(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046879
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】車両判別システム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20230329BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
G01B11/02 H
E02F9/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155718
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】藤原 翔
(72)【発明者】
【氏名】細 幸広
(72)【発明者】
【氏名】邱 進軍
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山下 耕治
【テーマコード(参考)】
2D015
2F065
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2F065AA22
2F065AA61
2F065CC11
2F065FF01
2F065FF11
2F065FF42
2F065GG04
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ08
2F065MM16
2F065MM26
2F065PP22
(57)【要約】
【課題】車両の種別を判別するための目印を車両に設けなくても車両の種別を判別できるようにする。
【解決手段】車両判別システム1は、荷台検出部30と、寸法情報演算部51と、記憶部53と、判別部55と、を備える。荷台検出部30は、荷台13までの距離を含む情報を検出する。寸法情報演算部51は、荷台検出部30に検出された距離に基づいて、荷台13の寸法情報を演算する。記憶部53は、荷台13の寸法情報と車両10の種別との対応関係を記憶する。判別部55は、寸法情報演算部51に演算された寸法情報と、記憶部53に記憶された対応関係とに基づいて、車両10の種別を判別する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を有する車両の種別を判別する車両判別システムであって、
前記荷台までの距離を含む情報を検出する荷台検出部と、
前記荷台検出部に検出された距離に基づいて、前記荷台の寸法情報を演算する寸法情報演算部と、
前記荷台の前記寸法情報と前記車両の種別との対応関係を記憶する記憶部と、
前記寸法情報演算部に演算された前記寸法情報と、前記記憶部に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記車両の種別を判別する判別部と、
を備える、
車両判別システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両判別システムであって、
前記寸法情報は、前記荷台の長手方向における前記荷台の寸法を含む、
車両判別システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両判別システムであって、
前記寸法情報は、前記荷台の三次元形状の情報を含む、
車両判別システム。
【請求項4】
請求項3に記載の車両判別システムであって、
前記荷台検出部は、
前記荷台の二次元画像を検出する二次元画像検出部と、
前記荷台の三次元情報を検出する三次元情報検出部と、
を備え、
前記寸法情報演算部は、
前記二次元画像検出部に検出された前記二次元画像に基づいて、前記荷台の二次元形状を演算する二次元形状演算部と、
前記二次元形状演算部に演算された前記荷台の前記二次元形状と、前記三次元情報検出部に検出された前記荷台の前記三次元情報と、に基づいて、前記荷台の前記三次元形状を演算する三次元形状演算部と、
を備える、
車両判別システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の車両判別システムであって、
前記車両の種別は、前記荷台の大きさに基づく区分である、
車両判別システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の車両判別システムであって、
前記車両の種別は、前記車両の機種である、
車両判別システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の車両判別システムであって、
前記車両に対して作業を行う作業機械の姿勢を検出する姿勢検出部を備え、
前記荷台検出部は、前記作業機械に取り付けられ、
前記判別部は、前記姿勢検出部に検出された姿勢が、前記荷台検出部による荷台の検出が可能な姿勢として設定された荷台検出可能姿勢である場合に、前記車両の種別を判別し、
前記判別部は、前記姿勢検出部に検出された姿勢が前記荷台検出可能姿勢でない場合に、前記車両の種別の判別を行わない、
車両判別システム。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の車両判別システムであって、
前記車両に対して作業を行う作業機械の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記作業機械が配置される作業現場における前記作業機械の位置を検出する位置検出部と、
を備え、
前記荷台検出部は、前記作業機械の外部に配置され、
前記判別部は、前記姿勢検出部に検出された姿勢および前記位置検出部に検出された位置が、前記荷台検出部による前記荷台の検出が可能な条件として設定された荷台検出可能条件を満たす場合に、前記車両の種別を判別し、
