(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046079
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】収納式網戸
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20230327BHJP
E06B 3/30 20060101ALI20230327BHJP
E06B 3/32 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
E06B9/52 K
E06B9/52 C
E06B3/30
E06B3/32 A
E06B9/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154775
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】石井 大佳之
(72)【発明者】
【氏名】平川 真也
(72)【発明者】
【氏名】水本 義則
(72)【発明者】
【氏名】▲節▼ 世名
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA01
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB06
2E014BD09
2E014CA03
2E014CD04
2E014CD06
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上できる収納式網戸を提供すること。
【解決手段】収納式網戸6は、網戸戸先框62と、網戸戸先框62に接続され網戸戸先框62が移動されることで収納され又は引き出される網部65と、を有する網戸本体61を備え、網戸戸先框62は、網戸本体61の収納時に、少なくとも網収納部60の室外側を覆うように形成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網戸戸先框と、前記網戸戸先框に接続され前記網戸戸先框が移動されることで収納され又は引き出される網部と、を有する網戸本体を備え、
前記網戸戸先框は、前記網戸本体の収納時に、少なくとも網収納部の室外側を覆うように形成される、収納式網戸。
【請求項2】
前記網戸戸先框は、該網戸戸先框の外側を覆うように配置される樹脂製カバー部を有する、請求項1に記載の収納式網戸。
【請求項3】
前記網戸戸先框は、前記樹脂製カバー部の内側に配置される金属芯材部を有する、請求項2に記載の収納式網戸。
【請求項4】
前記網戸本体は、横方向に移動可能な障子の室内側に配置される、請求項1~3のいずれかに記載の収納式網戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納式網戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納式網戸が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の収納式網戸は、枠体と、網戸本体と、を備える。網戸本体は、枠体内を横方向に移動可能な網戸戸先框と、網戸戸先框に接続され網戸戸先框の移動により引き出し又は収納が可能な網部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納式網戸の網戸本体は、横方向に移動可能な障子の室内側又は室外側に配置されている。特許文献1に記載の網戸本体は、網戸本体の収納時に障子が移動すると、網部が外部に露出してしまう。そのため、意匠性を向上できる余地がある。
【0005】
本開示は、意匠性を向上できる収納式網戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、網戸戸先框と、前記網戸戸先框に接続され前記網戸戸先框が移動されることで収納され又は引き出される網部と、を有する網戸本体を備え、前記網戸戸先框は、前記網戸本体の収納時に、少なくとも網収納部の室外側を覆うように形成される、収納式網戸に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の建具を室内側から見た斜視図である。
