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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046218
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】什器システム
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/00 20060101AFI20230327BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A47C7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038824
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2021154359の分割
【原出願日】2021-09-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトの掲載日 :令和 3年 8月 3日 ウェブサイトのアドレス :オカムラマンスリーマガジン https://mailchi.mp/77c46bc9192f/monthly-magazine-vol22
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】桂木 大輔
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095AA02
3B095AB10
3B095AC03
(57)【要約】
【課題】様々な利用形態に対応可能で、効率良く製品管理を行うことができる什器システムを提供する。
【解決手段】什器システムは、設置面から上方に向かって延びる支柱と、支柱の上端部に接続されるとともに、設置面に沿って延びて利用者の荷重を支持可能な荷重支持部材と、を備えている。荷重支持部材は、設置面に沿う方向に延びる第1部と、第1部に接続され、設置面に沿う方向のうち第1部が延びる方向と交差する方向に延びる第2部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面から上方に向かって延びる支柱と、
前記支柱の上端部に接続されるとともに、前記設置面に沿って延びて利用者の荷重を支持可能な荷重支持部材と、を備え、
前記荷重支持部材は、
前記設置面に沿う方向に延びる第1部と、
前記第1部に接続され、前記設置面に沿う方向のうち前記第1部が延びる方向と交差する方向に延びる第2部と、を有する、什器システム。
【請求項2】
前記荷重支持部材は、上方を向き、上方からの荷重を支持可能な上部荷重支持面を有している請求項1に記載の什器システム。
【請求項3】
前記荷重支持部材は、上方から見て十字状に形成されている請求項1又は請求項2に記載の什器システム。
【請求項4】
前記支柱は、前記荷重支持部材のうち前記第1部と前記第2部とが交差する屈曲部以外の部分に設けられている請求項3に記載の什器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外周面が弾性部材で覆われた概略箱状のベンチブロックが床面に直置きされる構成が開示されている。このような構成のベンチブロックは、利用者がベンチブロック上に着座して利用される。
特許文献2には、挿入用支持部を備えた接地スタンド用の台座と、挿入用支持部に挿入されて起立状に固定保持される支持脚部と、支持脚部の所定の高さ位置に配されたクッション部材とを備えた立ち姿勢凭れ装置の構成が開示されている。このような構成の立ち位置姿勢凭れ装置は、利用者が立ち姿勢で腰から背中にかけてクッション部材に接触した状態で、クッション部材にもたれ掛かって使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-136393号公報
【特許文献2】特開2010-46239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたベンチブロックを、利用者が立ち姿勢でもたれ掛かって利用することは困難である。同様に、特許文献2に開示された立ち姿勢凭れ装置を、利用者が着座して利用することは困難である。したがって、ベンチブロック、立ち姿勢凭れ装置といった什器を提供する提供者は、それぞれの利用形態に合わせて、利用者が着座して利用する什器と、利用者が立ち姿勢でもたれ掛かって利用する什器とを個別に用意する必要がある。すると、製品点数の増加に伴う在庫コスト、管理コスト等の増加を招く。
