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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046155
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】パネルユニット、間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
E04B2/74 561Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154900
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】川本 真也
(72)【発明者】
【氏名】野嵜 治
(57)【要約】
【課題】構造の簡素化、軽量化を図るとともに、外観の体裁の自由度を高める。
【解決手段】上方を向く設置面上に設置され、設置面の上方に形成される室内空間を仕切るパネルユニット10であって、上下方向Dvに延びる縦フレーム材21、及び縦フレーム材21から、上下方向Dvに交差する第一方向Dwの両側に延びる横フレーム材22を備える支持構造体20と、支持構造体20に対し、上下方向Dvから見て第一方向Dwに交差する第二方向Dtの両側に配置されるとともに、支持構造体20に支持される一対のパネル材30と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を向く設置面上に設置され、前記設置面の上方に形成される室内空間を仕切るパネルユニットであって、
上下方向に延びる縦フレーム材、及び前記縦フレーム材から、上下方向に交差する第一方向の両側に延びる横フレーム材を備える支持構造体と、
前記支持構造体に対し、上下方向から見て前記第一方向に交差する第二方向の両側に配置されるとともに、前記支持構造体に支持される一対のパネル材と、を含むパネルユニット。
【請求項2】
前記一対のパネル材は、前記支持構造体を挟み込んでいるとともに、前記第二方向から見て前記支持構造体と重ならない位置で、前記一対のパネル材の外周部どうしが近接または当接している
請求項1に記載のパネルユニット。
【請求項3】
前記パネル材は、
前記支持構造体に前記第二方向で向かい合う対向部と、
前記対向部の外周側に形成されたパネル外縁部と、を備え、
前記一対のパネル材における前記パネル外縁部は、前記第二方向において互いに接近する向きに突出するとともに、前記支持構造体の周囲を取り囲んでいる
請求項2に記載のパネルユニット。
【請求項4】
前記パネル材は、
板状のパネル本体と、
前記パネル材の外周部に配置されて前記パネル本体に固定されたブラケットと、を備え、
前記第二方向の一方側の前記パネル材の前記ブラケットと、前記第二方向の他方側の前記パネル材の前記ブラケットとが、前記第二方向から見て前記支持構造体と重ならない位置で連結されている
請求項1から3のいずれか一項に記載のパネルユニット。
【請求項5】
前記横フレーム材は、前記縦フレーム材の上下方向の中間部に配置され、
前記ブラケットは、前記縦フレーム材の前記第一方向の両側、かつ前記横フレーム材の上下方向の両側にそれぞれ配置されている
請求項4に記載のパネルユニット。
【請求項6】
前記パネル本体は、第二方向から見て矩形状に形成され、
前記ブラケットは、前記パネル本体の各角部において、前記角部を跨るL字状に各別に形成されている請求項5に記載のパネルユニット。
【請求項7】
前記ブラケットは、前記角部から上下方向に延びる縦延伸部、及び前記角部から前記第一方向に延びる横延伸部をそれぞれ備え、
複数の前記ブラケットのうち、前記横フレーム材の上側に配置された前記ブラケットの前記縦延伸部の下端部が、前記横フレーム材に支持されている
請求項6に記載のパネルユニット。
【請求項8】
前記横フレーム材は、前記第二方向を厚さ方向とし、前記第一方向に延びる板状である
請求項1から7のいずれか一項に記載のパネルユニット。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のパネルユニットを備える間仕切り装置。
【請求項10】
前記パネルユニットを複数備え、
一の前記パネルユニットにおける前記縦フレーム材の下端部に、前記一のパネルユニットの下側に配置される他の前記パネルユニットの前記縦フレーム材の上端部、または前記設置面上に設置されるベース脚の上端部が接続可能に構成されている
請求項9に記載の間仕切り装置。
【請求項11】
一の前記パネルユニットにおける前記縦フレーム材の上端部に、前記一のパネルユニットの上側に配置される他の前記パネルユニットの前記縦フレーム材の下端部が接続可能に構成されている
請求項9または10に記載の間仕切り装置。
【請求項12】
前記第一方向に複数枚の前記パネルユニットが隣り合って配置され、
前記第一方向の一方側の前記パネルユニットの前記横フレーム材の端部と、前記第一方向の他方側の前記パネルユニットの前記横フレーム材の端部とが、連結部材を介して接続される
請求項9から11のいずれか一項に記載の間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルユニット、間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、商業施設等の空間においては、施設内に形成された空間を、間仕切り装置で区画することが広く行われている。例えば、特許文献1には、床面上に設置された矩形枠状のフレームと、フレームの両面に設けられたパネル材と、を備える構成の間仕切り装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6338210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたような構成の間仕切り装置は、フレームが矩形枠状であるため、構造の簡素化、及び軽量化が難しく、また、外観の体裁の自由度が低い。
本発明は、構造の簡素化、軽量化を図るとともに、外観の体裁の自由度を高めることができるパネルユニット、間仕切り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るパネルユニットは、上方を向く設置面上に設置され、前記設置面の上方に形成される室内空間を仕切るパネルユニットであって、上下方向に延びる縦フレーム材、及び前記縦フレーム材から、上下方向に交差する第一方向の両側に延びる横フレーム材を備える支持構造体と、前記支持構造体に対し、上下方向から見て前記第一方向に交差する第二方向の両側に配置されるとともに、前記支持構造体に支持される一対のパネル材と、を含む。
【0006】
このように、一対のパネル材を支持する支持構造体が、上下方向に延びる縦フレーム材と、縦フレーム材から第一方向の両側に延びる横フレーム材と、を備える。つまり、縦フレーム材は、パネルユニットにおいて、第一方向の中間部に位置することになる。これにより、パネル材の外周部分に縦フレーム材が配置されず、構造の簡素化、軽量化、及び外観の体裁の自由度を高めることができる。また、縦フレーム材から第一方向の両側に向けて横フレーム材が延びていることにより、パネル材の外周部分に支持構造体が露出し難い構成ながらもパネル材の支持強度を確保することができる。
【0007】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記一対のパネル材は、前記支持構造体を挟み込んでいるとともに、前記第二方向から見て前記支持構造体と重ならない位置で、前記一対のパネル材の外周部どうしが近接または当接しているようにしてもよい。
この構成によれば、支持構造体を挟み込む一対のパネル材は、第二方向から見て支持構造体と重ならない位置で、一対のパネル材の外周部どうしが近接または当接している。これにより、一対のパネル材の外周部どうしの間から、支持構造体が外方に露呈するのを抑えることができる。したがって、パネルユニットの外観の体裁を向上させることができる。
【0008】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記パネル材は、前記支持構造体に前記第二方向で向かい合う対向部と、前記対向部の外周側に形成されたパネル外縁部と、を備え、前記一対のパネル材における前記パネル外縁部は、前記第二方向において互いに接近する向きに突出するとともに、前記支持構造体の周囲を取り囲んでいるようにしてもよい。
この構成によれば、一対のパネル材のパネル外縁部が、互いに接近する向きに突出し、支持構造体の周囲を取り囲むことで、一対のパネル材のパネル外縁部どうしが近接または当接する。これにより、一対のパネル材の外周部どうしの間から、支持構造体が外方に露呈するのを抑えることができる。また、一対のパネル材どうしの一体感が高まり、この点においてもパネルユニットの外観の体裁が向上する。
【0009】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記パネル材は、板状のパネル本体と、前記パネル材の外周部に配置されて前記パネル本体に固定されたブラケットと、を備え、前記第二方向の一方側の前記パネル材の前記ブラケットと、前記第二方向の他方側の前記パネル材の前記ブラケットとが、前記第二方向から見て前記支持構造体と重ならない位置で連結されているようにしてもよい。
