(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046882
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20230329BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230329BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20230329BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20230329BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20230329BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20230329BHJP
【FI】
H01M50/591
H01M50/249
H01M50/264
H01M50/588
H01M50/209
H01M50/262 M
H01M50/262 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155722
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薮田 裕己
(72)【発明者】
【氏名】河本 直也
(72)【発明者】
【氏名】依田 武仁
(72)【発明者】
【氏名】石川 雄磨
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC34
5H040CC38
5H040LL01
5H040LL06
5H043AA02
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA05
5H043GA24
5H043GA25
5H043GA26
5H043JA01
5H043JA02
5H043JA06
5H043JA07
5H043KA45
5H043LA21
(57)【要約】
【課題】蓄電セル及びサイド拘束部材間の絶縁性を確保することが可能な蓄電装置を提供すること。
【解決手段】蓄電装置10は、蓄電スタック100と、一対のサイド拘束部材310と、一対のサイド絶縁部材320と、を備える。サイド絶縁部材320は、サイド当接部322と、上側当接部324と、下側当接部326と、を有する。サイド当接部322は、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、サイド拘束部材310から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有し、かつ、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられた状態において、サイド拘束部材310及び蓄電スタック100に挟持されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む蓄電スタックと、
前記一方向及び上下方向の双方と直交する直交方向における前記蓄電スタックの両側に配置されており、前記一方向における両側から前記蓄電スタックを拘束する一対のサイド拘束部材と、
絶縁材料からなり、前記蓄電スタックと前記一対のサイド拘束部材の各々との間に配置された一対のサイド絶縁部材と、を備え、
前記サイド絶縁部材は、
前記複数の蓄電セルに前記直交方向における外側から当接するサイド当接部と、
前記複数の蓄電セルに上方から当接する上側当接部と、
前記複数の蓄電セルに下方から当接する下側当接部と、を有し、
前記サイド当接部は、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられる前の状態において、前記サイド拘束部材から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有し、かつ、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられた状態において、前記サイド拘束部材及び前記蓄電スタックに挟持されている、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2020-57520号公報には、一方向に並ぶように配置された複数の電池セルからなる電池セル群と、一方向における電池セル群の両側に配置された一対のエンドプレートと、一方向における一対のエンドプレートの両側から電池セル群を拘束する拘束部材と、を備えるバッテリーモジュールが開示されている。拘束部材は、板金部材からなる。一方向における拘束部材の端部は、エンドプレートに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2020-57520号公報に記載されるようなバッテリーモジュールでは、拘束部材及び各電池セル間の絶縁性の確保に改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、蓄電セル及びサイド拘束部材間の絶縁性を確保することが可能な蓄電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った蓄電装置は、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む蓄電スタックと、前記一方向及び上下方向の双方と直交する直交方向における前記蓄電スタックの両側に配置されており、前記一方向における両側から前記蓄電スタックを拘束する一対のサイド拘束部材と、絶縁材料からなり、前記蓄電スタックと前記一対のサイド拘束部材の各々との間に配置された一対のサイド絶縁部材と、を備え、前記サイド絶縁部材は、前記複数の蓄電セルに前記直交方向における外側から当接するサイド当接部と、前記複数の蓄電セルに上方から当接する上側当接部と、前記複数の蓄電セルに下方から当接する下側当接部と、を有し、前記サイド当接部は、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられる前の状態において、前記サイド拘束部材から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有し、かつ、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられた状態において、前記サイド拘束部材及び前記蓄電スタックに挟持されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、蓄電セル及びサイド拘束部材間の絶縁性を確保することが可能な蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態の蓄電装置の斜視図である。
【
図3】蓄電スタックへの組付け前におけるサイド拘束部材及びサイド絶縁部材の正面図である。
【
図6】蓄電スタックへの組付け後におけるサイド拘束部材及びサイド絶縁部材の上部の正面図である。
【
図7】上側絶縁部材の第1絶縁部材の斜視図である。
【
図8】
図1において実線VIIIで示される範囲の平面図である。
【
図9】
図8におけるIX-IX線での断面図である。
【
図10】上側拘束部材及び上側絶縁部材の端部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態の蓄電装置の斜視図である。
図2は、蓄電装置の分解斜視図である。この蓄電装置10は、例えば、車両に搭載される。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、蓄電装置10は、蓄電スタック100と、一対のエンドプレート200と、一対のサイド拘束部材310と、一対のサイド絶縁部材320と、上側拘束部材410と、上側絶縁部材420と、下側拘束部材510と、を備えている。
【0012】
蓄電スタック100は、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セル101を含んでいる。本実施形態では、蓄電スタック100は、24個の蓄電セル101を含んでいる。ただし、蓄電セル101の数は、これに限られない。各蓄電セル101として、例えば、リチウムイオン電池が挙げられる。各蓄電セル101は、ケース102と、一対の外部端子103と、安全弁104と、を有している。
【0013】
ケース102は、電極等(図示略)を収容している。ケース102は、直方体形状に形成されている。ケース102は、扁平に形成されている。複数の蓄電セル101は、各ケース102の厚み方向に並ぶように配置されている。ケース102は、例えば、金属からなる。
【0014】
各外部端子103は、ケース102の上面から突出している。一対の外部端子103の一方は、正極端子であり、他方は、負極端子である。一方向に互いに隣接する蓄電セル101の外部端子103同士は、図示略のバスバーによって電気的に接続されている。
【0015】
安全弁104は、ケース102の上面に設けられている。より詳細には、安全弁104は、ケース102の上面のうち一対の外部端子103間の部位に設けられている。
【0016】
蓄電スタック100は、第1単位スタック110と、第2単位スタック120と、中間プレート130と、を有している。
【0017】
第1単位スタック110は、複数の蓄電セル101のうちの一部の蓄電セル101を含んでいる。第1単位スタック110は、複数の蓄電セル101のうち一方向における一方側に配置された複数の蓄電セル101を含んでいる。本実施形態では、第1単位スタック110は、12個の蓄電セル101を含んでいる。
【0018】
第2単位スタック120は、複数の蓄電セル101のうちの残部の蓄電セル101を含んでいる。第2単位スタック120は、複数の蓄電セル101のうち一方向における他方側に配置された複数の蓄電セル101を含んでいる。本実施形態では、第2単位スタック120は、12個の蓄電セル101を含んでいる。
【0019】
中間プレート130は、第1単位スタック110と第2単位スタック120との間に配置されている。中間プレート130は、アルミの押し出し材に絶縁塗装が施されることにより構成されている。成樹脂等)からなる。
図2に示されるように、中間プレート130の側部(直交方向における端部)には、凹部130aが形成されている。
【0020】
一対のエンドプレート200は、一方向における蓄電スタック100の両側に配置されている。つまり、一対のエンドプレート200の一方は、一方向における第1単位スタック110の外側に配置されており、一対のエンドプレート200の他方は、一方向における第2単位スタック120の外側に配置されている。各エンドプレート200は、例えば金属等からなる。
【0021】
エンドプレート200には、側部凹部200bと、上部凹部200cと、下部凹部200d、が形成されている。側部凹部200bは、直交方向におけるエンドプレート200の端部に形成されている。上部凹部200cは、エンドプレート200の上端部に形成されている。下部凹部200dは、エンドプレート200の下端部に形成されている。
【0022】
一対のサイド拘束部材310は、一方向及び上下方向の双方と直交する直交方向における蓄電スタック100の両側に配置されている。各サイド拘束部材310は、一方向における両側から蓄電スタック100を拘束している。各サイド拘束部材310は、蓄電スタック100の側部を被覆している。各サイド拘束部材310は、金属等からなる。
