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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046584
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】スイッチ回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/687 20060101AFI20230329BHJP
   H04B 1/44 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
H03K17/687 G
H04B1/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155258
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉智 聡
【テーマコード(参考)】
5J055
5K011
【Fターム(参考)】
5J055AX02
5J055AX34
5J055BX05
5J055CX03
5J055CX24
5J055DX22
5J055DX72
5J055EX07
5J055EX17
5J055EY01
5J055EY10
5J055EY21
5J055EZ04
5J055EZ10
5J055EZ14
5J055EZ20
5J055EZ28
5J055EZ55
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX04
5J055GX06
5K011DA01
5K011DA21
5K011FA01
5K011KA04
5K011KA15
(57)【要約】
【課題】RFスイッチの高耐圧化及び切り替えを高速化することができるスイッチ回路を提供する。
【解決手段】実施形態のスイッチ回路は、高周波スイッチと、レベルシフタ回路と、を有する。高周波スイッチは、それぞれが複数のスイッチを備えた第1のスイッチ群及び第2のスイッチ群を有し、高周波信号の送受信を切り替える。レベルシフタ回路は、第1のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第1の信号と、第2のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第2の信号とを出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のスイッチを備えた第1のスイッチ群及び第2のスイッチ群を有し、高周波信号の送受信を切り替える高周波スイッチと、
前記第1のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第1の信号と、前記第2のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第2の信号とを出力するレベルシフタ回路と、
を有するスイッチ回路。
【請求項2】
前記高周波スイッチは、前記第1のスイッチ群の各スイッチと、前記第2のスイッチ群の各スイッチとが直列に接続されている請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記第1及び前記第2の信号から雑音を分離し、前記高周波スイッチに供給するフィルタ回路を有する請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記フィルタ回路は、前記第1の信号から雑音を分離するための第1の抵抗と、前記第2の信号から雑音を分離するための第2の抵抗とを有する請求項3に記載のスイッチ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波スイッチ(以下、RFスイッチという)は、携帯の基地局などにおいて無線信号の送受信のときにオン・オフ(送受信の切り替えのため)の切り替え、インピーダンスチューニングの切り替え、周波数バンド変更の切り替えのために用いられる。
【0003】
RFスイッチは、携帯の基地局などにおいて使用されるため、高耐圧化及びスイッチの切り替え時間の高速化が求められているが、高耐圧化及びスイッチの切り替え時間の高速化を両立させることが難しいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-50129号公報
【特許文献2】特開2000-223902号公報
