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特開2023-46192ランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046192
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】ランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプ
(51)【国際特許分類】
   F23D 3/08 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
F23D3/08 610A
F23D3/08 620Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021173493
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】521463366
【氏名又は名称】青井 功恵
(72)【発明者】
【氏名】青井 功恵
(57)【要約】
【課題】 焼失欠損による芯材の交換がなく、半永久的に使用可能なランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプを提供すること。
【解決手段】液体燃焼材を毛細管現象によって吸上げ燃焼させるようにしたランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプである。ガラス管は上下貫通したガラスの管であり、ガラス棒は極細い形状のガラス棒である。ガラス管の内部にはガラス棒が複数本きっちり充填されている状態である。ガラス棒はガラス管の内部で毛細管現象が維持できる太さである。燃焼芯の下部が液体燃焼材に触れることにより毛細管現象によってガラス棒同士の隙間に液体燃焼材が吸い上げられ、燃焼芯の上部で燃焼をする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の内部に前記管より細い形状の棒を充填して芯材としたことを特徴とするランプに使用される芯体ユニット。
【請求項2】
前記管及び前記芯材にガラスを用いたことを特徴とする請求項1に記載のランプに使用される芯体ユニット。
【請求項3】
芯体ユニットの一端がランプの液体燃焼材の液面に浮上するようフロート部を設けたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のランプに使用される芯体ユニット。
【請求項4】
請求項1及び請求項2に記載のランプに使用される芯体ユニットとランプの液体燃焼材の容器とが一体成形されたことを特徴とするランプ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3に記載のランプに使用される芯体ユニットを使用したことを特徴とするランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半永久的に使用可能なランプに使用される芯体ユニットである燃焼芯及びこれを使用するランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
炎によるほのかな光を灯すランプやキャンドルは、装飾としての照明効果や癒しの効果を得るものとして、飲食店などの店舗や一般家庭などで現在も広く用いられている。このランプは、基本的には、液体燃焼材を溜める容器と、下部が容器内の液体燃焼材に浸るようにして容器に装入される燃焼芯とから成る。この燃焼芯としては一般に、天然繊維やガラス繊維の紐状芯が用いられる。
【0003】
従来のランプは燃焼芯に、一般に天然繊維やガラス繊維の紐状芯が用いられているが、これらの紐状芯の場合、先端の燃焼部が少しずつ焼損するため、定期的に交換することが必要となる。従って、従来のオイルランプの燃焼芯には、燃焼による焼失または劣化に対し、定期的な交換をしなければならない問題点があった。
【0004】
さらに、装飾としてのガラス製ランプに、ロープがぶら下がって入っている様は優美さに欠けるものであった。
【0005】
そのため、ランプの燃焼芯を金属繊維の撚り線として、定期的交換の必要がないオイル芯が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、燃焼時に発生して滴下する不燃物をランプ容器内に戻すようにしたランプ口金が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、こちらの提案には、ランプの芯体の定期的な交換に関しては開示がない。
【0007】
さらには、外観が経時的に変化せず、燃焼中、質感と装飾性を一定に保つようにしたランプが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、こちらの提案にも、ランプの芯体の定期的な交換に関しては開示がない。
【先行技術文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3149849号公報
