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特開2023-46832管体加熱用バーナーとボイラーにおける管体の抜去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046832
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】管体加熱用バーナーとボイラーにおける管体の抜去方法
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/48 20060101AFI20230329BHJP
   F23D 14/32 20060101ALN20230329BHJP
【FI】
F23D14/48 D
F23D14/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155634
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】521419259
【氏名又は名称】株式会社楓和工業
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】村川 亮司
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017CB02
3K017CD03
3K017CF03
(57)【要約】
【課題】管体を短時間で簡単に加熱することができる、新規な構造の管体加熱用バーナーを提供すること。
【解決手段】管体加熱用バーナー10であって、バーナー本体14の先端ノズル部52における燃焼用ガスの噴出口56が、先端ノズル部52の軸方向に開口することなく、先端ノズル部52の外周面上で周方向の複数箇所に位置して外周に向かって開口して設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体加熱用バーナーであって、
バーナー本体の先端ノズル部における燃焼用ガスの噴出口が、該先端ノズル部の軸方向に開口することなく、該先端ノズル部の外周面上で周方向の複数箇所に位置して外周に向かって開口して設けられている管体加熱用バーナー。
【請求項2】
複数の前記噴出口が前記先端ノズル部の周方向で相互に離れた複数箇所に位置しており、
それら複数の噴出口が該先端ノズル部の周方向の4か所以上に該先端ノズル部の周方向で均等に設けられている請求項1に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項3】
前記噴出口が前記先端ノズル部の軸方向で相互に離れた複数箇所において、それぞれ周方向の複数箇所に位置している請求項1又は2に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項4】
前記先端ノズル部の軸方向で相互に隣り合った周方向線上にそれぞれ設けられた前記複数の噴出口が、それぞれ該周方向線上で相互に離れた複数箇所に位置しており、且つ、各該周方向線上に位置する各該噴出口が軸方向の投影で互いに重ならないように相互に周方向でずれて位置している請求項3に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項5】
前記噴出口が、前記先端ノズル部の径方向に開口している請求項1~4の何れか一項に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項6】
前記噴出口の開口面積は、前記先端ノズル部の内部における燃焼用ガスの流路断面積の1/5以下とされている請求項1~5の何れか一項に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項7】
前記バーナー本体では、予混合された燃焼用ガスが導かれるガス管路の先端に対して、該ガス管路よりも周壁が厚肉とされたブロック状の前記先端ノズル部が設けられており、
冷却流体が導かれる冷却用キャビティが、該ガス管路の少なくとも先端部分において該ガス管路の周囲を囲むように形成されており、
該冷却用キャビティの先端側の壁部が前記先端ノズル部によって構成されることで、該冷却用キャビティが該先端ノズル部にまで達している請求項1~6の何れか一項に記載された管体加熱用バーナー。
【請求項8】
前記ガス管路の長さ方向中間部分には湾曲部が設けられており、
直線状に延びて操作者によって把持される接手部分を構成する該ガス管路の基端側部分に対して、前記先端ノズル部を含む該ガス管路の先端側部分が相対的に傾斜して延びており、
該湾曲部を含んで該基端側部分と該先端側部分との両方に亘って前記冷却用キャビティが形成されている請求項7に記載の管体加熱用バーナー。
【請求項9】
前記冷却流体が流れる冷却流体管路が、前記ガス管路と共に接手ハウジングに収容されて操作者によって把持される接手部分を構成している請求項7又は8に記載の管体加熱用バーナー。
【請求項10】
ボイラーにおける支持壁部材の装着孔へ開口端部分が挿通固定された管体を該支持壁部材から抜去する管体の抜去方法であって、
前記支持壁部材の前記装着孔へ挿通固定された前記管体の前記開口端部分の内周面に対して、周方向の複数箇所で同時に火炎を吹き付けることにより、該管体の該開口端部分を周方向の複数箇所で同時に加熱する加熱工程を含むボイラーにおける管体の抜去方法。
【請求項11】
請求項1~9の何れか一項に記載された管体加熱用バーナーを用い、
前記加熱工程において、該管体加熱用バーナーの前記先端ノズル部を前記管体の前記開口端部分へ挿し入れて、複数の前記噴出口からそれぞれ外周に向けて形成される火炎を該管体の内周面に吹き付けることにより加熱する請求項10に記載されたボイラーにおける管体の抜去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばボイラーにおける水管等の管体の交換に際して、管体を取り外す際に用いられる管体加熱用バーナーと、ボイラーにおける管体の抜去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボイラーでは、ドラムなどの支持壁部材に対して水管などの管体を接続せしめた構造が採用されている。また、ボイラーの修理やメンテナンスなどに際して、管体を支持壁部材から取り外して交換等する必要がある。そこで、従来から、支持壁部材に形成された装着孔に対して挿通せしめた管体の開口端部を拡径によって嵌着固定して取り付けた接続構造が採用されている。このような管体の接続構造によれば、溶接などによる接続構造とは異なり、管体が支持壁部材に対して一体化することなく別部材として固定されていることから、管体の取り外しが容易とされている。
【0003】
具体的には、図13に示す従来例のように、ハンマー装置などを用いて、装着孔から突出した管体の開口端に外力を及ぼすことで、嵌着固定された管体の開口端部を変形させて装着孔から抜き取る方法が多く採用されている。これによれば、機械的に簡易な設備で実施が可能であり、実施コストを抑えることもできる。
【0004】
