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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045999
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/35 20060101AFI20230327BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B41J2/35 G
B41J3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154660
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤西 陽佑
(57)【要約】
【課題】ヘッド素子の抵抗値の検出において、該検出のための回路に用いられる部品のばらつきの影響を低減させる記録装置を提供する。
【解決手段】記録用抵抗体の発熱により被記録媒体への記録を行う記録手段と、前記被記録媒体への記録時に前記記録手段に電圧を供給する記録用電源と、前記記録用電源と異なる検出用電源と、前記検出用電源から検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体と異なる基準抵抗体に至る第1の導電経路を形成する第1の導電手段と、前記検出用電源から前記検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体に至る第2の導電経路を形成する第2の導電手段と、前記第1の導電手段により形成された前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電手段により形成された前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値とに基づいて、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定する判定手段とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用抵抗体の発熱により被記録媒体への記録を行う記録手段と、
前記被記録媒体への記録時に前記記録手段に電圧を供給する記録用電源と、
前記記録用電源と異なる検出用電源と、
前記検出用電源から検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体と異なる基準抵抗体に至る第1の導電経路を形成する第1の導電手段と、
前記検出用電源から前記検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体に至る第2の導電経路を形成する第2の導電手段と、
前記第1の導電手段により形成された前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電手段により形成された前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値とに基づいて、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の導電手段により前記第1の導電経路が形成されている場合、前記第2の導電手段により前記第2の導電経路は形成されておらず、前記第2の導電手段により前記第2の導電経路が形成されている場合、前記第1の導電手段により前記第1の導電経路は形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値との差分に基づいて、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記検出用電源により前記記録用抵抗体に供給される電圧は、前記被記録媒体への記録の際に前記記録用抵抗体に供給される電圧より低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1の導電手段は、前記基準抵抗体に接続されたスイッチを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第2の導電手段は、前記記録用抵抗体に接続されたスイッチを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記基準抵抗体の抵抗値は、複数の前記記録用抵抗体の合成抵抗値に対応し、
前記判定手段による判定は、第1の判定処理として、複数の前記記録用抵抗体の組に対して行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値との差分を複数のランクに分類することにより、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記第1の判定処理は、ユーザ指示を受け付けることにより実行されることを特徴とする請求項7又は8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記第1の判定処理は、前記記録装置の電源が投入されたことに基づいて実行されることを特徴とする請求項7又は8に記載の記録装置。
