(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046095
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20230327BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20230327BHJP
B62K 25/04 20060101ALI20230327BHJP
B62J 1/00 20060101ALI20230327BHJP
B62J 45/20 20200101ALI20230327BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20230327BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230327BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M25/08
B62K25/04
B62J1/00 C
B62J45/20
B62J45/41
B62J45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154800
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田河 賢治
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】白井 豊土
(72)【発明者】
【氏名】坂川 優希
(72)【発明者】
【氏名】島津 速人
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳彦
【テーマコード(参考)】
3D014
【Fターム(参考)】
3D014DE22
3D014DF22
3D014DF32
(57)【要約】
【課題】電動装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、検出部から入力される前方画像に応じて人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、制御部は前方画像に含まれる色に関する情報および前方画像に含まれる光の波長に関する情報の少なくとも1つと対応する複数の要素に関する画像情報が所定処理によって生成された所定情報に基づいて人力駆動車の推定走行路を特定し推定走行路に応じて電動装置を制御するように構成され、複数の要素は第1要素と色に関する情報および光の波長に関する情報の少なくとも1つが第1要素と異なる第2要素とを含み、所定処理は画像情報を処理する第1処理と第1処理と異なり画像情報を処理する第2処理とを含み、所定情報は第1要素に関する画像情報が第1処理によって生成された第1情報と第2要素に関する画像情報が第2処理によって生成された第2情報とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
検出部から入力される前方画像に応じて、前記人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、前記前方画像に含まれる色に関する情報、および、前記前方画像に含まれる光の波長に関する情報の少なくとも1つと対応する複数の要素に関する画像情報が所定処理によって生成された所定情報に基づいて前記人力駆動車の推定走行路を特定し、前記推定走行路に応じて前記電動装置を制御するように構成され、
前記複数の要素は、
第1要素と、
前記色に関する情報および前記光の波長に関する情報の前記少なくとも1つが前記第1要素と異なる第2要素と、を含み、
前記所定処理は、
前記画像情報を処理する第1処理と、
前記第1処理と異なり、前記画像情報を処理する第2処理と、を含み、
前記所定情報は、
前記第1要素に関する前記画像情報が前記第1処理によって生成された第1情報と、
前記第2要素に関する前記画像情報が前記第2処理によって生成された第2情報と、を含む、制御装置。
【請求項2】
前記第1処理は、前記画像情報を前記第1要素および第1参照値に基づいて2値化する処理を含み、
前記第2処理は、前記画像情報を前記第2要素および第2参照値に基づいて2値化する処理を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1参照値は、前記第2参照値と異なる、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1参照値および前記第2参照値の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される、請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1処理は、前記第1参照値に基づいて2値化された前記画像情報を第1重み付け係数を用いて前記第1情報を生成する処理を含み、
前記第2処理は、前記第2参照値に基づいて2値化された前記画像情報を第2重み付け係数を用いて前記第2情報を生成する処理を含み、
前記第1重み付け係数は、前記第2重み付け係数と異なる、請求項2から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1重み付け係数および前記第2重み付け係数の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定処理に関する情報としての前記第1重み付け係数および前記第2重み付け係数の少なくとも1つを、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて決める、請求項5または6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記所定処理に関する情報としての前記第1参照値および前記第2参照値の少なくとも1つを、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて決める、請求項2から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1範囲は、前記前方画像において、前記人力駆動車の進行方向に沿い、かつ、前記人力駆動車またはライダを通過する仮想線の少なくとも一部を含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1範囲は、前記前方画像のうちの地面に対応する部分を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つと対応する所定状況において取得した前記特定画像情報に応じて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される、請求項7から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、撮像時期の異なる前記前方画像のそれぞれから取得した前記特定画像情報に基づいて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される、請求項7から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記制御部は、撮像時期の異なる前記前方画像から前記所定情報を生成する、請求項1から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記検出部が第1撮像時期に検出した第1前方画像と、前記検出部が前記第1撮像時期から所定期間経過した第2撮像時期に検出した第2前方画像と、に基づいて、前記所定情報を生成する、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記人力駆動車の走行状態は、車速、ハンドル舵角、および、前記人力駆動車の進行方向の少なくとも1つを含む、請求項4、6、および、12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記人力駆動車の走行環境は、路面状態、障害物、走行時間、土地、および、天候の少なくとも1つを含む、請求項4、6、12、および、16のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記所定情報は、前記画像情報の複数の区画にそれぞれ関連付けられる複数の数値を含み、
前記制御部は、前記数値が所定値以上の前記区画に基づいて、前記推定走行路を特定するように構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記画像情報を前処理した後に、前記所定処理を実行するように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
前記第1要素および前記第2要素は、それぞれ色であり、
前記第2要素は、前記第1要素と異なる色である、請求項1から19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
前記第1要素および前記第2要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である、請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記複数の要素は、前記色に関する情報および前記光の波長に関する情報の前記少なくとも1つが前記第1要素および前記第2要素のいずれとも異なる第3要素を含み、
前記所定処理は、前記第1処理および前記第2処理のいずれとも異なり、かつ、前記画像情報を処理する第3処理を含み、
前記所定情報は、前記第3要素に関する前記画像情報が前記第3処理によって生成された第3情報を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項23】
前記第1要素、前記第2要素、および、前記第3要素は、それぞれ色であり、
前記第2要素は、前記第1要素と異なる色であり、
前記第3要素は、前記第1要素および前記第2要素のいずれとも異なる色である、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記第1要素、前記第2要素、および、前記第3要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である、請求項23に記載の制御装置。
【請求項25】
前記第1要素は、赤であり、
前記第2要素は、緑であり、
前記第3要素は、青である、請求項24に記載の制御装置。
【請求項26】