【特許文献3】特開2011-151772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、実施形態は、RFスイッチの高耐圧化及び切り替えを高速化することができるスイッチ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のスイッチ回路は、高周波スイッチと、レベルシフタ回路と、を有する。高周波スイッチは、それぞれが複数のスイッチを備えた第1のスイッチ群及び第2のスイッチ群を有し、高周波信号の送受信を切り替える。レベルシフタ回路は、第1のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第1の信号と、第2のスイッチ群の各スイッチのオン/オフを制御するための第2の信号とを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係わるスイッチ回路を含むスイッチ装置の構成の一例を示す構成図である。
図2】スイッチ回路の構成の一例を示す構成図である。
図3】スイッチ回路のフィルタ回路及びRFスイッチの構成の一例を示す構成図である。
図4】OSCの回路構成の一例を示す回路図である。
図5】チャージポンプ部の構成の一例を示す構成図である。
図6】チャージポンプ回路の回路構成の一例を示す回路図である。
図7】ブースト信号発生回路の回路構成の一例を示す回路図である。
図8】ブースト信号発生回路の入出力信号の波形の一例を示す波形図である。
図9】レベルシフタ回路の回路構成の一例を示す回路図である。
図10】RFスイッチの各スイッチを2つのグループに分割していない場合のスイッチの切り替え時間のシミュレーション結果を示す波形図である。
図11】RFスイッチの各スイッチを2つのグループに分割している場合のスイッチの切り替え時間のシミュレーション結果を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係わるスイッチ回路を含むスイッチ装置の構成の一例を示す構成図である。
【0009】
スイッチ装置1は、スイッチ回路10と、送受信回路11と、制御回路12とを有して構成されている。また、スイッチ装置1には、アンテナANTが接続されている。制御回路12は、スイッチ回路10及び送受信回路11に接続されている。制御回路12がスイッチ回路10及び送受信回路11を制御することで、高周波信号(以下、RF信号と呼ぶ)の送受信を制御する。これにより、スイッチ装置1は、RF信号の送受信などを行うことができる。
【0010】
制御回路12は、スイッチ回路10に後述する制御信号CTRLを出力する。制御回路12からの制御信号CTRLに応じて、スイッチ回路10の切り換えが行われる。
【0011】
図2は、スイッチ回路の構成の一例を示す構成図である。
スイッチ回路10は、ブースト信号発生回路20と、OR回路21と、オシレータ(以下、OSCと呼ぶ)22と、チャージポンプ回路24及び25を備えるチャージポンプ部23と、レベルシフタ回路26と、フィルタ回路27と、RFスイッチ28と、コンパレータ29、30とを有して構成されている。
【0012】
ブースト信号発生回路20には、制御回路12からの制御信号CTRLが入力される。制御信号CTRLは、Lレベルが0V、Hレベルが1.8Vの信号である。ブースト信号発生回路20は、制御信号CTRLがLレベルからHレベルに遷移する立ち上がりエッジ、及び、HレベルからLレベルに遷移する立ち下がりエッジの一方を検出すると、Hレベルのブースト信号(第1ブースト信号)をOR回路21に出力する。
【0013】
OR回路21には、ブースト信号発生回路20からのブースト信号に加え、後述するように、コンパレータ29及び30からHレベルの信号ブースト信号(第2及び第3ブースト信号)が入力される。OR回路21は、ブースト信号発生回路20、コンパレータ29及び30からのブースト信号のいずれか1つがHレベルの場合、Hレベルのブースト信号をOSC22、及び、チャージポンプ回路25に出力する。
【0014】
OSC22は、所定の周波数のクロック信号(パルス信号)CLKを生成することができる。OSC22は、生成した所定の周波数のクロック信号CLKをチャージポンプ回路24、25に出力する。OSC22は、後述するブースト信号が入力されると、所定の周波数よりも一時的に周波数を上げたクロック信号CLKを生成し、チャージポンプ回路24、25に出力する。
【0015】
第1チャージポンプ回路を構成するチャージポンプ回路24は、例えば3Vの電源VDDまたは0VのグランドGNDが入力されている。チャージポンプ回路24は、クロック信号CLKに応じて電源VDDまたはグランドGNDを昇圧または降圧し、+4.3V(第1電圧)または-3V(第2電圧)を出力する。+4.3Vの出力は、レベルシフタ回路26及びコンパレータ29に入力される。-3Vの出力は、レベルシフタ回路26及びコンパレータ30に入力される。
【0016】
第2チャージポンプ回路を構成するチャージポンプ回路25は、ブースト信号が入力された際のみ動作する。すなわち、チャージポンプ回路25は、チャージポンプ回路24の駆動能力が低下して+4.3V及び-3Vの出力が出せない場合に、電流供給能力を増加させて駆動能力を上げている。
【0017】
