(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046996
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/77 20060101AFI20230329BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20230329BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20230329BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20230329BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61K36/77
A61P3/02 101
A61P25/20
A61K47/28
A61K47/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155878
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 慶太郎
【テーマコード(参考)】
4C076
4C088
【Fターム(参考)】
4C076DD60E
4C076DD70E
4C076FF15
4C088AB12
4C088BA07
4C088BA08
4C088MA03
4C088NA02
4C088NA03
4C088ZA05
4C088ZC22
(57)【要約】
【課題】リュウガンニク又はその抽出物を含有しながらも、沈殿や析出物が生成しにくい液状又は半固形状の組成物の提供。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB3
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB3
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
【請求項2】
成分(A)が、リュウガンニクの抽出物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(C)が、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、イノシトールヘキサニコチネート、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸及びヘプロニカート並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
含水組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
経口液剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
リュウガンニク(竜眼肉)は滋養強壮、鎮静等の作用を有する生薬である。そのためリュウガンニクは、滋養強壮や虚弱体質等の改善及び肉体疲労の場合における栄養補給等に用いられる液状又は半固形状の組成物(例えば、経口液剤)に配合されている。
【0003】
一方、生薬の中には溶解性が低い成分が多く含まれることから、生薬を含有する液状又は半固形状の組成物には、沈殿や析出物が生成し易い等の問題がある。
斯かる問題に対しては、従来から可溶化剤を配合する技術が種々検討されている。例えば、特許文献1には、生薬エキスに、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物を配合することが記載されている。また、特許文献2には、生薬抽出物及び油成分に加えて、ポリグリセリン脂肪酸エステルとポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤とを特定比率で配合した可溶化液体組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5-9408号公報
【特許文献2】特開2002-128703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、リュウガンニク又はその抽出物を含有しながらも、沈殿や析出物が生成しにくい液状又は半固形状の組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、リュウガンニク又はその抽出物を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにガンマーオリザノールと、ビタミンB3に代表されるビタミンB群とを組み合わせて含有せしめることによって、沈殿や析出物の生成が抑制され良好な保存安定性が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB群
を含有する、液状又は半固形状の組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リュウガンニク又はその抽出物を含有しながらも、沈殿や析出物の生成が抑制され保存安定性の良好な液状又は半固形状組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本明細書において、「w/v%」は質量対容積百分率を意味し、具体的には、100mLの組成物当りに含まれる各成分の質量(g)を意味する。
まず、「組成物」の態様の発明について、以下に詳述する。
【0010】
<成分(A)>
「リュウガンニク」(竜眼肉)とは、第十七改正日本薬局方に記載のとおり、リュウガン(Euphoria longana Lamarck(Sapindaceae))の仮種皮を意味する。リュウガンニクは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができ、例えば、リュウガンニクを粉末とした「リュウガンニク末」も本発明に用いることができる。また、組成物の製造時の取扱の便宜等を考慮して、リュウガンニクに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「リュウガンニクの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「リュウガンニクの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、リュウガンニクを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、流エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)等も本発明の「リュウガンニクの抽出物」に包含される。
本発明において、リュウガンニク又はその抽出物としては、リュウガンニクの抽出物が好ましく、リュウガンニクチンキ、リュウガンニク軟エキス、リュウガンニク流エキス及びリュウガンニク乾燥エキスよりなる群から選ばれる1種以上のリュウガンニクの抽出物がより好ましく、リュウガンニクチンキ、リュウガンニク軟エキス及びリュウガンニク流エキスよりなる群から選ばれる1種以上のリュウガンニクの抽出物がさらに好ましく、リュウガンニク軟エキスが特に好ましい。
【0011】
リュウガンニクの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載等、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、リュウガンニクを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加え抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
