IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イーエムエンジニアリングの特許一覧

<>
  • 特開-卓上除菌システム 図1
  • 特開-卓上除菌システム 図2
  • 特開-卓上除菌システム 図3
  • 特開-卓上除菌システム 図4
  • 特開-卓上除菌システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046703
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】卓上除菌システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20230329BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20230329BHJP
【FI】
A61L9/20
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155438
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】391035119
【氏名又は名称】株式会社イーエムエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】井山 幸男
【テーマコード(参考)】
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH17
4C180HH19
4D058JA01
4D058QA01
4D058QA21
4D058TA08
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】飛沫の飛散を抑制するとともに、飛沫を含む空気の除菌を可能とする卓上除菌システムを提供する。
【解決手段】
卓Tの上に設置され、鉛直方向に延びる支柱10と、支柱10の下端よりも上方で支柱10に設けられ、空気を吸い込んで、上方に開口する吹出口21bから空気を流出させるファン装置2と、ファン装置2の上方で支柱10に設けられ、吹出口21bから流出した空気に紫外線を照射する紫外線装置3と、を備えている。またファン装置2の上方で支柱10に設けられて、吹出口21bから流出した空気が通過するエアフィルタ装置4をさらに備えていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上に設置され、鉛直方向に延びる支柱と、
前記支柱の下端よりも上方で該支柱に設けられ、空気を吸い込んで、上方に開口する吹出口から空気を流出させるファン装置と、
前記ファン装置の上方で前記支柱に設けられ、前記吹出口から流出した空気に紫外線を照射する紫外線装置と、
を備える卓上除菌システム。
【請求項2】
上方から見て、前記紫外線装置の少なくとも一部が前記ファン装置における前記吹出口と重なる位置に配置されている請求項1に記載の卓上除菌システム。
【請求項3】
前記紫外線装置は、
紫外線を放射する紫外線光源と、
前記紫外線光源を下方で支持するとともに前記支柱に固定された光源支持体とを有し、
前記光源支持体には、前記鉛直方向に貫通し、前記吹出口から流出した空気が流通可能な空気流通路が設けられている請求項2に記載の卓上除菌システム。
【請求項4】
前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、
前記光源支持体は、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されている請求項3に記載の卓上除菌システム。
【請求項5】
前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、
前記ファン装置は、
回転するファン本体と、
ファン本体を収容するとともに前記吹出口を形成するファンケースと、
を有し、
前記ファンケースは、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されている請求項1から4のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項6】
対をなす前記支柱および前記ファン装置が、前記卓上で、かつ、前記ファン装置の下方において下部開口を形成している請求項1から5のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項7】
前記ファン装置の上方で前記支柱に設けられて、前記吹出口から流出した空気が通過するエアフィルタ装置をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項8】
