IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

特開2023-45972作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法
<図1>
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図1
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図2
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図3
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図4
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図5
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図6
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図7
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図8
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図9
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図10
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図11
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図12
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図13
  • 特開-作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045972
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20230327BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20230327BHJP
   B66C 13/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
E02F9/26 A
B66F9/24 Z
B66C13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154613
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉村 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】奥村 陽介
(72)【発明者】
【氏名】町田 正臣
【テーマコード(参考)】
2D015
3F333
【Fターム(参考)】
2D015HA03
3F333AA02
3F333DB10
3F333FE08
3F333FE09
(57)【要約】
【課題】表示変更を伴う作業機械の各種機能の仕様変更に対して、表示制御を行うコントローラの更新頻度を低減した表示システムおよび表示方法を提供すること。
【解決手段】表示制御とは異なる機能の制御を行う第1コントローラ20と、表示制御を行う第2コントローラ40とを備える作業機械の表示システム1であって、第2コントローラ40へ作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を送信する設定情報送信制御部、を有する第1コントローラ20と、第1コントローラ20から設定情報を受信する設定情報受信制御部と、設定情報受信制御部によって受信された設定情報に基づいて設定項目の表示を行うよう制御する表示制御部と、を有する第2コントローラ40と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示制御とは異なる機能の制御を行う第1コントローラと、表示制御を行う第2コントローラとを備える作業機械の表示システムであって、
前記第2コントローラへ作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を送信する設定情報送信制御部、
を有する前記第1コントローラと、
前記第1コントローラから前記設定情報を受信する設定情報受信制御部と、
前記設定情報受信制御部によって受信された前記設定情報に基づいて前記設定項目の表示を行うよう制御する表示制御部と、
を有する第2コントローラと、
を備える作業機械の表示システム。
【請求項2】