【0012】
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルコール類としては、低級1価アルコール(好ましくは炭素数1~6の1価アルコール、より好ましくはエタノール)、低級多価アルコール(好ましくは炭素数2~6の多価アルコール、より好ましくはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール)が好ましい。
抽出溶媒としては、水、低級1価アルコール、低級多価アルコール又はこれらの2種以上の混液が好ましく、水、低級1価アルコール又はこれらの混液がより好ましく、水、エタノール又はこれらの混液が特に好ましい。
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を適宜採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出等が挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、攪拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間~14日間程度とするのが好ましい。
【0013】
本発明において、リュウガンニク又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、竜眼肉エキス(日本粉末薬品(株)製)、龍眼肉エキス(日本粉末薬品(株)製)、リュウガンニクエキスSF(松浦薬業(株))等が挙げられる。
【0014】
本発明の組成物におけるリュウガンニク又はその抽出物の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、組成物全容量に対して0.002~20w/v%含有するものが好ましく、0.02~2w/v%含有するものがより好ましく、0.01~1w/v%含有するものが特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、組成物全容量に対して0.006~70w/v%含有するものが好ましく、0.003~35w/v%含有するものがより好ましく、0.01~15w/v%含有するものが特に好ましい。
【0015】
<成分(B)>
「ガンマーオリザノール」は、イネ(Oryza sativa L.)の種皮等から得られ、主としてトリテルペンアルコールのフェルラ酸(3-メトキシ-4-ヒドロキシ桂皮酸)エステルからなるものである。本発明において、ガンマーオリザノールの原料、精製方法、製造方法等は特に限定されないが、医薬部外品原料規格2006に記載のガンマーオリザノールが好ましい。
ガンマーオリザノールは公知の成分であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0016】
本発明の組成物におけるガンマーオリザノールの含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.00025~10w/v%含有するものが好ましく、0.0005~5w/v%含有するものがより好ましく、0.001~1w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における(A)リュウガンニク又はその抽出物と(B)ガンマーオリザノールとの含有質量比〔(B)/(A)〕としては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、0.0005~10が好ましく、0.005~5がより好ましく、0.01~1が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ガンマーオリザノールを0.0016~34質量部が好ましく、0.016~17質量部がより好ましく、0.03~4質量部が特に好ましい。
【0017】
<成分(C)>
本発明において、「ビタミンB群」としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12が挙げられる。なお、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6及びビタミンB12よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB3よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ビタミンB3が特に好ましい。
これらのビタミンB群は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0018】
本発明の組成物におけるビタミンB群の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.03~30w/v%含有するものが好ましく、0.1~10w/v%含有するものがより好ましく、1~5w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における(A)リュウガンニク又はその抽出物と(C)ビタミンB群との含有質量比〔(C)/(A)〕としては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、1~50が好ましく、5~40がより好ましく、10~30が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB群を0.01~50質量部が好ましく、0.1~25質量部がより好ましく、1~10質量部が特に好ましい。
【0019】
さらに、本発明の組成物における(B)ガンマーオリザノールと(C)ビタミンB群との含有質量比〔(C)/(B)〕としては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、100~4000が好ましく、500~3000がより好ましく、1000~2000が特に好ましい。
【0020】
本発明において、「ビタミンB1」には、チアミンそのもののほか、その誘導体(ビスチアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、セトチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、チアミン二リン酸等)及びそれらの塩(硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB1としては、硝酸ビスチアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、チアミン硝化物、オクトチアミン、シコチアミン、セトチアミン塩酸塩水和物、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、プロスルチアミン及びベンフォチアミンよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ベンフォチアミンが特に好ましい。
これらのビタミンB1は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0021】