この構成によれば、一方側のパネル材のブラケットと他方側のパネル材のブラケットとが連結されることによって、一対のパネル材の外周部どうしが当接した状態で、支持構造体を挟み込む。また、ブラケットがパネル材の外周部に配置されているので、ブラケットによって、一対のパネル材の間に挟み込まれた支持構造体が外方に露呈するのを抑えることができる。さらに、ブラケットがパネル本体に固定されることで、パネル本体を補強することができる。
【0010】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記横フレーム材は、前記縦フレーム材の上下方向の中間部に配置され、前記ブラケットは、前記縦フレーム材の前記第一方向の両側、かつ前記横フレーム材の上下方向の両側にそれぞれ配置されているようにしてもよい。
この構成によれば、横フレーム材が、縦フレーム材の上下方向の中間部に配置されることで、支持構造体は、第二方向から見て十字状に形成される。ブラケットを、十字状の支持構造体と干渉しにくい位置に配置することができる。このようなブラケットにより、パネル本体を効率良く補強できる。
【0011】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記パネル本体は、第二方向から見て矩形状に形成され、前記ブラケットは、前記パネル本体の各角部において、前記角部を跨るL字状に各別に形成されているようにしてもよい。
この構成によれば、ブラケットをパネル本体の角部を、強固に補強することができる。
【0012】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記ブラケットは、前記角部から上下方向に延びる縦延伸部、及び前記角部から前記第一方向に延びる横延伸部をそれぞれ備え、複数の前記ブラケットのうち、前記横フレーム材の上側に配置された前記ブラケットの前記縦延伸部の下端部が、前記横フレーム材に支持されているようにしてもよい。
この構成によれば、パネル本体に固定されたブラケットの縦延伸部の下端部が、パネル材の横フレーム材に支持されることで、パネル材が横フレーム材によって下方から支持されることになる。
【0013】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記横フレーム材は、前記第二方向を厚さ方向とし、前記第一方向に延びる板状であるようにしてもよい。
この構成によれば、横フレーム材を板状とすることで、パネル材との接触部分の面積を大きくすることができ、パネル材を強固、かつ安定的に支持することができる。
【0014】
この発明に係る間仕切り装置は、上記したようなパネルユニットを備える。
【0015】
この構成によれば、構造の簡素化、軽量化、及び外観の体裁の自由度を高めることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る間仕切り装置において、一の前記パネルユニットにおける前記縦フレーム材の下端部に、前記一のパネルユニットの下側に配置される他の前記パネルユニットの前記縦フレーム材の上端部、または前記設置面上に設置されるベース脚の上端部が接続可能に構成されているようにしてもよい。
この構成によれば、パネル材において第一方向の中間部に配置された縦フレーム材の下端部に、下側に配置される他のパネルユニットの縦フレーム材の上端部やベース脚を接続することができる。このようにして、第一方向の中間部に位置する縦フレーム材を用いて下側からパネルユニットを支持することができる。したがって、パネルユニットの外観の体裁の自由度を高めることができる。また、下側に配置される他のパネルユニットの縦フレーム材の上端部やベース脚は、第一方向の中間部に位置する縦フレーム材のみに連結すればよく、連結作業に手間が掛からない。
【0017】
本発明の一態様に係る間仕切り装置において、前記一のパネルユニットにおける前記縦フレーム材の上端部に、前記一のパネルユニットの上側に配置される他の前記パネルユニットの前記縦フレーム材の下端部が接続可能に構成されているようにしてもよい。
この構成によれば、パネル材において第一方向の中間部に配置された縦フレーム材の上端部に、上側に配置される他のパネルユニットの縦フレーム材の下端部を接続することができる。したがって、パネルユニットの外観の体裁の自由度を高めることができる。また、上側に配置される他のパネルユニットの縦フレーム材の下端部は、第一方向の中間部に位置する縦フレーム材のみに連結すればよく、連結作業に手間が掛からない。
【0018】
本発明の一態様に係る間仕切り装置において、前記第一方向に複数枚の前記パネルユニットが隣り合って配置され、前記第一方向の一方側の前記パネルユニットの前記横フレーム材の端部と、前記第一方向の他方側の前記パネルユニットの前記横フレーム材の端部とが、連結部材を介して接続されるようにしてもよい。
この構成によれば、第一方向の一方側のパネルユニットの横フレーム材の端部と、第一方向の他方側のパネルユニットの横フレーム材の端部とを、連結部材を介して接続することで、第一方向に並ぶパネルユニットどうしが強固に接続される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、構造の簡素化、軽量化を図るとともに、外観の体裁の自由度を高めることができるパネルユニット、間仕切り装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係るパネルユニットの外観を示す斜視図である。
図2図1のI-I矢視断面図である。
図3】上記パネルユニットの内部構成を示す図であり、一方のパネル材を取り外した状態の斜視図である。
図4】上記パネルユニットの内部構成を、図2とは異なる方向から示す図であり、他方のパネル材を取り外した状態の斜視図である。
図5】上記パネルユニットを、一方のパネル材を取り外した状態で、第二方向から見た図である。
図6】上記パネル材を構成するブラケットを示す斜視図である。
図7図6とは異なるブラケットを示す斜視図である。
図8】上記ブラケットの横フレーム材に対する係止部分の構成を示す断面図である。
図9】上記パネルユニットを上下に連結する構造を示す斜視図である。
図10】上記パネルユニットの下側にベース脚を接続する構造を示す斜視図である。
図11】上記パネルユニットの上部連結部を構成する上部連結部材を示す断面図である。
図12】上記パネルユニットどうしを第一方向に連結する構成を示す図である。
図13】上記パネルユニットどうしの連結に用いる連結部材を第二方向から見た図である。
図14】上記連結部材を第二方向に交差する方向から見た図である。
図15】上記パネルユニットに備えた閉塞部材を示す平面図である。
図16】上記閉塞部材を示す正面図である。
図17】上記パネルユニットを用いて構成した間仕切り装置を示す図である。
図18】上記パネルユニットを用いて構成した間仕切り装置を示す図である。
図19】上記パネルユニットを用いて構成した間仕切り装置を示す図である。
図20】上記パネルユニットを用いて構成した間仕切り装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明によるパネルユニット、間仕切り装置を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0022】
図1は、本実施形態に係るパネルユニット10の外観を示す斜視図である。図2は、図1のI-I矢視断面図である。図3は、上記パネルユニット10の内部構成を示す図であり、一方のパネル材30を取り外した状態の斜視図である。図4は、上記パネルユニット10の内部構成を、図5とは異なる方向から示す図であり、他方のパネル材30を取り外した状態の斜視図である。図5は、上記パネルユニット10を、一方のパネル材30を取り外した状態で、第二方向Dtから見た図である。
<パネルユニット>
図1に示すパネルユニット10は、後に詳述する間仕切り装置1A~1D(図17図20参照)に適用される。図1図5に示すように、パネルユニット10は、支持構造体20と、一対のパネル材30と、を含む。
【0023】
<支持構造体>
図3図5に示すように、支持構造体20は、一対のパネル材30の間に配置されている。支持構造体20は、縦フレーム材21と、横フレーム材22と、を備えている。縦フレーム材21は、上下方向Dvに延びている。本実施形態において、縦フレーム材21は、例えば、鉛直方向に沿う上下方向Dvに延びる円管状をなしている。支持構造体20は、例えば、金属製、樹脂製で、パネル材30のパネル本体31よりも高い剛性を有している。
【0024】
横フレーム材22は、縦フレーム材21に対し、上下方向Dvに交差する第一方向Dwの両側に延びている。換言すると、縦フレーム材21は、横フレーム材22を第一方向Dwの中間部において支持している。本実施形態において、横フレーム材22は、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部に配置されている。横フレーム材22は、上下方向Dvにおける高さ寸法が縦フレーム材21よりも低い(小さい)。図示の例において、横フレーム材22の上下方向Dvの寸法は、縦フレーム材21の全長に対して1/3程度に設定されている。これにより、縦フレーム材21と横フレーム材22とを備えた本実施形態の支持構造体20は、上下方向Dv、および第一方向Dwに交差する第二方向Dt(上下方向Dvから見て第一方向Dwに交差する方向)から見て、十字状に形成されている。すなわち、支持構造体20は、縦フレーム材21および横フレーム材22の交差部分に対し、縦フレーム材21が上下方向Dvの両側に突出し、横フレーム材22が第一方向Dwの両側に突出している。本実施形態において、上下方向Dvの中間部とは、縦フレーム材21のうち、横フレーム材22に対して上下方向Dvの両側に突出した部分を除く部位であって、例えば縦フレーム材21の全長に対し、上下方向Dvの両側に位置する1/4の領域を除く部分であることが好ましい。図示の例において、縦フレーム材21の全長を3等分したうちの中央に位置する1/3程度の領域が上下方向Dvの中間部を構成している。
