(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046401
(43)【公開日】2023-04-04
(54)【発明の名称】フローティング止血弁
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230328BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M39/06 110
A61M39/06 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022151114
(22)【出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/247,408
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/888,734
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・ユエ-シン・タン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066LL12
4C267AA17
4C267BB04
4C267BB33
4C267BB53
4C267CC08
(57)【要約】
【課題】シース導入部のための止血弁を提供すること。
【解決手段】本明細書に開示されるのは、シース導入部及びカテーテル又は他のデバイスを含む、治療のためのシステムである。システムは、カテーテルのシャフトが延在することができるシールを備える、フローティング止血弁を有することができる。フローティング止血弁は、カテーテルのシャフトの直交移動に応答して、シールがシース導入部の長手方向軸に直交して移動することを可能にすることができる弾性ベローズを有することができる。弾性ベローズは、フローティング止血弁の直交移動を可能にするために変形するように構成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シース導入部のために構成されたハンドルであって、
細長いハンドルハウジングと、
前記細長いハンドルハウジング内に配設されており、かつ前記ハンドルの長手方向軸に対して同心円状の管腔を備える、細長いシャフトと、
前記長手方向軸を実質的に中心とする開口部を備えるシールであって、前記長手方向軸に沿って、又は前記長手方向軸に対してある角度で、前記シールに印加される力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して並進するように拘束されている、シールと、を備える、ハンドル。
【請求項2】
前記シールに関して固定された内周と、前記細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を更に備え、前記変形可能な環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して変形するように構成されている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項3】
前記変形可能な環状部が、ベローズを備える、請求項2に記載のハンドル。
【請求項4】
前記ベローズが、前記長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を備え、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、請求項3に記載のハンドル。
【請求項5】
前記シールに貼付されており、かつ前記変形可能な環状部の前記内周に貼付されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、請求項2に記載のハンドル。
【請求項6】
前記剛性環状部が、近位部分及び遠位部分を備え、それによって、前記シールの外周が、前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされている、請求項5に記載のハンドル。
【請求項7】
前記変形可能な環状部が、前記剛性環状部の前記近位部分と前記剛性環状部の前記遠位部分との間に位置付けされた内周と、前記細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を備える、請求項6に記載のハンドル。
【請求項8】
前記細長いハンドルハウジングの近位端を画定する環状近位面を備える近位ハウジング部分を更に備え、前記近位ハウジング部分が、前記長手方向軸と同心円状の円形開口部を備える、請求項1に記載のハンドル。
【請求項9】
前記細長いハンドルハウジングが、前記シールの近位移動を阻害するように構成された近位部分と、前記シールの遠位移動を阻害するように構成された遠位部分と、を備え、
前記近位部分及び前記遠位部分の各々が、円形開口部及び前記それぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部をそれぞれ備え、
前記円形開口部及び前記管状延在部の各々が、前記長手方向軸に対して同心円状である、請求項1に記載のハンドル。
【請求項10】
剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに貼付されており、前記シールに印加された前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束され、前記シールに印加された前記力に応答して、前記細長いハンドルハウジングの前記近位部分に対して直交して摺動するように構成された近位面を備え、前記シールに印加された前記力に応答して、前記細長いハンドルハウジングの前記遠位部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面を備える、請求項9に記載のハンドル。
【請求項11】
血管及び/又は動脈内に挿入するように構成されたシースであって、
前記シースの長手方向軸に対して同心円状の管腔を備える、細長いシャフトと、
前記長手方向軸に対して同心円状の開口部を備える、前記細長いシャフトの近位端に近接するシールであって、前記長手方向軸に沿って、又は前記長手方向軸に対してある角度で前記シールに印加される力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、シールと、
前記シールの外周を囲み、かつ前記細長いシャフトの前記管腔に円周方向に封止する、流体不透過性アセンブリと、を備える、シース。
【請求項12】
前記流体不透過性アセンブリが、