前記判別部は、前記姿勢検出部に検出された姿勢および前記位置検出部に検出された位置が、前記荷台検出可能条件を満たさない場合に、前記車両の種別の判別を行わない、
車両判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の種別を判別する車両判別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、車両の種別(同文献では機種)を判別する技術が記載されている。同文献に記載の技術では、車両に表示部が設けられる。車両の種別ごとに表示部の点滅周期が異なること、車両の種別ごとに表示部が異なる色を有すること、および、車両の種別ごとに表示部の発行色が異なることが、同文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の技術では、車両の種別を判別するための表示部(目印)を車両に設け、車両の種別に応じて表示部を設定する必要があり、手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、車両の種別を判別するための目印を車両に設けなくても車両の種別を判別することができる、車両判別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両判別システムは、荷台を有する車両の種別を判別するものである。車両判別システムは、荷台検出部と、寸法情報演算部と、記憶部と、判別部と、を備える。前記荷台検出部は、前記荷台までの距離を含む情報を検出する。前記寸法情報演算部は、前記荷台検出部に検出された距離に基づいて、前記荷台の寸法情報を演算する。前記記憶部は、前記荷台の前記寸法情報と前記車両の種別との対応関係を記憶する。前記判別部は、前記寸法情報演算部に演算された前記寸法情報と、前記記憶部に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記車両の種別を判別する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、車両の種別を判別するための目印を車両に設けなくても車両の種別を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車両判別システム1の車両10および作業機械20などを横から見た図である。
【
図2】
図1に示す車両10および作業機械20などを上から見た図である。
【
図3】
図1に示す荷台検出部30が検出した荷台13などを示す図である。
【
図4】
図1に示す車両判別システム1のブロック図である。
【
図5】
図4に示すコントローラ50の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図5を参照して、車両判別システム1について説明する。
【0010】
車両判別システム1は、
図1に示す車両10の種別を判別するシステムである。車両判別システム1は、車両10と、作業機械20と、荷台検出部30と、
図4に示す姿勢検出部41と、位置検出部43と、コントローラ50と、を備える。
【0011】
車両10は、
図1に示すように、荷台13を有する。車両10は、荷台13に収容した運搬対象物を運ぶ機械(運搬作業を行う作業機、運搬車両、輸送車両)である。車両10は、例えばダンプトラックなどである。車両10は、車両本体部11と、荷台13と、を備える。
【0012】
車両本体部11は、荷台13を支持する。車両本体部11は、走行可能であり、車輪により走行してもよく、クローラにより走行してもよい。車両本体部11は、車両運転室11aを備える。
【0013】
荷台13は、運搬対象物を収容する。荷台13に収容される運搬対象物は、土砂でもよく、石でもよく、木材でもよく、金属でもよく、廃棄物でもよく、コンクリートなどの構造物などでもよい。荷台13は、車両運転室11aよりも、車両後側X2(後述)に配置される。荷台13は、例えば蓋を有さない箱形などである(
図3参照)。荷台13は、車両本体部11に対して可動でもよく、車両本体部11に固定されてもよい。以下では、荷台13の床面13a(後述)が水平または略水平に配置された状態について説明する。荷台13は、床面13aと、後部あおり板面13bと、側部あおり板面13cと、鳥居面13dと、を備える。
【0014】
(車両10の方向)
車両10に関する方向であって、車両10が水平面に置かれた場合に鉛直方向と一致する方向を、車両上下方向Zとする。荷台13の長手方向を、車両前後方向Xとする。車両前後方向Xにおいて、荷台13から車両運転室11aに向かう側を車両前側X1とし、その逆側を車両後側X2とする。車両上下方向Zおよび車両幅方向Yのそれぞれに直交する方向を、車両幅方向Yとする。
【0015】
床面13aは、荷台13の底面である。床面13aは、平面状または略平面状である(後部あおり板面13b、側部あおり板面13c、および鳥居面13dも同様)。後部あおり板面13bは、荷台13の車両後側X2の面であり、床面13aの車両後側X2の部分から上に突出する。側部あおり板面13cは、荷台13の車両幅方向Y外側(左右)の面であり(
図3参照)、床面13aの左右の端部から上に突出する。鳥居面13dは、荷台13の車両前側X1の面であり、床面13aの車両前側X1の部分から上に突出する。鳥居面13dは、側部あおり板面13cよりも上に突出し、後部あおり板面13bよりも上に突出する。
【0016】
作業機械20は、車両10に対して作業を行う。作業機械20は、例えば、荷台13に運搬対象物を積み込む作業(土砂積込作業など)を行う。作業機械20は、例えば建設機械であり、例えばショベルでもよく、例えばクレーンでもよい。以下では、作業機械20がショベルである場合について説明する。作業機械20は、下部走行体21と、上部旋回体23と、アタッチメント25と、を備える。
