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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046445
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】廃タイヤ含有固形燃料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 5/48 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
C10L5/48
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155040
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】521418469
【氏名又は名称】株式会社トリウミ
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 重利
【テーマコード(参考)】
4H015
【Fターム(参考)】
4H015AA01
4H015AB01
4H015BA01
4H015BA13
4H015BB03
4H015BB09
4H015BB10
4H015CB01
(57)【要約】
【課題】廃タイヤから容易に燃料を製造することができる廃タイヤ含有燃料の製造方法及び廃タイヤ含有燃料を提供すること。
【解決手段】廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、原料混合工程で混合した前記原料を加熱する加熱工程と、加熱工程で加熱された前記原料を加圧して固形燃料を成形する燃料成形工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した前記原料を加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記原料を加圧して固形燃料を成形する燃料成形工程とを含む廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項2】
前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項3】
前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項4】
前記加熱工程では前記原料を65度乃至120度で加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項5】
原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれかを含む廃タイヤ含有固形燃料。
【請求項6】
前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする請求項5に記載の廃タイヤ含有固形燃料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃タイヤを含有する固形燃料の製造方法及び廃タイヤ含有固形燃料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃タイヤを原料とした燃料としては「廃タイヤを乾留させた乾留残渣である廃タイヤ炭化物の微粉砕物を原料として、当該廃タイヤ炭化物にバインダー及び水を加熱混練させて、所定の固形状に加圧成形されて成る固形燃料」(特許文献1)や「廃タイヤ(D)を伝熱壁を介して間接加熱することによりその一部をガス化するガス化工程(1)及びそのガス化工程(1)において生じた可燃性ガス(G1)を部分燃焼し、前記ガス化工程(1)に必要な熱を発生させると共に、他へも利用可能なガス燃料(G2)を得る部分燃焼工程(2)を備えたことを特徴とする廃タイヤのガス化方法」(特許文献2)が知られている。
【0003】
しかしながら、このような固形燃料は、廃タイヤを乾留させるか、又はガス化させなければならない。そのために固形燃料を得るためには廃タイヤを乾留させるための設備や工程が必要となるため、コスト高になるとともに非常に手間がかかるという欠点があった。
また、近年様々な企業でバイオマスボイラーが導入されており、バイオマスボイラーの燃料の一部として廃タイヤが用いられるものの、バイオマスボイラーの導入等には多大なコストがかかり、容易に廃タイヤを燃料とできるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-205810号公報
