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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046370
(43)【公開日】2023-04-04
(54)【発明の名称】車両および車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/24 20190101AFI20230328BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230328BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230328BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20230328BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B60L53/24
B60L3/00 S
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02H7/18
H02H7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001912
(22)【出願日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0125678
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 ヨン 鉉
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G053AA02
5G053AA08
5G053BA04
5G053CA04
5G053DA01
5G053DA03
5G053EB01
5G053EC01
5G053FA05
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC07
5G503DA19
5G503EA08
5G503FA06
5G503FA16
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125BC23
5H125BE02
5H125CD02
5H125EE13
5H125EE16
(57)【要約】
【課題】本発明は、マルチ充電時に発生するリレーの融着を強制解除させ、リレーの作動によりマルチ充電が可能なブーストコンバータ(Boost Converter)を提供する。
【解決手段】
本発明は、バッテリーと入力電圧が供給されるモータ、モータに供給された前記入力電圧を昇圧して前記バッテリーに出力するインバータと入力電圧を測定する電圧測定部とモータの中性点と連結されたスイッチング部とスイッチング部の融着の有無を判断し、判断結果に基づいてスイッチング部のon/offを繰り返し、電圧測定部に印加される第1電圧を測定し、電圧測定部を放電させた後に電圧測定部に印加される第2電圧を測定し、第1電圧と前記第2電圧を比較し、比較結果に基づいてスイッチング部の融着が解除されると、バッテリーの充電を進行する制御部を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー、
入力電圧が供給されるモータ、
前記モータに供給された前記入力電圧を昇圧して前記バッテリーに出力するインバータ、
前記入力電圧を測定する電圧測定部、
前記モータの中性点と連結されたスイッチング部、および
前記スイッチング部の融着の有無を判断し、前記判断結果に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返し、前記電圧測定部に印加される第1電圧を測定し、前記電圧測定部を放電させた後に前記電圧測定部に印加される第2電圧を測定し、前記第1電圧と前記第2電圧を比較し、前記比較結果に基づいて前記スイッチング部の融着が解除されると、前記バッテリーの充電を進行する制御部、を含むことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記制御部は、
前記スイッチング部の融着が維持されたものと判断されると、予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部は、
前記車両の始動がかかり、前記車両の充電口が閉まったものと判断されると、前記予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記スイッチング部の融着情報を表示する表示部をさらに含み、
前記制御部は、
前記スイッチング部が融着されると前記表示部に前記スイッチング部の故障を表示することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記制御部は、
インバータを含み、前記インバータのスイッチングを通じて前記電圧測定部を強制放電させることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記制御部は、
前記インバータのスイッチングに基づいて電圧を昇圧することを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記制御部は、
