(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046160
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】パネルシステム、間仕切り装置
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20230327BHJP
E04C 2/30 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
E04B2/74 501D
E04C2/30 Y
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154905
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】川本 真也
(72)【発明者】
【氏名】野嵜 治
【テーマコード(参考)】
2E162
【Fターム(参考)】
2E162CD04
2E162CD15
(57)【要約】
【課題】組立を容易に行うことができる。
【解決手段】間仕切り装置は、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結する連結部材40と、を備え、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qは、それぞれ、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの厚さ方向に交差する平面部23fを有し、連結部材40は、平面部23fに当接する部材表面41fを有した本体部41を有し、本体部41、および平面部23fのいずれか一方に、第一被係止部51A~51Dが形成され、連結部材40、および平面部23fのいずれか他方に、部材表面41fに交差する方向に延びる回転中心周りの第一側Dc1に連結部材40を回動させることで、第一被係止部51A~51Dに係止可能な第一係止部45が形成されている。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の第一のパネルと、
前記第一のパネルに対して第一方向に並んで設けられる板状の第二のパネルと、
前記第一のパネルと前記第二のパネルとを連結する連結部材と、を備え、
前記第一のパネルおよび前記第二のパネルは、それぞれ、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの厚さ方向に交差する平面部を有し、
前記連結部材は、前記平面部に当接する部材表面を有した本体部を有し、
前記本体部、および前記平面部のいずれか一方に、第一被係止部が形成され、
前記連結部材、および前記平面部のいずれか他方に、前記部材表面に交差する方向に延びる回転中心周りの一方側に前記連結部材を回動させることで、前記第一被係止部に係止可能な第一係止部が形成されている
パネルシステム。
【請求項2】
前記連結部材は、
前記回転中心周りの一方側に前記連結部材を回動させることで、前記第一係止部が前記第一被係止部に係止される係止状態と、
前記係止状態から前記回転中心周りの他方側に前記連結部材を回動させることで前記第一係止部が前記第一被係止部から離脱する離脱状態と、の間で移行可能に構成されている
請求項1に記載のパネルシステム。
【請求項3】
前記第一被係止部は、前記回転中心周りの周方向に延びて形成され、
前記第一係止部を前記第一被係止部に挿入した状態で前記回転中心周りに定められた角度回転させた場合に、前記第一係止部が前記第一被係止部の前記回転中心周りの一方側の端部に突き当たることで前記第一係止部が前記第一被係止部に係止される
請求項1または2に記載のパネルシステム。
【請求項4】
前記第一被係止部は、前記平面部に形成された孔であり、
前記第一係止部は、
前記本体部から前記回転中心周りの方向に向かうとともに、前記本体部の板厚方向に延出する係止片を備える
請求項1から3のいずれか一項に記載のパネルシステム。
【請求項5】
前記本体部、および前記平面部のいずれか一方に、第二被係止部が形成され、
前記連結部材、および前記平面部のいずれか他方に、前記連結部材を前記部材表面に交差する方向に延びる回転中心周りに回動させ、前記第一係止部が前記第一被係止部に係止された状態で、前記第二被係止部に係止されることで、前記連結部材の前記回転中心周りの回動を拘束する第二係止部が形成されている
請求項1から4のいずれか一項に記載のパネルシステム。
【請求項6】
前記第一のパネル、および前記第二のパネルは、それぞれ、
一対のパネル材と、
前記一対のパネル材の間に挟み込まれ、前記平面部を備えた支持構造体と、を備え、
前記連結部材は、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルのそれぞれに対し、前記一対のパネル材の間で前記支持構造体の前記平面部に接続されている
請求項1から5のいずれか一項に記載のパネルシステム。
【請求項7】
前記連結部材は、
第一取付板部と、
前記第一取付板部と離間して配置された第二取付板部と、
前記第一取付板部と前記第二取付板部との間で延びる回動軸周りに、前記第一取付板部と前記第二取付板部とを相対的に回動可能に連結する連結部と、を備え、
前記連結部材は、
前記連結部が、前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に配置されるとともに、前記第一取付板部が前記第一のパネルに支持される一方、前記第二取付板部が前記第二のパネルに支持される第一形態と、
前記回動軸の軸方向が前記第一方向に沿って配置された状態で、前記連結部が前記第一方向に沿って前記第一のパネルと第二のパネルとに跨がって配置されるとともに、前記第一取付板部および前記第二取付板部の双方が、前記第一のパネルと前記第二のパネルとに跨がって支持される第二形態と、
で前記第一のパネルおよび前記第二のパネルに対する前記連結部材の取付状態が変更可能である
請求項1から6のいずれか一項に記載のパネルシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずか一項に記載のパネルシステムを備える
間仕切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルシステム、間仕切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、商業施設等の空間においては、施設内に形成された空間を、間仕切り装置で区画することが広く行われている。例えば、特許文献1には、複数枚のパネルと、複数枚のパネルを互いに連結する連結部材と、を備える間仕切り装置(パーティション)の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたような構成は、連結部材は、各パネルに対してネジによって固定されている。このため、間仕切り装置の組立に際して、連結部材によってパネルどうしを連結するには、工具を用いてネジを締結しなければならず、手間がかかる。
本発明は、組立を容易に行うことができるパネルシステム、間仕切り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るパネルユニットは、板状の第一のパネルと、前記第一のパネルに対して第一方向に並んで設けられる板状の第二のパネルと、前記第一のパネルと前記第二のパネルとを連結する連結部材と、を備え、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルは、それぞれ、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルの厚さ方向に交差する平面部を有し、前記連結部材は、前記平面部に当接する部材表面を有した本体部を有し、前記本体部、および前記平面部のいずれか一方に、第一被係止部が形成され、前記連結部材、および前記平面部のいずれか他方に、前記部材表面に交差する方向に延びる回転中心周りの一方側に前記連結部材を回動させることで、前記第一被係止部に係止可能な第一係止部が形成されている。
【0006】
このように、連結部材の部材表面を第一のパネルおよび第二のパネルの平面部に当接させた状態で、連結部材を回転中心回りの一方側に回転させると、第一被係止部に第一係止部が係止される。このようにして連結部材が第一のパネルおよび第二のパネルに接続され、第一のパネルと第二のパネルとが連結部材によって連結される。したがって、第一のパネルと第二のパネルとを連結部材によって連結するに際し、工具を用いてネジを締結する必要がない。その結果、パネルユニットの組立を容易に行うことが可能となる。
【0007】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記連結部材は、前記回転中心周りの一方側に前記連結部材を回動させることで、前記第一係止部が前記第一被係止部に係止される係止状態と、前記係止状態から前記回転中心周りの他方側に前記連結部材を回動させることで前記第一係止部が前記第一被係止部から離脱する離脱状態と、の間で移行可能に構成されているようにしてもよい。
この構成によれば、連結部材を回転中心回りの一方側に回動させると、第一係止部が第一被係止部に係止されて係止状態となる。これにより、連結部材を第一のパネルおよび第二のパネルの平面部に接続することができる。また、連結部材を回転中心回りの他方側に回転させると、係止状態で第一被係止部に係止されていた第一係止部が、第一被係止部から離脱する。これにより、連結部材を係止状態から離脱状態に移行させ、第一のパネルおよび第二のパネルから連結部材を取り外すことができる。
このように、連結部材の回動方向を切り換えるのみで、連結部材の第一のパネルおよび第二のパネルに対する接続と、連結部材の第一のパネルおよび第二のパネルからの取り外しを容易に行うことができる。
【0008】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記第一被係止部は、前記回転中心周りの周方向に延びて形成され、前記第一係止部を前記第一被係止部に挿入した状態で前記回転中心周りに定められた角度回転させた場合に、前記第一係止部が前記第一被係止部の前記回転中心周りの第一側の端部に突き当たることで前記第一係止部が前記第一被係止部に係止されるようにしてもよい。
この構成によれば、連結部材を回転中心回りの一方側に定められた角度回動させると、第一係止部が前記第一被係止部の前記回転中心周りの第一側の端部に突き当たることによって、第一係止部が前記第一被係止部に係止されて係止状態に移行したことを、作業者が容易かつ確実に認識することができる。
【0009】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記第一被係止部は、前記平面部に形成された孔であり、前記第一係止部は、前記本体部から前記回転中心周りの方向に向かうとともに、前記本体部の板厚方向に延出する係止片を備えるようにしてもよい。
この構成によれば、第一係止部の係止片を、第一被係止部としての孔に板厚方向から挿入した後、連結部材を回転中心回りの一方側に回動させると、係止片と本体部との間に平面部が入り込み、第一係止部が第一被係止部に係止される。このように、簡易な構成の係止片により、連結部材を第一のパネルおよび第二のパネルに連結することが可能となる。