【特許文献2】特開2003-238966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、廃タイヤから容易に固形燃料を製造することができる廃タイヤ含有燃料の製造方法及び廃タイヤ含有固形燃料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法は、廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した原料を加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記原料を加圧して固形燃料を成形する燃料成形工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記加熱工程では前記原料を60度乃至120度で加熱することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の廃タイヤ含有固形燃料は、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれかを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の廃タイヤ含有固形燃料の前記タイヤ粉末は、45%乃至96%含有されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末を用いているため、廃タイヤを乾留等させることなく利用することができる。したがって、廃タイヤから容易に燃料を製造することができる。また設備コストや運転コストが大がかりとならないので、コスト削減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図6は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図1】第1実施形態の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の工程図。
図2】固形燃料製造装置の概略説明図。
図3】原料混合工程の説明図。
図4】原料混合工程で混合される原料の割合を示す表。
図5】第1実施形態の固形燃料の概略説明図。
図6】燃焼実験の結果を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図6に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は廃タイヤを原料とした廃タイヤ含有固形燃料の製造方法(以下、「固形燃料の製造方法」という)である。
この固形燃料の製造方法1は、図1に示すように、廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末2aと、少なくとも破砕した繊維2b、集塵2c、破砕したフレキシブルコンテナバッグ2d、破砕した発泡スチロール2e又は破砕した廃プラスチック2fのいずれかを含む原料2を混合する原料混合工程3と、前記原料混合工程3で混合した原料2を加熱する加熱工程4と、前記加熱工程4で加熱された前記原料を加圧して廃タイヤ含有固形燃料5(以下、「固形燃料」という)を成形する燃料成形工程6と、前記固形燃料5と粉状物を選別する選別工程7とで構成されている。
【0014】
原料混合工程3では、図3に示すように、搬送装置10を構成するベルトコンベア10aに対して原料2が搬送される方向に配設された単数又は複数の混合装置9を用いる。図3では原料2は図面の右側から左側に運ばれる。
【0015】
しかして、この実施形態では、製造効率を高めるために、混合装置9は、第1の混合装置(図面左側)9に対して所要間隔を有して配設された第2の混合装置(図面右側)が用いられている。もちろん、第3の混合装置、第4の混合装置等を設けても良い。
【0016】
前記混合装置9は、水平又はやや傾斜状のベルトコンベア10aの挟むように地面や床面に垂設された複数本の支柱と、これらの支柱の上端部に支持された状態で前記ベルトコンベア10aの上方に位置する定量型のホッパー本体9aと、このホッパー本体の内壁面に沿って傾斜状又は略垂直状態に配設された単数又は複数のスクリュー型の攪拌バー9bとを備えている。
【0017】
したがって、前記ホッパー本体9aの上端開口から投入された原料2は、ホッパー本体9a内で前記攪拌バー9bに所要時間攪拌され、その下端部の供給口部からベルトコンベア10aの上面へとやや塊状に連続的に排出される。
【0018】
なお、特に図示しないが、攪拌バー9bは、例えば支持アーム、軸受け等を含む支持部材を介して傾斜状又は垂直状態に適宜に軸支され、図示しない制御装置に回転及び回転方向が制御された攪拌モータにより回転可能である。付言すると、原料混合工程3では、タイヤ粉末2a等の原料2を、混合装置9を構成する定量ホッパー9aに供給し、この定量ホッパー9a内で攪拌バー9bを介して各原料2を混合する。
【0019】
原料の混合割合としては、図4に示すようにタイヤ粉末2aを20%乃至98%、好ましくは30%乃至98%、より好ましくは45%乃至96%、繊維2bを0%乃至50%、集塵2cを0%乃至50%、フレキシブルコンテナバッグ2dを0%乃至10%、発泡スチロール2eを0%乃至4%、廃プラスチック2fを0%乃至5%の割合で、100%となるように混合する。なお、どのような配分で混合される場合であってもフレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e又は廃プラスチック2fのいずれかは原料2に混合される。
【0020】
なお、原料2の大きさとしては、タイヤ粉末2aは1.2mm以下、繊維2bは長さ20mm以下で太さ0.5mm以下、集塵2cは10mm乃至20mm、フレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e及び廃プラスチック2fはそれぞれ20mm以下であることが望ましい。