前記電動装置は、変速装置、電動サスペンション、電動アジャスタブルシートポスト、前記人力駆動車に推進力を付与するモータ、電動ブレーキ、および、表示装置の少なくとも1つを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の人力駆動車用の制御装置は、走行状態を検出するセンサの出力に応じて電動装置を制御する。特許文献1の人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車の走行状態に応じた制御は実行できるが、周辺環境等については考慮されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、電動装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、検出部から入力される前方画像に応じて、前記人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、前記前方画像に含まれる色に関する情報、および、前記前方画像に含まれる光の波長に関する情報の少なくとも1つと対応する複数の要素に関する画像情報が所定処理によって生成された所定情報に基づいて前記人力駆動車の推定走行路を特定し、前記推定走行路に応じて前記電動装置を制御するように構成され、前記複数の要素は、第1要素と、前記色に関する情報および前記光の波長に関する情報の前記少なくとも1つが前記第1要素と異なる第2要素と、を含み、前記所定処理は、前記画像情報を処理する第1処理と、前記第1処理と異なり、前記画像情報を処理する第2処理と、を含み、前記所定情報は、前記第1要素に関する前記画像情報が前記第1処理によって生成された第1情報と、前記第2要素に関する前記画像情報が前記第2処理によって生成された第2情報と、を含む。
第1側面の制御装置によれば、前方画像は、人力駆動車の周辺環境が反映される。前方画像に含まれる複数の要素に応じて推定走行路を精度よく特定できる。このため、特定した推定走行路に応じて好適に電動装置を制御できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記第1処理は、前記画像情報を前記第1要素および第1参照値に基づいて2値化する処理を含み、前記第2処理は、前記画像情報を前記第2要素および第2参照値に基づいて2値化する処理を含む。
第2側面の制御装置によれば、画像情報を2値化することによって、所定情報の算出が容易になる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記第1参照値は、前記第2参照値と異なる。
第3側面の制御装置によれば、第1要素に好適な第1参照値、および、第2要素に好適な第2参照値をそれぞれ設定できる。
【0008】
本開示の第2または3側面に従う第4側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1参照値および前記第2参照値の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。
第4側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行状態および人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、画像情報を2値化できるため、人力駆動車の走行状態および人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、推定走行路を好適に特定できる。
【0009】
本開示の第2から4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記第1処理は、前記第1参照値に基づいて2値化された前記画像情報を第1重み付け係数を用いて前記第1情報を生成する処理を含み、前記第2処理は、前記第2参照値に基づいて2値化された前記画像情報を第2重み付け係数を用いて前記第2情報を生成する処理を含み、前記第1重み付け係数は、前記第2重み付け係数と異なる。
第5側面の制御装置によれば、第1要素に好適な第1重み付け係数、および、第2要素に好適な第2重み付け係数をそれぞれ設定できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1重み付け係数および前記第2重み付け係数の少なくとも1つを、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。
第6側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行状態および人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて重み付けができるため、人力駆動車の走行状態および人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、推定走行路を好適に特定できる。
【0011】
本開示の第1から6側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記制御部は、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される。
第7側面の制御装置によれば、特定画像情報に応じて、推定走行路を好適に特定できる。第7側面の制御装置によれば、前方画像の全体を用いて所定処理に関する情報を変更可能にする場合よりも、演算負荷を低減できる。
【0012】
本開示の第5または6側面に従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記所定処理に関する情報としての前記第1重み付け係数および前記第2重み付け係数の少なくとも1つを、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて決める。
第8側面の制御装置によれば、特定画像情報に応じて、推定走行路を好適に特定できる。第7側面の制御装置によれば、前方画像の全体を用いて第1重み付け係数および第2重み付け係数の少なくとも1つを変更可能にする場合よりも、演算負荷を低減できる。
【0013】
本開示の第2から6側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記制御部は、前記所定処理に関する情報としての前記第1参照値および前記第2参照値の少なくとも1つを、前記前方画像のうちの第1範囲に含まれる前記複数の要素に関する特定画像情報に応じて決める。
第9側面の制御装置によれば、特定画像情報に応じて、推定走行路を好適に特定できる。第9側面の制御装置によれば、前方画像の全体を用いて第1参照値および第2参照値の少なくとも1つを変更可能にする場合よりも、演算負荷を低減できる。
【0014】
本開示の第7から9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記第1範囲は、前記前方画像において、前記人力駆動車の進行方向に沿い、かつ、前記人力駆動車またはライダを通過する仮想線の少なくとも一部を含む。
第10側面の制御装置によれば、第1範囲は仮想線を含むため、第1範囲に走行路が含まれやすくなる。このため、推定走行路を好適に特定できる。
【0015】
本開示の第7から10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記第1範囲は、前記前方画像のうちの地面に対応する部分を含む。
第11側面の制御装置によれば、特定画像情報が前方画像のうちの地面に対応する部分における画像を含む。このため、推定走行路の特定に地面の画像を反映できる。
【0016】
本開示の第7から11側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態および前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つと対応する所定状況において取得した前記特定画像情報に応じて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される。
第12側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行状態および人力駆動車の走行環境の少なくとも1つが所定状況となった場合に取得した特定画像情報に応じて、推定走行路を好適に特定できる。
【0017】
本開示の第7から12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、撮像時期の異なる前記前方画像のそれぞれから取得した前記特定画像情報に基づいて、前記所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される。
第13側面の制御装置によれば、推定走行路の特定に人力駆動車が走行している周辺環境の変化を反映できる。
【0018】
本開示の第1から13側面のいずれか1つに従う第14側面の制御装置において、前記制御部は、撮像時期の異なる前記前方画像から前記所定情報を生成する。
第14側面の制御装置によれば、人力駆動車が走行している周辺環境の変化を反映して、所定情報を生成できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記制御部は、前記検出部が第1撮像時期に検出した第1前方画像と、前記検出部が前記第1撮像時期から所定期間経過した第2撮像時期に検出した第2前方画像と、に基づいて、前記所定情報を生成する。
第15側面の制御装置によれば、第1撮像時期および第2撮像時期において人力駆動車が走行している環境の変化を反映して、所定情報を生成できる。
【0020】
本開示の第4、6、および、12側面のいずれか1つに従う第16側面の制御装置において、前記人力駆動車の走行状態は、車速、ハンドル舵角、および、前記人力駆動車の進行方向の少なくとも1つを含む。
第16側面の制御装置によれば、前記人力駆動車の走行状態は、車速、ハンドル舵角、および、人力駆動車の進行方向の少なくとも1つに応じて、推定走行路を好適に特定できる。
【0021】
本開示の第4、6、12、および、16側面のいずれか1つに従う第17側面の制御装置において、前記人力駆動車の走行環境は、路面状態、障害物、走行時間、土地、および、天候の少なくとも1つを含む。
第17側面の制御装置によれば、路面状態、障害物、走行時間、土地、および、天候の少なくとも1つに応じて、推定走行路を好適に特定できる。
【0022】
本開示の第1から17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記所定情報は、前記画像情報の複数の区画にそれぞれ関連付けられる複数の数値を含み、前記制御部は、前記数値が所定値以上の前記区画に基づいて、前記推定走行路を特定するように構成される。
第18側面の制御装置によれば、所定情報に応じて推定走行路を好適に特定できる。
【0023】
本開示の第1から18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記制御部は、前記画像情報を前処理した後に、前記所定処理を実行するように構成される。
第19側面の制御装置によれば、前処理によって好適に所定処理を行えるようになる。
【0024】
本開示の第1から19側面のいずれか1つに従う第20側面の制御装置において、前記第1要素および前記第2要素は、それぞれ色であり、前記第2要素は、前記第1要素と異なる色である。