【0017】
下部走行体21は、作業機械20を走行させる。下部走行体21は、例えばクローラを備える。
【0018】
上部旋回体23は、下部走行体21に旋回可能に搭載される。上部旋回体23は、作業機械運転室23aを備える。作業機械運転室23aは、操作者が作業機械20を操作することが可能な部分である。作業機械20は、操作者の操作により作動してもよく、自動運転により作動してもよい。
【0019】
アタッチメント25は、作業を行う部分であり、例えば、ブーム25aと、アーム25bと、先端アタッチメント25cと、を備える。ブーム25aは、上部旋回体23に起伏可能(上下方向に回転可能)に取り付けられる。アーム25bは、ブーム25aに対して回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント25cは、アタッチメント25の先端部に設けられ、アーム25bに回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント25cは、例えば土砂をすくうバケットでもよく、物を挟む装置(グラップルなど)でもよく、破砕や掘削などを行う装置(ブレーカなど)でもよい。
【0020】
荷台検出部30(距離取得手段)は、荷台13までの距離(荷台検出部30から荷台13までの距離)を含む情報を検出する。荷台検出部30は、荷台13を検出可能な位置に配置される。例えば、荷台検出部30は、作業機械20に取り付けられてもよい。例えば、荷台検出部30は、作業機械運転室23aに取り付けられてもよい。この場合、荷台検出部30は、作業機械運転室23aの屋根部分に取り付けられてもよく、作業機械運転室23aの内部に配置されてもよい。荷台検出部30は、作業機械20のうち作業機械運転室23a以外の部分に取り付けられてもよい。
【0021】
この荷台検出部30は、作業機械20の外部に配置されてもよい(
図1において二点鎖線で示す荷台検出部30を参照)。例えば、荷台検出部30は、作業機械20が配置される作業現場(車両10が配置される作業現場)に設置されてもよい。荷台検出部30と同様に、位置検出部43およびコントローラ50のそれぞれも、作業機械20に搭載されてもよく、作業機械20の外部に配置されてもよい。荷台検出部30は、1か所のみに設けられてもよく、複数か所に設けられてもよい(位置検出部43、およびコントローラ50についても同様)。例えば、作業機械20に搭載される荷台検出部30と、作業機械20の外部に配置される荷台検出部30と、が設けられてもよい(位置検出部43、およびコントローラ50についても同様)。
【0022】
この荷台検出部30は、荷台13の一部(例えば鳥居面13dおよび後部あおり板面13bなど)までの距離を検出してもよい。荷台検出部30は、荷台13の全体または略全体の距離画像(後述)を検出してもよい。荷台検出部30は、距離以外の情報を検出してもよく、具体的には荷台13の二次元画像を検出してもよい。例えば、荷台検出部30は、二次元画像検出部31と、三次元情報検出部33と、を備える。
【0023】
二次元画像検出部31は、荷台13の二次元画像を検出する。二次元画像検出部31が検出する二次元画像は、例えば
図3に示すように、荷台13の全体を含む(三次元情報検出部33が取得する距離画像も同様)。この二次元画像は、車両10のうち荷台13以外の部分を含んでもよく、作業機械20(例えばアタッチメント25など)を含んでもよい(三次元情報検出部33が取得する距離画像も同様)。
図1に示す二次元画像検出部31は、具体的には単眼カメラである。
【0024】
三次元情報検出部33は、荷台13を含む三次元情報(三次元距離情報)を検出する。三次元情報検出部33は、距離の情報(奥行きの情報)を有する画像(距離画像)を取得する。具体的には例えば、三次元情報検出部33は、点群データなどを検出する。三次元情報検出部33は、レーザー光を用いて三次元の情報を検出する装置を備えてもよく、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)を備えてもよく、例えばTOF(Time Of Flight)センサを備えてもよい。三次元情報検出部33は、電波を用いて三次元の情報を検出する装置(例えばミリ波レーダなど)を備えてもよい。三次元情報検出部33は、ステレオカメラを備えてもよい。二次元画像の座標系と、三次元情報の座標系とは、統一される。例えば、これらの座標系は、作業機械20を基準とする座標系(機械座標系)に統一されてもよく、作業現場を基準とする座標系に統一されてもよい。
【0025】
なお、荷台検出部30は、一次元または二次元の距離情報を検出する装置を備えてもよい。さらに詳しくは、荷台検出部30は、荷台検出部30から、ある一点までの距離を検出する装置(一次元の距離情報を検出する装置)を備えてもよい。荷台検出部30は、荷台検出部30を通る平面と荷台13とが交わる各点までの距離を検出する装置(二次元の距離情報を検出する装置)を備えてもよい。例えば、荷台検出部30は、一次元または二次元の距離情報を検出する、光センサ(例えばレーザセンサ)や電波センサなどを備えてもよい。
【0026】
姿勢検出部41(