【0021】
これらの原料が定量ホッパー9aで混合されると、定量ホッパー9aから一定量がベルトコンベア10aの上面へと供給され、加熱及び成形を行う加熱成形装置11へ運搬され、加熱成形装置11の投入口11aから原料2が内部へ投入され、加熱工程4及び燃料成形工程6が行われる。
【0022】
ところで、搬送装置10は、特に詳細に図示しないが、実施形態では、ベルトコンベア10aの一端部側(図面右側の低い端部)に設けられた駆動モータの駆動軸に連結された駆動ローラーと、該ベルトコンベア10aの他端部(図面左側の高い端部)に設けられた従動ローラーと、この従動ローラー及び前記駆動ローラーに架け渡された前記ベルトコンベア10aとから構成され、図示しない一対の原料案内板がベルトコンベア10aに対して配設されている。これにより、原料2は原料案内板によって規制されるので、ベルトコンベア10aの外にこぼれ落ちるようなことはない。
【0023】
加熱工程4では、供給された原料2に対して65度乃至120度、好ましくは90度乃至115度の熱を加えることで原料2に含有されるタイヤ粉末2aや、フレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e又は廃プラスチック2fが溶融し、燃料成形工程6を行った際に効率よく燃料を固めることができる。
【0024】
燃料成形工程6は、加熱工程4で高温に熱された原料をローラーによりダイス孔へ圧入され加熱成形装置11の外部に押し出される。このダイス孔を通過する際に原料2が押し固められるとともに、溶融した原料2によって、本実施形態では直径8mm乃至12mm程度の円柱状の固形燃料5となって押し出される。なお、この固形燃料5は適宜所定の大きさに切断され、本実施形態では、5cm程度の長さに切断される。
【0025】
この切断された固形燃料5は、加熱成形装置11の排出口11bから排出され、振動篩機12に送られる。
【0026】
選別工程7では、適宜切断された固形燃料5を振動篩機12にかけ、振動により固形燃料5に付着した粉体等を落下させ、固形燃料5と粉状物とを選別する。この選別が完了した固形燃料5は、ベルトコンベア10a等により保管ラック13へ搬送される。なお、この選別工程7が不要な場合には省略することもできる。
【0027】
このようにして製造された廃タイヤ含有固形燃料は、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれかを含み、そのうちタイヤ粉末2aが45%乃至96%を占めるものである。
【0028】
この固形燃料5をJIS Z 7302-2に規定された発熱量試験方法で発熱量を測定したところ、図6に示すように、低位発熱量で8000kcal/kg(32800kJ/kg)以上の発熱量で、一般的な固形燃料の発熱量である33100kJ/kgと比較しても略同等の発熱量の固形燃料5を得ることができる。
【0029】
なお、本実施形態では固形燃料5を所定の長さの円柱形状に成形したが、ダイス孔の孔形状を変更する、所定の形状の金型等に加熱した原料を詰めて圧縮することで、任意の形状の固形燃料5とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は主に固形燃料を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0031】
1:廃タイヤ含有固形燃料の製造方法、2:原料、
3:原料混合工程、 4:加熱工程、
5:廃タイヤ含有固形燃料、 6:燃料成形工程、
7:選別工程、 9:混合装置、
9a:定量ホッパー、 9b:攪拌バー、
10:搬送装置、 10a:ベルトコンベア、
11:加熱成形装置、 12:振動篩機、
13:保管ラック。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した前記原料を90度乃至115度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記原料を加圧して固形燃料を成形する燃料成形工程とを含む廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項2】
前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項3】
前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃タイヤを含有する固形燃料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃タイヤを原料とした燃料としては「廃タイヤを乾留させた乾留残渣である廃タイヤ炭化物の微粉砕物を原料として、当該廃タイヤ炭化物にバインダー及び水を加熱混練させて、所定の固形状に加圧成形されて成る固形燃料」(特許文献1)や「廃タイヤ(D)を伝熱壁を介して間接加熱することによりその一部をガス化するガス化工程(1)及びそのガス化工程(1)において生じた可燃性ガス(G1)を部分燃焼し、前記ガス化工程(1)に必要な熱を発生させると共に、他へも利用可能なガス燃料(G2)を得る部分燃焼工程(2)を備えたことを特徴とする廃タイヤのガス化方法」(特許文献2)が知られている。