本発明は、様々な利用形態に対応可能で、効率良く製品管理を行うことができる什器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る什器システムは、設置面から上方に向かって延びる支柱と、前記支柱の上端部に接続されるとともに、前記設置面に沿って延びて利用者の荷重を支持可能な荷重支持部材と、を備え、前記荷重支持部材は、前記設置面に沿う方向に延びる第1部と、前記第1部に接続され、前記設置面に沿う方向のうち前記第1部が延びる方向と交差する方向に延びる第2部と、を有する。
【0006】
本発明の一態様に係る什器システムにおいて、前記荷重支持部材は、上方を向き、上方からの荷重を支持可能な上部荷重支持面を有していてもよい。
【0007】
本発明の一態様に係る什器システムにおいて、前記荷重支持部材は、上方から見て十字状に形成されていてもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る什器システムにおいて、前記支柱は、前記荷重支持部材のうち前記第1部と前記第2部とが交差する屈曲部以外の部分であって、前記第1部の延伸方向両端部と、前記第2部の延伸方向両端部と、に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、様々な利用形態に対応可能で、効率良く製品管理を行うことができる什器システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る什器システムを、離間状態で使用する場合の構成を示す斜視図である。
図2】上記什器システムを、直置き状態で使用する場合の構成を示す斜視図である。
図3】上記ベースパネルを構成する什器本体、及びコーナー部材を示す斜視図である。
図4】上記什器本体を示す斜視図である。
図5】荷重支持部材の構成を示す断面図である。
図6】荷重支持部材を離間状態とする場合に、荷重支持部材に接続される支柱の上端部を示す斜視図である。
図7】離間状態において、支柱の上端部が接続された荷重支持部材を示す断面図である。
図8】上記実施形態の変形例に係る什器システムの構成を示す斜視図である。
図9】上記実施形態の他の変形例に係る什器システムの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明による什器システムを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る什器システム1を、離間状態で使用する場合の構成を示す斜視図である。図2は、什器システム1を、離間状態で使用する場合の構成を示す斜視図である。
図1図2に示すように、什器システム1は、ベースパネル10と、荷重支持部材50Aと、支柱100(図1参照)と、を主に備えている。
【0013】
ベースパネル10は、床面F上に設置される。ベースパネル10は、床面F上に複数枚を並べて配置するようにしてもよい。本実施形態では、ベースパネル10は、床面F上に、例えば、床面Fに沿った2方向にそれぞれ2枚ずつ、計4枚が並べて配置されている。
【0014】
各ベースパネル10は、上方から見て複数の角部Cを有する多角形状に形成されている。本実施形態において、ベースパネル10は、上方から見て4つの角部Cを有する平面視四角形状に形成されている。ベースパネル10は、3つの角部Cを有する平面視三角形状、6つの角部Cを有する六角形状等、他の多角形状であってもよい。また、ベースパネル10は、荷重支持部材50Aを支持できるものであれば、角部Cを有するものに限らず、例えば平面視円形状等であってもよい。
ベースパネル10は、所定の高さを有した箱状に形成されている。ベースパネル10は、什器本体20と、フロアパネル40と、を備えている。
【0015】
図3は、上記ベースパネル10を構成する什器本体20、及びコーナー部材30を示す斜視図である。図4は、上記什器本体20を示す斜視図である。
図3に示すように、什器本体20は、床面F上に設置されている。什器本体20は、フレーム21と、側板25と、コーナー部材30と、を備えている。
【0016】
図4に示すように、フレーム21は、柱部材22と、上部支持体23と、を有している。柱部材22は、ベースパネル10の各角部Cに配置されている。柱部材22は、フレーム21の四隅に配置されている。各柱部材22は、床面F上から起立している。各柱部材22は、上下方向Dvに延びる筒状をなしている。柱部材22の上端部には、部材支持孔28が形成されている。部材支持孔28には、支柱100の下端部が上方から挿入可能とされている。
【0017】
上部支持体23は、四隅の柱部材22の上端部に接続されている。上部支持体23は、床面Fよりも上方に離間した位置において上下方向Dvに直交する水平面に沿って配置されている。上部支持体23は、一対の第一横杆24Aと、一対の第一横杆24Aの間に配置された第二横杆24Bと、を有している。
【0018】