しかし、管体の開口端部を内周側へ変形させる際に、ハンマー装置などが支持壁部材に接触することによる支持壁部材の損傷を避け難く、特に管体と支持壁部材の接合部分での密閉性を確保するために重要である装着孔の開口周縁部において、支持壁部材が損傷し易かった。
【0005】
また、例えば、支持壁部材が肉厚で、管体の支持壁部材に対する挿通固定部分の長さが長い場合には、管体の開口端部を変形させるだけでは、管体の支持壁部材に対する固定力を十分に低減させることが難しく、管体を取外すことができない場合もあった。
【0006】
そこで、近年では、高周波誘導加熱による管体の取り外しも提案されている。即ち、支持壁部材に挿通固定された管体の開口端部分にコイルを挿入し、コイルに高周波電圧を印加することによって、コイルの周囲に位置する管体の開口端部分を高周波誘導加熱によって全周にわたって加熱する。そして、管体の開口端部分を加熱後に冷却することにより、熱収縮によって縮径させて、管体と支持壁部材との固定力を低減させ、管体を支持壁部材から取り外す。このような高周波誘導加熱による管体の取外しによれば、支持壁部材の損傷が回避され、特に装着孔の開口周縁部における支持壁部材の損傷を防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、高周波誘導加熱を行うためには、大掛かりな装置が必要であり、事前準備や各ボイラーに対応した電気的な作動制御設定なども難しく、専門的な知識を要することから、容易に実施することができなかった。また、上記のような事情から、実施に際して必要なコストが高く、採用が難しい場合も少なくなかった。
【0008】
本発明の解決課題は、管体を短時間で簡単に加熱することができる、新規な構造の管体加熱用バーナーを提供することにある。
【0009】
また、本発明は、ボイラーにおけるドラムの装着孔へ開口端部分が挿通固定された管体を、ドラムの損傷リスクを抑えながら短時間で簡単に抜去することができ、実施コストも抑えることができる、新規なボイラーにおける管体の抜去方法を提供することも、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明者は、先ず、従来構造のバーナーによる管体の加熱を検討した。バーナーは、一般的に、図14に示されているように、先端部分に燃焼用ガスを噴出する噴出口を備えており、先端方向へ向けて火炎が形成されるようになっている。そして、操作者は、バーナーの先端部分を管体の開口端部分に挿し入れて、火炎を管体の内面に吹き付けることで、管体を加熱するのである。
【0012】
しかしながら、従来構造のバーナーでは、管体の一か所だけが加熱されることから、管体を周方向の広い範囲にわたって加熱する必要がある場合には、加熱に時間がかかることが明らかになった。また、従来構造のバーナーで管体を広範囲にわたって加熱するためには、加熱に際して操作者がバーナーを移動させる必要があり、加熱作業が面倒で難しくなる。また、従来構造のバーナーは、火炎が形成される先端を管体の内面に向ける必要があり、先端部分が管体の中心軸に対して傾斜するように挿入されることから、管体が小径の場合には、先端部分を管体に適当な向きで挿入することすらも難しい場合があった。これら複数の問題において、加熱作業に要する時間が長いことは特に問題であり、加熱時間が長くなることで、輻射熱などによって作業環境が悪化したり、伝熱による熱拡散が大きくなって加熱効率が更に低下したり、伝熱によって支持壁部材に悪影響が生じたりすることが懸念される。
【0013】
このような管体加熱用バーナーによる加熱についての検討を更に進めた結果、本発明に至ったのであり、本発明の第一の態様は、管体加熱用バーナーであって、バーナー本体の先端ノズル部における燃焼用ガスの噴出口が、該先端ノズル部の軸方向に開口することなく、該先端ノズル部の外周面上で周方向の複数箇所に位置して外周に向かって開口して設けられているものである。
【0014】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、先端ノズル部の外周に向かって開口する噴出口が周方向の複数箇所に設けられていることから、噴出口から外周側へ向けて形成される複数の火炎によって、例えばボイラーに用いられる水管等の管体を内周側から周方向の複数箇所で同時に加熱することができる。それゆえ、管体を周方向の複数箇所或いは広い範囲にわたって加熱する必要がある場合に、従来構造のバーナーによる加熱に比して、管体の加熱に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0015】
また、従来の先端に1つの火炎だけが形成されるバーナーでは、管体を周方向の複数箇所或いは広い範囲にわたって加熱するために、バーナーを回転移動させて火炎の管体に当たる位置を周方向で変化させる必要があったが、本態様では、複数の噴出口が周方向で相互に離隔して設けられていることにより、バーナーの回転操作がより簡単又は不要とされて、加熱作業が容易になる。
【0016】
バーナーによる管体の加熱は、高周波誘導加熱のような大掛かりな設備が不要であり、加熱対象等に応じた複雑な制御も必要ないことから、簡単且つ低コストに実施することが可能である。
【0017】
外周へ向けた方向に火炎が形成されることから、バーナーの先端ノズル部を管体へ挿入する際に、先端ノズル部の中心軸を管体の管軸方向に対して傾斜させる必要がなく、先端ノズル部の中心軸と管体の管軸方向が略平行となるように挿入すればよい。それゆえ、比較的に細い管体に対しても先端ノズル部を挿入することができると共に、先端ノズル部を管体に対してより奥方まで挿入することも可能となる。
【0018】
第二の態様は、第一の態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、複数の前記噴出口が前記先端ノズル部の周方向で相互に離れた複数箇所に位置しており、それら複数の噴出口が該先端ノズル部の周方向の4か所以上に該先端ノズル部の周方向で均等に設けられているものである。
【0019】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、周方向の4か所以上で外周へ向けた火炎が形成されることによって、バーナーを大きく回転させることなく、管体を周方向の広い範囲にわたって同時に加熱することができる。噴出口の形成数、噴出口の口径(形成される火炎の形状と大きさ)、管体の直径等によっては、例えば、バーナーを回転させることなく挿入時の向きで保持するだけで、管体を全周にわたって同時に加熱することも可能となる。
【0020】
第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記噴出口が前記先端ノズル部の軸方向で相互に離れた複数箇所において、それぞれ周方向の複数箇所に位置しているものである。
【0021】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、先端ノズル部の軸方向の複数箇所に設けられた噴出口において形成される火炎によって、管体を軸方向のより広い範囲で同時に加熱することができる。従って、管体における加熱対象部分が管軸方向に長い場合にも、バーナーを管軸方向に大きく移動させることなく、加熱対象部分を短時間で加熱することができる。
【0022】