【0003】
しかしながら、このような固形燃料は、廃タイヤを乾留させるか、又はガス化させなければならない。そのために固形燃料を得るためには廃タイヤを乾留させるための設備や工程が必要となるため、コスト高になるとともに非常に手間がかかるという欠点があった。
また、近年様々な企業でバイオマスボイラーが導入されており、バイオマスボイラーの燃料の一部として廃タイヤが用いられるものの、バイオマスボイラーの導入等には多大なコストがかかり、容易に廃タイヤを燃料とできるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-205810号公報
【特許文献2】特開2003-238966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、廃タイヤから容易に固形燃料を製造することができる廃タイヤ含有燃料の製造方法及び廃タイヤ含有固形燃料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法は、廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した前記原料を90度乃至115度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記原料を加圧して固形燃料を成形する燃料成形工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末を用いているため、廃タイヤを乾留等させることなく利用することができる。したがって、廃タイヤから容易に燃料を製造することができる。また設備コストや運転コストが大がかりとならないので、コスト削減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図6は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図1】第1実施形態の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の工程図。
図2】固形燃料製造装置の概略説明図。
図3】原料混合工程の説明図。
図4】原料混合工程で混合される原料の割合を示す表。
図5】第1実施形態の固形燃料の概略説明図。
図6】燃焼実験の結果を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図6に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は廃タイヤを原料とした廃タイヤ含有固形燃料の製造方法(以下、「固形燃料の製造方法」という)である。
この固形燃料の製造方法1は、図1に示すように、廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末2aと、少なくとも破砕した繊維2b、集塵2c、破砕したフレキシブルコンテナバッグ2d、破砕した発泡スチロール2e又は破砕した廃プラスチック2fのいずれかを含む原料2を混合する原料混合工程3と、前記原料混合工程3で混合した原料2を加熱する加熱工程4と、前記加熱工程4で加熱された前記原料を加圧して廃タイヤ含有固形燃料5(以下、「固形燃料」という)を成形する燃料成形工程6と、前記固形燃料5と粉状物を選別する選別工程7とで構成されている。
【0014】
原料混合工程3では、図3に示すように、搬送装置10を構成するベルトコンベア10aに対して原料2が搬送される方向に配設された単数又は複数の混合装置9を用いる。図3では原料2は図面の右側から左側に運ばれる。
【0015】
しかして、この実施形態では、製造効率を高めるために、混合装置9は、第1の混合装置(図面左側)9に対して所要間隔を有して配設された第2の混合装置(図面右側)が用いられている。もちろん、第3の混合装置、第4の混合装置等を設けても良い。
【0016】
前記混合装置9は、水平又はやや傾斜状のベルトコンベア10aの挟むように地面や床面に垂設された複数本の支柱と、これらの支柱の上端部に支持された状態で前記ベルトコンベア10aの上方に位置する定量型のホッパー本体9aと、このホッパー本体の内壁面に沿って傾斜状又は略垂直状態に配設された単数又は複数のスクリュー型の攪拌バー9bとを備えている。
【0017】
したがって、前記ホッパー本体9aの上端開口から投入された原料2は、ホッパー本体9a内で前記攪拌バー9bに所要時間攪拌され、その下端部の供給口部からベルトコンベア10aの上面へとやや塊状に連続的に排出される。
【0018】
なお、特に図示しないが、攪拌バー9bは、例えば支持アーム、軸受け等を含む支持部材を介して傾斜状又は垂直状態に適宜に軸支され、図示しない制御装置に回転及び回転方向が制御された攪拌モータにより回転可能である。付言すると、原料混合工程3では、タイヤ粉末2a等の原料2を、混合装置9を構成する定量ホッパー9aに供給し、この定量ホッパー9a内で攪拌バー9bを介して各原料2を混合する。
【0019】
