IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社風憩セコロの特許一覧

<>
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図1
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図2
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図3
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図4
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図5
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図6
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図7
  • 特開-テーブル付きベンチ具 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046510
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】テーブル付きベンチ具
(51)【国際特許分類】
   A47B 39/00 20060101AFI20230329BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20230329BHJP
   A47B 83/02 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A47B39/00
E04H1/12 306Z
A47B83/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155135
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】307040691
【氏名又は名称】株式会社風憩セコロ
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260AB01
3B260AB06
3B260AC02
(57)【要約】
【課題】公園や、駅前広場、ビル前広場等広場に設置されるテーブル付きベンチ具活を、車椅子Cに乗った人でもソーシャルディスタンスを確保する状態で利用できるようにする。
【解決手段】ベンチ部2とテーブル部3とを備えて構成されるテーブル付きのベンチ具1を、ベンチ部2については、人が座るベンチ板材5cが円板状に一周する状態で中心側に設けられたものとする一方、テーブル部3については、車椅子Cが入り込めるスペースSを存して周回り方向に隣接する状態で複数がベンチ部2の外周側に設けられた構成にする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンチ部とテーブル部とを備えて構成されるテーブル付きベンチ具であって、
ベンチ部は、人が座るベンチ板材が円板状に一周する状態で中心側に設けられ、
テーブル部は、車椅子が入り込めるスペースを存して周回り方向に隣接する状態で複数がベンチ部の外周側に設けられていることを特徴とするテーブル付きベンチ具。
【請求項2】
ベンチ部とテーブル部とは連結脚部を介して一体的に連結されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル付きベンチ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園や、駅前広場、ビル前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に設置されるテーブル付きベンチ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、公園や駅前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に、人が休憩したり安息したりするため、テーブル部を中心部側に配し、その外周側にベンチ部を配したものとすることで、複数の人が中心側のテーブル部を向いた状態でベンチ部に座るようにしたベンチ具が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6553575号公報
【特許文献2】特表2010-510001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところがこのようなベンチ具は、外周側にベンチ部が配されたものであるため、ベンチ部が邪魔になって車椅子をテーブル部に近寄せることができず、車椅子に乗った人がテーブル部を利用しづらいという問題がある。
また近時、新型コロナの蔓延等の事情もあって、ベンチ部に既に一人が座っている場合に、広い空きスペースがあるにも拘わらずその隣に他人が座ることがソーシャルディスタンスの観点からも憚られるものとなってベンチ部の有効利用が図られない等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ベンチ部とテーブル部とを備えて構成されるテーブル付きベンチ具であって、ベンチ部は、人が座るベンチ板材が円板状に一周する状態で中心側に設けられ、テーブル部は、車椅子が入り込めるスペースを存して周回り方向に隣接する状態で複数がベンチ部の外周側に設けられていることを特徴とするテーブル付きベンチ具である。
請求項2の発明は、ベンチ部とテーブル部とは連結脚部を介して一体的に連結されていることを特徴とする請求項1記載のテーブル付きベンチ具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、テーブル部とベンチ部とを備えたベンチ具でありながら、中央側に配されたベンチ部に、テーブル部を向く姿勢で座った人は、中心部を背にして外向きの座り姿勢となるため、例えば子供がその外側で遊んでいるような場合に、子供を直接見られる状態でテーブル部に向くことができることになって子供の監視効果が高いものとなるうえ、隣接するテーブル部とのあいだに車椅子が近寄るスペースがあるため、隣接するテーブル部に向き合う状態でベンチ部に人が座ったとしても接近感がなくソーシャルディスタンスを確保した状態となってベンチ部の有効利用が促進される。しかも隣接するテーブル間のあいだに車椅子が入り込めるスペースが確保されるため、一つのテーブル部の周りに複数の車椅子に座った人が集まることもできることになって使用の多様性が図れることになる。
請求項2の発明とすることにより、中心側のベンチ部と外周側のテーブル部とが一体化されたものとなり、この結果、隣接するテーブル部間の車椅子が入り込むことができるスペースが常時確保できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ベンチ具の平面図である。
図2】ベンチ具のセンターポール上半部を省略した状態の正面図である。
図3】ベンチ具のセンターポール上半部を省略した状態の側面図である。
図4】ベンチ具のセンターポール上半部を省略した状態の縦断面側面図である。
図5】ベンチ具の横断面平面図である。
図6】ベンチ具の横断面底面図である。
図7】ベンチ具のセンターポール上半部を省略した状態の斜視図である。