【請求項11】
前記判定手段は、前記第1の判定処理と異なる第2の判定処理を行い、
前記第2の判定処理では、前記基準抵抗体の抵抗値は、1つの前記記録用抵抗体の抵抗値に対応し、
前記判定手段による判定は、前記第2の判定処理として、前記記録用抵抗体ごとに対して行われることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値との差分が所定範囲に含まれるか否かに基づいて、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定することを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
【請求項13】
前記第2の判定処理は、前記記録装置の電源が投入されたことに基づいて実行されることを特徴とする請求項11又は12に記載の記録装置。
【請求項14】
前記第2の判定処理は、前記第1の判定処理の前に実行されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項15】
前記判定手段により判定された結果に基づいて、前記被記録媒体への記録の際の前記記録用抵抗体の駆動条件を制御する制御手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項16】
前記駆動条件とは、前記記録用抵抗体への通電時間を含むことを特徴とする請求項15に記載の記録装置。
【請求項17】
前記被記録媒体は、チューブを含むことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体への記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ形状の記録媒体に文字や記号を印刷する記録装置として、複数のヘッド素子を持つ記録ヘッドを備え、各ヘッド素子に電圧を印加してヘッド素子を発熱させることで記録媒体へ印刷を行うサーマル式の記録装置が用いられることがある。
【0003】
ヘッド素子に不良や劣化が発生すると、印刷品質が低下する原因となる。特許文献1では、そのような不具合を解消するために、記録ヘッドに検査用電圧を印加する電圧印加回路を備え、各ヘッド素子の抵抗値と電圧印加回路の検査用抵抗とによる直列回路の分圧電圧値を把握することで、ヘッド素子の不良や劣化を判断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-119413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、ヘッド素子の不良や劣化を判断するために、電圧印加回路や検査用抵抗等、複数の部品を用いる。そのため、各部品のばらつきが大きくなる可能性がより顕著となり、ヘッド素子の性能としての抵抗値の検出精度の低下を招いてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、ヘッド素子の抵抗値の検出において、該検出のための回路に用いられる部品のばらつきの影響を低減させる記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る記録装置は、記録用抵抗体の発熱により被記録媒体への記録を行う記録手段と、前記被記録媒体への記録時に前記記録手段に電圧を供給する記録用電源と、前記記録用電源と異なる検出用電源と、前記検出用電源から検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体と異なる基準抵抗体に至る第1の導電経路を形成する第1の導電手段と、前記検出用電源から前記検出用抵抗体を介して、前記記録用抵抗体に至る第2の導電経路を形成する第2の導電手段と、前記第1の導電手段により形成された前記第1の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値と、前記第2の導電手段により形成された前記第2の導電経路における前記検出用抵抗体の電圧値とに基づいて、前記記録用抵抗体の抵抗値を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヘッド素子の性能の検出において、該検出のための回路に用いられる部品のばらつきの影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】記録装置の全体構成を示す図である。
図2】記録装置の制御関連のブロック構成を示す図である。
図3】記録ヘッドへの電力供給を行うための回路周辺の構成を示す図である。
図4】記録装置における記録動作を実行する処理を示すフローチャートである。
図5】ヘッド素子の抵抗値のランク判定処理を示すフローチャートである。
図6】ヘッド素子の抵抗値のランク判定処理が実行されるタイミングを示すフローチャートである。
図7】記録装置の電源が投入されてから電源がオフとされるまでの処理を示すフローチャートである。