前記設定情報は、前記設定項目の表示の有無、前記設定項目の設定変更の可否を示す情報を含む、
請求項1に記載の作業機械の表示システム。
【請求項3】
前記設定情報は、複数の前記設定項目の設定を規制する条件である可否設定条件を示す情報を含み、
前記表示制御部は、前記可否設定条件に基づいて、複数の前記設定項目の設定値の組み合わせによって自動的に設定して表示を行うよう制御する、
請求項2に記載の作業機械の表示システム。
【請求項4】
前記第2コントローラは、前記第1コントローラよりもソフトウェアの更新が少ない、
請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機械の表示システム。
【請求項5】
前記作業機械は、前記作業機械の周囲の障害物を検知する作業機械であって、
複数の前記設定項目は、前記障害物を検知した際における、前記作業機械の停止制御、外部ブザーの発砲、およびキャブ内ブザーの発砲に関する設定を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の作業機械の表示システム。
【請求項6】
前記第2コントローラの仕様管理を行う第3コントローラ、
を備え、
前記第3コントローラから、前記設定情報が前記第1コントローラへ送信される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の作業機械の表示システム。
【請求項7】
表示制御とは異なる機能の制御を行う第1コントローラと、表示制御を行う第2コントローラとを備える作業機械の表示方法であって、
前記第2コントローラへ作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を送信することと、
前記第1コントローラから前記設定情報を受信することと、
受信された前記設定情報に基づいて前記設定項目の表示を行うよう制御することと、
を含む作業機械の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両の周囲の障害物を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-019253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械は、特許文献1に記載のような、障害物を検出する機能を含む多様な機能が実装されている。作業機械の各種機能は、作業機械の運転室に設けられたモニタに表示された設定画面を介して、オペレータによってONとOFFとを設定可能である。また、作業機械の仕様変更により、機能の有効と無効とが切り替えられたり、機能が追加されたりする。この場合、モニタのコントローラのソフトウェアを仕様変更にあわせて更新する必要があった。モニタのコントローラは、作業機械の基本機能を実装しており高い品質が要求されるので、ソフトウェアの更新の頻度を低減することが望まれる。
【0005】
本開示の態様は、表示変更を伴う作業機械の各種機能の仕様変更に対して、表示制御を行うコントローラの更新頻度を低減した作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様に従えば、表示制御とは異なる機能の制御を行う第1コントローラと、表示制御を行う第2コントローラとを備える作業機械の表示システムであって、前記第2コントローラへ作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を送信する設定情報送信制御部、を有する前記第1コントローラと、前記第1コントローラから前記設定情報を受信する設定情報受信制御部と、前記設定情報受信制御部によって受信された前記設定情報に基づいて前記設定項目の表示を行うよう制御する表示制御部と、を有する第2コントローラと、を備える作業機械の表示システムが提供される。
【0007】
本開示の態様に従えば、表示制御とは異なる機能の制御を行う第1コントローラと、表示制御を行う第2コントローラとを備える作業機械の表示方法であって、前記第2コントローラへ作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を送信することと、前記第1コントローラから前記設定情報を受信することと、受信された前記設定情報に基づいて前記設定項目の表示を行うよう制御することと、を含む作業機械の表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の態様によれば、表示変更を伴う作業機械の各種機能の仕様変更に対して、表示制御を行うコントローラの更新頻度を低減することができる作業機械の表示システムおよび作業機械の表示方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る作業機械の表示システムの概略図である。
