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  • 特開-スケルトンバケット 図1
  • 特開-スケルトンバケット 図2
  • 特開-スケルトンバケット 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046973
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】スケルトンバケット
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
E02F3/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155844
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】521419488
【氏名又は名称】大里興業有限会社
(71)【出願人】
【識別番号】594105534
【氏名又は名称】有限会社藤木工業
(74)【代理人】
【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保
(72)【発明者】
【氏名】中里 久雄
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012GC00
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、スケルトンバケットの篩い作業時に発生する振動音を低減させることにある。
【解決手段】 本発明は、バケット本体(2)の底部に多数の桝目(7)を有する篩部材(8)を配したスケルトンバケット(1)において、前記篩部材(8)の裏面に電動形の振動装置(18)を取り付けたことにある。これにより、振動が篩部材(8)に伝わり、土石から土砂と石とを分け、持って振動音の低減が図られる。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケット本体の底部に多数の桝目を有する篩部材を配したスケルトンバケットにおいて、
前記篩部材の裏面に電動形の振動装置を取り付けたことを特徴とするスケルトンバケット。
【請求項2】
前記電動形の振動装置は、取付台上に設けられ、この取付台は立設の足を持って前記篩部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載のスケルトンバケット。
【請求項3】
前記電動形の振動装置の取付台は、ワイヤーにより前記篩部材に張設されて取り付けられていることを特徴とする請求項2記載のスケルトンバケット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に騒音の低減を図ったスケルトンバケットに関する。
【背景技術】
【0002】
スケルトンバケットは、バケットの底部にマス目を設けたもので、パワーショベル等の土木機械のアームの先端部に取り付けて、土石等から土砂と石等を篩い分けするためのもので、特許文献1に示された構造のようなものである。
【0003】
かかるスケルトンバケットは、バケットの底部に、対向する側板に平行な複数の縦部材と、この縦部材に対して直角方向に延びる複数の横部材とからなるマス目を設けたものが、一般的な構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平04-082050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スケルトンバケットで、篩い分け作業を行うには、油圧シャベルのアームを上限に動かして行われ、それに伴ってバケットが上下振動するため、騒音が大きく、民家が近い場所での作業には、その騒音の苦情が多数寄せられ問題であった。
それは、篩い動作に対して油圧シリンダのアームからの作動は大きく、篩い作業に過度な上下振動を与えることから発生することが原因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこでこの発明は、スケルトンバケットの騒音の減少を図るため、バケット自体の振動を油圧シャベルのアームを動かさず、振動発生用の電動形の振動装置をスケルトンバケットに取り付け、土石等から土砂と石を分ける作業を行うようにしたものである。
【0007】
この発明は、バケット本体の底部に多数の桝目を有する篩部材を配したスケルトンバケットにおいて、前記篩部材の裏面に電動形の振動装置を取り付けたことを特徴としている(請求項1)。
【0008】
したがって、土石等の分離作業時には、電動形の振動装置に電力を供給し、もって駆動し、バケットに振動を与えることで、分離するために適当な周波数振動を得ることができるようになり、分離作業時の振動音の低減に寄与する。
【0009】
前記電動形の振動装置は、取付台に設置され、この取付台は、立設の足を持って前記篩部材に固着されていることになる(請求項2)。したがって、振動装置は、篩部材から離れた取付台にあり、振動は足を介して篩部材に増幅されつつ伝えられる。