【
図2】第1実施形態の建具を室内側から見た正面図である。
【
図7】収納式網戸を収納した状態で、外障子を開く方向に移動させた状態を示す横断面図である。
【
図8】外障子を開いた状態で、収納式網戸を引き出した状態を示す正面図である。
【
図10】収納式網戸を収納した状態を室外側から見た斜視図である。
【
図11】収納式網戸を引き出した状態を室内側から見た斜視図である。
【
図12】第2実施形態のロール式網戸を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1実施形態の建具1について説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた建具1における面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、建具1の室外側を室外側X1とし、建具1の室内側を室内側X2とする。また、外障子5の「横方向」を左右方向ともいう。
【0009】
建具1は、
図1及び
図2に示すように、図示しない建物躯体の開口部に取り付けられる枠体2と、枠体2内に配置される方立3と、方立3の左右方向の一方側において枠体2内の室内側X2に配置されるFIX部4と、枠体2内の室外側X1において左右方向に移動可能に配置される外障子5と、枠体2内における方立3の左右方向の他方側において引き出し可能に室内側X2に配置されるプリーツ式網戸6(収納式網戸)と、を備える。
【0010】
枠体2は、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。
【0011】
上枠21は、
図3及び
図4に示すように、上枠本体211と、室内側X2の表面に配置される上枠室内側表面カバー212と、上枠室内側表面カバー212の下端に取り付けられる上枠室内側下端部カバー213と、を有する。
【0012】
上枠本体211は、室外側X1に形成され下方に向けて開放される上枠室外側溝211aと、室内側X2に形成され下方に向けて開放される上枠室内側溝211bと、を有する。
【0013】
上枠室外側溝211aには、上枠21の室内側X2において、外障子5の上端部が配置される。上枠室外側溝211aは、外障子5の上端部の左右方向の移動をガイドする。
【0014】
上枠室内側溝211bは、左右方向の一方側(
図1及び2における右側)に形成されるFIXガラス配置溝211d(
図4参照)と、左右方向の他方側(
図1及び2における左側)に形成される網戸配置溝211c(
図3参照)と、を有する。網戸配置溝211cには、
図3に示すように、網戸用アタッチメント211eが配置される。網戸配置溝211cは、網戸用アタッチメント211eを介して、プリーツ式網戸6の上端部の左右方向の移動をガイドする。FIXガラス配置溝211dには、
図4に示すように、FIX部4のガラスパネル41の上端が配置される。
【0015】
下枠22は、
図3及び
図4に示すように、下枠本体221と、室内側X2の表面に配置される下枠室内側表面カバー222と、下枠室内側表面カバー222の上端に取り付けられる下枠室内側上端部カバー223と、を有する。
【0016】
下枠本体221は、室外側X1に形成され上方に向けて突出する下枠レール221aと、室内側X2に形成され上方に向けて開放される下枠室内側溝221bと、を有する。
【0017】
下枠レール221aには、外障子5の下端部が配置される。下枠レール221aは、外障子5の下端部の左右方向の移動をガイドする。
【0018】
下枠室内側溝221bは、左右方向の一方側に形成されるFIXガラス配置溝221d(
図4参照)と、左右方向の他方側に形成される網戸配置溝221c(
図3参照)と、を有する。網戸配置溝221cには、
図3に示すように、網戸用アタッチメント221eが配置される。網戸配置溝221cは、網戸用アタッチメント221eを介して、プリーツ式網戸6の下端部の左右方向の移動をガイドする。FIXガラス配置溝221dには、
図4に示すように、FIX部4のガラスパネル41の下端が配置される。
【0019】
縦枠23,24は、
図5に示すように、縦枠本体231,241と、室内側X2の表面に配置される縦枠室内側表面カバー232,242と、縦枠室内側表面カバー232,242の左右方向の内周側の端部に取り付けられる縦枠室内側端部カバー233,243と、を有する。
