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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046365
(43)【公開日】2023-04-04
(54)【発明の名称】17の倍数の判別カードおよび用具
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/02 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
G09B19/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021172713
(22)【出願日】2021-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】592234425
【氏名又は名称】中元 恒
(71)【出願人】
【識別番号】593142204
【氏名又は名称】中元 保子
(72)【発明者】
【氏名】中元 恒
(72)【発明者】
【氏名】中元 保子
(57)【要約】
【課題】 2桁以上のある自然数が17の倍数か否かを判別するには、計算に手間がかかることが多かった。本発明は、2桁以上の自然数について、17の倍数を判別するに際し、比較的簡単に判別できるようになった。そこで、計算資料、教育資料や計数処理に役立てたり、素数の17の倍数の判別に利用できるほか、因数分解にも役立てることが可能となった。
【解決手段】 2桁以上のある自然数(10a+b)について、17の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=17N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、a-5b=17(3a-5N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に17かマイナス17や34(34は17の2倍)かマイナス34あるいはゼロになるので、もとの自然数が17の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数についてこのような操作の繰り返しを利用することによって、17の倍数を簡単に判別するカードや計算資料、教育資料、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料を提供できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2桁以上のある自然数(10a+b)について、17の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=17N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数 、以下同じ)ならば、(a-5b)=17(3a-5N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に17かマイナス17や34(34は17の2倍)かマイナス34あるいはゼロになるので、もとの自然数が17の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a-5b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a-5b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a-5b)の操作を行って、得られる数字が2桁の17の倍数(正か負)あるいはゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、17の倍数を判別するカード及び用具。
【請求項2】
2桁以上のある自然数(10a+b)について、17の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=17N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a-5b)=17(3a-5N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に17かマイナス17や34(34は17の2倍)かマイナス34あるいはゼロになるので、もとの自然数が17の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a-5b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a-5b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a-5b)の操作を行って、得られる数字が2桁の17の倍数(正か負)あるいはゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、17の倍数を判別するカード及び計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具。
【請求項3】
2桁以上のある自然数(10a+b)について、17の倍数か否かを判別するに際し、10a+b=17N(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、Nは1以上の整数、以下同じ)ならば、(a-5b)=17(3a-5N)となる。このような操作を繰り返すと、もとの自然数の桁数が操作1回で基本的に1桁ずつ少なくなり、最終的に17かマイナス17や34(34は17の2倍)かマイナス34あるいはゼロになるので、もとの自然数が17の倍数であることが判明する。そこで、もとの自然数(10a+b)について、(a-5b)の操作を行い、得られる数字に同様の(a-5b)の操作を行う。さらに、ここでも得られる数字に(a-5b)の操作を行って、得られる数字が2桁の17の倍数(正か負)あるいはゼロになるまでこのような操作を順に繰り返すことを利用する、17の倍数を判別する筆記資料および表示資料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な数字や桁数の多い数字(ある自然数)を因数分解したり、その約数を見つけたり、素数の判別や計数処理に役立ち、17の倍数か否かを判別することや、更に計数処理に応用できるカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具及び筆記資料、表示資料に関する。
【背景技術】
【0002】
大きい数字(ある自然数)を因数分解したり、約したりすることはよく行われることであり、従来より、2、3、4、5、6、8、9、11等の素数やその数倍の数字の倍数を判別することはよく知られている。
【0003】
また、7の倍数を判別することは、例えば、特開平06-149149などの特許文献に記載されている。
【0004】
しかし、17の倍数を判別することはあまり知られていないが、例えば以下に示す特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06-149149号公報
