(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046509
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】テーブル付きベンチ具
(51)【国際特許分類】
A47C 11/00 20060101AFI20230329BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20230329BHJP
A47C 4/02 20060101ALI20230329BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20230329BHJP
A47B 83/02 20060101ALI20230329BHJP
A47B 37/04 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A47C11/00
E04H1/12 306Z
A47C4/02 A
A47C4/02 F
A47C7/62 B
A47B83/02
A47B37/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155134
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】307040691
【氏名又は名称】株式会社風憩セコロ
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博
(72)【発明者】
【氏名】寺前 孝朗
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
3B260
【Fターム(参考)】
3B084JA00
3B095AA03
3B095CA10
3B260AB01
3B260AB06
3B260AC02
(57)【要約】
【課題】中心側のテーブル部2とその外周側のベンチ部3とを連結脚部6を介して連結した一体型のベンチ具1を、容易に移動することができない重量物にしながら、必要な時には軽量化して移動できるようにする。
【解決手段】ベンチ部3を構成するベンチ板材7の取り付け固定をするため、連結脚部6に連結される前後上下の支持脚片部8~11を設け、該支持脚片部8~11に、四角板形状をした錘体13の複数枚を縦姿勢にして左右方向に間隙を存して着脱自在に取り付ける。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部位に配されるテーブル部と、テーブル部の外周側を間隙を存して円弧状に配される複数のベンチ部と、テーブル部と各ベンチ部とを連結する連結脚部とを備えて構成される一体型のテーブル付きベンチ具であって、
ベンチ部は、左右方向円弧状に隣接する状態で配される複数のベンチ板材と、各ベンチ板材の下面が取り付けられる上側支持脚片部と、設置面に支持される下側支持脚片部と、上下の支持脚片部間に介装される状態で着脱自在に取り付けられる錘体とを備えて構成され、
上下側支持脚片部が連結脚部に取り付け固定されることを特徴とするテーブル付きベンチ具。
【請求項2】
テーブル部は、中心部に配される基台部と、外周部に配される円板状のテーブル板とを備えて構成され、
連結脚部は、基台部に取り付けられる基台側連結脚片部と、基台側連結脚片部の下端部から設置面に沿う状態でベンチ部の下方部位まで延出していて下側支持脚片部が取り付けられる下側連結脚片部と、下側連結脚片部からベンチ板材の下面部位まで起立するベンチ側連結脚片部と、該ベンチ側連結脚片部の上端縁部から径方向に延出していて上側支持脚片部が取り付けられる上側連結脚片部とを備えて構成され、
錘体は、四角板状体に形成され、縦姿勢となって上下の支持脚片部間に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のテーブル付きベンチ具。
【請求項3】
上下側連結脚片部には、上下の支持脚片部の左右方向中央部位が取り付けられ、
錘体は、中央部位の上下側連結脚片部から複数枚が間隙を存して左右方向に並列状に取り付けられることを特徴とする請求項2記載のテーブル付きベンチ具。
【請求項4】
上下の支持脚片部は、径方向前後に一対が配されて構成され、
前後の上側支持脚片部は、ベンチ板材が取り付けられる上側片と、上側片から垂下する垂下片とを備えた逆L字形をし、
前後の下側支持脚片部は、設置面に支持される下側片と、下側片から起立する起立片とを備えたL字形をし、