前記シールに関して固定された内周と、前記長手方向軸に関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を備え、前記変形可能な環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して変形するように構成されている、請求項11に記載のシース。
【請求項13】
前記変形可能な環状部が、ベローズを備える、請求項12に記載のシース。
【請求項14】
前記ベローズが、前記長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を備え、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、請求項13に記載のシース。
【請求項15】
前記シールに貼付されており、かつ前記変形可能な環状部の前記内周に貼付されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、請求項12に記載のシース。
【請求項16】
前記剛性環状部が、近位部分及び遠位部分を備え、それによって、前記シールの外周が、前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされている、請求項15に記載のシース。
【請求項17】
前記変形可能な環状部が、内周及び外周を備え、
前記内周が、前記剛性環状部の前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされ、かつ前記シールに関して固定されており、
前記変形可能な環状部の前記外周が、前記長手方向軸に関して固定されている、請求項16に記載のシース。
【請求項18】
前記シースの近位端を画定する環状近位面を更に備え、前記環状近位面が、前記長手方向軸と同心円状の円形開口部を備える、請求項11に記載のシース。
【請求項19】
前記シールの近位移動を阻害するように構成されており、かつ前記長手方向軸に関して固定されている、近位シース部分と、
前記シールの遠位移動を阻害するように構成されており、かつ前記長手方向軸に関して固定されている、遠位シース部分と、を更に備え、
前記近位シース部分及び前記遠位シース部分の各々が、円形開口部及び前記それぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部をそれぞれ備え、
前記円形開口部及び前記管状延在部の各々が、前記長手方向軸に対して同心円状である、請求項11に記載のシース。
【請求項20】
前記シールに貼付されており、かつ前記シールに印加された前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して、前記近位シース部分に対して直交して摺動するように構成された近位面と、前記シールに印加された前記力に応答して、前記遠位シース部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面と、を備える、請求項19に記載のシース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月23日に出願された先行出願の米国仮出願第63/247,408号の優先権を主張し、この出願は、参照により本明細書に全文を記載するように組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、カテーテル送達のための弁、具体的には、シース導入部のための止血弁に関する。
【背景技術】
【0003】
「シース」又は「シース導入部」は、治療のために位置付けされるときに、動脈又は静脈内に遠位端を有し、患者の外側に近位端を有する、医療処置中に患者の動脈又は静脈内に配置されたチューブを含む。シースの近位端における止血弁は、血液がシースから出ることを阻害し、より長いシース及び/又はカテーテルをシースを通して動脈又は静脈内に挿入することを可能にする。
【0004】
カテーテル送達のためのいくつかの電流シース導入部の問題は、シースからデバイスを後退させるときに、軸外力がシースのシールを妨げ、弁の漏出を生じさせる可能性があることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、カテーテル送達のための弁、具体的には、シース導入部のための止血弁に関する。
【0006】
シース導入部及びカテーテル又は他のデバイスを含む血管内治療のための、例示的なシステムが本明細書に開示される。シースは、カテーテルのシャフトが延在することができる、シールを備える、フローティング止血弁を有することができる。フローティング止血弁は、カテーテルのシャフトの直交移動に応答して、シールがシース導入部の長手方向軸に直交して移動することを可能にすることができる弾性ベローズを有することができる。弾性ベローズは、フローティング止血弁の直交移動を可能にするために変形するように構成することができる。
【0007】
シース導入部のために構成された例示的なハンドルが本明細書に開示される。ハンドルiは、細長いハンドルハウジングと、細長いハンドルハウジング内に配設され、ハンドルの長手方向軸に対して同心円状の管腔を備える細長いシャフトと、長手方向軸を中心とする開口部を備えるシールと、を含むことができ、シールは、シールに印加される長手方向軸に沿った力に応答して長手方向軸に関して直交して移動するように拘束される。
【0008】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ハンドルが、シールに関して固定された内周と、細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を更に有することができ、変形可能な環状部は、シールに印加された力に応答して変形するように構成されている。
【0009】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部は、ベローズを備えることができる。
【0010】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ベローズは、長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を含むことができ、シールに印加される力に応答して、長手方向軸に関して直行して移動するように拘束される。
【0011】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ハンドルは、シールに貼付され、変形可能な環状部の内周に貼付された剛性環状部を更に有することができ、剛性環状部は、シールに印加される力に応答して、長手方向軸に関して直交して移動するように拘束される。