図8】ベンチ具の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はベンチ部2とテーブル部3とが連結脚部4を介して一体的に連結されたテーブル付きベンチ具であって、ベンチ部2が、中心部位に円板状に配され、テーブル部3がベンチ部2の外周側に適間隔(本実施の形態では120度の間隔)を存して複数(三卓)配されたものとして構成されている。
【0009】
ベンチ部2は、中心部に配される基台部4と、外周部に配される円板状のベンチ板5とを備えて構成されるものであり、基台部4は、外形が円柱形をし、下端縁にフランジ部4aが形成されていて広場の地面や床面等の設置面(載置面)に安定設置されるよう配慮されている。また基台部4の外周面には、前記テーブル部3の数(本実施の形態では三卓)に対応した数の縦長の支持片4bが、外径方向に延出する状態でテーブル部3の数に対応した所定の角度(360度/3脚=120度)を存して周回り方向に設けられている。
【0010】
6は基台部4とテーブル部3とを連結するため設けられる連結脚部であって、該連結脚部6は、本実施の形態においては鋼材を押し出し成形することによって形成された板厚が例えば10mmほどもある肉厚のH型鋼を用いて形成されるものであって、基台部4に取り付けられる縦方向を向いたベンチ側連結脚片部6aと、該ベンチ側連結脚片部6aの下端縁部から設置面に沿う状態でテーブル部3の下方部位まで延出する横方向を向いた下側連結脚片部6bと、該下側連結脚片部6bの先端縁部から起立してテーブル部3の下面まで延出した縦方向を向いたテーブル側連結脚片部6cとを備えて構成されている。
そしてベンチ側連結脚片部6aの前後方向前側(中心側)の内側のフランジの外側面(中心側面)に取り付けられた取り付け片6eを前記支持片4aに取り付け固定(例えばボルト固定や溶接固定。以下同じ。)することで、ベンチ側連結脚片部6aと基台部4とが取り付け固定され、これによって連結脚部6のベンチ部2への取り付け固定がなされるよう構成される。
【0011】
前記ベンチ側連結脚片部6aの外側面には直角三角形状をした梁材6eの一片が取り付け固定され、該梁材6eの上片に円板状をしたベンチ基板5aが取り付け固定され、該ベンチ基板5aに、台形形状をしたベンチ板材5bが周回り方向に隣接する状態で取り付け固定されることでベンチ部2が構成されている。
そして本実施の形態においては、基台部4の上端部にベンチ板5を遊嵌状に貫通して上方に延出する延出部7aが設けられ、該延出部7aの上面からセンターポール7が延出するよう構成されている。該センターポール7には、図示しない照明器具や防犯カメラ、さらには等の屋外設置可能な各種の電気機器(電子機器を含む)が必要において設けられるが、このような電気機器としては、前記のものの他にさらに無線ラン(例えばWi-Fi)用の中継器(例えば中継用アンテナ)、災害発生の予告放送等の公共放送を行う放送機器等の機器が例示される。またテーブル部3に、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の携帯式の電子機器に設けられるバッテリを充電するための無線式の充電器等の電気機器を必要において設けることもできる。
【0012】
そしてこれらの電気機器は電源を要するものであり、その電源として商用電源を用いることもできるがその場合には配線が必要になり、そこで本実施の形態では、前記センターポール7に太陽電池パネル8を取り付け、該太陽電池パネル8により発電した電力を、基台部4に内装したバッテリー(図示せず)に充電するようにし、該充電された電源を前記電気機器に供給するよう構成することで商用電源の配線を不要にしたものとなっている。尚、電源の発電をする場合に、太陽電池としては、太陽電池パネル8のように硬質のものでなく、可撓性のあるシート状のものを採用することができ、この場合、センターポール7の周面に巻装したものとすることもできる。
尚、これら電気機器が設けられる場合に、該電気機器を駆動制御するための制御部が必要であるものについては、該制御部を前記基台部4に内装したものとしても良いが、メンテナンスの際の利便性を考慮して、基台部4の外周面に機器ボックス(図示せず)を設けたものとすることもできる。
【0013】
一方、テーブル側連結脚片部6c上端縁部には、円板状のテーブル基板3aが取り付け固定され、該テーブル基板3aの上面にテーブル板材3bの複数枚が径方向(前後方向)に隣接する状態で取り付け固定されることで、中心側のベンチ部2の外周側に、テーブル部3が周回り方向に間隙を存する突出状態で複数卓が配された構成になっている。
前記テーブル板材3bは、ベンチ部2に対向する片部が凹嵌状に切り欠かれていて、テーブル部3を正面として向いた人がベンチ部2に座りやすいよう配慮されているが、テーブル部3は、周回り方向に間隔Sを存して配されているが、この間隔Sは、車椅子Cがテーブル部3間に移動できる距離に設定されている。
因みに車椅子Cの幅は、日本工業規格(JIS)により規格されており、2021年時点において手動車椅子の場合は630mm以下、電動車椅子の場合は700mm以下と規格されており、この規格寸法に、余裕のある車椅子Cの移動を考慮したときに、前記テーブル部3間の間隙を例えば1m以上とすることが好ましい。
【0014】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、ベンチ部2とテーブル部3とを備えて構成されるテーブル付きのベンチ具1において、ベンチ部2は、人が座るベンチ板材5cが円板状に一周する状態で中心側に設けられ、テーブル部3は、車椅子Cが入り込めるスペースSを存して周回り方向に隣接する状態で複数がベンチ部2の外周側に設けられたものであり、この様にテーブル部3付きのベンチ具1が構成される結果、中央側に配されたベンチ部2に、外側のテーブル部3を向く姿勢で座った人は、中心部を背にして外向きの座り姿勢となり、例えば子供がその外側で遊んでいるような場合に、子供を直接看視できる状態でテーブル部3に向くことができることになって子供の看視効果が高いものとなるうえ、隣接するテーブル部3とのあいだに車椅子Cが近寄るスペースSがあるため、隣接するテーブル部3に向き合う状態でベンチ部2に人が座ったとしても接近感がなくソーシャルディスタンスを確保した状態となってベンチ部2の有効利用が促進される。しかも隣接するテーブル部3間のあいだに車椅子Cが入り込めるスペースSが確保されるため、一つのテーブル部3の周りに複数の車椅子Cに座った人が集まることもできることになって使用の多様性が図れることになる。
【0015】
またこの場合に、ベンチ部2とテーブル部3とは連結脚部6を介して一体的に連結された一体物となっているため、ベンチ部2とテーブル部3との位置関係が、埋設型のものと同様に常時維持されることになって、隣接するテーブル部3間の車椅子Cが入り込むことができるスペースSが変化してしまうことがない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、公園や、駅前広場、ビル前広場等の不特定多数の人が出入りできる広場に設置されるテーブル付きベンチ具としてに利用することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 ベンチ具
2 ベンチ部
3 テーブル部
5 ベンチ板
6 連結脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8