前記エアフィルタ装置は、前記紫外線装置の上方で前記支柱に設けられている請求項7に記載の卓上除菌システム。
【請求項9】
上方から見て、前記エアフィルタ装置の少なくとも一部が前記紫外線装置と重なる位置に配置されている請求項7または8に記載の卓上除菌システム。
【請求項10】
前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、
前記エアフィルタ装置は、
空気の集塵を行うフィルタ本体と、
前記フィルタ本体を収容するフィルタケースと、
を有し、
前記フィルタケースは、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されている請求項7から9のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項11】
前記紫外線装置と前記エアフィルタ装置とは、前記鉛直方向に隣接して30mm以下の間隔を空けて配置されている請求項7から10のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項12】
前記ファン装置と前記紫外線装置とは、前記鉛直方向に隣接して30mm以下の間隔を空けて配置されている請求項1から11のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項13】
前記ファン装置の下端は、前記支柱の下端から前記鉛直方向に500mm以上離れた位置に配置されている請求項1から12のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項14】
前記ファン装置は、前記支柱の上端から、該支柱における前記鉛直方向の長さ寸法の1/2以下の範囲内に配置されている請求項1か13のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項15】
前記支柱から前記卓上における奥行方向に突出して設けられ、前記卓上の空間を前記奥行方向に交差する横幅方向に仕切る仕切りパネルをさらに備える請求項1から14のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【請求項16】
前記支柱に設けられ、前記ファン装置における前記吹出口および前記紫外線装置を前記卓上における奥行方向から覆う前面カバーをさらに備える請求項1から15のいずれか一項に記載の卓上除菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卓上除菌システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卓上に設けられて、着席した人からの飛沫を防止するパーティションが知られている。このようなパーティションは、例えば特許文献1に記載されているように透明のパネル、およびパネルを立てた状態で支持する脚によって構成され、卓上に載置されて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3231849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記のようなパーティションでは、対面して着席した人同士の間での飛沫の遮断を行うことはできるものの、例えばパーティションによって跳ね返された飛沫が着席者の後方に飛散したり、パーティションの上方に飛散したりする可能性はある。さらには、仮に飛沫にウィルスが含まれている場合には、ウィルスが室内に残留し、室内に居る他の人へのウィルスの感染のリスクが依然として存在している。
【0005】
そこで本発明は、卓上において飛沫の飛散を抑制するとともに、飛沫を含む空気の除菌を可能とする卓上除菌システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る卓上除菌システムは、卓上に設置され、鉛直方向に延びる支柱と、前記支柱の下端よりも上方で該支柱に設けられ、空気を吸い込んで、上方に開口する吹出口から空気を流出させるファン装置と、前記ファン装置の上方で前記支柱に設けられ、前記吹出口から流出した空気に紫外線を照射する紫外線装置と、を備える。
【0007】
上記卓上除菌システムでは、上方から見て、前記紫外線装置の少なくとも一部が前記ファン装置における前記吹出口と重なる位置に配置されていてもよい。
【0008】
上記卓上除菌システムでは、前記紫外線装置は、紫外線を放射する紫外線光源と、前記紫外線光源を下方で支持するとともに前記支柱に固定された光源支持体とを有し、前記光源支持体には、前記鉛直方向に貫通し、前記吹出口から流出した空気が流通可能な空気流通路が設けられていてもよい。
【0009】
