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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046863
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】ドアハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20230329BHJP
   E05B 81/76 20140101ALI20230329BHJP
【FI】
E05B85/16 B
E05B81/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155693
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ03
2E250JJ10
2E250KK02
2E250LL01
2E250PP12
2E250SS05
(57)【要約】
【課題】ドアハンドル装置において、レバーの構成が簡素化され、ドアハンドル内の水密性が向上する。
【解決手段】ドアハンドル装置1は、ドアパネル2と対向するように配置され、ドアパネル2とは反対側に開口部15を形成する立壁13a~13dを有するレバー10と、開口部15の全部を覆うようにレバー10に取り付けられているカバー20とを有するハンドル3と、開口部15を覆うように配置され、ドアパネル2に向かって窪み、内部に電子部品40が保持される凹部31と、凹部31の縁33a~33dから外側に向かって延びるフランジ部35a~35dとを有し、レバー10とカバー20のいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成るケース30とを備える。フランジ部35a~35dは、立壁13a~13dとカバー20とによって挟持されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルと対向するように配置され、前記ドアパネルとは反対側に開口部を形成する立壁を有するレバーと、前記開口部の全部を覆うように前記レバーに取り付けられているカバーとを有するハンドルと、
前記開口部を覆うように配置され、前記ドアパネルに向かって窪み、内部に電子部品が保持される凹部と、前記凹部の縁から外側に向かって延びるフランジ部とを有し、前記レバーと前記カバーのいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成るケースと
を備え、
前記フランジ部は、前記立壁と前記カバーとによって挟持されている、ドアハンドル装置。
【請求項2】
前記フランジ部は、前記縁の全周から外側に向かって延び、
前記フランジ部は、前記立壁と前記カバーとによって全周にわたって挟持されている、請求項1に記載のドアハンドル装置。
【請求項3】
前記フランジ部はリップ部を有し、
前記立壁には、前記リップ部を収容する溝部が設けられ、
前記リップ部は、前記溝部を画定する溝壁と前記カバーとによって挟持されている、請求項1又は2に記載のドアハンドル装置。
【請求項4】
前記リップ部の先端は、前記外側に向かって細くなる、請求項3に記載のドアハンドル装置。
【請求項5】
前記ケースは、エラストマーから成る、請求項1から4のいずれか1項に記載のドアハンドル装置。
【請求項6】
前記凹部内に配置され、前記電子部品を密封する樹脂部材を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のドアハンドル装置。
【請求項7】
前記ケースは、前記凹部内を前記ハンドルの外部に連通する注入筒を有し、
前記注入筒は、前記樹脂部材で封止されている、請求項6に記載のドアハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドアハンドルへの接近又は接触を検知する静電容量センサを備えたドアハンドル装置が知られている。特許文献1には、インサート成形によって静電容量センサとアンテナとをレバーに保持しているドアハンドル装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-247268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のドアハンドル装置では、静電容量センサとアンテナとが直接レバーに保持されているため、レバーに保持機構を設ける必要があり、レバーの構成が複雑である。
【0005】