図4参照)は、作業機械20の姿勢を検出する。姿勢検出部41は、上部旋回体23に対するブーム25aの、回転角度(起伏角度)を検出してもよい。姿勢検出部41は、ブーム25aに対するアーム25bの回転角度を検出してもよい。姿勢検出部41は、アーム25bに対する先端アタッチメント25cの回転角度を検出してもよい。姿勢検出部41は、下部走行体21に対する上部旋回体23の、旋回角度を検出してもよい。姿勢検出部41は、角度を検出するセンサ(例えばロータリエンコーダなど)を備えてもよく、水平面に対する傾斜を検出するセンサを備えてもよく、アタッチメント25を駆動するシリンダ(図示なし)のストロークを検出するセンサを備えてもよい。姿勢検出部41は、二次元画像および距離画像の少なくともいずれかに基づいて作業機械20の姿勢を検出してもよい。この場合、二次元画像および距離画像の少なくともいずれかは、荷台検出部30が検出してもよい(荷台検出部30と姿勢検出部41とが兼用されてもよい)。
【0027】
位置検出部43(
図4参照)は、作業現場における作業機械20の位置を検出する。位置検出部43は、作業現場に対する作業機械20の位置および向き(例えば上部旋回体23の向き)を検出してもよい。位置検出部43は、作業機械20の基準となる部位の、作業現場に対する位置および向きを検出してもよい。作業機械20の基準となる部位は、例えば上部旋回体23または下部走行体21の特定の部位でもよく、例えば上部旋回体23へのブーム25aの取付部(ブームフット)でもよい。
【0028】
コントローラ50(
図4参照)は、信号の入出力、演算(処理)、情報の記憶などを行うコンピュータである。例えば、
図4に示すコントローラ50の機能は、コントローラ50の記憶部53などに記憶されたプログラムが演算部で実行されることにより実現される。コントローラ50は、車両10(
図1参照)の種別の判別に関する処理を行う。コントローラ50は、車両10の種別の判別とは異なる処理を行ってもよい。例えば、コントローラ50は、作業機械20(
図1参照)の自動運転の制御を行ってもよく、作業機械20の操作をアシストする制御を行ってもよい。コントローラ50は、寸法情報演算部51と、記憶部53と、判別部55と、検出可否判定部57と、を備える。
【0029】
寸法情報演算部51は、
図1に示す荷台検出部30に検出された距離に基づいて、荷台13の寸法情報を演算する。この寸法情報は、車両10の種別を判別するための基準となる情報である。車両10の種別を判別できるような情報が、寸法情報として用いられる。寸法情報の具体例は、次の通りである。
【0030】
[例A1]寸法情報は、荷台13の特定方向の寸法や特定部分の寸法を含んでもよい。[例A1a]寸法情報は、荷台13の車両前後方向Xの寸法Lx(荷台13の長手方向における荷台13の寸法、奥行き)を含んでもよい。例えば、寸法Lxは、鳥居面13dと後部あおり板面13bとの車両前後方向Xにおける間隔である。[例A1b]寸法情報は、
図2に示す荷台13の車両幅方向Yの寸法Ly(幅)を含んでもよい。例えば、寸法Lyは、車両幅方向Y両側の側部あおり板面13c・13cどうしの車両幅方向Yにおける間隔でもよい。例えば、寸法Lyは、後部あおり板面13bまたは鳥居面13dの車両幅方向Yにおける寸法でもよい。[例A1c]寸法情報は、車両上下方向Zにおける荷台13の寸法を含んでもよい。例えば、寸法情報は、
図1に示す後部あおり板面13b(または側部あおり板面13c)の車両上下方向Zにおける寸法Lzb(高さ)を含んでもよい。例えば、寸法情報は、鳥居面13dの車両上下方向Zにおける寸法Lzd(高さ)を含んでもよい。
【0031】
[例A2]寸法情報は、荷台13の全体の(各方向の)寸法を含んでもよい。さらに詳しくは、寸法情報は、荷台13の、寸法Lx、寸法Ly(
図2参照)、および車両上下方向Zの寸法(寸法Lzbおよび寸法Lzdの少なくともいずれか)を含んでもよい。
【0032】
[例A3]寸法情報は、荷台13の寸法から演算される荷台13の容量を含んでもよい。具体的には、荷台13の容量は、荷台13の寸法Lxと、寸法Ly(
図2参照)と、寸法Lzbと、の積である。
【0033】
[例A4]寸法情報は、荷台13の三次元形状の情報を含んでもよい。さらに詳しくは、寸法情報は、荷台13全体(または略全体)の三次元形状の情報を含んでもよい。例えば、荷台13の三次元形状の情報は、寸法Lx、寸法Ly(
図2参照)、および寸法Lzbを含んでもよい。例えば、荷台13の三次元形状の情報は、側部あおり板面13cの上端と鳥居面13dとの交点から、鳥居面13dの上端までの高さ(寸法Lzdから寸法Lzbを引いた値)を含んでもよい。例えば、荷台13の三次元形状の情報は、鳥居面13dの車両上下方向Zにおける寸法Lzdを含んでもよい。荷台13の三次元形状の情報は、各面(後部あおり板面13b、側部あおり板面13cなど)どうしの角度の情報を含んでもよい。
【0034】
この寸法情報演算部51(
図4参照)は、寸法情報を例えば次のように演算する。
【0035】
[例B1]寸法情報演算部51(
図4参照)が、荷台13の三次元形状(上記[例A4]参照)を演算する場合の具体例は、次の通りである。
【0036】
[例B1a]例えば、
図4に示す寸法情報演算部51は、二次元画像および三次元情報に基づいて、三次元形状を演算する。さらに詳しくは、寸法情報演算部51は、二次元形状演算部51aと、三次元形状演算部51bと、を備える。
【0037】
二次元形状演算部51aは、二次元画像検出部31に検出された二次元画像に基づいて、荷台13(
図3参照)の二次元形状を演算(推定)する。例えば、二次元形状演算部51aは、荷台13の二次元形状を、画像認識により演算する。具体的には例えば、二次元形状演算部51aは、二次元画像における荷台13の角の位置に対応する特徴点P(
図3参照)を抽出(認識、推定)する。また、二次元形状演算部51aは、二次元画像における荷台13の辺に対応するリンクL(
図3参照)を決定する。
図3に示すように、リンクLは、特徴点Pどうしを結んだ線分である。
図4に示す二次元形状演算部51aは、例えば、二次元画像から特定の形状を抽出するソフトウェアを実行することで、特徴点P(