本発明の組成物におけるビタミンB1の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.0001~10w/v%含有するものが好ましく、0.001~1w/v%含有するものがより好ましく、0.005~0.5w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物におけるリュウガンニク又はその抽出物とビタミンB1との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB1を0.001~20質量部が好ましく、0.01~10質量部がより好ましく、0.1~1質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB1を0.0005~10質量部が好ましく、0.001~1質量部がより好ましく、0.01~0.2質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB1との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノール1質量部に対し、ビタミンB1を0.001~40質量部が好ましく、0.05~20質量部がより好ましく、0.1~10質量部が特に好ましい。
【0022】
本発明において、「ビタミンB2」には、リボフラビンそのもののほか、その誘導体(フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステル等)及びそれらの塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB2としては、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル及びリボフラビンリン酸エステルナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、リボフラビンリン酸エステルナトリウムが特に好ましい。
これらのビタミンB2は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0023】
本発明の組成物におけるビタミンB2の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.00001~1w/v%含有するものが好ましく、0.00005~0.5w/v%含有するものがより好ましく、0.0005~0.05w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB2との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB2を0.001~10質量部が好ましく、0.01~5質量部がより好ましく、0.05~1質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB2を0.0001~1質量部が好ましく、0.005~0.5質量部がより好ましく、0.01~0.1質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB2との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノール1質量部に対し、ビタミンB2を0.001~30質量部が好ましく、0.05~10質量部がより好ましく、0.1~1質量部が特に好ましい。
【0024】
本発明において、「ビタミンB3」には、ニコチン酸、ニコチン酸アミドそのもののほか、それらの誘導体及びそれらの塩も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、イノシトールヘキサニコチネート、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸及びヘプロニカート並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ニコチン酸アミドが特に好ましい。
これらのビタミンB3は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0025】
本発明の組成物におけるビタミンB3の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.0005~25w/v%含有するものが好ましく、0.001~15w/v%含有するものがより好ましく、0.01~5w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB3との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB3を0.0005~50質量部が好ましく、0.001~25質量部がより好ましく、0.01~20質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB3を0.005~40質量部が好ましく、0.01~20質量部がより好ましく、0.1~10質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB3との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノール1質量部に対し、ビタミンB3を0.01~3000質量部が好ましく、0.1~2000質量部がより好ましく、0.5~1500質量部が特に好ましい。
【0026】
本発明において、「ビタミンB5」には、パントテン酸そのもののほか、その誘導体(パンテノール、パンテチン、パンテテイン、補酵素A等)及びそれらの塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等の第2族元素との塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB5としては、パンテノール、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
これらのビタミンB5は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0027】
本発明の組成物におけるビタミンB5の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.0001~20w/v%含有するものが好ましく、0.0005~1w/v%含有するものがより好ましく、0.001~0.05w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB5との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB5を0.0005~10質量部が好ましく、0.005~1質量部がより好ましく、0.01~0.1質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB5を0.001~20質量部が好ましく、0.005~10質量部がより好ましく、0.05~1質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB5との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノールを1質量部に対し、ビタミンB5を0.005~20質量部が好ましく、0.01~10質量部がより好ましく、0.1~5質量部が特に好ましい。
【0028】
本発明において、「ビタミンB6」には、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサールそのもののほか、それらの誘導体(リン酸ピリドキサール等)及びそれらの誘導体(カルシウム塩等の第2族元素との塩;塩酸塩等の無機酸塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB6としては、ピリドキサールリン酸エステル水和物及びピリドキシン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
これらのビタミンB6は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0029】