【0025】
横フレーム材22は、プレート部23と、フランジ部24と、を一体に有している。プレート部23は、第二方向Dtを厚さ方向として、第一方向Dwに沿って延びている。プレート部23の上下方向Dvにおける高さ寸法は、プレート部23の第一方向Dwにおける幅寸法よりも小さい(低い)。フランジ部24は、プレート部23の上下にそれぞれ形成されている。フランジ部24は、それぞれ、プレート部23から第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に立ち上がっている。フランジ部24は、第一方向Dwに延びている。このようにして、横フレーム材22は、第一方向Dwから見て、コ字状に形成されている。
【0026】
図3図4に示すように、横フレーム材22の第一方向Dwの中央部には、上下方向Dvに延びる溝状部22dが形成されている。溝状部22dには、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部が嵌まり込んでいる。縦フレーム材21と横フレーム材22とは、溝状部22dの部分において、ボルト接合、リベット接合、溶接等の適宜の接合手段によって一体に接合されている。
【0027】
<パネル材>
図2図5に示すように、一対のパネル材30は、支持構造体20に対し、第二方向Dtの両側に配置されている。一対のパネル材30は、支持構造体20の両側に、支持構造体20を挟み込むように配置されている。一対のパネル材30は、それぞれ、支持構造体20に支持される。
【0028】
各パネル材30は、板状のパネル本体31と、ブラケット35と、を備えている。パネル本体31は、第二方向Dtから見て矩形状に形成されている。パネル本体31は、例えば、不織布による一体成形や、芯材が織布等の張材により覆われた構成である。以下、パネル本体31(パネル材30)のうち、パネル材30として外部に露出する面を表面といい、パネル材30として外部に露呈しない面を裏面という場合がある。
【0029】
以下の説明では、パネル材30の各構成部材について、各パネル材30間で同一の構成を説明する場合には主に一方のパネル材30を例にして説明する。
パネル本体31は、対向部31fと、パネル外縁部31gと、を一体に備えている。対向部31fは、支持構造体20に第二方向Dtで向かい合うよう形成されている。対向部31fの表面形状は、上下方向Dvに沿う縦断面視で直線状に形成されるとともに、第一方向Dwに沿う横断面視で第一方向Dwの外側端部から中央部に向かうに従い支持構造体20から離間する方向に凸の円弧状に形成されている。但し、対向部31fの表面形状は、縦断面視および横断面視で円弧状に形成されていてもよく、第二方向Dtに直交する平坦面に形成されていてもよい。また、対向部31fの表面形状は、縦断面視および横断面視の何れかで支持構造体20に接近する方向に凸の円弧状に形成されていてもよい。なお、対向部31fの裏面は、第二方向Dtに直交する平坦面に形成されている。
【0030】
パネル外縁部31gは、対向部31fの外周側に形成されている。ここで、パネル材30において、第二方向Dtから見てパネル材30の中心から離間する方向を外周側、パネル材30の中心に接近する方向を内周側とする。パネル外縁部31gは、パネル本体31の四辺に沿って形成されている。パネル外縁部31gは、対向部31fに対し、第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に延びている。パネル外縁部31gは、対向部31fから外周側に向かうに従い第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に向けて湾曲しながら延びている。これにより、一対のパネル材30におけるパネル外縁部31gは、第二方向Dtにおいて互いに接近する向きに突出している。一対のパネル材30におけるパネル外縁部31gは、支持構造体20の周囲(上下方向Dvおよび第一方向Dwの両側)を取り囲んでいる。
【0031】
ブラケット35は、第二方向Dtにおいて、パネル本体31に対して他方のパネル材30に対向する側に配置されている。ブラケット35は、例えば樹脂製である。ブラケット35は、パネル本体31に固定されている。ブラケット35は、パネル材30の外周部に配置されている。本実施形態において、ブラケット35は、パネル本体31の四隅に配置されている。ブラケット35は、縦フレーム材21の第一方向Dwの両側、および横フレーム材22の上下方向Dvの両側にそれぞれ配置されている。横フレーム材22に対して上側のブラケット35は、横フレーム材22上に載置されている。横フレーム材22に対して上側のブラケット35と、下側のブラケット35とにより、横フレーム材22が上下方向Dvから挟み込まれている。
【0032】
各ブラケット35は、パネル本体31の各角部31cにおいて、角部31cを跨るL字状に各別に形成されている。各ブラケット35のうち、角部31cから上下方向Dvに延びる部分が縦延伸部35aを構成し、角部31cから第一方向Dwに延びる部分が横延伸部35bを構成している。
【0033】
図6は、上記パネル材30を構成するブラケット35を示す斜視図である。図7は、図6とは異なるブラケット35を示す斜視図である。
図2図3図6図7に示すように、各ブラケット35は、固定基部35dと、延出壁35wと、ブラケット縁部35gと、を一体に有している。固定基部35dは、ブラケット35の第二方向Dtから見た外観を構成するものであり、縦延伸部35aおよび横延伸部35bに亘ってパネル本体31の裏面に沿ってL字状に延びている。固定基部35dは、パネル本体31の裏面に固定されている。
延出壁35wは、固定基部35dの外周縁から第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に延出している。
【0034】
図2に示すように、ブラケット縁部35gは、延出壁35wにおいて、パネル本体31のパネル外縁部31gと第二方向Dtで対向する位置に形成されている。ブラケット縁部35gは、延出壁35wの先端部35e(第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側の端部)から第二方向Dtに直交して外周側に延びている。一対のパネル材30が有するブラケット35どうしは、延出壁35wの先端部35eおよびブラケット縁部35gどうしが互いに当接した状態で向かい合っている。すなわち、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置(横フレーム材22に対して上下方向Dvの両側)で、一対のパネル材30の外周部どうしが、ブラケット35を介して当接している。
【0035】
パネル本体31のパネル外縁部31gは、ブラケット縁部35gに突き当たっている。これにより、ブラケット35が設けられた部分において、一対のパネル本体31どうしの間には、ブラケット縁部35gが挟み込まれている。本実施形態では、パネル外縁部31gがブラケット縁部35gを第二方向Dtの外側から覆うことで、パネル外縁部31gおよびブラケット縁部35gがパネル材30の最外周面上で面一に配置されている。但し、パネル外縁部31gのみがパネル材30の最外周面を構成し、ブラケット縁部35gがパネル外縁部31gに対して内周側に位置していてもよい。
【0036】
図3図4に示すように、各ブラケット35には、結合部36、または被結合部37が形成されている。例えば、パネル材30を構成するパネル本体31の四隅のうち、一の対角方向に向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aには、結合部36が形成されている。パネル材30を構成するパネル本体31の四隅のうち、他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bには、被結合部37が形成されている。
【0037】
ここで、支持構造体20を挟んで対向する一対のパネル材30として設けられた、第一パネル材30A(図3参照)と第二パネル材30B(図4参照)には、同一構成のものが用いられる。すなわち、第一パネル材30A、第二パネル材30Bは、それぞれ、一の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aと、他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bをそれぞれ備えている。第一パネル材30Aと第二パネル材30Bは、第二方向Dtにおける向きを互いに異ならせて配置されている。これにより、第一パネル材30Aの一の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aと、第二パネル材30Bの他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bとが、第二方向Dtで向かい合う。また、第一パネル材30Aにおいて他の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Bと、第二パネル材30Bにおいて一の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Aとが向かい合う。このように、ブラケット35A,35Bは、一対の第一パネル材30A、第二パネル材30Bにおいて対応する角部31cどうしの間で対になって設けられている。