錘体は、前後方向一方側の隅部が該一方側の前後の上下支持脚片部の垂下片と起立片とに形成された切り欠き溝に嵌入することで支持される一方、前後方向他方側の隅部が該他方側の前後の上下支持片部の垂下片と起立片とに突き当てられてビスを介して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項3記載のテーブル付きベンチ具。
【請求項5】
前後の上下支持脚片部の左右方向外端縁部に支持脚板材が設けられ、錘体は、上下連結脚片部と支持脚板材とのあいだに間隙を存して並列状に配されることを特徴とする請求項4記載のテーブル付きベンチ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園や、駅前広場、ビル前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に設置されるテーブル付きベンチ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、公園や駅前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に、人が休憩したり安息したりするため、テーブル部とベンチ部とが対の形で配されたテーブル付きのベンチ具が設けられることがあるが、このようなベンチ具が、テーブル部とベンチ部とを単純に設置されただけのものである場合に、簡単に移動されやすく設置位置の頻繁な管理が必要になる。そこで例えばテーブル部とベンチ部とを、地面(設置面)に固定したものにして設置場所の変更ができないようにしたものがある。
ところが近時、例えば駅の改札口を二階等の高架式にすることがあり、このような改札口と繋がる状態で広場を設けるような場合、該広場についても高架式になるが、このような場所ではベンチ等の設置具を固定式とすることが憚られることが多く、また広場での季節的な行事やイベントの開催等に対応して設置具を移動して広場の模様替えを行うことがあり、このようなときにテーブル部やベンチ部が固定式であると移動できず邪魔になるという問題がある。
そこで例えばベンチ部やテーブル部について、可動式ではあるが、重量物になるよう錘体を設けたものとして簡単には移動できないように構成することが提唱される(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-339471号公報
【特許文献2】特開2019-76572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記各別に設けられたベンチ部とテーブル部とを対のものとしてテーブル付きベンチ具とした場合に、これらが離間した別ものであったときにはベンチ部とテーブル部とが位置ずれしないよう設置位置を調整する必要があって面倒となる。そこでテーブル部とベンチ部とを連結部材を介して連結して一体型のベンチに構成することも提唱されるが、このように一体型にしたもののベンチ部とテーブル部とにそれぞれ錘体を設けて簡単な移動ができないようにした場合に、このものを模様替え等のため移動しようとしたとき、錘体をベンチ部とテーブル部からそれぞれ取り除いて軽くした状態にする必要があって作業性に劣る等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、中心部位に配されるテーブル部と、テーブル部の外周側を間隙を存して円弧状に配される複数のベンチ部と、テーブル部と各ベンチ部とを連結する連結脚部とを備えて構成される一体型のテーブル付きベンチ具であって、ベンチ部は、左右方向円弧状に隣接する状態で配される複数のベンチ板材と、各ベンチ板の下面が取り付けられる上側支持脚片部と、設置面に支持される下側支持脚片部と、上下の支持脚片部間に介装される状態で着脱自在に取り付けられる錘体とを備えて構成され、上下側支持脚片部が連結脚部に取り付け固定されることを特徴とするテーブル付きベンチ具である。
請求項2の発明は、テーブル部は、中心部に配される基台部と、外周部に配される円板状のテーブル板とを備えて構成され、連結脚部は、基台部に取り付けられる基台側連結脚片部と、基台側連結脚片部の下端部から設置面に沿う状態でベンチ部の下方部位まで延出していて下側支持脚片部が取り付けられる下側連結脚片部と、下側連結脚片部からベンチ板材の下面部位まで起立するベンチ側連結脚片部と、該ベンチ側連結脚片部の上端縁部から径方向に延出していて上側支持脚片部が取り付けられる上側連結脚片部とを備えて構成され、錘体は、四角板状体に形成され、縦姿勢となって上下の支持脚片部間に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のテーブル付きベンチ具である。