第四の態様は、第三の態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記先端ノズル部の軸方向で相互に隣り合った周方向線上にそれぞれ設けられた前記複数の噴出口が、それぞれ該周方向線上で相互に離れた複数箇所に位置しており、且つ、各該周方向線上に位置する各該噴出口が軸方向の投影で互いに重ならないように相互に周方向でずれて位置しているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、軸方向及び周方向の位置が異なる複数箇所において管体を同時に加熱することができて、管体をより広い範囲で同時に加熱することが可能になる。
【0024】
第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記噴出口が、前記先端ノズル部の径方向に開口しているものである。
【0025】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、噴出口において形成される火炎が径方向に延びることから、火炎を管体の内周面の所定位置に吹き付け易くなって、管体を効率的に加熱することができる。
【0026】
第六の態様は、第一~第五の何れか1つの態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記噴出口の開口面積は、前記先端ノズル部の内部における燃焼用ガスの流路断面積の1/5以下とされているものである。
【0027】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、噴出口の開口面積が燃焼用ガスの流路断面積に対して十分に小さくされていることにより、先端ノズル部において燃焼用ガスの流路に複数の噴出口が接続されていても、各噴出口に対して必要な燃焼用ガスが十分に高い圧力で供給されて、適切な火炎を得ることができる。
【0028】
第七の態様は、第一~第六の何れか1つの態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記バーナー本体では、予混合された燃焼用ガスが導かれるガス管路の先端に対して、該ガス管路よりも周壁が厚肉とされたブロック状の前記先端ノズル部が設けられており、冷却流体が導かれる冷却用キャビティが、該ガス管路の少なくとも先端部分において該ガス管路の周囲を囲むように形成されており、該冷却用キャビティの先端側の壁部が前記先端ノズル部によって構成されることで、該冷却用キャビティが該先端ノズル部にまで達しているものである。
【0029】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、冷却用キャビティ内の冷却流体でガス管路が冷却されることによって、予混合された燃焼用ガスが導かれるガス管路に対する逆火が防止される。特に、冷却用キャビティが先端ノズル部にまで達していることにより、先端ノズル部が冷却されて、先端ノズル部内への燃焼用ガスへの逆火が防止される。
【0030】
第八の態様は、第七の態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記ガス管路の長さ方向中間部分には湾曲部が設けられており、直線状に延びて操作者によって把持される接手部分を構成する該ガス管路の基端側部分に対して、前記先端ノズル部を含む該ガス管路の先端側部分が相対的に傾斜して延びており、該湾曲部を含んで該基端側部分と該先端側部分との両方に亘って前記冷却用キャビティが形成されているものである。
【0031】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、操作者によって把持される接手部分を構成するガス管路の基端側部分が、先端ノズル部を含むガス管路の先端側部分に対して傾斜していることにより、操作者が狭い作業スペースで加熱作業を行う際に、管体加熱用バーナーの取り回しが容易になる。
【0032】
冷却用キャビティが、先端側部分だけでなく、基端側部分にまで達するように設けられていることにより、先端ノズル部に至るまでの燃焼用ガスが十分に冷却されて、逆火の発生がより効果的に防止される。
【0033】
第九の態様は、第八の態様に記載された管体加熱用バーナーにおいて、前記冷却流体が流れる冷却流体管路が、前記ガス管路と共に接手ハウジングに収容されて操作者によって把持される接手部分を構成しているものである。
【0034】
本態様に従う構造とされた管体加熱用バーナーによれば、接手部分が独立して延びるガス管路と冷却流体管路とによって構成されていると、操作者は、複数の管路を把持することとなり、握り難さによって作業を行い難くなる。そこで、ガス管路と冷却流体管路とを接手ハウジングに収容して一纏めにすることにより、操作者が接手部分(接手ハウジング)を把持し易くなって、作業性の向上が図られる。
【0035】
第十の態様は、ボイラーにおける支持壁部材の装着孔へ開口端部分が挿通固定された管体を該支持壁部材から抜去する管体の抜去方法であって、前記支持壁部材の前記装着孔へ挿通固定された前記管体の前記開口端部分の内周面に対して、周方向の複数箇所で同時に火炎を吹き付けることにより、該管体の該開口端部分を周方向の複数箇所で同時に加熱する加熱工程を含むものである。
【0036】
本態様に従う管体の抜去方法によれば、管体の開口端部分がドラム等の支持壁部材の装着孔へ挿通固定された管体の支持壁部材への接続構造において、管体を支持壁部材によって拘束された状態で加熱する加熱工程の後に、管体を冷却して熱収縮によって装着孔から抜去することにより、管体の抜去に伴う支持壁部材の損傷が防止される。特に、支持壁部材における装着孔の開口周縁部に抉れや凹み等の傷が付くのを回避することができて、交換後の管体と支持壁部材の間に当該傷による隙間が生じるのを防ぐことができ、支持壁部材の補修等も不要となる。
【0037】
また、管体の抜去作業における加熱工程が、火炎の吹付けによって行われることから、高周波誘導加熱のような大掛かりな装置や事前準備が不要であると共に、ボイラーに対応した電気的な作動制御なども必要ない。従って、ボイラーの損傷を回避できる熱収縮による管体の抜去を、低コストで簡単に実施可能である。
【0038】
加熱工程では、管体の装着孔への挿通固定部分の全体が加熱されるが、管体が火炎によって周方向の複数箇所で同時に加熱されることから、管体を短時間で全周にわたって加熱することができる。それゆえ、例えば管体からドラムへの伝熱の低減によって、管体の加熱効率の向上が図られると共に、伝熱によるドラムへの悪影響が軽減される。また、操作者にとっては、例えば、狭いドラム内に操作者が入って作業する場合に、作業時間の短縮によって、操作者の負担が軽減されると共に、火炎の輻射熱等による作業環境の悪化も問題になり難い。
【0039】
管体が周方向の複数箇所で同時に加熱されることにより、バーナーを移動させて火炎の向きを管体の周方向で変化させる手間が低減されて、加熱作業の簡単化が図られる。
【0040】
第十一の態様は、第十の態様に記載された管体の抜去方法であって、第一~第九の何れか1つの態様に記載された管体加熱用バーナーを用い、前記加熱工程において、該管体加熱用バーナーの前記先端ノズル部を前記管体の前記開口端部分へ挿し入れて、複数の前記噴出口からそれぞれ外周に向けて形成される火炎を該管体の内周面に吹き付けることにより加熱するものである。