【0020】
方立3は、
図1に示すように、枠体2の室内側X2における左右方向の途中の中間部において、上下方向に延びて配置される。枠体2の開口は、方立3により、左右方向の途中で左右に区切られる。これにより、枠体2の室内側X2において、枠体2の左右方向の一方側には、FIX部4が形成され、枠体2の左右方向の他方側には、外障子5により開閉される開口部25が形成される。
【0021】
FIX部4は、
図1及び
図2に示すように、枠体2内の方立3の左右方向の一方側(
図1及び
図2における右側)において、面材としてのガラスパネル41が、方立3及び枠体2に固定されて構成される。FIX部4は、開閉不能な固定窓である。FIX部4は、枠体2の左右方向の中間に設けられる方立3に対して左右方向の一方側の室内側X2において、枠体2の方立3、上枠21、下枠22及び縦枠23により囲まれた部分の内周側に、面材としてのガラスパネル41が嵌め込まれて構成される。
【0022】
ガラスパネル41の外縁は、
図4及び
図5に示すように、方立3、上枠21、下枠22及び縦枠24それぞれのFIXガラス配置溝31,211d,221d,241dに配置される。ガラスパネル41は、左右方向の方立3側の外縁が、方立3に押縁35により押し付けられると共に、上側、下側及び左右方向の方立3と反対側の外縁それぞれが、上枠21、下枠22及び縦枠23それぞれの室内側X2に固定されたFIX側アタッチメント214,224,244に、押縁215,225,245により押し付けられて取り付けられている。
【0023】
外障子5は、
図5に示すように、枠体2内の室外側X1において、枠体2内を左右方向(横方向)にスライド移動して開閉可能な障子である。外障子5は、FIX部4の他方側(
図1及び
図2における左側)に形成される開口部25を開閉可能に構成される。外障子5は、室内外方向に見た場合に、開口部25に重なる場合に閉位置に位置し、左右方向に移動することで、FIX部4の室外側X1に移動された場合に開位置に位置する。
【0024】
外障子5は、
図3及び
図5に示すように、上框51、下框52、戸先側に配置される縦框53及び戸尻側に配置される縦框54を矩形に框組した框体50の内周側に、2枚のガラスからなる面材55が納められることによって構成される。外障子5は、上端部が上枠21の上枠室外側溝211aに左右方向に移動可能に配置され、下端部が下枠22の下枠レール221aに左右方向に移動可能に係合する。
【0025】
戸先側に配置される縦框53には、
図1及び
図2に示すように、ハンドル531が取り付けられている。ハンドル531は、外障子5の面材55よりも室内側X2において、縦框53の左右方向の内周側の見込面に取り付けられる。
【0026】
プリーツ式網戸6は、
図5~
図9に示すように、枠体2内のFIX部4の他方側に形成される開口部25に引き出され又は枠体2の縦枠23の内部に収納される。プリーツ式網戸6は、枠体2内のFIX部4の他方側に形成される開口部25の室内側X2において、左右方向に移動可能な網部65が、枠体2の縦枠23内(縦枠23側)に収納され又は枠体2の縦枠23内(縦枠23側)から引き出される。
【0027】
プリーツ式網戸6は、枠体2内のFIX部4の他方側(
図1における左側)の室内側X2において、収納時に縦枠23内に収納される。プリーツ式網戸6は、縦枠23から引き出されることで、
図8に示すように、方立3、上枠21、下枠22及び縦枠23により枠体2内における方立3の左右方向の他方側に形成された開口部25を塞ぐように移動される。
【0028】
プリーツ式網戸6は、
図6に示すように、網戸本体61と、光漏れ防止部材66と、を備える。網戸本体61は、枠体2内において左右方向に移動可能な外障子5(障子)の室内側X2に配置される。網戸本体61は、網戸戸先框62と、網部65と、を有する。
【0029】
網戸戸先框62は、
図6に示すように、網部65の左右方向の引き出す方向の先端に接続される。網戸戸先框62は、上下方向に延びる。網部65は、左右方向の一端が、網戸戸先框62の内側に接続され、左右方向の他端が、枠体2の縦枠23の縦枠本体231の室内外方向延在板231aの左右方向の内周側の見込面231bに固定される。
【0030】