【0010】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記本体部、および前記平面部のいずれか一方に、第二被係止部が形成され、前記連結部材、および前記平面部のいずれか他方に、前記連結部材を前記部材表面に交差する方向に延びる回転中心周りに回動させ、前記第一係止部が前記第一被係止部に係止された状態で、前記第二被係止部に係止されることで、前記連結部材の前記回転中心周りの回動を拘束する第二係止部が形成されているようにしてもよい。
この構成によれば、連結部材を回転中心回りに回転させ、第一係止部が前記第一被係止部に係止された状態で、前記第二被係止部に第二係止部が係止されると、連結部材の前記回転中心周りの回動が拘束される。これによって、第一係止部が第一被係止部に係止された状態に拘束され、連結部材が第一のパネルおよび第二のパネルから不用意に外れてしまうことを抑えることができる。
【0011】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記第一のパネル、および前記第二のパネルは、それぞれ、一対のパネル材と、前記一対のパネル材の間に挟み込まれ、前記平面部を備えた支持構造体と、を備え、前記連結部材は、前記第一のパネルおよび前記第二のパネルのそれぞれに対し、前記一対のパネル材の間で前記支持構造体の前記平面部に接続されているようにしてもよい。
この構成によれば、第一のパネルおよび第二のパネルのそれぞれの平面部に対し、連結部材が、一対のパネル材の間で支持構造体に接続されることで、連結部材の第一のパネルおよび第二のパネルのそれぞれに対する取付部分が外部に露呈することが抑えられる。また、連結部材を、支持構造体に接続することで、第一のパネルと第二のパネルとが強固に接続される。
【0012】
本発明の一態様に係るパネルユニットにおいて、前記連結部材は、第一取付板部と、前記第一取付板部と離間して配置された第二取付板部と、前記第一取付板部と前記第二取付板部との間で延びる回動軸周りに、前記第一取付板部と前記第二取付板部とを相対的に回動可能に連結する連結部と、を備え、前記連結部材は、前記連結部が、前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に配置されるとともに、前記第一取付板部が前記第一のパネルに支持される一方、前記第二取付板部が前記第二のパネルに支持される第一形態と、前記回動軸の軸方向が前記第一方向に沿って配置された状態で、前記連結部が前記第一方向に沿って前記第一のパネルと第二のパネルとに跨がって配置されるとともに、前記第一取付板部および前記第二取付板部の双方が、前記第一のパネルと前記第二のパネルとに跨がって支持される第二形態と、で前記第一のパネルおよび前記第二のパネルに対する前記連結部材の取付状態が変更可能であるようにしてもよい。
この構成によれば、連結部を第一のパネルと第二のパネルとの間に配置し、一方の第一取付板部を第一のパネルに支持させ、他方の第一取付板部を第二のパネルに支持させることで、連結部材の第一形態が実現される。第一形態では、第一のパネルと第二のパネルとが、第一取付板部と第二取付板部とともに、連結部の回動軸を中心として相対的に回動可能となる。これにより、第一のパネルと第二のパネルとがなす角度を任意に調整することができる。
また、第二形態では、第一取付板部および第二取付板部が、それぞれ第一のパネルと第二のパネルとに跨がるように配置され、第一のパネル、第二のパネルのそれぞれに支持される。これによって、第一のパネルと第二のパネルとが、第一取付板部および第二取付板部の少なくとも一方に沿った状態で固定される。第一のパネルと第二のパネルとが、直線状に配列された状態に拘束される。
したがって、第一形態と第二形態とで異なる連結部材を用いる必要が無く、同一の連結部材の向きを変えるのみで、第一形態と第二形態の双方を実現することができる。その結果、パネルどうしがなす角度を容易に変更することができ、かつパネルどうしを直線状に配列する場合には、パネルどうしを直線状の配列したままの状態を確実に維持することが可能となる。
【0013】
この発明に係る間仕切り装置は、上記したようなパネルシステムを備える。
【0014】
このように、第一のパネル、および第二のパネルを、それぞれ、上方を向く設置面上に設置し、第一のパネルと第二のパネルとを設置面に沿った方向に並べて配置することによって、設置面の上方に形成される室内空間を仕切ることができる。このような間仕切り装置において、連結部材の部材表面を第一のパネルおよび第二のパネルの平面部に当接させた状態で、連結部材を回転中心回りの一方側に回転させることで、連結部材が第一のパネルおよび第二のパネルに接続され、第一のパネルと第二のパネルとが連結部材によって連結される。したがって、第一のパネルと第二のパネルとを連結部材によって連結するに際し、工具を用いてネジを締結する必要がない。その結果、パネルユニットの組立を容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、組立を容易に行うことができるパネルシステム、間仕切り装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係るパネルユニットの外観を示す斜視図である。
【
図3】上記パネルユニットの内部構成を示す図であり、一方のパネル材を取り外した状態の斜視図である。
【
図4】上記パネルユニットの内部構成を、
図2とは異なる方向から示す図であり、他方のパネル材を取り外した状態の斜視図である。
【
図5】上記パネルユニットを、一方のパネル材を取り外した状態で、第二方向から見た図である。
【
図6】上記パネル材を構成するブラケットを示す斜視図である。
【
図7】
図6とは異なるブラケットを示す斜視図である。
【
図8】上記ブラケットの横フレーム材に対する係止部分の構成を示す断面図である。
【
図9】上記パネルユニットを上下に連結する構造を示す斜視図である。
【
図10】上記パネルユニットの下側にベース脚を接続する構造を示す斜視図である。
【
図11】上記パネルユニットの上部連結部を構成する上部連結部材を示す断面図である。
【
図12】上記パネルユニットどうしを第一方向に連結する構成を示す図である。
【
図13】上記パネルユニットどうしの連結に用いる連結部材の部材表面側の斜視図である。
【
図14】上記連結部材の部材表面とは反対側の斜視図である。
【
図15】上記連結部材を第二方向から見た図である。
【
図16】上記連結部材を第二方向に交差する方向から見た図である。
【
図17】上記連結部材の第一係止部が第一被係止部に係止された係止状態を示す図である。
【
図18】上記連結部材の第一係止部と第一被係止部との係合状態が解除された離脱状態を示す図である。
【
図19】上記連結部材を第一形態で第一のパネル、第二のパネルに取り付けた状態を示す図である。
【
図20】上記連結部材を第一形態で取り付けた第一のパネル、第二のパネルを、連結部の回動軸を中心として相対的に回動させた状態を、上下方向から見た平面図である。
【
図21】上記連結部材を第二形態で取り付けた第一のパネル、第二のパネルを上下方向から見て直列状に配置した状態を示す平面図である。
【
図22】上記パネルユニットに備えた閉塞部材を示す平面図である。
【
図24】上記パネルユニットを用いて構成した間仕切り装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明によるパネルシステム、間仕切り装置を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
図1は、本実施形態に係るパネルユニット10の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1のI-I矢視断面図である。
図3は、上記パネルユニット10の内部構成を示す図であり、一方のパネル材30を取り外した状態の斜視図である。
図4は、上記パネルユニット10の内部構成を、
図5とは異なる方向から示す図であり、他方のパネル材30を取り外した状態の斜視図である。
図5は、上記パネルユニット10を、一方のパネル材30を取り外した状態で、第二方向Dtから見た図である。
<パネルユニット>
図1に示すパネルユニット10は、後に詳述する間仕切り装置1(
図24参照)に適用される。
図1~
図5に示すように、パネルユニット10は、支持構造体20と、一対のパネル材30と、を含む。
【0019】
<支持構造体>
図3~
図5に示すように、支持構造体20は、一対のパネル材30の間に配置されている。支持構造体20は、縦フレーム材21と、横フレーム材22と、を備えている。縦フレーム材21は、上下方向Dvに延びている。本実施形態において、縦フレーム材21は、例えば、鉛直方向に沿う上下方向Dvに延びる円管状をなしている。支持構造体20は、例えば、金属製、樹脂製で、パネル材30のパネル本体31よりも高い剛性を有している。
【0020】
横フレーム材22は、縦フレーム材21に対し、上下方向Dvに交差する第一方向Dwの両側に延びている。換言すると、縦フレーム材21は、横フレーム材22を第一方向Dwの中間部において支持している。本実施形態において、横フレーム材22は、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部に配置されている。横フレーム材22は、上下方向Dvにおける高さ寸法が縦フレーム材21よりも低い(小さい)。図示の例において、横フレーム材22の上下方向Dvの寸法は、縦フレーム材21の全長に対して1/3程度に設定されている。これにより、縦フレーム材21と横フレーム材22とを備えた本実施形態の支持構造体20は、上下方向Dv、および第一方向Dwに交差する第二方向Dt(上下方向Dvから見て第一方向Dwに交差する方向)から見て、十字状に形成されている。すなわち、支持構造体20は、縦フレーム材21および横フレーム材22の交差部分に対し、縦フレーム材21が上下方向Dvの両側に突出し、横フレーム材22が第一方向Dwの両側に突出している。本実施形態において、上下方向Dvの中間部とは、縦フレーム材21のうち、横フレーム材22に対して上下方向Dvの両側に突出した部分を除く部位であって、例えば縦フレーム材21の全長に対し、上下方向Dvの両側に位置する1/4の領域を除く部分であることが好ましい。図示の例において、縦フレーム材21の全長を3等分したうちの中央に位置する1/3程度の領域が上下方向Dvの中間部を構成している。
【0021】
横フレーム材22は、プレート部23と、フランジ部24と、を一体に有している。プレート部23は、第二方向Dtを厚さ方向として、第一方向Dwに沿って延びている。プレート部23の上下方向Dvにおける高さ寸法は、プレート部23の第一方向Dwにおける幅寸法よりも小さい(低い)。フランジ部24は、プレート部23の上下にそれぞれ形成されている。フランジ部24は、それぞれ、プレート部23から第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に立ち上がっている。フランジ部24は、第一方向Dwに延びている。このようにして、横フレーム材22は、第一方向Dwから見て、コ字状に形成されている。
【0022】
図3、