図8】S402の処理を示すフローチャートである。
図9】記録ヘッドへの電力供給を行うための回路周辺の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における記録装置1の全体構成の一例を示す図である。記録ヘッド11は、チューブやラベル等の長尺の被記録媒体に文字や記号を印刷するための記録ヘッドである。プラテンローラ12は、記録ヘッド11に対向する位置に配置されている。搬送ローラ対13は、被記録媒体の搬送動作を行う搬送ローラ対である。操作部14は、設定や実行指示等、ユーザからの操作入力を受付可能であり、例えばハードウェアキーを含むキーボードである。表示部15は、各種ステータスやユーザの入力状況を表示可能であり、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)である。
【0012】
図2は、記録装置1の制御関連のブロック構成の一例を示す図である。CPU200は、記録装置1全体を統括的に制御し、各種制御や演算処理を行う。本実施形態の動作は、例えば、CPU200がデータ記憶部203に記憶されたプログラムを不図示のRAMに読み出すことにより実現される。モータ201は、ローラ202の回転駆動力を生成する。ローラ202は、搬送ローラ対13、プラテンローラ12等、種種のローラを含む。また、モータ201は、各種ローラに対応したモータを含む。データ記憶部203は、プログラムや本実施形態で用いる各種データを記憶する。操作部14、表示部15も、各部に対応するインタフェースを介して、CPU200により制御される。
【0013】
記録電圧印加回路204は、記録ヘッド11に記録用電圧を供給するための記録用電源を含む回路である。検出電圧印加回路205は、記録ヘッド11に検出用電圧を供給するための検出用電源を含む回路である。基準値検出回路206は、基板内の基準値を検出するための基準抵抗体を含む回路である。記録電圧印加回路204、検出電圧印加回路205、基準値検出回路206の構成については後述する。
【0014】
記録装置1は、チューブやラベル等の長尺状の被記録媒体に対して記録を行う記録装置である。また、記録装置1は図1及び図2に示す構成に限られず、記録装置1が実現可能な機能に応じた構成を適宜含み得る。例えば、カッター等、被記録媒体を切断するための切断部を備えていても良い。
【0015】
図3は、記録ヘッド11へ電力供給を行うための回路周辺の構成を示す図である。本実施形態では、記録ヘッド11へ電力供給を行うための回路は、記録電圧印加回路204、検出電圧印加回路205、基準値検出回路206を含んで構成される。
【0016】
記録ヘッド11内には、複数のヘッド素子に対応する複数の(N個)抵抗体HEAD_R1~HEAD_RN(記録用抵抗体)が設けられている。また、CPU200からのコントロール信号(HEAD_CONTROL)をフレキシブルフラットケーブル(FFC)を介して受信し各抵抗体へ通電させるか否かを切り替えるためのドライバIC、及び複数のトランジスタスイッチ(以下、単にスイッチという)HEAD_FET1~HEAD_FETN)が構成されている。なお、スイッチHEAD_FET1~HEAD_FETNは、抵抗体HEAD_R1~HEAD_RNに対応している。
【0017】
記録電圧印加回路204内には、電力源として13Vの電圧が供給されている。記録電圧印加回路204は、被記録媒体への記録時には、13Vの記録用電圧を記録ヘッド11に供給する。また、後述するヘッド素子の性能としての抵抗値のランクを判定する際(抵抗値の検出動作時)には、内部のスイッチの制御により、3.3Vの検出用電圧が記録ヘッド11に供給されることになる。記録電圧印加回路204内には、CPU200からのコントロール信号301に基づいて、3.3Vの電圧を記録ヘッド11側へ供給させるか否かを切り替えるスイッチTrA、及びスイッチFET_AとFET_A’が構成されている。図3に示すように、スイッチFET_AとFET_A‘のゲートが抵抗体R2を介して、スイッチTr_Aのコレクタに接続されている。CPU200は、スイッチTr_Aのベースに接続されたコントロール信号301のレベル制御により、スイッチFET_AとFET_A’のオン/オフを制御し、その結果、記録用電圧もしくは検出用電圧の記録ヘッド11側への供給が切替えられる。そのような供給電圧の切替えを可能としている構成により、被記録媒体がない状態で記録ヘッド11へ記録用電圧を供給することによって生じ得るヘッド素子の破損の可能性を低減させることができる。
【0018】
検出電圧印加回路205内には、電力源として、記録用電圧より低い3.3Vの電圧が供給されている。検出電圧印加回路205は、後述するヘッド素子の抵抗値のランクを判定する際(抵抗値の検出動作時)には、3.3Vの検出用電圧を記録ヘッド11に供給する。検出電圧印加回路205内には、CPU200からのコントロール信号302に基づいて、3.3Vの検出用電圧を記録ヘッド11側へ供給させるか否かを切り替えるスイッチTrB及びスイッチFET_Bと、3.3Vの電源に対して分圧を行うための抵抗体RB(検出用抵抗体)、分圧された電圧をCPU200へ入力するための検出ラインR_CHK、上述の記録用電圧13Vが逆流しないようにするためのダイオードDBが構成されている。図3に示すように、スイッチFET_BのゲートがスイッチTr_Bのコレクタに接続されている。CPU200は、スイッチTr_Bのベースに接続されたコントロール信号302のレベル制御により、スイッチFET_Bのオン/オフを制御し、その結果、検出用電圧の記録ヘッド11側への供給が制御される。
