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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004660
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】水切りごみ袋
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20230110BHJP
   B65D 30/12 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B65F1/00 N
B65D30/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106496
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】515327052
【氏名又は名称】岡田 佳子
(72)【発明者】
【氏名】岡田 佳子
【テーマコード(参考)】
3E023
3E064
【Fターム(参考)】
3E023BA02
3E023BA03
3E023BA13
3E023BA17
3E023FA02
3E023FA03
3E064AA13
3E064AB03
3E064BA05
3E064BA21
3E064BA25
3E064BB03
3E064BC04
3E064EA22
3E064HM01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生ごみ等を投入する開口部をカバー片で覆うことで開口部からの生ごみ等による悪臭の放散が無く、生ごみ等を捨てる際には自立していた水切りごみ袋自体を捨てることになるため汚れが付着する容器等が無く衛生的で廉価である水切りごみ袋を提供する。
【解決手段】底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部9を形成し、自立後の少なくとも底面部6または略垂直面の下部のいずれかに水切り孔7を設けた水切りごみ袋であって、自立状態とした際に対向する二つの略垂直面のそれぞれにおいて、幅方向の端部から中央部の間において選ばれる位置に、開口部上部から下方向に向かって、該略垂直面の全幅の少なくとも半分の長さの切込み部10が設けられ、該切込み部10は対向する二つの略垂直面において向かい合って設けられていることを特徴とする水切りごみ袋である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の少なくとも底面部または略垂直面の下部のいずれかに水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態とした際に対向する二つの略垂直面のそれぞれにおいて、幅方向の端部から中央部の間において選ばれる位置に、開口部上部から下方向に向かって、該略垂直面の全幅の少なくとも半分の長さの切込み部が設けられ、該切込み部は対向する二つの略垂直面において向かい合って設けられていることを特徴とする水切りごみ袋。
【請求項2】
切込み部の下端は丸形状または楕円形状または半円形状または半楕円形状または多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の水切りごみ袋。
【請求項3】
不透明で耐水性を有する可撓性材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の水切りごみ袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部が略水平方向に広がることにより自立し、上部が、広がった底部と略同形状に開口状態に保持されて開口部と成し、自立後の少なくとも底面部または略垂直面の下部のいずれかに水切り孔が設けられている水切りごみ袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変形しない湾曲部材(1)と、この部材と同じ長さを有し、かつ両端部を、前記湾曲部材(1)と連結した可撓変形可能な可変部材(2)からなる袋開閉具(A)と、この袋開閉具(A)の挟着部(3、4、5、6)に取り付ける袋(B)と、前記袋開閉具(A)の被係止部(7)に、取り付ける自立スタンド(C)からなる生ゴミ容器が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、平板状容器部と、前記平板状容器部の内側に設置する袋状の内挿体とを備え、前記平板状容器部は、前面及び後面を形成する可とう性シートの底辺と両側の側面を繋ぎ、上辺に開口部を有し、前記前面及び後面を形成する前記シートは可とう性により広げた前記開口部を閉じる方向に力が働き、前記開口部を形成した前面又は後面シートのうち、少なくとも一方に、前記内側に設置された内挿体を係止するための係止手段を有することを特徴とする生ごみ入れが提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、生ゴミ等の収納用水切り袋であって、該袋の開口部の中央の両側に、該袋を結ぶ為に結び手を通す穴ならびに縦、横、十字の切り込み等を設けた結び手を設けて、一方の結び手をもう一方の結び手の穴ならびに切り込みに通して、その通した片方の結び手を片手で持って、該袋のセットした容器、用具等から、生ゴミの入った該袋を取り上げて持ち上げたまま、空中で結ぶ事ができる生ゴミ収納水切り袋が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-168902号公報
【特許文献2】特開2017-36136号公報