レベルシフタ回路26には、制御回路12からLレベルが0V、Hレベルが1.8Vの制御信号CTRLが入力される。レベルシフタ回路26は、制御信号CTRLとして1.8Vが入力されると、+4.3Vにレベルシフトしてフィルタ回路27に出力し、制御信号CTRLとして0Vが入力されると、-3Vにレベルシフトしてフィルタ回路27に出力する。詳細は後述するが、レベルシフタ回路26は、+4.3V又は-3Vにレベルシフトした2つの信号OUT1、OUT2をフィルタ回路27に出力する。
【0018】
フィルタ回路27は、入力された信号OUT1、OUT2から雑音等をアイソレーションして(分離して)、雑音等をアイソレーションした2つの信号をRFスイッチ28に出力する。
【0019】
RFスイッチ28は、入力された2つの信号に基づきスイッチの切り替えを行う。RFスイッチ28の一端は、アンテナANTに接続され、他端は、送受信回路11に接続されている。このような構成により、スイッチ回路10は、アンテナANTを介して受信したRF信号を送受信回路11に出力したり、送受信回路11から入力されたRF信号をアンテナANTを介して送信したりすることができる。
【0020】
コンパレータ29は、チャージポンプ回路24の+4.3Vの出力電圧と基準電圧ref1とを比較し、出力電圧が基準電圧ref1より低下するとブースト信号(Hレベルの信号)をOR回路21に出力する。
【0021】
コンパレータ30は、チャージポンプ回路24の-3Vの出力電圧と基準電圧ref2とを比較し、出力電圧が基準電圧ref2より上昇するとブースト信号(Hレベルの信号)をOR回路21に出力する。
【0022】
スイッチ回路10は、SOI(Silicon on Insulator)上に形成されてもよい。スイッチ回路10をSOI上に形成することで、高耐圧化を実現することができる。さらに、スイッチ回路10をSOI上に形成することで、バルクCMOSに比べて寄生容量が小さくなる、或いは、シリコン基板に比べてRFスイッチの高速な切り替えを実現することができる。
【0023】
図3は、スイッチ回路のフィルタ回路及びRFスイッチの構成の一例を示す構成図である。
フィルタ回路27は、アイソレーション用の抵抗Ra及びRbを有する。アイソレーション用の抵抗Ra及びRbは、フィルタ回路27側からRFスイッチ28に雑音等が入力されないようにしている。抵抗Raは、レベルシフタ回路26から出力された信号OUT1をアイソレーションし、抵抗Rbは、レベルシフタ回路26から出力された信号OUT2をアイソレーションする。
【0024】
RFスイッチ28は、ソース・ドレインが直列に接続された複数のトランジスタTr1a及びTr1bを含む。各トランジスタTr1aのゲートには、RF信号がフィルタ回路27側に漏れないようにするための耐圧用の抵抗R1aの一端が接続されている。複数の抵抗R1aの他端は、アイソレーション用の抵抗Raに接続されている。
【0025】
また、各トランジスタTr1bのゲートには、RF信号がフィルタ回路27側に漏れないようにするための耐圧用の抵抗R1bの一端が接続されている。複数の抵抗R1bの他端は、アイソレーション用の抵抗Rbに接続されている。
【0026】
このような構成により、第1のスイッチ群を構成する複数のトランジスタTr1aは、レベルシフタ回路26から出力された信号OUT1によりオン/オフが制御され、第2のスイッチ群を構成する複数のトランジスタTr1bは、レベルシフタ回路26から出力された信号OUT2によりオン/オフが制御される。
【0027】
多段に構成されているスイッチであるトランジスタTr1a及びTr1bを2つのグループに分割し、レベルシフタ回路26からの異なる信号OUT1及びOUT2によってオン/オフを制御する。この結果、信号OUT1で動作するスイッチの段数、及び、信号OUT2で動作するスイッチの段数を、全体のスイッチの段数よりも少なくすることができるため、全体としてRFスイッチ28における切り替え時間を短縮することができる。
【0028】
RF信号は、アンテナANTから入力されたり、アンテナANTへ出力されたりする。上述したように、RFスイッチ28の一端はアンテナANTに接続され、他端は送受信回路11に接続される。スイッチ回路10がインピーダンスチューニング時の切り替えに使用される場合は、RFスイッチ28の他端には、キャパシタ、インダクタなどのチューニング用素子が接続される。
【0029】
図4は、OSCの回路構成の一例を示す回路図である。
OSC22は、遅延量を可変することができる複数のインバータINVをリング状に接続して構成されている。OSC22は、ブースト信号が入力されると、複数のトランジスタTr2を介して各インバータINVに供給する電流を増加させ、クロック信号CLKの周波数を上げる構成になっている。
【0030】
なお、OSC22は、複数のインバータINVがリング状に接続されたリングオシレータに限定されるものではなく、所望の周波数のクロック信号CLKを生成することができる構成であれば、他の種類のオシレータであってもよい。
【0031】
図5は、チャージポンプ部の構成の一例を示す構成図である。図6は、チャージポンプ回路の回路構成の一例を示す回路図である。