【0019】
基準値検出回路206内には、検出用電圧3.3Vに対して分圧を行うための抵抗体RC(基準抵抗体)と、CPU200からのコントロール信号303に基づいて検出用電圧3.3Vにより抵抗体RCへ通電させるか否かを切り替えるスイッチFET_Cが構成されている。CPU200は、スイッチFET_Cのゲートに接続されたコントロール信号303のレベル制御により、スイッチFET_Cのオン/オフを制御し、その結果、抵抗体RCへの通電が制御される。抵抗体RCの抵抗値は、通電を実施する複数の抵抗体HEAD_Rの合成抵抗値のtyp値と同じ値とする。例えば、図5で一例として後述する16の倍数で指定される複数の抵抗値の合成抵抗値のtyp値と同じ値とする。
【0020】
上記のような構成により、被記録媒体への記録動作時には、記録電圧印加回路204により記録ヘッド11に記録用電圧が供給される。一方、記録ヘッド11のヘッド素子の抵抗値の検出動作時には、検出電圧印加回路205により記録ヘッド11に、検出用電圧に基づく電圧を供給する。そして、ヘッド素子の抵抗値の検出動作により、基準抵抗体の抵抗値に対する、ヘッド素子の抵抗値のランクが判定される。例えば、ヘッド素子の抵抗値の検出動作は、記録装置1の電源が投入され、被記録媒体への記録動作が行われる前に実行される。CPU200は、判定されたヘッド素子の抵抗値のランクに応じて、記録ヘッド11による記録動作の際のヘッド素子への通電時間を制御する。本実施形態では、そのような構成により、各ヘッド素子の抵抗値のランクに応じた通電時間とすることを可能とし、その結果、ヘッド素子の発熱量が過大/過少になることを防ぎ、印刷品位の向上と消費電力の低減とを実現することができる。
【0021】
図4は、記録装置1における記録動作を実行する処理を示すフローチャートである。図4の処理は、例えば、CPU200がデータ記憶部203に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。また、図4の処理は、ユーザにより操作部14を介して印刷ジョブの設定及び実行指示を受け付けると開始される。
【0022】
S101において、CPU200は、搬送ローラ対13により被記録媒体Tを記録ヘッド11まで搬送させるようモータ201等の搬送機構を制御する。S102において、CPU200は、被記録媒体Tの搬送動作と同期をとりながら、データ記憶部203に記憶された記録データに基づいて記録ヘッド11を制御し、記録動作が開始される。記録時には、被記録媒体Tは、記録ヘッド11及びプラテンローラ12により押し潰されて記録面が平らになりながら、記録ヘッド11による記録動作が行われる。なお、記録時には、記録電圧印加回路204により記録ヘッド11に対して記録用電圧が供給されている。
【0023】
S103において、CPU200は、所定量の記録が終了したか否かを判定する。所定量とは、例えば、所定のデータ量(ページ数など)や、ハーフカット動作が行われるのであれば所定のカット回数である。ここで、所定量の記録が終了していないと判定された場合、所定量の記録が終了していると判定されるまで、記録動作及び搬送動作とS103の判定処理とが繰り返される。S103で所定量の記録が終了したと判定された場合、S104において、CPU200は、被記録媒体Tに記録された最終記録部を記録装置1の排出口まで搬送させるよう搬送ローラ対13を制御する。その後、図4の処理を終了する。なお、記録装置1における記録動作は、図4の処理に限られず、記録装置1の機能に応じた処理が行われても良い。例えば、S104の前もしくは後において、被記録媒体Tの切断(ハーフカット、フルカット)が行われても良い。
【0024】
図5は、ヘッド素子の抵抗値のランク判定処理を示すフローチャートである。図5の処理は、例えば、CPU200がデータ記憶部203に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。また、図5の処理は、ユーザにより操作部14を介してヘッド素子の抵抗値検出動作の実行指示を受け付けると開始される。例えば、ユーザが記録を行った被記録媒体Tの印刷結果を見て白抜け等の印刷不良を認識した場合に、表示部15に表示された画面を介してヘッド素子の検査機能の実行の指示を受け付けるようにしても良い。もしくは、図5の処理は、記録装置1の電源が投入されると、ユーザ操作を介することなく開始されても良い。
【0025】