【0012】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、剛性環状部は、近位部分及び遠位部分を含むことができ、それによって、シールの外周が近位部分と遠位部分との間に位置付けされる。
【0013】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部は、剛性環状部の近位部分と剛性環状部の遠位部分との間に位置付けされた内周と、細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を含むことができる。
【0014】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ハンドルは、細長いハンドルハウジングの近位端を画定する環状近位面を含む近位ハウジング部分を更に有することができ、近位ハウジング部分は、長手方向軸と同心円状の円形開口部を備える。
【0015】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、細長いハンドルハウジングは、シールの近位移動を阻害するように構成された近位部分と、シールの遠位移動を阻害するように構成された遠位部分と、を含むことができる。近位部分及び遠位部分の各々は、円形開口部及びそれぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部をそれぞれ有することができる。円形開口部及び管状延在部の各々は、長手方向軸に対して同心円状であり得る。
【0016】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ハンドルは、シールに貼付された剛性環状部を更に有することができる。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、長手方向軸に関して直交して移動するように拘束され得る。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、細長いハンドルハウジングの近位部分に対して直交して摺動するように構成された近位面を含むことができる。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、細長いハンドルハウジングの遠位部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面を含むことができる。
【0017】
血管及び/又は動脈に挿入するために構成することができる例示的なシースが、本明細書に開示される。シースは、シースの長手方向軸に対して同心円状の管腔を有する細長いシャフトを含むことができる。シースは、長手方向軸に対して同心円状の開口部を含む細長いシャフトの近位端に近接したシールを含むことができる。シールは、シールに印加される長手方向軸に沿った力に応答して、長手方向軸に関して直交して移動するように拘束することができる。シースは、シールの外周を囲み、細長いシャフトの管腔に円周方向に封止する流体不透過性アセンブリを含むことができる。
【0018】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、流体不透過性アセンブリは、シールに関して固定された内周及び長手方向軸に関して固定された外周を備える、変形可能な環状部を有することができる。変形可能な環状部は、シールに印加された力に応答して変形するように構成することができる。
【0019】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部は、ベローズを含むことができる。
【0020】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、ベローズは、長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を含むことができ、シールに印加される力に応答して、長手方向軸に関して直行して移動するように拘束される。
【0021】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、シースは、シールに貼付され、変形可能な環状部の内周に貼付された剛性環状部を更に有することができる。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、長手方向軸に関して直交して移動するように拘束され得る。
【0022】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、剛性環状部は、シールの外周が近位部分と遠位部分との間に位置付けされるように、近位部分及び遠位部分を有することができる。
【0023】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部は、内周及び外周を含むことができる。内周は、剛性環状部の近位部分と遠位部分との間に位置付けることができる。内周は、シールに関して固定することができる。変形可能な環状部の外周は、長手方向軸に関して固定することができる。
【0024】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、シースは、シースの近位端を画定する環状近位面を更に有することができる。環状近位面は、長手方向軸と同心円状の円形開口部を含むことができる。
【0025】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、シースは、シールの近位移動を阻害するように構成され、長手方向軸に関して固定された近位シース部分と、シールの遠位移動を阻害するように構成され、長手方向軸に関して固定された遠位シース部分と、を更に含むことができる。近位シース部分及び遠位シース部分の各々は、それぞれの円形開口部と、それぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部と、をそれぞれ含むことができる。円形開口部及び管状延在部の各々は、長手方向軸に対して同心円状であり得る。
【0026】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、シースは、シールに貼付された剛性環状部を更に含むことができる。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、長手方向軸に関して直交して移動するように拘束され得る。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、近位シース部分に対して直交して摺動するように構成された近位面を含むことができる。剛性環状部は、シールに印加された力に応答して、遠位シース部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面を有することができる。
