特開 2023-463 作業機械の制御盤

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023000463

(43)【公開日】2023-01-04

(54)【発明の名称】作業機械の制御盤

(51)【国際特許分類】

   E02F 9/00 20060101AFI20221222BHJP

【ＦＩ】

E02F9/00 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】2

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021101301

(22)【出願日】2021-06-18

(71)【出願人】

【識別番号】000246273

【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100136250

【弁理士】

【氏名又は名称】立石 博臣

(74)【代理人】

【識別番号】100198719

【弁理士】

【氏名又は名称】泉 良裕

(72)【発明者】

【氏名】古賀 信洋

(72)【発明者】

【氏名】田宮 和紀

(72)【発明者】

【氏名】坂口 暢也

(57)【要約】

【課題】制御ユニットを収容したインナーケースをアウターケースに固定する作業機械の制御盤において、機械稼働に伴うインナーケースの振動をより確実に吸収することが可能な技術の提供。
【解決手段】作業機械の制御盤は、アウターケース２とインナーケース３とを備える。アウターケース２の内部には、インナーケース３の上側領域において、梁５１と梁５２とが機械幅方向に離間した状態で機械前後方向に延伸するように設けられている。梁５１は、機械幅方向に関して梁５２よりも機械内側に配置される。インナーケース３の上面には、梁５１と梁５２との間において梁５１と間隙を隔てると共に梁５２と間隙を隔てて配置されるブラケット６が固定されている。ブラケット６と梁５１との間には防振マウント７１Ａ，７１Ｂが設けられ、ブラケット６と梁５２との間には防振マウント７２Ａ，７２Ｂが設けられている。
【選択図】図９

【特許請求の範囲】

【請求項1】

作業機械において機械側方側に設置される制御盤であって、
アウターケースと、
前記アウターケースの内部に固定されているインナーケースと、
前記インナーケースに収容されている制御ユニットと、
を備え、
前記アウターケースの内部には、前記インナーケースの上側領域において、内側梁と外側梁とが前記機械幅方向に離間した状態で機械前後方向に延伸するように設けられ、
前記内側梁は、機械幅方向に関して前記外側梁よりも機械内側に配置され、
前記インナーケースの上面には、前記内側梁と前記外側梁との間において前記内側梁と間隙を隔てると共に前記外側梁と間隙を隔てた状態で配置されるブラケットが固定されており、
前記ブラケットと前記内側梁との間には、前記ブラケットを前記内側梁に固定するための内側防振マウントが設けられ、
前記ブラケットと前記外側梁との間には、前記ブラケットを前記外側梁に固定するための外側防振マウントが設けられていることを特徴とする作業機械の制御盤。

【請求項2】

前記ブラケットは、コの字部とフランジ部とを含む断面ハット形状の板部材で構成されており、
前記コの字部の存在によって機械幅方向に形成される空隙には、前記外側防振マウントの固定ボルトと前記内側防振マウントの固定ボルトとの少なくとも一方が配置されることを特徴とする請求項１に記載の作業機械の制御盤。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、作業機械の制御盤に関し、より詳細には、制御ユニットを収容したインナーケースをアウターケースに固定した作業機械の制御盤に関する。

【背景技術】

【0002】

電動式油圧ショベル等の作業機械の中には、電気機器の制御を行うための制御盤を搭載するものが存在する。例えば、特許文献１では、電気モータ（１０）や各種電気機器を制御する制御盤（１３）を搭載した電動式油圧ショベルが開示されている。

【0003】

特許文献１の図５に示すように、制御盤（１３）は、アウターケース（２０）と、アウターケース（２０）の内部にスペーサ（３０）を介して収容されるインナーケース（２６）と、インナーケース（２６）の内部に収容される制御ユニット（２８）とを備えて構成されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１４－１２２４９６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上述した特許文献１では、インナーケース（２６）がスペーサ（３０）を介してアウターケース（２０）に固定されている。その結果、機械稼働に伴う振動がインナーケース（２６）にダイレクト（諸に）に伝わり、インナーケース（２６）に収容された制御ユニット（２８）が故障したり、破損したりする可能性がある。

【0006】

これに対して、本願の発明者らは、スペーサの代わりに、振動を吸収することが可能な公知の防振マウントを介してインナーケースをアウターケースに固定する構成を採用した。詳細には、本願発明者らは、インナーケースの下面に防振マウントを設けると共に、インナーケースの側面にも防振マウントを設けることで、インナーケースに伝わる振動を可能な限り吸収する構成を採用した。ただし、メンテナンス時におけるインナーケースへのアクセス性を確保するため、インナーケースの側面のうち機械外側を向く面には、防振マウントを設けることができなかった。