第20側面の制御装置によれば、色を用いて、推定走行路を好適に推定できる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の制御装置において、前記第1要素および前記第2要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である。
第21側面の制御装置によれば、黒とは異なる色を用いて、推定走行路を好適に推定できる。
【0026】
本開示の第1から19側面のいずれか1つに従う第22側面の制御装置において、前記複数の要素は、前記色に関する情報および前記光の波長に関する情報の前記少なくとも1つが前記第1要素および前記第2要素のいずれとも異なる第3要素を含み、前記所定処理は、前記第1処理および前記第2処理のいずれとも異なり、かつ、前記画像情報を処理する第3処理を含み、前記所定情報は、前記第3要素に関する前記画像情報が前記第3処理によって生成された第3情報を含む。
第22側面の制御装置によれば、第1情報、第2情報、および、第3情報によって推定走行路を好適に特定できる。
【0027】
本開示の第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記第1要素、前記第2要素、および、前記第3要素は、それぞれ色であり、前記第2要素は、前記第1要素と異なる色であり、前記第3要素は、前記第1要素および前記第2要素のいずれとも異なる色である。
第23側面の制御装置によれば、それぞれ異なる3色を用いて、推定走行路を好適に特定できる。
【0028】
本開示の第23側面に従う第24側面の制御装置において、前記第1要素、前記第2要素、および、前記第3要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である。
第24側面の制御装置によれば、彩度がゼロよりも大きい色を用いて、推定走行路を好適に特定できる。
【0029】
本開示の第24側面に従う第25側面の制御装置において、前記第1要素は、赤であり、前記第2要素は、緑であり、前記第3要素は、青である。
第25側面の制御装置によれば、赤、青、および、緑を用いて、推定走行路を好適に特定できる。
【0030】
本開示の第1から25側面のいずれか1つに従う第26側面の制御装置において、前記電動装置は、変速装置、電動サスペンション、電動アジャスタブルシートポスト、前記人力駆動車に推進力を付与するモータ、電動ブレーキ、および、表示装置の少なくとも1つを含む。
第26側面の制御装置によれば、特定した推定走行路に応じて好適に変速装置、電動サスペンション、電動アジャスタブルシートポスト、人力駆動車に推進力を付与するモータ、電動ブレーキ、および、表示装置の少なくとも1つを制御できる。
【発明の効果】
【0031】
本開示の人力駆動車用の制御装置によれば、周辺環境に応じて電動装置を好適に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】前方画像の一例を模式的に示す模式図である。
【
図4】
図3の前方画像における複数の要素のうちの第1要素に対応する画像情報を2値化処理した情報を模式的に示す模式図である。
【
図5】
図3の前方画像における複数の要素のうちの第2要素に対応する画像情報を2値化処理した情報を模式的に示す模式図である。
【
図6】
図3の前方画像における複数の要素のうちの第3要素に対応する画像情報を2値化処理した情報を模式的に示す模式図である。
【
図7】
図4から
図6の画像情報を結合処理によって結合した結合情報の一例を示す模式図である。
【
図8】
図7の推定走行路を検出処理した入力情報を示す模式図である。
【
図9】
図2の制御部によって実行され、電動装置を制御する処理のフローチャートである。
【
図10】
図2の制御部によって実行され、推定走行路を特定するサブルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<実施形態>
図1から
図10を参照して、実施形態の人力駆動車用の制御装置60が説明される。以下では、人力駆動車用の制御装置60を、制御装置60と呼称する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電気モータによって推進が補助されるマウンテンバイクとして説明する。
【0034】
本明細書において、以下の方向を示す用語並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車10の基準位置においてハンドルバー30を向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。方向を示す用語は、「前」、「後ろ」、「前方」、「左」、「右」、および、「横」である。人力駆動車10の基準位置は、例えば、サドル34Aの上である。
【0035】
図1に示すように、人力駆動車10は、クランク12と、少なくとも1つの車輪14と、車体16と、を備える。クランク12は、入力回転軸12A、クランクアーム12B、および、ペダル12Cを含む。入力回転軸12Aは、クランク12に含まれるクランク軸である。クランクアーム12Bは、入力回転軸12Aに連結する。ペダル12Cは、クランクアーム12Bに連結する。ペダル12Cに人力駆動力が入力されると、クランク12が回転する。少なくとも1つの車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。車体16には、フレーム18に対して回転可能な入力回転軸12Aが設けられる。後輪14Aは、フレーム18に支持される。本実施形態では、後輪14Aは、駆動機構20によって、クランク12に連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。
【0036】
駆動機構20は、第1回転体22を含む。第1回転体22は、入力回転軸12Aに連結される。第1回転体22は、入力回転軸12Aと一体回転するように連結される。第1回転体22は、フロントスプロケットを含む。第1回転体22は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。
【0037】
駆動機構20は、第2回転体24と連結部材26とを含む。第2回転体24は、後輪14Aに連結される。第2回転体24は、リアスプロケットを含む。第2回転体24は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。連結部材26は、第1回転体22の回転力を第2回転体24に伝達する。連結部材26は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0038】
フレーム18には、フロントフォーク28を介して前輪14Bが取り付けられる。フロントフォーク28には、ハンドルバー30がステム32を介して連結される。フレーム18には、シートポスト34が取り付けられる。シートポスト34には、サドル34Aが設けられるフレーム18には、ハウジング36が設けられる。
【0039】
人力駆動車10は、電動装置38を含む。例えば、電動装置38は、変速装置40、電動サスペンション42、電動アジャスタブルシートポスト44、人力駆動車10に推進力を付与するモータ46、電動ブレーキ48、および、表示装置50の少なくとも1つを含む。電動装置38は、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御装置60と通信可能に構成される。
【0040】
変速装置40は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。変速比は、変速装置40に入力される入力回転速度に対する、変速装置40が出力する出力回転速度の比率によって表される。変速比を式によって表すと、“変速比=出力回転速度/入力回転速度”である。本実施形態では、変速装置40は、ディレーラ40Aと、複数のスプロケット40Bとを有する。複数のスプロケット40Bは、回転軸心を有し、回転軸心の延びる方向に並ぶ。ディレーラ40Aがリアディレーラである場合、複数のスプロケット40Bは、第2回転体24を含む。ディレーラ40Aがフロントディレーラである場合、複数のスプロケット40Bは、第1回転体22を含む。変速装置40がディレーラ40Aである場合、入力回転速度は、第1回転体22の回転速度に対応する。変速装置40がディレーラ40Aである場合、出力回転速度は、第2回転体24の回転速度に対応する。変速装置40は、内装変速機であってもよい。
【0041】
変速装置40は、電動アクチュエータを備える。変速装置40がディレーラ40Aである場合、電動アクチュエータは、ディレーラ40Aに設けられて、ディレーラ40Aを動作させる。電動アクチュエータは、ディレーラ40Aおよび内装変速機の少なくとも1つから離れて、例えば、フレーム18に設けられてもよい。電動アクチュエータがフレーム18に設けられる場合、電動アクチュエータは、例えばボーデンケーブルによって、ディレーラ40Aまたは内装変速機の少なくとも1つに接続される。電動アクチュエータは、電気モータおよび減速機を含む。
【0042】
電動サスペンション42は、第1部分42Aと、第2部分42Bとを備える。第2部分42Bは、第1部分42Aに嵌め込まれ、第1部分42Aと相対移動可能である。電動サスペンション42は、電動サスペンション42の動作状態を、第1動作状態と第2動作状態との間で切り替え可能に構成される。第1動作状態は、第1部分42Aと第2部分42Bとの相対移動が規制される状態である。第2状態は、第1部分42Aと第2部分42Bとの相対移動が第1動作状態よりも規制されていない状態である。例えば、第1部分42Aと第2部分42Bとの相対移動が第1動作状態よりも規制されていない状態とは、第1部分42Aと第2部分42Bとの相対移動が第1動作状態よりも許容される状態である。第1動作状態は、第1部分42Aと第2部分42Bとの相対移動が不能の状態であってもよい。
【0043】
電動サスペンション42は、油圧式、空気圧式、および、油圧を含むハイブリッド式のサスペンションのいずれであってもよい。電動サスペンション42は、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。電動サスペンション42は、油または空気の流路を開閉するバルブを含む。
【0044】
電動サスペンション42は、複数の動作状態によって動作する。複数の動作状態は、第1動作状態および第2動作状態を含む。複数の動作状態は、電動サスペンション42の減衰力が異なる動作状態を含んでもよい。電動サスペンション42は、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。電動サスペンション42は、動作指令に応じて、第1動作状態と第2動作状態とを切り替える。電動サスペンション42は、動作指令に応じて、第1動作状態と第2動作状態とを交互に切り替える構成としてもよい。
【0045】