図2及び
図3に示されるように、各サイド拘束部材310は、カバー本体312と、上側カバー部314と、下側カバー部316と、を有している。
【0023】
カバー本体312は、一方向における蓄電スタック100の一端部から他端部に至るように延びる形状を有している。カバー本体312は、平板状に形成されている。カバー本体312には、位置決め孔312eが設けられている。
図2に示されるように、カバー本体312には、中間係合部312aと、一対のサイド端部係合部312bと、が設けられている。
【0024】
中間係合部312aは、中間プレート130に側方から係合する部位である。中間係合部312aは、一方向におけるカバー本体312の中央部に形成されている。中間係合部312aは、カバー本体312の内側面における中央部から中間プレート130に向かって突出するとともに上下方向に延びる形状を有している。中間係合部312aは、中間プレート130の凹部130aに嵌合する。
【0025】
各サイド端部係合部312bは、エンドプレート200に側方から係合する部位である。各サイド端部係合部312bは、一方向におけるカバー本体312の端部に形成されている。サイド端部係合部312bは、カバー本体312の内側面における端部からエンドプレート200に向かって突出するとともに上下方向に延びる形状を有している。各サイド端部係合部312bは、エンドプレート200の側部凹部200bに嵌合する。
【0026】
上側カバー部314は、カバー本体312の上端部から蓄電スタック100に向かって突出するとともに、一方向に延びる形状を有している。上側カバー部314は、直交方向における蓄電スタック100の端部の上方に位置している。
【0027】
下側カバー部316は、カバー本体312の下端部から蓄電スタック100に向かって突出するとともに、一方向に延びる形状を有している。下側カバー部316は、直交方向における蓄電スタック100の端部の下方に位置している。
【0028】
各サイド絶縁部材320は、絶縁材料からなり、蓄電スタック100とサイド拘束部材310との間に配置されている。本実施形態では、各サイド絶縁部材320は、合成樹脂からなる。各サイド絶縁部材320は、サイド当接部322と、上側当接部324と、下側当接部326と、を有している。
【0029】
サイド当接部322は、複数の蓄電セル101に直交方向における外側から当接する。
図2に示されるように、サイド当接部322は、中間係合部312aを挿通させる挿通部322aを有している。本実施形態では、各サイド絶縁部材320は、第1単位スタック110の側方に配置された第1サイド絶縁部材と、第2単位スタック120の側方に配置された第2サイド絶縁部材と、からなる。第1サイド絶縁部材及び第2サイド絶縁部材は、互いの間に挿通部322aが形成されるように一方向に離間して配置されている。
【0030】
図3に示されるように、サイド当接部322は、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、サイド拘束部材310から離間する向き(
図3における左向き)に凸となるように湾曲する形状を有している。少なくともサイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、サイド当接部322とサイド拘束部材310との間に隙間Sが形成されている。この隙間Sは、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられた後の状態においても形成されていてもよい。サイド当接部322の上端部及び下端部は、カバー本体312の内側面に当接している。
【0031】
図2及び
図3に示されるように、サイド当接部322には、直交方向における外向きに突出する突起322eが設けられている。この突起322eは、サイド拘束部材310の位置決め孔312eに挿入される。これにより、サイド絶縁部材320のサイド拘束部材310に対する位置が決定される。
【0032】
上側当接部324は、複数の蓄電セル101に上方から当接する。上側当接部324は、サイド当接部322の上端部につながっている。上側当接部324は、カバー本体312から離間する向きに突出するとともに、一方向に延びる形状を有している。
図3から
図5に示されるように、上側当接部324は、平板部324aと、押付け部324bと、を有している。
【0033】
平板部324aは、平坦に形成されている。平板部324aは、一方向におけるサイド当接部322の一端から他端に至るように延びる形状を有している。
図3に示されるように、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、平板部324aは、カバー本体312から離間するにしたがって次第に上方に向かうように傾斜している。サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、上側カバー部314と平板部324aとの間には隙間が形成されている。
【0034】
押付け部324bは、平板部324aから下方に窪む形状を有している。サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられた後の状態において、押付け部324bは、蓄電セル101の上面に接しており、蓄電セル101を下方に押し付けている。
図6に示されるように、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられた後の状態においては、平板部324aが上側カバー部314に接することにより、押付け部324bは、蓄電セル101を下方に押し付ける。このとき、押付け部324bは、圧縮変形しており、その反力で蓄電セル101を下方に押し付けている。押付け部324bが圧縮変形することにより、蓄電セル101の上下方向における公差が吸収される。