【0027】
シース導入部の止血弁のシールを通して管状デバイスを挿入する工程と、管状デバイスを、シールの近位側で測定されるように、長手方向軸から約5度の角度に移動させる工程と、管状デバイスが約5度の角度にある間、シールと管状デバイスとの間の止血を維持する工程と、を含む、例示的な治療方法が本明細書に開示される。
【0028】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、方法は、管状デバイスを移動させて、長手方向軸に沿ってシールに力を印加し、それによって、シールを直交方向に並進させることを更に含むことができ、直交する力及び直交する方向は各々、シース導入部の長手方向軸に直交する。
【0029】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、方法は、直交する力を印加するように管状デバイスを移動させることを更に含むことができ、それによって、シールに関して固定された内周と、長手方向軸に関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を変形させることができる。
【0030】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部を変形させることは、変形可能な環状部のベローズを圧縮することを含むことができる。
【0031】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、変形可能な環状部を変形させることは、直交する方向にベローズの円形隆起を移動することを含むことができる。
【0032】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、本方法は、シールに貼付され、変形可能な環状部の内周に貼付された剛性環状部を直交する方向に並進させることを更に含むことができる。
【0033】
本明細書に開示される例のうちのいずれにおいても、本方法は、シース導入部の近位端における円形開口部を通して管状デバイスを挿入することを更に含むことができ、円形開口部は、長手方向軸と同心円状である。
【0034】
開示される技術のこれら及び他の態様は、添付の図面と共に本明細書において説明される。開示される技術の他の態様、特徴、及び要素は、開示される技術の特定の例の以下の説明を見直すと、当業者に明らかになるであろう。開示される技術の特徴は、特定の実施例及び図面に関して考察され得るが、開示される技術は、本明細書で考察される特徴又は要素のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。更に、1つ又は2つ以上の例は、特定の有利な特徴を有すると考察され得るが、そのような特徴の1つ又は2つ以上は、本明細書で考察される本開示の様々な他の例と共に使用され得る。同様に、特定の例、実装、及び実施形態は、所与のデバイス、システム、又は方法に関して以下で考察され得るが、そのような例は、本開示の様々な他のデバイス、システム、及び方法において実装することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の態様による、フローティング止血弁を有するシースを含む、管腔内治療のためのシステムを例解する。
【
図2】本発明の態様による、フローティング止血弁を有するシースを利用した治療工程を例解する。
【
図3A】本発明の態様による、シースの長手方向軸を中心とする止血弁の断面を例解する。
【
図3B】本発明の態様による、シースの長手方向軸に直交してシフトした止血弁の断面を例解する。
【
図4A】
図3A及び
図3Bに示されるような止血弁の断面のクローズアップを例解する。サブセクションA-Aは、
図4Aに例解され、サブセクションB-Bは、
図4Bに例解され、サブセクションC-Cは、
図4Cに例解示され、サブセクションD-Dは、
図4Dに例解される。
【
図4B】
図3A及び
図3Bに示されるような止血弁の断面のクローズアップを例解する。サブセクションA-Aは、
図4Aに例解され、サブセクションB-Bは、
図4Bに例解され、サブセクションC-Cは、
図4Cに例解示され、サブセクションD-Dは、
図4Dに例解される。
【
図4C】
図3A及び
図3Bに示されるような止血弁の断面のクローズアップを例解する。サブセクションA-Aは、
図4Aに例解され、サブセクションB-Bは、
図4Bに例解され、サブセクションC-Cは、
図4Cに例解示され、サブセクションD-Dは、
図4Dに例解される。
【
図4D】
図3A及び
図3Bに示されるような止血弁の断面のクローズアップを例解する。サブセクションA-Aは、
図4Aに例解され、サブセクションB-Bは、
図4Bに例解され、サブセクションC-Cは、
図4Cに例解示され、サブセクションD-Dは、
図4Dに例解される。
【
図5】本発明の態様による、フローティング止血弁の分解図である。
【
図6】本発明の態様による、フローティング止血弁を有するシースを含む、管腔内治療のためのシステムを例解する。
【
図7】本発明の態様による、フローティング止血弁を使用する方法を例解するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、シース導入部に使用するためのフローティング弁を提供することができる。弁は、シース導入部の長手方向軸を中心とすることができ、したがって、弁の部分的な開口を引き起こすことなく、ある角度でデバイスを挿入及び/又は後退させることを可能にする。カテーテル送達のためのいくつかの電流シース導入部の問題は、シースからデバイスを後退させるときに、軸外力がシースのシールを妨げ、弁の漏出を生じさせる可能性があることである。これは、少なくとも部分的には、現在のシース導入部がシースの長手方向軸を中心とした固定弁を有するという事実に起因する。本明細書に提示される例は、フローティング弁を含むことによって弁の漏出を軽減し得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0038】
本明細書で使用する場合、「備える(comprising)」又は「含有する(containing)」又は「含む(including)」という用語は、少なくとも言及された化合物、要素、粒子、又は方法工程が、組成物若しくは物品又は方法において存在することを意味すると解釈されるが、他の化合物、材料、粒子、方法工程の存在を、他の当該化合物、材料、粒子、方法工程が言及されたものと同じ機能を有する場合であっても、除外するものではない。