網部65は、網戸戸先框62が左右方向に移動されることで、枠体2の縦枠23内(縦枠23側)に収納され又は枠体2の縦枠23内(縦枠23側)から引き出される。本実施形態においては、網部65は、蛇腹状のプリーツ状に形成され、収納時に折り畳まれ、引き出し時に広げられる。網部65は、収納時において、網収納部60に収納される。
【0031】
また、網戸戸先框62は、
図6に示すように、プリーツ式網戸6を収納する際又は引き出す際に使用される手掛け部(室内側外面手掛け部62a、室外側外面手掛け部62b、室外側内面手掛け部62c)を有する。室内側外面手掛け部62a、室外側外面手掛け部62b及び室外側内面手掛け部62cは、網戸戸先框62が操作される際に、人の手が掛けられる。
【0032】
網戸戸先框62は、金属芯材部63と、金属芯材部63の外側を覆うように金属芯材部63の外側に配置される樹脂製カバー部64と、を有する。樹脂製カバー部64は、金属芯材部63の外側に嵌合されて固定される。金属芯材部63が樹脂製カバー部64の内側に配置されることで、金属芯材部63により強度を確保しつつ、外側において樹脂製カバー部64に覆われることにより断熱性能を向上できる。
【0033】
金属芯材部63は、網部65側が開放した枠状に形成される。金属芯材部63は、網飲み込み部631aを有する網取付部631と、網取付部631の室内側X2の端部側から縦枠23側に突出する金属芯材室内側突出片632と、網取付部631の室内側X2の端部側から縦枠23側に延出する金属芯材室外側延出部633と、を有する。金属芯材室外側延出部633の縦枠23側に延びる長さは、金属芯材室内側突出片632の縦枠23側に延びる長さよりも長く形成される。
【0034】
網戸戸先框62における金属芯材室外側延出部633の網部65側の面には、室外側内面手掛け部62cが形成される。金属芯材室外側延出部633の網部65側の面は、室内側X2を向く面であり、室外側X1から視認されない。室外側内面手掛け部62cは、室外側カバー部643と網部65との間において、金属芯材室外側延出部633に設けられる。室外側内面手掛け部62cは、金属芯材室外側延出部633の縦枠23側の端部側において、室内側X2から室外側X1に凹む凹状に形成される。
【0035】
室外側内面手掛け部62cは、
図9に示すように、プリーツ式網戸6が引き出された状態で、外障子5が一部又は全部開いている場合において、室外側X1から見た場合に、外障子5の戸先側に配置される縦框53側が網戸戸先框62に重なって配置された場合であっても、室外側X1から、網部65と金属芯材室外側延出部633との間の隙間に手が入れることが可能であるため、使用可能である。
【0036】
本実施形態においては、室外側内面手掛け部62cは、網部65と金属芯材室外側延出部633との間において、金属芯材室外側延出部633の網部65側の室内側X2の面に設けられている。そのため、プリーツ式網戸6が引き出された状態で、網戸戸先框62と外障子5の戸先側に配置される縦框53側が重なって配置された場合においても、室外側X1から、網部65と金属芯材室外側延出部633との間の隙間を通して、網部65と金属芯材室外側延出部633との間の隙間に手を入れて、室外側内面手掛け部62cに手を掛けることができる。これにより、室外側内面手掛け部62cに手を掛けることで、網戸戸先框62を、縦枠23側(網部65を縦枠23に収納する側)に移動させることができる。
【0037】
樹脂製カバー部64は、
図6に示すように、網戸戸先框62の外側を覆うように配置される。樹脂製カバー部64は、横断面形状が略コ字状であり、プリーツ式網戸6の収納時に左右方向の内周側が閉じると共に外周側が開放された形状に形成される。樹脂製カバー部64は、見込方向に延びる見込面カバー部641と、見込面カバー部641の室内側X2の端部から縦枠23側に突出する室内側カバー部642と、見込面カバー部641の室外側X1の端部から縦枠23側に延びる室外側カバー部643(室外側部分)と、を有する。
【0038】
見込面カバー部641は、プリーツ式網戸6の収納時に左右方向の内周側に配置される。見込面カバー部641は、樹脂製カバー部64の方立3側の最も先端において見込方向に延びて形成される。見込面カバー部641の内部には、網戸側磁石部644が配置される。網戸側磁石部644は、見込面カバー部641が方立3側に移動して方立3に近接又は当接した場合に、方立3の内部に配置される