図4に示すように、横フレーム材22の第一方向Dwの中央部には、上下方向Dvに延びる溝状部22dが形成されている。溝状部22dには、縦フレーム材21の上下方向Dvの中間部が嵌まり込んでいる。縦フレーム材21と横フレーム材22とは、溝状部22dの部分において、ボルト接合、リベット接合、溶接等の適宜の接合手段によって一体に接合されている。
【0023】
<パネル材>
図2~
図5に示すように、一対のパネル材30は、支持構造体20に対し、第二方向Dtの両側に配置されている。一対のパネル材30は、支持構造体20の両側に、支持構造体20を挟み込むように配置されている。一対のパネル材30は、それぞれ、支持構造体20に支持される。
【0024】
各パネル材30は、板状のパネル本体31と、ブラケット35と、を備えている。パネル本体31は、第二方向Dtから見て矩形状に形成されている。パネル本体31は、例えば、不織布による一体成形や、芯材が織布等の張材により覆われた構成である。以下、パネル本体31(パネル材30)のうち、パネル材30として外部に露出する面を表面といい、パネル材30として外部に露呈しない面を裏面という場合がある。
【0025】
以下の説明では、パネル材30の各構成部材について、各パネル材30間で同一の構成を説明する場合には主に一方のパネル材30を例にして説明する。
パネル本体31は、対向部31fと、パネル外縁部31gと、を一体に備えている。対向部31fは、支持構造体20に第二方向Dtで向かい合うよう形成されている。対向部31fの表面形状は、上下方向Dvに沿う縦断面視で直線状に形成されるとともに、第一方向Dwに沿う横断面視で第一方向Dwの外側端部から中央部に向かうに従い支持構造体20から離間する方向に凸の円弧状に形成されている。但し、対向部31fの表面形状は、縦断面視および横断面視で円弧状に形成されていてもよく、第二方向Dtに直交する平坦面に形成されていてもよい。また、対向部31fの表面形状は、縦断面視および横断面視の何れかで支持構造体20に接近する方向に凸の円弧状に形成されていてもよい。なお、対向部31fの裏面は、第二方向Dtに直交する平坦面に形成されている。
【0026】
パネル外縁部31gは、対向部31fの外周側に形成されている。ここで、パネル材30において、第二方向Dtから見てパネル材30の中心から離間する方向を外周側、パネル材30の中心に接近する方向を内周側とする。パネル外縁部31gは、パネル本体31の四辺に沿って形成されている。パネル外縁部31gは、対向部31fに対し、第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に延びている。パネル外縁部31gは、対向部31fから外周側に向かうに従い第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に向けて湾曲しながら延びている。これにより、一対のパネル材30におけるパネル外縁部31gは、第二方向Dtにおいて互いに接近する向きに突出している。一対のパネル材30におけるパネル外縁部31gは、支持構造体20の周囲(上下方向Dvおよび第一方向Dwの両側)を取り囲んでいる。
【0027】
ブラケット35は、第二方向Dtにおいて、パネル本体31に対して他方のパネル材30に対向する側に配置されている。ブラケット35は、例えば樹脂製である。ブラケット35は、パネル本体31に固定されている。ブラケット35は、パネル材30の外周部に配置されている。本実施形態において、ブラケット35は、パネル本体31の四隅に配置されている。ブラケット35は、縦フレーム材21の第一方向Dwの両側、および横フレーム材22の上下方向Dvの両側にそれぞれ配置されている。横フレーム材22に対して上側のブラケット35は、横フレーム材22上に載置されている。横フレーム材22に対して上側のブラケット35と、下側のブラケット35とにより、横フレーム材22が上下方向Dvから挟み込まれている。
【0028】
各ブラケット35は、パネル本体31の各角部31cにおいて、角部31cを跨るL字状に各別に形成されている。各ブラケット35のうち、角部31cから上下方向Dvに延びる部分が縦延伸部35aを構成し、角部31cから第一方向Dwに延びる部分が横延伸部35bを構成している。
【0029】
図6は、上記パネル材30を構成するブラケット35を示す斜視図である。
図7は、
図6とは異なるブラケット35を示す斜視図である。
図2、
図3、
図6、
図7に示すように、各ブラケット35は、固定基部35dと、延出壁35wと、ブラケット縁部35gと、を一体に有している。固定基部35dは、ブラケット35の第二方向Dtから見た外観を構成するものであり、縦延伸部35aおよび横延伸部35bに亘ってパネル本体31の裏面に沿ってL字状に延びている。固定基部35dは、パネル本体31の裏面に固定されている。
延出壁35wは、固定基部35dの外周縁から第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に延出している。
【0030】
図2に示すように、ブラケット縁部35gは、延出壁35wにおいて、パネル本体31のパネル外縁部31gと第二方向Dtで対向する位置に形成されている。ブラケット縁部35gは、延出壁35wの先端部35e(第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側の端部)から第二方向Dtに直交して外周側に延びている。一対のパネル材30が有するブラケット35どうしは、延出壁35wの先端部35eおよびブラケット縁部35gどうしが互いに当接した状態で向かい合っている。すなわち、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置(横フレーム材22に対して上下方向Dvの両側)で、一対のパネル材30の外周部どうしが、ブラケット35を介して当接している。
【0031】
パネル本体31のパネル外縁部31gは、ブラケット縁部35gに突き当たっている。これにより、ブラケット35が設けられた部分において、一対のパネル本体31どうしの間には、ブラケット縁部35gが挟み込まれている。本実施形態では、パネル外縁部31gがブラケット縁部35gを第二方向Dtの外側から覆うことで、パネル外縁部31gおよびブラケット縁部35gがパネル材30の最外周面上で面一に配置されている。但し、パネル外縁部31gのみがパネル材30の最外周面を構成し、ブラケット縁部35gがパネル外縁部31gに対して内周側に位置していてもよい。
【0032】
図3、
図4に示すように、各ブラケット35には、結合部36、または被結合部37が形成されている。例えば、パネル材30を構成するパネル本体31の四隅のうち、一の対角方向に向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aには、結合部36が形成されている。パネル材30を構成するパネル本体31の四隅のうち、他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bには、被結合部37が形成されている。
【0033】
ここで、支持構造体20を挟んで対向する一対のパネル材30として設けられた、第一パネル材30A(
図3参照)と第二パネル材30B(
図4参照)には、同一構成のものが用いられる。すなわち、第一パネル材30A、第二パネル材30Bは、それぞれ、一の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aと、他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bをそれぞれ備えている。第一パネル材30Aと第二パネル材30Bは、第二方向Dtにおける向きを互いに異ならせて配置されている。これにより、第一パネル材30Aの一の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Aと、第二パネル材30Bの他の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Bとが、第二方向Dtで向かい合う。また、第一パネル材30Aにおいて他の対角方向で向かい合う2つの角部31cに配置されたブラケット35Bと、第二パネル材30Bにおいて一の対角方向で向かい合う残り2つの角部31cに配置されたブラケット35Aとが向かい合う。このように、ブラケット35A,35Bは、一対の第一パネル材30A、第二パネル材30Bにおいて対応する角部31cどうしの間で対になって設けられている。
【0034】
図6に示すように、本実施形態において、結合部36は、ブラケット35Aにおいて、固定基部35dのうち縦延伸部35aと横延伸部35bとの境界部分に設けられている。結合部36は、円筒状の凸部36tを備えている。凸部36tは、固定基部35dから第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に突出している。凸部36tは、弾性変形可能な弾性爪36kを備えている。
【0035】
図7に示すように、本実施形態において、被結合部37は、ブラケット35Bにおいて、固定基部35dのうち縦延伸部35aと横延伸部35bとの境界部分に設けられている。被結合部37は、固定基部35dから第二方向Dtにおいて他方のパネル材30側に突出する円筒状に形成されている。被結合部37は、凸部36tが挿入可能な凹部37sを備えている。凹部37sには、凹部37sに凸部36tが所定寸法挿入された状態で、弾性爪36kが係合する孔37hが形成されている。弾性爪36kが孔37hに係合することで、凸部36tと凹部37sとがロックされる。
【0036】
図2に示すように、一対のパネル材30(第一パネル材30A、第二パネル材30B)は、各角部31cにおいて、いずれか一方のパネル材30のブラケット35Aと、いずれか他方のパネル材30のブラケット35Bとが対向する。いずれか一方のパネル材30のブラケット35Aの結合部36(凸部36t)が、いずれか他方のパネル材30のブラケット35Bの被結合部37(凹部37s)に嵌まり込む。これにより、各角部31cにおいて、一方のパネル材30のブラケット35Aと、他方のパネル材30のブラケット35Bとが結合されている。このようにして、一対のパネル材30どうしが、四隅のブラケット35を介して結合されている。
【0037】
一対のパネル材30のうち第一パネル材30Aのブラケット35と、第二パネル材30Bのブラケット35とが、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置で連結されている。これにより、第二方向Dtから見て支持構造体20と重ならない位置で、一対のパネル材30の外周部に設けられたブラケット35どうしが当接している。この状態において、一対のパネル材30が有するパネル本体31のパネル外縁部31gどうしは、ブラケット縁部35gの厚さ分、第二方向Dtに離間している。
【0038】
各ブラケット35は、横フレーム材22に係止されている。具体的に、
図3、
図4に示すように、横フレーム材22には、ブラケット係止孔22hと、係止溝22mとが形成されている。ブラケット係止孔22hは、プレート部23の所定位置に形成されている。ブラケット係止孔22hは、プレート部23を貫通して形成されている。係止溝22mは、プレート部23の上下のフランジ部24にそれぞれ形成されている。係止溝22mは、フランジ部24の先端縁上で開放されている。
【0039】
図8は、上記ブラケット35の横フレーム材22に対する係止部分の構成を示す断面図である。