【0007】

上記構成において、作業機械が機械幅方向に揺動した場合には、インナーケースの側面うち機械内側を向く面に設けられた防振マウントによって振動を吸収することになる。防振マウントは、圧縮荷重に強く、引張荷重に弱いといった特性があるため、インナーケースが機械外側に引っ張られると、インナーケースの機械内側を向く面に設けられた防振マウントが破損するおそれがある。その場合、インナーケースに伝わる振動を十分に吸収することができないという問題が生じる。

【0008】

そこで、本発明は、制御ユニットを収容したインナーケースをアウターケースに固定する作業機械の制御盤において、機械稼働に伴うインナーケースの振動をより確実に吸収することが可能な技術を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記目的を達成するために、本発明は、作業機械において機械側方側に設置される制御盤であって、アウターケースと、前記アウターケースの内部に固定されているインナーケースと、前記インナーケースに収容されている制御ユニットと、を備え、前記アウターケースの内部には、前記インナーケースの上側領域において、内側梁と外側梁とが前記機械幅方向に離間した状態で機械前後方向に延伸するように設けられ、前記内側梁は、機械幅方向に関して前記外側梁よりも機械内側に配置され、前記インナーケースの上面には、前記内側梁と前記外側梁との間において前記内側梁と間隙を隔てると共に前記外側梁と間隙を隔てた状態で配置されるブラケットが固定されており、前記ブラケットと前記内側梁との間には、前記ブラケットを前記内側梁に固定するための内側防振マウントが設けられ、前記ブラケットと前記外側梁との間には、前記ブラケットを前記外側梁に固定するための外側防振マウントが設けられていることを特徴とする作業機械の制御盤を提供している。

【0010】

ここで、前記ブラケットは、コの字部とフランジ部とを含む断面ハット形状の板部材で構成されており、前記コの字部の存在によって機械幅方向に形成される空隙には、前記外側防振マウントの固定ボルトと前記内側防振マウントの固定ボルトとの少なくとも一方が配置されるのが好ましい。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、作業機械が機械内側に揺動した場合には内側防振マウントによってインナーケースの振動が吸収され、作業機械が機械外側に揺動した場合には外側防振マウントによってインナーケースの振動が吸収される。そのため、作業機械の機械幅方向の揺動に対して内側防振マウント又は外側防振マウントの一方に負荷が集中せず、故障や破損のリスクを低減できる。その結果、制御ユニットを収容したインナーケースをアウターケースに固定する作業機械の制御盤において、機械稼働に伴うインナーケースの振動をより確実に吸収することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の実施形態による電動式油圧ショベルを示す側面図。

【図2】図１のＩＩ矢視図。

【図3】キャブ後方に設置される制御盤を示す斜視図（Ａ）及び平面図（Ｂ）。

【図4】図３（Ｂ）のＩＶ－ＩＶ位置で鉛直方向に切断した断面図。

【図5】アウターケースから天板及び一部の側板を除去した斜視図。

【図6】アウターケースの内部に固定されるインナーケースを示す斜視図。

【図7】インナーケース上面に設けられるブラケットを示す斜視図。

【図8】インナーケースに装着された場合のブラケットの位置を示す斜視図。

【図9】インナーケースをアウターケースに固定した状態を示す斜視図。

【図10】図９の破線領域を拡大した拡大図。

【図11】図４の破線領域を拡大した拡大図。

【図12】変形例に係るブラケット及び防振マウントの配置関係を示す概念図。

【発明を実施するための形態】

【0013】

＜１．実施形態＞
本発明の実施形態による作業機械の制御盤について、図１から図１１を参照しながら説明する。以下では、作業機械の一例として、図１に示す電動式油圧ショベル１００を例示する。また、制御盤の一例として、電動式油圧ショベル１００に搭載される制御盤１を例示する。

【0014】

電動式油圧ショベル１００は、図示しない電動モーターによって各種油圧装置を作動させるための油圧ポンプを駆動する作業機械である。なお、電動モーターは、外部電源から供給された電力によって駆動する。

【0015】

図２に示すように、制御盤１は、電動式油圧ショベル１００のキャブ（運転室）の後方（詳細には、上部旋回体のうち機械左側方側）に設置されている。

【0016】

図３（Ａ）及び（Ｂ）に示すように、制御盤１は、底板、前後左右の側板及び天板によって覆われた直方体状の筐体として構成されている。

【0017】

図４に示すように、制御盤１は、アウターケース２と、アウターケース２に対して固定されるインナーケース３と、インナーケース３に収容される制御ユニット４とを備えて構成される。