また、特許文献1に記載のドアハンドル装置には、ドアハンドル内の水密性について改善の余地がある。
【0006】
本発明は、レバーの構成が簡素化され、ドアハンドル内の水密性が向上したドアハンドル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ドアパネルと対向するように配置され、前記ドアパネルとは反対側に開口部を形成する立壁を有するレバーと、前記開口部の全部を覆うように前記レバーに取り付けられているカバーとを有するハンドルと、前記開口部を覆うように配置され、前記ドアパネルに向かって窪み、内部に電子部品が保持される凹部と、前記凹部の縁から外側に向かって延びるフランジ部とを有し、前記レバーと前記カバーのいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成るケースとを備え、前記フランジ部は、前記立壁と前記カバーとによって挟持されている、ドアハンドル装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、フランジ部が立壁とカバーとによって挟持されることで、電子部品が保持されている凹部内が閉じられる。フランジ部は、レバーとカバーのいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成るため、立壁とカバーとはそれぞれ、フランジ部に食い込むように挟持し得る。そのため、立壁及びフランジ部の間と、カバー及びフランジ部の間とのそれぞれに隙間が生じ難く、凹部内の水密性が向上し得る。また、内部に電子部品が保持されたケースがレバー内に配置されている。換言すると、電子部品を保持するための構成はカバーに設けられている。そのため、レバーに電子部品を保持するための構成を必要とせず、レバーの構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ドアハンドル装置において、レバーの構成が簡素化され、ドアハンドル内の水密性が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るドアハンドル装置を車幅方向から見た図。
図2図1の線II-IIにおける断面図。
図3図1の線III-IIIにおけるドアハンドル装置の断面図。
図4】本発明の第1実施形態に係るドアハンドル装置の分解斜視図。
図5】ケースの斜視図。
図6図5の線VI-VIにおける断面図。
図7図5の線VII-VIIにおける断面図。
図8】ケース及び電子部品の断面斜視図。
図9図8の分解図。
図10】本発明の第2実施形態におけるケース、電子部品、及びポッティング樹脂材の断面斜視図。
図11】本発明の第3実施形態における図2と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。以下の説明では、車長方向をX方向、車幅方向をY方向、車高方向をZ方向という。
【0012】
(第1実施形態)
図1を参照すると、ハンドル装置(ドアハンドル装置)1は、車両ドアのアウターパネル(ドアパネル)2に取り付けられたハンドル3を備える。後に詳述するように、ハンドル3は、全体としてX方向に長い筒状で、内部にケース30と電子部品40とを有する。本実施形態では、X方向の矢印の先は車長方向前側を指しており、Y方向の矢印の先は車幅方向外側を指しており、Z方向の矢印の先は車高方向上側を指している。
【0013】
図2及び図3を参照すると、ハンドル3は、レバー10とカバー20とを備える。
【0014】
レバー10は、硬質の合成樹脂により形成され、把持部10a、アーム10b、及び作動部10cを備える。把持部10aは、アウターパネル2と対向するように車外側に配置され、アウターパネル2とは反対側、すなわち、車幅方向(Y方向)外側が開放した略U字状の断面形状を有して車長方向(X方向)に延びる。アーム10bは、把持部10aの車長方向(X方向)前側である一端11aに一体に設けられ、略L字状に形成されている。作動部10cは、把持部10aの車長方向(X方向)後側である他端11bに一体に設けられている。アーム10bは、アウターパネル2を貫通し、アウターパネル2内の図示しないハンドルベースに回転可能に軸支されている。作動部10cは、アウターパネル2を貫通し、図示しない連結ロッドに連結されている。ハンドル3の作動は、図示しないドアロック装置に伝達されるようになっている。
【0015】