図6~
図8に示すように、各ブラケット35の縦延伸部35aには、横フレーム材22に係止される係止部材38が形成されている。横フレーム材22に対して上側に配置されるブラケット35は、縦延伸部35aの下端に係止部材38を備えている。横フレーム材22に対して下側に配置されるブラケット35は、縦延伸部35aの上端に係止部材38を備えている。係止部材38は、第一方向Dwから見てL字状に形成されている。具体的に、係止部材38は、縦延伸部35aから上下方向Dvに突出して延びる係止基部38aと、係止基部38aから第二方向Dtで他方のパネル材30側に突出する係止爪38bと、を一体に有している。
【0040】
図8に示すように、第一パネル材30Aに備えられ、横フレーム材22に対して上側に配置されたブラケット35Pにおいては、係止爪38bがブラケット係止孔22hに挿入されている。これにより、ブラケット35P、およびブラケット35Pが固定されたパネル本体31(第一パネル材30A)は、上下方向Dv、および第一方向Dwへの移動が拘束されている。
【0041】
第二パネル材30Bに備えられ、横フレーム材22に対して上側に配置されたブラケット35Qにおいては、係止基部38aが係止溝22mに挿入されている。これにより、ブラケット35Q、およびブラケット35Qが固定されたパネル本体31(パネル材30B)は、第一方向Dwへの移動が規制されている。なお、このブラケット35Qは、結合部36と被結合部37との結合により、第二方向Dtで対向するブラケット35Pに対し、上下方向Dvへの移動が拘束されている。
このようにして、横フレーム材22の上側に配置されたブラケット35P、35Qの下端部が、係止部材38を介して横フレーム材22に支持されている。
【0042】
第一パネル材30Aに備えられ、横フレーム材22に対して下側に配置されたブラケット35Rにおいては、係止爪38bがブラケット係止孔22hに挿入されている。これにより、ブラケット35R、およびブラケット35Rが固定されたパネル本体31(第一パネル材30A)は、上下方向Dv、および第一方向Dwへの移動が拘束されている。
【0043】
第二パネル材30Bに備えられ、横フレーム材22に対して下側に配置されたブラケット35Sにおいては、係止基部38aが係止溝22mに挿入されている。これにより、ブラケット35S、およびブラケット35Sが固定されたパネル本体31(第二パネル材30B)は、第一方向Dwへの移動が規制されている。なお、このブラケット35Sは、結合部36と被結合部37との結合により、第二方向Dtで対向するブラケット35Pに対し、上下方向Dvへの移動が拘束されている。
このようにして、横フレーム材22の下側に配置されたブラケット35R、35Sの下端部が、係止部材38を介して横フレーム材22に支持されている。
【0044】
<パネルユニットの上下連結構造>
図9は、上記パネルユニット10を上下に連結する構造を示す斜視図である。
図10は、上記パネルユニット10の下側にベース脚70を接続する構造を示す斜視図である。
図11は、上記パネルユニット10の上部連結部26を構成する上部連結部材28を示す断面図である。
図9に示すように、パネルユニット10は、上下に他のパネルユニット10を接続可能に構成されている。また、
図10に示すように、パネルユニット10は、下側にベース脚70を接続可能に構成されている。具体的に、支持構造体20は、下部連結部25と、上部連結部26と、を備えている。
【0045】
図9~
図11に示すように、上部連結部26は、支持構造体20の上端部に設けられている。上部連結部26は、縦フレーム材21の上端部21tに設けられている。上部連結部26は、一のパネルユニット10における縦フレーム材21の上端部21tに、一のパネルユニット10の上側に配置される他のパネルユニット10の下部連結部25が接続可能に構成されている。上部連結部26は、上部連結部材28と、拘束部材29と、を備えている。
【0046】
図11に示すように、上部連結部材28は、第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとを備えている。第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bは、それぞれ上下方向Dvに延びる略半円筒状に形成されている。第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bは、それぞれ、縦フレーム材21の外周面に沿うよう配置される。第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとは、縦フレーム材21を挟んで第一方向Dwで対向するよう配置されている。第一半筒部材28Aと、第二半筒部材28Bとにより、上部連結部材28は、全体として上下方向Dvに延びる略筒状に構成されている。
【0047】
図9、
図10に示すように、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)の外周面には、第二方向Dtの両側に突出する一対のツバ部27が形成されている。各ツバ部27は、上下方向Dvに延びている。ツバ部27は、上下方向Dvの間隔をあけて形成された、上部ツバ部27Aと下部ツバ部27Bとを備えている。
【0048】
図3,
図4に示すように、上部連結部材28を装着するため、縦フレーム材21には、貫通孔21hが形成されている。貫通孔21hは、上下方向Dvに適宜間隔をあけて複数形成されている。
【0049】
図11に示すように、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)の下端部には、それぞれ、縦フレーム材21の貫通孔21hに係止可能な下端係止爪28tが形成されている。第一半筒部材28Aの上端部には、下端係止爪28tを貫通孔21hに係止させた状態で、他の貫通孔21hに連通するネジ挿通孔28hが形成されている。第二半筒部材28Bの上端部には、下端係止爪28tを貫通孔21hに係止させた状態で、他の貫通孔21hに挿入されるボス28bが形成されている。ボス28bには、雌ネジ孔28nが形成されている。
【0050】
拘束部材29は、上部連結部材28(第一半筒部材28A、第二半筒部材28B)を、縦フレーム材21に固定する。拘束部材29は、例えばユリアネジである。拘束部材29は、第一半筒部材28Aのネジ挿通孔28h、縦フレーム材21の貫通孔21hを通して、第二半筒部材28Bのボス28bに形成された雌ネジ孔28nに締結される。上部連結部材28は、下端係止爪28t、および拘束部材29を係止又は挿通させる貫通孔21hを適宜選択することで、縦フレーム材21に対する上部連結部材28の上下方向Dvの位置が変更可能に構成されている。
【0051】
図3、
図4に示すように、各パネルユニット10において、一対のパネル材30どうしの間には、下部開口部30Lと、上部開口部30Kと、が形成されている。
下部開口部30Lは、一対のパネル材30において、下端縁30b(パネル外縁部31gの下辺)どうしの間であって、第一方向Dwで向かい合う下側のブラケット35(横延伸部35b)どうしの間に形成されている。下部開口部30Lは、円形開口部30Lcと、スリット状開口部Lsと、を有している。円形開口部30Lcは、第一方向Dwの中央部に形成されて上下方向Dvから見て円形に形成されている。円形開口部30Lcは下部連結部25が下方に臨む位置に形成されている。スリット状開口部30Lsは、円形開口部30Lcから第一方向Dwの両側に延びている。
上部開口部30Kは、一対のパネル材30において、上端縁30t(パネル外縁部31gの上辺)どうしの間であって、第一方向Dwで向かい合う上側のブラケット35(横延伸部35b)どうしの間に形成されている。上部開口部30Kは、円形開口部30Kcと、スリット状開口部Ksと、を有している。円形開口部30Kcは、第一方向Dwの中央部に形成されて上下方向Dvから見て円形に形成されている。円形開口部30Kcは、上部連結部26が上方に臨む位置に形成されている。スリット状開口部30Ksは、円形開口部30Lcから第一方向Dwの両側に延びている。
【0052】
図9~
図11に示すように、上部連結部材28は、収納位置P1と、突出位置P2との間で、縦フレーム材21に対する上下方向Dvの位置が変更可能に構成されている。
図9に示すように、収納位置P1において、上部連結部材28は、パネル材30の上端縁30t及び下端縁30bの間に位置し、一対のパネル材30の間に収納されている。収納位置P1において、上部連結部材28は、パネル材30の上端縁30tよりも下側、かつ横フレーム材22よりも上側に配置されている。
【0053】
図10、
図11に示すように、突出位置P2において、上部連結部材28は、上部開口部30Kの円形開口部30Kcを通してパネル材30の上端縁30tよりも上方に突出する。突出位置P2において、第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの下端係止爪28tが、縦フレーム材21の上端部に位置する貫通孔21hに係止されている。突出位置P2において、上部連結部材28の下部ツバ部27Bは、一対のパネル材30の上端縁30tよりも下側に配置される。突出位置P2において、上部開口部30Kの円形開口部30Kcから上方に突出した上部連結部材28の上部は、上側の他のパネルユニット10の下部開口部30Lの円形開口部30Lcに下方から挿入される。突出位置P2において、上部連結部材28の上部ツバ部27Aは、一対のパネル材30の下端縁30bよりも上側に配置される。したがって、突出位置P2において、上部連結部材28のうち、下部が下側のパネルユニット10を構成する一対のパネル材30によって挟み込まれ、上部が上側のパネルユニット10を構成する一対のパネル材30によって挟み込まれている。この状態において、下側のパネルユニット10の上端縁30tに位置するパネル外縁部31gと、上側のパネルユニット10の下端縁30bに位置するパネル外縁部31gとは、上部ツバ部27Aと下部ツバ部27Bとの間に入り込んでいる。
【0054】
下部連結部25は、縦フレーム材21の下端部21bに設けられている。下部連結部25は、当該パネルユニット10に対して下側に配置される他のパネルユニット10の上部連結部26(
図9参照)、または設置面F上に設置されるベース脚70の上端部72t(
図10参照)に挿入可能に構成されている。下部連結部25には、縦フレーム材21において、横フレーム材22よりも下側に、上下方向Dvに間隔をあけて複数の貫通孔21hが形成されている。
【0055】
図9、
図11に示すように、一のパネルユニット10(
図9、
図11における下側のパネルユニット10)の上側に、他のパネルユニット10(
図9、
図11における上側のパネルユニット)を接続する場合、上部連結部材28の第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの下端係止爪28tを、下側のパネルユニット10の縦フレーム材21において、上端部21tの貫通孔21hに係止させる。これにより、上部連結部材28が、上部開口部30Kを通してパネル材30の上端縁30tよりも上方に突出した突出位置P2に配置される。この状態で、上側に位置するパネルユニット10の下部連結部25(縦フレーム材21の下端部21b)を、突出位置P2に配置した上部連結部材28の第一半筒部材28A、第二半筒部材28Bの間に挿入する。さらに、上部連結部材28と、上側に位置する他のパネルユニット10の下部連結部25とに、拘束部材29としてのユリアネジを締結する。これにより、一のパネルユニット10の上側に、他のパネルユニット10が接続される。このとき、上側のパネルユニット10から見ると、上側のパネルユニット10の下部連結部25に、当該パネルユニット10に対して下側に配置される他のパネルユニット10の上部連結部26が接続されている。