一対の第一横杆24Aは、それぞれ水平面に沿った水平第一方向Dh1に延びている。一対の第一横杆24Aは、上下方向Dv及び水平第一方向Dh1に直交する水平第二方向Dh2に間隔をあけて互いに平行に配置されている。各第一横杆24Aは、水平第一方向Dh1で隣り合う柱部材22同士の間に配置されている。各第一横杆24Aの両端部は、柱部材22の上端部に接続されている。
【0019】
第二横杆24Bは、一対の第一横杆24Aの間に架設されている。本実施形態において、第二横杆24Bは水平第一方向Dh1に間隔をあけて、例えば3本が用いられている。各第二横杆24Bは、水平第二方向Dh2に延びている。各第二横杆24Bの両端部は、第一横杆24Aに接続されている。これにより、上部支持体23は、上面から見てラダー状をなしている。
【0020】
側板25は、フレーム21の外側部に対して装着されている。側板25は、フレーム21において、水平第一方向Dh1、又は水平第二方向Dh2で隣り合う2本の柱部材22同士の間を塞ぐように配置されている。
【0021】
図3に示すように、コーナー部材30は、ベースパネル10の各角部Cに配置されている。コーナー部材30は、上部支持体23(及び柱部材22)によって下方から支持されている。コーナー部材30は、水平面に沿う板状をなしている。コーナー部材30は、上方から見て、例えば矩形状をなしている。コーナー部材30は、コーナー部材30を上下に貫通し、支柱100が挿入可能な貫通孔31を備えている。貫通孔31は、柱部材22の部材支持孔28(図4参照)に連通している。
【0022】
図1図2に示すように、フロアパネル40は、什器本体20上に載置されている。フロアパネル40は、上方から見て、略矩形状で、什器本体20とほぼ同じ寸法を有している。フロアパネル40は、什器本体20に対して着脱可能とされている。フロアパネル40は、その四隅でコーナー部材30上に載置されている。フロアパネル40の上面には、床面Fから上方に離間して、床面Fに沿って延びる上向き平面部(設置面)45を構成している。
【0023】
図1に示すように、ベースパネル10には、支柱100が装着可能とされている。支柱100が装着される場合、フロアパネル40には、支柱100の下端部が挿入可能な挿入孔41が形成されたものが用いられる。支柱100が装着されない場合、フロアパネル40には、挿入孔41が形成されていないものが用いられてもよい。
【0024】
挿入孔41は、フロアパネル40を什器本体20上に載置した状態で、コーナー部材30の貫通孔31、及び柱部材22の部材支持孔28に連通する。本実施形態において、挿入孔41、貫通孔31、及び部材支持孔28により、支柱100の下端部が接続可能なベース側接続部15の支柱挿入孔16が構成されている。
【0025】
荷重支持部材50Aは、ベースパネル10の上方に配置される。荷重支持部材50Aは、床面Fから上方に離間して、床面Fに沿う方向に延びている。本実施形態において、荷重支持部材50Aは、例えば上方から見て十字状に形成されている。荷重支持部材50Aは、第1部50Pと、第2部50Qと、を一体に有している。第1部50Pは、床面Fに沿う方向に延びている。第2部50Qは、床面Fに沿う方向のうち第1部50Pが延びる方向と交差(直交)する方向に延びている。第2部50Qは、第1部50Pの延伸方向中間部において、第1部50Pと交差している。このような荷重支持部材50Aは、平面視すると、第1部50Pと第2部50Qとが交差する部分に、屈曲部50Kを有している。
【0026】
図5は、荷重支持部材50Aの構成を示す断面図である。
図5に示すように、荷重支持部材50Aは、中空箱状の本体部51と、クッション部52と、表皮材53と、を備えている。
本体部51は、底板54と、側板55と、上板56と、を備えている。本体部51は、荷重支持部材50Aの外形に対応した形状、すなわち本実施形態では上方から見て十字状に形成されている。
【0027】
底板54は、荷重支持部材50Aの底部を構成する。底板54は、水平面に沿って延びている。側板55は、底板54の外周部から上方に延びている。側板55は、本体部51の外周側面を構成する。上板56は、側板55上に設けられている。上板56は、本体部51の上面を構成する。
【0028】
底板54の下面には、下方を向く下向き平面部57が形成されている。下向き平面部57は、荷重支持部材50Aの最下端面を構成する。底板54の所定位置には、支柱100の上端部が接続可能な支柱接続部58が形成されている。支柱接続部58は、下方を向く平面状に形成されている。本実施形態において、支柱接続部58は、底板54の下面から上方に窪んで形成されている。これにより、支柱接続部58は、下向き平面部57よりも上方に形成されている。なお、支柱接続部58は、下向き平面部57と同じ高さ、つまり下向き平面部57に連続して形成されていてもよい。
【0029】
クッション部52は、本体部51の側面、及び上面を覆うように設けられている。クッション部52は、スポンジ等、柔軟性、及び弾力性を有した多孔質材料等によって形成されている。表皮材53は、布系材料、レザー系材料等からなり、クッション部52の外表面を覆うように設けられている。
