネットの上方への移動に伴う前記掛止部の上方への移動により、前記掛止部が前記被掛止部内へ移動して前方への抜け止めがなされるようになっており、さらに、前記掛止部が前記被掛止部内に位置する状態において、前記キャビネットの底面と床面との間に架台が差し込まれて介在されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キャビネットの背面側に第1設置部を、壁面側に第2設置部を夫々設けるとともに、第1設置部と第2設置部とにおいて、掛止部と被掛止部とを掛止させた状態(請求項1及び2)や、掛止部を被掛止部内に位置させた状態(請求項3及び4)とした上で、キャビネットの底面と床面との間に架台を差し込んで介在させることにより、キャビネットを壁面に沿って設置可能としている。すなわち、掛止部と被掛止部との掛止位置ではなく架台でキャビネットの重量を支える設置構造となる。したがって、たとえ重量のあるキャビネットであっても、床面にキャビネットをアンカー固定する必要がないため、タイル貼りされているような床面上でもキャビネットを壁面に沿って設置することができ、汎用性の高い設置構造とすることができる。
また、キャビネットを上方へ移動させるだけで、キャビネットの前方への移動を規制することができるため、設置作業性の向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】荷物受取ボックスが壁面に沿って設置された状態を前側から示した斜視説明図である。
図2】第1実施形態における荷物受取ボックスの背面側を示した斜視説明図である。
図3】第1実施形態における壁面側の設置構造を示した斜視説明図である。
図4】第1実施形態における設置構造で、荷物受取ボックスを設置する様子を示した説明図である。
図5】第2実施形態における荷物受取ボックスの背面側を示した斜視説明図である。
図6】第2実施形態における設置構造での荷物受取ボックス側と壁面金具側との掛止状態を示した説明図である。
図7】第3実施形態における荷物受取ボックスの背面側を示した斜視説明図である。
図8】第3実施形態における設置構造での荷物受取ボックス側と壁面金具側との掛止状態を示した説明図である。
図9】第4実施形態における荷物受取ボックスの背面側を示した斜視説明図である。
図10】第4実施形態における壁面金具を示した斜視説明図である。
図11】第4実施形態における設置構造でのボックス金具と壁面金具との掛止状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るキャビネットの設置構造の実施形態について、図面にもとづき詳細に説明する。なお、全ての実施形態において、上下に積み重ねられた2つの荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って設置するものとする。また、各荷物受取ボックス1は、前面に開口する箱状の本体と、本体の前面開口を開閉する前扉とを備えており、それら2つの荷物受取ボックス1、1は、前扉を同方向へ向けた姿勢で上下に積み重ねられている。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、荷物受取ボックス1、1が壁面Wに沿って設置された状態を前側から示した斜視説明図である。図2は、第1実施形態における荷物受取ボックス1、1の背面側を示した斜視説明図である。図3は、第1実施形態における壁面W側の設置構造を示した斜視説明図である。図4は、第1実施形態における設置構造で、荷物受取ボックス1、1を設置する様子を示した説明図である。
【0011】
第1実施形態となる設置構造では、荷物受取ボックス1側の構造としてボックス金具10が、壁面W側の構造として壁面金具15が夫々設けられているとともに、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2が介在されている。ボックス金具10は、左右方向へ延びる帯状の金属板であって、左右方向での中央部分が後方へ突出するように折り曲げられており、左右両端部が荷物受取ボックス1の背面に固定するための固定部11、11となり、後方へ突出する部分が荷物受取ボックス1の前方への移動を規制するための被掛止部12となっている。一方、壁面金具15は、上下方向へ延びる帯状の金属板であって、上下方向での中央部分に前方へ突出する段部が形成されており、上部が壁面Wに固着される固着部16となり、固着部16よりも前方において下方へ延びる下部が被掛止部12に差し込み可能な掛止部17となっている。なお、壁面金具15(特に掛止部17)の左右幅は、ボックス金具10の被掛止部12の左右幅よりも狭い。また、壁面金具15における段部の前後高さ(掛止部17が固着部16から前方へ突出している高さ)は、ボックス金具10における固定部11、11からの被掛止部12の後方への突出高さと略同じとされている。