上記卓上除菌システムでは、前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、前記光源支持体は、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されていてもよい。
【0010】
上記卓上除菌システムでは、前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、前記ファン装置は、回転するファン本体と、ファン本体を収容するとともに前記吹出口を形成するファンケースと、を有し、前記ファンケースは、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されていてもよい。
【0011】
上記卓上除菌システムでは、対をなす前記支柱および前記ファン装置が、前記卓上で、かつ、前記ファン装置の下方において下部開口を形成していてもよい。
【0012】
上記卓上除菌システムは、前記ファン装置の上方で前記支柱に設けられて、前記吹出口から流出した空気が通過するエアフィルタ装置をさらに備えていてもよい。
【0013】
上記卓上除菌システムでは、前記エアフィルタ装置は、前記紫外線装置の上方で前記支柱に設けられていてもよい。
【0014】
上記卓上除菌システムでは、上方から見て、前記エアフィルタ装置の少なくとも一部が前記紫外線装置と重なる位置に配置されていてもよい。
【0015】
上記卓上除菌システムでは、前記支柱は、前記卓上で前記鉛直方向に交差する方向に間隔をあけて対をなして設けられ、前記エアフィルタ装置は、空気の集塵を行うフィルタ本体と、前記フィルタ本体を収容するフィルタケースと、を有し、前記フィルタケースは、対をなす前記支柱同士の間にわたって配置され、両端において前記支柱に固定されていてもよい。
【0016】
上記卓上除菌システムでは、前記紫外線装置と前記エアフィルタ装置とは、前記鉛直方向に隣接して30mm以下の間隔を空けて配置されていてもよい。
【0017】
上記卓上除菌システムでは、前記ファン装置と前記紫外線装置とは、前記鉛直方向に隣接して30mm以下の間隔を空けて配置されていてもよい。
【0018】
上記卓上除菌システムでは、前記ファン装置の下端は、前記支柱の下端から前記鉛直方向に500mm以上離れた位置に配置されていてもよい。
【0019】
上記卓上除菌システムでは、前記ファン装置は、前記支柱の上端から、該支柱における前記鉛直方向の長さ寸法の1/2以下の範囲内に配置されていてもよい。
【0020】
上記卓上除菌システムは、前記支柱から前記卓上における奥行方向に突出して設けられ、前記卓上の空間を前記奥行方向に交差する横幅方向に仕切る仕切りパネルをさらに備えていてもよい。
【0021】
上記卓上除菌システムは、前記支柱に設けられ、前記ファン装置における前記吹出口および前記紫外線装置を前記卓上における奥行方向から覆う前面カバーをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
上記の卓上除菌システムによれば、飛沫の飛散を抑制するとともに、飛沫を含む空気の除菌が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る卓上除菌システムの全体斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る卓上除菌システムの正面図である。
図3】本発明の実施形態の第一変形例に係る卓上除菌システムの全体斜視図である。
図4】本発明の実施形態の第二変形例に係る卓上除菌システムの全体斜視図である。
図5】本発明の実施形態の第三変形例に係る卓上除菌システムの全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(全体構成)
以下、本発明の実施形態に係る卓上除菌システムについて説明する。
卓上除菌システム100は、テーブルや机等の卓Tの上に設置される。図1に示すように卓上除菌システム100は、フレーム1と、フレーム1に設けられたファン装置2、紫外線装置3、およびエアフィルタ装置4とを備えている。
【0025】
(フレーム)
フレーム1は、鉛直方向D3に延びる一対の支柱10と、これら支柱10同士を下端で接続する下枠11とを有している。
一対の支柱10は、卓Tの上において鉛直方向D3に交差する方向である横幅方向D1に間隔を空けて設けられている。各々の支柱10は、例えば角棒状や丸棒状をなしている。支柱10内には、詳細を後述するファン装置2および紫外線装置3に電力を供給するための不図示の電源装置(配線基板等を含む)が設けられている。この電源装置には支柱10の外側へ延びる配線が設けられて、室内のソケット(コンセント)に接続されてもよいし、ファン装置2および紫外線装置3に電力を供給するバッテリを電源装置自身が有していてもよい。
【0026】