【0030】
このような荷重支持部材50Aは、利用者による荷重を受ける。ここで、利用者による荷重とは、利用者自身の荷重、及び利用者が所持する物品による荷重を含む。荷重支持部材50Aにおいて上方を向く上面は、上部荷重支持面59Tを構成する。上部荷重支持面59Tは、上方からの荷重を支持可能である。荷重支持部材50Aの側面(床面Fと沿う方向のうち荷重支持部材50Aの延伸方向(図5において紙面に直交する方向)に交差する方向(図5において紙面左右方向)を向く面)は、側部荷重支持面59Sを構成する。側部荷重支持面59Sは、利用者による側方からの荷重を支持可能である。
【0031】
このような荷重支持部材50Aは、直置き状態S1と、離間状態S2との、2つの使用形態で使用可能とされている。図2図5に示すように、直置き状態S1では、荷重支持部材50Aは、下向き平面部57がベースパネル10の上向き平面部45上に直接載置される。下向き平面部57は、上向き平面部45に向き合っている。下向き平面部57は、上向き平面部45に下方から支持される。下向き平面部57は、上向き平面部45に面接触している。このとき、図2に示すように、平面視十字状の荷重支持部材50Aの第1部50P、及び第2部50Qは、隣り合うベースパネル10どうしの継ぎ目Jを、上方から覆うように配置される。
【0032】
直置き状態S1では、利用者は、荷重支持部材50Aの上部荷重支持面59Tに着座したり、物品を載置したりすることができる。また、利用者は、ベースパネル10上に着座し、上半身を側部荷重支持面59Sにもたれ掛からせた姿勢をとることができる。
【0033】
図1に示すように、離間状態S2では、荷重支持部材50Aは、支柱100によって支持される。この状態で、荷重支持部材50Aは、ベースパネル10の上向き平面部45に対して上方に離間している。下向き平面部57は、上向き平面部45に向き合っている。荷重支持部材50Aの安定性を確保するため、支柱100は、3本以上設けるのが好ましい。本実施形態において、支柱100は、荷重支持部材50Aの第1部50Pの延伸方向両端部と、第2部50Qの延伸方向両端部とに、計4本が設けられている。本実施形態において、支柱100は、第1部50Pと第2部50Qとが交差する屈曲部50Kの下方には配置されていない。このため、利用者の下肢が不用意に支柱100に干渉することが抑えられる。なお、支柱100は、第1部50Pと第2部50Qとが交差する屈曲部50Kの下方に配置されていてもよい。
【0034】
図6は、荷重支持部材50Aを離間状態S2とする場合に、荷重支持部材50Aに接続される支柱100の上端部を示す斜視図である。図7は、離間状態S2において、支柱100の上端部が接続された荷重支持部材50Aを示す断面図である。
図6図7に示すように、支柱100は、2本一対の支柱部材101と、接続プレート102と、を一体に有している。2本一対の支柱部材101は、床面Fに沿う方向に間隔をあけて配置されている。各支柱部材101は、上下方向Dvに延びている。接続プレート102は、2本一対の支柱部材101の上端部に設けられている。接続プレート102は、水平面に沿って延びる板状に形成されている。接続プレート102は、2本一対の支柱部材101どうしを接続する。接続プレート102は、荷重支持部材50Aの支柱接続部58に下方から突き当てられた状態で、ボルト等によって支柱接続部58に接続される。
【0035】
図1に示すように、支柱100の下端部は、ベースパネル10のベース側接続部15に接続される。2本一対の支柱部材101は、それぞれ、隣り合うベースパネル10の角部Cに形成された支柱挿入孔16に挿入される。各支柱部材101の下端部は、フロアパネル40の挿入孔41、コーナー部材30の貫通孔31、及び柱部材22の部材支持孔28に上方から挿入される。
【0036】
このように、本実施形態では、荷重支持部材50Aが、直置き状態S1と、離間状態S2とに切り替え可能に構成されている。
このような構成によれば、直置き状態S1では、荷重支持部材50Aがベースパネル10上に直置きされて、荷重支持部材50Aの下向き平面部57がベースパネル10の上向き平面部45に支持される。この状態で、利用者は、荷重支持部材50A上に着座した姿勢、ベースパネル10上に着座して荷重支持部材50Aにもたれ掛かった姿勢等で、荷重支持部材50Aを利用することができる。また、離間状態S2では、支柱100が、ベースパネル10のベース側接続部15と荷重支持部材50Aの支柱接続部58との間に接続される。これにより、荷重支持部材50Aが、ベースパネル10から上方に延びる支柱100によって支持され、荷重支持部材50Aが、ベースパネル10の上向き平面部45に対して上方に離間する。この状態で、利用者は、ベースパネル10上に立ち、荷重支持部材50Aにもたれ掛かるような姿勢で、荷重支持部材50Aを利用することができる。このように、直置き状態S1と離間状態S2とで、ベースパネル10と荷重支持部材50Aとを共用しつつ、支柱100の有無によって、直置き状態S1と離間状態S2とを切り替えることが可能となっている。したがって、什器システム1を構成する部品の種類を抑えつつ、直置き状態S1と離間状態S2とを切り替えることができ、部品の開発コスト、在庫コスト、管理コスト等を抑えることができる。その結果、様々な利用形態に対応可能で、効率良く製品管理を行うことが可能な什器システム1を提供することが可能となる。