前記スイッチング部に印加される電圧を保存することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項8】
スイッチング部に印加される電圧を測定し、
前記スイッチング部の融着の有無を判断し、前記判断結果に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返し、前記スイッチング部に印加される第1電圧を決定し、前記電圧測定部を放電させた後に前記スイッチング部に印加される第2電圧を決定し、前記第1電圧と前記第2電圧を比較し、比較結果に基づいて前記バッテリーの充電進行の有無を決定するように制御することを含むことを特徴とする車両の制御方法。
【請求項9】
前記制御することは、
前記スイッチング部の融着が維持されたものと判断されると、予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを含むことを特徴とする請求項8に記載の車両の制御方法。
【請求項10】
前記制御することは、
車両の始動がかかり、前記車両の充電口が閉まったものと判断されると、前記予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを含むことを特徴とする請求項9に記載の車両の制御方法。
【請求項11】
前記スイッチング部の融着情報を表示することをさらに含み、
前記制御することは、
前記スイッチング部が融着されると前記スイッチング部の故障を表示することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の車両の制御方法。
【請求項12】
前記制御することは、
インバータをスイッチングすることをさらに含み、
前記インバータのスイッチングを通じて前記電圧測定部を強制放電させることを特徴とする請求項8に記載の車両の制御方法。
【請求項13】
前記制御することは、
前記インバータのスイッチングに基づいて電圧を昇圧することを含むことを特徴とする請求項12に記載の車両の制御方法。
【請求項14】
前記制御することは、
前記スイッチング部に印加される電圧を保存することを含むことを特徴とする請求項8に記載の車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両および車両の制御方法に係り、より詳しくは、車両に設けられた装置を活用して車両用バッテリーをマルチ充電できる車両および車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来はバッテリーを充電するためにマルチ充電を利用した急速充電方式を活用していた。マルチ充電方式は車両の構成品を利用して低い電圧の充電電圧を昇圧させてバッテリーを急速充電する方式である。
【0003】
このようなマルチ充電方式をするためにはマルチ急速充電用リレーが必要であるが、マルチ急速充電用リレーが融着される場合に安全の問題が発生することがあり、既存の充電装置はマルチ急速充電用リレーが融着される場合に充電を遮断する。したがって、マルチ急速充電用リレーの融着を強制的に解除し、継続してバッテリーの充電を維持する技術の開発が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-255404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が目的とするところは、マルチ充電時に発生するリレーの融着を強制解除させ、リレーの作動によりマルチ充電が可能なブーストコンバータ(Boost Converter)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バッテリー、入力電圧が供給されるモータ、前記モータに供給された前記入力電圧を昇圧して前記バッテリーに出力するインバータ、前記入力電圧を測定する電圧測定部、前記モータの中性点と連結されたスイッチング部、および前記スイッチング部の融着の有無を判断し、前記判断結果に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返し、前記電圧測定部に印加される第1電圧を測定し、前記電圧測定部を放電させた後に前記電圧測定部に印加される第2電圧を測定し、前記第1電圧と前記第2電圧を比較し、前記比較結果に基づいて前記スイッチング部の融着が解除されると、前記バッテリーの充電を進行する制御部、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記制御部は、前記スイッチング部の融着が維持されたものと判断されると、予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを特徴とする。
【0008】
前記制御部は、前記車両の始動がかかり、前記車両の充電口が閉まったものと判断されると、前記予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを特徴とする。
【0009】
前記スイッチング部の融着情報を表示する表示部をさらに含み、前記制御部は、前記スイッチング部が融着されると前記表示部に前記スイッチング部の故障を表示することを特徴とする。
【0010】
前記制御部は、インバータを含み、前記インバータのスイッチングを通じて前記電圧測定部を強制放電させることを特徴とする。
【0011】