原料の混合割合としては、図4に示すようにタイヤ粉末2aを20%乃至98%、好ましくは30%乃至98%、より好ましくは45%乃至96%、繊維2bを0%乃至50%、集塵2cを0%乃至50%、フレキシブルコンテナバッグ2dを0%乃至10%、発泡スチロール2eを0%乃至4%、廃プラスチック2fを0%乃至5%の割合で、100%となるように混合する。なお、どのような配分で混合される場合であってもフレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e又は廃プラスチック2fのいずれかは原料2に混合される。
【0020】
なお、原料2の大きさとしては、タイヤ粉末2aは1.2mm以下、繊維2bは長さ20mm以下で太さ0.5mm以下、集塵2cは10mm乃至20mm、フレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e及び廃プラスチック2fはそれぞれ20mm以下であることが望ましい。
【0021】
これらの原料が定量ホッパー9aで混合されると、定量ホッパー9aから一定量がベルトコンベア10aの上面へと供給され、加熱及び成形を行う加熱成形装置11へ運搬され、加熱成形装置11の投入口11aから原料2が内部へ投入され、加熱工程4及び燃料成形工程6が行われる。
【0022】
ところで、搬送装置10は、特に詳細に図示しないが、実施形態では、ベルトコンベア10aの一端部側(図面右側の低い端部)に設けられた駆動モータの駆動軸に連結された駆動ローラーと、該ベルトコンベア10aの他端部(図面左側の高い端部)に設けられた従動ローラーと、この従動ローラー及び前記駆動ローラーに架け渡された前記ベルトコンベア10aとから構成され、図示しない一対の原料案内板がベルトコンベア10aに対して配設されている。これにより、原料2は原料案内板によって規制されるので、ベルトコンベア10aの外にこぼれ落ちるようなことはない。
【0023】
加熱工程4では、供給された原料2に対して65度乃至120度、好ましくは90度乃至115度の熱を加えることで燃料成形工程6を行った際に効率よく燃料を固めることができる。
【0024】
燃料成形工程6は、加熱工程4で高温に熱された原料をローラーによりダイス孔へ圧入され加熱成形装置11の外部に押し出される。このダイス孔を通過する際に原料2が押し固められ、本実施形態では直径8mm乃至12mm程度の円柱状の固形燃料5となって押し出される。なお、この固形燃料5は適宜所定の大きさに切断され、本実施形態では、5cm程度の長さに切断される。
【0025】
この切断された固形燃料5は、加熱成形装置11の排出口11bから排出され、振動篩機12に送られる。
【0026】
選別工程7では、適宜切断された固形燃料5を振動篩機12にかけ、振動により固形燃料5に付着した粉体等を落下させ、固形燃料5と粉状物とを選別する。この選別が完了した固形燃料5は、ベルトコンベア10a等により保管ラック13へ搬送される。なお、この選別工程7が不要な場合には省略することもできる。
【0027】
このようにして製造された廃タイヤ含有固形燃料は、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれかを含み、そのうちタイヤ粉末2aが45%乃至96%を占めるものである。
【0028】
この固形燃料5をJIS Z 7302-2に規定された発熱量試験方法で発熱量を測定したところ、図6に示すように、低位発熱量で8000kcal/kg(32800kJ/kg)以上の発熱量で、一般的な固形燃料の発熱量である33100kJ/kgと比較しても略同等の発熱量の固形燃料5を得ることができる。
【0029】
なお、本実施形態では固形燃料5を所定の長さの円柱形状に成形したが、ダイス孔の孔形状を変更する、所定の形状の金型等に加熱した原料を詰めて圧縮することで、任意の形状の固形燃料5とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は主に固形燃料を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0031】
1:廃タイヤ含有固形燃料の製造方法、2:原料、
3:原料混合工程、 4:加熱工程、
5:廃タイヤ含有固形燃料、 6:燃料成形工程、
7:選別工程、 9:混合装置、
9a:定量ホッパー、 9b:攪拌バー、
10:搬送装置、 10a:ベルトコンベア、
11:加熱成形装置、 12:振動篩機、
13:保管ラック。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤを大きさ1.2mm以下に粉砕したのタイヤ粉末と、少なくとも破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した前記原料を90度乃至115度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された原料をローラーによりダイス孔へ圧入することで固形燃料を成形する燃料成形工程とを含む廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項2】
前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【請求項3】