【特許文献2】特開平07-5802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の先行技術文献よりも、2桁以上の17の倍数を簡単に判別することができるものであり、特に、桁数の多い自然数について、17の倍数か否かを判別するのに役立てたり、計数処理に利用したり、素数の判別や因数分解などに役立てるものである。
従来の先行技術文献でも17の倍数を判別することができたが、さらに簡単に判別できるようにすることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、17N(Nは1以上の整数、以下同じ)で表される17の倍数の自然数を(10a+b)(aは1以上の整数、bは0又は1桁の整数、以下同じ)で表すとすると、10a+b=17Nより、b=17N-10aになる。すると、a-5b=17(3a-5N)となるので、a-5bは17の倍数になる。そのため、このような1回の操作で(10a+b)の自然数の数字の桁数が基本的に1桁少なくなる。そこで、1桁少なくなった数字に、上記の操作を繰り返すと、桁数が基本的にさらに1桁少なくなる。その操作を何回も繰り返すと最後には桁数が2桁の17かマイナス17や34(34は17の2倍)かマイナス34あるいはゼロになるので、もとの自然数(10a+b)は、(a-5b)の操作の繰り返しで17の倍数であることが判明する。
【0008】
本発明は上記の方法を応用した2桁以上の17の倍数を判別するカードや計算資料、教育資料、事務器具、計算機、電気機器、パソコン、磁気媒体、記録媒体、電子媒体、映像などの用具あるいは筆記資料、表示資料として利用するものであり、その材料は特に制限はなく、公知のものが使用でき、その大きさも利用目的によって自由に設定することができる。
【0009】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は2桁以上の自然数(桁数に拘わらず、上限は特に制限なし)に利用できるものであり、本発明では、例示として、2~10桁の数字で行った。
【実施例0010】
17の倍数の2桁~3桁の自然数(34、51,68、85,102、119、136、153、170、187)について、上記の(a-5b)の操作を行うと、それぞれ(マイナス17、0、マイナス34、マイナス17、0、マイナス34、マイナス17、0、17、マイナス17)となるので、最終的には、17かマイナス17やマイナス34(34は17の2倍)あるいはゼロになる。
【実施例0011】
自然数が4桁の7973が17の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは797、bは3になる。上記の(a-5b)は(797-5×3=782)になる。さらにこの782についてaは78、bは2なので、a-5b=78-5×2=68なる。ついで、この68について、aは6、bは8なので、a-5bは6-5×8=マイナス34になる。そこで、7973は17の倍数であることがわかる。
【実施例0012】
自然数が6桁の883014が17の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは88301、bは4になる。上記の(a-5b)は(88301-5×4=88281)になり、この88281についての(a-5b)は(8828-5×1=8823)、この8823についての(a-5b)は(882-5×3=867)になり、ついで、867についての(a-5b)は(86-5×7=51)。51についての(a-5b)は(5-5×1)=ゼロになる。そこで、883014が17の倍数であることがわかる。
【実施例0013】
自然数が7桁の5676589が17の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは567658、bは9になる。そこで、上記の(a-5b)は(567658-5×9=567613)になり、この567613についての(a-5b)は(56761-5×3=56746)になる。次に、56746のaは5674、bは6なので(a-5b)=5674-5×6=5644。同様にすると、5644は544、544は34になる。
34は17の2倍なので、5676589が17の倍数であることが分かる。
【実施例0014】
自然数が8桁の70351848が17の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは7035184、bは8になる。この70351848について、上述した(a-5b)の操作をすると7035144、同様な操作で、順に7035144は703494、703494は70329、70329は6987、6987は663、663についての同様な操作で51になり、51について同様な操作でゼロになる。そこで、70351848は17の倍数であることが分かる。
【実施例0015】
自然数が10桁の5689178469が17の倍数か否かを判別する。ここでは、(10a+b)のaは568917846、bは9になる。この5689178469について、(a-5b)の操作をすると、568917801、次いで568917801について同様の(a-5b)の操作をすると56891775、同様な操作で、この56891775は5689152、同様にして順に5689152は568905、568905は56865、56865は5661、5661は561、561は51、51はゼロになる。そこで、5689178469は17の倍数であることが分かる。
【比較例1】
【0016】
自然数が4桁の6258が17の倍数か否か判別する。6258について、(10a+b)のaは625、bは8になる。この6258について、(a-5b)の操作をすると585になり、この585についての同様の操作で33になるので、6258は17の倍数でないことが分かる。
【比較例2】
【0017】
自然数が6桁の575641が17の倍数か否かを判別する。575641について、(10a+b)のaは57564、bは1になる。この575641について、(a-5b)の操作をすると57559、57559についての同様の操作で5710、同様にして順に5710は571、571は52になる。52は17の倍数でないので、575641は17の倍数でないことが分かる。
【比較例3】
【0018】
自然数が10桁の9676675678が17の倍数か否かを判別する。9676675678について、(10a+b)のaは967667567、bは8になる。この9676675678について、(a-5b)の操作をすると967667527、967667527についての同様の操作で96766717、同様にして順に96766717は9676636は967633、967633は96748、96748は9634、9634は943、943は79、79はマイナス38になる。38は17の倍数でないので、9676675678は17の倍数でないことが分かる。
【発明の効果】
【0019】
以上のごとく、本発明は2桁以上の(10a+b)(aは1以上の整数、bはゼロ又は1桁の整数)で表される自然数について、17の倍数か否かを従来よりも容易に判別できるので、ある自然数が素数か否かを判別するのに役立つほか、計数処理に利用したり、因数分解がやりやすくなるため、教育、計算機分野ばかりでなく計数処理を扱う分野など、その他の産業分野にも幅広い利用が可能である。