【0038】
図6に示すように、本実施形態において、結合部36は、ブラケット35Aにおいて、固定基部35dのうち縦延伸部35aと横延伸部35bとの境界部分に設けられている。結合部36は、円筒状の凸部36tを備えている。凸部36tは、固定基部35dから第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に突出している。凸部36tは、弾性変形可能な弾性爪36kを備えている。
【0039】
図7に示すように、本実施形態において、被結合部37は、ブラケット35Bにおいて、固定基部35dのうち縦延伸部35aと横延伸部35bとの境界部分に設けられている。被結合部37は、固定基部35dから第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に突出する円筒状に形成されている。被結合部37は、凸部36tが挿入可能な凹部37sを備えている。凹部37sには、凹部37sに凸部36tが所定寸法挿入された状態で、弾性爪36kが係合する孔37hが形成されている。弾性爪36kが孔37hに係合することで、凸部36tと凹部37sとがロックされる。
【0040】
図2に示すように、一対のパネル材30(第一パネル材30A、第二パネル材30B)は、各角部31cにおいて、いずれか一方のパネル材30のブラケット35Aと、いずれか他方のパネル材30のブラケット35Bとが対向する。いずれか一方のパネル材30のブラケット35Aの結合部36(凸部36t)が、いずれか他方のパネル材30のブラケット35Bの被結合部37(凹部37s)に嵌まり込む。これにより、各角部31cにおいて、一方のパネル材30のブラケット35Aと、他方のパネル材30のブラケット35Bとが結合されている。このようにして、一対のパネル材30どうしが、四隅のブラケット35を介して結合されている。
【0041】
一対のパネル材30のうち第一パネル材30Aのブラケット35と、第二パネル材30Bのブラケット35とが、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置で連結されている。これにより、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置で、一対のパネル材30の外周部に設けられたブラケット35どうしが当接している。この状態において、一対のパネル材30が有するパネル本体31のパネル外縁部31gどうしは、ブラケット縁部35gの厚さ分、第二方向Dtに離間している。
【0042】
各ブラケット35は、横フレーム材22に係止されている。具体的に、図3図4に示すように、横フレーム材22には、係止孔22hと、係止溝22mとが形成されている。係止孔22hは、プレート部23の所定位置に形成されている。係止孔22hは、プレート部23を貫通して形成されている。係止溝22mは、プレート部23の上下のフランジ部24にそれぞれ形成されている。係止溝22mは、フランジ部24の先端縁上で開放されている。
【0043】
図8は、上記ブラケット35の横フレーム材22に対する係止部分の構成を示す断面図である。
図6図8に示すように、各ブラケット35の縦延伸部35aには、横フレーム材22に係止される係止部材38が形成されている。横フレーム材22に対して上側に配置されるブラケット35は、縦延伸部35aの下端に係止部材38を備えている。横フレーム材22に対して下側に配置されるブラケット35は、縦延伸部35aの上端に係止部材38を備えている。係止部材38は、第一方向Dwから見てL字状に形成されている。具体的に、係止部材38は、縦延伸部35aから上下方向Dvに突出して延びる係止基部38aと、係止基部38aから第二方向Dtで他方のパネル材30側に突出する係止爪38bと、を一体に有している。
【0044】
図8に示すように、第一パネル材30Aに備えられ、横フレーム材22に対して上側に配置されたブラケット35Pにおいては、係止爪38bが係止孔22hに挿入されている。これにより、ブラケット35P、およびブラケット35Pが固定されたパネル本体31(第一パネル材30A)は、上下方向Dv、および第一方向Dwへの移動が拘束されている。
【0045】
第二パネル材30Bに備えられ、横フレーム材22に対して上側に配置されたブラケット35Qにおいては、係止基部38aが係止溝22mに挿入されている。これにより、ブラケット35Q、およびブラケット35Qが固定されたパネル本体31(パネル材30B)は、第一方向Dwへの移動が規制されている。なお、このブラケット35Qは、結合部36と被結合部37との結合により、第二方向Dtで対向するブラケット35Pに対し、上下方向Dvへの移動が拘束されている。
このようにして、横フレーム材22の上側に配置されたブラケット35P、35Qの下端部が、係止部材38を介して横フレーム材22に支持されている。
【0046】
第一パネル材30Aに備えられ、横フレーム材22に対して下側に配置されたブラケット35Rにおいては、係止爪38bが係止孔22hに挿入されている。これにより、ブラケット35R、およびブラケット35Rが固定されたパネル本体31(第一パネル材30A)は、上下方向Dv、および第一方向Dwへの移動が拘束されている。
【0047】
第二パネル材30Bに備えられ、横フレーム材22に対して下側に配置されたブラケット35Sにおいては、係止基部38aが係止溝22mに挿入されている。これにより、ブラケット35S、およびブラケット35Sが固定されたパネル本体31(第二パネル材30B)は、第一方向Dwへの移動が規制されている。なお、このブラケット35Sは、結合部36と被結合部37との結合により、第二方向Dtで対向するブラケット35Pに対し、上下方向Dvへの移動が拘束されている。
このようにして、横フレーム材22の下側に配置されたブラケット35R、35Sの下端部が、係止部材38を介して横フレーム材22に支持されている。
【0048】
<パネルユニットの上下連結構造>
図9は、上記パネルユニット10を上下に連結する構造を示す斜視図である。図10は、上記パネルユニット10の下側にベース脚70(図17参照)を接続する構造を示す斜視図である。図11は、上記パネルユニット10の上部連結部26を構成する上部連結部材28を示す断面図である。
図9に示すように、パネルユニット10は、上下に他のパネルユニット10を接続可能に構成されている。また、図10に示すように、パネルユニット10は、下側にベース脚70を接続可能に構成されている。具体的に、支持構造体20は、下部連結部25と、上部連結部26と、を備えている。
【0049】
図9図11に示すように、上部連結部26は、支持構造体20の上端部に設けられている。上部連結部26は、縦フレーム材21の上端部21tに設けられている。上部連結部26は、一のパネルユニット10における縦フレーム材21の上端部21tに、一のパネルユニット10の上側に配置される他のパネルユニット10の下部連結部25が接続可能に構成されている。上部連結部26は、上部連結部材28と、拘束部材29と、を備えている。
【0050】
図11に示すように、上部連結部材28は、第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとを備えている。第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bは、それぞれ上下方向Dvに延びる略半円筒状に形成されている。第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bは、それぞれ、縦フレーム材21の外周面に沿うよう配置される。第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとは、縦フレーム材21を挟んで第一方向Dwで対向するよう配置されている。第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとにより、上部連結部材28は、全体として上下方向Dvに延びる略筒状に構成されている。
【0051】
図9図10に示すように、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)の外周面には、第二方向Dtの両側に突出する一対のツバ部27が形成されている。各ツバ部27は、上下方向Dvに延びている。ツバ部27は、上下方向Dvの間隔をあけて形成された、上部ツバ部27Aと下部ツバ部27Bとを備えている。
【0052】
図3図4に示すように、上部連結部材28を装着するため、縦フレーム材21には、貫通孔21hが形成されている。貫通孔21hは、上下方向Dvに適宜間隔をあけて複数形成されている。
【0053】
図11に示すように、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)の下端部には、それぞれ、縦フレーム材21の貫通孔21hに係止可能な下端係止爪28tが形成されている。第一半筒部材28Aの上端部には、下端係止爪28tを貫通孔21hに係止させた状態で、他の貫通孔21hに連通するネジ挿通孔28hが形成されている。第二半筒部材28Bの上端部には、下端係止爪28tを貫通孔21hに係止させた状態で、他の貫通孔21hに挿入されるボス28bが形成されている。ボス28bには、雌ネジ孔28nが形成されている。