図2図2は、第1コントローラの一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、設定情報の一例を説明する図である。
図4図4は、第2コントローラを含む表示装置の一例を示す機能ブロック図である。
図5図5は、設定画面の映像の一例を説明する図である。
図6図6は、本実施形態に係る作業機械の表示システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、設定情報の具体例を説明する図である。
図8図8は、設定情報の具体例を説明する図である。
図9図9は、図8の設定情報に基づいて表示された設定画面の図である。
図10図10は、設定情報の具体例を説明する図である。
図11図11は、図10の設定情報に基づいて表示された設定画面の図である。
図12図12は、本実施形態に係るコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
図13図13は、作業機械の表示システムの変形例の概略図である。
図14図14は、第1コントローラの変形例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
本実施形態においては、作業機械は、例えば、バッテリからの電力又はエンジン等によって駆動されるフォークリフト、ホイールローダ又は油圧ショベル等であり、特に限定されない。本実施形態では、作業機械は、作業機械の周囲の障害物を検知する。
【0012】
<作業機械の表示システム>
図1は、本実施形態に係る表示システムの概略図である。作業機械の表示システム1は、作業機械に搭載されている。表示システム1は、周辺監視制御を行う第1コントローラ20と、表示制御を行う第2コントローラ40とを備える。本実施形態では、表示システム1は、さらに作業機制御を行う作業機コントローラ50を備える。第1コントローラ20と第2コントローラ40と作業機コントローラ50とは、データを通信可能である。
【0013】
設定項目は、作業機械の各種機能に関して、作業機械のオペレータが機能の各種設定を設定可能な項目である。各種設定とは、例えば、機能の「ON」と「OFF」などである。設定項目は、作業機械の運転室内に設けられたモニタ31(図5参照)の設定画面に表示される。オペレータは、モニタ31の設定画面における設定項目の設定を変更する。本実施形態における設定項目の具体例は後述する。
【0014】
<周辺監視装置>
図2は、第1コントローラの一例を示す機能ブロック図である。周辺監視装置10は、作業機械の周辺の障害物を検知する。周辺監視装置10は、周辺に障害物が検知された場合に、例えば、機体を停止する制御を行ったり、ブザーを鳴動したりする。周辺監視装置10は、第1コントローラ20を備える。
【0015】
<第1コントローラ>
第1コントローラ20は、周辺監視制御のような作業機械の付加機能を実装する。第1コントローラ20は、第2コントローラとは異なる制御を行う。第1コントローラ20は、第2コントローラ40よりもソフトウェアの更新が多い。第1コントローラ20は、周辺監視装置10のコントローラである。第1コントローラ20は、設定情報を第2コントローラ40へ送信する。第1コントローラ20は、インターフェース部21と、設定情報生成部22と、設定情報記憶部23と、設定情報送信制御部24と、設定情報受信制御部25とを備える。
【0016】
インターフェース部21は、表示装置30に接続される。インターフェース部21は、表示装置30と通信する。
【0017】
設定情報生成部22は、作業機械の仕様に基づいて、作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を生成する。設定情報生成部22によって生成された設定情報は、設定情報記憶部23に記憶される。
【0018】
図3は、設定情報の一例を説明する図である。設定情報は、作業機械に関する設定項目ごとに、表示装置30における表示態様を示す情報である。本実施形態では、設定情報は、設定項目ごとに、表示装置30における表示の有無、設定変更可否、設定値、および、可否設定条件を示す情報を含む。
【0019】
本実施形態では、設定項目は、周辺監視装置10が有する周辺監視機能に関連する機能に対応する。本実施形態では、設定項目は、複数である。設定項目は、例えば、「機体停止制御」、「外部ブザー」および「キャブ内ブザー」である。設定項目は、作業機械の仕様変更により追加されたり削除されたりする機能である。
【0020】
「機体停止制御」とは、周辺監視装置10によって周辺に障害物が検知された場合に、機体を停止する制御の機能である。
【0021】
「外部ブザー」とは、周辺監視装置10によって周辺に障害物が検知された場合に、作業機械の外部に設けられたブザーを鳴動する機能である。
【0022】