へッド素子の抵抗値の検出動作が開始されると、S201において、CPU200は、コントロール信号301のレベルを制御し、記録電圧印加回路204内のスイッチFET_A及びFET_A’をオフ状態とする。その結果、記録用電圧13Vが記録ヘッド11側に供給されないように制御される。また、CPU200は、ヘッドコントロール信号HEAD_CONTROLのレベルを制御し、ドライバICを介して、スイッチHEAD_FET1~HEAD_FETNをオフ状態とする。
【0026】
S202において、CPU200は、コントロール信号302のレベルを制御し、検出電圧印加回路205内のスイッチFET_Bをオン状態とする。そして、S203において、CPU200は、コントロール信号303のレベルを制御し、基準値検出回路206内のスイッチFET_Cをオン状態とする。S202及びS203の処理により、検出用電圧に基づいて、抵抗体RB、ダイオードDB、抵抗体RCにより形成される導電経路に通電される。
【0027】
S204において、CPU200は、検出ラインR_CHKにより、抵抗体RB、抵抗体RC、ダイオードDBにより分圧された電圧値を検出する。そして、S205において、CPU200は、検出した電圧値の平均値を回路REF値としてデータ記憶部203に格納する。例えば、CPU200は、S204の検出を10ms毎に5回行い、その平均値を回路REF値としても良い。
【0028】
S206において、CPU200は、コントロール信号303のレベルを制御し、スイッチFET_Cをオフ状態とする。S206で抵抗体RCへの通電が止められた後、S207において、CPU200は、コントロール信号HEAD_CONTROLを記録ヘッド11のドライバICへ送信し、指定したスイッチHEAD_FETのみをオン状態とする。その結果、コントロール信号HEAD_CONTROLで指定されたスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのみへの通電が開始される。なお、コントロール信号HEAD_CONTROLで指定されるスイッチHEAD_FET、対応する抵抗体HEAD_Rは、一つでも良いし、複数でも良い。
【0029】
例えば、記録ヘッド11内のスイッチHEAD_FET1~HEAD_FETNを配列順に1、2、3、・・・999、1000とした場合、16、32、48、・・・976、9992のスイッチのみへの通電を開始するようにスイッチがHEAD_CONTROLで指定される。このように特定のスイッチに対してのみ通電を行うことにより、消費電力を低減させ、消費電流の増大を防ぐことができる。コントロール信号HEAD_CONTROLにより指定方法は、上記に限られず、他の方法が採用されても良い。例えば、被記録媒体への記録時に同時駆動されるヘッド素子に対応するブロックや、隣接するヘッド素子のグループに基づいて指定されるようにしても良い。
【0030】
S208において、CPU200は、検出ラインR_CHKにより、抵抗体RB、抵抗体HEAD_R、ダイオードDBにより分圧された電圧値を検出する。そして、S209において、CPU200は、検出した電圧値の平均値をHEAD_DATAとしてデータ記憶部203に格納する。例えば、CPU200は、S208の検出を10ms毎に5回行い、その平均値をHEAD_DATAとしても良い。S210において、CPU200は、S209でデータ記憶部43に記憶されたHEAD_DATAと、S205でデータ記憶部203に記憶された回路REF値との差分を算出する。
【0031】
以下、S211~S221の処理により、指定された複数のスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのランクを判定する。本実施形態では、S211~S221の処理は、複数のスイッチHEAD_FETに対して一括に行われる。そのため、抵抗値検出の処理を効率化することができる。
【0032】
S211において、CPU200は、S210で算出された差分がa[V]以上であるか否かを判定する。差分がa[V]以上であると判定された場合、S213に進む。一方、a[V]以上でないと判定された場合、S212において、CPU200は、表示部15に、記録ヘッド11が不良状態であることを示す警告情報を通知し、その後、図5の処理を終了する。S212に進む場合は、例えば、抵抗体が焼損している状態であり、警告情報は、そのことを示す情報を含んでも良い。
【0033】
S213において、CPU200は、S210で算出された差分がb[V]以上であるか否かを判定する。差分がb[V]以上であると判定された場合、S215に進む。一方、b[V]以上でないと判定された場合、S214において、CPU200は、指定された複数のスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのランクを「ランクA」と判定し、その旨を示す情報をデータ記憶部203に格納する。その後、図5の処理を終了する。
【0034】
S215において、CPU200は、S210で算出された差分がc[V]以上であるか否かを判定する。差分がc[V]以上であると判定された場合、S217に進む。一方、c[V]以上でないと判定された場合、S216において、CPU200は、指定された複数のスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのランクを「ランクB」と判定し、その旨を示す情報をデータ記憶部203に格納する。その後、図5の処理を終了する。