【0018】

制御ユニット４は、図示しない電動モーターや各種電気機器に電気的に接続され、各部を適宜制御する。

【0019】

次に、図５を参照しながら、アウターケース２について詳細に説明する。なお、図５では、底板２１、縦柱材２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃ、後側板２５などを示す一方、内部を可視化すべく、前側板、右側板及び天板などを意図的に取り除いている。

【0020】

底板２１には、４つの防振マウント２１Ａ，２１Ｂ，２１Ｃ，２１Ｄが上面四隅に設けられている。これら４つの防振マウント２１Ａ～２１Ｄは、いずれも、インナーケース３の底側をアウターケース２の底板２１に固定するための固定部材であり、防振ゴムや固定ボルトなどを備えている。

【0021】

機械中心線側（機械内側）に配置される２本の縦柱材２３Ａ，２３Ｂは、機械前後方向に離間した状態で底板２１の上面に立設するように設けられている。縦柱材２３Ａ，２３Ｂには、２本の梁５１，５２が固定されている。具体的には、図１０及び図１１に示すように、２本の梁５１，５２は、アウターケース２の内部に固定されるインナーケース３の上側領域において、機械幅方向に離間した状態で機械前後方向に延伸するように設けられている。

【0022】

図１１に示すように、梁５１は、断面コの字状の部材で構成され、前後両端部が縦柱材２３Ａ，２３Ｂに対してボルトで固定されている。

【0023】

梁５２は、鉛直部５２１と水平部５２２とを含む断面Ｌ字状の部材で構成される。梁５２のうち鉛直部５２１は、後述の防振マウント７２Ａ，７２Ｂによって後述のブラケット６に固定される。梁５２のうち水平部５２２は、鉛直部５２１の上端から機械中心線側（機械内側）に延在している。梁５２のうち水平部５２２のうち機械中心線側の端部は、縦柱材２３Ａ，２３Ｂに対してボルトで固定されている。

【0024】

梁５１は、機械幅方向に関して梁５２よりも機械中心線側（機械内側）に配置されている。換言すれば、梁５２は、機械幅方向に関して梁５１よりも機械外側（機械左側）に配置されている。なお、梁５１は本発明に係る内側梁の一例であり、梁５２は本発明に係る外側梁の一例である。

【0025】

図５に示すように、縦柱材２３Ａ，２３Ｃには、梁５３が機械幅方向（左右方向）に延伸するように設けられている。梁５３には、防振ゴムや固定ボルトを備えた防振マウント５３Ａ，５３Ｂが設けられている。防振マウント５３Ａ，５３Ｂは、インナーケース３の前面側を梁５３に固定するための固定部材である。

【0026】

後側板２５には、防振ゴムや固定ボルトを備えた防振マウント２５Ａ，２５Ｂが内側の面に設けられている。防振マウント２５Ａ，２５Ｂは、インナーケース３の後面側を後側板２５に固定するための固定部材である。

【0027】

続いて、図６を参照しながら、インナーケース３について詳細に説明する。図６に示すように、インナーケース３は、直方体形状を有する箱部材として構成されている。

【0028】

インナーケース３の下面には、断面コの字形状の脚部材３２Ａ，３２Ｂが設けられている。４つの防振マウント２１Ａ～２１Ｄ（図５参照）を脚部材３２Ａ，３２Ｂに装着することで、インナーケース３の底側がアウターケース２の底板２１に対して固定される。

【0029】

インナーケース３の上面３１のうち右側面側には、後述の防振マウント７１Ａ，７１Ｂ（図１０及び図１１参照）を介して後述のブラケット６（図７参照）を取り付けるための取付部材３３Ａ，３３Ｂが設けられている。

【0030】

また、インナーケース３の上面３１のうち前面側には、防振マウント５３Ａ，５３Ｂ（図５参照）を介してインナーケース３をアウターケース２の梁５３に取り付けるための取付部材３５Ａ，３５Ｂが設けられている。

【0031】

更に、インナーケース３の上面３１のうち後面側には、防振マウント２５Ａ，２５Ｂ（図５参照）を介してインナーケース３をアウターケース２の後側板２５に取り付けるための取付部材３７Ａ，３７Ｂが設けられている。