【0035】
図3に示されるように、直交方向における押付け部324bの内側の端部は、直交方向における外側に向かうにしたがって次第に下方に向かうようき傾斜する形状を有している。このため、サイド拘束部材310及びサイド絶縁部材320が蓄電スタック100に組み付けられる際の抵抗が低減される。
【0036】
直交方向における上側当接部324の内側の端部、より詳細には、直交方向における平板部324aの内側の端部には、上向きリブ325が設けられている。上向きリブ325は、上側当接部324の内側の端部から上方に向かって突出するとともに一方向に延びる形状を有している。上向きリブ325は、上側カバー部314と蓄電スタック100との間に介在している。これにより、上側カバー部314及び蓄電スタック100間の沿面距離が確保される。
【0037】
下側当接部326は、複数の蓄電セル101に下方から当接する。下側当接部326は、サイド当接部322の下端部につながっている。下側当接部326は、カバー本体312から離間する向きに突出するとともに、一方向に延びる形状を有している。下側当接部326は、平板状に形成されている。
図3に示されるように、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられる前の状態において、下側当接部326は、下側カバー部316に接している。
【0038】
直交方向における下側当接部326の内側の端部には、下向きリブ327が設けられている。下向きリブ327は、下側当接部326の内側の端部から下方に向かって突出するとともに一方向に延びる形状を有している。下向きリブ327は、下側カバー部316と蓄電スタック100との間に介在している。これにより、下側カバー部316及び蓄電スタック100間の沿面距離が確保される。
【0039】
上側拘束部材410は、蓄電スタック100の上方に配置されており、一方向における両側から蓄電スタック100を拘束している。上側拘束部材410は、金属等からなる。上側拘束部材410は、当該上側拘束部材410に対する中間プレート130の一方向における相対移動を許容しつつ蓄電スタック100を拘束している。具体的に、上側拘束部材410は、各エンドプレート200に係合する一方で中間プレート130には係合していない。
【0040】
図2、
図10及び
図11に示されるように、上側拘束部材410は、上側拘束部材本体412と、一対の上側端部係合部412cと、を有している。
【0041】
上側拘束部材本体412は、一方向における蓄電スタック100の一端部から他端部に至るように延びる形状を有している。上側拘束部材本体412は、蓄電スタック100の上方で、かつ、直交方向における蓄電スタック100の中央部に配置されている。上側拘束部材本体412には、安全弁104を露出させる露出口が設けられている。
【0042】
各上側端部係合部412cは、エンドプレート200に係合する部位である。各上側端部係合部412cは、一方向における上側拘束部材本体412の端部に形成されている。各上側端部係合部412cは、上側拘束部材本体412の下面のうち一方向における端部から下方に向かって突出する形状を有している。各上側端部係合部412cは、エンドプレート200の上部凹部200cに嵌合する。
【0043】
図11に示されるように、上側端部係合部412c及び上部凹部200cのうち互いに接する面は、一方向における外側(
図11における左側)に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜している。
図10及び
図11に示されるように、上側拘束部材本体412及び上側端部係合部412cに対して上方からリベット440が固定されている。これにより、エンドプレート200からの上側拘束部材410の外れが抑制される。
【0044】
上側絶縁部材420は、絶縁部材からなり、蓄電スタック100と上側拘束部材410との間に配置されている。本実施形態では、上側絶縁部材420は、合成樹脂からなる。
図2に示されるように、上側絶縁部材420は、第1絶縁部材420Aと、第2絶縁部材420Bと、を有している。第1絶縁部材420Aは、第1単位スタック110の上方に配置されており、第2絶縁部材420Bは、第2単位スタック120の上方に配置されている。
図8に示されるように、第1絶縁部材420Aと第2絶縁部材420Bとは、一方向に互いに離間している。この第1絶縁部材420A及び第2絶縁部材420B間の隙間は、安全弁104から流出した煙の排出経路として機能する。
【0045】
第1絶縁部材420A及び第2絶縁部材420Bは、直交方向における中間プレート130の中央部を基準点として互いに点対称な構造を有している。このため、以下では第1絶縁部材420Aについて説明される。
【0046】
図7に示されるように、第1絶縁部材420Aは、絶縁部422と、当て座424と、保持部426と、を有している。
【0047】
絶縁部422は、一方向に延びる形状を有している。絶縁部422は、平板状に形成されている。絶縁部422には、安全弁104を露出させる露出口422hが設けられている。
【0048】
当て座424は、一方向における絶縁部422の内側の端部に接続されている。当て座424は、直交方向における絶縁部422の中央部から一方側に偏倚した位置に設けられている。
【0049】
保持部426は、上側拘束部材410を保持する。保持部426は、直交方向における絶縁部422の端部に接続されている。保持部426は、絶縁部422とともに上側拘束部材410を上下方向の両側から挟み込んでいる。