【特許文献2】実用新案登録第3068230号公報
【特許文献3】特開2002-109921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の提案では、ランプの芯体が金属であることで酸化などにより経年劣化するという問題があった。これは、装飾性を追及する点においても、見た目を損なうこととなる。
【0010】
また、特許文献2、特許文献3の提案では、装飾性を改善しようとしているが、ランプの芯体を定期的に交換しなければならないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ランプの燃焼芯体をすべてガラス素材にしたことで、定期的交換の必要がないランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に記載の手段よりなる。
すなわち、
1)管の内部に前記管より細い形状の棒を充填して芯材としたことを特徴とするランプに使用される芯体ユニット。
2)前記管及び前記芯材にガラスを用いたことを特徴とする1)に記載のランプに使用される芯体ユニット。
3)芯体ユニットの一端がランプの液体燃焼材の液面に浮上するようフロート部を設けたことを特徴とする1)及び2)に記載のランプに使用される芯体ユニット。
4)1)及び2)に記載のランプに使用される芯体ユニットとランプの液体燃焼材の容器とが一体成形されたことを特徴とするランプ。
5)1)乃至3)に記載のランプに使用される芯体ユニットを使用したことを特徴とするランプ。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、交換の必要がなく装飾性に優れた、ランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に適用される燃焼芯の構成を示す斜視図である。
図2図1に示した実施形態の下部を加工したものを示す斜視図である。
図3図1に示した実施形態の上部の張り出し示す斜視図である。
図4図1に示した実施形態に浮力体の造形の構成を示す断面図である。
図5図1に示した実施形態に多様な造形の構成を示す断面図である。
図6】燃焼芯1aを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
図7】燃焼芯1cを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
図8】燃焼芯1bを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
図9】燃焼芯1bを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
図10】燃焼芯1dを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
図11】燃焼芯1aを用いた液体燃焼材ランプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るランプに使用される芯体ユニット及びこれを使用するランプを得るための好適な実施形態について説明する。
【0016】
図1、本実施の形態に係る燃焼芯を示す斜視図である。燃焼芯1aは、液体燃焼材を毛細管現象によって吸上げ燃焼させる燃焼芯である。ガラス管2は上下貫通したガラスの管であり、3は極細い形状のガラス棒である。ガラス管2の内部にはガラス棒3が複数本きっちり充填されている状態である。ガラス棒3はガラス管2の内部で毛細管現象が維持できる太さである。燃焼芯1aの下部が液体燃焼材に触れることにより毛細管現象によってガラス棒3同士の隙間に液体が吸い上げられ、燃焼芯1aの上部でガラス管2から突出したガラス棒3が空気に触れることで着火の際に燃焼をする。液体燃焼材が充満した部分がガラス管2内部にあるため、空気に触れる部分はガラス棒3が突出した部分のみになる。そのため、既存のロープ様の燃焼材のように空気に触れる部分が少なく口金の必要もない。安全かつシンプルな形状である。
【0017】
ガラス棒3の束は、ガラス管2より外れないように、固定してあってもなくてもどちらでもよい。
固定する場合には、ガラス棒2の束の先端及び下方を、毛細管現象が損なわれない程度に、ガラス管2及びガラス棒3を溶かし溶着することができる。先端の燃焼部分は毛細管現象を維持し液体燃焼材12が先端で空気に触れられる形状であれば、円錐状に整えられていても平らであってもどちらでよい。
【0018】
本発明では、燃焼部が少しずつ焼損することもなく芯体の定期交換の必要がなくなる、またガラス素材は酸化による経年劣化もほぼない。燃焼芯1aをガラス製にすることで、燃焼芯に液体燃焼材が吸い上げられる様も目視でき、その透明な様子も美しい。
【0019】
本発明では、燃焼芯自体が燃えることはなく、ガラス棒3によって吸い上げられた液体燃焼材が、ガラス管2の上部より突出したガラス棒3の部分によって、液体燃焼材自体が空気に触れることで、着火した際に燃焼が可能になる。
【0020】
液体燃焼材12が底部に少量であっても、燃焼芯1aの下部が接触していれば、毛細管現象により液体を吸い上げ使用可能であるため、経済的である。
