(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047101
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】葬儀システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20230329BHJP
【FI】
G06Q50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156037
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】517310083
【氏名又は名称】一般社団法人日本寺葬協会
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 広和
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各寺院単位で中規模かつ独自の葬儀を行うことを可能にするとともに、寺院を身近に感じるメリット及び寺院自体の有効利用を図るメリットを享受可能とする葬儀システム提供する。
【解決手段】葬儀システム1において、所定の寺院Tを葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様を格納する仕様書データベース2、複数の寺院T毎の仕様書データ2を格納する寺院データベースDt、任意のユーザーUから寺院データベースDtにアクセス可能にするユーザー端末4、ユーザーUに係るユーザー情報を格納するユーザーデータ5及び少なくともユーザーUにより選択された寺院T及びユーザーUに係わるユーザー情報を受け取ったなら、ユーザーUにより選択された寺院Tを葬儀場所として葬儀を実施可能に構成するサーバコンピュータ3を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の葬儀場所を使用して葬儀を行う葬儀システムにおいて、葬儀コーディネータにより所定の寺院を葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データを作成し、かつ作成した複数の寺院毎の仕様書データを、寺院データベースとして所定のサーバコンピュータにアップロードするとともに、任意のユーザーのユーザー端末から前記寺院データベースにアクセス可能に構成し、少なくとも前記ユーザーにより選択された前記寺院及び前記ユーザーに係わるユーザー情報を含むユーザーデータを、前記サーバコンピュータが受け取ったなら、前記ユーザーにより選択された寺院を葬儀場所として葬儀を実施可能に構成したことを特徴とする葬儀システム。
【請求項2】
前記仕様書データには、前記寺院に係わる、写真,特徴記載シート及び見取図を含むことを特徴とする請求項1記載の葬儀システム。
【請求項3】
前記見取図には、葬儀に使用する備品を配置した配置図を含むことを特徴とする請求項2記載の葬儀システム。
【請求項4】
前記サーバコンピュータと前記ユーザー端末は、インターネットを含むオンラインにより接続することを特徴とする請求項1,2又は3記載の葬儀システム。
【請求項5】
前記サーバコンピュータと前記ユーザー端末は、オフラインにより接続することを特徴とする請求項1,2又は3記載の葬儀システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の葬儀場所を使用して葬儀を行う際に用いて好適な葬儀システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、葬儀を行う場合、葬祭専用の葬儀会場を利用する場合も少なくなく、この種の葬儀形式としては、特許文献1に開示される葬儀方法が知られている。この葬儀方法は、目的として、従来の葬儀は代わり映えせず、形式的な葬儀に終わりがちであった課題を解決しようとするものであり、具体的には、葬儀会場の参列者や関係者からの故人へのメッセージを、光学機器や映像機器により、葬儀会場の参列者から見える箇所に写し出すようにするとともに、メッセージ記入用紙として、メッセージ記入欄、記入者名記入欄を備えた二枚以上のカードを複写式にして一組とし、必要事項記入後にカードを分離して、葬儀のときに祭壇に供えたり、柩の中に入れたり、遺族に渡したり、記入者が保管したりすることができる葬儀用メッセージカードを用いたものであり、故人へのメッセージを直筆のまま写し出すようにし、さらに、故人へのメッセージとは別に、又は故人へのメッセージと共に、故人の遺影写真、生前の写真、故人の愛用品、故人に関わりの深い持ち物、記念品の写真、ビデオ撮影した映像をも写し出す手法を採用したものである。
【0003】