電動サスペンション42は、フロントサスペンション42Fおよびリアサスペンション42Rの少なくとも1つを含む。フロントサスペンション42Fは、フロントフォーク28に設けられて前輪14Bに加えられた衝撃を減衰する。リアサスペンション42Rは、フレーム18に設けられて後輪14Aに加えられた衝撃を減衰する。
【0046】
例えば、電動アジャスタブルシートポスト44は、シートポスト34に取り付けられる。電動アジャスタブルシートポスト44は、シートポスト34をフレーム18に対して上昇および下降させる。電動アジャスタブルシートポスト44は、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。電動アジャスタブルシートポスト44は、電動モータの力によって伸縮する電気式シートポスト、または、機械式シートポストを含む。電気式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト44は、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させることによって、シートポスト34を伸縮させる。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、空気圧式シートポストを含む。機械式シートポストの場合、油または空気の流路を開閉するバルブの開閉によってシートポスト34の上昇と下降を制御する。バルブが開いている状態では、電動アジャスタブルシートポスト44は、ばねおよび空気の少なくとも1つの力で伸びようとする。バルブが閉じている状態では、電動アジャスタブルシートポスト44の長さは変化しない。
【0047】
電動アジャスタブルシートポスト44は、シートポスト34の高さが異なる複数の動作状態によって動作する。電動アジャスタブルシートポスト44は、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。電気式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト44は、動作指令を受け取ると、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させる。機械式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト44は、動作指令を受け取ると、ルブを開く。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、所定時間の間バルブを開く構成としてもよい。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、次に動作指令を受け取るまでバルブを開く構成としてもよい。
【0048】
モータ46は、人力駆動車10の推進を補助する。モータ46は、ハウジング36に収容される。モータ46は、電気モータを含む。モータ46は、クランク12から第1回転体22までの人力駆動力の伝達経路にアシストトルクを伝達する。アシストトルクが伝達される伝達経路には、ワンウェイクラッチが設けられるのが好ましい。ワンウェイクラッチは、クランク12を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、クランク12の回転力がモータ46に伝達しないように設けられる。
【0049】
モータ46は、人力駆動力およびクランク12の回転速度の少なくとも1つに応じて、電気モータを駆動する。モータ46は、アシスト特性が異なる複数の動作状態によって動作する。アシスト特性は、アシストトルクの上限値、および、アシスト比の少なくとも1つを含む。アシスト比は、人力駆動力およびクランク12の回転速度の少なくとも1つに対するアシストトルクの大きさである。モータ46は、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。モータ46の動作状態は、モータ46が人力駆動車10の推進を補助しない動作状態を含んでいてもよい。
【0050】
電動ブレーキ48は、フロントブレーキ48F、および、リアブレーキ48Rを含む。例えば、電動ブレーキ48は、ブレーキレバー48Aの操作に応じて、車輪14の回転を制動する制動力を発生させる。ブレーキレバー48Aは、ハンドルバー30に設けられる。フロントブレーキ48Fおよびリアブレーキ48Rの少なくとも1つは、ブレーキレバー48Aの操作量に応じて動作する。この場合、ブレーキレバー48Aは、フロントブレーキ48Fおよびリアブレーキ48Rの少なくとも1つと、制御部62を介して、無線通信装置または電気ケーブルによって通信可能に接続される。ブレーキレバー48Aは、フロントブレーキ48Fおよびリアブレーキ48Rの少なくとも1つと、ワイヤまたは油圧などの物理的に接続する手段によって接続されてもよい。例えば、フロントブレーキ48Fおよびリアブレーキ48Rは、リムブレーキであってもよく、ディスクブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。
【0051】
フロントブレーキ48Fは、フロントフォーク28に設けられて前輪14Bの回転を制動する制動力を発生させる。フロントブレーキ48Fは、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。フロントブレーキ48Fは、制動特性の異なる複数の動作状態によってフロントブレーキ48Fを動作させる。複数の動作状態は、制動力の上限値が異なる複数の動作状態を含む。複数の動作状態は、ブレーキレバー48Aの操作量に対する制動力の比が異なる複数の動作状態を含んでもよい。フロントブレーキ48Fは、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。
【0052】
リアブレーキ48Rは、フレーム18に設けられて後輪14Aの回転を制動する制動力を発生させる。リアブレーキ48Rは、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。リアブレーキ48Rは、制動特性の異なる複数の動作状態によってリアブレーキ48Rを動作させる。複数の動作状態は、制動力の上限値が異なる複数の動作状態を含む。複数の動作状態は、ブレーキレバー48Aの操作量に対する制動力の比が異なる複数の動作状態を含んでもよい。リアブレーキ48Rは、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。
【0053】
表示装置50は、各種の情報を表示する。表示装置50は、人力駆動車10に関する情報を表示する。人力駆動車10に関する情報は、走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータを含む。表示装置50は、動作指令に応じて、表示する人力駆動車10に関する情報を切り替える。表示装置50は、液晶画面を含む表示部を備える。表示装置50は、タッチパネルを備えていてもよい。表示装置50は、人力駆動車10の電動装置38に関する情報を表示するように構成されていてもよい。本実施形態では、表示装置50は、サイクルコンピュータである。
【0054】
図2に示すように、人力駆動車10は、人力駆動車10の走行状態を検出する走行状態検出部52を含む。例えば、人力駆動車10の走行状態は、車速、ハンドル舵角、および、人力駆動車10の進行方向の少なくとも1つを含む。例えば、走行状態検出部52は、電力線通信、CAN、または、UARTによって制御装置60と通信可能に構成される。走行状態検出部52は、車速センサ、ハンドル舵角センサ、および、モーションセンサの少なくとも1つを含む。
【0055】
車速センサは、車輪14の回転速度を検出する。車速センサは、車輪14の回転速度に応じた信号を制御装置60に出力する。車速センサは、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14の回転速度に関する情報を検出するように構成される。車速センサは、例えば、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14に設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサは、例えばリードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子などの磁気センサを含む。車速センサは、人力駆動車10のフレーム18のチェーンステイに取り付けられ、後輪14Aに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク28に設けられ、前輪14Bに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。
【0056】
車速センサは、人力駆動車10の車速に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。車速センサは、例えば、車輪14と一体となって回転する部材に設けられるスリットを検出するように構成されてもよい。車速センサは、例えば、光学センサなどを含んで構成されてもよい。車速センサは、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を含んで構成されてもよい。車速センサがGPS受信機を含む場合、制御装置60の制御部62は、時間と移動距離とに応じて車速を算出できる。車速センサは、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部62に接続される。
【0057】
ハンドル舵角センサは、ハンドル舵角を検出する。ハンドル舵角は、フレーム18に対するハンドルバー30の回転位相である。ハンドル舵角センサは、ハンドル舵角に応じた信号を制御装置60に出力する。例えば、ハンドル舵角センサは、回転角センサを含む。ハンドル舵角センサは、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部62に接続される。
【0058】
モーションセンサは、人力駆動車10の進行方向に応じた信号を出力する。例えば、制御部62は、モーションセンサから入力される人力駆動車10の加速度に応じた信号に応じて、人力駆動車10の進行方向を算出できる。モーションセンサは、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部62に接続される。モーションセンサは、3軸の加速度センサを含んでいてもよい。モーションセンサは、6軸のジャイロセンサを含んでいてもよい。
【0059】
走行状態が車速を含む場合、走行状態は、人力駆動車10が走行している状態、および、人力駆動車10が停車している状態を含む。走行状態がハンドル舵角を含む場合、走行状態は、ハンドルバー30が前方を向いている状態、および、ハンドルバー30が横を向いている状態を含む。走行状態が人力駆動車10の進行方向を含む場合、走行状態は、人力駆動車10が前進している状態、および、人力駆動車10が後退している状態を含む。
【0060】