【0021】
本発明に使用するガラスは、燃焼温度による変形が少ない、ホウ珪酸ガラス(ボロシリケイト)、一般に耐熱ガラスと呼ばれるものが好適である。
【0022】
図6は燃焼芯1aを使用したランプの一例である。燃焼芯1aが傾斜しすぎず安全に係止可能な大きさの開口部、もしくは底部がある容器6に液体燃焼材12を満たし、そこへ燃焼芯1aを差し込むだけで使用が可能である。
容器6は必ずしも素材を一にするガラスである必要はなく、陶器など別の素材であってもよい。
【0023】
図2はガラス管2の下部に燃焼芯1bのように隙間を成形したものである。
【0024】
図8のように容器8の底部にガラス芯が自立する形で一体成型した際、下部より液体燃料を取り込むための隙間を成形したものである。燃焼芯1bの隙間は小さな穴であってもよい。
【0025】
図9のように、一体成型においては必ずしも燃焼芯を容器の中心に位置させる必要はなく、液体燃焼材12を満たした容器9の底部に燃焼芯1bの下部が接する状態であればどのような形も可能であり、装飾性の面でも表現の幅が増える。
【0026】
図3は燃焼芯1cの上部に張り出しを成形したものである。
図7のように少し大きめの開口部がある容器7に突き刺しぶら下げた状態で使用する。
【0027】
燃焼芯1cの張り出し部分と容器7の開口部が擦り合わせられ密着している場合、内部に満たした液体燃焼材12が揮発性のある際にも好適な形状である。
【0028】
図4図5のように、ガラス芯の形状は、ガラス管の内部が毛細管現象によって燃料を吸い上げる機構を維持できれば、どのような形状にも加工が可能である。
【0029】
図4のように浮力を有するフロート部である浮力体4に燃焼芯1aを一体化させた浮き球付燃焼芯1d。液体燃焼材の液面に浮上するよう浮力を持たせたことで、どのような形状の器でも浮き球付き燃焼芯1dを液体燃焼材に浮かべることで使用することができる。液面に浮遊して燃焼芯1dが燃焼する様は優美でもある。
【0030】
図10のように、容器10に液体燃焼材12を満たし燃焼芯1dを浮かべ使用することも可能である。
これにより燃焼芯の毛細管現象の距離の限界による、器の高さなどに制限がなくなる。したがって容器10の大きさによっては、連続燃焼時間を長くすることも可能である。
【0031】
燃焼芯1dの浮力を有する浮力体4の部分は、燃焼芯の上部を液体燃料材に浸らない状態にできれば、必ずしも球体である必要はない。たとえば、中空の平らな形状でも浮力を維持できれば可能である。また浮力を確保した舟のような形状であってもよい。
【0032】
図8図10のように開口部が広くあるランプに使用する液体燃焼材12は、引火点が高いものを使用するのが好適である。
【0033】
図5のようにガラス芯本体に装飾5を施すことも可能である。
例としては着火の際に、あたかも花の造形物の中心から炎が現れるようにもできる。燃焼芯1eようなガラス造形の装飾にも表現の幅が広がるものである。
【0034】
毛細管現象を維持できればガラス管2はどのような形も可能である。必ずしも直線の棒状の必要はなく、湾曲していてもよい。筒の形状は円筒形でも角でも三角でもよい。
【0035】
図11では、容器11を満たした液体燃料材12の液面が、ガラス棒2の上部の燃焼部分を越えないような形状であれば、格納体積を増やすために特殊な形の容器11を成形することも可能である。
この場合、連結された室の液体はその量が減少すれば、容器11の最下部に溜まるような形状とするのがよい。
【0036】
また図8図9図10図11においては液体燃焼材を補充する場合には、容器の上の開口部から注ぐだけでよい。燃焼芯の先端が熱い状態でも、燃焼芯に触れることもなく補充が可能であり、安全である。
【0037】
本発明の燃焼芯1a~1eはいずれも毛細管現象を用いるランプの芯体構造にしているので、微小な隙間を設ける構造になっていて、水洗いすることができ芯体のメンテナンスが容易に可能となる。他の繊維を用いた芯体ではそれができない。
【符号の説明】
【0038】
1a 燃焼芯
1b~1e 成形の異なる燃焼芯
2 ガラス管
3 ガラス棒
4 浮力体
6~11 容器
12 液体燃焼材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管の内部に、ガラス管内部で毛細管現象が維持できる太さの前記ガラス管より細い形状のガラス棒を充填して芯材としたことを特徴とするランプに使用される芯体ユニット
【請求項2】
芯体ユニットの一端がランプの液体燃焼材の液面に浮上するようフロート部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のランプに使用される芯体ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のランプに使用される芯体ユニットとランプの液体燃焼材の容器とが一体成形されたことを特徴とするランプ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のランプに使用される芯体ユニットを使用したことを特徴とするランプ。