【0032】

続いて、図７を参照しながら、インナーケース３の上面３１に設けられた取付部材３３Ａ，３３Ｂに対して取り付けられるブラケット６について詳細に説明する。

【0033】

図７に示すように、ブラケット６は、コの字部６１とフランジ部６２Ａ，６２Ｂとを含む断面ハット形状を有する曲げ板部材である。

【0034】

コの字部６１は、図６の取付部材３３Ａ，３３Ｂの側（機械外側）に突出する部分である。コの字部６１の内側には、空隙ＶＤ１が形成されている。コの字部６１には、後述の防振マウント７２Ａ，７２Ｂの右側固定ボルト７２Ｒを挿通するための挿通孔が２箇所に形成されている。

【0035】

また、フランジ部６２Ａ，６２Ｂは、コの字部６１の長手方向両端にそれぞれ設けられている。フランジ部６２Ａ，６２Ｂのうち機械左側（機械外側）には、コの字部６１の突出に伴って空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２が形成されている。また、フランジ部６２Ａ，６２Ｂには、後述の防振マウント７１Ａ，７１Ｂの左側固定ボルト７１Ｌを挿通するための挿通孔がそれぞれ形成されている。

【0036】

図８に示すように、ブラケット６は、フランジ部６２Ａ，６２Ｂのうち機械外側（機械左側）を向く面が取付部材３３Ａ，３３Ｂにそれぞれ接するようにインナーケース３の上面３１に設置される。なお、ブラケット６は、後述の防振マウント７１Ａ，７１Ｂによって取付部材３３Ａ，３３Ｂに固定される。

【0037】

図９及び図１０に示すように、ブラケット６は、梁５１と梁５２の鉛直部５２１との間において梁５１と間隙を隔てると共に梁５２の鉛直部５２１と間隙を隔てた状態で配置されている。

【0038】

梁５１とブラケット６のフランジ部６２Ａ，６２Ｂとの間には、防振ゴムや固定ボルトを備えた防振マウント７１Ａ，７１Ｂがそれぞれ設けられている。防振マウント７１Ａ，７１Ｂは、ブラケット６を梁５１に固定することでインナーケース３をアウターケース２に固定する。なお、防振マウント７１Ａ，７１Ｂは、本発明に係る内側防振マウントの一例である。

【0039】

防振マウント７１Ａ，７１Ｂは、いずれも、機械右側（機械中心線側）に延びる右側固定ボルト７１Ｒと、機械左側に延びる左側固定ボルト７１Ｌを備えている。右側固定ボルト７１Ｒは、梁５１を貫通した状態でナットにより固定される。左側固定ボルト７１Ｌは、ブラケット６のフランジ部６２Ａ，６２Ｂを貫通した状態でナットにより固定される。なお、フランジ部６２Ａ，６２Ｂを貫通した左側固定ボルト７１Ｌは、上述の空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２（図７参照）にそれぞれ配置される。

【0040】

図１０に示すように、梁５２とブラケット６のコの字部６１との間には、防振ゴムや固定ボルトを備えた２個の防振マウント７２Ａ，７２Ｂがそれぞれ設けられている。防振マウント７２Ａ，７２Ｂは、ブラケット６を梁５２に固定することでインナーケース３をアウターケース２に固定する。なお、防振マウント７２Ａ，７２Ｂは、本発明に係る外側防振マウントの一例である。

【0041】

防振マウント７２Ａ，７２Ｂは、いずれも、機械右側（機械中心線側）に延びる右側固定ボルト７２Ｒと、機械左側に延びる左側固定ボルト７２Ｌを備えている。右側固定ボルト７２Ｒは、ブラケット６のコの字部６１を貫通した状態でナットにより固定される。なお、コの字部６１を貫通した右側固定ボルト７２Ｒは、上述の空隙ＶＤ１（図７参照）に配置される。左側固定ボルト７２Ｌは、梁５２の鉛直部５２１を貫通した状態でナットにより固定される。

【0042】

なお、図１１に示すように、防振マウント７２Ｂは、防振マウント７１Ｂよりも上側に配置されている。また、図示は省略するが、機械前側の防振マウント７２Ａも、機械前側の防振マウント７１Ａよりも上側に配置されている。

【0043】

上述した実施形態によれば、電動式油圧ショベル１００が機械内側（機械中心線側）に揺動した場合には、図１０に示す防振マウント７１Ａ，７１Ｂによってインナーケース３の振動が吸収される。また、電動式油圧ショベル１００が機械外側（機械左側）に揺動した場合には、図１０に示す防振マウント７２Ａ，７２Ｂによってインナーケース３の振動が吸収される。

【0044】

そのため、電動式油圧ショベル１００の機械幅方向の揺動に対して防振マウント７１Ａ，７１Ｂ又は防振マウント７２Ａ，７２Ｂの一方に負荷が集中せず、故障や破損のリスクを低減できる。その結果、制御ユニット４を収容したインナーケース３をアウターケース２に固定する電動式油圧ショベル１００の制御盤１において、機械稼働に伴うインナーケース３の振動をより確実に吸収することが可能である。