【0054】
拘束部材29は、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)を、縦フレーム材21に固定する。拘束部材29は、例えばユリアネジである。拘束部材29は、第一半筒部材28Aのネジ挿通孔28h、縦フレーム材21の貫通孔21hを通して、第二半筒部材28Bのボス28bに形成された雌ネジ孔28nに締結される。上部連結部材28は、下端係止爪28t、および拘束部材29を係止又は挿通させる貫通孔21hを適宜選択することで、縦フレーム材21に対する上部連結部材28の上下方向Dvの位置が変更可能に構成されている。
【0055】
図3図4に示すように、各パネルユニット10において、一対のパネル材30どうしの間には、下部開口部30Lと、上部開口部30Kと、が形成されている。
下部開口部30Lは、一対のパネル材30において、下端縁30b(パネル外縁部31gの下辺)どうしの間であって、第一方向Dwで向かい合う下側のブラケット35(横延伸部35b)どうしの間に形成されている。下部開口部30Lは、円形開口部30Lcと、スリット状開口部Lsと、を有している。円形開口部30Lcは、第一方向Dwの中央部に形成されて上下方向Dvから見て円形に形成されている。円形開口部30Lcは下部連結部25が下方に臨む位置に形成されている。スリット状開口部30Lsは、円形開口部30Lcから第一方向Dwの両側に延びている。
上部開口部30Kは、一対のパネル材30において、上端縁30t(パネル外縁部31gの上辺)どうしの間であって、第一方向Dwで向かい合う上側のブラケット35(横延伸部35b)どうしの間に形成されている。上部開口部30Kは、円形開口部30Kcと、スリット状開口部Ksと、を有している。円形開口部30Kcは、第一方向Dwの中央部に形成されて上下方向Dvから見て円形に形成されている。円形開口部30Kcは、上部連結部26が上方に臨む位置に形成されている。スリット状開口部30Ksは、円形開口部30Lcから第一方向Dwの両側に延びている。
【0056】
図9図11に示すように、上部連結部材28は、収納位置P1と、突出位置P2との間で、縦フレーム材21に対する上下方向Dvの位置が変更可能に構成されている。
図9に示すように、収納位置P1において、上部連結部材28は、パネル材30の上端縁30t及び下端縁30bの間に位置し、一対のパネル材30の間に収納されている。収納位置P1において、上部連結部材28は、パネル材30の上端縁30tよりも下側、かつ横フレーム材22よりも上側に配置されている。
【0057】
図10図11に示すように、突出位置P2において、上部連結部材28は、上部開口部30Kの円形開口部30Kcを通してパネル材30の上端縁30tよりも上方に突出する。突出位置P2において、第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの下端係止爪28tが、縦フレーム材21の上端部に位置する貫通孔21hに係止されている。突出位置P2において、上部連結部材28の下部ツバ部27Bは、一対のパネル材30の上端縁30tよりも下側に配置される。突出位置P2において、上部開口部30Kの円形開口部30Kcから上方に突出した上部連結部材28の上部は、上側の他のパネルユニット10の下部開口部30Lの円形開口部30Lcに下方から挿入される。突出位置P2において、上部連結部材28の上部ツバ部27Aは、一対のパネル材30の下端縁30bよりも上側に配置される。したがって、突出位置P2において、上部連結部材28のうち、下部が下側のパネルユニット10を構成する一対のパネル材30によって挟み込まれ、上部が上側のパネルユニット10を構成する一対のパネル材30によって挟み込まれている。この状態において、下側のパネルユニット10の上端縁30tに位置するパネル外縁部31gと、上側のパネルユニット10の下端縁30bに位置するパネル外縁部31gとは、上部ツバ部27Aと下部ツバ部27Bとの間に入り込んでいる。
【0058】
下部連結部25は、縦フレーム材21の下端部21bに設けられている。下部連結部25は、当該パネルユニット10に対して下側に配置される他のパネルユニット10の上部連結部26(図9参照)、または設置面F上に設置されるベース脚70の上端部72t(図10参照)に挿入可能に構成されている。下部連結部25には、縦フレーム材21において、横フレーム材22よりも下側に、上下方向Dvに間隔をあけて複数の貫通孔21hが形成されている。
【0059】
図9図11に示すように、一のパネルユニット10(図9図11における下側のパネルユニット10)の上側に、他のパネルユニット10(図9図11における上側のパネルユニット)を接続する場合、上部連結部材28の第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの下端係止爪28tを、下側のパネルユニット10の縦フレーム材21において、上端部21tの貫通孔21hに係止させる。これにより、上部連結部材28が、上部開口部30Kを通してパネル材30の上端縁30tよりも上方に突出した突出位置P2に配置される。この状態で、上側に位置するパネルユニット10の下部連結部25(縦フレーム材21の下端部21b)を、突出位置P2に配置した上部連結部材28の第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの間に挿入する。さらに、上部連結部材28と、上側に位置する他のパネルユニット10の下部連結部25とに、拘束部材29としてのユリアネジを締結する。これにより、一のパネルユニット10の上側に、他のパネルユニット10が接続される。このとき、上側のパネルユニット10から見ると、上側のパネルユニット10の下部連結部25に、当該パネルユニット10に対して下側に配置される他のパネルユニット10の上部連結部26が接続されている。
【0060】
また、図10に示すように、パネルユニット10の下側に、設置面F上に設置されるベース脚70を接続する場合、パネルユニット10の下部連結部25を、ベース脚70の上端部72tに設けられたベース脚用連結部材74に挿入する。ベース脚70は、設置面Fに沿って配置されるベースプレート71と、ベースプレート71から上方に延びるベース支柱72と、を有している。ベース支柱72には、ベース脚用連結部材74が設けられている。ベース支柱72には、貫通孔(図示無し)が形成されている。ベース脚用連結部材74には、ユリアネジ等の締結部材75が挿通されるネジ挿通孔、および雌ネジ孔(図示無し)が形成されている。ベース脚用連結部材74は、上下方向Dvに延びる筒状で、その内側に、パネルユニット10の下部連結部25が挿入される。
【0061】
パネルユニット10の下部連結部25、ベース脚用連結部材74、およびベース支柱72は、ベース脚用連結部材74のネジ挿通孔、下部連結部25の貫通孔21h、ベース支柱72の貫通孔を通し、ベース脚用連結部材74の雌ネジ孔に締結部材75を締結させることで連結される。
【0062】
<パネルユニットの第一方向における連結>
図12は、上記パネルユニット10どうしを第一方向Dwに連結する構成を示す図である。図13は、上記パネルユニット10どうしの連結に用いる連結部材40を第二方向Dt(板厚方向)から見た図である。図14は、上記連結部材40を第二方向Dtに交差する方向から見た図である。
図11に示すように、上記したようなパネルユニット10は、第一方向Dwに隣り合って他のパネルユニット10を接続可能に構成されている。パネルユニット10は、第一方向Dwに隣り合う他のパネルユニット10に対し、連結部材40を介して接続される。換言すると、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10において、第一方向Dwの一方側の第一のパネルユニット10Pの横フレーム材22の端部と、第一方向Dwの他方側の第二のパネルユニット10Qの横フレーム材22の端部とが、連結部材40を介して連結される。
【0063】
図13図14に示すように、連結部材40は、板状の本体部41を備えている。本体部41は、その板厚方向(連結部材40を横フレーム材22のプレート部23に沿わせた状態における第二方向Dt)からみて、略円形状に形成されている。連結部材40により、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結する場合、連結部材40は、本体部41の第二方向Dtの一方側を向く部材表面40fを、第一のパネルユニット10Pのプレート部23の平面部23f(図12参照)と、第二のパネルユニット10Qのプレート部23の平面部23fとに当接させる。平面部23fは、第一のパネルユニット10Pのプレート部23、第二のパネルユニット10Qのプレート部23のそれぞれにおいて、第二方向Dtでフランジ部24が突出する方向を向き、第二方向Dtに交差する面である。
【0064】
連結部材40は、後に詳述するように、本体部41の中心部に位置する回転中心40cを中心とした周方向Dcに回動させることによって、第一のパネルユニット10P、および第二のパネルユニット10Qに対する係合、離脱がなされる。
【0065】
連結部材40は、第一係止部45と、第二係止部46と、外周延出部47と、保持突起48と、を備えている。第一係止部45、および第二係止部46は、本体部41の部材表面41f側に形成されている。第一係止部45は、例えば、回転中心40cを中心とした同心円上に、周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。本実施形態において、第一係止部45は、周方向Dcに等間隔をあけて四組形成されている。