図5に示した方立側磁石部32に磁力により接続されて固定される。これにより、網戸戸先框62を引き出した場合に、磁力により、網戸戸先框62の見込面カバー部641は、方立3に一時的に固定される。
【0039】
なお、本実施形態では、網戸戸先框62と方立3との固定を、網戸側磁石部644(第1磁性体)と方立側磁石部32(第2磁性体)との磁石の磁力による接続で固定したが、これに限定されない。例えば、網戸側磁石部644(第1磁性体)及び方立側磁石部32(第2磁性体)のうちの一方を、鉄などの磁石に接続される金属により構成してもよい。
【0040】
図6に示すように、見込面カバー部641は、カバー見込面641aを有する。カバー見込面641aは、見込方向(室内外方向)に延びる面であり、枠体2の左右方向の内周側の面であって方立3側を向く平面状に形成される。カバー見込面641aは、見込方向に幅を有して、見込方向及び上下方向に延びる。カバー見込面641aは、プリーツ式網戸6が縦枠23に収納された場合に、枠体2の左右方向の内周側に露出される。
【0041】
カバー見込面641aは、
図6及び
図10に示すように、プリーツ式網戸6が縦枠23に収納された場合に、縦枠23の縦枠見込面233aと同一平面上に位置される。そのため、網戸本体61の収納時に、網戸戸先框62の網戸戸先框見込面621(カバー見込面641a)(見込面)と縦枠23の縦枠見込面233a(見込面)とは、同一平面上に位置される。
【0042】
これにより、網戸戸先框62の網戸戸先框見込面621(カバー見込面641a)と縦枠23の縦枠見込面233aとが同一平面上に配置されるため、室内側X2から見た場合に、プリーツ式網戸6の網部65が縦枠23内に収納された場合、網戸戸先框62の網戸戸先框見込面621と縦枠23の縦枠見込面233aとは、同一面に視認される。よって、網戸戸先框62が枠体2の左右方向の内周側に突出しないため、意匠性を向上できる。
【0043】
見込面カバー部641の室内側X2には、
図6に示すように、光漏れ防止部材取付溝641bが形成される。光漏れ防止部材取付溝641bは、方立3側が開放する溝状に形成され、上下方向に延びる。なお、光漏れ防止部材取付溝641bの室内外方向の位置はこの位置に限定されない。光漏れ防止部材取付溝641bには、光漏れ防止部材66が取り付けられる。光漏れ防止部材66の詳細については後述する。
【0044】
室外側カバー部643は、網戸戸先框62の室外側X1に配置される。室外側カバー部643は、
図6に示すように、網部65の室外側X1において、金属芯材部63の金属芯材室外側延出部633の室外側X1に沿って配置される。室外側カバー部643の縦枠23側に延出する長さは、金属芯材室外側延出部633の縦枠23側に延出する長さよりも長く形成される。そのため、網戸戸先框62における金属芯材部63の金属芯材室外側延出部633及び樹脂製カバー部64の室外側カバー部643は、網戸本体61の収納時に、
図7に示すように、少なくとも網収納部60の室外側X1の部分を覆う。
【0045】
これにより、プリーツ式網戸6が収納された場合に、外障子5が移動されても、
図7及び
図10に示すように、網収納部60に収納された網部65の室外側X1の部分は、網戸戸先框62により覆われる。従って、プリーツ式網戸6が収納された場合に、外障子5が移動されても、網収納部60に収納された網部65が室外側X1の外部に露出されないため、室外側X1から見た場合の意匠性を向上できる。
【0046】
室外側カバー部643の縦枠23側の端部は、
図6に示すように、金属芯材室外側延出部633の室外側X1を覆うように、金属芯材室外側延出部633の開放側(縦枠23側)の端部(先端部)よりも縦枠23側に配置される。室外側カバー部643は、室外側カバー部643の開放側(縦枠23側)の端部が、金属芯材室外側延出部633の開放側(縦枠23側)の端部を巻き込んで外側を覆うように網戸戸先框62の内側に屈曲する。
【0047】