【0041】
本態様に従う管体の抜去方法によれば、第一~第九の何れか1つの態様に記載された管体加熱用バーナーを用いて加熱工程を実施することにより、加熱作業時間の短縮や、作業の容易化などが図られる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、管体を火炎によって短時間で簡単に加熱することができて、例えばボイラーのドラムから管体を熱収縮を利用して取り外す作業において、管体のドラムへの挿通固定部分を短時間で簡単に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の第一の実施形態としての管体加熱用バーナーを示す全体図
図2図1のII部を拡大して示す図
図3図2のIII-III断面図
図4】水管ボイラーのドラム内構造を示す写真
図5図1に示す管体加熱用バーナーの使用状態(加熱工程)を説明する図
図6図5のVI-VI断面図
図7】水管の冷却工程を示す写真
図8】本発明の第二の実施形態としての管体加熱用バーナーを示す全体図
図9図8のIX-IX断面図
図10】本発明に係る管体加熱用バーナーの試作品の全体を示す写真
図11図10に示す管体加熱用バーナーの試作品の先端部分を示す写真
図12】本発明の別の一実施形態としての管体加熱用バーナーの先端ノズル部を示す断面斜視図
図13】管体の開口端部に外力を加えて変形させてドラムの装着孔から管体を抜き取る従来の管体抜去方法を示す写真
図14】従来構造のバーナーを示す写真
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0045】
図1には、本発明の第一の実施形態としての管体加熱用バーナー(以下、バーナーと称する)10が示されている。バーナー10は、ガス管路12を備えた長手状のバーナー本体14を有している。バーナー本体14は、全体として金属材料によって形成されている。
【0046】
バーナー本体14は、基端部が燃料ポート16と酸素ポート18とによって構成されている。燃料ポート16は、略円筒形状とされており、図示しない燃料ボンベが接続されて、燃料ガスが供給されるようになっている。燃料ボンベから燃料ポート16へ供給される燃料としては、例えば、アセチレンガス、水素ガス、液化石油ガスなどが採用される。酸素ポート18は、燃料ポート16と略同一の円筒形状とされており、図示しない酸素ボンベが接続されて、酸素が供給されるようになっている。酸素ポート18は、酸素だけが供給される必要はなく、例えば、酸素を含む混合気体である空気が供給されてもよい。燃料ポート16と酸素ポート18は、何れもガス管路12の基端部を構成しており、ガス管路12の基端開口は、燃料ポート16の基端開口と酸素ポート18の基端開口との2つによって構成されている。
【0047】
燃料ポート16と酸素ポート18は、基端側が二股に分岐したY字部材20に接続されている。Y字部材20は、基端開口部が2つで先端開口部が1つの内孔を備えており、基端開口部に燃料ポート16と酸素ポート18の各1つが螺着等の手段で固定されている。これにより、基端部において二股とされたガス管路12は、Y字部材20の先端部分において合流している。Y字部材20には、酸素ポート18と連通される内孔の流量を調節するねじ込み式のバルブが設けられており、第一のハンドル22を回転させることによって、酸素の供給量を調節することができる。
【0048】
Y字部材20の先端開口部には、ガス管路12の基端側部分を構成する内部管路24が取り付けられている。内部管路24は、直線的に延びる円筒パイプで構成されており、基端部がY字部材20の先端開口部に挿入されている。内部管路24は、外周側が接手ハウジング26によって囲まれている。接手ハウジング26は、略円筒形状とされて、内部管路24に対して外周側に離れた位置に外挿状態で設けられており、基端側の開口部がY字部材20の先端部に外挿状態で固定されている。本実施形態の接手ハウジング26は、略半円筒形状の2部品をねじ止めして構成されているが、略円筒形状とされた1つの部品のみで構成することもできる。バーナー10による管体の加熱に際して、操作者は、接手ハウジング26を把持して加熱作業を行う。従って、接手ハウジング26がバーナー10の接手部分とされており、接手ハウジング26の内周に位置する内部管路24が、ガス管路12における接手部分を構成する部位とされる。
【0049】
内部管路24の先端側には、流量調節部材28が取り付けられている。流量調節部材28は、内部管路24と略平行に延びる調節部本体30を備えている。調節部本体30は、略円筒形状とされており、内孔には流量調節バルブ32が挿入されている。流量調節バルブ32は、先端部分に先端へ向けて小径となる円錐面を備えており、調節部本体30の基端開口部分に螺着されたスライド軸34の先端側に設けられることで、先端側及び基端側へ移動可能とされている。そして、スライド軸34が回転によって先端側へ移動するに従って、流量調節バルブ32が調節部本体30の内孔における先端側対向面に接近し、調節部本体30の内孔の流量が小さくなる。一方、スライド軸34が回転によって基端側へ移動するに従って、流量調節バルブ32が調節部本体30の内孔における先端側対向面から離隔し、調節部本体30の内孔の流量が大きくなる。なお、スライド軸34の基端部は、流量調節部材28よりも基端側へ突出しており、当該突出部分に第二のハンドル36が設けられていることで、操作者が流量調節バルブ32を操作し易くなっている。
【0050】
流量調節部材28は、調節部本体30から側方へ延び出す側方接続部38を備えている。側方接続部38は、調節部本体30と一体的に設けられており、側方接続部38の端部は、内部管路24に外挿状態で固定されていると共に、接手ハウジング26に内挿状態で固定されている。側方接続部38の内孔は、内部管路24の内孔と調節部本体30の内孔とを連通している。
【0051】
流量調節部材28の先端側には、中間管路40が設けられている。中間管路40は、略円筒形状とされている。中間管路40の長さを必要に応じて調節設定することにより、バーナー本体14の長さを調節することもできる。
【0052】
中間管路40の先端側には、ガス管路12の先端側部分を構成する先端管路42が設けられている。先端管路42は、略一定の内径及び外径寸法を有するパイプ状の部材とされている。先端管路42は、基端ストレート部44と先端ストレート部46がそれぞれ直線的に延びていると共に、それら基端ストレート部44と先端ストレート部46の間に湾曲部48が設けられている。湾曲部48は、先端管路42の長さ方向中間部分に設けられており、先端側へ向けて流量調節部材28における側方接続部38と同じ向きに湾曲している。先端管路42の途中に湾曲部48が設けられていることにより、湾曲部48の両側に設けられた基端ストレート部44と先端ストレート部46が相対的に傾斜している。バーナー本体14は、湾曲部48よりも基端側が側方接続部38において段付き状となっているものの、全体としては直線的に図1中の左右方向へ延びる長手状とされており、先端ノズル部52を含むバーナー本体14の湾曲部48よりも先端側部分が、接手部分(接手ハウジング26)を含むバーナー本体14の湾曲部48よりも基端側部分に対して、相対的に傾斜して直線状に延びている。