前記制御部は、前記インバータのスイッチングに基づいて電圧を昇圧することを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、前記スイッチング部に印加される電圧を保存することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、スイッチング部に印加される電圧を測定し、前記スイッチング部の融着の有無を判断し、前記判断結果に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返し、前記スイッチング部に印加される第1電圧を決定し、前記電圧測定部を放電させた後に前記スイッチング部に印加される第2電圧を決定し、前記第1電圧と前記第2電圧を比較し、比較結果に基づいて前記バッテリーの充電進行の有無を決定するように制御することを含むことを特徴とする。
【0014】
前記制御することは、前記スイッチング部の融着が維持されたものと判断されると、予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを含むことを特徴とする。
【0015】
前記制御することは、車両の始動がかかり、前記車両の充電口が閉まったものと判断されると、前記予め設定された回数に基づいて前記スイッチング部のon/offを繰り返すことを含むことを特徴とする。
【0016】
前記スイッチング部の融着情報を表示することをさらに含み、前記制御することは、前記スイッチング部が融着されると前記スイッチング部の故障を表示することをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
前記制御することは、インバータをスイッチングすることをさらに含み、前記インバータのスイッチングを通じて前記電圧測定部を強制放電させることを特徴とする。
【0018】
前記制御することは、前記インバータのスイッチングに基づいて電圧を昇圧することを含むことを特徴とする。
【0019】
前記制御することは、前記スイッチング部に印加される電圧を保存することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、開示された発明の一側面はマルチ充電時に発生するリレーの融着を解除し、リレーの融着を解除することによって、バッテリー充電において、使用者の便宜を増大させ、リレーの故障時に取り替え費用を節減させる効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例に係る車両を図示したものである。
図2】一実施例に係る車両の制御回路を図示したものである。
図3】一実施例に係る車両の制御ブロック図である。
図4】一実施例に係る車両の制御方法のフローチャートである。
図5】一実施例に係る車両の制御方法のフローチャートである。
図6】一実施例に係るインバータに含まれたブーストコンバータ(Boost Converter)を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照し本発明について詳細に説明する。
モータを利用する車両は電気自動車(Electric Vehicle、EV)と呼ばれ、バッテリーに貯蔵された電気エネルギーを回転運動エネルギーに変換し、変換された回転力を利用して移動することができる。モータを利用する車両は外部から電力の供給を受けることができる。
エンジンとモータを全て利用する車両もある。このような車両はハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)と呼ばれ、エンジンを利用して移動できるだけでなく、モータを利用して移動することもできる。ハイブリッド自動車は外部から化石燃料のみが供給されてエンジンとモータ(発電機)を利用して電気エネルギーを生成する一般ハイブリッド自動車と、外部から化石燃料と電気エネルギー両方の供給を受けることができるプラグインハイブリッド自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)に区分することができる。
電気自動車とハイブリッド自動車は、駆動モータに電気エネルギーを供給するための充電器と車両の電気装置(電装)部品に電気エネルギーを供給するための低電圧バッテリーをそれぞれ含むことが一般的である。ここで充電器は高電圧バッテリーである。
【0023】
例えば、駆動モータに電気エネルギーを供給する充電器は出力電圧が略数百ボルト(volt、V)(例えば、300V~400V)であり、電装部品に電気エネルギーを供給する低電圧バッテリーは 出力電圧が略数十ボルト(例えば、12V)である。
電気自動車とハイブリッド自動車は走行中に充電器を充電することができる。駆動モータは電気エネルギーを運動エネルギー(回転力)に変換できるだけでなく、運動エネルギー(回転力)を電気エネルギーに変換することができる。換言すると、駆動モータは外部から電気エネルギーが供給されるとモータとして機能し、外部から運動エネルギーが供給される発電機として機能することができる。このような駆動モータの動作によって車両が下り坂の道路を走行し、減速する場合(回生制動)、駆動モータは電力を生産することができ、駆動モータによって生産された電力を利用して充電器を充電(回生制動による充電)することができる。
【0024】
また、電気自動車とハイブリッド自動車(特に、プラグインハイブリッド自動車)は、駐車中に外部電源(例えば、直流電源または交流電源)から高電圧をバッテリーを充電することができる。例えば、充電所では商業用直流電源を利用して車両の充電器を充電することができ、家庭では使用可能用交流電源を利用して車両の充電器を充電することができる。