チャージポンプ回路24は、電源VDDまたはグランドGNDを昇圧または降圧して+4.3Vまたは-3Vを出力する。チャージポンプ回路24は、1つのチャージポンプ回路24によって+4.3Vまたは-3Vに昇圧または降圧できない場合、複数のチャージポンプ回路24aを直列に接続する構成でもよい。チャージポンプ回路25も複数のチャージポンプ回路25aを直列に接続する構成でもよい。
【0032】
チャージポンプ回路24及び25には、OSC22からのクロック信号CLK(+)と、例えばインバータ回路により反転された反転クロック信号CLK(-)が入力される。チャージポンプ回路25には、クロック信号CLK(+)及び反転クロック信号CLK(-)の信号ラインに切替回路25bが設けられている。
【0033】
切替回路25bは、Hレベルのブースト信号が入力された場合、クロック信号CLK及び反転クロック信号CLK(-)をチャージポンプ回路25(又は25a)に入力するように切り替える。これにより、ブースト信号が入力された場合のみ、チャープポンプ回路25(又は25a)が動作し、チャージポンプ回路24の駆動能力を増強させる。
【0034】
図6に示すように、チャージポンプ回路24は、p型のトランジスタTr3、Tr4、n型のトランジスタTr5、Tr6、及び、コンデンサC1、C2を有して構成されている。クロック信号CLK(+)及び反転クロック信号CLK(-)によりトランジスタTr3~Tr6のON/OFFを制御し、コンデンサC1及びC2に電荷を蓄電またはコンデンサC1及びC2から電荷を放電することで、チャージポンプ回路24は入力信号を昇圧または降圧した出力信号を出力する。
【0035】
チャージポンプ回路25の構成は、図6に示すチャージポンプ回路24の構成と同じである。なお、チャージポンプ回路24及び25の構成は、図6のp型のトランジスタTr3、Tr4、n型のトランジスタTr5、Tr6、及び、コンデンサC1、C2を有する構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0036】
図7は、ブースト信号発生回路の回路構成の一例を示す回路図である。図8は、ブースト信号発生回路の入出力信号の波形の一例を示す波形図である。
図7に示すように、ブースト信号発生回路20は、遅延回路31と、XOR回路32とを有して構成されている。
【0037】
ブースト信号発生回路20に入力された入力信号(制御信号CTRL)は、遅延回路31と、XOR回路32の一方の端子とに入力される。遅延回路31は、入力信号を所定時間遅延してXOR回路32に出力する。遅延回路31によって所定時間遅延された遅延入力信号は、XOR回路32の他方の端子に入力される。
【0038】
これにより、XOR回路32には、図8に示す入力信号及び遅延入力信号が入力される。入力信号は、時間t1にLレベルからHレベルに切り替わり、時間t3にHレベルからLレベルに切り替わっている。また、遅延入力信号は、遅延回路31によって遅延され、時間t2にLレベルからHレベルに切り替わり、時間t4にHレベルからLレベルに切り替わっている。
【0039】
XOR回路32は、入力された信号レベルが異なる場合にHレベルの信号を出力する。そのため、XOR回路32は、時間t1から時間t2までの間、及び、時間t3から時間t4までの間にHレベルの出力信号(ブースト信号)をOR回路21に出力する。
【0040】
このように、ブースト信号発生回路20は、制御信号CTRLがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに切り替わると直ちに出力信号(ブースト信号)をOR回路21に出力する。言い換えると、ブースト信号発生回路20は、制御信号CTRLの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出すると、直ちにHレベルの出力信号(ブースト信号)をOR回路21に出力する。出力信号のパルス幅は、遅延回路31が入力信号を遅延させる時間(遅延量)によって任意に決めることができる。なお、ブースト信号発生回路20の構成は、制御信号CTRLのエッジを検出することができる構成であれば図7の構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0041】
図9は、レベルシフタ回路の回路構成の一例を示す回路図である。
レベルシフタ回路26は、複数のトランジスタを有して構成されている。レベルシフタ回路26には、入力として制御信号CTRLと、反転入力として反転された制御信号CTRLとが入力される。
【0042】
レベルシフタ回路26は、Hレベル(1.8V)の制御信号CTRLが入力されると、p型のトランジスタTr7、Tr8がONされ、+4.3Vにレベルシフトした信号OUT1を出力する。
【0043】
同様に、レベルシフタ回路26は、Hレベル(1.8V)の制御信号CTRLが入力されると、p型のトランジスタTr11、Tr12がONされ、+4.3Vにレベルシフトした信号OUT2を出力する。