図3参照)およびリンクL(
図3参照)を決定する。例えば、このソフトウェアは、ディープラーニング技術を用いたものなどである。
【0038】
三次元形状演算部51bは、荷台13(
図3参照)の三次元形状を演算する。三次元形状演算部51bは、二次元形状演算部51aに演算された荷台13の二次元形状と、三次元情報検出部33に検出された荷台13の三次元情報(例えば点群データ)と、に基づいて荷台13の三次元形状を演算する。具体的には例えば、三次元形状演算部51bは、二次元画像における特徴点P(
図3参照)およびリンクL(
図3参照)の位置(二次元座標)から、三次元情報検出部33に検出された三次元情報における荷台13(
図3参照)の角および辺の位置を特定する。そして、三次元形状演算部51bは、三次元情報(例えば点群データ)のうち、荷台13の角および辺の位置における三次元座標を取得する。これにより、三次元形状演算部51bは、荷台13の角および辺の三次元座標を決定し、荷台13の三次元形状を決定する。
【0039】
[例B1b]寸法情報演算部51は、二次元画像を用いることなく、三次元情報に基づいて、荷台13(
図3参照)の三次元形状を演算してもよい。具体的には例えば、三次元形状演算部51bは、三次元情報検出部33に検出された荷台13の三次元情報(例えば点群データ)をクラスタリングすることで、荷台13の各面の三次元位置を特定(推定、演算)する。その結果、三次元形状演算部51bは、荷台13の三次元形状を決定する。この例では、荷台検出部30は二次元画像検出部31を備えなくてもよく、寸法情報演算部51は二次元形状演算部51aを備えなくてもよい。
【0040】
[例B2]寸法情報演算部51は、三次元形状演算部51bに演算された荷台13(
図3参照)の三次元形状の情報に基づいて、荷台13の寸法や容量(上記[例A1]、[例A2]、および[例A3]参照)を演算してもよい。
【0041】
[例B3]寸法情報演算部51は、荷台13(
図3参照)の三次元形状を演算することなく、荷台13の寸法や容量(上記[例A1]、[例A2]、および[例A3]参照)を演算してもよい。この例では、寸法情報演算部51は、二次元形状演算部51aおよび三次元形状演算部51bを備えなくてもよい。
【0042】
[例B3a]例えば、
図1に示す荷台検出部30が、荷台検出部30から、荷台13の互いに対向する2面までの距離を検出する。そして、寸法情報演算部51(
図4参照)が、検出された距離に基づいて、これらの2面が対向する方向における荷台13の寸法を演算してもよい。具体的には例えば、荷台検出部30から後部あおり板面13bまでの車両前後方向Xにおける距離と、荷台検出部30から鳥居面13dまでの車両前後方向Xにおける距離と、が検出される。そして、寸法情報演算部51(
図4参照)が、これらの距離に基づいて、鳥居面13dと後部あおり板面13bとの車両前後方向Xにおける間隔を演算し、荷台13の車両前後方向Xにおける寸法Lx(上記[例A1a]参照)を演算してもよい。同様に、寸法情報演算部51は、
図2に示す2枚の側部あおり板面13c・13cの間隔から、荷台13の車両幅方向Yにおける寸法Ly(上記[例A1b]参照)を演算してもよい。この例では、荷台検出部30は、一次元または二次元の距離情報を検出する装置でもよい。この例では、荷台検出部30は、二次元画像検出部31および三次元情報検出部33を備えなくてもよい(下記の[例B3b]も同様)。この例では、寸法情報演算部51は、二次元形状演算部51aおよび三次元形状演算部51bを備えなくてもよい(下記の[例B3b]も同様)。
【0043】
[例B3b]例えば、
図1に示す荷台検出部30が、荷台13の一部の面の特定方向の寸法を検出する。そして、寸法情報演算部51(
図4参照)が、荷台検出部30に検出された寸法を、荷台13の寸法情報の一部または全部としてもよい。具体的には例えば、荷台検出部30が、鳥居面13dの高さ(寸法Lzd)を検出する。そして、寸法情報演算部51(
図4参照)が、寸法Lzdを、寸法情報の一部または全部としてもよい。この例では、荷台検出部30は、例えば、二次元の距離情報を検出する装置でもよい。
【0044】
記憶部53(
図4参照)は、荷台13の寸法情報と車両10の種別との対応関係を記憶する。記憶部53は、予め(車両10の種別の判別が行われる前に)、この対応関係を記憶する。
【0045】
[例C1]例えば、記憶部53(
図4参照)が記憶する対応関係は、荷台13の一部または全部の寸法(上記[例A1][例A2]参照)の条件(例えば数値範囲)と、車両10の種別と、の関係でもよい。具体的には例えば、記憶部53が記憶する対応関係は、荷台13の寸法Lxの条件(例えば数値範囲)と、車両10の種別と、の関係でもよい。
【0046】
[例C2]例えば、記憶部53(
図4参照)が記憶する対応関係は、荷台13の容量(上記[例A3]参照)の条件(例えば数値範囲)と、車両10の種別と、の関係でもよい(
図4に示す関係R1・R2を参照)。[例C3]例えば、記憶部53が記憶する対応関係は、荷台13の三次元形状の情報(例えば、各面の寸法比、角度など)の条件と、車両10の種別と、の関係でもよい。
【0047】
この記憶部53(
図4参照)は、荷台13の寸法情報と車両10の種別との対応関係とは異なる情報を記憶してもよい。例えば、記憶部53は、車両10の機種ごとの諸元情報(既知の情報)を記憶してもよい。この諸元情報は、荷台13の寸法の情報を含んでもよく、荷台13の形状の情報を含んでもよい。
【0048】
この記憶部53(