「キャブ内ブザー」とは、周辺監視装置10によって周辺に障害物が検知された場合に、運転室内に設けられたブザーを鳴動する機能である。
【0023】
表示の有無とは、当該設定項目を表示装置30に表示するか否かである。「表示あり」の場合、当該設定項目は、表示装置30のモニタ31の設定画面に表示される。「表示なし」の場合、当該設定項目は、モニタ31の設定画面に非表示である。
【0024】
例えば、「機体停止制御」の機能が無効である場合、言い換えると、機能を有していない場合、「機体停止制御」は「表示なし」である。例えば、「機体停止制御」の機能が有効である場合、言い換えると、機能を有する場合、「機体停止制御」は「表示あり」である。
【0025】
設定変更可否とは、当該設定項目の設定値を変更可能か否かである。より詳しくは、設定変更可否とは、当該設定項目に対応する機能の「ON」と「OFF」とをオペレータが切り替え可能であるか否かである。「設定変更可」である場合、当該設定項目は表示装置30のモニタ31の設定画面を介して設定値である「ON」と「OFF」とが変更可能である。例えば、「外部ブザー」を鳴動させない場合、「外部ブザー」を「OFF」にする。例えば、「外部ブザー」を鳴動させる場合、「外部ブザー」を「ON」にする。「設定変更不可」である場合、当該設定項目はモニタ31の設定画面を介して設定値である「ON」と「OFF」とは変更不可である。本実施形態では、設定項目の設定値は、他の設定項目の設定値の組み合わせによって自動的に設定されることがある。このような条件を、可否設定条件という。可否設定条件は、複数の設定項目の設定を規制する条件である。
【0026】
可否設定条件は、例えば、設定項目「機能A」の設定値が「ON」である場合には、設定項目「機能B」の設定値を「OFF」とするといった内容の条件である。この内容の可否設定条件により、設定項目「機能A」の設定値が「ON」である場合には、設定項目「機能B」の設定値を「ON」にすることが規制される。可否設定条件は、例えば、設定項目「機能A」または「機能B」の設定値が「ON」である場合には、設定項目「機能C」の設定値を「ON」とするといった内容の条件である。この内容の可否設定条件により、設定項目「機能A」または「機能B」の設定値が「ON」である場合には、設定項目「機能C」の設定値を「OFF」にすることが規制される。可否設定条件は、作業機械の仕様に基づいて定義される。
【0027】
本実施形態では、設定情報生成部22は、このような設定情報を作業機械の仕様に基づいて生成する。
【0028】
設定情報記憶部23は、作業機械に関する設定項目ごとの表示態様を示す設定情報を記憶する。設定情報記憶部23は、設定情報生成部22によって生成された設定情報をマスターデータとして記憶する。記憶する設定情報については後述する。設定情報記憶部23例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Random Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Random Access Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク及び光磁気ディスクのうち少なくとも1つが用いられる。
【0029】
設定情報送信制御部24は、インターフェース部21を介して、設定情報を第2コントローラ40へ送信するよう制御する。設定情報送信制御部24は、例えば、作業機械の起動時に設定情報を送信する。
【0030】
設定情報受信制御部25は、インターフェース部21を介して、設定情報を第2コントローラ40から受信するよう制御する。設定情報受信制御部25は、例えば、設定画面の表示の終了時、設定値の変更時、または、作業機械の終了時、設定情報を受信する。設定情報受信制御部25によって受信された設定情報は、設定情報記憶部23に記憶される。これにより、表示装置30のモニタ31の設定画面を介してオペレータによって設定された設定情報が、マスターデータとして設定情報記憶部23に記憶される。
【0031】
<表示装置>
図4は、第2コントローラを含む表示装置の一例を示す機能ブロック図である。表示装置30は、作業機械の各種情報を表示する。表示装置30は、例えば、周辺監視装置10から送信された映像を表示する。表示装置30は、例えば、作業機械に関する設定項目の表示を行う。表示装置30は、モニタ31と、操作部32と、第2コントローラ40とを備える。
【0032】
モニタ31は、例えば、作業機械の運転席の前方に配置されている。モニタ31は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ(Electro luminescence)のようなフラットパネルディスプレイを含む。モニタ31は、例えば、周辺監視装置10から送信された映像を表示する。モニタ31は、例えば、作業機械に関する設定項目の設定画面の映像を表示する。