【0053】
先端管路42の先端部には、連結部材50が取り付けられている。連結部材50は、筒状とされており、基端部分が先端管路42の先端ストレート部46に外挿状態で固定されていると共に、先端部分が先端ノズル部52に対して内挿状態で固定されている。連結部材50の先端管路42及び先端ノズル部52への固定方法は、特に限定されないが、例えば、ねじ構造、圧入(嵌合)、溶接等の手段で固定される。
【0054】
先端ノズル部52は、バーナー本体14の先端部分を構成しており、略円柱形のブロック状とされて、耐熱鋼(鉄基耐熱合金を含む)や、コバルト基、ニッケル基、クロム基等の耐熱合金によって形成されている。先端ノズル部52は、図2図3にも示すように、中心軸上を延びて基端面に開口する円形の内部空所54を備えている。内部空所54は、先端管路42の内孔に対して連結部材50の内孔を介して接続されており、ガス管路12の先端を構成している。従って、ガス管路12は、燃料ポート16と酸素ポート18の基端開口から先端ノズル部52の内部空所54まで連続している。内部空所54は、先端ノズル部52の先端面には開口しておらず、基端側へ向けて開口する凹状とされており、先端側へ向けては開放されていない。先端ノズル部52における内部空所54の周壁の厚さ寸法は、先端ノズル部52以外で構成されたガス管路12の周壁の最大厚さ寸法よりも大きくされている。
【0055】
先端ノズル部52は、内部空所54に連通された複数の噴出口56を備えている。噴出口56は、内部空所54に比して小径とされた円形孔とされている、噴出口56は、図2図3に示すように、内部空所54の周壁部を貫通して設けられており、先端ノズル部52の軸方向に開口することなく、先端ノズル部52の外周面において外周へ向けて開口している。特に本実施形態では、先端ノズル部52において、中心軸L1上に開口する噴出口はなく、また、先端ノズル部52の最先端面に開口する噴出口もなく、中心軸L1に平行な開口端を有する噴出口もない。
【0056】
すなわち、噴出口56の中心軸L2は、先端ノズル部52の中心軸L1に対して略直交する径方向に延びており、噴出口56の開口方向が先端ノズル部52の径方向とされている。噴出口56は、先端ノズル部52の外周面上で周方向の複数箇所に位置している。本実施形態の噴出口56は、先端ノズル部52の周方向で相互に離れた複数箇所に位置しており、周方向で略均等に配置されている。噴出口56の開口面積は、好適には、先端ノズル部52の内部における燃焼用ガスの流路断面積(内部空所54の断面積)に対して1/5以下、より好適には1/10以下とされる。
【0057】
本実施形態では、図2に示すように、先端ノズル部52の軸方向で相互に離れた2箇所(軸方向で所定距離だけ互いに離れた2つの周方向線上)において、先端側の噴出口56aと基端側の噴出口56bとが、それぞれの周方向線上に位置して各複数設けられている。本実施形態では、先端側の周方向線上において、噴出口56aが先端ノズル部52の周方向で相互に離れた4箇所に位置していると共に、基端側の周方向線上において、噴出口56bが先端ノズル部52の周方向で相互に離れた4箇所に位置している。4つの噴出口56aが先端ノズル部52の周方向で略均等に配置されていると共に、4つの噴出口56bが先端ノズル部52の周方向で略均等に配置されている。8つの噴出口56は、周方向で相互に異なる位相で設けられており、本実施形態では4つの噴出口56aと4つの噴出口56bとの周方向の位相が45度ずれていることによって、8つの噴出口56が周方向で相互に異なる位置に周方向で略均等となるように配されて、それら8つの噴出口56が周方向で45度ごとに配置されている。即ち、先端側の周方向線上の複数の噴出口56aと基端側の周方向線上の複数の噴出口56bは、中心軸方向の投影において互いに重ならないように、周方向において相互にずれた位置に設けられている。8つの噴出口56は、互いに異なる直径や断面形状とされていてもよいが、一定の火炎70(後述)を得るために、互いに同一とされていることが望ましい。
【0058】
バーナー本体14には、冷却ジャケット58が取り付けられている。冷却ジャケット58は、略筒状とされて、先端管路42に対して外周側に離れた状態で外挿されており、基端開口部が封止部材60によって液密に閉塞されていると共に、先端開口部が先端ノズル部52に外挿状態で固定されて、先端ノズル部52によって液密に閉塞されている。これにより、冷却ジャケット58内には、先端管路42の周囲を囲むように冷却用キャビティ62が形成されている。冷却用キャビティ62は、外部空間に対して流体密に画成されており、先端管路42と冷却ジャケット58との間に設けられている。冷却用キャビティ62は、先端管路42の湾曲部48に対する先端側部分(先端ストレート部46)と基端側部分(基端ストレート部44)との両方に亘って設けられており、基端ストレート部44と湾曲部48と先端ストレート部46との何れの外周も、冷却用キャビティ62によって囲まれている。冷却用キャビティ62の基端は、先端管路42の基端までは達しておらず、先端管路42の基端ストレート部44が冷却用キャビティ62よりも基端側へ延び出している。冷却用キャビティ62の先端は、先端ノズル部52まで達しており、冷却用キャビティ62の先端側の壁面が先端ノズル部52によって構成されている。
【0059】
冷却用キャビティ62には、給水管路64が接続されている。給水管路64は、先端側が冷却用キャビティ62内に挿入されて開放されていると共に、基端側が図示しない上水道や給水タンク等に接続されて、冷却流体としての水を冷却用キャビティ62内へ導入するようになっている。そして、冷却用キャビティ62内を流れる水によって、ガス管路12を流れる燃焼用ガスが冷却されて、ガス管路12内の燃焼用ガスが発火する逆火の発生を防ぐことができる。本実施形態の給水管路64は、流量を調節するためのバルブを備えており、当該バルブに接続された第三のハンドル66を回転させることによって、冷却用キャビティ62へ供給される水の流量を調節可能とされている。なお、冷却流体は、水に限定されず、水以外の液体であってもよいし、空気等の気体であってもよい。
【0060】
冷却用キャビティ62には、排水管路68が接続されている。本実施形態の排水管路68は、冷却ジャケット58の一部を貫通して、外周へ向けて突出するように設けられている。排水管路68は、常時連通状態で設けられており、冷却用キャビティ62内の水が排水管路68を通じて、外部へ排出される。なお、冷却用キャビティ62から排出された水は、破棄されるようになっていてもよいが、例えば、冷却後に給水管路64へ導かれて循環するようになっていてもよい。
【0061】
かくの如き構造とされたバーナー10は、ガス管路12の基端開口から供給される燃料と酸素がガス管路12内で予混合された燃焼用ガスが、先端ノズル部52の噴出口56から噴き出すようになっており、噴き出した燃焼用ガスに着火することによって、噴出口56において図2図3に一点鎖線で示すような火炎70が形成される。なお、分かり易さのために、以下の説明では、噴出口56aに形成される火炎を火炎70aとし、噴出口56bに形成される火炎を火炎70bとして区別する場合がある。