請求項3の発明は、上下側連結脚片部には、上下の支持脚片部の左右方向中央部位が取り付けられ、錘体は、中央部位の上下側連結脚片部から複数枚が間隙を存して左右方向に並列状に取り付けられることを特徴とする請求項2記載のテーブル付きベンチ具である。
請求項4の発明は、上下の支持脚片部は、径方向前後に一対が配されて構成され、前後の上側支持脚片部は、ベンチ板材が取り付けられる上側片と、上側片から垂下する垂下片とを備えた逆L字形をし、前後の下側支持脚片部は、設置面に支持される下側片と、下側片から起立する起立片とを備えたL字形をし、錘体は、前後方向一方側の隅部が該一方側の前後の上下支持脚片部の垂下片と起立片とに形成された切り欠き溝に嵌入することで支持される一方、前後方向他方側の隅部が該他方側の前後の上下支持片部の垂下片と起立片とに突き当てられてビスを介して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項3記載のテーブル付きベンチ具である。
請求項5の発明は、前後の上下支持脚片部の左右方向外端縁部に支持脚板材が設けられ、錘体は、上下連結脚片部と支持脚板材とのあいだに間隙を存して並列状に配されることを特徴とする請求項4記載のテーブル付きベンチ具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、テーブル部とベンチ部とが、連結脚部を介して一体化された状態で連結されていて各別の移動が規制されたものとなってこれらの配置調整をする必要がないベンチ具でありながら、ベンチ部は、錘体が着脱自在に取り付けられるものである結果、ベンチ具は、錘体を取り付けた状態では外周側のベンチ部が重くなった重量物となって人為的な移動は勿論のこと、強風を受けたような場合による移動も規制されることになって安定載置ができる一方で、移動したい場合には、外周側のベンチ部に設けた錘体を取り外すことで軽量化されたものとなって移動の容易化が図れることになる。
請求項2の発明とすることにより、ベンチ部は、ベンチ板材が取り付けられる上下の支持脚片部が、連結脚部の構成部材である上下の連結脚片部に取り付け固定され、そして該取り付け固定された上下の支持脚片部間に、四角板状体からなる錘体が縦姿勢となって着脱自在に取り付けられるものとなる結果、錘体は、上下の支持脚片部を介する状態で連結脚部側に縦姿勢となって取り付けられたものとなってコンパクト配置がなされたものとなる。
請求項3の発明とすることにより、錘体は、左右方向中央部位が上下側連結脚部に取り付け固定された上下支持脚片部に、上下連結脚片部を基準として左右方向に複数枚が間隙を存して並列状に取り付けられるものであるため、バランスの採れた錘体配置ができることになって安定した錘体配置構造にできる。
請求項4の発明とすることにより、錘体は、前後方向一方側の隅部が、該一方側の上下支持脚片部の垂下片、起立片に形成の切り欠き溝に嵌入し、他方側の上下隅部が、該他方側の上下支持脚片部の垂下片、起立片に突き当てられた状態で締結具を介して固定されたものとなって、錘体の着脱作業を容易に行うことができる。
請求項5の発明とすることにより、前後の上下支持脚片部の左右方向外端縁部に支持脚板材が設けられているため、錘体を取り外した場合でもベンチ部の安定支持ができたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】ベンチ具のセンターポールの上半部を省略した正面図である。
【
図3】ベンチ具のセンターポールの上半部を省略した側面図である。
【
図8】(A)(B)(C)は錘体の取り外し状態を示す支持脚片部の連結脚部への取り付け部位を示す要部の縦断側面図、縦断正面図、要部の斜視図である。
【
図9】(A)(B)(C)は錘体の取り付け状態を示す要部の縦断側面図、背面図、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は平面視で円弧状をしたテーブル付きベンチ具であって、該ベンチ具1は、中心部位に円板状のテーブル部2が配され、該テーブル部2の外周側に、間隙を存して隣接する複数脚(本実施の形態では三脚)の円弧状をしたベンチ部3がテーブル部2を囲繞するようとが配されたものとなって構成されている。