人力駆動車10は、検出部54を含む。検出部54は、電力線通信、CAN、または、UARTによって制御装置60と通信可能に構成される。検出部54は、制御装置60に前方画像Fを入力する。検出部54は、撮像装置56を含む。撮像装置56は、人力駆動車10の前方画像Fを取得する。撮像装置56は、人力駆動車10に設けられる。撮像装置56は、フレーム18またはハンドルバー30に設けられる。撮像装置56は、ライダに設けられてもよい。この場合、撮像装置56は、ライダが着用するヘルメットに設けられてもよい。
【0061】
撮像装置56は、例えばカメラを含む。例えば、撮像装置56は、所定波長の光と対応する受光部を含む。例えば、受光部は、フィルタおよび受光素子を含む。例えば、撮像装置56は、複数の受光部を含む。複数の受光部と対応する所定波長はそれぞれ異なる。例えば、複数の受光部のうちの少なくとも1つは、可視光と対応する。例えば、複数の受光部のうちの少なくとも1つは、可視光の範囲外の光と対応してもよい。本実施形態では、受光部は、3つ以上であり、かつ、赤、緑、および、青と対応する。所定波長はいずれも可視光と対応する。撮像装置56は、例えばカラーカメラを含む。撮像装置56は、制御装置60に前方画像Fを送信する。撮像装置56は、周期的に前方画像Fを取得する。撮像装置56は、ライダによる任意の状況において、前方画像Fを取得するように構成されてもよい。撮像装置56は、前方画像F以外の周辺画像を同時に撮影可能なものであってもよい。撮像装置56は、人力駆動車10の周囲において全周を撮影可能なものであってもよい。
【0062】
制御装置60は、前方画像Fに基づいて、人力駆動車10の走行環境を判定する。例えば、人力駆動車10の走行環境は、路面状態、障害物、走行時間、土地、および、天候の少なくとも1つを含む。路面状態は、芝生、舗装路、および、未舗装路の少なくとも1つを含む。障害物は、木の根、および、落ち葉の少なくとも1つを含む。走行時間は、昼間、および、夜間の少なくとも1つを含む。土地は、街、森、および、砂漠の少なくとも1つを含む。天候は、晴れ、雨、および、霧の少なくとも1つを含む。
【0063】
人力駆動車10は、電動装置38を制御する制御装置60を含む。制御装置60は、前方画像Fに応じて電動装置38を制御するように構成される。制御装置60は、電動装置38に動作指令を送信する。制御装置60は、電動装置38に設けられてもよく、電動装置38とは異なる人力駆動車10のコンポーネントに設けられてもよい。
【0064】
制御装置60は、制御部62を備える。制御部62は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部62に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部62に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0065】
制御部62は電動装置38を制御するように構成される。制御部62は、電動装置制御部64を含む。電動装置制御部64は、走行路の状態に応じた動作信号を電動装置38に送信することで、電動装置38を制御するように構成される。電動装置制御部64は、動作信号を電動装置38に送信して、電動装置38を制御するように構成される。
【0066】
電動装置38が変速装置40を含む場合、制御部62は、変速装置40を制御するように構成される。例えば、制御部62は、変速条件に応じて変速比を変更するように変速装置40を制御する。例えば、変速条件は、変速閾値を含む。例えば、制御部62は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータと変速閾値との比較に応じて変速比を変更するように変速装置40を制御する。例えば、制御部62はパラメータと変速閾値の差に応じて変速比を変更するように変速装置40を制御する。変速閾値は、変速比に応じて変化してもよい。例えば、変速装置40が無段変速機を含むことによって変速比が滑らかに変化できる場合、変速閾値は変速比に応じて滑らかに変化する。例えば、変速比が段階的に変化する場合、変速閾値は変速比に応じて段階的に変化する。
【0067】
電動装置38が電動サスペンション42を含む場合、制御部62は、電動サスペンション42を制御する。例えば、制御部62が、フロントサスペンション42Fおよびリアサスペンション42Rの少なくとも1つを制御する。例えば、制御部62は、所定条件に応じて電動サスペンション42の動作状態を切り替えるように電動サスペンション42を制御する。所定条件は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータ含む。
【0068】
電動装置38が電動アジャスタブルシートポスト44を含む場合、制御部62は、電動アジャスタブルシートポスト44を制御する。例えば、制御部62は、所定条件に応じてシートポスト34の高さが異なる動作状態に変更するように電動アジャスタブルシートポスト44を制御する。所定条件は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータを含む。
【0069】
電動装置38がモータ46を含む場合、制御部62は、モータ46を制御する。例えば、制御部62は、所定条件に応じてモータ46の動作状態を切り換えるようにモータ46を制御するように構成される。所定条件は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータを含む。
【0070】
電動装置38が電動ブレーキ48を含む場合、制御部62は、電動ブレーキ48を制御する。例えば、制御部62は、フロントブレーキ48Fおよびリアブレーキ48Rの少なくとも1つを制御する。例えば、制御部62は、所定条件に応じて電動ブレーキ48の動作状態を切り換えるよう電動ブレーキ48を制御する。所定条件は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータを含む。
【0071】
電動装置38が表示装置50を含む場合、制御部62は、表示装置50を制御する。例えば、制御部62は、人力駆動車10走行状態および人力駆動車10走行環境の少なくとも1つに関するパラメータに応じて表示装置50に表示させる情報を変更する。制御部62は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関するパラメータを表示装置50に表示させる。
【0072】
制御部62は、検出部54から入力される前方画像Fに応じて、人力駆動車10の電動装置38を制御するように構成される。制御部62は、推定走行路Rに応じて電動装置38を制御するように構成される。制御部62は、走行路推定部66を含む。走行路推定部66は、前方画像Fから、人力駆動車10の前方における推定走行路Rに関する情報を出力する。推定走行路Rに関する情報は、路面傾斜、障害物、カーブの少なくとも1つを含んでもよい。路面傾斜は、上り坂、下り坂および平坦路を含む。障害物は、障害物の有無、および、障害物の種類を含む。カーブは、カーブの半径、および、長さを含む。
【0073】
例えば、走行路推定部66は、人工知能処理部68を備える。人工知能処理部68は、例えば、ソフトウェアを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されているソフトウェアを実行する演算処理装置と、を備える。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、好ましくは、CPUまたはMPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)を含んでいる。演算処理装置は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部68は、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人工知能処理部68は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。記憶装置は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶装置は、制御プログラム、学習プログラム、および、学習モデルを記憶する。学習モデルは、予め定める学習アルゴリズムによって学習された学習済みのモデルであってもよく、学習アルゴリズムによって更新されるよう構成されるものであってもよい。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。学習アルゴリズムは、例えば、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。学習アルゴリズムとしては、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルを更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。学習モデルを更新させるための学習処理は、好ましくは、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(NN;Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(RNN;Recurrent Neural Network)を用いてもよい。
【0074】
学習モデルは、入力層、少なくとも1つの中間層、および、出力層を含む。入力層には、前方画像Fが入力される。中間層は、畳み込み層、プーリング層、および、全結合層を含む。出力層は、推定走行路Rを出力する。学習モデルは、前方画像Fと推定走行路Rとの関係を記憶する。
【0075】
例えば、制御装置60は、記憶部70を備える。記憶部70には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部70は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0076】
図3に示すように、制御部62は、前方画像Fに基づいて、所定情報を生成する。制御部62は、前方画像Fから画像情報Xを取得する。前方画像Fは、複数のピクセルによって構成される。画像情報Xは、前方画像Fに含まれる色に関する情報、および、前方画像Fに含まれる光の波長に関する情報の少なくとも1つと対応する複数の要素に関する情報である。複数の要素は、前方画像Fの各ピクセルの情報に関する要素である。複数の要素は、少なくとも2つの要素を含む。
【0077】
複数の要素は、第1要素と、第2要素と、を含む。例えば、複数の要素は、第3要素を含む。第2要素は、色に関する情報および光の波長に関する情報の少なくとも1つが第1要素と異なる。例えば、第3要素は、色に関する情報および光の波長に関する情報の少なくとも1つが第1要素および第2要素のいずれとも異なる。画像情報Xの各ピクセルの情報は、前方画像Fの各ピクセルの情報に対応して決定される。色に関する情報は、例えば、各ピクセルにおける各要素が対応する色の輝度である。各ピクセルにおける各要素が対応する色の輝度は、各要素が対応する色の明度、強度、または、濃度であってもよい。光の波長に関する情報は、例えば、各要素が対応する光の波長の強度と対応する。例えば、各要素が対応する光の波長の強度は、各要素と対応する撮像装置56の受光部の受光強度と対応する。