【0056】
また、
図10に示すように、パネルユニット10の下側に、設置面F上に設置されるベース脚70を接続する場合、パネルユニット10の下部連結部25を、ベース脚70の上端部72tに設けられたベース脚用連結部材74に挿入する。ベース脚70は、設置面Fに沿って配置されるベースプレート71と、ベースプレート71から上方に延びるベース支柱72と、を有している。ベース支柱72には、ベース脚用連結部材74が設けられている。ベース支柱72には、貫通孔(図示無し)が形成されている。ベース脚用連結部材74には、ユリアネジ等の締結部材75が挿通されるネジ挿通孔、および雌ネジ孔(図示無し)が形成されている。ベース脚用連結部材74は、上下方向Dvに延びる筒状で、その内側に、パネルユニット10の下部連結部25が挿入される。
【0057】
パネルユニット10の下部連結部25、ベース脚用連結部材74、およびベース支柱72は、ベース脚用連結部材74のネジ挿通孔、下部連結部25の貫通孔21h、ベース支柱72の貫通孔を通し、ベース脚用連結部材74の雌ネジ孔に締結部材75を締結させることで連結される。
【0058】
<パネルユニットの第一方向における連結>
図12は、上記パネルユニット10どうしを第一方向Dwに連結する構成を示す図である。
図13は、上記パネルユニット10どうしの連結に用いる連結部材40の部材表面41f側の斜視図である。
図14は、上記連結部材40の部材表面41fとは反対側の斜視図である。
図15は、上記連結部材40を第二方向Dt(板厚方向)から見た図である。
図16は、上記連結部材40を第二方向Dtに交差する方向から見た図である。
図11に示すように、上記したようなパネルユニット10は、第一方向Dwに隣り合って他のパネルユニット10を接続可能に構成されている。パネルユニット10は、第一方向Dwに隣り合う他のパネルユニット10に対し、連結部材40を介して接続される。換言すると、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10において、第一方向Dwの一方側の第一のパネルユニット(第一のパネル)10Pの横フレーム材22の端部と、第一方向Dwの他方側の第二のパネルユニット(第二のパネル)10Qの横フレーム材22の端部とが、連結部材40を介して連結される。これにより、第一のパネルユニット10Pの第一パネル縁10f(第一方向Dwにおいて第二のパネルユニット10Q側の端縁)と、第二のパネルユニット10Qの第二パネル縁10g(第一方向Dwにおいて第一のパネルユニット10P側の端縁)とが、連結部材40を介して連結される。
【0059】
図12~
図16に示すように、連結部材40は、例えば樹脂製で、板状の本体部41を備えている。本体部41は、その板厚方向(連結部材40を横フレーム材22のプレート部23に沿わせた状態における第二方向Dt)から見て、略円形状に形成されている。連結部材40により、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結する場合、連結部材40は、本体部41の第二方向Dtの一方側を向く部材表面41fを、第一のパネルユニット10Pのプレート部23の平面部23f(
図12参照)と、第二のパネルユニット10Qのプレート部23の平面部23fとに当接させる。平面部23fは、第一のパネルユニット10Pのプレート部23、第二のパネルユニット10Qのプレート部23のそれぞれにおいて、第二方向Dtでフランジ部24が突出する方向を向き、第二方向Dtに交差する面である。
【0060】
本体部41は、第一取付板部42と、第二取付板部43と、連結部44と、を一体に備えている。
第一取付板部42は、第二方向Dtから見て略半円形状に形成されている。第一取付板部42の外縁には、直線状縁部42aと、半円弧状縁部42bとが形成されている。第二取付板部43は、第二方向Dtから見て略半円形状に形成されている。第二取付板部43の外縁には、直線状縁部43aと、半円弧状縁部43bとが形成されている。第一取付板部42の直線状縁部42aと、第二取付板部43の直線状縁部43aとは、互いに向き合った状態で平行に配置されている。第一取付板部42の直線状縁部42aと、第二取付板部43の直線状縁部43aとは、部材表面41fに沿った方向に間隔をあけて配置されている。これにより、第二取付板部43は、第一取付板部42と離間して配置されている。
【0061】
連結部44は、第一取付板部42と第二取付板部43との間に形成されている。連結部44は、第一取付板部42と第二取付板部43の間で、直線状縁部42a、43aが延びる方向に連続して形成されている。連結部44は、第一取付板部42と第二取付板部43とを連結している。連結部44は、第二方向Dtにおける厚さが、第一取付板部42、第二取付板部43の板厚よりも小さく、弾性変形可能に構成されている。これにより、連結部44は、第一取付板部42と第二取付板部43との間で、連結部44が連続する延びる回動軸44c周りに、第一取付板部42と第二取付板部43とを相対的に回動可能に連結する。
【0062】
連結部材40は、後に詳述するように、本体部41の中心部に位置する回転中心40cを中心とした周方向Dcに回動させることによって、第一のパネルユニット10P、および第二のパネルユニット10Qに対する係合、離脱がなされる。
【0063】
連結部材40は、第一係止部45と、第二係止部46と、外周延出部47と、保持突起48と、を備えている。
図13、
図15、
図16に示すように、第一係止部45、および第二係止部46は、本体部41の部材表面41f側に形成されている。第一係止部45は、例えば、回転中心40cを中心とした同心円上に、周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。本実施形態において、第一係止部45は、周方向Dcに等間隔をあけて四組形成されている。第一係止部45は、第一取付板部42、第二取付板部43のそれぞれに、二組ずつ形成されている。
【0064】
各第一係止部45は、係止片45sを有している。係止片45sは、本体部41から、周方向Dcの一方側に向かうとともに、第二方向Dtに延出している。本実施形態において、係止片45sは、部材表面41fから立ち上がる起立部45aと、起立部45aの先端から部材表面41fに沿って周方向Dcの第一側Dc1(
図12、
図15において時計回り方向)に延びる第一アーム部45bと、第一アーム部45bの先端部から第二方向Dtで部材表面41fから離間する方向に傾斜して延びる傾斜部45cと、を一体に有している。第一アーム部45bと本体部41の部材表面41fとは、第二方向Dtにおいて、プレート部23の板厚とほぼ同等の間隔を隔てている。第一アーム部45bは、起立部45aを中心として第二方向Dtに弾性変形可能に形成されている。
【0065】
第二係止部46は、複数の第一係止部45に対し、回転中心40cを中心とした径方向の内側に形成されている。第二係止部46は、周方向Dcに間隔をあけて、例えば二組形成されている。第二係止部46は、第一取付板部42、第二取付板部43のそれぞれに、一つずつ形成されている。各第二係止部46は、本体部41の中央部から径方向外側に向かって片持ちで延びる第二アーム部46aと、第二アーム部46aの先端部に形成された係止突起46bと、を一体に有している。第二アーム部46aは、本体部41と同一面内に形成されている。第二アーム部46aは、基端部を起点に第二方向Dtに弾性変形可能に形成されている。
【0066】
図13、
図15に示すように、外周延出部47は、本体部41の外周部に形成されている。外周延出部47は、周方向Dcに間隔をあけて、例えば四組形成されている。外周延出部47は、第一取付板部42、第二取付板部43のそれぞれに、二組ずつ形成されている。各外周延出部47は、本体部41の外周縁部41sから、第二方向Dtから見て外周縁部41sの接線方向に延出している。
図14、
図16に示すように、保持突起48は、本体部41において部材表面41fと反対側の面41gに形成されている。保持突起48は、本体部41の例えば中央部に、周方向Dcに間隔をあけて一対で形成されている。保持突起48は、第一取付板部42、第二取付板部43のそれぞれに、一つずつ形成されている。保持突起48は、第二アーム部46aの先端から第二方向Dtにおいて部材表面41f側と反対側に突出している。作業者は、保持突起48を把持することで、連結部材40の保持、連結部材40の回転中心40c周りの回動操作等を容易に行うことができる。また、一対の保持突起48を、部材表面41fと反対側から引っ張ることにより、第二アーム部46aを弾性変形させ、部材表面41fから突出した係止突起46bを反対側の面41g側に変位させることができる。
【0067】
図5に示すように、各パネルユニット10の支持構造体20には、連結部材40が係止可能な連結部材係止部50A、50Bが形成されている。連結部材係止部50A、50Bは、プレート部23の第一方向Dwの両端部に形成されている。
図12に示すように、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結する場合、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10において、第一のパネルユニット10Pの連結部材係止部50Aと、第一方向Dwの他方側の第二のパネルユニット10Qの連結部材係止部50Bと、の双方に跨がって配置される。
【0068】
図5に示すように、連結部材係止部50Aは、二つの第一被係止部51A、51Bと、二つの第二被係止部52A、52Bと、を備えている。二つの第一被係止部51A、51Bには、連結部材40の四組の第一係止部45のうち、周方向Dcで隣り合う2組の第一係止部45が係止される。二つの第一被係止部51A、51Bは、それぞれ、プレート部23を第二方向Dt(板厚方向)に貫通するとともに、回転中心40cと第一係止部45との間の寸法と同等の寸法を曲率半径として円弧状に延びる長孔(孔)である。一の第一被係止部51Aは、横フレーム材22の側端縁で開口している。
二つの第二被係止部52A、52Bは、第一被係止部51A、51Bの内側に形成されている。一方の第二被係止部52Aは、プレート部23を第二方向Dtに貫通した丸孔52hである。他方の第二被係止部52Bは、第一方向Dwを長径とする長孔からなる係止孔52gである。
【0069】
連結部材係止部50Bは、二つの第一被係止部51C、51Dと、二つの第二被係止部52C、52Dと、を備えている。二つの第一被係止部51C、51Dには、連結部材40の四組の第一係止部45のうち、残る2組の第一係止部45(第一被係止部51A、51Bに係止される第一係止部45以外の第一係止部45)が係止される。二つの第一被係止部51C、51Dは、プレート部23を第二方向Dt(板厚方向)に貫通するとともに、回転中心40cと第一係止部45との間の寸法と同等の寸法を曲率半径として円弧状に延びる長孔(孔)である。一つの第一被係止部51Cは、横フレーム材22の側端縁で開口している。