図4を併せて参照すると、把持部10aは、アウターパネル2と対向する底壁12と、底壁12の周囲から車幅方向(Y方向)外側に向かって延びる立壁13a,13b,13cを備える。立壁13aは、底壁12の車高方向(Z方向)下側に配置され、把持部10aの車長方向(X方向)における略全長にわたって板状に延びる。立壁13bは、立壁13aと対向するように底壁12の車高方向(Z方向)上側に配置され、把持部10aの車長方向(X方向)における略全長にわたって板状に延びる。立壁13cは、把持部10aの他端11bに配置され、立壁13a,13bを接続するように板状に延びる。
【0016】
また、把持部10aは、把持部10aの車長方向(X方向)の略中央に配置され、底壁12から車幅方向(Y方向)外側に向かって立壁13a,13bを接続するように板状に延びる立壁13dを備える。本実施形態では、立壁13a~13dによって、アウターパネル2とは反対側に車幅方向(Y方向)に垂直な断面視で略矩形の開口部15が形成されている。
【0017】
図2及び図3を参照すると、立壁13a~13cのそれぞれの先端には、溝部14a,14b,14cが設けられている。溝部14a~14cは、車幅方向(Y方向)内側に向かって鋭角に凹んだ形状で、立壁13a~13cのそれぞれの長手方向の全長にわたって設けられている。溝部14aは、車幅方向(Y方向)に延びる溝壁16aと、溝壁16aと鋭角を成すように車高方向(Z方向)に延びる溝壁16bとによって画定されている。溝部14bは、車幅方向(Y方向)に延びる溝壁16cと、溝壁16cと鋭角を成すように車高方向(Z方向)に延びる溝壁16dとによって画定されている。溝部14cは、車幅方向(Y方向)に延びる溝壁16eと、溝壁16eと鋭角を成すように車長方向(X方向)に延びる溝壁16fとによって画定されている。溝部14a~14cには、後述のリップ部37a~37cが収容される。
【0018】
図3を参照すると、カバー20は、硬質の合成樹脂により形成され、レバー10側が開放した略U字状の断面形状を有して車長方向(X方向)に延びる。ここで、硬質の合成樹脂とは、エラストマーのような大きな変形を示す弾性材料とは、みなせないものを指す。カバー20の開放した端部には、内側に向かって凸形状の突条21が把持部10aの車長方向(X方向)における略全長にわたって設けられている。また、把持部10aには、突条21と位置合わせされ、内側に向かって凹形状の溝22が把持部10aの車長方向(X方向)における略全長にわたって設けられている。突条21が溝22に嵌合することで、カバー20は開口部15の全部を覆うようにレバー10に取り付けられている。カバー20は、レバー10に図示しないねじで固定されていてもよい。
【0019】
図2を参照すると、アウターパネル2は車幅方向(Y方向)内側に向けて窪んでおり、把持部10aは車幅方向(Y方向)外側に向けて湾曲している。そのため、アウターパネル2と把持部10aとの間には、車両ユーザが手を差し込めるような隙間4がある。隙間4に手を差し込み車幅方向(Y方向)外側に向けて引っ張ることで、レバー10がアーム10bを支点にして回転し、作動部10cが車幅方向(Y方向)に移動する。作動部10cの移動に伴い、作動部10cと接続された図示しない連結ロッドが作動し、車両ドアの内部に配置された図示しないドアロック装置がアンラッチ駆動され、ドアの開放が可能となる。
【0020】
図4を参照すると、ハンドル3は、レバー10とカバー20との間に、開口部15を覆うように配置されるケース30を備える。具体的には、ケース30は、アウターパネル2に向かって窪む凹部31を備え、凹部31が開口部15の内側に収容されるように配置されている。ケース30は、レバー10とカバー20のいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成る。本実施形態では、ケース30は、エラストマーから成る。
【0021】
ケース30の凹部31の内部には電子部品40が保持されている。本実施形態では、電子部品40は、アンロック電極41、アンテナ42、回路基板43、及びロック電極44を含む。
【0022】
図5から図7を参照すると、ケース30は、ケース底壁32と、ケース底壁32の周囲から車幅方向(Y方向)外側に向かって縁33a,33b,33c,33dまで延びるケース側壁34a,34b,34c,34dを備える。ケース側壁34aは、立壁13a(図4参照)に面するように配置されている。ケース側壁34bは、立壁13b(図4参照)に面するように配置されている。ケース側壁34cは、立壁13c(図4参照)に面するように配置されている。ケース側壁34dは、立壁13d(図4参照)に面するように配置されている。前述の凹部31は、ケース底壁32とケース側壁34a~34dで形成される空間である。
【0023】