【0035】
S217において、CPU200は、S210で算出された差分がd[V]以上であるか否かを判定する。差分がd[V]以上であると判定された場合、S219に進む。一方、d[V]以上でないと判定された場合、S218において、CPU200は、指定された複数のスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのランクを「ランクC」と判定し、その旨を示す情報をデータ記憶部203に格納する。その後、図5の処理を終了する。
【0036】
S219において、CPU200は、S210で算出された差分がe[V]以上であるか否かを判定する。差分がe[V]以上であると判定された場合、S221に進む。一方、e[V]以上でないと判定された場合、S220において、CPU200は、指定された複数のスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのランクを「ランクD」と判定し、その旨を示す情報をデータ記憶部203に格納する。その後、図5の処理を終了する。
【0037】
S221において、CPU200は、表示部15に、記録ヘッド11が不良状態であることを示す警告情報を通知し、その後、図5の処理を終了する。S221に進む場合は、例えば、納入段階での部品不良(部品性能が仕様範囲外)に対応する場合であり、警告情報は、そのことを示す情報を含んでも良い。
【0038】
上記のa~eの判定基準は、a<b<c<d<eを満たすように設定される。上記では、a~eを電圧値として説明したが、他の値であっても良く、例えば、電圧値を量子化して16進数等で符号化した値であっても良い。
【0039】
以上のように、本実施形態では、記録ヘッド11による記録動作が開始される前に、記録ヘッド11のヘッド素子の抵抗値のランクを判定することができる。そして、CPU200は、記録動作が開始される前に、判定されたランクに応じて複数の抵抗体HEAD_Rの通電時間を設定する。例えば、CPU200は、ランクAを100%の通電時間とした場合、ランクB=110%、ランクC=120%、ランクD=130%の通電時間を設定する。そのような構成により抵抗値に応じた最適な通電時間とすることができる。図5では、抵抗値のランク判定を、抵抗値が大きいものから順に、ランクA~Dの4つのランクに分類したが、4分類に限られず、例えば、より細かい分類分けが行われても良い。また、上記では、通電時間を抵抗体の駆動条件として設定するとしたが、抵抗体の発熱量を制御可能であれば、他の駆動条件を設定するようにしても良く、例えば、電流値を設定するようにしても良い。
【0040】
図6は、ヘッド素子の抵抗値のランク判定処理が実行されるタイミングの一例を示すフローチャートである。図6の処理は、記録装置1の電源が投入された後に開始される。
【0041】
S301において、CPU200は、図5のヘッド素子の抵抗値のランク判定処理を実行する。S301の処理は、図5で説明したように、ユーザ指示をトリガとして実行されても良いし、記録装置1の電源が投入されたことをトリガとして実行されても良い。S302において、CPU200は、操作部14を介してユーザから記録動作の開始指示を受け付ける。S303において、CPU200は、データ記憶部203に記憶されたヘッド素子のランクを参照し、ヘッド素子への通電時間を決定する。例えば、16、32、48、・・・976、9992のスイッチのグループに対してランクBが判定されていたとすると、そのグループのヘッド素子への通電時間は基準の(ランクAの)110%の通電時間とする。そして、CPU200は、決定された通電時間に従って、被記録媒体Tへの記録動作を実行する。
【0042】
S304において、CPU200は、ユーザから記録装置1の電源オフの操作を受け付けたか否かを判定する。電源オフの操作を受け付けたと判定された場合、CPU200は、記録装置1の電源オフの処理を実行し、その後、図6の処理を終了する。なお、S304で電源オフの操作を受け付けたと判定された場合、CPU200は、データ記憶部203に記憶されたランクに関する情報をクリアするようにしても良い。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、回路REF値との差分を算出することによりランク判定を行うので、検出電圧印加回路205に使用されている部品のばらつき、及び検出用電源のばらつきによる影響を低減させることができる。また、基準値検出回路206に構成される部品点数を最小限とするので、一般的に高精度な部品を採用することが容易となり、相対的に検出精度を向上させることが可能となる。
【0044】
また、抵抗体RCの抵抗値を、通電を実施する複数のヘッド素子HEAD_Rの合成抵抗値のtyp値と同じ値とすることで、ダイオードDBに流れる電流量を、検出を行いたい複数のヘッド素子HEAD_Rを用いた際に流れる電流量に近似させることができる。そのため、ダイオードDBの順方向電圧も近似値にすることが可能となり、検出精度を向上させることが可能となる。