図4参照)は、車両10の種別について、作業機械20が作業を行う作業現場に入ってくることが予定されている種別であるか否かの情報を記憶してもよい。記憶部53は、作業機械20が作業を行う作業現場に入ってくることが予定されている車両10の種別に関する対応関係を記憶し、作業現場に入ってこないことが予定されている車両10の種別に関する対応関係を記憶しなくてもよい。
【0049】
判別部55は、
図4に示す寸法情報演算部51に演算された寸法情報と、記憶部53に記憶された対応関係とに基づいて、
図1に示す車両10の種別を判別する。判別部55(
図4参照)が判別する車両10の「種別」の具体例は、次の通りである。
【0050】
[例D1]判別部55(
図4参照)が判別する種別は、荷台13の大きさに基づく区分でもよい。[例D1a]種別は、荷台13への最大積載量に基づく区分(クラス)でもよい。例えば、種別は、「4t」「8t」および「10t」を含む区分でもよい(
図4に示す関係R1を参照)。具体的には「4t」は、荷台13への最大積載量が約4tの車両10が属する区分であり、例えば車両10がダンプトラックの場合は「4tダンプ」である。[例D1b]種別は、荷台13の容量に基づく区分でもよい。[例D1c]作業機械20が作業を行う作業現場に入ってくることが予定されている区分(クラス)であるか否かの情報が、記憶部53(
図4参照)に設定されてもよい。この場合、判別部55(
図4参照)は、作業現場に入ってくることが予定されている区分のみから、種別の判別を行ってもよい。判別部55が判別する区分の候補を、作業現場に入ってくることが予定されている区分に絞ってもよい。
【0051】
通常、荷台13の大きさに基づく区分(具体的には例えば「4t」「8t」および「10t」のクラス)が相違すると、荷台13の車両前後方向Xの寸法Lxが、荷台13の他の方向における寸法(例えば寸法Ly(
図2参照)など)に比べ、相違しやすい。そこで、判別部55(
図4参照)が判別する種別が荷台13の大きさに基づく区分である場合、寸法情報には、荷台13の車両前後方向Xの寸法Lxが含まれることが好ましい。例えば、判別部55が判別する種別が荷台13の大きさに基づく区分である場合、寸法情報は、荷台13の車両前後方向Xの寸法Lxのみでもよい。
【0052】
[利用例1]コントローラ50(
図4参照)は、荷台13の大きさに基づく区分の判別結果を、荷台13への運搬対象物の適正積込量の把握に利用してもよい。コントローラ50は、荷台13の大きさに基づく区分の判別結果を、作業機械20から荷台13への積込作業における積込量のガイダンスに利用してもよい。
【0053】
[例D2]判別部55(
図4参照)が判別する種別は、車両10の機種でもよい。「車両10の機種」は、同一(または略同一)の寸法および形状で製造された車両10が属する種類である。[例D2a]作業機械20が作業を行う作業現場に入ってくることが予定されている機種であるか否かの情報が、記憶部53に設定されてもよい。この場合、判別部55は、作業現場に入ってくることが予定されている機種のみから、機種の判別を行ってもよい。判別部55が判別する機種の候補を、作業現場に入ってくることが予定されている機種に絞ってもよい。
【0054】
[利用例2]コントローラ50(
図4参照)は、車両10の機種の判別結果に基づいて、記憶部53(
図4参照)に記憶された機種の諸元情報(荷台13の諸元情報)を読み込んでもよい。[利用例2a]コントローラ50(
図4参照)は、荷台13の諸元情報を、荷台13への運搬対象物の適正積込量の把握に利用してもよい。[利用例2b]コントローラ50は、荷台13の諸元情報を、作業機械20から荷台13への運搬対象物の積込量のガイダンスに利用してもよい。[利用例2c]コントローラ50は、荷台13の諸元情報を、荷台13の詳細な位置の把握に利用してもよい。[利用例2c-1]この場合、コントローラ50は、荷台13の詳細な位置の情報を、作業機械20から荷台13への運搬対象物の積込の自動運転に利用してもよい。例えば、コントローラ50は、荷台13の詳細な位置の情報を、作業機械20から荷台13への運搬対象物の積込位置(例えば排土位置)の特定に利用してもよい。[利用例2c-2]コントローラ50は、荷台13の詳細な位置の情報を、作業機械20から荷台13への運搬対象物の積込操作のアシストに利用してもよい。[利用例2c-3]コントローラ50は、荷台13の詳細な位置の情報を、荷台13と作業機械20との衝突防止制御に利用してもよい。
【0055】
この判別部55(
図4参照)は、1つのみの種別を判別する必要はない。判別部55は、記憶部53(
図4参照)に記憶された種別の候補から、複数の種別に絞ってもよい。
【0056】
この判別部55(
図4参照)は、寸法情報に含まれるすべての情報に基づいて種別を判別してもよく、寸法情報に含まれる一部のみの情報(種別の判別に必要な情報)に基づいて種別を判別してもよい。
【0057】
検出可否判定部57(
図4参照)は、荷台検出部30による荷台13の検出が可能か否かを判定する。その結果として、検出可否判定部57は、荷台13の寸法情報を寸法情報演算部51(
図4参照)が適切に演算できるか否かを判定し、車両10の種別を判別部55(
図4参照)が適切に判別できるか否かを判定する。検出可否判定部57(
図4参照)の判定に必要な情報は、荷台検出部30が作業機械20に取り付けられるか否かによって異なる。
【0058】
[例E1]荷台検出部30が作業機械20に取り付けられる場合は、検出可否判定部57(
図4参照)は、次のように判定を行う。検出可否判定部57は、作業機械20の姿勢が「荷台検出可能姿勢」であるか否かを判定する。荷台検出可能姿勢は、荷台検出部30による荷台13の検出が可能な、作業機械20の姿勢である。さらに詳しくは、荷台検出可能姿勢は、寸法情報演算部51が荷台13の寸法情報を適切に演算するのに必要な情報を、荷台検出部30が検出できるような、作業機械20の姿勢である。荷台検出可能姿勢は、コントローラ50(