前記テーブル部2は、中心部に配される基台部4と、外周部に配されるテーブル板5とを備えて構成されるものであり、基台部4は、外形が円柱形をし、その下端縁に接地部4aがフランジ状に延出形成されていて、広場の地面や床面等の設置面(載置面)に安定設置されるよう配慮されている。また基台部4の外周面には、前記ベンチ部3の数(本実施の形態では三脚)に対応した数の縦長の支持片4bが、外径方向に延出する状態でベンチ部3の数に対応した所定の角度(360度/3脚=120度)を存して周回り方向に設けられている。
【0009】
6は基台部4とベンチ部3とを連結するため設けられる連結脚部であって、該連結脚部6は、本実施の形態においては鋼材を押し出し成形することによって形成された板厚が例えば10mmほどもある肉厚のH型鋼を用いて形成されるものであるが、テーブル部2に取り付けられる縦方向を向いたテーブル側連結脚片部6aと、該テーブル側連結脚片部6aの下端縁部から設置面に沿う状態でベンチ部3の下方部位まで延出する横方向を向いた下側連結脚片部6bと、該下側連結脚片部6bの先端縁部から起立してベンチ部3を構成する後述のベンチ板7の前後方向後側(外径側)の下面部位まで延出した縦方向を向いたベンチ側連結脚片部6cと、該ベンチ側連結脚片部6cの上端縁部から前後方向(径方向)中心側に向けて延出する横方向を向いた上側連結脚片部6dとを備えて構成されている。因みに本実施の形態においては、ベンチ側連結脚片部6cと上下側連結脚片部6b、6dとのあいだにも梁材6gが設けられたものとなっている。
そしてテーブル側連結脚片部6aの前後方向前側(中心側)のフランジ部6eの外側面(中心側面)に取り付けられた取り付け片6hを前記支持片4bに取り付け固定(例えばボルト(締結具)による固定や溶接による固定等。以下同じ。)することで、テーブル側連結脚片部6aと基台部4とが取り付け固定され、これによって連結脚部6のテーブル部2への取り付け固定がなされるよう構成される。
【0010】
一方、上側連結脚片部6aの前後方向外側のフランジ部6eの上側部外面には、直角三角形状をした梁材6fの縦片が取り付け固定されており、該梁材6fの上片に載置する状態でテーブル基板5aが取り付け固定されているが、該テーブル部2の中心部に設けられるセンターテーブル板2aの中央部からは、基台部4の上端部に設けた後述するセンターポール14が遊嵌状に貫通して上方に突出する設定になっている。そして該テーブル基板5aの上面にテーブル板5を形成するため台形形状をしたテーブル板材5cの複数枚が円弧状に隣接する状態で取り付け固定されており、このようにして円板状をしたテーブル板5が構成される。
尚、テーブル部2としては、センターポール14がないものではセンターテーブル板2aまたはテーブル板材5cが中央部までテーブル面になったものとすることもでき、また基台部4の上端部をテーブル面から貫通させたものとすることもできる。
【0011】
これに対しベンチ部3は、前述したようにテーブル部2の外周側を囲繞する状態で複数脚が間隙を存して円弧状に配されているが、該ベンチ部3は、左右方向円弧状に隣接する状態で配される台形形状をした複数枚のベンチ板材7と、各ベンチ板材7の下面の前後両端部が取り付け固定される前後の上側支持脚片部8、9と、該上側支持脚片部8、9の直下位置に配されて設置面に載置する(支持される)前後の下側支持脚片部10、11と、これら前後の上下支持脚片部8、9、10、11間を連結する状態で取り付け固定される支持脚板材12とを備えているが、さらに前後の上下支持脚片部8、9、10、11間に着脱自在に取り付けられる四角板形状をした錘体13とを備えたものとして構成されている。
因みに本実施の形態では、前後の上下支持脚片部8、9、10、11は、多角形状をしたものとなっているが、円弧形状にしても勿論よい。
【0012】
具体的には、前後の上側支持脚片部8、9は、ベンチ板7の前後下面が取り付け固定される上側片8a、9aと、前側の上側片8aの前端縁、後側の上側片9aの後端縁からそれぞれ垂下する垂下片8b、9bとを備えた逆L字形をし、前後の下側支持脚片部10、11は、設置面に支持される下側辺10a、11aと、前側の下側片10の前端縁、後側の下側片11aからそれぞれ起立する起立片10b、10bとを備えたL字形をしているが、上側支持脚片部8、9の左右方向中央部は、左右に分断される状態で上側連結脚片部6dに取り付け固定され、下側支持脚片部の左右方向中央部は、左右に分断される状態で下側連結脚片部6bに取り付け固定されており、このように構成することで、テーブル部2とベンチ部3とは連結脚部6を介して一体的に連結されたものとなっている。そして前側の上側支持脚片部8、10の垂下片8b、起立片10bにはボルト(緊締具)13a用のボルト孔8b、10bが形成されている。
【0013】