前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃タイヤを含有する固形燃料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃タイヤを原料とした燃料としては「廃タイヤを乾留させた乾留残渣である廃タイヤ炭化物の微粉砕物を原料として、当該廃タイヤ炭化物にバインダー及び水を加熱混練させて、所定の固形状に加圧成形されて成る固形燃料」(特許文献1)や「廃タイヤ(D)を伝熱壁を介して間接加熱することによりその一部をガス化するガス化工程(1)及びそのガス化工程(1)において生じた可燃性ガス(G1)を部分燃焼し、前記ガス化工程(1)に必要な熱を発生させると共に、他へも利用可能なガス燃料(G2)を得る部分燃焼工程(2)を備えたことを特徴とする廃タイヤのガス化方法」(特許文献2)が知られている。
【0003】
しかしながら、このような固形燃料は、廃タイヤを乾留させるか、又はガス化させなければならない。そのために固形燃料を得るためには廃タイヤを乾留させるための設備や工程が必要となるため、コスト高になるとともに非常に手間がかかるという欠点があった。
また、近年様々な企業でバイオマスボイラーが導入されており、バイオマスボイラーの燃料の一部として廃タイヤが用いられるものの、バイオマスボイラーの導入等には多大なコストがかかり、容易に廃タイヤを燃料とできるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-205810号公報
【特許文献2】特開2003-238966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、廃タイヤから容易に固形燃料を製造することができる廃タイヤ含有燃料の製造方法及び廃タイヤ含有固形燃料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法は、廃タイヤを大きさ1.2mm以下に粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれか一つ以上を含む原料を混合する原料混合工程と、前記原料混合工程で混合した前記原料を90度乃至115度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記原料をローラーによりダイス孔へ圧入することで固形燃料を成形する燃料成形工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記燃料成形工程後に、前記固形燃料と粉状物を選別する選別工程を更に行うことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の前記タイヤ粉末は、20%乃至98%含有されることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末を用いているため、廃タイヤを乾留等させることなく利用することができる。したがって、廃タイヤから容易に燃料を製造することができる。また設備コストや運転コストが大がかりとならないので、コスト削減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図6は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図1】第1実施形態の廃タイヤ含有固形燃料の製造方法の工程図。
図2】固形燃料製造装置の概略説明図。
図3】原料混合工程の説明図。
図4】原料混合工程で混合される原料の割合を示す表。
図5】第1実施形態の固形燃料の概略説明図。
図6】燃焼実験の結果を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図6に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は廃タイヤを原料とした廃タイヤ含有固形燃料の製造方法(以下、「固形燃料の製造方法」という)である。
この固形燃料の製造方法1は、図1に示すように、廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末2aと、少なくとも破砕した繊維2b、集塵2c、破砕したフレキシブルコンテナバッグ2d、破砕した発泡スチロール2e又は破砕した廃プラスチック2fのいずれかを含む原料2を混合する原料混合工程3と、前記原料混合工程3で混合した原料2を加熱する加熱工程4と、前記加熱工程4で加熱された前記原料を加圧して廃タイヤ含有固形燃料5(以下、「固形燃料」という)を成形する燃料成形工程6と、前記固形燃料5と粉状物を選別する選別工程7とで構成されている。
【0014】
原料混合工程3では、図3に示すように、搬送装置10を構成するベルトコンベア10aに対して原料2が搬送される方向に配設された単数又は複数の混合装置9を用いる。図3では原料2は図面の右側から左側に運ばれる。
【0015】
しかして、この実施形態では、製造効率を高めるために、混合装置9は、第1の混合装置(図面左側)9に対して所要間隔を有して配設された第2の混合装置(図面右側)が用いられている。もちろん、第3の混合装置、第4の混合装置等を設けても良い。
【0016】
前記混合装置9は、水平又はやや傾斜状のベルトコンベア10aの挟むように地面や床面に垂設された複数本の支柱と、これらの支柱の上端部に支持された状態で前記ベルトコンベア10aの上方に位置する定量型のホッパー本体9aと、このホッパー本体の内壁面に沿って傾斜状又は略垂直状態に配設された単数又は複数のスクリュー型の攪拌バー9bとを備えている。