図4参照)に設定される。具体的には例えば、荷台検出可能姿勢は、
図3に示す荷台検出部30の検出領域(画角)に映り込むアタッチメント25の割合が所定値以下となる姿勢などである。例えば、荷台検出可能姿勢は、荷台検出部30の検出領域にアタッチメント25が映り込まない姿勢でもよい(上記「所定値」がゼロでもよい)。例えば、荷台検出部30の検出領域に映り込むアタッチメント25の割合が所定値を超えるような姿勢は、荷台検出可能姿勢に該当しない。
【0059】
この[例E1]では、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢が荷台検出可能姿勢である場合(
図5のステップS1でYESの場合)、寸法情報演算部51(
図4参照)は、荷台13の寸法情報を演算する(
図5のステップS2)。この場合、判別部55(
図4参照)は、車両10の種別を判別する(
図5のステップS3)。一方、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢が、荷台検出可能姿勢でない場合(
図5のステップS1でNOの場合)、寸法情報演算部51は、荷台13の寸法情報を演算しない。この場合、判別部55は、車両10の種別の判別を行わない。
【0060】
[例E2]荷台検出部30が作業機械20の外部に配置される場合(
図1において二点鎖線で示す荷台検出部30を参照)、検出可否判定部57(
図4参照)は、次のように判定を行う。検出可否判定部57は、「荷台検出可能条件」を満たすか否かを判定する。荷台検出可能条件は、荷台検出部30による荷台13の検出が可能な、作業機械20の姿勢および位置である。さらに詳しくは、荷台検出可能姿勢は、寸法情報演算部51(
図4参照)が荷台13の寸法情報を適切に演算するのに必要な情報を、荷台検出部30が検出できるような、作業機械20の姿勢および位置である。荷台検出可能条件は、コントローラ50(
図4参照)に設定される。具体的には例えば、荷台検出可能条件は、荷台検出部30の検出領域に映り込む作業機械20の割合が所定値以下となるような、作業機械20の姿勢および位置である。例えば、荷台検出可能条件は、荷台検出部30の検出領域に作業機械20が映り込まないような、作業機械20の姿勢および位置でもよい(上記「所定値」がゼロでもよい)。例えば、荷台検出部30の検出領域に映り込む作業機械20が所定値を超えるような、作業機械20の姿勢および位置は、荷台検出可能条件を満たさない。
【0061】
この[例E2]では、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢、および位置検出部43(
図4参照)に検出された位置が、荷台検出可能条件を満たす場合、寸法情報演算部51(
図4参照)は、荷台13の寸法情報を演算する。この場合、判別部55(
図4参照)は、車両10の種別を判別する。一方、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢、および位置検出部43(
図4参照)に検出された位置が、荷台検出可能条件を満たさない場合、寸法情報演算部51(
図4参照)は、荷台13の寸法情報を演算しない。この場合、判別部55(
図4参照)は、車両10の種別の判別を行わない。
【0062】
(第1の発明の効果)
図1に示す車両判別システム1による効果は、次の通りである。車両判別システム1は、荷台13を有する車両10の種別を判別する。
図4に示すように、車両判別システム1は、荷台検出部30と、寸法情報演算部51と、記憶部53と、判別部55と、を備える。
【0063】
[構成1]荷台検出部30は、荷台13(
図1参照)までの距離(荷台検出部30から荷台13までの距離)を含む情報を検出する。寸法情報演算部51は、荷台検出部30に検出された距離に基づいて、荷台13の寸法情報を演算する。記憶部53は、荷台13の寸法情報と車両10(
図1参照)の種別との対応関係を記憶する。判別部55は、寸法情報演算部51に演算された寸法情報と、記憶部53に記憶された対応関係とに基づいて、車両10の種別を判別する。
【0064】
上記[構成1]では、
図1に示す荷台検出部30から荷台13までの距離に基づいて、荷台13の寸法情報が演算される。そして、この寸法情報に基づいて車両10の種別が判別される。よって、車両10の種別を判別するための目印を車両10に設けなくても、車両10の種別を判別することができる。その結果、目印などを車両10に設ける作業にかかる手間を省くことができる。また、車両10の種別に応じた目印の設定(例えば、目印の発光パターンや色などの設定)にかかる手間を省くことができる。
【0065】
(第2の発明の効果)
[構成2]「寸法情報」(上記[構成1]参照)は、荷台13の長手方向(車両前後方向X)における荷台13の寸法Lxを含む。
【0066】
上記[構成2]により、次の効果が得られる。通常、荷台13の車両幅方向Yにおける寸法Ly(
図2参照)、荷台13の車両上下方向Zにおける寸法Lzbや寸法Lzdに比べ、荷台13の車両前後方向Xの寸法Lxは、車両10の種別ごとの相違が大きい。上記[構成2]では、荷台13の車両前後方向Xにおける寸法Lxが寸法情報に含まれるので、車両判別システム1は、車両10の種別を適切に判別することができる。
【0067】
(第3の発明の効果)
[構成3]「寸法情報」(上記[構成1]参照)は、荷台13の三次元形状の情報を含む。
【0068】
上記[構成3]により、寸法情報が荷台13の三次元形状の情報を含まない場合(例えば特定の方向における荷台13の寸法のみを含む場合など)に比べ、寸法情報の情報量を多くすることができる。その結果、車両判別システム1は、車両10の種別を精度良く判別することができる。