ところで、このような葬儀会場を利用して葬儀を行う場合、会葬者として、ある程度の人数が必要であったり、葬祭設備が大掛かりになる傾向があるとともに、マニアルに沿った葬儀形式になるため、個性を出しにくく費用も高額になる傾向があるため、近時においては、個人葬や自然葬など、よりシンプルかつ個性的な葬儀形式も増えているとともに、インターネットの普及により、インターネットを利用した葬儀システムも提案されるに至っており、このようなインターネットを用いた葬儀システムとしては、特許文献2で開示されるインターネット利用の葬儀システムが知られている。同文献2に開示されるインターネット利用の葬儀システムは、インターネット上で公開される葬儀用ホームページを利用して葬儀を行うことを目的としたものであり、具体的には、インターネット上で公開される葬儀用ホームページを利用し、当該葬儀用ホームページは、閲覧者に関する氏名その他の情報を書き込む記帳部と、弔辞やエピソード等のメッセージ書込部と、前記記帳部やメッセージ書込部に書き込んだ情報を登録する書込情報登録操作部と、故人に関する種々の情報を開示する故人情報開示部とを備え、前記書込情報登録操作部の操作により前記記帳部やメッセージ書込部に書き込まれた情報が保存され、この保存情報を葬儀主催者側で取り込めるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-65450号公報
【特許文献2】特開2003-50874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来における葬儀方法及び葬儀システムは、次のような課題も存在した。
【0006】
即ち、従来の葬儀方法や葬儀システムの場合、葬儀会場や葬儀コストの面から大規模化と小規模化の二極化傾向が進んでおり、いわば中規模の選択肢が少なくなっている。一方、日本には、古来より数多くの寺院が存在し、檀家制度も存在しているが、時代と共に薄れてきている実情がある。反面、葬儀には、僧侶の出席によりお経を唱えてもらうなど、各寺院と一般の人が係わり合うケースも少なくない。
【0007】
このため、寺院自体を葬儀会場として利用すれば、各寺院単位で中規模かつ独自の葬儀を行うことができるとともに、教会のように寺院を身近に感じるメリット及び寺院自体の有効利用を図るメリットがあるが、実際には、寺院自体が様々な構造的な相違や大きさ、さらに宗派等の制約があり、必ずしも一般的な葬儀会場のようにマニアルに従って実施することが容易でないという解決すべき課題が存在した。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した葬儀システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、所定の葬儀場所を使用して葬儀を行う葬儀システム1であって、葬儀コーディネータ(葬祭業者)Cにより所定の寺院Tを葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データ2を作成し、かつ作成した複数の寺院T…毎の仕様書データ2…を、寺院データベースDtとして所定のサーバコンピュータ3にアップロードするとともに、任意のユーザーUのユーザー端末4から寺院データベースDtにアクセス可能に構成し、少なくともユーザーUにより選択された寺院T及びユーザーUに係わるユーザー情報を含むユーザーデータ5を、サーバコンピュータ3が受け取ったなら、ユーザーUにより選択された寺院Tを葬儀場所として葬儀を実施可能に構成したことを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、仕様書データ2には、寺院Tに係わる、写真11,特徴記載シート12及び見取
図13を含ませることができるとともに、さらに、この見取
図13には、葬儀に使用する備品14を配置した配置
図15を含ませることができる。また、サーバコンピュータ3とユーザー端末4は、インターネットNを含むオンラインにより接続することができるとともに、サーバコンピュータ3とユーザー端末4を、オフラインにより接続することもできる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係る葬儀システム1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 葬儀コーディネータCにより所定の寺院Tを葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データ2を作成し、かつ作成した複数の寺院T…毎の仕様書データ2…を、寺院データベースDtとして所定のサーバコンピュータ3にアップロードするとともに、任意のユーザーUのユーザー端末4から寺院データベースDtにアクセス可能に構成し、少なくともユーザーUにより選択された寺院T及びユーザーUに係わるユーザー情報を含むユーザーデータ5を、サーバコンピュータ3が受け取ったなら、ユーザーUにより選択された寺院Tを葬儀場所として葬儀を実施可能に構成したため、各寺院単位で中規模かつ独自の葬儀を行うことができるとともに、教会のように寺院を身近に感じるメリット及び寺院自体の有効利用を図るメリットを享受できるなど、新たな葬儀形式のビジネスモデルとして提供することができる。