さらに本実施の形態のものでは、前後の上下側支持脚片部8、9、10、11の左右方向外端縁部には、支持脚板材12が取り付け固定され、支持脚板材12とベンチ部3側の連結脚部6とのあいだに錘体13が着脱自在に取り付けられる。
錘体13は、前述したように四角板形状(例えば230×400×20mm)をし、例えば一枚15kg程度の適宜の重量(一人の大人が持ち運べる程度の重量)に設定された重量物となっているが、四隅部(四つのコーナー部)が前後の上下側支持脚片部8、9、10、11に支持される状態で着脱自在に取り付けられる構成になっている。
【0014】
具体的には、後側の上側支持脚片部9の垂下片9bと下側支持脚片部11の起立片11bとには、錘体13を抜き差し自在に嵌入支持する切り欠き溝9c、11cが形成されている。そして錘体13は、前記切欠き溝9c、11cに上下の後側隅部の上縁側部位を嵌入支持する状態で組み込み、そして錘体13の前端縁を、前側の上下側時脚片部8、10の垂下片8b、起立片10bに当接せしめた状態で、該当接された錘体13の前端縁をボルト13aを介して緊締することで、着脱自在な取り付けがなされるようになっている。
因みに錘体13は、上片部13bの後端側部位13cが背高になっており、切欠き溝9c、11cに上下の後側隅部の上縁側部位を嵌入支持する状態で組み込んだ状態では、上辺部13bは切り欠き溝9cに遊嵌する(隙間がある)状態で嵌入するが、前端縁を前側の上下側時脚片部8、10の垂下片8b、起立片10bに当接する直前で、前記背高になった後端側部位13cが切り欠き溝9cに当接する状態となり、これによって錘体13による上下支持脚片部8、9、10、11間の支持(脚部としての支持)ができるように構成されている。
そしてこのように錘体13がベンチ部3に着脱自在に取り付けられることで、ベンチ具1は、テーブル部2、ベンチ部3とが一体化された状態で、外周縁部が錘体13により重量物となった状態のものとなって少数の人間や強風を受けたときの簡単な移動ができないようになっている。そしてベンチ具1を移動したい場合には、錘体13を取り外してベンチ具1を軽量化することで移動作業の容易化が図れるように設定されている。
【0015】
尚、本実施の形態のベンチ具1は、テーブル部2に設けた基台部4の上端面からセンターポール14が立設されたものになっており、該センターポール14には、何れも図示しないが照明器具や防犯カメラ等の屋外設置可能な各種の電気機器(電子機器を含む)が必要において設けられるが、このような電気機器としては、前記のものの他にさらに無線ラン(例えばWi-Fi)用の中継器(例えば中継用アンテナ)、災害発生の予告放送等の公共放送を行う放送機器等の機器が例示される。
そしてこれらの電気機器は電源を要するものであり、その電源として商用電源を用いることもできるがその場合には配線が必要になり、そこで本実施の形態では、前記センターポール14に太陽電池パネル15を取り付け、該太陽電池パネル15により発電した電力を、基台部4に内装したバッテリー(図示せず)に充電するようにし、該充電された電源を前記電気機器に供給するよう構成することで商用電源の配線を不要にしたものとなっている。尚、電源の発電をする場合に、太陽電池としては、太陽電池パネル15のように硬質のものでなく、可撓性のあるシート状のものを採用することができ、この場合、センターポール14の周面に巻装したものとすることもできる。
さらに本実施の形態においては、前記テーブル板材5cに、電気機器の一つとして、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の携帯式の電子機器に設けられるバッテリを充電するための無線式の充電器(図示せず)を設けることもできる。
尚、これら電気機器が設けられる場合に、該電気機器を駆動制御するための制御部が必要であるものについては、該制御部を前記基台部4に内装したものとしても良いが、メンテナンスの際の利便性を考慮して、基台部4の外周面に機器ボックス(図示せず)を設けたものとすることもできる。