【0062】
火炎70は、噴出口56の開口方向である外周へ向けて形成されており、本実施形態では、先端ノズル部52の中心軸L1に対して略直交する径方向で外周へ向けて形成されて、8つの火炎70が周方向で略均等に配された放射状に形成されている。なお、酸素の供給量を調節する第一のハンドル22と、燃焼用ガスの供給量を調節する第二のハンドル36とを操作して、燃焼用ガスにおける燃料と酸素の割合を調節したり、先端ノズル部52に供給される燃焼用ガスの量を調節したりすることによって、火炎70の大きさや燃焼効率を制御することができる。
【0063】
バーナー10は、例えば、図4に示すような水管ボイラー72の支持壁部材としてのドラム74から管体としての水管76を取り外す管体の抜去工程に用いられる。水管ボイラー72は、一般的に知られているように、蒸気ドラムと水ドラムとが多数の水管76によって連通された構造を有しており、蒸気ドラムと水ドラムの間で水管76を通じて流動する水が、水管76内で加熱されることによって、蒸気ドラムから蒸気を取り出す装置とされている。なお、ドラム74は、蒸気ドラムと水ドラムの何れであってよい。
【0064】
水管ボイラー72において、水管76は、開口端部分がドラム74の装着孔78に挿通されており、挿通部分が拡径されることによって、装着孔78の内面に嵌合固定されている。また、水管76の開口端部が装着孔78から突出しており、当該突出部分が拡径によってテーパー形状を有する拡開部80とされることによっても、水管76の装着孔78からの抜けが防止されている(図5参照)。尤も、ドラム74と水管76は、溶接のように部分的に一体化した状態で固定されているわけではなく、別部材として独立した状態を維持しながら、相互に嵌め合わされて機械的に挿通固定されている。ドラム74と水管76は、何れも鉄等の金属材料によって形成されており、水管76は外力による拡径等の変形や熱収縮による縮径等の変形が許容される。
【0065】
ドラム74の装着孔78に挿通固定された水管76を取り外す管体の抜去方法では、先ず、操作者が拡開部80を切除する切除工程を行う。拡開部80の切除方法は、特に限定されないが、例えば、切断用バーナーを用いて切断することができる。なお、図5では、切断された拡開部80が二点鎖線で仮想的に示されている。
【0066】
次に、図5図6に示すように、操作者は、拡開部80を切除した水管76の開口端部に、火炎70を形成した状態のバーナー10の先端ノズル部52を挿入して、水管76の装着孔78への挿通固定部分である開口端部分に火炎70を吹き付けることで、水管76の開口端部分を周方向の複数箇所で同時に加熱する。バーナー10は、火炎70が外周へ向けて形成されることから、先端ノズル部52の中心軸L1が水管76の管軸と略平行になる向きで、操作者が先端ノズル部52を水管76の開口端部へ挿入することにより、火炎70を水管76の開口端部の内周面に吹き付けることができる。バーナー10による水管76の開口端部の加熱温度は、特に限定されないが、後述する熱収縮による縮径変形を有効に生じさせるために、1000℃以上とされることが望ましい。
【0067】
バーナー10は、先端ノズル部52の周方向の複数箇所において、外周へ向けた放射状の火炎70が形成されることから、火炎70が水管76に対して周方向の複数箇所で同時に吹き付けられる。それゆえ、水管76を周方向の広い範囲にわたって同時に加熱することができて、水管76の開口端部の全周を加熱する加熱工程を、短い作業時間で完了することができる。特に本実施形態では、同じ軸方向位置において、周方向の4か所に火炎70が形成されることから、水管76を周方向の広範囲で同時に加熱することができて、全周にわたる加熱を効率的に行うことができる。
【0068】
バーナー10は、先端ノズル部52の軸方向の2か所において火炎70aと火炎70bが形成されることから、図5のように、ドラム74が厚肉で装着孔78の長さが長い場合であっても、装着孔78に対する水管76の挿通固定部分を軸方向の広い範囲にわたって同時に加熱することができる。しかも、火炎70aと火炎70bは、周方向で相互に外れた位置に配されて、互いに異なる方向に向かって開口していることから、火炎70aと火炎70bが軸方向で比較的に近い位置に形成されたとしても相互に干渉して単一方向の火炎等となり難く、軸方向および周方向に広い範囲を同時に加熱することができる。
【0069】
各噴出口56の開口面積が、内部空所54の横断面積である流路断面積に対して、1/5以下と十分に小さくされていることから、複数の噴出口56が1つのガス管路12に接続された構造であっても、燃焼用ガスが各噴出口56へ必要な圧力で安定的に供給される。それゆえ、各噴出口56において、安定した火炎70を得ることができて、水管76の複数箇所での同時加熱を効率よく実現することができる。
【0070】
バーナー10の先端部は、水管76の開口端部分に対して、先端ノズル部52の中心軸L1が水管76の管軸と平行となる向きで挿入されることから、装着孔78の長さが長く、水管76の加熱すべき範囲が管軸方向で広い場合であっても、先端ノズル部52を必要な位置まで奥方へ挿入することができる。特に、バーナー10を斜めに挿入する必要がないことから、水管76の内径が小さい場合にも、先端ノズル部52の水管76への挿入量がバーナー10と水管76の干渉によって制限され難く、より細い水管76と厚肉のドラム74との組み合わせにも対応可能である。
【0071】
水管76に挿入されたバーナー10の先端部は、水管76の内周面に吹き付けられた火炎70の輻射熱によって加熱されるが、冷却用キャビティ62内を循環する水によって持続的に冷却されることから、例えば連続使用などに際しても、ガス管路12内の燃焼用ガスに引火する逆火の発生が防止される。特に、冷却用キャビティ62が、湾曲部48に対する先端側と基端側とにわたってガス管路12の長さ方向の広い範囲に設けられていることから、優れた冷却性能が発揮される。また、冷却用キャビティ62は、先端ノズル部52に達するように設けられており、冷却用キャビティ62の先端側の壁面が先端ノズル部52で構成されていることから、先端ノズル部52が効率的に冷却されて、先端ノズル部52の内部空所54において逆火が有効に防止される。
【0072】
特に本実施形態では、長さ方向に延びる冷却用キャビティ62内において、給水管路64からの冷却水の吐出口が、当該冷却用キャビティ62の後端から前方側に所定距離だけ離れた位置(例えば長さ方向の中間部分よりも先端側の位置)で、冷却用キャビティ62の先端に向かって開口している。更に、本実施形態では、排水管路68が、冷却用キャビティ62の基端側に近い位置(例えば給水管路64の吐出口よりも基端側の位置)に開口して設けられている。これにより、給水管路64から吐出された冷却水は、冷却用キャビティ62内において、優先的に先端ノズル部52に向かい、その後に、後方側に向けて流れて排水管路68から排出されるという、冷却用キャビティ62内での流動態様が生ぜしめられる。その結果、冷却水よる先端ノズル部52の冷却が、より効率的に且つ安定して発揮され得る。
【0073】
なお、水管76の開口端部分は、加熱時に外周面がドラム74における装着孔78の内面によって拘束されていることから、熱膨張による外径寸法の大径化が制限又は阻止された状態で加熱される。