【0013】
(2) 好適な態様により、仕様書データ2に、寺院Tに係わる、写真11,特徴記載シート12及び見取
図13を含ませれば、ユーザーは、視覚的な観点から寺院Tの状態を把握できるため、葬儀の内容や葬儀の雰囲気等を容易かつ的確にイメージすることができる。
【0014】
(3) 好適な態様により、見取
図13に、葬儀に使用する備品14を配置した配置
図15を含ませれば、より具体的な葬儀のイメージを把握できるため、参列者の人数や位置関係、動線などのより詳細な葬儀内容を企画することができる。
【0015】
(4) 好適な態様により、サーバコンピュータ3とユーザー端末4を、インターネットNを含むオンラインにより接続すれば、ユーザーUはインターネット環境を利用できる状態にあれば、様々な場所や時間において葬儀システム1を利用できるため、汎用性及び使い勝手(利便性)を高めることができる。
【0016】
(5) 好適な態様により、サーバコンピュータ3とユーザー端末4を、オフラインにより接続すれば、例えば、葬儀コーディネータ(葬祭業者)Cの営業所等において、インターネットNを利用することなく、オフラインにより葬儀システム1を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の好適実施形態に係る葬儀システムのブロック系統図、
【
図2】同葬儀システムの葬儀コーディネータサイドにおける処理手順を説明するためのフローチャート、
【
図3】同葬儀システムのユーザーサイドにおける処理手順を説明するためのフローチャート、
【
図4】同葬儀システムのディスプレイに表示される寺院の写真の画面図、
【
図5】同葬儀システムのディスプレイに表示される寺院特徴シートの画面図、
【
図6】同葬儀システムのディスプレイに表示される寺院の見取図の画面図、
【
図7】同葬儀システムのディスプレイに表示される寺院の配置図の画面図、
【
図8】同葬儀システムのディスプレイに表示される寺院の地図及び駐車場等を示す画面図、
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施形態に係る葬儀システム1の全体のシステム構成について、
図1に示すブロック系統図を参照して説明する。
【0020】
図1に示す葬儀システム1において、Nはインターネットを示し、このインターネットNには、葬儀システム1の中核を担うサーバコンピュータ3が接続されるとともに、複数のユーザー端末4…が接続される。したがって、
図1に示す葬儀システム1は、基本的に、オンライン方式により構成される。このように、葬儀システム1を構成するに際し、サーバコンピュータ3とユーザー端末4を、インターネットNを含むオンラインにより接続すれば、ユーザーUはインターネット環境を利用できる状態にあれば、様々な場所や時間において葬儀システム1を利用できるため、汎用性及び使い勝手(利便性)を高めることができる。
【0021】
サーバコンピュータ3には、コンピュータ機能を有するコンピュータハードウェアにより構成した汎用パソコン(パーソナルコンピュータ)などを利用でき、このサーバコンピュータ3には、サーバコンピュータ本体3mとこのサーバコンピュータ本体3mに付属するデータ保持装置(HDD/SSD)21が含まれる。
【0022】
このデータ保持装置21は、各種データを書込可能なデータエリア21dとコンピュータプログラムを格納可能なプログラムエリア21pを備え、特に、プログラムエリア21pには、葬儀システム1の全体を機能させるためのアプリケーションプログラムとなる葬儀システムプログラムPが格納される。
【0023】
この葬儀システムプログラムPは、基本的な機能として、所定の寺院Tを、葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データ2を作成する機能,及び作成した複数の寺院T…毎の仕様書データ2…を、寺院データベースDtとして構築する機能を備え、この寺院データベースDtはサーバコンピュータ3によりデータ保持装置21に登録される。
【0024】
一方、このサーバコンピュータ3(寺院データベースDt)には、インターネットNを経由して、任意のユーザーUにおけるユーザー端末4からアクセス可能となる。これにより、少なくともユーザーUにより選択された寺院T及びユーザーUに係わるユーザー情報を含むユーザーデータ5を、ユーザー端末4からサーバコンピュータ3に送信することができる。したがって、サーバコンピュータ3がユーザーデータ5を受け取ることにより、ユーザーUにより選択された寺院Tを葬儀場所及び仕様に基づき、葬祭業者(葬儀コーディネータ)Cは葬儀を企画することができる。
【0025】