【0050】
図8及び
図9に示されるように、上側拘束部材410は、リベット430によって中間プレート130に固定されている。
図8に示されるように、リベット430は、第1絶縁部材420Aの当て座424と第2絶縁部材の当て座424との間に配置されている。
【0051】
下側拘束部材510は、蓄電スタック100の下方に配置されており、一方向における両側から蓄電スタック100を拘束している。下側拘束部材510は、金属等からなる。下側拘束部材510は、当該下側拘束部材510に対する中間プレート130の一方向における相対移動を許容しつつ蓄電スタック100を拘束している。具体的に、下側拘束部材510は、各エンドプレート200に係合する一方で中間プレート130には係合していない。
【0052】
下側拘束部材510は、下側拘束部材本体512と、一対の下側端部係合部512dと、を有している。
【0053】
下側拘束部材本体512は、一方向における蓄電スタック100の一端部から他端部に至るように延びる形状を有している。下側拘束部材本体512は、蓄電スタック100の下方で、かつ、直交方向における蓄電スタック100の中央部に配置されている。
【0054】
各下側端部係合部512dは、エンドプレート200に係合する部位である。各下側端部係合部512dは、一方向における下側拘束部材本体512の端部に形成されている。各下側端部係合部512dは、下側拘束部材本体512の上面のうち一方向における端部から上方に向かって突出する形状を有している。各下側端部係合部512dは、エンドプレート200の下部凹部200dに嵌合する。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態の蓄電装置10では、蓄電スタック100とサイド拘束部材310との間にサイド絶縁部材320が配置されているため、蓄電セル101及びサイド拘束部材310間の絶縁性が確保される。
【0056】
さらに、サイド当接部322は、サイド拘束部材310とサイド絶縁部材320とが蓄電スタック100に組み付けられた状態においてサイド拘束部材310及び蓄電スタック100に挟持されることにより、サイド拘束部材310の内寸の公差が吸収される。
【0057】
加えて、下側当接部326が複数の蓄電セル101に下方から当接することによって複数の蓄電セル101が整列されるとともに、上側当接部324が複数の蓄電セル101に上方から当接することによって各蓄電セル101が上下方向の両側から有効に拘束される。
【0058】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0059】
上記実施形態における蓄電装置は、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルを含む蓄電スタックと、前記一方向及び上下方向の双方と直交する直交方向における前記蓄電スタックの両側に配置されており、前記一方向における両側から前記蓄電スタックを拘束する一対のサイド拘束部材と、絶縁材料からなり、前記蓄電スタックと前記一対のサイド拘束部材の各々との間に配置された一対のサイド絶縁部材と、を備え、前記サイド絶縁部材は、前記複数の蓄電セルに前記直交方向における外側から当接するサイド当接部と、前記複数の蓄電セルに上方から当接する上側当接部と、前記複数の蓄電セルに下方から当接する下側当接部と、を有し、前記サイド当接部は、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられる前の状態において、前記サイド拘束部材から離間する向きに凸となるように湾曲する形状を有し、かつ、前記サイド拘束部材と前記サイド絶縁部材とが前記蓄電スタックに組み付けられた状態において、前記サイド拘束部材及び前記蓄電スタックに挟持されている。
【0060】
この蓄電装置では、蓄電スタックとサイド拘束部材との間にサイド絶縁部材が配置されているため、蓄電セル及びサイド拘束部材間の絶縁性が確保される。
【0061】
さらに、サイド当接部は、サイド拘束部材とサイド絶縁部材とが蓄電スタックに組み付けられた状態においてサイド拘束部材及び蓄電スタックに挟持されることにより、サイド拘束部材の内寸の公差が吸収される。
【0062】
加えて、下側当接部が複数の蓄電セルに下方から当接することによって複数の蓄電セルが整列されるとともに、上側当接部が複数の蓄電セルに上方から当接することによって各蓄電セルが上下方向の両側から有効に拘束される。
【0063】
また、前記蓄電装置において、前記蓄電スタックの上方に配置されており、前記一方向における両側から前記蓄電スタックを拘束する上側拘束部材と、絶縁部材からなり、前記蓄電スタックと前記上側拘束部材との間に配置された上側絶縁部材と、をさらに備えていることが好ましい。
【0064】
この場合において、前記上側絶縁部材は、第1単位スタックの上方に配置された第1絶縁部材と、第2単位スタックの上方に配置された第2絶縁部材と、を有していることが好ましい。
【0065】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0066】
10 蓄電装置、100 蓄電スタック、101 蓄電セル、102 ケース、103 外部端子、104 安全弁、110 第1単位スタック、120 第2単位スタック、130 中間プレート、200 エンドプレート、310 サイド拘束部材、320 サイド絶縁部材、322 サイド当接部、324 上側当接部、326 下側当接部、410 上側拘束部材、420 上側絶縁部材、420A 第1絶縁部材、420B 第2絶縁部材、422 絶縁部、424 当て座、426 保持部、430 リベット、510 下側拘束部材、S 隙間。