【特許文献3】特開2001-97502号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1の生ゴミ容器は、袋(B)そのものが自立するものではないため、自立スタンド(C)に取り付けられた袋開閉具(A)に袋(B)を取り付ける構成となっていて、袋(B)を取り換える度に新たな袋(B)を袋開閉具(A)に取り付ける必要があり手間が掛かるという課題がある。また袋開閉具(A)は変形しない湾曲部材(1)と可撓変形可能な可変分材(2)をそれぞれの両端で連結した構成となっており、その構成は複雑であるため高価であるという課題があり、さらには、該袋開閉具(A)が汚れて非衛生的な状態に成る可能性があるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2の生ごみ入れは、開口部が可とう性シートの変形により閉じるという効果を有するものの、底部は直線状であるため何の支えもないと自立することが出来ない、という課題がある。また、内挿体という袋状のものを内側に挿入して使用するものであるため、該生ごみ入れ自体が上記特許文献1の生ゴミ容器と同様に、汚れて非衛生的な状態に成る可能性があるという課題がある。
【0008】
また、特許文献3の生ゴミ収納水切り袋は、結び手をもう一方の結び手の穴等に通すことで持ち手が形成される効果があるものの、開口部は蓋をした状態とはならず、生ゴミから発生する悪臭が開口部の一部より放散される場合がある、という課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、水切りごみ袋自体が自立し、生ごみ等を投入する開口部をカバー片で覆うことで開口部からの生ごみ等による悪臭の放散が無く、生ごみ等を捨てる際には自立していた水切りごみ袋自体を捨てることになるため汚れが付着する容器等が無く衛生的で廉価である水切りごみ袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を解決するため、請求項1記載の発明は、底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部を形成し、自立後の少なくとも底面部または略垂直面の下部のいずれかに水切り孔を設けた水切りごみ袋であって、
自立状態とした際に対向する二つの略垂直面のそれぞれにおいて、幅方向の端部から中央部の間において選ばれる位置に、開口部上部から下方向に向かって、該略垂直面の全幅の少なくとも半分の長さの切込み部が設けられ、該切込み部は対向する二つの略垂直面において向かい合って設けられていることを特徴とする水切りごみ袋を提供する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、切込み部の下端は丸形状または多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の水切りごみ袋を提供する。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、不透明で耐水性を有する可撓性材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の水切りごみ袋を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る水切りごみ袋は、底部が略水平方向に広がることで自立し、上部が開口状態に保持されて開口部が形成されるが、該開口部は、自立状態とした際に対向する二つの略垂直面に設けられた切込み部(都合二つの切込み部)によって結果として形成される二つのカバー片によって覆うことが出来る効果があり、これにより、開口部からの生ごみ等の悪臭の放散を防止することが出来るという効果がある。
【0014】
また、切込み部の長さを切込み部が設けられた略垂直面の全幅の半分以上とすれば、二つのカバー片で開口部を覆った際、切込み部の長さのうち、略垂直面の全幅の半分を超えた長さ分(最大、該略垂直面の全幅分であり、これを超える分は余分となる)、二つのカバー片同士がオーバーラップすることになり、オーバーラップした分、開口部を確実に覆うことが出来るようになる。これにより開口部からの生ごみ等の悪臭の放散を確実に防止することが出来るという効果がある。
【0015】
また、請求項2に係る水切りごみ袋は、切込み部の下端は丸形状または楕円形状または半円形状または半楕円形状または多角形状に形成されているため、切込み部の下端がさらに下方向に切り裂かれることが防止される効果があり、本発明に係る水切りごみ袋を使用中に切込み部の下端が切り裂かれて袋内の生ごみ等がこぼれ出ることを防止することが出来る効果がある。
【0016】
また、袋内に生ごみ等が満杯になった際には、対向するカバー片同士を結び合わせることが出来、しっかりと結びあわせれば開口部は略閉じられた状態となると共に、結び合わせた部分を持ち手として手で持つことが出来る効果があり、これにより中に入れた生ごみ等をこぼれない状態で移動させ廃棄することが出来る効果がある。また結果として自立していた水切りごみ袋自体を捨てることになるため、汚れが付着する容器等が無く衛生的で廉価であるという効果がある。
【0017】
また、請求項3記載の水切りごみ袋は、不透明で耐水性を有する可撓性材料で形成されているため、袋内に投入された生ごみ等が外から見えず、見た目にも衛生的である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の正面図である。
図2】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の左側面図である。
図3】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の平面図である。
図4】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例の底面図である。
図5】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例のA-A断面図である。
図6】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって、底部を広げて自立させた状態を示す状態斜視図である。
図7】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ、一つのカバー片で開口部を覆った状態を示す状態斜視図である。
図8】本願請求項1に係る水切りごみ袋の実施例であって底部を広げて自立させ、図7の状態からさらにもう一つのカバー片で開口部を二重に覆った状態を示す状態斜視図である。