【0037】
本実施形態では、支柱接続部58は、下向き平面部57と同じ高さ、又は下向き平面部57よりも上方に形成されている構成とした。
このような構成によれば、直置き状態S1の場合、支柱接続部58が下向き平面部57よりも下方に突出せず、下向き平面部57が上向き平面部45に面接触するので、荷重支持部材50Aが安定して支持される。
【0038】
本実施形態では、支柱100の下端部が接続されるベース側接続部15が、ベースパネル10の角部Cに形成された支柱挿入孔16を備えている。
このような構成によれば、支柱100の下端部を支柱挿入孔16に挿入することで、荷重支持部材50Aを支持する支柱100を、ベースパネル10の角部Cに容易に装着することができる。
【0039】
本実施形態では、2本一対の支柱部材101が、それぞれ、隣り合うベースパネル10の角部Cに形成された支柱挿入孔16に挿入されている。これにより、隣り合うベースパネル10同士の位置決めを行うことができる。
【0040】
本実施形態では、ベースパネル10は、床面F上に複数枚並べて設置され、荷重支持部材50Aの少なくとも一部は、上方から見て、隣り合うベースパネル10どうしの継ぎ目Jと重なるように配置されている構成とした。
このような構成によれば、荷重支持部材50Aを直置き状態S1とする場合、荷重支持部材50Aの少なくとも一部によって、隣り合うベースパネル10どうしの継ぎ目Jが覆われる。これにより、什器システム1の外観の体裁を向上させることができる。
【0041】
本実施形態では、荷重支持部材50Aの第1部50Pと第2部50Qとが交差して延びる構成とした。
このような構成によれば、第1部50Pと第2部50Qとが交差する部分において、平面視において屈曲部50Kが形成される。荷重支持部材50Aが屈曲部50Kを有することで、利用者が、荷重支持部材50Aを様々な方向から利用することができ、荷重支持部材50Aの利便性が高まる。
【0042】
本実施形態では、荷重支持部材50Aは、上部荷重支持面59Tを有する構成とした。 このような構成によれば、荷重支持部材50Aは、上部荷重支持面59Tで、利用者による上方からの荷重を支持することができる。例えば、荷重支持部材50Aを直置き状態S1とした場合、利用者は、上部荷重支持面59Tに着座したり、物品を載置したりすることができる。また、荷重支持部材50Aを離間状態S2とした場合、利用者は、例えば、上部荷重支持面59T上に肘をついたり、物品を載置したりすることができる。
【0043】
本実施形態では、荷重支持部材50Aは、側部荷重支持面59Sを有する構成とした。 このような構成によれば、荷重支持部材50Aは、側部荷重支持面59Sで、利用者による側方からの荷重を支持することができる。例えば、荷重支持部材50Aを直置き状態S1とした場合、利用者は、ベースパネル10上に着座しで、上半身で荷重支持部材50Aの側部荷重支持面59Sにもたれ掛かった姿勢をとることができる。また、荷重支持部材50Aを離間状態S2とした場合、利用者は、ベースパネル10上に立ち、上半身や腰部で側部荷重支持面59Sにもたれ掛かった姿勢をとることができる。
【0044】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、荷重支持部材50Aを、上方から見て十字状としたが、これに限られない。例えば、図8に示すように、荷重支持部材50Bは、例えば、上方から見てL字状としてもよい。荷重支持部材50Bは、床面Fに沿う方向に延びる第1部50Rと、第1部50Rに接続され、床面Fに沿う方向のうち第1部50Rが延びる方向と交差する方向に延びる第2部50Sと、を有する。第2部50Sは、第1部50Rの延伸方向一端部に接続されている。このような荷重支持部材50Bは、第1部50Rと第2部50Sとが交差する部分において、平面視において屈曲した屈曲部50Kが形成されている。
【0045】
また、図9に示すように、荷重支持部材50Cは、例えば、上方から見てY字状としてもよい。荷重支持部材50Bは、床面Fに沿う方向に延びる第1部50Tと、第1部50Tに接続され、床面Fに沿う方向のうち第1部50Tが延びる方向と交差する2方向に延びる第2部50V、50Wと、を有する。第2部50V、50Wは、第1部50Tの延伸方向一端部から、V字状に分岐して延びている。このような荷重支持部材50Cは、第1部50Tと第2部50V、50Wとが交差する部分において、平面視において屈曲した屈曲部50Kが形成されている。