【0033】
操作部32は、例えば液晶ディスプレイ上に重ねて配置されたタッチパネルである。本実施形態では、操作部32は、設定画面上に表示された、例えば、ボタン画像321、ボタン画像322、ボタン画像323およびボタン画像324である。ボタン画像321は、設定画面上の設定項目の選択位置を下へ移動するボタンである。ボタン画像322は、設定画面上の設定項目の選択位置を上へ移動するボタンである。ボタン画像323は、設定画面上の設定項目の選択位置を元に戻すボタンである。ボタン画像324は、設定画面上の設定項目の選択位置を決定するボタンである。操作部32は、例えばモニタ31の周辺部に配置された、ファンクションスイッチであってもよい。
【0034】
<第2コントローラ>
第2コントローラ40は、作業機械の基本機能を実装する。第2コントローラ40は、第1コントローラ20よりもソフトウェアの更新が少ない。第2コントローラ40は、例えば、表示装置30のコントローラ、言い換えると、モニタコントローラである。第2コントローラ40は、第1コントローラ20から設定情報を受信する。第2コントローラ40は、受信した設定情報に基づいて、設定項目をモニタ31に表示する。第2コントローラ40は、例えば、周辺監視装置10から送信された映像をモニタ31に表示する。第2コントローラ40は、インターフェース部41と、設定情報受信制御部42と、表示制御部43と、操作受付部44と、設定情報送信制御部45とを備える。
【0035】
第2コントローラ40には、モニタ31と操作部32とが接続されている。第2コントローラ40は、操作部32に対する操作を検出した場合、操作情報を取得する制御を行う。第2コントローラ40は、作業機械の起動時、第1コントローラ20から取得した設定情報をモニタ31に表示させる制御を行う。
【0036】
インターフェース部41は、周辺監視装置10および作業機コントローラ50に接続される。インターフェース部41は、周辺監視装置10および作業機コントローラ50と通信する。作業機コントローラ50との通信については説明を省略する。
【0037】
設定情報受信制御部42は、インターフェース部41を介して、第1コントローラ20から設定情報を受信するよう制御する。設定情報受信制御部42は、例えば、作業機械の起動時に設定情報を受信する。設定情報受信制御部42によって受信された設定情報は、図示しない記憶部に記憶される。
【0038】
表示制御部43は、モニタ31への出力を制御する。表示制御部43は、例えば、周辺監視装置10から送信された映像をモニタ31に表示する映像信号を出力する。表示制御部43は、設定情報受信制御部42が取得した設定情報に基づいて、設定項目をモニタ31に表示する映像信号を出力する。
【0039】
表示制御部43は、第1コントローラ20から受信した設定情報に基づいて、設定項目ごとに、表示の有無、設定変更可否、設定値、および、可否設定条件に応じた設定画面を表示する映像信号を出力する。設定項目ごとに、表示の有無が「表示あり」の場合、当該設定項目を設定画面に表示する。設定項目ごとに、設定変更可否が「設定変更可」の場合、設定変更受付を設定画面に表示する。本実施形態では、設定変更受付は、設定値が兼ねている。表示の有無が「表示なし」の場合、当該設定項目は非表示にする。以下は、「表示あり」の設定項目について行う。設定変更可否が「設定変更可」である場合、当該設定項目の設定値である「ON」と「OFF」とが変更可能な態様で表示させる。例えば、設定値である「ON」と「OFF」とは、1回押下されるごとに切り替えられる態様で表示される。本実施形態では、当該設定項目の設定値である「ON」と「OFF」とが、設定変更受付として機能する。設定変更可否が「設定変更不可」である場合、当該設定項目の設定値は変更不可能な態様で表示させる。さらに、可否設定条件に基づいて、設定項目の設定変更可否の設定値は、他の設定項目の設定変更可否の設定値の組み合わせによって自動的に設定して表示させる。
【0040】
図5は、設定画面の映像の一例を説明する図である。モニタ31に表示された設定画面には、3つの設定項目と設定値とが表示されている。設定画面の下部には、ボタン画像321、ボタン画像322、ボタン画像323およびボタン画像324が表示されている。図5に示す例では、「機体停止制御」は「ON」、「外部ブザー」は「ON」、「キャブ内ブザー」は「ON」に設定されている。
【0041】
表示制御部43は、操作受付部44が取得した操作情報に基づいて、設定画面の表示を更新する。表示制御部43は、例えば、設定値を変更する操作情報に基づいて、設定画面の当該項目の設定値を更新した映像を表示する。
【0042】
表示制御部43は、現在の設定画面上の設定値の情報を含む設定情報を第1コントローラ20へ送信する。より詳しくは、表示制御部43は、例えば、設定画面の表示を終了するとき、または、設定値が変更されたときに、現在の設定画面上の設定値の情報を含む設定情報を、設定情報送信制御部45を介して第1コントローラ20へ送信する。