下枠11は横幅方向D1に延びる板状をなし、一対の支柱10同士を支柱10における下端で接続している。卓上除菌システム100が卓Tの上に載置されると、下枠11の下面が支柱10の下面とともに卓Tの上面に接触し、卓上除菌システム100が卓Tの上に自立するようになっている。
【0027】
(ファン装置)
ファン装置2は、支柱10の下端よりも上方において支柱10に設けられている。本実施形態では、ファン装置2はクロスフローファンであって、一対の支柱10によって挟まれるようにして横幅方向D1に延びている。具体的にはファン装置2は、回転するファン本体20と、ファン本体20を収容するファンケース21とを有している。
【0028】
ファン本体20は、横幅方向D1に延びる回転軸線O回りに回転可能となっている。
ファンケース21はファン本体20を内側に収容する箱状をなして、一対の支柱10同士の間にわたって配置されている。ファンケース21における横幅方向D1の両端は、それぞれ支柱10に固定されている。ファンケース21の下端は、支柱10の下端、すなわち下枠11の下端よりも上方に位置している。
【0029】
またファンケース21には、下方に開口する空気の吸込口21a、および上方に開口する吹出口21bが形成されている。よってファン装置2は、吸込口21aから空気を吸い込み、吹出口21bから上方に空気を吹き出すようになっている。
【0030】
そしてファンケース21は、一対の支柱10、および下枠11を含むフレーム1とともに下部開口Xを卓Tの上に形成している。すなわち下部開口Xはファンケース21とフレーム1によって囲まれてファン装置2の下方に配置され、奥行方向D2に開口している。ここで奥行方向D2は、人が卓Tに向かった際に人から離れる方向を示し、横幅方向D1に直交する方向を示す。
【0031】
下部開口Xは、例えば卓Tを使用している人の顔面の少なくとも一部に重なる位置に形成されているとよい。本実施形態ではファンケース21の下端は、支柱10の下端から500mm以上離れた位置に配置され、少なくとも卓Tを着席して使用する人の口元よりも高い位置まで下部開口Xが形成されている。またファンケース21は支柱10の上端から、支柱10における鉛直方向D3の長さ寸法の1/2以下の範囲内に配置されているとよい。すなわち、卓上除菌システム100の全体を見たとき、鉛直方向D3の中央位置よりも上方に寄った位置にファン装置2が設けられているとよい。
【0032】
(紫外線装置)
紫外線装置3は、ファン装置2の上方で支柱10に設けられている。また紫外線装置3は、一対の支柱10によって挟まれるようにして横幅方向D1に延びている。具体的には紫外線装置3は、紫外線を放射する紫外線光源30と、紫外線光源30を下方で支持する光源支持体31とを有している。
【0033】
光源支持体31は、一対の支柱10同士の間にわたって配置されている。光源支持体31における横幅方向D1の両端は、それぞれ支柱10に固定されている。光源支持体31はファン装置2よりも上方において支柱10に固定されている。本実施形態では、光源支持体31とファン装置2とが鉛直方向D3に隣接し、30mm以下の間隔S1をあけて配置されており、より好ましくは、この間隔S1は5mm以上であるとよい(図2参照)。
【0034】
光源支持体31には、ファン装置2における吹出口21bから流出した空気が流通可能な空気流通路31aが設けられている。上方から見て空気流通路31aの少なくとも一部は吹出口21bに重なっている。本実施形態において光源支持体31は矩形板状をなしているとともに、空気流通路31aは、光源支持体31における横幅方向D1の中央位置を含む領域で、光源支持体31を鉛直方向D3に貫通しているとともに横幅方向D1に延びる長孔となっている。
【0035】
紫外線光源30は、紫外線を空気に照射するように紫外線を放射する例えば紫外線ランプである。紫外線光源30には蛍光灯やLEDを採用することができる。紫外線光源30は、紫外線のうち波長が100~280nmの深紫外線(UV-C)を放射するものであることが好ましい。
紫外線光源30は、光源支持体31の上方に配置されて下方から光源支持体31によって支持されている。上方から見て紫外線光源30の少なくとも一部は、光源支持体31における空気流通路31aと重なっている。
【0036】
さらに紫外線装置3の少なくとも一部は、上方から見て、ファン装置2における吹出口21bと重なっている。特に紫外線光源30の少なくとも一部が吹出口21bと重なっているとよい。また紫外線光源30の少なくとも一部は、空気流通路31aを介して吹出口21bに対して鉛直方向D3に対向しているとよい。
【0037】
紫外線光源30は、ファン装置2の吹出口21bから上方に流出した空気に対して紫外線を照射し、空気の殺菌を行う。
【0038】
(エアフィルタ装置)
エアフィルタ装置4は、紫外線装置3の上方で支柱10に設けられている。またエアフィルタ装置4は横幅方向D1に延びている。具体的にはエアフィルタ装置4は、空気の集塵を行うフィルタ本体40と、フィルタ本体40を収容するフィルタケース41とを有している。