本発明の組成物におけるビタミンB6の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.0001~10w/v%含有するものが好ましく、0.0005~1w/v%含有するものがより好ましく、0.001~0.1w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB6との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB6を0.001~20質量部が好ましく、0.005~10質量部がより好ましく、0.05~1質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB6を0.0005~10質量部が好ましく、0.001~1質量部がより好ましく、0.005~0.1質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB6との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノールを1質量部に対し、ビタミンB6を0.005~40質量部が好ましく、0.05~20質量部がより好ましく、0.1~10質量部が特に好ましい。
【0030】
本発明において、「ビタミンB7」には、ビオチンそのもののほか、その塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB7としては、ビオチンが好ましい。
これらのビタミンB7は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0031】
本発明の組成物におけるビタミンB7の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.00001~0.1w/v%含有するものが好ましく、0.00005~0.01w/v%含有するものがより好ましく、0.0001~0.001w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB7との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB7を0.0005~2質量部が好ましく、0.001~0.2質量部がより好ましく、0.005~0.02質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB7を0.0001~1質量部が好ましく、0.0005~0.1質量部がより好ましく、0.001~0.01質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB7との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノールを1質量部に対し、ビタミンB7を0.001~10質量部が好ましく、0.005~1質量部がより好ましく、0.01~0.1質量部が特に好ましい。
【0032】
本発明において、「ビタミンB9」には、葉酸そのもののほか、その誘導体(ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸等)及びそれらの塩も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB9としては、葉酸が好ましい。
これらのビタミンB9は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0033】
本発明の組成物におけるビタミンB9の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.00005~1w/v%含有するものが好ましく、0.0001~0.1w/v%含有するものがより好ましく、0.0005~0.01w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB9との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB9を0.0005~10質量部が好ましく、0.005~5質量部がより好ましく、0.01~0.5質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB9を0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましく、0.05~0.5質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB9との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノールを1質量部に対し、ビタミンB9を0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましく、0.05~0.5質量部が特に好ましい。
【0034】
本発明において、「ビタミンB12」には、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンそのもののほか、それらの誘導体(メコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等)及びそれらの塩(塩酸塩等の無機酸塩;酢酸塩等の有機酸塩等)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてビタミンB12としては、塩酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びヒドロキソコバラミン酢酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
これらのビタミンB12は公知であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0035】
本発明の組成物におけるビタミンB12の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよい。本発明においては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全容量に対して0.00005~0.1w/v%含有するものが好ましく、0.0001~0.01w/v%含有するものがより好ましく、0.0005~0.005w/v%含有するものが特に好ましい。
また、本発明の組成物における、リュウガンニク又はその抽出物とビタミンB12との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、リュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB12を0.001~10質量部が好ましく、0.005~1質量部がより好ましく、0.01~0.1質量部が特に好ましい。また、リュウガンニク又はその抽出物の含有量を原生薬量に換算した場合には、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、原生薬換算したリュウガンニク又はその抽出物1質量部に対し、ビタミンB12を0.005~10質量部が好ましく、0.01~5質量部がより好ましく、0.05~0.5質量部が特に好ましい。
さらに、本発明の組成物における、ガンマーオリザノールとビタミンB12との含有質量比は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、ガンマーオリザノールを1質量部に対し、ビタミンB12を0.005~10質量部が好ましく、0.01~5質量部がより好ましく、0.05~0.5質量部が特に好ましい。
【0036】