二つの第二被係止部52C、52Dは、第一被係止部51C、51Dの内側に形成されている。一方の第二被係止部52Cは、プレート部23を第二方向Dtに貫通した丸孔52hである。他方の第二被係止部52Dは、第一方向Dwを長径とする長孔からなる係止孔52gである。
【0070】
図12に示すように、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pの第一被係止部51A、51Bと、第二のパネルユニット10Qの第一被係止部51C、51Dとに、四組の第一係止部45をそれぞれ係止させる。これには、連結部材40の四組の第一係止部45を、第一被係止部51A~51Dの内側に第二方向Dtに沿って挿入し、連結部材40の部材表面41fを平面部23fに当接させた状態とする。このとき、第二係止部46は、係止突起46bがプレート部23の平面部23f突き当たることで、第二方向Dtに押し込まれる。
【0071】
図17は、上記連結部材40の各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された係止状態Pkを示す図である。
この状態で、
図17に示すように、連結部材40を周方向Dcの第一側Dc1に連結部材40をプレート部23に対して回動させると、各第一係止部45の第一アーム部45bと部材表面41fとの間に、プレート部23のうち第一被係止部51A~51Dに対して周方向Dcの第一側Dc1に位置する部分23kが挿入される。連結部材40をさらに回動させ、各第一係止部45の起立部45aが、第一被係止部51A~51Dの周方向Dcの第一側Dc1の端部51eに突き当たることで、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された係止状態Pkとなる。これにより、プレート部23に対する連結部材40の周方向Dcの第一側Dc1への回動が規制される。このとき、外周延出部47のうちの二つの外周延出部47の外側面47sが、横フレーム材22のフランジ部24に突き当たる。これによっても、プレート部23に対する連結部材40の周方向Dcの第一側Dc1への回動が規制される。
【0072】
連結部材40を周方向Dcに回動させているとき、第二係止部46の係止突起46bは、部材表面41f上を接する。各第一係止部45の起立部45aが、第一被係止部51A~51Dの周方向Dcの第一側Dc1の端部51eに突き当たった時点で、各第二係止部46の係止突起46bが第二被係止部52A、52Cに第二方向Dtで向かい合う。これにより、第二係止部46が復元変形することで、係止突起46bが第二被係止部52A、52C、または第二被係止部52B、52Dに嵌まり込む。このようにして、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された状態で、各第二係止部46が各第二被係止部52に係止されることで、連結部材40の周方向Dcの回動が拘束される。
このようにして、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのそれぞれに対し、一対のパネル材30の間で支持構造体20のプレート部23に接続される。
【0073】
また、
図17に示す係止状態Pkにおいて、一対の保持突起48を、部材表面41fと反対側から引っ張ることにより、部材表面41fから突出した係止突起46bを反対側の面41g側に変位させると、各第二係止部46と各第二被係止部52との係止が解除される。
【0074】
図18は、上記連結部材40の各第一係止部45と第一被係止部51A~51Dとの係合状態が解除された離脱状態Prを示す図である。
この状態で、
図18に示すように、プレート部23に対して連結部材40を周方向Dcの第二側Dc2(
図18において反時計回り方向)に回動させれば、各第一係止部45と第一被係止部51A~51Dとの係合状態、及び各第二係止部46と第二被係止部52A、52Cとの係合状態が解除された離脱状態Prに移行する。
【0075】
このように、連結部材40は、回転中心40c周りに回動させることによって、係止状態Pkと離脱状態Prとの間で移行可能に構成されている。連結部材40は、回転中心40c周りの第一側Dc1に連結部材40を回動させることで、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止される係止状態Pkとなる。連結部材40は、係止状態Pkから回転中心40c周りの第二側Dc2に連結部材40を回動させることで、各第一係止部45が第一被係止部51A~51Dから離脱する離脱状態Prとなる。
【0076】
また、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに対する連結部材40の取付状態を変更可能に構成されている。連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに対する向きを変えることで、以下に示す第一形態S1(
図19参照)と、第二形態S2(
図12、
図17参照)とで、連結部材40の取付状態を変更可能に構成されている。
【0077】
図19は、上記連結部材40を第一形態S1で第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qに取り付けた状態を示す図である。
図19に示すように、第一形態S1では、連結部44が、第一のパネルユニット10Pの第一パネル縁10fと第二のパネルユニット10Qの第二パネル縁10gとの間に配置されている。連結部44は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの配列方向(第一方向Dw)に交差して第一パネル縁10fおよび第二パネル縁10gが延びる方向(上下方向Dv)に配置されている。この第一形態S1では、上記係止状態Pkとすることで、第一取付板部42が第一のパネルユニット10Pに支持される一方、第二取付板部43が第二のパネルユニット10Qに支持される。
【0078】
図20は、上記連結部材40を第一形態S1で取り付けた第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qを、連結部44の回動軸44cを中心として相対的に回動させた状態を、上下方向Dvから見た平面図である。
図20に示すように、第一形態S1では、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、第一取付板部42と第二取付板部43とともに、連結部44の回動軸44cを中心として相対的に回動可能となる。これにより、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角度θを任意に調整することができる。なお、本実施形態において、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角度θとは、連結部44を挟んで第一取付板部42と第二取付板部43との間に形成される角度を指す。
【0079】
なお、
図19に示すように、第一形態S1では、係止状態Pkにおいて、係止突起46bは、係止孔52g(長孔)からなる第二被係止部52B、52Dに嵌まり込む。これにより、係止突起46bは、第二被係止部52B、52Dに対し、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qを配列方向(第一方向Dw)に相対変位可能な状態で係止されている。したがって、配列方向(第一方向Dw)における第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとの間隔が変更可能に構成されている。第一形態S1において、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを、第一取付板部42と第二取付板部43とともに、連結部44の回動軸44cを中心として相対的に回動させ、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角度θを180°以下に設定する場合に、第一のパネルユニット10Pの第一パネル縁10fと第二のパネルユニット10Qの第二パネル縁10gとか干渉するのを抑えることができる。
【0080】
図17に示すように、第二形態S2では、連結部44が、第一形態S1とは異なる方向に延びて配置される。本実施形態では、連結部44(回動軸44cの軸方向)が、配列方向(第一方向Dw)に沿って配置されている。連結部44は、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとに跨がって延びている。これにより、連結部44が、第二方向Dtから見て、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの双方に重なって配置されている。第二形態S2では、第一取付板部42および第二取付板部43の双方が、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとに跨がっている。第二形態S2では、係止状態Pkにおいて、回動軸44cの軸方向(第二形態S2では第一方向Dw)における第一取付板部42および第二取付板部43のそれぞれの一端部42s、43sが第一のパネルユニット10Pに支持されている。また、第二形態S2では、係止状態Pkにおいて、回動軸44cの軸方向(第二形態S2では第一方向Dw)における第一取付板部42および第二取付板部43のそれぞれの他端部42t、43tが第二のパネルユニット10Qに支持されている。
【0081】
図21は、上記連結部材40を第二形態S2で取り付けた第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qを、上下方向Dvから見て直線状に配置した状態を示す平面図である。
第二形態S2では、第一取付板部42および第二取付板部43が、それぞれ第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを第一方向Dwに跨がって配置され、第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qのそれぞれに支持される。これによって、
図21に示すように、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、第一取付板部42および第二取付板部43の双方に沿った状態で固定され、上下方向Dvからの平面視で、第一方向Dwに沿った直線状(角度θが180°)に配置されている。
【0082】
なお、
図17に示すように、第二形態S2では、係止状態Pkにおいて、係止突起46bは、丸孔52hからなる第二被係止部52A、52Cに嵌まり込む。これにより、係止突起46bは、第二被係止部52A、52Cに対し、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qを配列方向(第一方向Dw)に相対変位不能とされている。したがって、連結部材40が、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに対して強固に連結され、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、上下方向Dvからの平面視で、第一方向Dwに沿った直線状に配置された状態を強固に維持する。