【0074】
水管76を加熱する工程の完了後、操作者は、バーナー10を水管76から抜いて、図7に示すように、水管76に冷却装置82を挿入する。冷却装置82は、空気や水等の冷却用の流体を先端部分から所定の圧力で噴出させて、加熱された水管76の開口端部分を冷却する装置であって、本実施形態では空気を噴出させて水管76を空冷する装置とされている。加熱された水管76の開口端部分は、急速に冷却されることにより熱収縮によって外径寸法が僅かに小さくなり、ドラム74の装着孔78に対する水管76の固定力が低減乃至は解消される。そして、水管76を装着孔78から抜き取ることにより、水管76をドラム74から取り外す作業が完了する。なお、冷却後に水管76をドラム74から取り外す方法は、特に限定されず、例えば、水管76をドラム74の内側又は外側へ引き抜いて取り外してもよいし、水管76をドラム74の内側から外側へ向けて又は外側から内側へ向けて押し込んで取り外してもよい。
【0075】
このような水管76の熱収縮を利用した水管76の抜去方法によれば、水管76の開口端部を押圧力等の大きな荷重(外力)を加えて変形させる従来の抜去方法に比して、ドラム74に大きな損傷を与えてしまうおそれがない。特に、水管76のドラム74への接続部分である装着孔78の内面や開口周縁部においてドラム74の凹みや傷が回避されることから、交換後の水管76とドラム74との間にドラム74の損傷による隙間ができてしまう等の不具合を回避することができる。
【0076】
また、バーナー10の火炎70による加熱であることから、高周波誘導加熱のような大掛かりな装置は必要なく、簡単に且つ安価に水管76のドラム74からの取外しを行うことができる。それゆえ、上記の如き管体の抜去方法は、例えば、高周波誘導加熱による抜管を採用し難い小規模ボイラーの抜管にも適用し易い。
【0077】
しかも、バーナー10を用いて、水管76の開口端部分を周方向の複数箇所で同時に加熱することにより、加熱工程に要する時間を大幅に短縮することができて、抜去作業を短時間で終えることができる。それゆえ、狭いドラム74内で水管76の抜去作業に従事する操作者の負担が軽減されると共に、輻射熱等による作業環境の悪化が抑制される。
【0078】
図8には、本発明の第二の実施形態としての管体加熱用バーナー90を示す。バーナー90は、先端ノズル部92を備えている。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0079】
先端ノズル部92は、先端側の噴出口56aと基端側の噴出口56bとがそれぞれ8つとされている。また、噴出口56aと噴出口56bが周方向において同位相で配置されており、周方向で対応する位置に配された噴出口56aと噴出口56bとが、軸方向に直線的に並んで位置している。噴出口56bは、図9に示すように、周方向で均等に配置されており、周方向で隣り合う噴出口56b,56bが相対的に45度の傾斜角度で異なる径方向に延びている。なお、8つの噴出口56aの周方向での配置は、図9に示す8つの噴出口56bの周方向での配置と同じである。
【0080】
このような本実施形態に従う構造とされたバーナー90によれば、前記第一の実施形態に係るバーナー10よりも噴出口56の数が多くされていることから、管体の加熱効率の更なる向上が図られる。また、先端ノズル部92の周方向における火炎70の間隔が狭くなることによって、管体の開口端部分を全周にわたって加熱する際に、バーナー90の回転操作をより省略することができる。
【0081】
バーナー90は、冷却用キャビティ62に対して冷却流体を供給するための給水管路94が、バーナー本体14に沿ってバーナー本体14の基端まで延びている。また、冷却用キャビティ62から冷却流体を排出するための排水管路96も、バーナー本体14に沿ってバーナー本体14の基端まで延びている。これらにより、給水管路94と排水管路96及びそれら管路94,96に接続される図示しないチューブ等の取り回しがバーナー90の操作性等に影響し難く、それら管路94,96及びチューブ等が操作者の邪魔になり難い。また、給水管路94に対する給水装置の着脱や、排水管路96に対する排水装置の着脱を行う際に、操作者の手元付近に着脱部分が位置することから、作業が容易になる。
【0082】
このように冷却流体管路としての給水管路94と排水管路96をバーナー本体14に沿って基端側まで延び出させる場合には、給水管路94の一部と排水管路96の一部が接手ハウジング26に収容されるようにしてもよい。これにより、操作者が把持する接手ハウジング26において給水管路94と排水管路96が邪魔になることなく、バーナー90を接手ハウジング26において把持し易い外周形状とすることができる。なお、給水管路94と排水管路96を邪魔にならない位置に保持するフック等の保持機構が、接手ハウジング26による管路94,96の収容に代えて或いは加えて、バーナー本体14に設けられていてもよい。
【0083】
ところで、発明者は、図10図11に示すような本発明に従う構造とされた管体加熱用バーナーを試作し、管体の加熱実験を行った。その結果、先端に1つの火炎だけが形成される従来構造のバーナーを用いた場合に1分30秒程度の時間を要した加熱工程が、本発明に係る管体加熱用バーナーでは30秒程度の時間で完了した。このように、本発明に係る管体加熱用バーナーは、従来構造のバーナーを用いる場合に比して、管体の加熱工程に要する時間を大幅に短縮できることが、実験結果からも確認されている。しかも、試作した本発明に係る管体加熱用バーナーは、回転操作によって火炎の管体に対する吹付方向を変更することなく、管体を全周にわたって加熱することができたため、従来構造のバーナーに比して加熱作業が容易であった。なお、図10図11に示す本発明に係る管体加熱用バーナーの試作品は、第二の実施形態に示した管体加熱用バーナー90と似た構造であることから、図10図11には、構造の理解を容易にするために、第二の実施形態と対応する符号を付した。
【0084】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、先端ノズル部52に形成される噴出口56の数、大きさ、配置などは、限定されるものではない。また、複数の噴出口56は、先端ノズル部52の周方向で略均等に配置されることが望ましいが、例えば、周方向において噴出口56の配置に偏りがあってもよい。
【0085】
噴出口56は、先端ノズル部52の中心軸L1に対して直交して径方向に開口していることが望ましいが、中心軸L1に対する交差方向で先端ノズル部52の外周面に開口していればよい。なお、噴出口56の開口方向は、噴出口56の外部への開口先端における中心軸方向として把握される。具体的には、例えば、噴出口56を先端ノズル部52の内周から外周へ向けて先端側へ傾斜するように設けてもよく、これによって、管体加熱時に火炎が管体開口から操作者側へ向けて吹き出し難くなることも期待できる。尤も、噴出口56の中心軸L2の先端ノズル部52の中心軸L1に対する傾斜角度は、45度以上且つ135度以下であることが望ましく、より好適には60度以上且つ120度以下とされる。なお、噴出口56の開口方向は、周方向に傾斜していてもよい。噴出口56は、必ずしも直線状に限定されず、例えば湾曲したり屈折したりしていてもよい。