これにより、室外側カバー部643の開放側(縦枠23側)の端部は、プリーツ式網戸6が収納された場合に、縦枠23の縦枠本体231の室内外方向延在板231aの左右方向の内周側の見込面231bに当接する。従って、縦枠23には、金属芯材部63に当接せずに、樹脂製カバー部64が当接するため、網戸戸先框62において、金属芯材部63により強度を確保しつつ、樹脂製カバー部64により縦枠23から金属芯材部63に熱が伝わることを抑制して断熱性能を確保できる。よって、網戸戸先框62において、強度の確保と断熱性能の確保との両立を実現できる。
【0048】
網戸戸先框62における室外側カバー部643の室外側X1には、室外側外面手掛け部62bが形成される。室外側外面手掛け部62bは、室外側カバー部643の戸先側の端部側において、室内外方向において、室外側X1から室内側X2に凹む凹状に形成される。
【0049】
室外側外面手掛け部62bは、
図7に示すように、プリーツ式網戸6が収納されている場合に使用される。プリーツ式網戸6が収納されている場合には、網戸戸先框62の網戸戸先框見込面621(カバー見込面641a)と縦枠23の縦枠見込面233aとが同一平面上に配置されており、網戸戸先框62と縦枠23との隙間に手を入れることができないため、室内側外面手掛け部62aに手を掛けることができない。このような場合に、プリーツ式網戸6の収納時に、外障子5を開方向に移動させた状態において、室内側X2から、網戸戸先框62の室外側X1に手を入れて、網戸戸先框62の室外側X1に形成される室外側外面手掛け部62bに手を掛けることができる。これにより、室外側外面手掛け部62bに手を掛けて、網戸戸先框62を引き出すことができる。また、プリーツ式網戸6の網戸戸先框62が縦枠23に収納されて、網戸戸先框62の室内側X2の見付面が室内側X2から見えないように縦枠23に覆われる構造であっても、室外側外面手掛け部62bに手を掛けることで、プリーツ式網戸6の開閉操作を行うことができる。
【0050】
室内側カバー部642は、
図6に示すように、金属芯材部63の金属芯材室内側突出片632の室内側X2に沿って配置される。室内側カバー部642の縦枠23側に突出する長さは、金属芯材室内側突出片632の縦枠23側に突出する長さよりも長く形成される。室内側カバー部642は、室内側カバー部642の開放側(縦枠23側)の端部が、金属芯材室内側突出片632の開放側(縦枠23側)の端部を巻き込んで外側を覆うように網戸戸先框62の内側に屈曲する。
【0051】
網戸戸先框62における室内側カバー部642の室内側X2の面には、室内側外面手掛け部62aが形成される。室内側外面手掛け部62aは、室内外方向において、室内側X2から室外側X1に凹む凹状に形成される。
【0052】
室内側外面手掛け部62aは、室内側X2からプリーツ式網戸6を引き出す場合に、
図7に示す状態において、室外側外面手掛け部62bに手を掛けて網戸戸先框62を少し引き出した状態において、室内側X2から手を掛けることで使用可能である。また、室内側外面手掛け部62aは、プリーツ式網戸6が引き出された状態から収納する場合に、
図9に示すプリーツ式網戸6が引き出された状態において、室内側X2から手を掛けることで使用可能である。
【0053】
光漏れ防止部材66は、
図6に示すように、網戸戸先框62の先端側に設けられる。光漏れ防止部材66は、見込面カバー部641の室内側X2に形成される光漏れ防止部材取付溝641bに取り付けられる。光漏れ防止部材66は、網部65が引き出される場合に網戸戸先框62に対向して配置される方立3(縦材)と網戸戸先框62との間の隙間を塞ぐ。なお、光漏れ防止部材66が取り付けられる室内外方向の位置は、見込面カバー部641の室内側X2に限定されない。光漏れ防止部材66が取り付けられる室内外方向の位置は、見込面カバー部641の室外側X1でもよい。
【0054】
光漏れ防止部材66は、
図6及び
図11に示すように、光漏れ防止部材取付溝641bから方立3側に向かうに従って室外側X1から室内側X2に向かうように傾斜して方立3側に突出して形成される。光漏れ防止部材66は、上下方向に延びる。
【0055】
光漏れ防止部材66は、網戸戸先框62が引き出されて方立3側に移動してプリーツ式網戸6が閉められた場合に、
図9に示すように、網戸戸先框62と方立3との間の隙間を埋めるように、方立3におけるプリーツ式網戸6側の見込面3aに当接する。光漏れ防止部材66は、例えば、弾性変形可能なゴム系の樹脂材料で形成される。
【0056】