【0043】
操作受付部44は、操作部32に対する操作を受け付ける。操作受付部44は、操作情報を取得する。操作受付部44は、受け付けた操作情報を表示制御部43へ出力する。
【0044】
設定情報送信制御部45は、インターフェース部41を介して、設定情報を第1コントローラ20へ送信するよう制御する。設定情報送信制御部45は、例えば、設定画面の表示の終了時、設定値の変更時、または、作業機械の終了時に設定情報を送信する。
【0045】
<作業機コントローラ>
作業機コントローラ50は、図示しないインターフェース部を介して、表示装置30に接続される。本実施形態では、作業機コントローラ50は、周辺監視装置10が有する周辺監視機能に関連する機能の制御を行う。作業機コントローラ50は、例えば、機体を停止する制御を行う。作業機コントローラ50は、例えば、外部ブザーを鳴動させる制御を行う。作業機コントローラ50は、例えば、キャブ内ブザーを鳴動させる制御を行う。
【0046】
<表示システムの処理>
次に、作業機械の表示方法について説明する。まず、作業機械の起動時、第1コントローラ20は、設定情報送信制御部24によって、インターフェース部21を介して、設定情報を第2コントローラ40へ送信するよう制御する。
【0047】
図6は、本実施形態に係る表示システム1の処理の一例を示すフローチャートである。作業機械の起動時、第2コントローラ40は、第1コントローラ20から設定情報を受信する(ステップS11)。より詳しくは、第2コントローラ40は、設定情報受信制御部42によって、インターフェース部41を介して、第1コントローラ20から設定情報を受信するよう制御する。第2コントローラ40は、ステップS12へ進む。
【0048】
第2コントローラ40は、設定情報に基づいて表示する(ステップS12)。より詳しくは、第2コントローラ40は、第1コントローラ20から受信した設定情報に基づいて、設定項目ごとに、表示の有無、設定変更可否、設定値、および、可否設定条件に応じた設定画面を表示する映像信号を出力する。
【0049】
そして、例えば、設定画面の表示の終了時、設定値の変更時、または、作業機械の終了時、第2コントローラ40は、設定情報送信制御部45によって、現在の設定画面上の設定値の情報を含む設定情報を送信する。
【0050】
そして、第1コントローラ20は、設定情報受信制御部25によって、設定情報を受信する。第1コントローラ20は、設定情報受信制御部25によって受信された設定情報は、設定情報記憶部23に記憶させる。
【0051】
このようにして、モニタ31に表示された設定画面を介して変更された設定情報は、第2コントローラ40から第1コントローラ20へ送信されて、設定情報記憶部23に記憶される。設定情報記憶部23には、設定情報がマスターデータとして記憶される。
【0052】
図7は、設定情報の具体例を説明する図である。図7には、「機体停止制御」は、「表示あり」、「設定変更可」、設置値「ON」であることが記憶されている。また、「ON」の場合、キャブ内ブザーの設定値「ON」」が可否設定条件である。「外部ブザー」は、「表示あり」、「設定変更可」、設置値「ON」であることが記憶されている。また、「ON」の場合、キャブ内ブザーの設定値「ON」」が可否設定条件である。「キャブ内ブザー」は、「表示あり」、「設定変更不可」、設置値「ON」であることが記憶されている。図7に示す設定情報に基づいて、図5に示す設定画面が表示される。
【0053】
図8は、設定情報の具体例を説明する図である。図9は、図8の設定情報に基づいて表示された設定画面の図である。図8には、「機体停止制御」は、「表示なし」であることが記憶されている。「外部ブザー」は、「表示あり」、「設定変更可」、設置値「ON」であることが記憶されている。また、「ON」の場合、キャブ内ブザーの設定値「ON」」が可否設定条件である。「キャブ内ブザー」は、「表示あり」、「設定変更不可」、設置値「ON」であることが記憶されている。図8に示す設定情報に基づいて、図9に示す設定画面が表示される。図9に示す例では、「機体停止制御」は非表示で、「外部ブザー」は「ON」、「キャブ内ブザー」は「ON」に設定されている。図9に示す例では、可否設定条件により、「外部ブザー」が「ON」である場合、「キャブ内ブザー」は「ON」になることが規定されており、「キャブ内ブザー」を「OFF」に切り替えることはできない。
【0054】