ケース30は、縁33a~33dのそれぞれから外側に向かって延びるフランジ部35a,35b,35c,35dを備える。換言すると、フランジ部35a~35dは、縁33a~33dの全周から外側に向かって延びる。具体的には、フランジ部35aは、縁33aから車高方向(Z方向)下側に向かって延びる。フランジ部35bは、縁33bから車高方向(Z方向)上側に向かって延びる。フランジ部35cは、縁33cから車長方向(X方向)後側に向かって延びる。フランジ部35dは、縁33dから車長方向(X方向)前側に向かって延びる。
【0024】
本実施形態では、フランジ部35a~35cはそれぞれ、フランジ本体36a,36b,36cとリップ部37a,37b,37cとを有し、フランジ部35dはフランジ本体36dのみを有する。フランジ本体36a~36dは、縁33a~33dと接する部分で、縁33a~33dのそれぞれの長手方向の全長にわたって設けられている。リップ部37a~37cは、フランジ本体36a~36cから凹部31と反対側に延在し、フランジ本体36a~36cのそれぞれの長手方向の全長にわたって設けられている。
【0025】
リップ部37aは、フランジ本体36aから外側、つまり、溝部14a(図3参照)に向かって細くなる。すなわち、リップ部37aは、図6に示すように、車長方向(X方向)に垂直な断面視において鋭角を有する。リップ部36bに関しても同様である。また同様に、リップ部37cは、図7に示すように、車高方向(Z方向)に垂直な断面視において鋭角を有する。
【0026】
図8及び図9を参照すると、アンロック電極41は、ケース30の内部のケース底壁32に配置されている。換言すると、アンロック電極41は、把持部10aの底壁12側に配置されている。車両ユーザが把持部10aを握る際、アンロック電極41によって、車両ユーザのレバー10への接触又は接近が検出され、解錠操作が行われる。
【0027】
アンテナ42は、アンロック電極41の一部を覆うように、ケース30の内部のケース底壁32に配置されている。
【0028】
回路基板43は、アンロック電極41とアンテナ42とのそれぞれの一部を覆うように、ケース30の内部のケース底壁32に配置されている。回路基板43には、アンロック電極41、アンテナ42、及び後述のロック電極44が、はんだ付けによって電気的に接続されている。
【0029】
ロック電極44は、回路基板43より車幅方向(Y方向)外側に配置されている。換言すると、ロック電極44は、電子部品40のうち、最もカバー20側に配置されている。ロック電極44によって、車両ユーザのカバー20への接触又は接近が検出されると、施錠操作が行われる。
【0030】
アンロック電極41、アンテナ42、回路基板43、及びロック電極44を含む電子部品40は、ケース30に設けられた爪部39A,39B,39C,39Dによってケース30に保持されている。具体的には、アンロック電極41とロック電極44とがはんだ付けされた回路基板43が爪部39A,39Bによってケース30に保持され、アンテナ42が爪部39C,39Dによってケース30に保持されている。
【0031】
ケース30には、ケース30の内部から外部へと貫通する貫通孔38が設けられている。回路基板43と図示しない制御部とを電気的に接続する図示しない電線が、貫通孔38を介してケース30の内部から外部に配索されている。好ましくは、貫通孔38の直径は、図示しない電線の直径と等しい。
【0032】
図2及び図3を参照すると、前述の通り、内部に電子部品40が配置されたケース30は、レバー10の開口部15に配置されている。ケース30のフランジ部35a~35dを立壁13a~13dとカバー20とによって全周にわたって挟持するように、カバー20はレバー10に装着されている。この際、リップ部37a~37cは溝部14a~14cに収容されているため、リップ部37a~37cは溝壁16a~16fとカバー20とで挟持され、溝壁16a~16fに向かって押圧される。
【0033】
本実施形態のドアハンドル装置1によれば、フランジ部35a~35dが立壁13a~13dとカバー20とによって挟持されることで、電子部品40が保持されている凹部31内が閉じられる。フランジ部35a~35dは、レバー10とカバー20のいずれよりも相対的に柔らかい弾性材料から成るため、立壁13a~13dとカバー20とはそれぞれ、フランジ部35a~35dに食い込むように挟持し得る。そのため、立壁13a~13d及びフランジ部35a~35dの間と、カバー20及びフランジ部35a~35dの間とのそれぞれに隙間が生じ難く、凹部31内の水密性が向上し得る。また、内部に電子部品40が保持されたケース30がレバー10内に配置されている。換言すると、電子部品40を保持するための構成はカバー20に設けられている。そのため、レバー10に電子部品40を保持するための構成を必要とせず、レバー10の構成を簡素化できる。
