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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046183
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】除排雪判断支援システム
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/00 20060101AFI20230327BHJP
   E01H 5/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
G01W1/00 J
E01H5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021172709
(22)【出願日】2021-09-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】521461351
【氏名又は名称】葛西 章史
(72)【発明者】
【氏名】葛西 章史
(57)【要約】
【課題】積雪路面における道路除排雪作業実施のために目視によるパトロールが行われているが、パトロール員の経験等により除排雪作業時期の判断のばらつき等があり、除排雪作業の遅れが生じている。
【解決手段】路面に関する情報と、交通状況に関する情報と、気象に関する情報とを取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された情報から得られる積雪路面状況と、交通状況と、気象情報とを分析する分析部と、前記分析部により分析された結果から除排雪判断を決定する除排雪判断決定部と、を備え、前記除排雪判断決定部により除排雪判断を決定するものであることを特徴とする除排雪判断支援システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に関する情報と、交通状況に関する情報と、気象に関する情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された情報から得られる積雪路面状況と、交通状況と、気象情報とを分析する分析部と、
前記分析部により分析された結果から除排雪判断を決定する除排雪判断決定部と、
を備え、前記除排雪判断決定部により除排雪判断を決定するものであることを特徴とする除排雪判断支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積雪路面における除排雪判断の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
積雪寒冷地では、冬期の都市機能の維持と円滑な道路交通の確保を図るため、積雪時に道路除排雪を実施する必要があり、除排雪作業を行う時期の判断にあたり目視によるパトロールが行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】滝川市土木課,“除排雪体制にご協力をお願いします”,除雪車の出動時間,[online],2015年12月17日,滝川市,[2021年9月19日検索],インターネット<URL:https://www.city.takikawa.hokkaido.jp/240kensetsu/01doboku/07zyosetu/>
【非特許文献2】広尾町建設水道課,“町道の除雪について”,除雪車の出動基準,[online],掲載年月日不明,広尾町,[2021年9月19日検索],インターネット<URL:https://www.town.hiroo.lg.jp/kurashi/seikatsu/josetsu/choudounojosetsu/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目視によるパトロールが行われているが、パトロール員の経験等により除排雪作業時期の判断のばらつき等がある。これにより除排雪作業の遅れが生じている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、路面に関する情報と、交通状況に関する情報と、気象に関する情報とを取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された情報から得られる積雪路面状況と、交通状況と、気象情報とを分析する分析部と、前記分析部により分析された結果から除排雪判断を決定する除排雪判断決定部と、を備え、前記除排雪判断決定部により除排雪判断を決定するものであることを特徴とする除排雪判断支援システム。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、最適な除排雪作業時期の判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の除排雪判断支援システムに係るシステム構成図である。
図2】パトロールの一例の流れを示すフローチャート図である。
図3】路面状況の一例を示す図である。
図4】交通状況の一例を示す図である。
図5】気象情報の一例を示す図である。
図6】本発明の除排雪判断支援システムの一例の流れを示すフローチャート図である。
図7】本発明の除排雪判断決定部での判断基準の一例を示す図である。
図8】本発明の除排雪判断支援システムに係るハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、本発明の除排雪判断支援システムの一実施形態について説明する。
【0009】
図1は本発明の除排雪判断支援システム400に係るシステム構成図である。除排雪判断支援システム400は、路面に関する情報と、交通状況に関する情報と、気象に関する情報とを取得する情報取得部410と、情報取得部410により取得された情報から得られる積雪路面状況と、交通状況と、気象情報とを分析する分析部420と、分析部420により分析された結果から除排雪判断を決定する除排雪判断決定部430と、を備える。
実施形態の除排雪判断支援システム400は、ネットワークNWを通じ路面状況提供サーバ100、交通状況提供サーバ200、および気象情報サーバ300と通信可能に接続されている。
路面状況を把握するために、図1では1台の車両Vhおよび端末装置TMのみ示しているが、複数の車両Vh・端末装置TMがネットワークNWに接続されてよい。
【0010】
端末装置TM、路面状況提供サーバ100、交通状況提供サーバ200、気象情報提供サーバ300、および除排雪判断支援システム400は、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうち一部または全部を含む。
【0011】
端末装置TMは、車両Vhに乗車する利用者によって使用される。端末装置TMは、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末などである。
端末装置TMは、車両Vhに搭載された通信型のドライブレコーダーや据え置き型の車載装置であってもよい。
端末装置TMには、路面状況提供サーバ100と連携する道路パトロールアプリが内蔵されている。