【0066】
各第一係止部45は、係止片45sを有している。係止片45sは、本体部41から、周方向Dcの一方側に向かうとともに、第二方向Dtに延出している。本実施形態において、係止片45sは、部材表面41fから立ち上がる起立部45aと、起立部45aの先端から部材表面41fに沿って周方向Dcの第一側Dc1(図12、13において時計回り方向)に延びる第一アーム部45bと、第一アーム部45bの先端部から第二方向Dtで部材表面41fから離間する方向に傾斜して延びる傾斜部45cと、を一体に有している。第一アーム部45bと本体部41の部材表面41fとは、第二方向Dtにおいて、プレート部23の板厚とほぼ同等の間隔を隔てている。第一アーム部45bは、起立部45aを中心として第二方向Dtに弾性変形可能に形成されている。
【0067】
第二係止部46は、複数の第一係止部45に対し、回転中心40cを中心とした径方向の内側に形成されている。第二係止部46は、周方向Dcに間隔をあけて、例えば二組形成されている。各第二係止部46は、本体部41の中央部から径方向外側に向かって片持ちで延びる第二アーム部46aと、第二アーム部46aの先端部に形成された突起46bと、を一体に有している。第二アーム部46aは、本体部41と同一面内に形成されている。第二アーム部46aは、基端部を起点に第二方向Dtに弾性変形可能に形成されている。
【0068】
図13に示すように、外周延出部47は、本体部41の外周部に形成されている。外周延出部47は、周方向Dcに間隔をあけて、例えば四組形成されている。各外周延出部47は、本体部41の外周縁部41sから、第二方向Dtから見て外周縁部41sの接線方向に延出している。
図14に示すように、保持突起48は、本体部41において部材表面41fと反対側に形成されている。保持突起48は、本体部41の例えば中央部に、周方向Dcに間隔をあけて二個一対で形成されている。作業者は、保持突起48を把持することで、連結部材40の保持、連結部材40の回転中心40c周りの回動操作等を容易に行うことができる。
【0069】
図5に示すように、各パネルユニット10の支持構造体20には、連結部材40が係止可能な連結部材係止部50A、50Bが形成されている。連結部材係止部50A、50Bは、プレート部23の第一方向Dwの両端部に形成されている。図12に示すように、連結部材40は、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10において、第一のパネルユニット10Pの連結部材係止部50Aと、第一方向Dwの他方側の第二のパネルユニット10Qの連結部材係止部50Bと、の双方に跨がるように配置される。
【0070】
図5に示すように、連結部材係止部50Aは、二つの第一被係止部51A、51Bと、二つの第二被係止部52A、52Bと、を備えている。二つの第一被係止部51A、51Bには、連結部材40の四組の第一係止部45のうち、周方向Dcで隣り合う2組の第一係止部45が係止される。二つの第一被係止部51A、51Bは、それぞれ、プレート部23を第二方向Dt(板厚方向)に貫通するとともに、回転中心40cと第一係止部45との間の寸法と同等の寸法を曲率半径として円弧状に延びる長孔である。一の第一被係止部51Aは、横フレーム材22の側端縁で開口している。二つの第二被係止部52A、52Bは、第一被係止部51A、51Bの内側に形成されている。第二被係止部52A、52Bは、プレート部23を第二方向Dtに貫通している。
【0071】
連結部材係止部50Bは、二つの第一被係止部51C、51Dと、二つの第二被係止部52C、52Dと、を備えている。二つの第一被係止部51C、51Dには、連結部材40の四組の第一係止部45のうち、残る2組の第一係止部45(第一被係止部51A、51Bに係止される第一係止部45以外の第一係止部45)が係止される。二つの第一被係止部51C、51Dは、プレート部23を第二方向Dt(板厚方向)に貫通するとともに、回転中心40cと第一係止部45との間の寸法と同等の寸法を曲率半径として円弧状に延びる長孔である。一つの第一被係止部51Cは、横フレーム材22の側端縁で開口している。二つの第二被係止部52C、52Dは、第一被係止部51C、51Dの内側に形成されている。第二被係止部52C、52Dは、プレート部23を板厚方向に貫通している。
【0072】
図12に示すように、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pの第一被係止部51A、51Bと、第二のパネルユニット10Qの第一被係止部51C、51Dとに、四組の第一係止部45をそれぞれ係止させる。これには、連結部材40の四組の第一係止部45を、第一被係止部51A~51Dの内側に第二方向Dtに沿って挿入し、連結部材40の部材表面41fを平面部23fに当接させた状態とする。このとき、第二係止部46は、突起46bがプレート部23の平面部23f突き当たることで、第二方向Dtに押し込まれる。
【0073】
この状態で、連結部材40を周方向Dcの第一側Dc1に連結部材40をプレート部23に対して回動させると、各第一係止部45の第一アーム部45bと部材表面41fとの間に、プレート部23のうち第一被係止部51A~51Dに対して周方向Dcの第一側Dc1に位置する部分が挿入される。連結部材40をさらに回動させ、各第一係止部45の起立部45aが、第一被係止部51A~51Dの周方向Dcの第一側Dc1の端部51eに突き当たることで、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止される。これにより、プレート部23に対する連結部材40の周方向Dcの第一側Dc1への回動が規制される。このとき、外周延出部47のうちの二つの外周延出部47の外側面47sが、横フレーム材22のフランジ部24に突き当たる。これによっても、プレート部23に対する連結部材40の周方向Dcの第一側Dc1への回動が規制される。
【0074】
連結部材40を周方向Dcに回動させているとき、第二係止部46の突起46bは、部材表面41f上を接する。各第一係止部45の起立部45aが、第一被係止部51A~51Dの周方向Dcの第一側Dc1の端部51eに突き当たった時点で、各第二係止部46の突起46bが第二被係止部52A、52Cに第二方向Dtで向かい合う。これにより、第二係止部46が復元変形することで、突起46bが第二被係止部52A、52Cに嵌まり込む。このようにして、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された状態で、各第二係止部46が各第二被係止部52に係止されることで、連結部材40の周方向Dcの回動が拘束される。
【0075】
このようにして、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのそれぞれに対し、一対のパネル材30の間で支持構造体20のプレート部23に接続される。
また、各第二係止部46と各第二被係止部52との係止を解除した状態で、プレート部23に対して連結部材40を周方向Dcの第二側Dc2(図12図13において反時計回り方向)に回動させれば、各第一係止部45と第一被係止部51A~51Dとの係合状態、及び各第二係止部46と第二被係止部52A、52Cとの係合状態が解除される。
【0076】
図15は、上記パネルユニット10に備えた閉塞部材80を示す平面図である。図16は、上記閉塞部材80を示す正面図である。
図15に示すように、パネルユニット10は、上部開口部30Kを閉塞可能な閉塞部材80を備えている。図15図16に示すように、閉塞部材80は、閉塞部81と、ボス部82と、を一体に有している。閉塞部81は、上部開口部30Kの円形開口部30Kcを塞ぐ第一閉塞部81aと、第一閉塞部81aから第一方向Dwの両側に延び、上部開口部30Kのスリット状開口部30Ksを塞ぐ第二閉塞部81bと、を一体に有している。ボス部82は、閉塞部材80を上部開口部30Kに装着するとき、上部開口部30Kに挿入される。
【0077】
図5に示すように、上記の連結部材40、および閉塞部材80は、不使用時に、パネルユニット10内に収容可能とされている。連結部材40、および閉塞部材80は、不使用時に、支持構造体20に装着される。このため、図3に示すように、支持構造体20は、パネル材30で覆われた部分(第二方向Dtから見てパネル材30と重なり合う部分)に、連結部材保持部91と、閉塞部材保持部92と、を備えている。連結部材保持部91、閉塞部材保持部92は、横フレーム材22のプレート部23に形成されている。連結部材保持部91、閉塞部材保持部92は、縦フレーム材21を挟んで第一方向Dwの両側にそれぞれ形成されている。
【0078】
連結部材保持部91は、連結部材40の第一係止部45が係止可能な第一保持孔91aと、第二係止部46が係止可能な第二保持孔91bと、を有している。連結部材保持部91は、第一係止部45、および第二係止部46を、連結部材係止部50A、50Bに対する装着時と同様、連結部材40を周方向Dcの第一側Dc1(図13参照)に回動させることで、第一保持孔91a、第二保持孔91bに連結部材40を係止させることができる。また、連結部材保持部91は、周方向Dcの第二側Dc2(図13参照)に回動させることで、連結部材40の第一係止部45、および第二係止部46の、第一保持孔91a、第二保持孔91bへの係止を解除することができる。
【0079】