【0012】
そして、第1実施形態となる設置構造での荷物受取ボックス1、1の設置について説明すると、まず荷物受取ボックス1、1の最終的な設置高さ(架台2を介在させた状態での設置高さ)に合わせて壁面金具15、15を壁面Wに固着する(ボックス金具10は、予め各荷物受取ボックス1の背面に固定されている)。この固着に際しての各壁面金具15の姿勢は、掛止部17が下方へ突出するような姿勢とする。次に、図4(a)に示すように、上下に積み重ねた2つの荷物受取ボックス1、1について、その背面が壁面W側を向けた状態とした上で、各ボックス金具10が対応する壁面金具15の鉛直下方に位置するように、壁面Wに沿わせて床面L上に配する。それから、図4(b)に示すように、荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って持ち上げ、各壁面金具15の掛止部17を対応するボックス金具10の被掛止部12に差し込んで被掛止部12の前方への移動を規制するとともに、下側の荷物受取ボックス1の下方(下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間)に架台2を差し込み、架台2上に荷物受取ボックス1、1を載置する。最後に、下側の荷物受取ボックス1と架台2とをボルトで連結する等して一体化することで、荷物受取ボックス1、1の設置は完了となる。
【0013】
以上のような構成を有する荷物受取ボックス1、1の第1実施形態となる設置構造によれば、荷物受取ボックス1の背面にボックス金具10を、壁面W側に壁面金具15を夫々設け、壁面金具15に、下方へ突出する掛止部17を設ける一方、ボックス金具10に、荷物受取ボックス1の上方への移動に伴う掛止部17の相対的な下方への移動により、掛止部17が上方から差し込まれて掛止され、自身の前方への移動が規制される被掛止部12を設けた。さらに、掛止部17と被掛止部12との掛止状態において、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2を差し込んで介在させている。したがって、たとえ重量のある荷物受取ボックス1、1であっても、床面Lにアンカー固定する必要がないため、タイル貼りされているような床面L上でも荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って設置することができ、汎用性の高い設置構造とすることができる。また、荷物受取ボックス1、1を上方へ移動させるだけで、荷物受取ボックス1、1の前方への移動を規制することができるため、設置作業性の向上をも図ることができる。
【0014】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態における荷物受取ボックス1の背面側を示した斜視説明図である。図6は、第2実施形態における設置構造での荷物受取ボックス1側と壁面金具30側との掛止状態を示した説明図である。
【0015】
第2実施形態となる設置構造では、荷物受取ボックス1側の構造として設置孔20、20が、壁面W側の構造として壁面金具30が夫々設けられているとともに、第1実施形態の設置構造同様、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2が介在されている。設置孔20は、壁面金具30の頭部を後方から挿入可能な丸孔状の挿入部21と、挿入部21から連続して下方へ延びる長孔状で、挿入部21の直径よりも左右幅の狭い被掛止部22とを備えてなる。そして、荷物受取ボックス1の背面には、2つの設置孔20、20が左右方向へ所定の間隔だけ隔てて開設されている。一方、壁面金具30は、前後方向に延びる軸部と、該軸部の先端に固着された頭部とを備えてなる。そして、頭部の直径は、挿入部21よりも小径で、且つ、被掛止部22の左右幅よりも大径となっている一方、軸部の直径は、被掛止部22の左右幅よりも更に小径となっている。
【0016】
そして、第2実施形態となる設置構造での荷物受取ボックス1、1の設置について説明すると、まず荷物受取ボックス1、1の最終的な設置高さ(架台2を介在させた状態での設置高さ)に合わせて壁面金具30、30・・を壁面Wに取り付ける。次に、上下に積み重ねた2つの荷物受取ボックス1、1について、その背面が壁面W側を向けた状態とした上で、各設置孔20の挿入部21に対応する壁面金具30を夫々後方から挿入し、図6(a)に示すように各壁面金具30の軸部に挿入部21の上端を引っ掛けた状態(仮固定)とする。それから、荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って持ち上げ、図6(b)に示すように各壁面金具30の軸部を設置孔20の被掛止部22内に位置させて、壁面金具30が後方へ抜け止めされるようにするとともに、下側の荷物受取ボックス1の下方(下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間)に架台2を差し込み、架台2上に荷物受取ボックス1、1を載置する。最後に、下側の荷物受取ボックス1と架台2とをボルトで連結する等して一体化することで、図1に示すような状態で荷物受取ボックス1、1の設置は完了となる。