【0017】
したがって、前記ホッパー本体9aの上端開口から投入された原料2は、ホッパー本体9a内で前記攪拌バー9bに所要時間攪拌され、その下端部の供給口部からベルトコンベア10aの上面へとやや塊状に連続的に排出される。
【0018】
なお、特に図示しないが、攪拌バー9bは、例えば支持アーム、軸受け等を含む支持部材を介して傾斜状又は垂直状態に適宜に軸支され、図示しない制御装置に回転及び回転方向が制御された攪拌モータにより回転可能である。付言すると、原料混合工程3では、タイヤ粉末2a等の原料2を、混合装置9を構成する定量ホッパー9aに供給し、この定量ホッパー9a内で攪拌バー9bを介して各原料2を混合する。
【0019】
原料の混合割合としては、図4に示すようにタイヤ粉末2aを20%乃至98%、好ましくは30%乃至98%、より好ましくは45%乃至96%、繊維2bを0%乃至50%、集塵2cを0%乃至50%、フレキシブルコンテナバッグ2dを0%乃至10%、発泡スチロール2eを0%乃至4%、廃プラスチック2fを0%乃至5%の割合で、100%となるように混合する。なお、どのような配分で混合される場合であってもフレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e又は廃プラスチック2fのいずれかは原料2に混合される。
【0020】
なお、原料2の大きさとしては、タイヤ粉末2aは1.2mm以下、繊維2bは長さ20mm以下で太さ0.5mm以下、集塵2cは10mm乃至20mm、フレキシブルコンテナバッグ2d、発泡スチロール2e及び廃プラスチック2fはそれぞれ20mm以下であることが望ましい。
【0021】
これらの原料が定量ホッパー9aで混合されると、定量ホッパー9aから一定量がベルトコンベア10aの上面へと供給され、加熱及び成形を行う加熱成形装置11へ運搬され、加熱成形装置11の投入口11aから原料2が内部へ投入され、加熱工程4及び燃料成形工程6が行われる。
【0022】
ところで、搬送装置10は、特に詳細に図示しないが、実施形態では、ベルトコンベア10aの一端部側(図面右側の低い端部)に設けられた駆動モータの駆動軸に連結された駆動ローラーと、該ベルトコンベア10aの他端部(図面左側の高い端部)に設けられた従動ローラーと、この従動ローラー及び前記駆動ローラーに架け渡された前記ベルトコンベア10aとから構成され、図示しない一対の原料案内板がベルトコンベア10aに対して配設されている。これにより、原料2は原料案内板によって規制されるので、ベルトコンベア10aの外にこぼれ落ちるようなことはない。
【0023】
加熱工程4では、供給された原料2に対して65度乃至120度、好ましくは90度乃至115度の熱を加えることで、燃料成形工程6を行った際に効率よく燃料を固めることができる。
【0024】
燃料成形工程6は、加熱工程4で高温に熱された原料をローラーによりダイス孔へ圧入され加熱成形装置11の外部に押し出される。このダイス孔を通過する際に原料2が押し固められ、本実施形態では直径8mm乃至12mm程度の円柱状の固形燃料5となって押し出される。なお、この固形燃料5は適宜所定の大きさに切断され、本実施形態では、5cm程度の長さに切断される。
【0025】
この切断された固形燃料5は、加熱成形装置11の排出口11bから排出され、振動篩機12に送られる。
【0026】
選別工程7では、適宜切断された固形燃料5を振動篩機12にかけ、振動により固形燃料5に付着した粉体等を落下させ、固形燃料5と粉状物とを選別する。この選別が完了した固形燃料5は、ベルトコンベア10a等により保管ラック13へ搬送される。なお、この選別工程7が不要な場合には省略することもできる。
【0027】
このようにして製造された廃タイヤ含有固形燃料は、原料として廃タイヤを粉砕したタイヤ粉末と、少なくとも破砕した繊維、集塵、破砕したフレキシブルコンテナバッグ、破砕した発泡スチロール又は破砕した廃プラスチックのいずれかを含み、そのうちタイヤ粉末2aが45%乃至96%を占めるものである。
【0028】
この固形燃料5をJIS Z 7302-2に規定された発熱量試験方法で発熱量を測定したところ、図6に示すように、低位発熱量で8000kcal/kg(32800kJ/kg)以上の発熱量で、一般的な固形燃料の発熱量である33100kJ/kgと比較しても略同等の発熱量の固形燃料5を得ることができる。
【0029】
なお、本実施形態では固形燃料5を所定の長さの円柱形状に成形したが、ダイス孔の孔形状を変更する、所定の形状の金型等に加熱した原料を詰めて圧縮することで、任意の形状の固形燃料5とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は主に固形燃料を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0031】
1:廃タイヤ含有固形燃料の製造方法、2:原料、
3:原料混合工程、 4:加熱工程、
5:廃タイヤ含有固形燃料、 6:燃料成形工程、
7:選別工程、 9:混合装置、
9a:定量ホッパー、 9b:攪拌バー、
10:搬送装置、 10a:ベルトコンベア、
11:加熱成形装置、 12:振動篩機、
13:保管ラック。