【0078】
画像情報Xの各ピクセルの情報は、複数の要素に関する値によって表される。複数の要素に関する値は、第1要素に関する第1値、第2要素に関する第2値、および、第3要素に関する第3値を含む。画像情報Xの各ピクセルには、それぞれに第1値、第2値、および、第3値が設定される。各ピクセルの情報は、複数の要素に関する値の比率である要素比率を含んでいてもよい。要素比率は、各ピクセルの第1値、第2値、および、第3値のそれぞれを0%から100%までによって表す。前方画像Fにおいて、走行路である部分の要素比率は、走行路ではない部分の要素比率と異なる。
【0079】
本実施形態では、第1要素および第2要素は、それぞれ色である。本実施形態では、第1要素、第2要素、および、第3要素は、それぞれ色である。本実施形態では、第2要素は、第1要素と異なる色である。本実施形態では、第3要素は、第1要素および第2要素のいずれとも異なる色である。
【0080】
本実施形態では、第1要素および第2要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である。本実施形態では、第1要素、第2要素、および、第3要素は、それぞれ彩度がゼロよりも大きい色である。第1要素、第2要素、および、第3要素は、それぞれ黒とは異なる色である。画像情報Xの各ピクセルは、赤、緑および青の要素比率で色が決定される。本実施形態では、第1要素は、赤である。第2要素は、緑である。第3要素は、青である。第1値は、赤の要素比率である。第2値は、緑の要素比率である。第3値は、青の要素比率である。
【0081】
制御部62は、所定情報に基づいて人力駆動車10の推定走行路Rを特定する。所定情報は、画像情報Xが所定処理によって生成される。所定情報は、第1情報と、第2情報と、を含む。第1情報は、第1要素に関する画像情報Xが第1処理によって生成された情報である。第2情報は、第2要素に関する画像情報Xが第2処理によって生成された情報である。例えば、所定情報は、第3情報を含む。第3情報は、第3要素に関する画像情報Xが第3処理によって生成された情報である。
【0082】
例えば、制御部62は、撮像時期の異なる前方画像Fから所定情報を生成する。制御部62は、撮像時期の異なる前方画像Fを、重ね合わせて1つの前方画像Fとして、1つの前方画像Fから所定情報を生成する。制御部62は、撮像時期の異なる前方画像Fから、撮像時期の異なる同じ要素に関する画像情報Xを取得してもよい。この場合、制御部62は、撮像時期の異なる同じ要素に関する画像情報Xを、重ね合わせて1つの画像情報Xを生成する。
【0083】
例えば、制御部62は、第1前方画像F1と、第2前方画像F2と、に基づいて、所定情報を生成する。第1前方画像F1は、検出部54が第1撮像時期に検出した画像である。第2前方画像F2は、検出部54が第1撮像時期から所定期間経過した第2撮像時期に検出した画像である。例えば、第2撮像時期は、第1撮像時期から所定時間経過した後の時期である。所定時間は、人力駆動車10の走行状態および走行環境に応じて設定されてもよい。車速が所定車速よりも速い場合、車速が所定速度以下の場合よりも、走行路の状態の変化が速い可能性が高い。制御部62は、車速が所定車速よりも速い場合、車速が所定車速以下の場合よりも、所定時間を短くする。所定時間を短くすることによって、時間当たりの推定走行路Rを特定する頻度が増えるため、走行路の状態の変化に好適に対応できる。
【0084】
例えば、制御部62は、第1前方画像F1と、第2前方画像F2とを合成した画像によって、所定情報を生成する。制御部62は、第1前方画像F1と、第2前方画像F2との対応するピクセルにおける対応する要素の要素比率を平均することで、第1前方画像F1と、第2前方画像F2とを合成する。制御部62は、第1前方画像F1と、第2前方画像F2とを合成する場合、第1前方画像F1および第2前方画像F2の一方を重み付けしてもよい。制御部62は、第1前方画像F1および第2前方画像F2に、さらに第1前方画像F1および第2前方画像F2とは異なる撮像時期の1つ以上の前方画像Fを加えて、所定情報を生成してもよい。
【0085】
例えば、制御部62は、画像情報Xを前処理した後に、所定処理を実行するように構成される。前処理は、所定処理によって推定走行路Rの特定を容易にするために行われる画像情報Xに対する処理である。前処理は、平均化、ガンマ補正、および、ヒストグラム平滑化の少なくとも1つを含む。平均化は、画像情報Xにおいて、隣接するピクセルの情報を平均する処理である。ガンマ補正は、前方画像Fの各ピクセルにおける明度を調整する処理である。ヒストグラム平滑化は、画像情報Xのコントラストを調整する処理である。制御部62は、人力駆動車10の走行環境に応じて、前処理を実行可能に構成される。例えば、天候が雨の場合、画像情報Xが暗いため、制御部62は、画像情報Xに対してガンマ補正を行うように構成される。例えば、天候が霧の場合、画像情報Xのコントラスト差が小さいため、制御部62は画像情報Xに対してヒストグラム平滑化を行うように構成される。
【0086】
所定処理は、第1処理と、第2処理と、を含む。第1処理は、画像情報Xを処理する処理である。第2処理は、第1処理と異なり、画像情報Xを処理する処理である。例えば、所定処理は、第3処理を含む。第3処理は、第1処理および第2処理のいずれとも異なり、かつ、画像情報Xを処理する処理である。制御部62は、所定処理において、前方画像Fに含まれる色に関する情報と対応する複数の要素に関する画像情報Xを処理する。制御部62は、所定処理において、前処理していない前方画像Fに含まれる色に関する情報と対応する複数の要素に関する画像情報Xを処理してもよい。
【0087】
所定処理は、画像情報Xを複数の要素および参照値に基づいて2値化する2値化処理を含む。2値化処理は、画像情報Xの各ピクセルの情報を、0または1に2値化する。制御部62は、画像情報Xから、複数の要素のうちの1つに関する値が、複数の要素のうちの1つに対応する参照値以上の場合、複数の要素のうちの1つに関する値を1とする。制御部62は、画像情報Xから、複数の要素のうちの1つに関する値が、複数の要素のうちの1つに対応する参照値より小さい場合、複数の要素のうちの1つに関する値を0とする。
【0088】
図4は、第1処理によって処理された画像情報Xの例を示す。例えば、第1処理は、画像情報Xを第1要素および第1参照値に基づいて2値化する処理を含む。第1処理は、画像情報Xを、各ピクセルにおける赤の要素比率を第1参照値に基づいて2値化する処理を含む。例えば、制御部62は、第1処理において、各ピクセルにおける赤の要素比率が第1参照値以上の場合、第1値を1とする。制御部62は、第1処理において、各ピクセルにおける赤の要素比率が第1参照値より小さい場合、第1値を0とする。
図4において、第1値が1の部分は白によって示され、第1値が0の部分は点ハッチングによって示される。
【0089】
図5は、第2処理によって処理された画像情報Xの例を示す。例えば、第2処理は、画像情報Xを第2要素および第2参照値に基づいて2値化する処理を含む。第2処理は、画像情報Xを、各ピクセルの緑における要素比率を第2参照値に基づいて2値化する処理を含む。例えば、制御部62は、第2処理において、各ピクセルにおける緑の要素比率が第2参照値以上の場合、第2値を1とする。制御部62は、第2処理において、各ピクセルにおける緑の要素比率が第2参照値より小さい場合、第2値を0とする。
図5において、第2値が1の部分は白によって示され、第2値が0の部分は点ハッチングによって示される。
【0090】
図6は、第3処理によって処理された画像情報Xの例を示す。例えば、第3処理は、画像情報Xを第3要素および第3参照値に基づいて2値化する処理を含む。第3処理は、画像情報Xを、各ピクセルにおける青の要素比率を第3参照値に基づいて2値化する処理を含む。例えば、制御部62は、第3処理において、各ピクセルにおける青の要素比率が第3参照値以上の場合、第3値を1とする。制御部62は、第3処理において、各ピクセルにおける青の要素比率が第3参照値より小さい場合、第3値を0とする。
図6において、第3値が1の部分は白によって示され、第3値が0の部分は点ハッチングによって示される。
【0091】
例えば、第1参照値は、第2参照値と異なる。第1参照値は、第2参照値と同じでもよい。例えば、第3参照値は、第1参照値と異なる。第3参照値は、第1参照値と同じでもよい。例えば、第3参照値は、第2参照値と異なる。第3参照値は、第2参照値と同じでもよい。
【0092】
例えば、制御部62は、第1参照値および第2参照値の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。例えば、制御部62は、第1参照値、第2参照値、および、第3参照値の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。
【0093】
例えば、人力駆動車10の走行路が土である場合、土の色は赤を多く含む傾向があるため、走行路の画像は第1要素の要素比率が高い。この場合、制御部62は、第1参照値が小さくなるように、第1参照値を変更する。また、この場合、第2参照値および第3参照値が、第1参照値よりも大きくなるように、第2参照値および第3参照値を変更する。
【0094】
例えば、人力駆動車10の走行路が芝生である場合、芝生の色は緑を多く含む傾向があるため、走行路の画像は第2要素の要素比率が高い。この場合、制御部62は、第2参照値が小さくなるように、第2参照値を変更する。また、この場合、第1参照値および第3参照値が、第1参照値よりも大きくなるように、第1重み付け係数および第3参照値を変更する。
【0095】
例えば、人力駆動車10の走行路が砂利である場合、砂利の色は白を多く含む傾向があるため、走行路の画像は第1要素の要素比率、第2要素の要素比率、および、第3要素の要素比率が均等になる。この場合、制御部62は、第1参照値、第2参照値および第3参照値が等しくなるように、第1参照値、第2参照値および第3参照値を変更する。
【0096】
例えば、記憶部70は、複数の第1参照値を記憶する。複数の第1参照値は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第1参照値から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第1参照値を選択可能に構成される。
【0097】
例えば、記憶部70は、複数の第2参照値を記憶する。複数の第2参照値は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第2参照値から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第2参照値を選択可能に構成される。
【0098】