【0017】
以上のような構成を有する荷物受取ボックス1、1の第2実施形態となる設置構造によれば、荷物受取ボックス1の背面に設置孔20を、壁面W側に前方へ突出する壁面金具30を夫々設けるとともに、設置孔20として、壁面金具30の頭部を後方から挿入可能な丸孔状の挿入部21と、挿入部21から連続して下方へ延びる長孔状で、壁面金具30の頭部よりも左右幅の狭い被掛止部22とを備え、荷物受取ボックス1の上方への移動に伴う壁面金具30の相対的な下方への移動により、壁面金具30の軸部が挿入部21から被掛止部22内へ移動して後方への抜け止めがなされるようにしている。さらに、壁面金具30の軸部が被掛止部22内に位置する状態において、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2を差し込んで介在させている。したがって、第1実施形態の設置構造同様、たとえ重量のある荷物受取ボックス1、1であっても、床面Lにアンカー固定する必要がないため、タイル貼りされているような床面L上でも荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って設置することができ、汎用性の高い設置構造とすることができる。また、各壁面金具30の軸部に挿入部21の上端を引っ掛けることで、荷物受取ボックス1、1を壁面W上に仮固定することができるとともに、当該仮固定の状態から荷物受取ボックス1、1を上方へ移動させるだけで、荷物受取ボックス1、1の前方への移動を規制することができるため、設置作業性の向上をも図ることができる。
【0018】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態における荷物受取ボックス1の背面側を示した斜視説明図である。図8は、第3実施形態における設置構造での荷物受取ボックス1側と壁面金具30側との掛止状態を示した説明図である。
【0019】
第3実施形態となる設置構造では、荷物受取ボックス1側の構造として設置孔25、25が、壁面W側の構造として壁面金具30が夫々設けられているとともに、第1実施形態の設置構造同様、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2が介在されている。設置孔25は、壁面金具30の頭部を後方から挿入可能な丸孔状の挿入部26と、挿入部26から連続して下方へ延びる長孔状で、挿入部26の直径よりも左右幅の狭い被掛止部27と、挿入部26から連続して上方へ延びる長孔状で、挿入部26の直径よりも左右幅の狭い仮固定部28とを備えてなる。そして、荷物受取ボックス1の背面には、2つの設置孔25、25が左右方向へ所定の間隔だけ隔てて開設されている。一方、壁面金具30は、第2実施形態の壁面金具30と同じく、前後方向に延びる軸部と、該軸部の先端に固着された頭部とを備えてなる。そして、頭部の直径は、挿入部26よりも小径で、且つ、被掛止部27及び仮固定部28の左右幅よりも大径となっている一方、軸部の直径は、被掛止部27及び仮固定部28の左右幅よりも更に小径となっている。
【0020】
そして、第3実施形態となる設置構造での荷物受取ボックス1、1の設置について説明すると、まず荷物受取ボックス1、1の最終的な設置高さ(架台2を介在させた状態での設置高さ)に合わせて壁面金具30、30・・を壁面Wに取り付ける。次に、上下に積み重ねた2つの荷物受取ボックス1、1について、その背面が壁面W側を向けた状態とした上で、各設置孔25の挿入部26に対応する壁面金具30を夫々後方から挿入し、図8(a)に示すように各壁面金具30の軸部に設置孔25の仮固定部28の上端を引っ掛けた状態(仮固定)とする。それから、荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って持ち上げ、図8(b)に示すように各壁面金具30の軸部を設置孔25の被掛止部27内に位置させて、壁面金具30が後方へ抜け止めされるようにするとともに、下側の荷物受取ボックス1の下方(下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間)に架台2を差し込み、架台2上に荷物受取ボックス1、1を載置する。最後に、下側の荷物受取ボックス1と架台2とをボルトで連結する等して一体化することで、図1に示すような状態で荷物受取ボックス1、1の設置は完了となる。