本実施形態においては、網戸戸先框62が引き出されて方立3側に移動してプリーツ式網戸6が閉められた場合、網戸戸先框62の内部に配置された網戸側磁石部644(第1磁性体)と方立3の内部に配置された方立側磁石部32(第2磁性体)とが磁力により接続されて固定されている状態で、光漏れ防止部材66は、方立3と網戸戸先框62との間の隙間を塞いでいる。なお、網戸戸先框62と方立3とは磁力により接続されて固定されていなくてもよい。
【0057】
以上の光漏れ防止部材66により、方立3と網戸戸先框62との間の隙間を塞ぐことで、光漏れを防止できると共に、虫の侵入も防止できる。
【0058】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態のプリーツ式網戸6は、網戸戸先框62と、網戸戸先框62に接続され網戸戸先框62が移動されることで収納され又は引き出される網部65と、を有する網戸本体61を備え、網戸戸先框62は、網戸本体61の収納時に、少なくとも網収納部60の室外側を覆うように形成される。これにより、プリーツ式網戸6が収納された場合に、外障子5が移動されても、網収納部60に収納された網部65の室外側X1の部分は、網戸戸先框62により覆われる。従って、プリーツ式網戸6が収納された場合に、外障子5が移動されても、網収納部60に収納された網部65が室外側X1の外部に露出されないため、室外側X1から見た場合の意匠性を向上できる。
【0059】
また、本実施形態においては、網戸戸先框62は、網戸戸先框62の外側を覆うように配置される樹脂製カバー部64を有する。そのため、網戸戸先框62が縦枠23に当接しても樹脂製カバー部64により熱が伝わることを抑制できるため、断熱性能を向上できる。
【0060】
また、本実施形態においては、網戸戸先框62は、樹脂製カバー部64の内側に配置される金属芯材部63を有する。そのため、網戸戸先框62において、金属芯材部63により強度を確保しつつ、縦枠23から金属芯材部63に熱が伝わることを抑制して断熱性能を確保できるため、網戸戸先框62において、強度の確保と断熱性能の確保との両立を実現できる。
【0061】
また、本実施形態においては、網戸本体61は、左右方向に移動可能な外障子5の室内側X2に配置される。これにより、外障子5が移動されても、網部65が室外側X1の外部に露出されないため、室外側X1から見た場合の意匠性を向上できることは効果的である。
【0062】
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態で説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付けて、その説明を省略する。
【0063】
第2実施形態の建具1Aは、
図12に示すように、第1実施形態のプリーツ式網戸6に代えて、ロール式網戸6Aを備える。第2実施形態のロール式網戸6Aは、第1実施形態のプリーツ式網戸6の網部65が網収納部60に配置されるのに代えて、ロール式網部67が網収納部60に配置される点において、第1実施形態のプリーツ式網戸6の構成と異なる。
【0064】
第2実施形態のロール式網戸6Aは、
図12に示すように、網戸本体61Aと、光漏れ防止部材66と、を備える。網戸本体61Aは、網戸戸先框62と、ロール式網部67と、を有する。第2実施形態の網戸戸先框62の構成は、第1実施形態の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
ロール式網部67は、網収納部60に収納される。網戸戸先框62側が開放して形成されたケース部671と、ケース部671の内部に配置される巻取軸672と、ケース部671の内部において巻取軸672に巻き取られて配置される網体673と、を備える。
【0066】
第2実施形態のロール式網戸6Aのロール式網部67以外の構成は、第1実施形態のプリーツ式網戸6の構成と同様の構成であるため、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0067】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
2 枠体、6 プリーツ式網戸(収納式網戸)、60 網収納部、61 網戸本体、62 網戸戸先框、63 金属芯材部、64 樹脂製カバー部、65 網部