【0086】
周方向の複数箇所に設けられる複数の噴出口56は、例えば先端ノズル部52の一つの環状の外周線上(周方向線上)に配列されていてもよいし、先端ノズル部52の長さ方向(中心軸方向)で相互にずれた位置に設けられていてもよい。例えば、先端ノズル部52の長さ方向の所定領域に亘って延びる外周面領域(筒状又は帯状の領域)において、周方向で異なる位置に複数の噴出口56が散在するように配置されていてもよい。より具体的には、例えば、先端ノズル部52の外周面を一つ又は複数の螺旋状に延びる線上に複数の噴出口56が配列されていてもよいし、周方向においてsin波形状などをもって延びる線上に複数の噴出口56が例えば千鳥状とされて配されていてもよいし、前述したように先端ノズル部52の長さ方向で相互に離れて位置する各環状の外周線上(周方向線上)にそれぞれ複数の噴出口56が配置されていても良い。
【0087】
噴出口は、周方向に所定の長さで延びる形状とされることによって、先端ノズル部52の外周面上で周方向の複数箇所に位置するように設けることもできる。要するに、噴出口は、軸方向における配設数や周方向における配設数,開口部の形状などについて限定されないし、独立した複数が先端ノズル部52の周方向で相互に離れて設けられる構造に限定されない。また、周方向で隣り合う噴出口を相互の離隔距離が実質的に0となるまで近づけることも可能であり、例えば図12に示す先端ノズル部100のように、周方向で隣り合う噴出口を相互に近づけて設定して連続させた態様として、噴出口102を先端ノズル部100の外周面上で全周にわたって連続して設けることもできる。
【0088】
本発明の第二の態様において先端ノズル部52の周方向で均等に設けられる複数の噴出口56は、数学的に厳格な均等位置として解釈されるものでなく、本態様の作用効果が達成され得る程度の範囲をもって解釈される。例えば、機械的な加工誤差は当然に許容されるものであるし、加工上の理由や構造上の理由などによって噴出口56を形成することが難しい位置がある場合などでは、該当する幾つかの噴出口56について、当該位置をずらせたり、或いは当該位置の噴出口56を無くしたりする態様も、本態様の一つとして実施され得る。なお、本発明の第一の態様は、周方向で不均一な間隔で設けられた複数の噴出口56などの態様も含むものであり、仮に周方向で火炎が偏っていても、火炎を噴出させつつ必要に応じてバーナーを周方向へ僅かに(一周未満の周方向領域で、好適には半周以下の周方向領域、より好適には1/3周以下の周方向領域で)中心軸回りに回転操作することによって従来構造の単一火炎のバーナーに比して格段に速やかに且つ容易に管体を内周面側から周方向で略均等に加熱することが可能になる。
【0089】
バーナー本体14の先端側部分は、湾曲部48を備えていなくてもよく、必ずしもバーナー本体14の先端側部分が基端側部分に対して相対的に傾斜していなくてもよい。また、バーナー本体14の先端側部分と基端側部分の相対的な傾斜角度は、加熱作業の容易さ等を考慮して適宜に設定されるものであって、特に限定されない。
【0090】
ガス管路12の構成部品は、あくまでも例示であって、先端ノズル部52まで至るガス管路12を構成するものであれば、部品構成は特に限定されず、例えば、1つの部品によって構成されていてもよい。また、例えば、使用後にガス管路12内の燃焼用ガスを排出するための排気機構をガス管路12の途中に設けることもできる。
【0091】
冷却用キャビティ62は、ガス管路12の湾曲部48よりも先端側と基端側の両方にわたって設けられることが望ましいが、例えば、先端ストレート部46の外周に設けられると共に、基端ストレート部44の外周には設けられないように、バーナー10の先端部のみに設けることもできる。
【0092】
先端ノズル部52を水管76に挿入して加熱する際に、先端ノズル部52が水管76の内周面から全周にわたって離れた状態に保持し易くするために、先端ノズル部52を水管76に対して径方向で位置決めする位置決め部を設けることもできる。位置決め部としては、例えば、バーナー本体14の水管76への挿入部分において外周へ突出して設けられて、水管76の内周面に当接することで先端ノズル部52と水管76を径方向で位置決め保持する構造が採用され得る。また、位置決め部は、例えば、バーナー本体14から外周へ突出して設けられて、水管76の開口端部の外周面に重ね合わされることで先端ノズル部52と水管76を径方向で位置決め保持する構造であってもよい。
【0093】
バーナー10による水管76の加熱時に水管76の開口部から操作者に向けて噴き出す火炎を防ぐために、防御構造を設けることもできる。防御構造としては、例えば、冷却ジャケット58の先端部分に外周へ向けて突出する円環板状の防御板を設けることが考えられる。これにより、水管76から噴き出した火炎の向きが、防御板によって外周側へ誘導されて、操作者に向けて噴き出すのを防ぐことができる。また、作業者から離れる方向に流れる空気流を利用することも可能である。
【0094】
前記実施形態では、燃料と酸素がガス管路12内で予め混合された予混合ガスが燃焼用ガスとして噴出口56から噴出される予混合型のバーナーについて説明したが、本発明は、噴出口56から燃料と酸素が別々に噴出して噴出後に混合される拡散型のバーナーにも適用され得る。なお、燃料は、気体の燃料ガスであってもよいし、液体とされて、微細な霧状に噴霧することで酸素と混合されるようにしてもよい。また、火炎の強度などを広い範囲で調節できるように、例えば切断用バーナーの如き構造などを採用することも可能である。
【0095】
本発明に係るバーナーは、必ずしも水管ボイラーの水管を取り外す際にのみ用いられるものではなく、管体を内周から周方向の複数箇所で同時に加熱する場合に広く適用することができる。具体的には、例えば、本発明に係るバーナーは、水管ボイラー以外のボイラーにおいて管体(ボイラーチューブ)を取り外す際にも使用され得るし、ころがり軸受の焼嵌めに際して外輪又は嵌合装着孔を形成するリング状などの管体を加熱する際にも用いられ得る。
【符号の説明】
【0096】
10 管体加熱用バーナー(第一の実施形態)
12 ガス管路
14 バーナー本体
16 燃料ポート
18 酸素ポート
20 Y字部材
22 第一のハンドル
24 内部管路
26 接手ハウジング
28 流量調節部材
30 調節部本体
32 流量調節バルブ
34 スライド軸
36 第二のハンドル
38 側方接続部
40 中間管路
42 先端管路
44 基端ストレート部
46 先端ストレート部
48 湾曲部
50 連結部材
52 先端ノズル部
54 内部空所
56 噴出口
58 冷却ジャケット
60 封止部材
62 冷却用キャビティ
64 給水管路
66 第三のハンドル
68 排水管路
70 火炎
72 水管ボイラー(ボイラー)
74 ドラム(支持壁部材)
76 水管(管体)
78 装着孔
80 拡開部
82 冷却装置
90 管体加熱用バーナー(第二の実施形態)
92 先端ノズル部
94 給水管路(冷却流体管路)
96 排水管路(冷却流体管路)
100 先端ノズル部(別の一実施形態)
102 噴出口
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