【0021】
以上のような構成を有する荷物受取ボックス1、1の第3実施形態となる設置構造によれば、荷物受取ボックス1の背面に設置孔25を、壁面W側に前方へ突出する壁面金具30を夫々設けるとともに、設置孔25として、壁面金具30の頭部を後方から挿入可能な丸孔状の挿入部26と、挿入部26から連続して下方へ延びる長孔状で、壁面金具30の頭部よりも左右幅の狭い被掛止部27と、挿入部26から連続して上方へ延びる長孔状で、壁面金具30の頭部よりも左右幅の狭い仮固定部28とを備え、荷物受取ボックス1の上方への移動に伴う壁面金具30の相対的な下方への移動により、挿入部26から挿入されている壁面金具30の軸部が被掛止部27内へ移動して後方への抜け止めがなされるようにしている。さらに、壁面金具30の軸部が被掛止部27内に位置する状態において、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2を差し込んで介在させている。したがって、第1実施形態の設置構造同様、たとえ重量のある荷物受取ボックス1、1であっても、床面Lにアンカー固定する必要がないため、タイル貼りされているような床面L上でも荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って設置することができ、汎用性の高い設置構造とすることができる。また、各壁面金具30の軸部に仮固定部28の上端を引っ掛けることで、荷物受取ボックス1、1を壁面W上に仮固定することができるため、第2実施形態の設置構造よりも仮固定での状態が安定する。さらに、当該仮固定の状態から荷物受取ボックス1、1を上方へ移動させるだけで、荷物受取ボックス1、1の前方への移動を規制することができるため、設置作業性の向上をも図ることができる。
【0022】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態における荷物受取ボックス1の背面側を示した斜視説明図である。図10は、第4実施形態における壁面金具50を示した斜視説明図である。図11は、第4実施形態における設置構造でのボックス金具40と壁面金具50との掛止状態を示した説明図である。
【0023】
第4実施形態となる設置構造では、荷物受取ボックス1側の構造としてボックス金具40が、壁面W側の構造として壁面金具50が夫々設けられているとともに、第1実施形態の設置構造同様、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2が介在されている。ボックス金具40は、左右方向へ延びる帯状の金属板であって、左右方向での中央部が荷物受取ボックス1の背面上部に固定するための固定部41となっている。また、ボックス金具40の左右両端部は後方へ折り曲げられており、各折り曲げ部42には、上方へ突出していて、設置完了時に荷物受取ボックス1の前方への移動を規制するための掛止部43と、下方へ突出していて、設置途中で荷物受取ボックス1を仮固定するための仮固定部44とが設けられている。さらに、固定部41の後面には、案内突起45、45が後方へ突設されている。一方、壁面金具50は、左右方向へ延びる帯状の金属板であって、左右方向での中央部分が前方へ突出するように折り曲げられており、左右両端部が壁面Wに固着するための固着部51、51となっている。また、壁面金具50の前方への突出部52の左右両端には、上下方向へ延びるスリットで、折り曲げ部42、42を差し込み可能な被掛止スリット53、53が開設されている。さらに、各被掛止スリット53の左右方向で内側に隣接する箇所には、上下方向へ延びるスリットで、案内突起45が挿通可能な案内スリット54が夫々開設されている。なお、壁面金具50の突出部52の前方への突出量は、ボックス金具40の折り曲げ部42、42の前後長さよりも僅かに長くなっている。
【0024】
そして、第4実施形態となる設置構造での荷物受取ボックス1、1の設置について説明すると、まず荷物受取ボックス1、1の最終的な設置高さ(架台2を介在させた状態での設置高さ)に合わせて壁面金具50、50を壁面Wに固着する(ボックス金具40は、予め荷物受取ボックス1の背面に固定されている)。次に、上下に積み重ねた2つの荷物受取ボックス1、1について、その背面が壁面W側を向けた状態とした上で、対応するボックス金具40と壁面金具50とにおいて、折り曲げ部42、42を被掛止スリット53、53に夫々前方から差し込み、図11(a)に示すように折り曲げ部42、42を被掛止スリット53、53の下端に位置させることで、仮固定部44、44を突出部52に引っ掛けた状態(仮固定)とする。