このように、外部電源から充電器を充電するために別途の制御回路が必要である。一実施例による車両は別途の制御回路を除去し、最小化しようとする。
【0025】
図1は、一実施例に係る車両を図示したものである。
図1に図示した通り、車両1は動力生成装置21、動力伝達装置22、操向装置23、制動装置24、車輪25を含む。
動力伝達装置22、操向装置23、制動装置24および車輪25は図1に図示したものと同一である。しかしながら、動力生成装置21はモータ21b、モータインバータバッテリーCを含む。
車両1はモータ21bとモータインバータバッテリーCを含む。
以上で説明した通り、一実施例による車両1は基本的にモータ21bとモータインバータバッテリーCを含む。
【0026】
以下、車両1のモータ21bとモータインバータバッテリーCをさらに詳細に説明する。
図2は、一実施例に係る車両1のモータインバータバッテリーCを図示したものである。
モータインバータバッテリーCは、メインバッテリーB、電圧測定部100、スイッチング部(200、図示されず)、モータ300およびインバータ250を含む。
ここで、メインバッテリーBは急速充電器(図示されず)より低い電圧を有するバッテリーである。また、急速充電器はメインバッテリーBと比較して高電圧バッテリーであり、具体的には、急速充電器は400~800Vの範囲を有する高電圧バッテリーである。
電圧測定部100はキャパシタを含み、スイッチング部200はリレーを含む。また、モータは少なくとも3個のコイルを含み、インバータ250は複数個のバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む。以下、車両および車両に含まれたモータインバータバッテリーCの構成について詳細に説明する。
【0027】
スイッチング部200は急速充電器とメインバッテリーBを連結し、モータ300に入力電圧を伝達し、モータ300によって入力電圧が出力電圧に昇圧されると、メインバッテリーBに出力電圧を伝達できる第1スイッチ201および第3スイッチ203と、モータ300の中性点と連結されて入力電圧を昇圧するためにモータ300に伝達する第2スイッチ202を含む。
このように、車両1はモータ300をコンバータとして利用して充電のための電圧を昇圧させることができる。すなわち、車両1はモータ300を利用して低い電圧を昇圧させてメインバッテリーBを急速充電するマルチ充電を支援することができる。一般的に、マルチ充電は互いに異なる方式の充電器のいずれにおいても充電可能な急速充電方式であり、例えば、400V/800Vの電圧が共に使われる。具体的には、マルチ充電は800V充電器に連結時にバッテリーを直接充電し、400V充電器に連結時にインバータ250とモータ300の組み合わせを通じて400Vの電圧を800Vで昇圧後にバッテリーを充電する方式である。
【0028】
図3は、車両の制御ブロック図である。
車両1は電圧測定部100、スイッチング部200、モータ300、制御部400及び表示部500を含む。
電圧測定部100は急速充電器とモータ300の中性点の間に設けられ、モータ300の中性点にかかる電圧を測定する。具体的には、電圧測定部100はキャパシタを含むことができ、スイッチング部200と並列に連結される。また、電圧測定部100は一定の大きさの電荷を貯蔵することができ、インバータ250の動作によって放電される。
【0029】
スイッチング部200はリレーを含み、リレー励磁信号の入力を受け、リレーのon/offを繰り返すことができる。ここで、リレーのon/offは予め設定された回数だけ繰り返される。リレーのon/off繰り返し回数はバッテリーBの充電時間または充電量に基づいて変わり得るがこれに限定されない。また、リレーのon/off繰り返し回数は使用者定義により変わり得る。
【0030】
モータ300は一般的に3個の位相を示すことができるように3個のコイルを含む。また、モータ300は3個のコイルが連結される接点で中性点を有する。
また、前述した通り、モータ300は外部から電気エネルギーが供給されるとモータとして機能し、外部から運動エネルギーが供給される発電機として機能する。このようなモータ300の動作によって車両が下り坂の道路を走行し減速する場合(回生制動)、モータ300は電力を生産することができ、モータ300によって生産された電力を利用して充電器を充電(回生制動による充電)することができる。
制御部400はスイッチング部200の融着の有無を判断し、判断結果に基づいてスイッチング部200のon/offを繰り返し、スイッチング部200に印加される第1電圧を決定し、電圧測定部100を放電させた後にスイッチング部200に印加される第2電圧を決定し、第1電圧と第2電圧を比較し、比較結果に基づいてバッテリーの充電進行の有無を決定する。
【0031】
ここで、第1電圧はインバータ250の強制放電進行前にスイッチング部200に印加される電圧を意味し、第2電圧はインバータ250の強制放電進行後にスイッチング部200に印加される電圧を意味する。また、第1電圧と第2電圧は電圧波形の最高点(Cap)の値であるがこれに限定されない。
また、制御部400はスイッチング部200の融着を解除させるために、スイッチング部200が予め設定された回数だけon/offを繰り返すようにスイッチング部200を制御することができる。