【0010】
前記取付台は、篩部材に足とワイヤーにより張設されている(請求項3)。したがって、足と共にワイヤーから確実に振動を篩部材に伝えられ、分離効率が向上する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によれば、スケルトンバケットに十分に適切な振動を与えることができて、土石等から土砂と石等とを篩い分けることができる。それと共に、振動が過度とならず、騒音を減少させることができる。
【0012】
請求項2によれば、電動形の振動装置は、取付台上に設けられ、しかも取付台は足により適当な距離を持って前記篩部材に固着されているので、振動装置は篩部材から離れ、土石による目詰まりを防ぐと共に、振動が増幅されながら、篩部材に伝えれることができた。
【0013】
請求項3によれば、取付台に固着の電動形の振動装置は、篩部材にワイヤーにて張設されているので、足と共に取付台を固定すると共に、ワイヤーを介して振動が直接篩部材に伝達される利点を持っている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例にかかるスケルトンバケットの正面図である。
図2】本発明の実施例にかかるスケルトンバケットの背面図である。
図3】本発明の実施例に係るスケルトンバケットの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について図面により説明する。
【実施例0016】
図1は、スケルトンバケット1の正面図を示すもので、このスケルトンバケット1は、バスケット本体2の底部3に複数の縦棒4と、これに直交する多数の横棒5とから、多数の桝目7を持つ篩部材8を設けている。
【0017】
バケット本体2は、底部3と、この底部3の両側に接合された左右一対の側板9,9と、側板9,9の先端に接合されたサイドエッジ10と、底部3の前端部に接合された先端エッジ11と、底部3の後端部に接合されたベース板12とから成っている。ベース板12には、一対のステー13が溶接固定され、該ステー13のボス部14は、パワーショベル等の土木機械のアーム(図示せず)先端部(図示せず)と連結される。先端エッジ11には、所定の間隔を持って掘削爪15が取り付けられている。
【0018】
前記篩部材8は、縦棒4が底部3に沿って立て方向の伸び、一方がサイドエッジ10に接続され、他方が先端エッジ11に接続されている。それから、横棒15は、両側板9,9間に多数の前記縦棒4と直交して設けられ、この横棒5と縦棒4とで、桝目7が多数形成されている。この桝目7の大きさは、土砂等から土砂が通過できる寸法となっている。例えば、寸法は、30mm平方、40mm平方、70mm平方等である。この桝目7の寸法は、前記縦棒4と横棒5の設置位置により、適宜に変更が可能である。
【0019】
以上説明した図1に係る構成は、公知の一般的な構造であるが、本発明にかかる構成は、図2及び図3に示されている。図2は、裏面から見た背面図で、図3は拡大斜視図である。
スケルトンバケット1に振動を与えるため、電動形の振動装置18を有している。この振動装置18は、低周波振動モータ19を用い、直流の12V又は24Vで、土木作業機械の電源を使用している。発電機を搭載していれば、交流の100V、200Vを使用できる。
【0020】
振動装置18は、前記篩部材8に取り付けるため、取付台20を介している。取付台20は、足22,23を介して横棒5の1つに固着され、篩部材8より裏面側に突出した構成となっている。それから、さらにワイヤー24を介して前記篩部材8に連結されている。
【0021】
したがって、低周波振動モータ19に電力を供給すると、20から50Hzの振動が得られ、足22,23及びワイヤー24を介して横棒5に伝えられる。即ち、篩部材8は振動を受けることになる。この振動は土砂等から土砂と石を分けるのに充分な振動数となり、従来のようにバケット全体を上下動させるシリンダ駆動に比して騒音を低減させる。25は、電動形の振動モータ19をまもるガード板である。
【符号の説明】
【0022】
1 スケルトンバケット
2 バケット本体
3 底部
4 縦棒
5 横棒
7 桝目
8 篩部材
9 側板
10 サイドエッジ
11 先端エッジ
12 ベース板
13 ステー
14 ボス部
15 掘削爪
18 電動形の振動装置
19 低周波振動モータ
20 取付台
22 足(前側)
23 足(後側)
24 ワイヤー
25 ガード板

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
スケルトンバケットで、篩い分け作業を行うには、油圧シャベルのアームを前後に動かして行われ、それに伴ってバケットが前後振動するため、騒音が大きく、民家が近い場所での作業には、その騒音の苦情が多数寄せられ問題であった。
それは、篩い動作に対して油圧シリンダのアームからの作動は大きく、篩い作業に過度な前後振動を与えることから発生することが原因となっていた。