それから、荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って持ち上げ、図11(b)に示すように折り曲げ部42、42を被掛止スリット53、53の上端に位置させ、掛止部43、43を突出部52の後方に位置させる(掛止部を被掛止部に掛止させる)ことで掛止部43、43の前方への移動を規制するとともに、下側の荷物受取ボックス1の下方(下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間)に架台2を差し込み、架台2上に荷物受取ボックス1、1を載置する。最後に、下側の荷物受取ボックス1と架台2とをボルトで連結する等して一体化することで、図1に示すような状態で荷物受取ボックス1、1の設置は完了となる。なお、案内突起45、45は、折り曲げ部42、42の被掛止スリット53、53への差し込みに伴い、案内スリット54、54内に挿通された状態となり、荷物受取ボックス1、1の持ち上げ等を案内する。
【0025】
以上のような構成を有する荷物受取ボックス1、1の第4実施形態となる設置構造によれば、荷物受取ボックス1の背面にボックス金具40を、壁面W側に壁面金具50を夫々設け、ボックス金具40に、上方へ突出する掛止部43を設ける一方、壁面金具50の突出部52に、掛止部43を含めて折り曲げ部42を前方から差し込み可能な被掛止スリット53を開設することで、荷物受取ボックス1の上方への移動に伴う掛止部43の上方への移動により、掛止部43が突出部52の後側に下方から差し込まれて掛止され、掛止部43の前方への移動が規制されるようにしている。さらに、掛止部43と突出部52との掛止状態において、下側の荷物受取ボックス1の底面と床面Lとの間に架台2を差し込んで介在させている。したがって、第1実施形態の設置構造同様、たとえ重量のある荷物受取ボックス1、1であっても、床面Lにアンカー固定する必要がないため、タイル貼りされているような床面L上でも荷物受取ボックス1、1を壁面Wに沿って設置することができ、汎用性の高い設置構造とすることができる。また、各折り曲げ部42に下方へ突出する仮固定部44を設けており、折り曲げ部42、42を被掛止スリット53、53の下端に位置させ、仮固定部44、44を突出部52に引っ掛けることで、荷物受取ボックス1、1を壁面W上に仮固定することができるとともに、当該仮固定の状態から荷物受取ボックス1、1を上方へ移動させるだけで、荷物受取ボックス1、1の前方への移動を規制することができるため、設置作業性の向上をも図ることができる。
【0026】
なお、本発明に係るキャビネットの設置構造は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、キャビネットの構成は勿論、キャビネットの背面側に設ける第1設置部や壁面側に設ける第2設置部に係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0027】
たとえば、上記第2実施形態及び第3実施形態では、キャビネット側に挿入部及び被掛止部を、壁面側に前方へ突出する掛止部を夫々設けているが、キャビネット側に後方へ突出する掛止部を、壁面側に挿入部及び被掛止部を夫々設けるという構成を採用することも可能である。その際、壁面に直接挿入部及び被掛止部を設けてもよいし、たとえば第4実施形態のように前方へ突出する突出部を備えた壁面金具を設け、該壁面金具に挿入部及び被掛止部を設けるとしてもよい。
【0028】
また、第2実施形態及び第3実施形態では、キャビネットの背面に直接挿入部及び被掛止部を設けているが、たとえば第1実施形態のようにキャビネットの背面に後方へ突出する突出部を備えたボックス金具を固定し、該ボックス金具に挿入部及び被掛止部を設けることも当然可能である。
さらに、第1実施形態や第4実施形態におけるボックス金具や壁面金具の具体的な形状をどのようにするかについては適宜設計変更可能であるし、荷物受取ボックス以外のキャビネット(たとえば分電盤等に利用するキャビネット)の設置構造としても、本発明は好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1・・荷物受取ボックス(キャビネット)、2・・架台、10、40・・ボックス金具(第1設置部)、12・・被掛止部、15、30、50・・壁面金具(第2設置部)、17・・掛止部、20、25・・設置孔、21、26・・挿入部、22、27・・被掛止部、28・・仮固定部、42・・折り曲げ部、43・・掛止部、44・・仮固定部、52・・突出部(被掛止部)、53・・被掛止スリット、L・・床面、W・・壁面。
図1
図2
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図11