【0083】
図22は、上記パネルユニット10に備えた閉塞部材80を示す平面図である。
図23は、上記閉塞部材80を示す正面図である。
図22に示すように、パネルユニット10は、上部開口部30Kを閉塞可能な閉塞部材80を備えている。
図22、
図23に示すように、閉塞部材80は、閉塞部81と、ボス部82と、を一体に有している。閉塞部81は、上部開口部30Kの円形開口部30Kcを塞ぐ第一閉塞部81aと、第一閉塞部81aから第一方向Dwの両側に延び、上部開口部30Kのスリット状開口部30Ksを塞ぐ第二閉塞部81bと、を一体に有している。ボス部82は、閉塞部材80を上部開口部30Kに装着するとき、上部開口部30Kに挿入される。
【0084】
図5に示すように、上記の連結部材40、および閉塞部材80は、不使用時に、パネルユニット10内に収容可能とされている。連結部材40、および閉塞部材80は、不使用時に、支持構造体20に装着される。このため、
図3に示すように、支持構造体20は、パネル材30で覆われた部分(第二方向Dtから見てパネル材30と重なり合う部分)に、連結部材保持部91と、閉塞部材保持部92と、を備えている。連結部材保持部91、閉塞部材保持部92は、横フレーム材22のプレート部23に形成されている。連結部材保持部91、閉塞部材保持部92は、縦フレーム材21を挟んで第一方向Dwの両側にそれぞれ形成されている。
【0085】
連結部材保持部91は、連結部材40の第一係止部45が係止可能な第一保持孔91aと、第二係止部46が係止可能な第二保持孔91bと、を有している。連結部材保持部91は、第一係止部45、および第二係止部46を、連結部材係止部50A、50Bに対する装着時と同様、連結部材40を周方向Dcの第一側Dc1(
図15参照)に回動させることで、第一保持孔91a、第二保持孔91bに連結部材40を係止させることができる。また、連結部材保持部91は、周方向Dcの第二側Dc2(
図15参照)に回動させることで、連結部材40の第一係止部45、および第二係止部46の、第一保持孔91a、第二保持孔91bへの係止を解除することができる。
【0086】
閉塞部材保持部92は、連結部材保持部91の中央部に形成されている。閉塞部材保持部92は、閉塞部材80のボス部82を嵌め込むことで、不使用時の閉塞部材80が着脱可能に装着される。
【0087】
<間仕切り装置>
上記したようなパネルユニット10を1枚、または複数枚用いることで、様々な形態の間仕切り装置を構成することができる。
図24は、上記パネルユニット10を用いて構成した間仕切り装置1を示す図である。
図24に示すように、間仕切り装置1は、上方を向く設置面F上に設置され、設置面Fの上方に形成される室内空間を第二方向Dtで仕切るために用いられる。間仕切り装置1は、例えば、複数枚のパネルユニット10を、上下方向Dvに複数段に積み重ねるとともに、上下方向Dvの各段において、第一方向Dwに複数列に連結して構成されている。本実施形態では、第一方向Dwに2列、上下に3段の、計6枚のパネルユニット10が連結されている。
【0088】
間仕切り装置1は、第一方向Dwの各列において、設置面F上に設置されるベース脚70上に、例えば3枚のパネルユニット10を、上下方向Dvに連結して備えている。互いに上下に位置するパネルユニット10どうしは、上記したような下部連結部25、上部連結部26により連結されている。
ここで、上下に積み重ねるパネルユニット10の枚数は、3枚に限らず、適宜増減可能である。
【0089】
上下方向Dvの各段において、第一方向Dwの一方側の列に配置された第一のパネルユニット10Pと、第一方向Dwの他方側の列に配置された第二のパネルユニット10Qは、それぞれ、横フレーム材22どうしが、上記連結部材40によって接続されている。このとき、
図21に示すように、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを、上下方向Dvから見た平面視で直線状に配列するのであれば、連結部材40は、取付状態を上記第二形態S2(
図19参照)として
図20に示すように、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに取り付ける。また、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとの連結部分で、上下方向Dvから見た平面視で、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角度θを180°以下に曲折させて配列するのであれば、連結部材40は、取付状態を上記第一形態S1(
図17参照)として、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに取り付ける。
【0090】
上記したような間仕切り装置1を組み立てるには、各パネルユニット10において、パネル材30を取り外した状態で、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10どうしの連結部材40を用いた連結、上下のパネルユニット10どうしの下部連結部25、上部連結部26を用いた連結を行う。その後、一対のパネル材30どうしは、ブラケット35の結合によって行う。
このとき、第一方向Dwで隣り合うパネルユニット10どうしの連結は、連結部材40を回動することで実行される。また、上下のパネルユニット10どうしの下部連結部25、上部連結部26を用いた連結は、縦フレーム材21への上部連結部26の係止、ユリアネジを用いた拘束部材29の締め込み作業によって行われる。さらに、一対のパネル材30どうしは、ブラケット35どうしの結合により行われる。したがって、各パネルユニット10の組立、及びパネルユニット10どうしの連結作業を、工具レスの手作業で容易に行うことができる。
【0091】
また、パネルユニット10の取り外しや、パネルユニット10の組み合わせを変更する場合等は、上述した組立方法と逆の操作を行う。すなわち、まず取り外し対象となるパネルユニット10(対象パネルユニット10)、および対象パネルユニット10に連結されているパネルユニット10(連結パネルユニット10)について、ブラケット35を介した一対のパネル材30どうしの連結を解除し、支持構造体20を露呈させる。次に、対象パネルユニット10と連結パネルユニット10の支持構造体20間において、連結部材40による連結、または上部連結部26(下部連結部25)による連結を解除する。これにより、連結パネルユニット10の支持構造体20から対象パネルユニット10の支持構造体20を取り外すことができる。
【0092】
このように、本実施形態の間仕切り装置1では、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qは、それぞれ、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの厚さ方向(第二方向Dt)に交差する平面部23fを有し、連結部材40は、平面部23fに当接する部材表面41fを有した本体部41を有し、本体部41に第一被係止部51A~51Dが形成され、平面部23fに、部材表面41fに交差する方向(第二方向Dt)に延びる回転中心40c周りの第一側Dc1に連結部材40を回動させることで、第一被係止部51A~51Dに係止可能な第一係止部45が形成されている。
【0093】
このような構成によれば、連結部材40の部材表面41fを第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの平面部23fに当接させた状態で、連結部材40を回転中心40c周りの第一側Dc1に回転させると、第一被係止部51A~51Dに第一係止部45が係止される。このようにして連結部材40が第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに接続され、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが連結部材40によって連結される。したがって、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結部材40によって連結するに際し、工具を用いてネジを締結する必要がない。その結果、間仕切り装置1の組立を容易に行うことが可能となる。
【0094】
本実施形態では、連結部材40は、回転中心40c周りの第一側Dc1に連結部材40を回動させることで、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止される係止状態Pkと、係止状態Pkから回転中心40c周りの第二側Dc2に連結部材40を回動させることで第一係止部45が第一被係止部51A~51Dから離脱する離脱状態Prと、の間で移行可能に構成されている。
このような構成によれば、連結部材40を回転中心40c周りの第一側Dc1に回動させると、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止されて係止状態Pkとなる。これにより、連結部材40を第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの平面部23fに接続することができる。また、連結部材40を回転中心40c周りの第二側Dc2に回転させると、係止状態Pkで第一被係止部51A~51Dに係止されていた第一係止部45が、第一被係止部51A~51Dから離脱する。これにより、連結部材40を係止状態Pkから離脱状態Prに移行させ、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qから連結部材40を取り外すことができる。
このように、連結部材40の回動方向を切り換えるのみで、連結部材40の第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに対する接続と、連結部材40の第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qからの取り外しを容易に行うことができる。
【0095】
本実施形態では、第一係止部45を第一被係止部51A~51Dに挿入した状態で回転中心40c周りに定められた角度回転させた場合に、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dの回転中心40c周りの第一側Dc1の端部51eに突き当たることで第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止される構成とした。
このような構成によれば、連結部材40を回転中心40c周りの第一側Dc1に定められた角度回動させると、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dの回転中心40c周りの第一側Dc1の端部51eに突き当たることによって、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止されて係止状態Pkに移行したことを、作業者が容易かつ確実に認識することができる。
【0096】