例えば、記憶部70は、複数の第3参照値を記憶する。複数の第3参照値は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第3参照値から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第3参照値を選択可能に構成される。
【0099】
所定処理は、画像情報Xを複数の要素および重み付け係数に基づいて重み付けする重み付け処理を含む。重み付け処理は、2値化した画像情報Xを重み付けする。例えば、第1処理は、第1参照値に基づいて2値化された画像情報Xを第1重み付け係数を用いて第1情報を生成する処理を含む。制御部62は、第1処理において、各ピクセルにおける第1値と第1重み付け係数との積を各ピクセルにおける第1処理値として算出する。第1情報は、画像情報Xに含まれる全てのピクセルにおける第1処理値を含む。
【0100】
例えば、第2処理は、第2参照値に基づいて2値化された画像情報Xを、第2重み付け係数を用いて第2情報を生成する処理を含む。第1重み付け係数は、第2重み付け係数と異なる。制御部62は、第2処理において、画像情報Xのピクセルの第2値と第2重み付け係数との積を各ピクセル第2処理値として算出する。第2情報は、画像情報Xに含まれる全てのピクセルにおける第2処理値を含む。
【0101】
例えば、第3処理は、第3参照値に基づいて2値化された画像情報Xを、第3重み付け係数を用いて第3情報を生成する処理を含む。制御部62は、第3処理において、各ピクセルにおける第3値と第3重み付け係数との積を各ピクセルの第3処理値として算出する。第3情報は、画像情報Xに含まれる全てのピクセルにおける第3処理値を含む。
【0102】
第1重み付け係数は、第2重み付け係数と同じでもよい。第3重み付け係数は、第1重み付け係数と異なる。第3重み付け係数は、第1重み付け係数と同じでもよい。第3重み付け係数は、第2重み付け係数と異なる。第3重み付け係数は、第2重み付け係数と同じでもよい。
【0103】
例えば、制御部62は、第1重み付け係数および第2重み付け係数の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。例えば、制御部62は、第1重み付け係数、第2重み付け係数および第3重み付け係数の少なくとも1つを、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて変更可能に構成される。
【0104】
例えば、人力駆動車10の走行路が土である場合、制御部62は、第1重み付け係数が大きくなるように、第1重み付け係数を変更する。また、この場合、第2重み付け係数および第3重み付け係数が、第1重み付け係数よりも小さくなるように、第2重み付け係数および第3重み付け係数を変更する。
【0105】
例えば、人力駆動車10の走行路が芝生である場合、制御部62は、第2重み付け係数が大きくなるように、第2重み付け係数を変更する。また、この場合、第1重み付け係数および第3重み付け係数が、第2重み付け係数よりも小さくなるように、第1重み付け係数および第3重み付け係数を変更する。
【0106】
例えば、人力駆動車10の走行路が砂利である場合、制御部62は、第1重み付け係数、第2重み付け係数、および、第3重み付け係数が等しくなるように、第1重み付け係数、第2重み付け係数および第3重み付け係数を変更する。
【0107】
例えば、記憶部70は、複数の第1重み付け係数を記憶する。複数の第1重み付け係数は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第1重み付け係数から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第1重み付け係数を選択可能に構成される。
【0108】
例えば、記憶部70は、複数の第2重み付け係数を記憶する。複数の第2重み付け係数は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第2重み付け係数から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第2重み付け係数を選択可能に構成される。
【0109】
例えば、記憶部70は、複数の第3重み付け係数を記憶する。複数の第3重み付け係数は、それぞれが人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応付けて記憶部70に記憶される。制御部62は、複数の第3重み付け係数から、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに対応する、1つの第3重み付け係数を選択可能に構成される。
【0110】
図3に示すように、例えば、制御部62は、画像情報Xから特定画像情報Sを取得する。特定画像情報Sは、前方画像Fのうちの第1範囲Aに含まれる複数の要素に関する情報である。例えば、第1範囲Aは、前方画像Fにおいて、仮想線Vの少なくとも一部を含む。
【0111】
例えば、制御部62は、画像情報Xに、仮想線Vを設定する。例えば、仮想線Vは、人力駆動車10の進行方向に沿い、かつ、人力駆動車10またはライダを通過する線である。例えば、仮想線Vは、画像情報Xにおいて、人力駆動車10が将来走行する推定走行路Rを含むように設定される。本実施形態では、制御部62は、画像情報Xの上下方向に沿うように仮想線Vを設定する。仮想線Vは、人力駆動車10が直進する場合、人力駆動車10の進行方向に平行であり、かつ、人力駆動車10のフレーム18の左右方向における中心を通過する直線を含むように設定される。
【0112】
仮想線Vは、前方画像Fに対して設定される。本実施形態では、仮想線Vは、前方画像Fの上下方向に沿う直線である。制御部62は、検出部54の取付位置および撮像装置56の撮像方向の少なくとも1つに応じて、前方画像Fにおける仮想線Vの位置を調整可能に構成されてもよい。制御部62は、前方画像Fにおける仮想線Vの上下方向の位置、左右方向の位置、および、傾きの少なくとも1つを調整可能に構成される。仮想線Vの位置は、ライダが設定できるように構成されてもよい。
【0113】
第1範囲Aは、前方画像Fに対して設定される。第1範囲Aは、人力駆動車10の進行方向に面する範囲である。第1範囲Aの上下方向における中央は、前方画像Fの上下方向における中央よりも下に設定される。例えば、第1範囲Aは、前方画像Fのうちの地面に対応する部分を含む。前方画像Fのうちの地面に対応する部分は、人力駆動車10の走行路に対応する。第1範囲Aは、前方画像Fのうちの走行路に対応する部分を含むように設定される。
【0114】
例えば、制御部62は、特定画像情報Sに応じて、所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される。制御部62は、特定画像情報Sによって人力駆動車10の走行路の特性を特定できる。特定画像情報Sには、走行路と対応する部分の情報が含まれやすいため、第1範囲Aのうち走行路が占める割合が、前方画像Fの全体のうち走行路が占める割合よりも大きくなりやすい。例えば、制御部62は、第1範囲Aに含まれるピクセルの主要素に基づいて、所定処理に関する情報を変更する。主要素は、例えば、第1範囲Aに含まれる各ピクセルにおいて3つの要素のうち要素比率が最も大きい要素を最大要素とした場合、最も数の多い最大要素である。例えば、特定画像情報Sの主要素が赤であると判定される場合、画像情報Xにおいて赤を含むピクセルと対応する部分が走行路である可能性が高い。制御部62は、赤を含むピクセルを抽出できるように、所定処理に関する情報を変更することによって、走行路と対応するピクセルを抽出できる可能性が高くなる。
【0115】
例えば、制御部62は、第1範囲Aに含まれるピクセルの副要素に基づいて、所定処理に関する情報を変更する。副要素は、例えば、第1範囲Aに含まれる各ピクセルにおいて3つの要素のうち要素比率が最も大きい要素を最大要素とした場合、2番目に数の多い最大要素である。例えば、特定画像情報Sの副要素が緑であると判定される場合、画像情報Xにおいて緑を含むピクセルと対応する部分が走行路である可能性が高い。制御部62は、緑を含むピクセルを抽出できるように、所定処理に関する情報を変更することによって、走行路と対応するピクセルを抽出できる可能性が高くなる。
【0116】
例えば、制御部62は、所定処理に関する情報としての第1参照値および第2参照値の少なくとも1つを、特定画像情報Sに応じて決める。例えば、制御部62は、第1参照値、第2参照値、および、第3参照値の少なくとも1つを、特定画像情報Sに応じて決める。例えば、制御部62は、抽出したい要素に対応する参照値を小さくすることによって、抽出したい要素の要素比率を含むピクセルを抽出しやすくなる。例えば、特定画像情報Sに対応するピクセルにおいて主要素が赤と判定される場合、赤の要素比率が高いピクセルと対応する部分が走行路である可能性が高い。制御部62は、前方画像Fにおいて赤の要素比率を含むピクセルの第1値が1になりやすいように、第1参照値を決めることによって、走行路と対応するピクセルを抽出できる可能性が高くなる。
【0117】
例えば、特定画像情報Sに対応するピクセルにおいて主要素が赤、かつ、副要素が緑と判定される場合、緑の要素比率が高いピクセルと対応する部分が走行路である可能性が高い。この場合、制御部62は、前方画像Fにおいて緑の要素比率を含むピクセルの第2値が1になりやすいように、第2参照値を決める。また、制御部62は、例えば、第1参照値よりも大きくなるように、第2参照値を決める。この場合、2値化処理の結果、前方画像Fにおいて緑の要素比率を含むピクセルの第2値は、赤の要素比率を含むピクセルの第1値よりも、1になりにくくなる。このように、第2参照値を決めることによって、走行路と対応するピクセルを抽出できる可能性が高くなる。例えば、制御部62は、第1参照値、第2参照値、および、第3参照値のうちの、主要素と対応する参照値を最も小さくする。例えば、制御部62は、主要素および副要素以外と対応する参照値を最も大きくする。
【0118】
例えば、制御部62は、所定処理に関する情報としての第1重み付け係数および第2重み付け係数の少なくとも1つを、特定画像情報Sに応じて決める。例えば、制御部62は、第1重み付け係数、第2重み付け係数および第3重み付け係数の少なくとも1つを、特定画像情報Sに応じて決める。例えば、制御部62は、第1重み付け係数、第2重み付け係数、および、第3重み付け係数のうちの、主要素と対応する重み付け係数を最も大きくすることによって、抽出したい要素の要素比率を含むピクセルを抽出しやすくなる。例えば、特定画像情報Sに対応するピクセルにおいて主要素が赤と判定される場合、第1処理値が大きくなりやすいように、第1重み付け係数を決める。例えば、特定画像情報Sに対応するピクセルにおいて主要素が赤、かつ、副要素が緑と判定される場合、第2処理値が大きくなりやすいように、第2重み付け係数を決める。また、第2処理値が第1処理値よりも大きくなりにくいように第2重み付け係数を決める。例えば、制御部62は、主要素および副要素以外と対応する重み付け係数を最も小さくする。
【0119】