本発明において、「液状又は半固形状の組成物」の性状は特に限定されず、溶液、コロイド溶液(ゾル(懸濁液や乳濁液))、ゲル等のいずれであってもよい。また、溶媒あるいは基剤の種類・性質等は特に限定されず、親水性であっても油性等の疎水性であってもよく、さらには異なる複数種の溶媒・基剤を適宜混合・乳化等して用いてもよい。こうした溶媒・基剤としては、具体的には例えば、下記の添加物として例示された成分等が挙げられる。
本発明の液状又は半固形状の組成物としては、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、成分(A)、(B)及び(C)に加えて、水を含有するものが好ましい(なお、本明細書において、水を含有する組成物を「含水組成物」と称する。)。本発明によれば、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物が特に問題となる含水組成物の場合でも、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を充分に抑制できる。
ここで、組成物中の水の含有量は特に限定されないが、リュウガンニク又はその抽出物の沈殿や析出物の生成を抑制する観点から、組成物全質量に対して1質量%以上であるのが好ましく、60~99.99質量%であるのがより好ましく、80~99.9質量%であるのが更に好ましく、90~99.5質量%であるのが特に好ましい。
なお、本発明の液状又は半固形状の組成物が含水組成物である場合、組成物のpH(25℃)としては、2~6が好ましく、2~5がより好ましく、3~4が特に好ましい。
【0037】
また、本発明の液状又は半固形状の組成物は、成分(A)、(B)及び(C)に加えて、エタノールを含んでいてもよい。なお、水とエタノールを組み合わせて用いてもよい。
エタノールを用いる場合、組成物中のエタノールの含有量は、組成物全容量に対して1w/v%以下であるのが好ましく、0.01~0.5w/v%であるのが特に好ましい。
【0038】
本発明において、液状又は半固形状の組成物が適用される剤形は特に限定されるものではなく、その利用目的等に応じて、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形から適宜選択できる。こうした剤形としては、具体的には例えば、経口投与する製剤(経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤)等の、第十七改正日本薬局方 製剤総則に記載の剤形が挙げられる。
本発明において、液状又は半固形状の組成物の剤形としては、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤(ゼリー状ドロップ剤)よりなる群から選ばれる剤形であるのが好ましく、経口液剤であるのが特に好ましい。
【0039】
なお、液状又は半固形状の組成物を具体的な剤形として製剤化する場合においては、剤形に応じて適宜、液状又は半固形状の組成物を容器(例えば、瓶、かん、プラスチック容器等)に収容する等、各剤形について公知の手段を適用すれば良い(なお、液状又は半固形状の組成物が容器に収容されてなるものを、本明細書において「製品」と称する。)。なお、本発明において、容器の材質としては特に限定されないが、ガラス製であるのが好ましい。
【0040】
本発明の液状又は半固形状の組成物には、医薬成分として、上記成分以外の薬物を配合してもよい。こうした薬物としては、例えば、ビタミンA類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、アミノカルボン酸類、ステロール類、カルシウム塩・マグネシウム塩・鉄塩類、グルクロン酸類、コンドロイチン類、糖アルコール類、配糖体類、チオクト酸類、生薬類等からなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
本発明の液状又は半固形状の組成物としては、沈殿や析出物の生成を抑制して安定性を改善させる観点から、カフェイン類(例えば、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等)を含まないものが好ましい。
【0041】
ビタミンA類としては、例えば、ビタミンA油、レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、肝油、強肝油等が挙げられる。
ビタミンC類としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
ビタミンD類としては、例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等が挙げられる。
ビタミンE類としては、例えば、コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、トコフェロール、d-α-トコフェロール、トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。
アミノカルボン酸類としては、例えば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、L-アルギニン塩酸塩、L-イソロイシン、カルニチン塩化物、グリシン、L-グルタミン酸、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、重酒石酸コリン、タウリン、L-トレオニン、L-バリン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、DL-メチオニン、ヨークレシチン、L-リシン塩酸塩、L-ロイシン、L-システイン、L-システイン塩酸塩水和物、オロチン酸、オロチン酸コリン等が挙げられる。
ステロール類としては、例えば、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸等が挙げられる。
カルシウム塩・マグネシウム塩・鉄塩類としては、例えば、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、クエン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
グルクロン酸類としては、例えば、グルクロノラクトン、グルクロン酸、グルクロン酸アミド等が挙げられる。
コンドロイチン類としては、例えば、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
糖アルコール類としては、例えば、イノシトール、グルコン酸ナトリウム等が挙げられる。
配糖体類としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ナトリウム、ルチン水和物等が挙げられる。
チオクト酸類としては、例えば、チオクト酸、チオクト酸アミド等が挙げられる。
生薬類としては、例えば、アセンヤク、ウイキョウ、オウセイ、加工大蒜、ガラナ、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、コウジン、サフラン、サンザシ、サンヤク、シゴカ、シャクヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ジョテイシ、セイヨウサンザシ、タイソウ、チョウジ、チンピ、トウキ、トシシ、トチュウ、ニクジュヨウ、ニンジン、ニンニク、ブクリョウ、ムイラプアマ、モッコウ、ヤクチ、ヨクイニン、ローヤルゼリー等が挙げられる。
【0042】
本発明の液状又は半固形状の組成物には、その剤形、投与方法等に応じて医薬品分野、医薬部外品分野、食品分野等において用いられる添加物を配合してもよい。こうした添加物としては、例えば、界面活性剤、甘味剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色剤、香料、矯味剤、保存剤等が挙げられる。