閉塞部材保持部92は、連結部材保持部91の中央部に形成されている。閉塞部材保持部92は、閉塞部材80のボス部82を嵌め込むことで、不使用時の閉塞部材80が着脱可能に装着される。
【0080】
<間仕切り装置>
上記したようなパネルユニット10を1枚、または複数枚用いることで、様々な形態の間仕切り装置を構成することができる。
図17は、上記パネルユニット10を用いて構成した間仕切り装置1Aを示す図である。
図17に示すように、間仕切り装置1Aは、例えば、複数枚のパネルユニット10を、上下方向Dvに積み重ねて構成することができる。間仕切り装置1Aは、上方を向く設置面F上に設置され、設置面Fの上方に形成される室内空間を第二方向Dtで仕切るために用いられる。間仕切り装置1Aは、設置面F上に設置されるベース脚70上に、例えば3枚のパネルユニット10を、上下方向Dvに連結して備えている。互いに上下に位置するパネルユニット10どうしは、上記したような下部連結部25、上部連結部26により連結されている。
ここで、上下に積み重ねるパネルユニット10の枚数は、3枚に限らず、適宜増減可能である。
【0081】
図18は、上記パネルユニット10を用いて構成した間仕切り装置1Bを示す図である。
図18に示すように、間仕切り装置1Bは、例えば、床面を設置面Fとし、上下方向Dvに複数枚のパネルユニット10を積み重ねて構成した第一パネルモジュールM1と、デスク100の天面を設置面Fとし、ベース脚70上に1枚のパネルユニット10を備えた第二パネルモジュールM2と、を備えている。第二パネルモジュールM2のパネルユニット10と同じ高さに配置された第一パネルモジュールM1のパネルユニット10とは、前述の連結部材40によって連結されている。
【0082】
図19は、上記パネルユニット10を用いて構成した間仕切り装置1Cを示す図である。
図19に示すように、間仕切り装置1Cは、複数枚のパネルユニット10を、上下方向Dvに積み重ねるとともに、第一方向Dwに複数列に連結して構成されている。本実施形態では、第一方向Dwに3列、上下に3段の、計9枚のパネルユニット10が連結されている。
【0083】
ここで、第一方向Dwの一方側の列に配置されたパネルユニット10Sと、第一方向Dwの他方側の列に配置されたパネルユニット10Tは、それぞれ、上記したような下部連結部25、上部連結部26を介して上下方向Dvで隣り合うパネルユニット10の縦フレーム材21どうしが連結されている。
【0084】
第一方向Dwの中央の列に配置された各段の各パネルユニット10Mは、第一方向Dwの両側のパネルユニット10S、10Tに、以下のようにして連結されている。
第一方向Dwの中央の列に配置された上下方向Dvの各段のパネルユニット10Mの横フレーム材22Mは、上下方向Dvで同じ段に位置する第一方向Dwの一方側の列のパネルユニット10Sの横フレーム材22と、第一方向Dwの他方側の列のパネルユニット10Tの横フレーム材22とに、上記連結部材40によって接続されている。すなわち、各パネルユニット10Mは、パネルユニット10Sとパネルユニット10Tとの間で第一方向Dwに架け渡されている。そのため、上下方向Dvで隣り合うパネルユニット10Mどうしは、連結されていない。
【0085】
つまり、一対のパネルユニット10S、10Tの間に配置されたパネルユニット10Mにおいては、支持構造体20Mの横フレーム材22Mが、パネルユニット10における上下方向Dvの中間部に配置されて第一方向Dwに延びている。横フレーム材22Mの第一方向Dwの両端部は、一対のパネルユニット10S、10Tの横フレーム材22に、それぞれ連結部材40を介して接続されている。本実施形態において、上下方向Dvの中間部とは、上述した縦フレーム材21と横フレーム材22との関係と同様に、パネル材30のうち、横フレーム材22Mに対して上下方向Dvの両側に突出した部分を除く部位であって、例えばパネル材30の全長に対し、上下方向Dvの両側に位置する1/4の領域を除く部分であることが好ましく、図示の例ではパネル材30の全長を3等分したうちの中央に位置する1/3程度の領域であることがより好ましい。
【0086】
各パネルユニット10において、横フレーム材22Mに対し、第二方向Dtの両側に配置されたパネル材30Mが、支持構造体20Mを挟み込んでいる。すなわち、パネル材30Mは、支持構造体20Mを第二方向Dtの両側から被覆している。
このようにして、パネルユニット10Mは、一対のパネルユニット10S、10Tの間に設けられている。なお、第一方向Dwの中央の列において、最下段に配置されたパネルユニット10Mの下方には、設置面Fに設置される補助脚79を備えるようにしてもよい。
【0087】
図20は、上記パネルユニット10を用いて構成した間仕切り装置1Dを示す図である。
図20に示すように、間仕切り装置1Dは、図19に示した間仕切り装置1Cに対し、第一方向Dwに3列に並ぶパネルユニット10のうち、第一方向Dwの中央の列において、上下方向Dvの2段目に開口部Vを設けている。
このような間仕切り装置1Dは、開口部Vを形成すべき部分の上側と下側においては、横フレーム材22Mを第一方向Dwの両側のパネルユニット10S、10Tの横フレーム材22に連結した後、第二方向Dtの両側でそれぞれパネル材30Mを取り付けることで構成される。また、例えば、図19に示した間仕切り装置1Dから、第一方向Dwの中央の列の2段目のパネルユニット10Mのパネル材30Mを取り外した後、連結部材40、横フレーム材22Mを順次取り外すことでも、図20に示した間仕切り装置1Dを実現することができる。
【0088】
上記したような間仕切り装置1A~1Dを組み立てるには、各パネルユニット10において、パネル材30を取り外した状態で、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10どうしの連結部材40を用いた連結、上下のパネルユニット10どうしの下部連結部25、上部連結部26を用いた連結を行う。その後、一対のパネル材30どうしは、ブラケット35の結合によって行う。
このとき、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10どうしの連結は、連結部材40を回動することで実行される。また、上下のパネルユニット10どうしの下部連結部25、上部連結部26を用いた連結は、縦フレーム材21への上部連結部26の係止、ユリアネジを用いた拘束部材29の締め込み作業によって行われる。さらに、一対のパネル材30どうしは、ブラケット35どうしの結合により行われる。したがって、各パネルユニット10の組立、及びパネルユニット10どうしの連結作業を、工具レスの手作業で容易に行うことができる。
【0089】
また、パネルユニット10の取り外しや、パネルユニット10の組み合わせを変更する場合等は、上述した組立方法と逆の操作を行う。すなわち、まず取り外し対象となるパネルユニット10(対象パネルユニット10)、および対象パネルユニット10に連結されているパネルユニット10(連結パネルユニット10)について、ブラケット35を介した一対のパネル材30どうしの連結を解除し、支持構造体20を露呈させる。次に、対象パネルユニット10と連結パネルユニット10の支持構造体20間において、連結部材40による連結、または上部連結部26(下部連結部25)による連結を解除する。これにより、連結パネルユニット10の支持構造体20から対象パネルユニット10の支持構造体20を取り外すことができる。
【0090】
このように、本実施形態のパネルユニット10、間仕切り装置1A~1Dでは、一対のパネル材30を支持する支持構造体20が、上下方向Dvに延びる縦フレーム材21と、縦フレーム材21から第一方向Dwの両側に延びる横フレーム材22と、を備える構成とした。
このような構成によれば、縦フレーム材21は、パネルユニット10において、第一方向Dwの中間部に位置することになる。これにより、パネル材30の外周部分に縦フレーム材21が配置されず、構造の簡素化、軽量化、及び外観の体裁の自由度を高めることができる。したがって、また、縦フレーム材21から第一方向Dwの両側に向けて横フレーム材22が延びていることにより、パネル材30の外周部分に支持構造体20が露出し難い構成ながらも、パネル材30の支持強度を確保することができる。
また、パネルユニット10を設置面F上に設置する場合、縦フレーム材21の下端部21bに、設置面F上に設置されるベース脚70の上端部72tを連結する。パネルユニット10を他のパネルユニット10上に積み重ねて設置する場合、このパネルユニット10の縦フレーム材21の下端部21bに、このパネルユニット10に対して下側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21を接続する。このようにして、第一方向Dwの中間部に位置する縦フレーム材21を用いて下側からパネルユニット10を支持することができる。したがって、パネルユニット10の外観の体裁の自由度を高めることができる。
【0091】
本実施形態では、支持構造体20を挟み込む一対のパネル材30が、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置で、一対のパネル材30の外周部どうしが当接する構成とした。
このような構成によれば、これにより、一対のパネル材30の外周部どうしの間から、支持構造体20が外方に露呈するのを抑えることができる。したがって、パネルユニット10の外観の体裁を向上させることができる。
【0092】