【0039】
本明細書で使用する場合、「有する(having)」、「有する(has)」、「含む(including)」、又は「含む(includes)」などの用語の使用は、制約がなく、「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」などの用語と同じ意味を有することを意図し、他の構造、材料、又は行為の存在を排除しない。同様に、「can」又は「may」などの用語の使用は、制約がなく、構造、材料、又は行為が必要でないことを反映することが意図されているが、そのような用語を使用しないことは、構造、材料、行為が不可欠であることを反映することを意図するものではない。構造、材料、又は行為が現時点で不可欠と考えられる範囲において、そのように識別される。
【0040】
本明細書で使用する場合、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造又は管状システムは、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状システムは、本発明の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有し得る。
【0041】
第1の値と第2の値との間にあると説明される範囲は、第1の値及び第2の値、並びにそれらの間の全ての値を含むものとする。同様に、第1の値から第2の値までの範囲は、第1の値及び第2の値、並びにそれらの間の全ての値を含むものとする。
【0042】
また、1つ又は2つ以上の方法工程への言及が、明示的に識別されたそれらの工程間の追加の方法工程又は介在する方法工程の存在を除外しないことも理解されたい。
【0043】
開示の様々な要素を構成するものとしてここに説明される構成要素は、例解的なものであって、制限的ではないことが意図されている。本明細書に説明される構成要素と同じ又は同様の機能を実行するであろう多くの好適な構成要素が、開示の範囲内に含まれることを意図する。本明細書において説明されていないそのような他の構成要素には、例えば、現在開示されている対象の開発後に開発された同様の構成要素が挙げられ得るが、それに限られない。
【0044】
次に、添付図面に例解されるような、開示された技術の例を詳細に参照する。便宜上、同一の参照符号は、同一又は類似の部品を言及するために図面全体を通じて使用される。
【0045】
図1は、シース導入部11と、カテーテル又は他の経皮デバイス20と、を含む、管腔内治療のためのシステム10を例解する。シース導入部は、例示的なフローティング止血弁アセンブリ100を含む。シース導入部11は、細長いシャフト12と、制御ハンドル16と、を含むことができる。制御ハンドル16は、略細長いハンドルハウジング19と、偏向ノブ24と、を含むことができる。細長いシャフト12及びハンドルハウジング19は、長手方向軸L-Lに沿って整列させることができる。シャフト12は、その遠位端において制御ハンドル16に入り、制御ハンドル16の長手方向軸L-Lに沿って延在し、フローティング止血弁100において制御ハンドルの近位端の近くで終端する。フローティング止血弁100は、シャフト12の管腔18を正圧に維持し、シース導入部11を通した患者の失血を防止し、患者の体内の空気の導入を最小限に抑えることを含む、様々な目的で、デバイス20のシャフト22と共に液密シールを形成する。更に、フローティング止血弁100は、内管腔18から空気を除去するために真空を創出することができる、又は血液が凝固することを防止するために流体を管腔18内に流すことができる、ルアーハブ17を有する側方ポート13に接続することができる。
【0046】
フローティング止血弁100は、他のデバイス20のシャフト22が延在するシール130を含むことができる。シール130の外周は、近位部分150及び遠位部分120を有する剛性環状部によって固設することができる。変形可能な環状部140の内周は、剛性環状部に貼付することができる(例えば、例解されるように、近位部分150と遠位部分120との間に固設される)。弾性変形可能な環状部140の外周は、ハンドル16のハウジング19に貼付することができる。弁100の拡大図に例解されるように、ハウジング19は、シール130の周りの近位部分160及び遠位ハブ部分110、剛性環状部150、120、及び変形可能な環状部140を含むことができる。シール130、並びに剛性環状部の近位部分150及び遠位部分120は、他のデバイス20のシャフト22の直交移動に応答して、制御ハンドル16の長手方向軸L-Lに直交して移動することができる。弾性変形可能な環状部140は、弁130及び部分120、150の剛性環状部の直交移動を可能にするために変形するように構成することができる。
【0047】
使用中、シース導入部11のシャフト12は、静脈内の開口部を通して患者の体内に導入される。ガイドワイヤ(例解せず)は、当業者によって理解されるように、シース導入部11の管腔18を通して供給することができる。いくつかの治療では、ガイドワイヤの後に拡張器が続くことができる。拡張器は、取り外すことができる。デバイス20は、制御ハンドル16の近位端におけるフローティング止血弁100を通って導入されて、導入部11の中心管腔18に入ることができ、それによって、ガイドワイヤは、デバイス20内のガイドワイヤ管腔を通過する。ガイドワイヤ管腔を含まないデバイスの場合、デバイスを挿入する前に、ガイドワイヤをシースから取り外すことができる。サイドポート13上のルアーハブ17は、必要に応じて、シース導入部11の中心管腔18内に流体を引き込む、又は注入するために使用することができる。
【0048】
シース導入部11は、
図1に例解されるような偏向可能な遠位部14を含むことができるか、又は、別様に、当業者によって理解されるように構成することができる。シース導入部11が偏向可能であるとき、電気生理学者は、一方の手を使用してシース導入部11の制御ハンドル16を操作し、他方の手を使用してデバイス20の制御ハンドル21を操作することができる。電気生理学者は、一方の手でシャフト12の偏向可能な領域15を偏向させ、他方の手でデバイス20の露出した偏向可能な領域を偏向させることができる。シース導入部11は、別様に、参照により本明細書に組み込まれ、優先出願米国第63/247,408号の付録に添付された、米国特許第10,046,141号に開示されているものと同様に構成することが可能である。
【0049】