【0039】
フィルタ本体40としては、例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等を採用可能であり、空気中からゴミ、塵埃などを除去する。
【0040】
フィルタケース41は、フィルタ本体40を内側に収容する箱状をなしており、一対の支柱10同士の間にわたって配置されている。フィルタケース41における横幅方向D1の両端は、それぞれ支柱10の上端に上方から固定されている。フィルタケース41は、紫外線装置3よりも上方において支柱10に固定されている。本実施形態では、フィルタケース41と紫外線装置3とが鉛直方向D3に隣接し、30mm以下の間隔S2をあけて配置されており、より好ましくはこの間隔S2は5mm以上であるとよい(図2参照)。
【0041】
またフィルタケース41には、下方に開口する空気の流入口41a、および上方に開口する空気の流出口41bが形成されている。空気は流入口41aを通じてフィルタ本体40に流入し、フィルタ本体40を通過した後に流出口41bから上方に流出する。
【0042】
ここでエアフィルタ装置4の少なくとも一部は、上方から見て、紫外線装置3に重っている。特にエアフィルタ装置4における流入口41aの少なくとも一部が紫外線光源30と重なっているとよい。さらには、流入口41aの少なくとも一部が空気流通路31aを介して吹出口21bに対して鉛直方向D3に対向しているとよい。
【0043】
(作用効果)
以上説明した卓上除菌システム100に対して、奥行方向D2に対面している人からの飛沫は、奥行方向D2の奥側(前方)かつ上方に向かう。すると、飛沫は空気とともにファン装置2に吸い込まれ、吹出口21bから上方に吹き出される。その後、飛沫を含んだ空気には紫外線装置3によって紫外線が照射され、除菌される。除菌後の空気は再び上方に向かい、エアフィルタ装置4によって集塵されて流出口41bから卓上除菌システム100の上方に流出する(図2参照)。
【0044】
この結果、仮に飛沫中にウィルスが含まれている場合であっても、室内にウィルスが飛散して残留してしまうことを回避することができる。よって飛沫によるウィルス感染を抑制することができる。
【0045】
さらには、上方から見て紫外線装置3の少なくとも一部がファン装置2の吹出口21bに重なっているため、空気を吹出口21bから紫外線装置3に向けて吹き出すことになり、吹出口21bから流出した空気に対して、より多くの紫外線を照射することが可能となり除菌効果を高めることができる。また本実施形態では紫外線装置3が鉛直方向D3にファン装置2との間に30mm以下の間隔S1をあけて配置されていることで、紫外線装置3とファン装置2とが近接して配置されている。したがって吹出口21bから流出した空気の多くを紫外線装置3の周囲に送り込むことがき、除菌効果をさらに高めることができる。
【0046】
また紫外線装置3における光源支持体31には空気流通路31aが設けられているため、吹出口21bから流出した空気の上方へ向かう流れが光源支持体31によって遮断されてしまうことを回避できる。すなわち、ファン装置2の上方に隣接して光源支持体31が配置され、光源支持体31のさらに上方に紫外線光源30が配置されていても、ファン装置2からの空気を紫外線光源30にスムーズに導くことができる。よって紫外線装置3による除菌効果をさらに高めることができる。
【0047】
さらに、一対の支柱10同士の間にわたってファン装置2が設けられていることで、フレーム1とファン装置2とが枠状をなしている。すなわち、一対の支柱10とファン装置2とが門型構造をなしている。したがって、卓Tの上に卓上除菌システム100を自立させることが可能となり、かつ、卓上除菌システム100の強度を向上することができる。
【0048】
同様に一対の支柱10同士の間にわたって紫外線装置3およびエアフィルタ装置4が設けられているため、卓上除菌システム100の強度をさらに向上することができる。
【0049】
またファン装置2が支柱10の下端、すなわち卓Tから鉛直方向D3に離れた位置に配置されており、かつ卓上除菌システム100の全体において上方に寄った位置に配置されている。特に本実施形態ではファンケース21の下端は支柱10の下端から500mm以上離れた位置に配置され、支柱10の上端から、支柱10における鉛直方向D3の長さ寸法の1/2以下の範囲内に配置されている。このためファン装置2は、人から出て上方に向かう飛沫を、飛沫の流れ方向に吸い込むことができる。よって飛沫のスムーズな吸い込みが可能である。
【0050】
そしてファン装置2の下方において卓Tの上には、フレーム1とファン装置2とによって囲まれた下部開口Xが形成されているため、卓上除菌システム100を挟んで奥行方向D2に対面する人同士が会話をする際には、声が通りやすくなる。