例えば、制御部62は、所定状況において取得した特定画像情報Sに応じて、所定処理に関する情報を変更可能とするように構成される。所定状況は、人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つと対応する状況である。例えば、所定状況は、特定画像情報Sにおいて走行路が占める割合に応じた状況である。例えば、制御部62は、所定状況において取得した特定画像情報Sと対応する第1範囲Aに含まれるピクセルの主要素に基づいて、第1参照値、第2参照値、または、第3参照値を変更する。例えば、制御部62は、所定状況において取得した特定画像情報Sに応じて第1参照値、第2参照値、または、第3参照値を変更した場合、次に所定状況になるまでは、変更した第1参照値、第2参照値、または、第3参照値を維持するように構成されてもよい。
【0120】
例えば、所定状況は、検出部54がハンドルバー30に設けられ、かつ、人力駆動車10が直進している状況である。人力駆動車10が直進している場合、人力駆動車10が曲がろうとしている場合よりも、特定画像情報Sにおいて走行路が占める割合が多い。例えば、制御部62は、検出部54がハンドルバー30に設けられ、かつ、人力駆動車10が直進している状況において取得した特定画像情報Sに応じて第1参照値、第2参照値、または、第3参照値を小さくする。例えば、検出部54がハンドルバー30と一体に移動する場合に、ハンドルバー30が横を向いた状況の場合、ハンドルバー30が前を向いている状況よりも、特定画像情報Sにおいて走行路である部分が占める割合が減少する。この場合、ハンドルバー30が前を向いている状況において取得した特定画像情報Sに応じて変更された第1参照値、第2参照値、または、第3参照値が維持される。
【0121】
制御部62は、撮像時期の異なる前方画像Fのそれぞれから取得した特定画像情報Sに基づいて、所定処理に関する情報を変更可能とするように構成されてもよい。制御部62は、撮像時期の異なる特定画像情報Sにおいて、主要素が変化しない場合、主要素が走行路に対応する要素である可能性が高い。この場合、制御部62は、主要素に応じて、所定処理に関する情報を変更する。例えば、制御部62は、特定画像情報Sにおいて、所定時間内に最も多く検出された主要素に基づいて、所定処理に関する情報を変更してもよい。
【0122】
例えば、所定処理は、結合処理を含む。結合処理は、第1情報、第2情報、および、第3情報を結合し、結合情報を生成する処理を含む。制御部62は、結合処理において、各ピクセルにおける第1情報、第2情報、および、第3情報の和である結合値を算出する。制御部62は、結合処理において、結合値が第4参照値以上であるピクセルに1を設定し、かつ、結合値が第4参照値未満であるピクセルに0を設定することによって、結合情報を生成する。
【0123】
図7は、
図4から
図6から生成した結合情報の例を示す。
図7において、制御部62は、1に設定されたピクセルを白く表示し、0に設定されたピクセルを点ハッチングによって表示している。
【0124】
例えば、所定処理は、検出処理を含む。検出処理は、結合情報のうちの1が設定されるピクセルと、0が設定されるピクセルとが隣接する部分を特異点として検出する処理である。例えば、検出処理には、エッジ検出の技術が用いられる。検出された複数の特異点は、複数の特異点に囲まれた、区画Bを形成する。
【0125】
図8は、
図7の結合情報から生成した検出処理の結果を示す。
図8において、制御部62は、特異点として検出した部分を黒く表示し、特異点として検出されていない部分を白く表示している。
図8に示すように、区画Bは、複数形成されるように構成されてもよい。
【0126】
制御部62は、複数の区画Bのうちの1つを推定走行路Rとして特定するように構成される。例えば、所定情報は、画像情報Xの複数の区画Bにそれぞれ関連付けられる複数の数値を含む。制御部62は、数値が所定値以上の区画Bに基づいて、推定走行路Rを特定するように構成される。数値は、例えば区画Bの面積である。制御部62は、複数の区画Bのうちの面積が所定値以上の区画Bを推定走行路Rと特定する。制御部62は、複数の区画Bのうちの面積が最も大きい区画Bを推定走行路Rと特定してもよい。制御部62は、推定走行路Rの形状を入力情報として生成する。
【0127】
電動装置制御部64は、推定走行路Rに応じた動作信号を電動装置38に送信することによって、電動装置38を制御するように構成される。例えば、電動装置38が変速装置40を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じて変速条件を変更するように変速装置40を制御する。例えば、推定走行路Rに上り坂があると判定した場合、制御部62は、変速比を大きくする頻度が少なくなるように、変速閾値を変更する。
【0128】
例えば、電動装置38が電動サスペンション42を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じて電動サスペンション42を制御する。例えば、推定走行路Rに乗り越えられる障害物があると判定した場合に、制御部62は、電動サスペンション42の動作状態を第2動作状態に切り替える。
【0129】
例えば、電動装置38が電動アジャスタブルシートポスト44を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じて電動アジャスタブルシートポスト44を制御する。例えば、推定走行路Rに下り坂があると判定した場合、制御部62は、シートポスト34の高さが低くなるように電動アジャスタブルシートポスト44の動作状態を制御する。
【0130】
例えば、電動装置38がモータ46を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じてモータ46を制御する。例えば、制御部62は、推定走行路Rにカーブがあると判定した場合、アシストトルクの上限値が低くなるようにモータ46の動作状態を制御する。
【0131】
例えば、電動装置38が電動ブレーキ48を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じて電動ブレーキ48を制御する。例えば、制御部62は、推定走行路Rに下り坂があると判定した場合、制動力の上限値が大きくなるように電動ブレーキ48の動作状態を制御する。
【0132】
例えば、電動装置38が表示装置50を含む場合、制御部62は、推定走行路Rに応じて表示装置50を制御する。例えば、制御部62は、推定走行路Rに関する情報を、表示装置50に表示させる。
【0133】
図9のフローチャートを参照して、制御部62が電動装置38を制御する処理を説明する。制御部62は、例えば、制御部62に電力が供給されると、処理を開始して
図9に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部62は、
図9のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0134】
ステップS11において、制御部62は、前方画像Fが入力されたか否か判定する。制御部62は、前方画像Fが入力された場合、ステップS12に移行する。制御部62は、前方画像Fが入力されていない場合、処理を終了する。
【0135】
ステップS12において、制御部62は、前方画像Fに含まれる色に関する情報、および、前方画像Fに含まれる光の波長に関する情報の少なくとも1つから推定走行路Rを特定し、ステップS13に移行する。
【0136】
ステップS13において、制御部62は、推定走行路Rに応じて電動装置38を制御し、処理を終了する。
【0137】
図10のフローチャートを参照して、
図9のフローチャートにおけるステップS12のサブルーチンを説明する。制御部62は、ステップS21において、画像情報Xから特定画像情報Sを取得し、ステップS22に移行する。
【0138】
制御部62は、ステップS22において、画像情報Xを前処理し、ステップS23に移行する。
【0139】
制御部62は、ステップS23において、ステップS22において前処理された画像情報Xを2値化処理し、ステップS24に移行する。制御部62は、ステップS23において、ステップS21において取得した特定画像情報Sに基づいて2値化処理のための参照値を決定する。
【0140】
制御部62は、ステップS24において、ステップS23において2値化処理された画像情報Xを重み付け処理し、ステップS25に移行する。制御部62は、ステップS24において、ステップS21において取得した特定画像情報Sに基づいて重み付け処理のための重み付け係数を決定する。
【0141】
制御部62は、ステップS25において、推定走行路Rを特定し、処理を終了する。制御部62は、ステップS25において、結合処理および検出処理によって、推定走行路Rを特定する。
【0142】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0143】
・光の波長に関する情報は、赤外線に関する情報であってもよい。この場合、画像情報Xは、熱分布に関する画像情報Xであってもよい。この場合、検出部54は赤外線カメラを含んでいてもよい。
【0144】
・制御部62は、第1要素および第2要素のみに関する画像情報Xに応じて所定情報を生成するように構成されてもよい。この場合、第1要素は、赤、緑、および、青のいずれか1つであってもよい。第2要素は、第1要素とは異なる赤、緑、および、青のいずれか1つであってもよい。
【0145】
・推定走行路Rは、制御部62とは別体に構成される外部装置の制御部によって特定されてもよい。外部装置の制御部は、例えば、サーバーに設けられる。この場合、制御装置60は、通信装置を含む。制御部62は、前方画像Fが入力された場合、外部装置の制御部に前方画像Fを送信する。制御部62は、外部装置の制御部が特定した推定走行路Rを受信可能に構成される。
【0146】
・制御部62は、区画Bの形状に基づいて、推定走行路Rを特定するように構成されてもよい。この場合、記憶部70は、区画Bの形状と、前方画像Fのうちの走行路である部分の形状と、の関係性を記憶する。制御部62は、機械学習によって、区画Bの形状と、前方画像Fのうちの走行路である部分の形状と、の関係性を学習してもよい。
【0147】
・第1参照値、第2参照値、および、第3参照値は、ライダによって変更可能に構成されてもよい。この場合、ライダは、外部端末から第1参照値、第2参照値、および、第3参照値を変更する。外部端末は、例えば、パソコンまたはスマートフォンである。
【0148】
・第1重み付け係数、第2重み付け係数、および、第3重み付け係数は、ライダによって変更可能に構成されてもよい。この場合、ライダは、外部端末から第1参照値、第2参照値、および、第3参照値を変更する。外部端末は、例えば、パソコンまたはスマートフォンである。
【0149】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0150】
10…人力駆動車、38…電動装置、40…変速装置、42…電動サスペンション、44…電動アジャスタブルシートポスト、46…モータ、48…電動ブレーキ、50…表示装置、54…検出部、60…制御装置、62…制御部。