図2は、フローティング止血弁100を有するシース導入部11を利用する治療工程を例解する。図示されるように、制御ハンドル16は、長手方向軸L-Lに沿って整列させた概して細長いハンドルハウジングを含むことができる。シャフト12は、その遠位端において制御ハンドル16に入り、制御ハンドル16の長手方向軸L-Lに沿って延在し、フローティング止血弁100において制御ハンドルの近位端の近くで終端する。他のデバイス20のシャフト22はまた、近位端において制御ハンドル16に出入りすることができる。他のデバイス20の操作中、他のデバイスのシャフト22は、医師によって、長手方向軸L-Lに関して角度θに移動することができる。本明細書に提示されるいくつかの例では、他のデバイス20のシャフト22は、止血弁100と他のデバイス20のシャフト22との間の止血シールを維持しながら、長手方向軸L-Lから約5度の角度θを制御ハンドル16内に位置付けすることができる。シール130及び剛性環状部170は、他のデバイス20のシャフト22の直交移動に応答して、制御ハンドル16の長手方向軸L-Lに直交して移動することができる。このような様式で、制御ハンドル16は、他のデバイス20のシャフト22が約5度の角度にある間、シール130と他のデバイス20のシャフト22との間の止血を維持することができる。
【0050】
図3Aは、
図1に示されるように、同様に位置付けされた、長手方向軸L-Lを中心とする止血弁100の断面を例解する。
【0051】
図3Bは、シール130が長手方向軸L-Lに対して直交する方向O-Oに移動される止血弁100の断面を例解する。
【0052】
図4A~
図4Dは、
図3A及び
図3Bに示されるような止血弁アセンブリ100の断面のクローズアップを例解する。サブセクションA-Aは、
図4Aに例解され、サブセクションB-Bは、
図4Bに例解され、サブセクションC-Cは、
図4Cに例解され、サブセクションD-Dは、
図4Dに例解される。
【0053】
図3A、
図3B、及び
図4A~
図4Dをまとめて参照すると、剛性環状部の遠位部分120は、シール130に貼付された内側部分124と、変形可能な環状部140に貼付された外側部分122と、ハンドルハウジング19のハブ110に対して摺動するように構成された遠位面125と、を有することができる。同様に、剛性環状部の近位部分150は、シール130に貼付された内側部分154と、変形可能な環状部140に貼付された外側部分152と、ハンドルハウジング19の近位部分160に対して摺動するように構成された近位面155と、を有することができる。剛性環状部は、シール130に印加される長手方向軸に沿った力に応答して、長手方向軸L-Lに関して直交して移動するように拘束することができる。
【0054】
ハンドルハウジング19の近位部分160は、近位面162と、開口部164と、管状延在部166と、を有することができる。近位面162は、細長いハンドルハウジング19の近位端を画定することができ、近位部分160内の開口部164は、長手方向軸L-Lと同心円状の円形開口部であり得る。近位部分160は、シール130の近位移動を阻害することができる。
【0055】
変形可能な環状部140は、バッフル又はベローズ142を含むことができる。変形可能な環状部は、シール130に関して固定された内周144と、細長いハンドルハウジング19に関して固定された外周148と、を含むことができる。変形可能な環状部140は、シール130に印加された、長手方向軸に沿った力に応答して変形するように構成することができる。ベローズは、長手方向軸L-Lに対して同心円状の円形隆起を備えることができ、隆起は、シール130に印加された長手方向軸に沿った力に応答して、長手方向軸L-Lに関して直交して移動するように拘束することができる。
【0056】
図3Bに示されるように、120及び150によって表される剛性環状部170(
図5)は、シール130に貼付し、シール130に印加された力に応答して、長手方向軸L-Lに関して直交して移動するように拘束することができる。近位面155は、シール130に印加された力に応答して、細長いハンドルハウジング19の近位部分160に対して直交して摺動するように拘束される。遠位面125は、シール130に印加された力に応答して、細長いハンドルハウジング19の遠位部分に対して直交して摺動するように拘束される。
【0057】
図4A~
図4Dに示されるように、変形可能な環状部140のバッフル142は、直交軸O-Oに沿ったシール130の直交移動を可能にするために変形するように構成することができる。矢印A及びBによって画定される平面上のこのような直交移動の間、シール130は、それに取り付けられている、剛性環状部の遠位部分120及び近位部分150を引っ張ることができる。遠位部分120の外周122及び近位部分150の外周152は、変形可能な環状部140に貼付され、シール130から変形可能な環状部140への直交軸O-Oに沿った移動を並進させることができる。そのような移動は、第1の距離D1によって示される。図示されるように、変形可能な環状部140が第1の距離D1だけ拡張するとき、バッフル142もまた、剛性環状部170(部分120、150として示される)及びハンドルハウジング19の部分160、110との接触を維持することができる。
【0058】
その結果、力が長手方向軸L-Lに対してある角度でシール130に印加されるとき(又は平行であるが、L-Lに対して中心から外れているとき)、シール130は、長手方向軸L-Lに対して傾斜しないように拘束される。したがって、シール130は、矢印A及びBによって概して画定される平面上で併進するのみである。(平面A-B上の並進中に)シール130の第1の側の変形可能な環状部140を引っ張るシール130は、
図4C及び
図4Dに示されるように、第1の側とは反対のシール130の第2の側の変形可能な環状部に等しく、かつ反対の影響を及ぼし得る。シール130は、剛性環状部の近位部分150及び遠位部分120を押すことができ、ひいては変形可能な環状部140を圧縮することができる。これに応答して、バッフル142は、そのような動きに対応するように折り畳むことができる。変形可能な環状部140の圧縮は、
図4A及び
図4Bにおいて変形可能な環状部140が圧縮する第1の距離D1に等しくなり得る。
【0059】
図5は、ハンドルハウジング19の近位部分160、剛性環状部170の近位部分150、変形可能な環状部140、シール130、剛性環状部170の遠位部分120、及びハンドルハウジング19の遠位部分上のハブ110を示すフローティング止血弁アセンブリ100の分解図である。
図5に例解されるいくつかの又は全ての構成要素は、同様の長手方向軸L-Lを共有することができる。
【0060】