ユーザー端末4…は、インターネットNに接続可能な端末を用いることができ、具体的には、一般的な汎用パソコンをはじめ、ノートパソコン等のモバイル端末、更にはスマートホンなどを利用できる。
【0026】
また、22はサーバコンピュータ3に接続した入出力部を示す。この入出力部22は、キーボート及びマウス等の入力部を含むとともに、各種画面41…の表示を行うディスプレイが含まれる。したがって、サーバコンピュータ3と相互通信可能な一般的な汎用パソコン等を利用可能であり、サーバコンピュータ3に対してアクセス可能なオフライン用のユーザー端末4の一つとして機能させることできる。このように、サーバコンピュータ3とユーザー端末4を、オフラインにより接続すれば、例えば、葬儀コーディネータ(葬祭業者)Cの営業所等において、インターネットNを利用することなく、オフラインにより葬儀システム1を利用することができる。なお、
図1中、Tは寺院を示す。
次に、本実施形態に係る葬儀システム1の利用方法及び機能について、
図4-
図8を参照しつつ
図2及び
図3に示すフローチォートに従って説明する。
【0027】
図2は、葬儀システム1を管理する葬儀コーディネータ(葬祭業者)C側の処理を示すとともに、
図3は、葬儀システム1を利用するユーザーU側の処理を示す。
【0028】
まず、葬儀コーディネータC側の処理について説明する。最初に、葬儀コーディネータCは、寺院Tに関する情報を入手する(ステップS1)。即ち、インターネット情報や実
際の寺院を視察するなどにより、各地域の寺院Tに関する情報を入手する。この後、入手した寺院Tに関する情報に基づき、葬儀を実施することが可能か否かを判断する(ステップS2)。そして、葬儀を行うことが可能と判断した場合には、寺院T側の僧侶或いは管理者等と交渉を行い、同意(許諾)を得るとともに、同意が得られたなら条件を取り決めた所定の契約を行う(ステップS3)。
【0029】
次いで、葬儀コーディネータCは、寺院Tを葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データ2を作成する(ステップS4)。この仕様書データ2には、写真11,特徴記載(特徴記載シート)12,見取
図13,配置
図15,動線
図16,地図や見積書等のその他の付随情報17等が含まれる。
【0030】
図4は、ユーザー端末4におけるディスプレイの画面41に、4枚の写真11…と各写真11…に対応する説明文11s…を表示した例を示す。例示した写真11…において、11aは寺院Tの正面写真,11bは寺院Tの本堂の内部写真を示す。このように、使用する写真11…の場所や枚数などは任意であり、その他、祭壇,通夜室,控室,庫裡,キッチン,トイレ,入口,受付場所,庭園,駐車場等をはじめ、備品14を配置した状態,棺桶の誘導ポイント等の各種の写真を使用することができる。
【0031】
図5は、ディスプレイの画面41に、特徴記載シート12を表示した場合を示す。この特徴記載シート12には、寺院Tの住所及び連絡方法,宗派,他宗派の受入有無,空調の有無,収容人数などの書誌的事項をはじめ、寺院Tのアピールポイント(庭園,ロケーション等)、さらには、通夜時の流れの概要,納棺時の流れの概要,葬儀時の流れの概要などが記載される。したがって、上述した写真11…などと併用することにより、葬儀全体をイメージすることができる。
【0032】
図6は、ディスプレイの画面41に、本堂13mの内部の見取
図13、特に、備品14等を配置していない状態の見取図を示すとともに、
図7は、この見取
図13で示す本堂13mに、備品14、即ち、イス又は座布団31…,プロジェクタ設置台32,マイク/スピーカ等を含むPC機器33,電源34,テーブル35等の備品14を配置した場合のレイアウト図(配置
図15)を示す。
【0033】
このように、仕様書データ2に、寺院Tに係わる、写真11,特徴記載シート12及び見取
図13を含ませれば、ユーザーは、視覚的な観点から寺院Tの状態を把握できるため、葬儀の内容や葬儀の雰囲気等を容易かつ的確にイメージすることができる。また、見取
図13に、葬儀に使用する備品14を配置した配置
図15を含ませれば、より具体的な葬儀のイメージを把握できるため、参列者の人数や位置関係、動線などのより詳細な葬儀内容を企画することができる。その他、
図8は、ディスプレイの画面41に、駐車場18p等の場所を含むアクセス地
図18を示す。
【0034】
そして、このような仕様書データ2を作成したなら寺院Tの確認をとる(ステップS5)。この際、修正及び訂正等がある場合には、必要な修正,訂正,追加,削除を行う(ステップS6,S7,S4…)。これに対して、修正及び訂正等がない場合には、寺院Tに関する最終的な寺院データファイルを作成する(ステップS8)。さらに、他の寺院Tに対する寺院データファイルを作成する場合にも同様の処理手順により作成する(ステップS9,S1…)。纏まった数量の寺院データファイルが作成されたなら、これらの寺院データファイルを、寺院データベースDtとしてサーバコンピュータ3のデータ保持装置21に登録(アップロード)する(ステップS10)。これにより、寺院データベースDtは、所定のウェブサイトと共に、インターネットN上(ウェブ上)に公開可能となる(ステップS11)。