【0043】
界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ポリオキシル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の含有量としては、組成物全容量に対して0~10w/v%が好ましく、0.004~4w/v%がより好ましく、0.04~0.4w/v%が特に好ましい。
【0044】
甘味剤としては、例えば、白糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、乳糖、ハチミツ、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、スクラロース、サッカリン及びその塩、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸;塩酸等の無機酸;水酸化ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、エデト酸及びその塩、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、タール色素、三二酸化鉄、カラメル等が挙げられる。
香料としては、例えば、アップルフレーバー等が挙げられる。
矯味剤としては、例えば、クエン酸及びその塩、L-グルタミン酸及びその塩、ポビドン、l-メントール等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸及びその塩、パラベン等が挙げられる。
保存剤の含有量としては、組成物全容量に対して0~10w/v%が好ましく、0.002~2w/v%がより好ましく、0.02~0.2w/v%が特に好ましい。
【0045】
本発明において、液状又は半固形状の組成物の製造方法は特に限定されず、配合する成分の種類や量、組成物の性状、剤形、投与経路や用途等に応じて、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。
【0046】
本発明の液状又は半固形状の組成物の投与経路(服用経路)は特に限定されず、経口及び経皮、経膣等の非経口が挙げられる。本発明においては、経口が好ましい。
【0047】
本発明の液状又は半固形状の組成物は、滋養強壮、鎮静等の作用を有するリュウガンニク又はその抽出物を含有することから、医療用医薬品、OTC医薬品、医薬部外品、食品等として用いることができる。具体的には例えば、以下の(ア)~(カ):
(ア)体力、身体抵抗力又は集中力の維持・改善;
(イ)疲労の回復・予防;
(ウ)虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防;
(エ)日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防;
(オ)病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期又は産前産後の栄養補給;
(カ)目の疲れ;
のいずれか1以上を効能又は効果とする医薬品や医薬部外品とすることができる。
【0048】
次に、「方法」の態様の発明について、以下に詳述する。
本発明は、次の成分(A):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
を含有する液状又は半固形状の組成物に、次の成分(B)及び(C):
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB群
を含有せしめる工程を含む、組成物中のリュウガンニク又はその抽出物の安定化方法(好適には、沈殿及び/又は析出物の生成を抑制する方法)にも関する。
斯かる態様の発明において、成分(A)を含有せしめる工程、成分(B)を含有せしめる工程及び成分(C)を含有せしめる工程の順序は特に限定されず、成分(A)、(B)及び(C)を含有する液状又は半固形状の組成物が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の含有量等は全て上記した本発明の「組成物」について説明したのと同様である。
【0049】
本明細書は、以上の実施形態に関連して、例えば以下の態様を開示する。
[1A] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB群
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
[2A] 成分(A)が、リュウガンニクの抽出物である、[1A]記載の組成物。
[3A] 成分(A)が、リュウガンニクチンキ、リュウガンニク軟エキス、リュウガンニク流エキス及びリュウガンニク乾燥エキスよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]又は[2A]記載の組成物。
[4A] 成分(C)が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[3A]のいずれか記載の組成物。
[5A] ビタミンB1が、硝酸ビスチアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、チアミン硝化物、オクトチアミン、シコチアミン、セトチアミン塩酸塩水和物、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、プロスルチアミン及びベンフォチアミンよりなる群から選ばれる1種以上である、[4A]記載の組成物。
[6A] ビタミンB2が、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル及びリボフラビンリン酸エステルナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[4A]又は[5A]記載の組成物。
[7A] ビタミンB3が、ニコチン酸アミドである、[4A]~[6A]のいずれか記載の組成物。
[8A] ビタミンB5が、パンテノール、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[4A]~[7A]のいずれか記載の組成物。
[9A] ビタミンB6が、ピリドキサールリン酸エステル水和物及びピリドキシン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[4A]~[8A]のいずれか記載の組成物。
[10A] ビタミンB7が、ビオチンである、[4A]~[9A]のいずれか記載の組成物。
[11A] ビタミンB9が、葉酸である、[4A]~[10A]のいずれか記載の組成物。
[12A] ビタミンB12が、塩酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びヒドロキソコバラミン酢酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[4A]~[11A]のいずれか記載の組成物。
【0050】
[13A] 含水組成物である、[1A]~[12A]のいずれか記載の組成物。
[14A] 剤形が、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1A]~[13A]のいずれか記載の組成物。
[15A] [1A]~[14A]のいずれか記載の組成物が、ガラス製の容器に収容されてなる、製品。
[16A] 以下の(ア)~(カ):
(ア)体力、身体抵抗力又は集中力の維持・改善;
(イ)疲労の回復・予防;
(ウ)虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防;