本実施形態では、第一被係止部51A~51Dは、平面部23fに形成された孔であり、第一係止部45は、本体部41から回転中心40c周りの方向に向かうとともに、本体部41の板厚方向に延出する係止片45sを備える構成とした。
このような構成によれば、第一係止部45の係止片45sを、第一被係止部51A~51Dとしての孔に板厚方向から挿入した後、連結部材40を回転中心40c周りの第一側Dc1に回動させると、係止片45sと本体部41との間に平面部23fが入り込み、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止される。このように、簡易な構成の係止片45sにより、連結部材40を第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに連結することが可能となる。
【0097】
本実施形態では、本体部41に、第二被係止部52A~52Dが形成され、平面部23fに、連結部材40を部材表面41fに交差する方向に延びる回転中心40c周りに回動させ、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された状態で、第二被係止部52A~52Dに係止される第二係止部46が形成されている構成とした。
このような構成によれば、連結部材40を回転中心40c周りに回転させ、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された状態で、第二被係止部52A~52Dに第二係止部46が係止されると、連結部材40の回転中心40c周りの回動が拘束される。これによって、第一係止部45が第一被係止部51A~51Dに係止された状態に拘束され、連結部材40が第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qから不用意に外れてしまうことを抑えることができる。
【0098】
本実施形態では、連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのそれぞれに対し、一対のパネル材30の間で支持構造体20の平面部23fに接続されている構成とした。
このような構成によれば、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのそれぞれの平面部23fに対し、連結部材40が、一対のパネル材30の間で支持構造体20に接続されることで、連結部材40の第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのそれぞれに対する取付部分が外部に露呈することが抑えられる。また、連結部材40を、支持構造体20に接続することで、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが強固に接続される。
【0099】
本実施形態では、連結部材40は、連結部44が、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとの間に配置されるとともに、第一取付板部42が第一のパネルユニット10Pに支持される一方、第二取付板部43が第二のパネルユニット10Qに支持される第一形態S1と、連結部44が第一方向Dwに沿って第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとに跨がって配置されるとともに、第一取付板部42および第二取付板部43の双方が、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとに跨がって支持される第二形態S2と、で第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに対する連結部材40の取付状態が変更可能である構成とした。
このような構成によれば、連結部44を第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとの間に配置し、一方の第一取付板部42を第一のパネルユニット10Pに支持させ、他方の第二取付板部43を第二のパネルユニット10Qに支持させることで、連結部材40の第一形態S1が実現される。第一形態S1では、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、第一取付板部42と第二取付板部43とともに、連結部44の回動軸44cを中心として相対的に回動可能となる。これにより、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角度を任意に調整することができる。
また、第二形態S2では、第一取付板部42および第二取付板部43が、それぞれ第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとに跨がるように配置され、第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qのそれぞれに支持される。これによって、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、第一取付板部42および第二取付板部43の少なくとも一方に沿った状態で固定される。第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが、直線状に配列された状態に拘束される。
したがって、第一形態S1と第二形態S2とで異なる連結部材40を個別に用いる必要が無く、同一の連結部材40の向きを変えるのみで、第一形態S1と第二形態S2の双方を実現することができる。その結果、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとがなす角θを容易に変更することができ、かつ第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを直線状に配列する場合には、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを直線状の配列したままの状態を確実に維持することが可能となる。
【0100】
本実施形態の間仕切り装置1では、第一のパネルユニット10P、および第二のパネルユニット10Qを、それぞれ、上方を向く設置面F上に設置し、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを設置面Fに沿った方向に並べて配置することによって、設置面Fの上方に形成される室内空間を仕切ることができる。このような間仕切り装置1において、連結部材40の部材表面41fを第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの平面部23fに当接させた状態で、連結部材40を回転中心40c周りの第一側Dc1に回転させることで、連結部材40が第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qに接続され、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとが連結部材40によって連結される。したがって、第一のパネルユニット10Pと第二のパネルユニット10Qとを連結部材40によって連結するに際し、工具を用いてネジを締結する必要がない。その結果、間仕切り装置1の組立を容易に行うことが可能となる。
【0101】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、連結部材40を、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの横フレーム材22に形成された平面部23fに当接させた状態で接続するようにしたが、これに限られない。連結部材40は、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qのパネル表面の平面部に当接させた状態で接続するようにしてもよい。また、第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qは、一対のパネル材30の間に支持構造体20を挟み込んだ構成としたが、これに限るものではない。連結部材40を平面部に当接させた状態で当接するのであれば、第一のパネル、および第二のパネルは、例えば単なる板状であってもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、間仕切り装置1を構成する第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qを、連結部材40で連結する構成を例示したが、これに限られない。第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qを連結部材40、60で連結する構成は、間仕切り装置1以外の、複数枚のパネルを連結して構成される各種用途のパネルシステムであってもよい。
【0103】
また、連結部材40によって連結される第一のパネルユニット10P、第二のパネルユニット10Qの配列方向は、第一方向Dwに限らず、上下方向Dv等、他の方向であってもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、連結部材40を、第一のパネルユニット10Pおよび第二のパネルユニット10Qの上下方向Dvの中間部にのみ配置するようにしたが、連結部材40は、上下方向Dvの複数個所に設けるようにしてもよい。
また、連結部材40、60を、樹脂製で、第一取付板部42と、第二取付板部43と、連結部44と、を一体に備える構成としたがこれに限られない。連結部材40,60は、第一取付板部42、第二取付板部43、および連結部44は、別体の部品を組み合わせて構成されるものであってもよいし、金属製等、他の材質を採用してもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、本体部41に、第一係止部45、第二係止部46が形成され、平面部23fに、第一被係止部51A~51D、第二被係止部52A~52Dが形成されているようにしたが、これに限られない。例えば、本体部41に、第一被係止部51A~51D、第二被係止部52A~52Dが形成され、平面部23fに、第一係止部45、第二係止部46が形成されているようにしてもよい。
また、第二係止部46,および第二被係止部52A~52Dを備えない構成とすることも可能である。
【0106】
上記実施形態では、パネルユニット10の各部の構成として、支持構造体20、一対のパネル材30、下部連結部25、上部連結部26等の構成について説明したが、パネルユニット10の各部の構成は、適宜他の構成に変更可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 間仕切り装置(パネルシステム)
10P 第一のパネルユニット(第一のパネル)
10Q 第二のパネルユニット(第二のパネル)
20 支持構造体
23f 平面部
30 パネル材
40 連結部材
41f 部材表面
42 第一取付板部
42s 一端部
42t 他端部
43 第二取付板部
43s 一端部
43t 他端部
44 連結部
44c 回動軸
46b 係止突起
52g 係止孔
F 設置面
S1 第一形態
S2 第二形態
θ 角度