具体的には、制御部400はスイッチング部200の融着が維持されたものと判断すると、予め設定された回数に基づいてスイッチング部200のon/offを繰り返すことができる。また、制御部400は車両1の始動がかかり、車両1の充電口が閉まったものと判断すると、予め設定された回数に基づいてスイッチング部200のon/offを繰り返すことができる。
【0032】
ここで、予め設定された回数はスイッチング部200の融着解除に必要な回数を意味するが、これに限定されず、使用者定義により変わり得る。
また、制御部400はスイッチング部200の融着の有無を判断し、判断されたスイッチング部200の融着情報またはスイッチング部200の故障情報を表示するように表示部500を制御することができる。
また、制御部400にはインバータ250が含まれるが、インバータ250は複数個のバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む。制御部400はインバータ250がスイッチングを繰り返すように制御し、電圧測定部100を強制放電させることができる。
また、インバータ250は昇圧回路(Boost Circuit)である。したがって、インバータ250がスイッチングを繰り返すと、インバータ250の出力電圧は入力電圧に比べて上昇した値を示す。
【0033】
具体的には、電圧測定部100に印加された電圧が400Vである場合、インバータ250の出力電圧は800Vであるがこれに限定されない。
また、制御部400は電圧測定部100で測定された電圧を保存したり記憶したりすることができる。
表示部500はスイッチング部200の融着の有無または故障の有無を表示する。
表示部500は陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)、デジタル光源処理(Digital Light Processing:DLP)パネル、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Penal)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)パネル、電気発光(Electro Luminescence:EL)パネル、電気泳動ディスプレイ(Electrophoretic Display:EPD)パネル、電気変色ディスプレイ(Electrochromic Display:ECD)パネル、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)パネルまたは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)パネルなどで設けられるが、これらに限定されない。また、表示部500は車両1に設けられたクラスター、ナビゲーションであり、車両1と連動した使用者端末である。
【0034】
図3に図示した車両1の構成要素の性能に対応して、少なくとも一つの構成要素が追加されたり削除されたりする。また、構成要素の相互の位置は、システムの性能または構造に対応して変更されるということは当該技術分野で通常の知識を有する者に容易に理解されるであろう。
一方、図3に図示したそれぞれの構成要素はソフトウェアおよび/またはField Programmable Gate Array(FPGA)および特定用途向け半導体(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)のようなハードウェア構成要素を意味する。
【0035】
以下制御部400が車両1を制御する過程について説明する。
図4および図5は、車両1の制御方法のフローチャートである。
制御部400はスイッチング部の融着の有無を判断する(401)。この時、スイッチング部はモータ300の中性点と連結されて入力電圧を昇圧するためにモータ300に伝達する第2スイッチ202に該当し、第2スイッチ202に対する融着を解除するために下記の制御過程が遂行される。
制御部400は車両1のイグニッション(ignition:IG)スイッチに基づいて始動がonとなったかを判断し(402)、第1スイッチ201をon状態に制御し(403)、メインバッテリースイッチをon状態に制御する(404)。
制御部400は車両1の始動がonとなったものと判断すると、スイッチング部200のon/offを繰り返すようにスイッチング部200を制御する。具体的には、制御部400はスイッチング部200に励磁信号を発生させてスイッチング部200がon/offを繰り返す。また、スイッチング部200は使用者定義、バッテリーB充電速度またはバッテリーBの充電量により決定された予め設定された回数だけon/offを繰り返すことができる。
【0036】
制御部400は電圧測定部100の電圧を測定する(405)。電圧測定部100はキャパシタを含み、電荷を貯蔵することができる。また、制御部400は電圧測定部100に印加される電圧を判断し、電圧測定部100が放電されるかどうかを判断できる。制御部400はスイッチング部200のon/offを繰り返しながら電圧測定部100の電圧を測定することができる。