(エ)日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防;
(オ)病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期又は産前産後の栄養補給;
(カ)目の疲れ;
のいずれか1以上を効能又は効果とするものである、[15A]記載の製品。
【0051】
[1B] 次の成分(A):
(A)リュウガンニク又はその抽出物
を含有する液状又は半固形状の組成物に、次の成分(B)及び(C):
(B)ガンマーオリザノール
(C)ビタミンB群
を含有せしめる工程を含む、組成物中のリュウガンニク又はその抽出物の安定化方法(好適には、沈殿及び/又は析出物の生成を抑制する方法)。
[2B] 成分(A)が、リュウガンニクの抽出物である、[1B]記載の方法。
[3B] 成分(A)が、リュウガンニクチンキ、リュウガンニク軟エキス、リュウガンニク流エキス及びリュウガンニク乾燥エキスよりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]又は[2B]記載の方法。
[4B] 成分(C)が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[3B]のいずれか記載の方法。
[5B] ビタミンB1が、硝酸ビスチアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、チアミン硝化物、オクトチアミン、シコチアミン、セトチアミン塩酸塩水和物、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、プロスルチアミン及びベンフォチアミンよりなる群から選ばれる1種以上である、[4B]記載の方法。
[6B] ビタミンB2が、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル及びリボフラビンリン酸エステルナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[4B]又は[5B]記載の方法。
[7B] ビタミンB3が、ニコチン酸アミドである、[4B]~[6B]のいずれか記載の方法。
[8B] ビタミンB5が、パンテノール、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上である、[4B]~[7B]のいずれか記載の方法。
[9B] ビタミンB6が、ピリドキサールリン酸エステル水和物及びピリドキシン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[4B]~[8B]のいずれか記載の方法。
[10B] ビタミンB7が、ビオチンである、[4B]~[9B]のいずれか記載の方法。
[11B] ビタミンB9が、葉酸である、[4B]~[10B]のいずれか記載の方法。
[12B] ビタミンB12が、塩酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン及びヒドロキソコバラミン酢酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[4B]~[11B]のいずれか記載の方法。
【0052】
[13B] 組成物が、含水組成物である、[1B]~[12B]のいずれか記載の方法。
[14B] 組成物の剤形が、経口液剤、シロップ剤及び経口ゼリー剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1B]~[13B]のいずれか記載の方法。
[15B] 組成物を、さらにガラス製の容器に収容する工程を含む、[1B]~[14B]のいずれか記載の方法(なお、斯かる態様の発明において、組成物に成分(A)を含有せしめる工程、組成物に成分(B)を含有せしめる工程、組成物に成分(C)を含有せしめる工程及び組成物をガラス製の容器に収容する工程の順序は特に限定されない。)。
【実施例0053】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0054】
[試験例1]保存試験
以下のサンプルA~Dを調製し、80℃で3日間保存した。保存開始直前及び80℃で3日間保存した後の外観(析出物・沈殿の生成の有無)を目視により評価した。
なお、沈殿及び析出物のいずれもが生じなかったものを○、沈殿又は析出物が生じたものを×と評価した。また、沈殿又は析出物が生じたものについては、その外観についてコメントを付した。なお、本明細書において「析出物」とは、析出し浮遊している固形分のことをいう。
結果を表1に示す。
【0055】
<サンプルA>
リュウガンニク軟エキス(日本粉末薬品(株)製:竜眼肉エキス)0.2g(原生薬換算量 660mg)、ガンマーオリザノール(オリザ油化(株)製:オリザノールOK-1)3mg、ニコチン酸アミド(ロンザジャパン(株)製:ニコチン酸アミド)4g、クエン酸水和物1g、クエン酸ナトリウム水和物0.1g、ステアリン酸ポリオキシル50mg及び安息香酸ナトリウム0.1gを精製水に溶解・懸濁して全量100mLの液状の組成物を得た。
得られた組成物を100mL褐色ドリンク瓶(金属キャップ)に収容してサンプルAを得た。
<サンプルB>
ガンマーオリザノール及びニコチン酸アミドを無配合としたほかはサンプルAと同様にして、サンプルBを得た。
<サンプルC>
ガンマーオリザノールを無配合としたほかはサンプルAと同様にして、サンプルCを得た。
<サンプルD>
ニコチン酸アミドを無配合としたほかはサンプルAと同様にして、サンプルDを得た。
【0056】
【0057】
表1記載の結果の通り、リュウガンニク軟エキスを含有する液状の組成物において、ガンマーオリザノール及びニコチン酸アミドを無配合とした場合は(サンプルB)、80℃で3日間保存したときに沈殿が生成した。また、このサンプルBにおいて、ニコチン酸アミドのみを配合した場合(サンプルC)、ガンマーオリザノールのみを配合した場合(サンプルD)も、サンプルBと同様に沈殿が生成した。
これに対し、リュウガンニク軟エキスに加えてガンマーオリザノールとニコチン酸アミドを共に含有するサンプルAは、80℃で3日間保存した後も沈殿及び析出物が生成していなかった。
【0058】
以上の試験結果より、リュウガンニク又はその抽出物を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにガンマーオリザノールとビタミンB群(好適にはビタミンB3)とを組み合わせて含有せしめることによって、沈殿や析出物の生成が抑制されることが明らかとなった。
【0059】
製造例
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、ガラス瓶に収容して、製造例の経口液剤を得た。
オキソアミヂン 50mg(原生薬換算量1000mg)
エゾウコギエキス 17.5mg(原生薬換算量350mg)
タイソウエキス 140mg(原生薬換算量350mg)
リュウガンニクエキス 36.4mg(原生薬換算量120mg)
ガンマーオリザノール 10mg
カルニチン塩化物 50mg
チアミン硝化物 10mg
リボフラビンリン酸エステルナトリウム 5mg
ピリドキシン塩酸塩 10mg
ニコチン酸アミド 12mg
クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、D-ソルビトール液、スクラロース、アセスルファムカリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン、パラオキシ安息香酸ブチル、安息香酸ナトリウム、カラメル、香料、及び精製水で全量を100mL(pH:3.5)とした。
本発明によれば、リュウガンニク又はその抽出物を含有し、かつ、保存安定性が優れた液状又は半固形状の組成物を提供でき、医薬品産業、食品産業等において利用できる。