シール130の外周及び変形可能な環状部140の内周は、剛性環状部170の近位部分150と遠位部分120との間に固設することができる。シール130は、長手方向軸L-Lと整列された中央開口部134を含むことができる。シール130はまた、シール130の外周132の近くに穴137を含むことができる。剛性環状部の遠位部分120は、シール130の外周132の近くの孔137を通って延在するようにサイズ決めされ、位置付けされ、別様に構成された突起127又はポストを含むことができる。変形可能な環状部140は、変形可能な環状部140の内周144の近くに穴147を含むことができる。剛性環状部の近位部分150は、変形可能な環状部140の内周144の近くの孔147を通って延在するようにサイズ決めされ、位置付けされ、別様に構成された突起157又はポストを含むことができる。剛性環状部170の遠位部分120及び近位部分150上の突起127、157はまた、止血弁アセンブリ100が組み立てられるときに、遠位部分120と近位部分150との間に摩擦嵌合を提供するために延在することができる。
【0061】
図5から、シール130は、シール130が長手方向軸に対して傾斜することを拘束されるように、近位剛性環状部150と遠位剛性環状部120との間に捕捉されていることが留意されたい。シール130は、部分120及び150によって(軸L-Lに対して)傾斜することが防止されているので、シール130が移動することができる唯一の方向は、長手方向軸L-Lに対して直角(例えば、矢印A又はB)である任意の方向である。ベローズ140及び環状部170は、シール130が矢印A及びBによって画定される同一平面内で直交的に(例えば、線A及びBによって画定される共通平面上で)移動することを可能にする。その結果、シース22がシール開口部134から後退されるとき、シース22は、長手方向軸L-Lに対して軸外である場合があり、シール130全体は、軸外シース22をシール開口部134を通って戻る漏出させずに収容するために軸L-Lに対して直交方向に移動するように構成されている。同様に、シース22がシール開口部134内に軸外挿入されるとき、シール130は、平面から傾斜せず、(直交に並進する間に)線A及びBの共通平面内に留まるので、シール開口部134を通って戻る漏出なしに、シース22の軸外挿入に対応する。
【0062】
変形可能な環状部140の外周148は、ハンドルハウジング19の近位部分160とハンドルハウジング19の遠位部分であるハブ110との間でハンドルハウジング19に固設することができる。ハブ110は、他のデバイス20のシース22などの管状構成要素を受容及び/又は誘導することを助けるために、管状延在部116を含むことができる。
【0063】
図6は、シース導入部11aを含む、管腔内治療のためのシステムを例解する。シース導入部11aは、例示的なフローティング止血弁100を含む。シース導入部11aは、細長いシャフト12及び制御ハンドルハウジング19を含むことができる。制御ハンドルハウジング19は、長手方向軸L-Lに沿って整列させた、概して細長いハンドルハウジングを含むことができる。シャフト12は、その遠位端において制御ハンドルハウジング19に入り、制御ハンドルハウジング19の長手方向軸L-Lに沿って延在し、フローティング止血弁100において制御ハンドルの近位端の近くで終端する。
【0064】
使用中、シース導入部11aのシャフト12は、静脈内の開口部を通して患者の体内に導入される。ガイドワイヤは、シース導入部11aのシャフト12の管腔を通して供給することができる。いくつかの治療では、当技術分野で一般的に知られているように、ガイドワイヤの後に拡張器が続くことができる。拡張器は、取り外すことができる。他のデバイス20などのデバイスは、制御ハンドルハウジング19の近位端におけるフローティング止血弁100を通って導入されて、シース導入部11aの中心管腔に入ることができ、それによって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤ管腔を通過する。ガイドワイヤ管腔を含まないデバイスの場合、デバイスを挿入する前に、ガイドワイヤをシースから取り外すことができる。サイドポート13上のルアーハブ17は、必要に応じて、シース導入部11aの中心管腔内に流体を引き込む、又は注入するために使用することができる。
【0065】
図7は、フローティング止血弁アセンブリ100を使用する方法200を例解するフロー図である。ブロック202に示されるように、方法200は、シース導入部11のフローティング止血弁アセンブリ100のシール130を通して管状デバイス20を挿入することを含むことができる。デバイス20は、シース導入部11及びシール130と共有することができる長手方向軸L-Lに沿って挿入することができる。
【0066】
ブロック204では、方法200は、管状デバイス20を移動させて、長手方向軸に沿った力をシール130に印加することを含むことができる。直交力は、長手方向軸L-Lに直交する直交軸O-Oに沿って印加することができる。移動は、長手方向軸L-Lにも直交し得る直交軸O-Oに沿って、シール130を直交する方向に並進させることができる。
【0067】
ブロック206に示されるように、方法200は、管状デバイス20を長手方向軸L-Lから約5度の角度まで移動させることを含むことができる。角度は、シール130の近位側で測定することができる。更に、ブロック208に示されるように、方法200は、管状デバイス22が約5度の角度にある間、シール130の漏出を経験しないことを含むことができる。
【0068】
本明細書に含まれる説明は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に説明されるように、本発明は、別個の図に例解される構成要素の代替的な組み合わせ、代替的な材料、代替的な構成要素の幾何学的形状、及び代替的な構成要素の配置を含む、システム構成要素の多くの変形及び変更を企図する。本開示の教示に係る当業者にとって明らかな変更及び変形は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) シース導入部のために構成されたハンドルであって、
細長いハンドルハウジングと、
前記細長いハンドルハウジング内に配設されており、かつ前記ハンドルの長手方向軸に対して同心円状の管腔を備える、細長いシャフトと、
前記長手方向軸を実質的に中心とする開口部を備えるシールであって、前記長手方向軸に沿って、又は前記長手方向軸に対してある角度で、前記シールに印加される力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して並進するように拘束されている、シールと、を備える、ハンドル。