【0044】
一方、レベルシフタ回路26は、Lレベル(0V)の制御信号CTRLが入力されると、n型のトランジスタTr9、Tr10がONされ、-3Vにレベルシフトした信号OUT1を出力する。
【0045】
同様に、レベルシフタ回路26は、Lレベル(0V)の制御信号CTRLが入力されると、n型のトランジスタTr13、Tr14がONされ、-3Vにレベルシフトした信号OUT2を出力する。
【0046】
このような構成により、レベルシフタ回路26は、+4.3Vまたは-3Vにレベルシフトした信号OUT1及びOUT2をRFスイッチ28のトランジスタTr1a及びTr1bに出力することができる。
【0047】
なお、レベルシフタ回路26の構成は、Hレベル及びLレベルの制御信号CTRLを+4.3V及び-3Vにレベルシフトする構成であれば図9の構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0048】
ここで、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割していない場合のスイッチの切り替え時間と、2つのグループに分割している場合のスイッチの切り替え時間とのシミュレーション結果を図10及び図11を用いて説明する。
【0049】
図10は、RFスイッチの各スイッチを2つのグループに分割していない場合のスイッチの切り替え時間のシミュレーション結果を示す波形図である。図11は、RFスイッチの各スイッチを2つのグループに分割している場合のスイッチの切り替え時間のシミュレーション結果を示す波形図である。
【0050】
図10に示すように、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割していない場合、スイッチの切り替え開始時刻がT1であり、スイッチのゲート電圧がオン電圧となった時刻がT2である。そのため、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割していない場合、スイッチの切り替え時間はT3(usec)となっている。
【0051】
一方、図11に示すように、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割している場合、スイッチの切り替え開始時刻がT1であり、スイッチのゲート電圧がオン電圧となった時刻がT4である。そのため、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割している場合、スイッチの切り替え時間はT5(usec)となっている。
【0052】
これらのシミュレーション結果から、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割している場合、RFスイッチ28の各スイッチを2つのグループに分割していない場合に比べて、スイッチの切り替え時間が約1/2となり、スイッチ切り替えの高速化が図られている。
【0053】
以上のように、本実施形態では、RFスイッチ28の複数のトランジスタTr1a、Tr1bを多段に接続、すなわち、スイッチを多段に接続することで高耐圧化を図っている。一般的に、スイッチを多段に接続することで高耐圧化を図れるが、スイッチの切り替え時間が遅くなる。
【0054】
これに対し、本実施形態では、RFスイッチ28の複数のスイッチを2つのグループに分割し、それぞれ異なる信号でスイッチを切り替えることで、上述したように、スイッチの切り替え時間の高速化を図っている。
【0055】
よって、本実施形態のスイッチ回路10によれば、RFスイッチ28の高耐圧化及び切り替えを高速化することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、RFスイッチ28の複数のトランジスタを2つのグループ、ここでは、トランジスタTr1aのグループとトランジスタTr1bのグループとに分割しているが、3つ以上のグループに分割してもよい。
【0057】
この場合、レベルシフタ回路26が分割されたトランジスタのグループのそれぞれに対して、オン/オフを制御するための信号を出力するように構成すればよい。RFスイッチ28の複数のトランジスタを3つ以上のグループに分割し、それぞれ異なる信号でオン/オフを制御することで、RFスイッチ28の切り替えの時間の更なる高速化を図ることができる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1…スイッチ装置、10…スイッチ回路、11…送受信回路、12…制御回路、20…ブースト信号発生回路、21…OR回路、22…OSC、23…チャージポンプ部、24,25…チャージポンプ回路、26…レベルシフタ回路、27…フィルタ回路、28…RFスイッチ、29,30…コンパレータ、31…遅延回路、32…XOR回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11