【0035】
次に、葬儀システム1を利用するユーザーU側の処理について説明する。
図3は、葬儀システム1を利用するユーザーU側の処理を示す。
【0036】
まず、ユーザーUは、インターネットNに接続したユーザー端末4を用いてサーバコンピュータ3に登録した葬儀システム1に係わるウェブサイトにアクセスする(ステップS21)。これにより、ユーザー端末4のディスプレイには葬儀システム1のトップページが表示される(ステップS22)。そして、ユーザーUは、トップページのガイドに従って寺院データファイルを閲覧することができる(ステップS23)。ユーザーUは、仕様書データ2の内容、即ち、ディスプレイに表示される前述した
図4-
図8に例示した、写真11,特徴記載シート12,見取
図13等を確認し、希望する寺院Tを検索するとともに、希望する寺院Tが見つかったなら、選択キーにより寺院Tの選定を行う(ステップS24,S25)。
【0037】
一方、寺院Tを選定したなら、ユーザーUに係わる必要なユーザー情報を含むユーザーデータ5を作成する。この場合、ユーザー情報を入力するためのユーザー入力画面が表示されるため、必要なユーザー情報を書き込むことにより、ユーザーデータ5を作成することができる(ステップS26)。
【0038】
ユーザー情報としては、例えば、住所/氏名等の書誌的事項51,参列を予定している人数52,宗派53,葬儀に関する個別のリクエスト54,その他の付随情報55等を入力することができる。
【0039】
以上の入力が終了したなら送信キーをタッチして送信を行う(ステップS27)。これにより、葬儀コーディネータCは、ユーザーデータ5を受信できるため、内容を確認する(ステップS28)。そして、葬儀コーディネータCによりユーザーデータ5を確認した結果、葬儀を行うことが困難な場合には、理由を付してユーザーUに対して返信を行う(ステップS29)。また、葬儀を行うことが可能な場合には、ユーザーUに対してその旨の返信を行うとともに、ユーザーデータ5に基づいて葬儀のプラニングを行う(ステップS29,S30)。
【0040】
また、プラニングが終了したなら、プラニングデータをユーザーUに送信して確認を取るとともに、確認が取れたなら、最終的なプラニングデータを寺院Tに対して送信する(ステップS31)。
【0041】
これにより、葬儀コーディネータCは、ユーザーUの希望に応じ、所望の寺院Tを利用して葬儀を実施することができる(ステップS32)。
【0042】
このように、本実施形態に係る葬儀システム1によれば、基本的なシステム構成として、葬儀コーディネータCにより所定の寺院Tを葬儀場所に使用して葬儀を実施する際の仕様に係わる仕様書データ2を作成し、かつ作成した複数の寺院T…毎の仕様書データ2…を、寺院データベースDtとして所定のサーバコンピュータ3にアップロードするとともに、任意のユーザーUのユーザー端末4から寺院データベースDtにアクセス可能に構成し、少なくともユーザーUにより選択された寺院T及びユーザーUに係わるユーザー情報を含むユーザーデータ5を、サーバコンピュータ3が受け取ったなら、ユーザーUにより選択された寺院Tを葬儀場所として葬儀を実施可能に構成したため、各寺院単位で中規模かつ独自の葬儀を行うことができるとともに、教会のように寺院を身近に感じるメリット及び寺院自体の有効利用を図るメリットを享受できるなど、新たな葬儀形式のビジネスモデルとして提供することができる。
【0043】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0044】
例えば、葬儀コーディネータは、葬祭業者と同様の意味を有しているが、基本的には、本発明に係る葬儀システム1を管理する管理者としての概念である。また、寺院Tは狭義の寺院のみならず葬儀システム1を同様に利用可能な神社を含む広義の概念である。さらに、仕様書データ2は、盛り込む内容として、主要となる代表的な内容を例示したが、寺院Tを使用する際に必要となる様々な内容を盛り込むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る葬儀システムは、寺院を葬儀場所に使用して各種葬儀を行う際に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1:葬儀システム,2:仕様書データ,3:サーバコンピュータ,4:ユーザー端末,5:ユーザーデータ,11:写真,12:特徴記載シート,13:見取図,14:備品,15:配置図,C:葬儀コーディネータ(葬祭業者),T:寺院,Dt:寺院データベース,U:ユーザー,N:インターネット