端末装置TMは、GPS(Global Positioning System)受信機などの位置測位装置、ネットワークNWに接続するための通信装置、Gセンサ(加速度センサ)、カメラ、タッチパネルなどの入出力装置、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有する。
【0012】
図2はパトロールの一例の流れを示すフローチャート図である。端末装置TMは、道路パトロールアプリのパトロール開始ボタンを押すことにより(S1)、位置情報と加速度情報・映像等の収集を開始する(S2)。
パトロール終了後、道路パトロールアプリのパトロール終了ボタンを押すことにより(S3)、端末装置TMの位置情報と加速度情報・映像等を路面状況提供サーバ100に送信する(S4)。
路面状況提供サーバ100は、端末装置TMより送信された測定情報に基づいて、路面の凸凹等の有無を判定し、凸凹していると判定した路面の位置を特定する。
【0013】
路面状況提供サーバ100は、ネットワークNWを介して路面状況を除排雪判断支援システム400に提供する。提供される路面状況は、道路ごとの情報であり、路面の積雪・雪質、路面の凸凹、路面の轍・擂鉢、堆雪による道路幅員減少の有無などのうち一部または全部を含む。
図3は路面状況の一例を示す図であり、路面の凸凹が酷い箇所110は地図上に黒色で表示されている。
【0014】
交通状況提供サーバ200は、ネットワークNWを介して交通状況を除排雪判断支援システム400に提供する。提供される交通状況は、道路ごとの情報であり、交通量、平均速度、渋滞の有無などのうち一部または全部を含む。
図4は交通状況の一例を示す図であり、渋滞が酷い箇所210は地図上に黒色で表示されている。
【0015】
気象情報提供サーバ300は、ネットワークNWを介して気象情報を除排雪判断支援システム400に提供する。提供される気象情報は、地域ごとの情報であり、時刻、天気、気温、降雪量、風速などのうち一部または全部を含む。
図5は気象情報の一例を示す図であり、気温310と降雪量320は数字で表示されている。
【0016】
除排雪判断支援システム400で動作する情報取得部410は、路面状況提供サーバ100からの路面状況、交通状況提供サーバ200からの交通状況、および気象情報提供サーバ300からの気象情報に関する情報を、ネットワークNWを介して取得する。
路面状況提供サーバ100によって提供された路面状況は、路面情報440として格納される。交通状況提供サーバ200によって提供された交通状況は、交通情報450として格納される。気象情報提供サーバ300によって提供された気象情報は、気象情報460として格納される。
【0017】
除排雪判断支援システム400で動作する分析部420は、情報取得部410により取得された情報から得られる路面情報440、交通情報450、および気象情報460について、情報毎に分析し、分析結果470として格納される。
【0018】
除排雪判断支援システム400で動作する除排雪判断決定部430は、分析部420により分析された情報毎の分析結果470から統合的に除排雪判断を決定し、判断結果480として格納される。
【0019】
図6は除排雪判断支援システム400の一例の流れを示すフローチャート図である。情報取得部410は、路面状況提供サーバ100からの路面状況を定期的に(例えば決まった時間に)情報取得する(S10)。情報取得部410は、交通状況提供サーバ200からの交通状況を定期的に(例えば数[min]おきに)情報取得する(S11)。情報取得部410は、気象情報提供サーバ300からの気象情報を定期的に(例えば決まった時間に)情報取得する(S12)。
そして、分析部420は、路面情報440より路面の凸凹が酷い箇所を抽出する(S13)。分析部420は、交通情報450より継続して渋滞の酷い箇所を抽出する(S14)。分析部420は、気象情報460より降雪量が降り始めから10cm以上の場合もしくは暖気で気温が0℃以上の場合を抽出する(S15)。
次に、上記分析した結果より、除排雪判断決定部430が総合的な除排雪必要の決定(S16)を行う。
【0020】
図7は除排雪判断決定部430での判断基準の一例を示す図である。路面の凸凹が酷く・渋滞が酷い場合(431)や渋滞が酷く・降雪量が降り始めから10cm以上の場合(432)、路面の凸凹が酷く・気温が0℃以上の場合(433)等に除排雪判断決定部430による除排雪必要の決定が行われる。
【0021】
<ハードウェア構成>
図8は端末装置TM、並びに路面状況提供サーバ100、交通状況提供サーバ200、気象情報提供サーバ300、および除排雪判断支援システム400のハードウェア構成の一例を示す図である。本図は端末装置TMがスマートフォンなどの携帯電話である例を示している。端末装置TMは、例えば、CPU501、RAM502、ROM503、フラッシュメモリなどの二次記憶装置504、タッチパネル505、および無線通信モジュール506が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。道路パトロールアプリなどのアプリケーションプログラムは、ネットワークNWを介してダウンロードされ、二次記憶装置504に格納される。
各サーバは、例えば、NIC601、CPU602、RAM603、ROM604、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置605、およびドライブ装置606が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置606には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置605、またはドライブ装置606に装着された可搬型記憶媒体に記憶されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM603に展開され、CPU602によって実行されることで、各サーバの機能部が実現される。路面情報440、交通情報450、気象情報460、分析結果470、判断結果480は二次記憶装置605に格納される。
【0022】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0023】
100:路面状況提供サーバ
200:交通状況提供サーバ
300:気象情報提供サーバ
400:除排雪判断支援システム
410:情報取得部
420:分析部
430:除排雪判断決定部
440:路面情報
450:交通情報
460:気象情報
470:分析結果
480:判断結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積雪による路面の凸凹を含む路面に関する情報と、交通渋滞を含む交通状況に関する情報と、気象に関する情報とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された情報から得られる積雪路面状況と、交通状況と、気象情報とを分析する分析部と、
前記分析部により分析された結果から除排雪判断を決定する除排雪判断決定部と、
を備え、前記除排雪判断決定部により除排雪判断を決定するものであることを特徴とする除排雪判断支援システム。