【0016】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、中心部位に配されるテーブル部2が配され、該テーブル部2の外周側に周回り方向に間隙を存して円弧状に配される複数のベンチ部3と、テーブル部2と各ベンチ部3とを一体的に連結する連結脚部6とを備えて構成された一体型のテーブル付きベンチ具1において、外周側の各ベンチ部3は、左右方向円弧状に隣接する状態で配される複数のベンチ板材7と、各ベンチ板材7の下面が取り付け固定される前後の上側支持脚片部8、9と、設置面に支持される前後の下側支持脚片部10、11と、前後の上下側支持脚片部8、9、10、11間に着脱自在に取り付けられる錘体13とを備えて構成され、そして前後の上下側支持脚片部が連結脚部6に取り付け固定されたものである結果、テーブル部2とベンチ部3とが連結脚部6を介して一体化されたベンチ具1は、ベンチ部3に設けた錘体13によって重量物となって、設置面に埋設することのなく自由移動ができる載置型でありながら、不用意な移動が規制されることになる。しかも錘体13がベンチ部3を支持する脚片(上下支持脚片部8、9と10、11とを支持する部材)として機能することになって部品の兼用化が図れることになる。
そして該ベンチ具1を移動したい場合には、ベンチ部から錘体13を取り外すことでベンチ具1を錘体13のない軽量化されたものにでき、この軽量化した状態で移動すれば良いことになる。
【0017】
しかもこの場合に、テーブル部2は、中心部に配される基台部4と、外周部に配される円板状のテーブル板5とを備えて構成され、そしてテーブル部2とベンチ部3とを連結する連結脚部6は、基台部4に取り付けられる基台側連結脚片部6aと、基台側連結脚片部6aの下端部から設置面に沿う状態でベンチ部3の下方部位まで延出していて前後の下側支持脚片部10、11が取り付け固定される下側連結脚片部6bと、下側連結脚片部6bからベンチ板材7の下面部位まで起立するベンチ側連結脚片部6cと、該ベンチ側連結脚片部6cの上端縁部から径方向前方(中心側)に延出していて前後の上側支持脚片部8、9が取り付け固定される上側連結脚片部6dとを備えて構成されたものになっているため、連結脚部6がベンチ部3に坐した人の邪魔になることが殆どないものとなる。
【0018】
そのうえ錘体13については、四角板状体に形成されたものが、縦姿勢となって前後上下の支持脚片部8、9、10、11間に着脱自在に取り付けられるため、錘体13がベンチ板材7の下側に収納された構成になってベンチ部3に坐した人の邪魔になることも回避できることになると共に、錘体13の取り付け支持についても四点支持構造となって安定した取り付けができる。
しかもこの場合に、錘体13が着脱自在に取り付けられる前後上下の支持脚片部8、9、10、11は、左右方向中央部位が左右に分断される状態で連結脚部6に取り付け固定され、そして錘体13が、中央部位の上下側連結脚片部から複数枚が間隙を存して左右方向に並列状に取り付けられたものとなっているため、複数の錘体13を、連結脚部6を基準として左右方向に分散した均等状の取り付けができることになって、ベンチ具1としては、全周に亘って錘体13が分散配設された構造となってより安定した載置ができることになる。
【0019】
さらに錘体13としては、後側の隅部上辺部が該側の上下支持脚片部9、11の垂下片9b、起立片11bに形成の切り欠き溝9c、11cに嵌入することで支持される一方、前側の隅部前辺部が該側の上下支持片部8、10の垂下片8b、起立片10bに突き当てられてボルト(締結具)13aを介して着脱自在に取り付けられる構成になっているため、錘体13の着脱作業を簡単に行うことができ、操作性に優れたものとなる。
そして錘体13を取り外した状態で、前後の上下支持脚片部8、9、10、11は、前述したように左右方向中央部位が連結脚部6によって支持され、左右方向外端縁部が支持脚板材12によって支持された構造になっているため、連結脚部6から左右方向に延出する状態のベンチ部3が、錘体13が取り外されて設けられていない状態であっても片持ち構造となってしまうことを回避し、安定支持された構造にできることになり、ベンチ具1を、正規の設置位置から移動して仮置きした場合において、該仮置きしたものについて錘体13を取り付けない状態でも安定したものにでき、テーブル部2を備えたベンチ具1としての利用が妨げられることもない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、公園や、駅前広場、ビル前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に設置されるテーブル付きベンチ具として利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ベンチ具
2 テーブル部
3 ベンチ部
4 基台部
5 テーブル板
6 連結脚部
6a テーブル側連結脚片部
6b 下側連結脚片部
6c ベンチ側連結脚片部
6d 上側連結脚片部
7 ベンチ板材
8 前上側支持脚片部
9 後上側支持脚片部
10 前下側支持脚片部
11 後下側支持脚片部
12 支持脚板材
13 錘体