【0045】
[第2実施形態]
以下、第1実施形態と異なる点について第2実施形態を説明する。記録ヘッド11において記録動作を行う際には、ヘッド素子に対して13V電圧を印加し通電を行うことで発熱させて、必要なドット部分の熱転写を行っている。通電時間が長くなると、抵抗体の酸化や焼損などにより抵抗成分が変化し、抵抗値が変化してしまうことが想定される。特に焼損が進むことで断線してしまうと、その抵抗体へは通電することができなくなり、発熱させることができなくなる。その結果、印刷画像の欠けが生じて印刷品位の低下を招いてしまう。
【0046】
本実施形態では、記録ヘッド11の総使用時間が所定時間以上になった場合において、ヘッド素子内の各抵抗体の状態(正常であるか異常であるか)を確認する処理をさらに実行することで、印刷品位の低下を防ぐことができる。
【0047】
図9は、本実施形態における、記録ヘッド11へ電力供給を行うための回路の構成の一例を示す図である。図9の回路は、基準値検出回路206内に抵抗体RC‘とスイッチFET_C’がさらに構成されている点で、図3の回路と異なる。抵抗体RC‘とスイッチFET_C’は、抵抗体RCとスイッチFET_Cの構成と同じように動作する。即ち、抵抗体RC‘は、検出用電圧3.3Vに対して分圧を行うための抵抗体である。スイッチFET_C’は、CPU41からのコントロール信号901に基づいて検出用電圧3.3Vにより抵抗体RC‘へ通電させるか否かを切り替えるスイッチである。CPU41は、スイッチFET_C’のゲートに接続されたコントロール信号901のレベル制御により、スイッチFET_C‘のオン/オフを制御し、その結果、抵抗体RC’への通電が制御される。
【0048】
図7は、記録装置1の電源が投入されてから、記録装置1の電源がオフ状態とされるまでの処理を示すフローチャートである。図7の処理は、例えば、記録装置1の電源が投入された場合に開始される。なお、図7の処理は、記録装置1の電源が投入された後、ユーザ指示により開始されても良いし、ユーザ指示を受け付けることなく、電源が投入されたことをトリガとして開始されても良い。
【0049】
S401において、CPU200は、記録ヘッド11の総使用時間が所定時間に達しているか否かを判定する。所定時間は、「100時間」などを示す情報として、データ記憶部203に記憶されている。また、CPU200は、記録ヘッド11の記録動作が実行される度に、その記録時間の累計値をデータ記憶部203に格納する。なお、記録時間は、例えば、通電時間に基づいて算出されても良い。S401で記録ヘッド11の総使用時間が所定時間に達していないと判定された場合には、S403に進む。一方、記録ヘッド11の総使用時間が所定時間に達していると判定された場合には、S402に進む。
【0050】
S403、S404、S405、S406については、図6のS301、S302、S303、S304における説明と同じであるので、それらの説明を省略する。
【0051】
S402において、CPU200は、図8で後述する、ヘッド素子内の各抵抗体の状態を確認する処理を実行する。S402の後、S403以降の処理が行われる。
【0052】
図8は、図7のS402の処理を示すフローチャートである。図8の処理は、例えば、CPU200がデータ記憶部203に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0053】
S501~S502の処理は、S201~S202における説明と同じであるので、それらの説明を省略する。
【0054】
S503において、CPU200は、コントロール信号303及び901のレベルを制御し、基準値検出回路206内のスイッチFET_Cをオフ状態とし、スイッチFET_C’をオン状態とする。S502及びS503の処理により、検出用電圧に基づいて、抵抗体RB、ダイオードDB、抵抗体RC’で形成される導電経路に通電される。なお、抵抗体RC‘の抵抗値は、抵抗体HEAD_Rの1本分の抵抗値と同じ値に設定されている。その際の抵抗値は、ばらつきの少ない高精度の抵抗体の仕様値としても良い。
【0055】
S504において、CPU200は、検出ラインR_CHKにより、抵抗体RB、抵抗体HEAD_R、ダイオードDBにより分圧された電圧値を検出する。そして、S505において、CPU200は、検出した電圧値の平均値を回路REF_Use値としてデータ記憶部203に格納する。例えば、CPU200は、S208の検出を10ms毎に5回行い、その平均値を回路REF_Use値としても良い。
【0056】
S506において、CPU200は、コントロール信号303のレベルを制御し、スイッチFET_C’をオフ状態とする。S506で抵抗体RC’への通電が止められた後、S507において、CPU200は、コントロール信号HEAD_CONTROLを記録ヘッド11のドライバICへ送信し、指定したスイッチHEAD_FET_1のみをオン状態とする。その結果、コントロール信号HEAD_CONTROLで指定されたスイッチHEAD_FET_1に対応する抵抗体HEAD_R1のみへの通電が開始される。ここでは、例えば、コントロール信号HEAD_CONTROLのスイッチHEAD_FETの指定を、図3のHEAD_FET_1からHEAD_FET_Nまで順に個々に指定するものとする。そのため、S507では、CPU200は、例えば、スイッチHEAD_FETを指定するための変数Nの値を「1」に設定する。変数Nは、コントロール信号HEAD_CONTROLに含まれる、記録ヘッド11内の特定のスイッチを指定するためのパラメータである。