【0045】

また、上述した実施形態では、ブラケット６がコの字部６１とフランジ部６２Ａ，６２Ｂを含む断面ハット形状で構成されている。これにより、コの字部６１の内側に空隙ＶＤ１（図７参照）が形成され、フランジ部６２Ａ，６２Ｂの機械左側（機械外側）に空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２（図７参照）が形成される。

【0046】

そのため、防振マウント７２Ａ，７２Ｂの右側固定ボルト７２Ｒを空隙ＶＤ１（図７参照）に配置すると共に、防振マウント７１Ａ，７１Ｂの左側固定ボルト７１Ｌを空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２（図７参照）にそれぞれ配置することが可能である。その結果、曲げを有しない平板状の板部材でブラケットが構成され、当該ブラケットの左右両側に防振マウントが配置される構成に比べて、機械幅方向に関して比較的コンパクト（省スペース）に構成することができ、インナーケース３上側の機器配置スペースを広く確保することが可能になる。

【0047】

また、上述した実施形態では、図６に示すように、インナーケース３の下面に脚部材３２Ａ，３２Ｂが設けられ、防振マウント２１Ａ～２１Ｄ（図５参照）が脚部材３２Ａ，３２Ｂに装着される構成になっている。また、インナーケース３の上面３１のうち前面側には取付部材３５Ａ，３５Ｂが設けられ、防振マウント５３Ａ，５３Ｂ（図５参照）が取付部材３５Ａ，３５Ｂに取り付けられる構成になっている。更に、インナーケース３の上面３１のうち後面側には取付部材３７Ａ，３７Ｂが設けられ、防振マウント２５Ａ，２５Ｂ（図５参照）が取付部材３７Ａ，３７Ｂに取り付けられる構成になっている。

【0048】

そのため、アウターケース２にインナーケース３の固定する作業において、インナーケース３の内部にアクセスする必要がなく、インナーケース３の外部からマウント作業を行うことが可能である。

【0049】

＜２．変形例＞
本発明による作業機械の制御盤は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。

【0050】

例えば、上述した実施形態では、図１２（Ａ）に示すように、防振マウント７２Ａ，７２Ｂの右側固定ボルト７２Ｒが空隙ＶＤ１に配置され、防振マウント７１Ａ，７１Ｂの左側固定ボルト７１Ｌが空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２にそれぞれ配置される場合を例示したが、これに限定されない。

【0051】

図１２（Ｂ）に示すように、ブラケット６を左右対称となるように配置し、防振マウント７１Ａ，７１Ｂの左側固定ボルト７１Ｌが空隙ＶＤ１に配置され、防振マウント７２Ａ，７２Ｂの右側固定ボルト７２Ｒが空隙ＶＤ２１，ＶＤ２２にそれぞれ配置されるようにしてもよい。

【0052】

また、上述した実施形態では、電動式油圧ショベルに搭載された制御盤に本発明を適用する場合を例示したが、これに限定されない。他の作業機械、例えば、エレベーターキャブを備えた油圧ショベルに搭載される制御盤に本発明を適用するようにしてもよい。

【産業上の利用可能性】

【0053】

以上のように本発明に係る作業機械の制御盤は、例えば、電動モーターで駆動力を発生する電動式油圧ショベルなどに搭載するのに適している。

【符号の説明】

【0054】

１ 制御盤
２ アウターケース
３ インナーケース
４ 制御ユニット
６ ブラケット
２１ 底板
２１Ａ，２１Ｂ，２１Ｃ，２１Ｄ 防振マウント
２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃ 縦柱材
２５ 後側板
２５Ａ，２５Ｂ 防振マウント
３２Ａ，３２Ｂ 脚部材
３３Ａ，３３Ｂ 取付部材
３５Ａ，３５Ｂ 取付部材
３７Ａ，３７Ｂ 取付部材
５１，５２，５３ 梁
５３Ａ，５３Ｂ 防振マウント
６１ コの字部
６２Ａ，６２Ｂ フランジ部
７１Ａ，７１Ｂ 防振マウント
７１Ｌ，７２Ｌ 左側固定ボルト
７１Ｒ，７２Ｒ 右側固定ボルト
７２Ａ，７２Ｂ 防振マウント
１００ 電動式油圧ショベル
５２１ 鉛直部
５２２ 水平部
ＶＤ２１，ＶＤ２２ 空隙

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】