【0046】
これ以外にも、荷重支持部材は、例えば、上方から見て、T字状、Z字状、O字状等、様々な形状としてもよい。さらに、荷重支持部材は、上方からみて、床面Fに沿った一方向に直線状に延びる構成としてもよい。
【0047】
上述した実施形態では、荷重支持部材50A~50Cは、底板54、側板55、上板56からなる中空の箱型としたが、これに限られない。荷重支持部材50A~50Cは、中実の杆状としてもよい。
【0048】
上述した実施形態では、荷重支持部材50A~50Cは、複数枚のベースパネル10に跨がって設けられているが、これに限られない。荷重支持部材50A~50Cは、1枚のベースパネル10に設けられていてもよい。
【0049】
上述した実施形態では、直置き状態において、荷重支持部材50A~50Cの下向き平面部57を、ベースパネル10の上向き平面部45上に単に載置するようにしたが、これに限られない。例えば、下向き平面部57に、上向き平面部45との摩擦係数を高めるような部材を備えるようにしてもよい。また、ベース側接続部15を用い、荷重支持部材50A~50Cを、ボルト等によってベースパネル10に装着してもよい。
【0050】
上述した実施形態では、支柱100をベースパネル10のベース側接続部15の支柱挿入孔16に挿入するようにしたが、支柱100の下端部を強固にベースパネル10に接続できるのであれば、ベース側接続部15の構成は、例えば、支柱100の下端部に設けたプレートをベースパネル10にボルト等によって締結する等、適宜他の構成に変更可能である。
上述した実施形態では、ベースパネル10がコーナー部材30を備える構成について説明したが、この構成に限られない。ベースパネル10は、支柱100が支持(挿入)可能な構成であれば、コーナー部材30を備えない構成であってもよい。
【0051】
上述した実施形態では、支柱100を2本一対の支柱部材101を備える構成としたが、例えば一本の支柱部材を備える構成等、適宜他の構成に変更可能である。例えば、1本の支柱部材の下端部を、隣り合うベースパネル10の角部Cに跨がるように接続してもよい。
【0052】
上述した実施形態では、支柱100の下端部を接続するベース側接続部15を、ベースパネル10の角部Cに設けるようにしたが、ベース側接続部15は、ベースパネル10の角部C以外の適宜箇所に設けるようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
上述した実施形態に係る什器システム1の一部又は全部は、以下のように付記することができる。
[付記1]
設置面から上方に向かって延びる支柱と、
前記支柱の上端部に接続されるとともに、前記設置面に沿って延びて利用者の荷重を支持可能な荷重支持部材と、を備え、
前記荷重支持部材は、
前記設置面に沿う方向に延びる第1部と、
前記第1部に接続され、前記設置面に沿う方向のうち前記第1部が延びる方向と交差する方向に延びる第2部と、を有する、什器システム。
【0054】
本実施形態では、荷重支持部材の第1部と第2部とが交差して延びる構成とした。
このような構成によれば、第1部と第2部とが交差する部分において、平面視において屈曲部が形成される。荷重支持部材が屈曲部を有することで、利用者が、荷重支持部材を様々な方向から利用することができ、荷重支持部材の利便性が高まる。
【0055】
上述した実施形態では、荷重支持部材50Aを、上方から見て十字状としたが、これに限られない。例えば、荷重支持部材を、L字状(図8参照)、Y字状(図9参照)、T字状、Z字状等、他の形状としてもよい。
【0056】
上述した実施形態では、床面F上に設置されたベースパネル10の上面(上向き平面部45)を設置面とするようにしたが,これに限られない。床面(設置面)Fを、支柱100の設置面としてもよい。
上述した実施形態では、荷重支持部材50Aが下向き平面部57と支柱接続部58とを有し、直置き状態と離間状態とを切り替え可能に構成したが、この構成に限られない。例えば、荷重支持部材50Aは、延伸方向に直交する断面形状が円形状等、下向き平面部57や支柱接続部58を有さない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 什器システム
10 ベースパネル
15 ベース側接続部
16 支柱挿入孔
45 上向き平面部(設置面)
50A~50C 荷重支持部材
50P、50R、50T 第1部
50Q、50S、50V、50W 第2部
50K 屈曲部
57 下向き平面部
58 支柱接続部
59S 側部荷重支持面
59T 上部荷重支持面
100 支柱
C 角部
Dv 上下方向
F 床面(設置面)
J 継ぎ目
S1 直置き状態
S2 離間状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9