制御部400は第2スイッチの融着の有無を再び判断するために、電圧測定部100に対する強制放電シーケンスを遂行し(406)、電圧測定部100に放電がなされたかを判断する(407)。強制放電シーケンスはインバータ250のスイッチングを通じてなされる。前述した通り、インバータ250は複数個のバイポーラトランジスタを含み、インバータ250のスイッチングを通じて制御部400は入力電圧より大きい出力電圧を生成することができる。この時、制御部400はキャパシタの電圧降下が発生して放電が進行されると、第2スイッチ202の融着が維持されたものと判断する。これとは異なり、制御部400はキャパシタの電圧降下が発生しないと、第2スイッチ202の融着が解除されたものと判断することができる。
【0037】
制御部400は第2スイッチ202の融着が維持されたものと判断すると、第2スイッチ202に対する融着を強制的に解除するために、第2スイッチ202がon/offを繰り返すように制御することができる(410)。この時、制御部400は付加的に、車両の始動がoffとなり(408)、車両1の充電口が閉まったものと判断すると、制御部400は第2スイッチ202に励磁信号を発生させ、第2スイッチ202がon/offを繰り返すように第2スイッチ202を制御することができる。
制御部400はスイッチング部200の融着の有無を判断し、スイッチング部200が融着されたと判断すると、スイッチング部200のon/offを繰り返して融着が解除されるようにする。この時、制御部400は電圧測定部100に印加される第1電圧を測定し、強制放電シーケンスによって放電が進行された後に、電圧測定部100の第2電圧を測定する。第1電圧と第2電圧間の差が予め定められた値以上であれば、放電がなされてスイッチング部200の融着が維持されたものと判断し、第1電圧と第2電圧間の差が予め定められた値未満であれば、スイッチング部200の融着が維持されたものと判断する。この時、制御部400は融着が解除されたものと判断すると、充電が可能な状態であるものと見て、急速充電過程を遂行する。
【0038】
図5に示す通り、制御部400はキャパシタの電圧降下が発生しないことを感知して、第2スイッチ202の融着が解除されたことを判断することができる(501)。
制御部400は第2スイッチ202の融着が解除されると、バッテリーBの充電を許容する。また、制御部400は車両1のクラスターに表示された故障情報案内を解除し、急速充電を許容する。
図6は、インバータ250に含まれたブーストコンバータ(Boost Converter)を図示したものである。
図6に示す通り、abc相のコイル141、142、143と上側駆動スイッチ131-136の還流ダイオードと下側駆動スイッチ131-136はインバータ250を形成する。
具体的には、a相のコイル141と第1上側駆動スイッチ131と第1下側駆動スイッチ134は第1電力力率補正器251を形成し、b相のコイル142と第2上側駆動スイッチ132と第2下側駆動スイッチ135は第2電力力率補正器252を形成し、c相のコイル143と第3上側駆動スイッチ133と第3下側駆動スイッチ136は第3電力力率補正器253を形成する。このように、モータ140とインバータ130は3相インターリーブ(interleave)を有するインバータ250を形成する。
【0039】
下側駆動スイッチ131-136はターンオンとターンオフを繰り返し、下側駆動スイッチ131-136のターンオンとターンオフの繰り返しによってインバータ250は外部電源ESの交流電圧と同一の位相を有する電流を直流リンクキャパシタ180に出力する。直流リンクキャパシタ180はインバータ250の出力電流によって充電される。
その結果、外部電源ESの電気エネルギーはモータ300とインバータを経て直流リンクキャパシタ180に伝達される。
外部電源の電力はモータ300、インバータ、直流リンクキャパシタ180、昇圧コンバータ120、3巻線変圧器230、フルブリッジ回路210を経て高電圧バッテリー110に供給される。具体的には、モータ300は外部の電源から入力電圧の供給を受け、インバータはモータに供給された入力電圧を昇圧し、昇圧された電圧をバッテリーに出力する。
前述したインバータ250の動作を通じて電圧測定部100は放電され、制御部400はスイッチング部200の融着解除の可否を判断することができ、インバータ250は入力電圧より高電圧の出力電流を出力することができる。
【0040】
一方、開示された実施例はコンピュータによって実行可能な命令語を保存する記録媒体の形態で具現される。命令語はプログラムコードの形態で保存され、プロセッサによって実行された時、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で具現される。
コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、コンピュータによって解読され得る命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがある。
【0041】
以上の通り、添付された図面を参照して開示された実施例を説明した。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、開示された実施例と異なる形態で本発明が実施され得ることが理解できるであろう。開示された実施例は例示的なものであり、限定的に解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0042】
1:車両
100:電圧測定部
200:スイッチング部
300:モータ
400:制御部
500:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6