【0051】
またファン装置2の上方に紫外線装置3を配置し、紫外線装置3の上方にエアフィルタ装置4を配置したことで、ファン装置2に紫外線装置3を近接して配置でき、吹出口21bと近い位置において空気に紫外線を照射することができる。したがって除菌効果を高めることができる。
【0052】
さらに、上方から見てエアフィルタ装置4の少なくとも一部が紫外線装置3に重なっているため、紫外線装置3によって除菌された空気がエアフィルタ装置4に向かって流入しやすくなる。よって除菌後の空気の集塵効果を高めることができる。また本実施形態ではエアフィルタ装置4が、鉛直方向D3に紫外線装置3との間に30mm以下の間隔S2をあけて配置されていることで、エアフィルタ装置4と紫外線装置3とが近接して配置されている。したがって除菌された空気がエアフィルタ装置4に流入しやすくなる。
【0053】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0054】
例えばエアフィルタ装置4は無くともよい。またファン装置2の上方に隣接してエアフィルタ装置4を設け、エアフィルタ装置4の上方に隣接して紫外線装置3を設けてもよい。ファン装置2はクロスフローファンに限定されず、遠心送風機や、軸流送風機や斜流送風機等であってもよい。
【0055】
また下部開口Xを塞ぐ閉塞板(例えば透明の樹脂板)を設けてもよい。
【0056】
また図3に示すように、卓上除菌システム100は仕切りパネル6をさらに備えていてもよい。仕切りパネル6は、卓上において支柱10から奥行方向D2に突出して設けられ、卓Tの上の空間を横幅方向D1に仕切っている。仕切りパネル6は例えば透明の樹脂板によって構成されている。仕切りパネル6は、支柱10に対して例えば横幅方向D1の外側から着脱可能に取り付けられている。仕切りパネル6は例えば支柱10と、支柱10に対して横幅方向D1の外側から取り付けられた支柱カバー10xとによって、横幅方向D1に挟み込まれるようにして支柱10に取り付けられてもよい。また仕切りパネル6は奥行方向D2の手前側のみ、または奥側のみに設けられてもよい。この場合、仕切りパネル6は支柱10に対して手前側と奥側とに分割されていてもよい。また仕切りパネル6は横幅方向D1の一方の支柱10のみに設けられていてもよい。
【0057】
また図4に示すように、ファン装置2における吹出口21bおよび紫外線装置3を覆う前面カバー7を支柱10に設けてもよい。前面カバー7は一対の支柱10同士の間にわたって配置され、奥行方向D2から見てファン装置2および紫外線装置3に重なるように、支柱10に対して奥行方向D2における手前側および奥側に設けられた板状の部材である。前面カバー7は例えば紫外線を反射する金属材料によって形成されているとよい。この場合、支柱10および前面カバー7によって、吹出口21bと空気流通路31aとの間、および空気流通路31aと流入口41aとの間に密閉された空間が形成されており、吹出口21bから流出した空気は前面カバー7の内面によって案内されて密閉空間内を紫外線装置3に向かって上方に流通することになり、空気に対してより多くの紫外線を照射でき、除菌効果を向上できる。さらに紫外線を照射された空気は前面カバー7によって案内されて密閉空間内を上方に流通し、空気をそのままエアフィルタ装置4に流入させることができ、集塵効果を向上できる。
【0058】
なお、前面カバー7における横幅方向D1の端(例えば前面カバー7に向かって右わき)に、ファン本体20の回転速度調整装置を設置してもよい。このような調整装置は例えばダイヤルであって、卓Tの使用者が好みに応じてファンの回転速度を調整することで、空気の吸い込み量を調整したり、ファン本体20からの騒音を低減させたりすることが可能となる。このような回転速度調整装置の設置位置は特に限定されず、例えば支柱10に設けてもよい。
【0059】
また図5に示すように、フレーム1は一本の支柱10のみによって構成されていてもよい。この場合、支柱10を卓Tの上に固定するとともに、支柱10にはファン装置2、紫外線装置3、およびエアフィルタ装置4が片持ちで支持される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の卓上除菌システムによれば、飛沫の飛散を抑制するとともに、飛沫を含む空気の除菌が可能となる。
【符号の説明】
【0061】
2…ファン装置
3…紫外線装置
4…エアフィルタ装置
6…仕切りパネル
7…前面カバー
10…支柱
20…ファン本体
21…ファンケース
21a…吸込口
21b…吹出口
30…紫外線光源
31…光源支持体
31a…空気流通路
40…フィルタ本体
41…フィルタケース
100…卓上除菌システム
D1…横幅方向
D2…奥行方向
S1…間隔
S2…間隔
T…卓
X…下部開口
図1
図2
図3
図4
図5