本実施形態では、一対のパネル材30のパネル外縁部31gが、互いに接近する向きに突出し、支持構造体20の周囲を取り囲むことで、一対のパネル材30のパネル外縁部31gどうしが当接する構成とした。
このような構成によれば、一対のパネル材30の外周部どうしの間から、支持構造体20が外方に露呈するのを抑えることができる。また、一対のパネル材30どうしの一体感が高まり、この点においてもパネルユニット10の外観の体裁が向上する。
【0093】
本実施形態では、一方側の第一パネル材30Aのブラケット35と他方側の第二パネル材30Bのブラケット35とが連結されることによって、一対のパネル材30の外周部どうしが当接した状態で、支持構造体20を挟み込む構成とした。
このような構成によれば、ブラケット35がパネル材30の外周部に配置されているので、ブラケット35によって、一対のパネル材30の間に挟み込まれた支持構造体20が外方に露呈するのを抑えることができる。さらに、ブラケット35がパネル本体31に固定されることで、パネル本体31を補強することができる。
【0094】
本実施形態では、横フレーム材22が、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部に配置される構成とした。
このような構成によれば、支持構造体20は、第二方向Dtから見て十字状に形成される。ブラケット35を、十字状の支持構造体20と干渉しにくい位置に配置することができる。このようなブラケット35により、パネル本体31を効率良く補強できる。
【0095】
本実施形態では、ブラケット35は、パネル本体31の各角部31cにおいて、角部31cを跨るL字状に各別に形成されている構成とした。
このような構成によれば、ブラケット35をパネル本体31の角部31cを、強固に補強することができる。
【0096】
本実施形態では、横フレーム材22の上側に配置されたブラケット35の縦延伸部35aの下端部が、横フレーム材22に支持されている構成とした。
このような構成によれば、パネル材30が横フレーム材22によって下方から確実に支持される。
【0097】
本実施形態では、横フレーム材22は、第二方向Dtを厚さ方向とし、第一方向Dwに延びる板状である構成とした。
このような構成によれば、パネル材30との接触部分の面積を大きくすることができ、パネル材30を強固、かつ安定的に支持することができる。
【0098】
本実施形態では、一のパネルユニット10における縦フレーム材21の下端部に、一のパネルユニット10の下側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の上端部21t、または設置面F上に設置されるベース脚70の上端部72tが接続可能に構成されている構成とした。
このような構成によれば、パネル材30において第一方向Dwの中間部に配置された縦フレーム材21の下端部21bに、下側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の上端部21tやベース脚70を接続することができる。このようにして、第一方向Dwの中間部に位置する縦フレーム材21を用いて下側からパネルユニット10を支持することができる。したがって、パネルユニット10の外観の体裁の自由度を高めることができる。また、下側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の上端部21tやベース脚70は、第一方向Dwの中間部に位置する縦フレーム材21のみに連結すればよく、連結作業に手間が掛からない。
【0099】
本実施形態では、一のパネルユニット10における縦フレーム材21の上端部21tに、一のパネルユニット10の上側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の下端部21bが接続可能に構成されている構成とした。
このような構成によれば、パネル材30の縦フレーム材21の上端部21tに、上側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の下端部21bを接続することができる。したがって、パネルユニット10の外観の体裁の自由度を高めることができる。また、上側に配置される他のパネルユニット10の縦フレーム材21の下端部21bは、第一方向Dwの中間部に位置する縦フレーム材21のみに連結すればよく、連結作業に手間が掛からない。
【0100】
本実施形態では、第一方向Dwの一方側のパネルユニット10の横フレーム材22の端部と、第一方向Dwの他方側のパネルユニット10の横フレーム材22の端部とが、連結部材40を介して接続される構成とした。
このような構成によれば、第一方向Dwに並ぶパネルユニット10どうしが強固に接続される。
【0101】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、一対のパネル材30は、横フレーム材22に対して上側のブラケット35が、横フレーム材22上に載置され、係止爪38bが係止孔22hに係止されることによって、支持構造体20に支持される構成としたが、これに限られない。一対のパネル材30は、位置ずれが生じない程度に支持されていればよく、例えば、一対のパネル材30で支持構造体20を挟み込むことで生じる摩擦力によって、一対のパネル材30を支持構造体20で支持するようにしてもよい。
【0102】
上述した実施形態では、縦フレーム材21は、例えば、上下方向Dvに延びる円管状をなしている。縦フレーム材21は、円管状に限らず、角管状、その他各種の断面形状を有したチャンネル材等によって形成してもよい。
【0103】
上述した実施形態では、横フレーム材22は、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部に配置されているようにしたが、これに限られない。例えば、横フレーム材22は、縦フレーム材21の上下方向Dvの上端部に配置し、支持構造体20を第二方向Dtから見てT字状に形成してもよい。さらに、横フレーム材22は、縦フレーム材21に対し、上下方向Dvに間隔をあけて複数本設けるようにしてもよい。横フレーム材22を上下方向Dvに間隔をあけて複数本設ける場合、縦フレーム材21に対して第一方向Dwの両側に、上下方向Dvに延びて複数本の横フレーム材22どうしを連結する補助フレーム材(図示無し)を備えてもよい。この場合、補助フレーム材は、縦フレーム材21よりも上下方向Dvの長さが小さく、一対のパネル材30よりも上下方向Dvに突出しないようにするのが好ましい。
【0104】
上述した実施形態では、下部連結部25、上部連結部26の構成について説明したが、上下に位置するパネルユニット10の支持構造体20どうしの連結、パネルユニット10の支持構造体20とベース脚70との連結を行うことができるのであれば、その構成は適宜変更可能である。また、上下に複数段に積み重ねて配置されるパネルユニット10において、縦フレーム材21を、上下方向Dvに延びて複数段のパネルユニット10にわたる長尺のものとしてもよい。この場合、各パネルユニット10に対応する複数の横フレーム材22を、縦フレーム材21に対して上下方向Dvに間隔をあけて設けるようにしてもよい。
【0105】
上述した実施形態では、パネル材30は、パネル本体31とブラケット35とを備えるようにしたが、パネル本体31とブラケット35とを、例えば樹脂系材料等によって一体成形してもよい。
【0106】
上述した実施形態では、パネル材30どうしが互いに連結される構成について説明したが、この構成に限られない。パネル材30どうしは、支持構造体20に各別に支持される構成であってもよい。
【0107】
上述した実施形態では、縦フレーム材21が筒状に形成され、横フレーム材22が板状に形成された場合について説明したが、この構成に限られない。縦フレーム材21および横フレーム材22の双方が筒状または板状に形成されていてもよい。
上述した実施形態では、上部連結部26として、半割状の上部連結部材28を介して上下方向Dvで隣り合うパネルユニット10の縦フレーム材21どうしを接続する構成について説明したが、この構成に限られない。上下方向Dvで隣り合うパネルユニット10の縦フレーム材21どうしは、筒状の上部連結部材28を介して連結してもよく、縦フレーム材21どうしをねじ込みや圧入等して連結してもよい。
【0108】
上述した実施形態では、ブラケット35が設けられた部分において、一対のパネル本体31のパネル外縁部31gどうしの間に、ブラケット縁部35gが挟み込まれている構成としたが、これに限られない。例えばブラケット縁部35gを省略した構成として、一対のパネル材30の外周部において、パネル外縁部31gどうしが近接する構成としてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1A~1C 間仕切り装置
10、10M、10S、10T パネルユニット
20 支持構造体
21 縦フレーム材21
21b 下端部
21t 上端部
22 横フレーム材
30 パネル材
30A 第一パネル材(パネル材)
30B 第二パネル材(パネル材)
31 パネル本体
31f 対向部
31g パネル外縁部
35、35A、35B、35P、35Q、35R、35S ブラケット
35a 縦延伸部
35b 横延伸部
40 連結部材
Dt 第二方向
Dv 上下方向
Dw 第一方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図17
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