図10は、設定情報の具体例を説明する図である。図11は、図10の設定情報に基づいて表示された設定画面の図である。図10には、「機体停止制御」は、「表示なし」であることが記憶されている。「外部ブザー」は、「表示あり」、「設定変更可」、設置値「OFF」であることが記憶されている。また、「ON」の場合、キャブ内ブザーの設定値「ON」」が可否設定条件である。「キャブ内ブザー」は、「表示あり」、「設定変更可」、設置値「ON」であることが記憶されている。図10に示す設定情報に基づいて、図11に示す設定画面が表示される。図11に示す例では、「機体停止制御」は非表示で、「外部ブザー」は「OFF」、「キャブ内ブザー」は「ON」に設定されている。図11に示す例では、「外部ブザー」が「OFF」であり、「キャブ内ブザー」は「ON」である。可否設定条件より「キャブ内ブザー」を「OFF」に切り替えることができる。
【0055】
<コンピュータシステム>
図12は、本実施形態に係るコンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の周辺監視装置10は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROMのような不揮発性メモリ及びRAMのような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。第1コントローラ20、第2コントローラ40及び作業機コントローラ50は、CPUのような数値演算装置(プロセッサ)である。上述の周辺監視装置10の各コントローラの機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0056】
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、第1コントローラ20は、設定情報をマスターデータとして記憶する。本実施形態では、第2コントローラ40は、第1コントローラ20から受信した設定情報に基づいて、設定画面における設定項目の表示を行う。本実施形態によれば、作業機械の各種機能の設定画面を適切に表示することができる。本実施形態は、設定項目が変更される場合、第1コントローラ20に記憶したマスターデータである設定情報を変更すればよい。本実施形態によれば、第2コントローラ40は変更しなくてもよく、改修範囲を抑えることができる。
【0057】
本実施形態は、設定情報は、設定項目の表示の有無、設定項目の設定変更可否を示す情報を含む。本実施形態によれば、作業機械の仕様変更により、機能の有効と無効とが切り替えられたり、機能が追加されたりする際に、第1コントローラ20に記憶したマスターデータである設定情報を変更すればよい。本実施形態は、作業機械の仕様変更に容易に対応することができる。
【0058】
本実施形態は、可否設定条件に基づいて、複数の設定項目の設定値の組み合わせによって自動的に設定して表示を行うよう制御することができる。
【0059】
本実施形態では、第2コントローラ40よりもソフトウェアの更新が多い第1コントローラ20が、マスターデータである設定情報を記憶する。本実施形態によれば、作業機械の基本機能を実装する第2コントローラ40の更新の頻度を抑えることができる。
【0060】
本実施形態では、設定項目は、周辺監視装置10によって障害物を検知した際における、前記作業機械の停止制御、外部ブザーの発砲、およびキャブ内ブザーの発砲に関する設定を含む。本実施形態によれば、周辺監視装置10の各種機能の設定画面を適切に表示することができる。
【0061】
<変形例>
図13は、表示システムの変形例の概略図である。図14は、第1コントローラの変形例を示す機能ブロック図である。表示システム1は、第1コントローラ20と第2コントローラ40と加えて、第2コントローラ40の仕様管理を行う第3コントローラ60を備える。第3コントローラ60は、上記の第1コントローラ20の機能のうち、設定情報生成部22に相当する機能を有する。第3コントローラ60は、生成した設定情報を第1コントローラ20へ送信する。第1コントローラ20は、第1設定情報受信制御部27によって、第1インターフェース部26を介して第3コントローラ60から設定情報を受信する。第1コントローラ20は、第2設定情報送信制御部24によって、第2インターフェース部21を介して第2コントローラ40へ設定情報を送信する。このように構成することにより、第2コントローラ40の仕様管理を第3コントローラ60が行うので、仕様変更時に、第3コントローラ60を改修すればよく改修範囲を抑えることができる。
【符号の説明】
【0062】
1…表示システム、10…周辺監視装置、20…第1コントローラ、21…インターフェース部、22…設定情報生成部、23…設定情報記憶部、24…設定情報送信制御部、25…設定情報受信制御部、30…表示装置、31…モニタ、32…操作部、40…第2コントローラ、41…インターフェース部、42…設定情報受信制御部、43…表示制御部、44…操作受付部、45…設定情報送信制御部、50…作業機コントローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14