【0069】
(第4の発明の効果)
荷台検出部30は、二次元画像検出部31と、三次元情報検出部33と、を備える。二次元画像検出部31は、荷台13の二次元画像を検出する。三次元情報検出部33は、荷台13の三次元情報を検出する。
図4に示すように、寸法情報演算部51は、二次元形状演算部51aと、三次元形状演算部51bと、を備える。
【0070】
[構成4]二次元形状演算部51aは、二次元画像検出部31に検出された二次元画像に基づいて、荷台13(
図3参照)の二次元形状を演算する。三次元形状演算部51bは、二次元形状演算部51aに演算された荷台13の二次元形状と、三次元情報検出部33に検出された荷台13の三次元情報と、に基づいて、荷台13の三次元形状を演算する。
【0071】
上記[構成4]により、二次元画像と三次元情報とを組み合わせて、
図1に示す荷台13の三次元形状が演算されることで、三次元情報のみから三次元形状が演算される場合に比べ、三次元形状をより精度良く演算することができる。その結果、車両判別システム1は、車両10の種別を精度良く判別することができる。
【0072】
(第5の発明の効果)
[構成5]「車両10の種別」(上記[構成1]参照)は、荷台13の大きさに基づく区分である。
【0073】
上記[構成5]により、車両10の種別の判別結果を、荷台13の大きさの情報を必要とする機能に利用することができる。具体的には例えば、荷台13への運搬対象物の適正積込量の把握や、荷台13への運搬対象物の積込量のガイダンスなどに、車両10の種別の判別結果が利用されてもよい。
【0074】
(第6の発明の効果)
[構成6]「車両10の種別」(上記[構成1]参照)は、車両10の機種である。
【0075】
上記[構成6]により、車両10の種別の判別結果を、車両10の機種の情報を必要とする機能に利用することができる。具体的には例えば、判別された車両10の機種に対応する諸元情報の読み込みなどに、車両10の種別の判別結果が利用されてもよい。車両10の諸元情報が読み込まれた場合は、荷台13の位置の正確な把握、荷台13に対する積込作業の自動運転やアシスト、荷台13と作業機械20との衝突防止の制御などに、諸元情報が利用されてもよい。
【0076】
(第7の発明の効果)
車両判別システム1は、姿勢検出部41(
図4参照)を備える。姿勢検出部41は、車両10に対して作業を行う作業機械20の姿勢を検出する。荷台検出部30は、作業機械20に取り付けられる。
【0077】
[構成7]判別部55(
図4参照)は、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢が、荷台検出可能姿勢である場合に、車両10の種別を判別する。荷台検出可能姿勢は、荷台検出部30による荷台13の検出が可能な姿勢として設定された姿勢である。判別部55(
図4参照)は、姿勢検出部41(
図4参照)に検出された姿勢が荷台検出可能姿勢でない場合に、車両10の種別の判別を行わない。
【0078】
上記[構成7]により、荷台検出部30により適切に荷台13が検出された状態で、車両10の種別の判別を行うことができる。よって、車両判別システム1は、車両10の種別の判別を精度良く行うことができる。
【0079】
(第8の発明の効果)
車両判別システム1は、姿勢検出部41(
図4参照)と、位置検出部43(
図4参照)と、を備える。姿勢検出部41(
図4参照)は、車両10に対して作業を行う作業機械20の姿勢を検出する。位置検出部43(
図4参照)は、作業機械20が配置される作業現場における作業機械20の位置を検出する。荷台検出部30は、作業機械20の外部に配置される。
【0080】
[構成8]
図4に示す判別部55は、姿勢検出部41に検出された姿勢および位置検出部43に検出された位置が、荷台検出可能条件を満たす場合に、車両10の種別を判別する。荷台検出可能条件は、
図1に示す荷台検出部30による荷台13の検出が可能な条件として設定された条件である。
図4に示す判別部55は、姿勢検出部41に検出された姿勢および位置検出部43に検出された位置が、荷台検出可能条件を満たさない場合に、
図1に示す車両10の種別の判別を行わない。
【0081】
上記[構成8]により、荷台検出部30により適切に荷台13が検出された状態で、車両10の種別の判別を行うことができる。よって、車両判別システム1は、車両10の種別の判別を精度良く行うことができる。
【0082】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素どうしの、
図4に示す接続は変更されてもよい。例えば、値や範囲など(例えば記憶部53に記憶された対応関係の条件など)は、一定でもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じて自動的に変えられてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。具体的には例えば、コントローラ50の構成要素(寸法情報演算部51、記憶部53、および判別部55)は、1か所に配置さてもよく、複数か所に分散して配置されてもよい。例えば、構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、製法、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 車両判別システム
10 車両
13 荷台
20 作業機械
30 荷台検出部
31 二次元画像検出部
33 三次元情報検出部
41 姿勢検出部
43 位置検出部
51 寸法情報演算部
51a 二次元形状演算部
51b 三次元形状演算部
53 記憶部
55 判別部