【0034】
また、本実施形態では、フランジ部35a~35dの全周が立壁13a~13dとカバー20とによって挟持されているため、凹部31内の水密性がより向上し得る。
【0035】
さらに、リップ部37a~37cの形状と溝部14a~14cの形状とが対応する形状であり、リップ部37a~37cは溝部14a~14cに差し込まれるように収容されているため、凹部31内の水密性がより向上し得る。また、リップ部37a~37cは外側に向かって、つまり、溝部14a~14cに向かって細くなる。そのため、リップ部37a~37cが立壁13a~13cとカバー20とで挟持される際、リップ部37a~37cが溝部14a~14cに向かって押し付けられ易く、凹部31内の水密性がより向上し得る。
【0036】
(第2実施形態)
図10を参照すると、第2実施形態に係るドアハンドル装置1の構成は、以下の点で第1実施形態と異なる。第2実施形態のその他の構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一ないし同様の要素には同一の符号を付している。
【0037】
第2実施形態では、ケース30は、凹部31内に配置されるポッティング樹脂材(樹脂部材)50を備える。具体的には、ケース30がカバー20(図4参照)で閉じられる前に、内部に電子部品40が配置された凹部31に対して、ポッティング樹脂材50が電子部品40を沈めるように注入されている。換言すると、ポッティング樹脂材50は電子部品40を密封する。
【0038】
第2実施形態におけるドアハンドル装置によれば、電子部品40がポッティング樹脂材50で密封されているため、電子部品40に対する防水性が向上し得る。
【0039】
(第3実施形態)
図11を参照すると、第3実施形態に係るドアハンドル装置1の構成は、以下の点で第1実施形態と異なる。第3実施形態のその他の構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一ないし同様の要素には同一の符号を付している。
【0040】
第3実施形態では、ケース30のケース底壁32に、ケース30からアウターパネル2に向かって延びる注入筒55が設けられている。第3実施形態では、注入筒55は、円筒状である。また、レバー10の底壁12には、注入筒55と位置合わせされた孔部56が設けられ、注入筒55は孔部56に挿入されている。そのため、注入筒55を介して、凹部31の内部はハンドル3の外部に連通している。
【0041】
第3実施形態では、ポッティング樹脂材50が、凹部31の内部に注入されている。具体的には、ポッティング樹脂材50は、ケース30がカバー20で閉じられた後、内部に電子部品40(図4参照)が配置された凹部31に対して、注入筒55を介してポッティング樹脂材50が注入されている。ポッティング樹脂材50は、ケース30とカバー20とで画定された空間57全体を満たすように注入されている。つまり、注入筒55はポッティング樹脂材50で封止されている。
【0042】
第3実施形態におけるドアハンドル装置1によれば、電子部品40がポッティング樹脂材50で密封されているため、電子部品40に対する防水性が向上し得る。また、ポッティング樹脂材50は、ケース30をカバー20で閉じた後に注入され、空間57を満たすように注入されているため、電子部品40の防水性がさらに向上し得る。
【符号の説明】
【0043】
1 ドアハンドル装置
2 ドアパネル(アウターパネル)
3 ハンドル
4 隙間
10 レバー
10a 把持部
10b アーム
10c 作動部
11a 一端
11b 他端
12 底壁
13a,13b,13c,13d 立壁
14a,14b,14c 溝部
15 開口部
16a,16b,16c,16d,16e,16f 溝壁
20 カバー
21 突条
22 溝
30 ケース
31 凹部
32 ケース底壁
33a,33b,33c,33d 縁
34a,34b,34c,34d ケース側壁
35a,35b,35c,35d フランジ部
36a,36b,36c,36d フランジ本体
37a,37b,37c リップ部
38 貫通孔
39A,39B,39C,39D 爪部
40 電子部品
41 アンロック電極
42 アンテナ
43 回路基板
44 ロック電極
50 ポッティング樹脂材(樹脂部材)
55 注入筒
56 孔部
57 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11