(2) 前記シールに関して固定された内周と、前記細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を更に備え、前記変形可能な環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して変形するように構成されている、実施態様1に記載のハンドル。
(3) 前記変形可能な環状部が、ベローズを備える、実施態様2に記載のハンドル。
(4) 前記ベローズが、前記長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を備え、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、実施態様3に記載のハンドル。
(5) 前記シールに貼付されており、かつ前記変形可能な環状部の前記内周に貼付されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、実施態様2に記載のハンドル。
【0070】
(6) 前記剛性環状部が、近位部分及び遠位部分を備え、それによって、前記シールの外周が、前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされている、実施態様5に記載のハンドル。
(7) 前記変形可能な環状部が、前記剛性環状部の前記近位部分と前記剛性環状部の前記遠位部分との間に位置付けされた内周と、前記細長いハンドルハウジングに関して固定された外周と、を備える、実施態様6に記載のハンドル。
(8) 前記細長いハンドルハウジングの近位端を画定する環状近位面を備える近位ハウジング部分を更に備え、前記近位ハウジング部分が、前記長手方向軸と同心円状の円形開口部を備える、実施態様1に記載のハンドル。
(9) 前記細長いハンドルハウジングが、前記シールの近位移動を阻害するように構成された近位部分と、前記シールの遠位移動を阻害するように構成された遠位部分と、を備え、
前記近位部分及び前記遠位部分の各々が、円形開口部及び前記それぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部をそれぞれ備え、
前記円形開口部及び前記管状延在部の各々が、前記長手方向軸に対して同心円状である、実施態様1に記載のハンドル。
(10) 剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに貼付されており、前記シールに印加された前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束され、前記シールに印加された前記力に応答して、前記細長いハンドルハウジングの前記近位部分に対して直交して摺動するように構成された近位面を備え、前記シールに印加された前記力に応答して、前記細長いハンドルハウジングの前記遠位部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面を備える、実施態様9に記載のハンドル。
【0071】
(11) 血管及び/又は動脈内に挿入するように構成されたシースであって、
前記シースの長手方向軸に対して同心円状の管腔を備える、細長いシャフトと、
前記長手方向軸に対して同心円状の開口部を備える、前記細長いシャフトの近位端に近接するシールであって、前記長手方向軸に沿って、又は前記長手方向軸に対してある角度で前記シールに印加される力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、シールと、
前記シールの外周を囲み、かつ前記細長いシャフトの前記管腔に円周方向に封止する、流体不透過性アセンブリと、を備える、シース。
(12) 前記流体不透過性アセンブリが、
前記シールに関して固定された内周と、前記長手方向軸に関して固定された外周と、を備える、変形可能な環状部を備え、前記変形可能な環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して変形するように構成されている、実施態様11に記載のシース。
(13) 前記変形可能な環状部が、ベローズを備える、実施態様12に記載のシース。
(14) 前記ベローズが、前記長手方向軸に対して同心円状の円形隆起を備え、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、実施態様13に記載のシース。
(15) 前記シールに貼付されており、かつ前記変形可能な環状部の前記内周に貼付されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加される前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、実施態様12に記載のシース。
【0072】
(16) 前記剛性環状部が、近位部分及び遠位部分を備え、それによって、前記シールの外周が、前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされている、実施態様15に記載のシース。
(17) 前記変形可能な環状部が、内周及び外周を備え、
前記内周が、前記剛性環状部の前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けされ、かつ前記シールに関して固定されており、
前記変形可能な環状部の前記外周が、前記長手方向軸に関して固定されている、実施態様16に記載のシース。
(18) 前記シースの近位端を画定する環状近位面を更に備え、前記環状近位面が、前記長手方向軸と同心円状の円形開口部を備える、実施態様11に記載のシース。
(19) 前記シールの近位移動を阻害するように構成されており、かつ前記長手方向軸に関して固定されている、近位シース部分と、
前記シールの遠位移動を阻害するように構成されており、かつ前記長手方向軸に関して固定されている、遠位シース部分と、を更に備え、
前記近位シース部分及び前記遠位シース部分の各々が、円形開口部及び前記それぞれの円形開口部から遠位に延在する管状延在部をそれぞれ備え、
前記円形開口部及び前記管状延在部の各々が、前記長手方向軸に対して同心円状である、実施態様11に記載のシース。
(20) 前記シールに貼付されており、かつ前記シールに印加された前記力に応答して、前記長手方向軸に関して直交して移動するように拘束されている、剛性環状部を更に備え、前記剛性環状部が、前記シールに印加された前記力に応答して、前記近位シース部分に対して直交して摺動するように構成された近位面と、前記シールに印加された前記力に応答して、前記遠位シース部分に対して直交して摺動するように構成された遠位面と、を備える、実施態様19に記載のシース。
【外国語明細書】