図9】本願請求項2に係る水切りごみ袋の実施例の状態斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本願の請求項1に係る水切りごみ袋の実施例について図1乃至図9に基いて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本願請求項1に係る水切りごみ袋1の実施例の正面図であり、底部2を略水平方向に広げることで自立させることができる水切りごみ袋1である。図1乃至図5は、いずれも底部2を略水平方向に広げる前の所謂マチ部3が折り畳まれた状態の水切りごみ袋1を示していて、底部2を広げると図6に示すように左右のマチ部3の下部3aは三角形状に折り畳まれ、水切りごみ袋1の正面部4の下部4a及び裏面部5の下部5aは、マチ部3の折り畳まれた長さ分、略水平方向に広がりながら底面部6へと変化し、前記三角形状に折り畳まれたマチ部3の下部3aと重層状態となって水切りごみ袋1は自立するように成っている。
【0021】
水切りごみ袋1を上記のように自立させた後の底面部6には、水切り孔7が複数個穿設されていて、水切りごみ袋1に投入された生ごみ等から滲出する水分を袋外に排出するように成っている。該水切り孔7は本実施例では底面部6に設けられているが、底面部6以外の略垂直面である正面部4、裏面部5及び2つの側面部8の下部に設けてもよい。側面部8は前記マチ部3が広げられたものであり、略垂直面である正面部4、裏面部5及び側面部8、8によって開口部9が形成させている。
【0022】
本実施例では略垂直面であって、対向する二つの側面部8、8の中央部に、開口部9上部から下方向に切込み部10が設けられている。該切込み部10は対向する二つの略垂直面に設けられていれば良く、本実施例では側面部8、8ではなく、正面部4及び裏面部5の中央部に設けても良い。
【0023】
また、略垂直面に設ける切込み部10の切込み位置は本実施例では中央部としたが、該略垂直面の幅方向の端部から中央部の間において任意に選ばれる位置であればどの位置であっても良い。
【0024】
また、切込み部10の切込み長さは、少なくとも、該切込み部10が設けられている略垂直面である側面部8の全幅の少なくとも半分の長さ分設けられていれば良く、また二つの略垂直面において向かい合って設けられている。このように形成することより、下記のように切込み部10が設けられることによって結果として形成されるカバー片11、12を折り畳むようにして開口部9をそれぞれで少なくとも半分ずつを覆うことが出来、理論上は二枚のカバー片11、12または少なくとも一枚のカバー片11またはカバー片12のいずれかで開口部9を隙間なく覆うことが出来る。ただ工学的には、本発明である水切りごみ袋1は剛直ではなく、上記のようにマチ部を折り畳むことが出来るような態様を満足させる可撓性のある材料で形成されるため、該可撓性により変形する開口部9の大きさの変化を考慮して、切込み部10の切込み長さは多少短く形成することが可能である。
【0025】
本実施例では、二つの略垂直面の中央部に切込み部10が設けられることにより、結果として2つのカバー片11、12が形成されるが、詳しくは正面部4の上部と側面部8、8の上部の半分8a、8aによってカバー片11が形成され、裏面部5の上部と側面部8、8の上部の半分8b、8bによってカバー片12が形成され、切込み部10の長さは、本実施例では該切込み部10が設けられている側面部8、8の全幅の約1.5倍の長さに形成されている
【0026】
このように自立した本発明に係る水切りごみ袋1には開口部9より生ごみ等を投入するが、満杯状態に成る前には、カバー片11によって、例えば図7に示すように開口部9を切込み部10の下端10aの高さ位置で覆うことが出来る。図7では上述の底部2を形成するマチ部3の形状の変化と同様に、カバー片11を折り畳むことにより開口部9を覆っている。
【0027】
同様にカバー片12についても、すでに折り畳まれて開口部9を覆っているカバー片11の上に、カバー片11と同様に折り畳んで図8のように開口部9を二重に覆うことが出来る。本実施例において切込み部10は上記のように側面部8、8の全幅の1.5倍長に形成されているため、二枚のカバー片11、12は開口部9を二重に覆うと共に、側面部8、8の全幅の半分長が余分と成っている。
【0028】
本発明に係る水切りごみ袋1は切込み部10の下端10aの高さが、生ごみ等を投入した際の満杯レベルになるが、満杯になった際には、カバー片11、12同士を結び合わせることが出来、しっかりと結びあわせれば開口部9は略閉じられた状態となって結び合わせた部分を持ち手として持つことができ、これにより移動廃棄することが出来る。
【0029】
図9は請求項2に係る水切りごみ袋の実施例であるが、上記水切りごみ袋1の切込み部10の下端10aの形状を丸形状に形成して、切込み部10の下端10aが切り裂かれて、生ごみ等を投入できる満杯レベルが低下しないように成っている。勿論切込み部10の下端10aが容易に切り裂かれないような形状であればどのような形状であってもよく、例えば楕円形状、半円形状、半楕円形状、三角形状、四角形状等の多角形状に形成しても良いのは勿論である。
【0030】
本願請求項1及び請求項2に係る水切りごみ袋の材質であるが、上記態様を満足するものであればどのようなものでも良く、例えばポリエチレン等の合成樹脂フィルムやクラフト紙や耐水性紙類等、これらの積層体等も使用でき、透明、半透明、不透明であっても良い。
【0031】
一方、本願請求項3に係る水切りごみ袋は不透明で耐水性を有する可撓性材料で形成された水切りごみ袋である。不透明であればカバー片11、12によって開口部9が閉じられた状態になると袋内に投入された生ごみが見えなくなり、見た目にも衛生的であると共に意匠的にも美感を有するものとなる。
【符号の説明】
【0032】
1 水切りごみ袋
2 底部
3 マチ部
3a 下部
4 正面部
4a 下部
5 裏面部
5a 下部
6 底面部
7 水切り孔
8 側面部
8a 上部の半分
8b 上部の半分
9 開口部
10 切込み部
10a 下端
11 カバー片
12 カバー片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9