【0057】
S508において、CPU200は、変数Nの設定値が所定値に達しているか否かを判定する。所定値とは、スイッチHEAD_FETの構成数であり、ここでは、一例として100としている。S508で変数Nの設定値が所定値に達していると判定された場合、図8の処理を終了する。一方、変数Nの設定値が所定値に達していないと判定された場合、S509に進む。例えば、スイッチの構成数が100であるので、所定値としてN=101となった場合に、図8の処理を終了する。
【0058】
S509において、CPU200は、コントロール信号HEAD_CONTROLを記録ヘッド11のドライバICへ送信し、コントロール信号HEAD_CONTROLに含まれる変数Nの値に対応するスイッチHEAD_FETのみをオン状態とする。その結果、コントロール信号HEAD_CONTROLで指定されたスイッチHEAD_FETに対応する抵抗体HEAD_Rのみへの通電が開始される。
【0059】
S510において、CPU200は、検出ラインR_CHKにより、抵抗体RB、抵抗体HEAD_R、ダイオードDBにより分圧された電圧値を検出する。そして、S511において、CPU200は、検出した電圧値の平均値をR_CHKとしてデータ記憶部203に格納する。例えば、CPU200は、S510の検出を10ms毎に5回行い、その平均値をR_CHKとしても良い。
【0060】
S511において、CPU200は、S505でデータ記憶部203に記憶された回路REF_Use値と、S510でデータ記憶部203に記憶されたR_CHKとの差分を算出する。
【0061】
S512において、CPU200は、S511で算出された差分がa[V]~e[V]の所定範囲外であるか否かを判定する。a~eは、図5のa~eの値と同じである。例えば、差分がa[V]未満であるか、もしくはe[V]以上である場合に、所定範囲外であると判定される。S512で差分が所定範囲外であると判定された場合、S513に進む。
【0062】
S513において、CPU200は、所定範囲外であると判定されたヘッド素子について異常状態であることを示す情報をデータ記憶部203に格納する。そして、S514において、CPU200は、表示部15に、記録ヘッド11のヘッド素子が異常状態であることを示す警告情報を通知し、その後、図8の処理を終了する。
【0063】
一方、S512で差分が範囲外でない、即ち範囲内であると判定された場合、S515に進む。S515において、CPU200は、範囲外であると判定されたヘッド素子について正常状態であることを示す情報をデータ記憶部203に格納する。そして、S516において、CPU200は、変数Nを1インクリメントし、S508からの処理を繰り返す。なお、S512で範囲外でないと判定された後、S515の処理は行われずに、S516が行われるようにしても良い。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、記録ヘッド11の総使用時間が所定時間以上となった場合、図5のヘッド素子の抵抗値のランク判定処理が行われる前に、全てのヘッド素子それぞれについて正常状態であるかもしくは異常状態であるかを判定することができる。
【0065】
図7で説明したように、S402において図8の処理が行われ、その後、S403において図5のヘッド素子の抵抗値のランク判定処理が行われる。その際、図5のS203においては、CPU200は、コントロール信号303及び901のレベルを制御し、基準値検出回路206内のスイッチFET_Cをオン状態とし、スイッチFET_C’をオフ状態とする。
【0066】
以上のように、本実施形態によれば、図5の処理と図8の処理のいずれにおいても、ダイオードDBに流れる電流量を、検出を行いたい抵抗体を用いた際に流れる電流量と近似させることができる。そのため、ダイオードDBの順方向電圧も近似値にすることが可能となり、検出精度を向上させることができる。
【0067】
なお、上記の各実施形態における構成は一例であり、説明した構成に限られず、同様の効果を奏するのであれば、他の構成が採用されても良い。例えば、基準値検出回路206を記録ヘッド11内に備えるようにしても良いし、ダイオードDBに対応する構成をFETで構成しても良い。
【0068】
発明は上記の各実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 記録装置: 11 記録ヘッド: 200 CPU: 204 記録電圧印加回路: 205 検出電圧印加回路: 206 基準値検出回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9