(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004711
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】企業信用度評価システム及び企業信用度評価方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20230110BHJP
G06Q 30/0242 20230101ALI20230110BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106592
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】519356021
【氏名又は名称】d.a.t.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】新原 崇之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】複数の広告主のそれぞれが利用する複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システム上の広告実績を当該広告主の信用情報として評価する。
【解決手段】複数の広告主のそれぞれが利用する広告主端末120から、複数の広告システム110のうちの少なくとも1つの広告システムを利用するためのアカウント情報を受け付けて、当該アカウント情報を、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部141に登録するアカウント情報登録部140と、アカウント情報に基づいて、複数の広告主のそれぞれについて、広告主が利用する少なくとも1つの広告システムのそれぞれから、広告主の広告実績情報を取得する広告実績情報取得部142と、広告実績情報に基づき、複数の広告主のそれぞれについて、広告主の信用度を示す信用度情報を生成する信用度情報生成部150と、を備える企業信用度評価システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の広告主のそれぞれが利用する広告主端末から、複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システムを利用するためのアカウント情報を受け付けて、当該アカウント情報を、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部に登録するアカウント情報登録部と、
前記アカウント情報に基づいて、前記複数の広告主のそれぞれについて、前記広告主が利用する前記少なくとも1つの広告システムのそれぞれから、前記広告主の広告実績情報を取得する広告実績情報取得部と、
前記広告実績情報に基づき、前記複数の広告主のそれぞれについて、前記広告主の信用度を示す信用度情報を生成する信用度情報生成部と、
を備える企業信用度評価システム。
【請求項2】
前記複数の広告主のうちの1つの広告主の信用度を示す前記信用度情報を、当該広告主が利用する前記広告主端末に提供する信用度情報提供部をさらに備える請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項3】
前記広告実績情報及び前記信用度情報の少なくともいずれか一方を、外部の情報処理システムに提供する審査参考情報提供部をさらに備える請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項4】
前記広告実績情報は、広告主が前記広告システムを利用して広告を配信した際の費用を示す広告費用情報を少なくとも含み、
前記信用度情報生成部は、少なくとも前記広告費用情報に基づいて、前記信用度情報を生成する、
請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項5】
前記広告実績情報は、広告主が前記広告システムを利用して広告を配信した期間を示す広告配信期間情報を少なくとも含み、
前記信用度情報生成部は、少なくとも前記広告配信期間情報に基づいて、前記信用度情報を生成する、
請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項6】
前記広告実績情報は、広告主が前記広告システムを利用して配信した広告のクリック率を示すクリック率情報を少なくとも含み、
前記信用度情報生成部は、少なくとも前記クリック率情報に基づいて、前記信用度情報を生成する、
請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項7】
前記広告実績情報及び前記信用度情報に基づいて、前記複数の広告主のそれぞれについて、前記広告実績情報と前記信用度情報の乖離度合を示す乖離情報を生成する乖離情報生成部をさらに備える請求項1に記載の企業信用度評価システム。
【請求項8】
前記乖離情報生成部は、少なくとも前記広告実績情報に含まれる広告費用情報及び前記信用度情報から推定される推定広告利用可能額情報に基づいて、乖離情報を生成する請求項7に記載の企業信用度評価システム。
【請求項9】
前記乖離情報生成部は、少なくとも前記広告実績情報に含まれる当該広告主及び他広告主の広告費用情報並びに前記信用度情報に基づいて、乖離情報を生成する請求項7に記載の企業信用度評価システム。
【請求項10】
前記企業信用度評価システムは、前記乖離情報を、当該広告主が利用する前記広告主端末に提供する乖離情報提供部をさらに備える請求項7に記載の企業信用度評価システム。
【請求項11】
前記乖離情報提供部は、前記乖離情報を、外部の情報処理システムに提供する請求項10に記載の企業信用度評価システム。
【請求項12】
コンピュータが、
複数の広告主のそれぞれが利用する広告主端末から、複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システムを利用するためのアカウント情報を受け付けて、当該アカウント情報を、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部に登録し、
前記アカウント情報に基づいて、前記複数の広告主のそれぞれについて、前記広告主が利用する前記少なくとも1つの広告システムのそれぞれから、前記広告主の広告実績情報を取得し、
前記広告実績情報に基づき、前記複数の広告主のそれぞれについて、前記広告主の信用度を示す信用度情報を生成する
企業信用度評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業信用度評価システム及び企業信用度評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、インターネット画面に広告を掲載するインターネット広告の利用が拡大している。広告主は、インターネット広告サービス提供事業者が管理する広告システムへのアクセスを通じて、閲覧数やクリック数等の広告実績データを取得し、広告実績を確認することができる。その上で、広告主は、広告実績データに基づき、広告掲載効果を評価している(例えば、特許文献1)。また、店舗における直近の販売実績データ及び広告実績データに基づき、店舗に対する融資条件を判定する技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5425941号公報
【特許文献2】特許第5406392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業の信用力の評価方法として、決算書等の財務情報を基にした中長期的な観点での与信評価が行われている。そして、与信評価結果に基づいて、融資審査や決済に係る金融サービスの審査等がなされている。
【0005】
しかしながら、創業間もない新興企業においては十分な財務情報が累積していないことから、新興企業の与信評価は困難となっている。その結果、融資審査や決済に係る金融サービスの審査等が適切になされず、新興企業の成長の阻害につながっている。また、新興企業の業績の変動は激しいことから、決算書等の財務情報を基にした中長期的な観点での評価によって新興企業の与信を評価することは必ずしも適切でなく、より短期的な観点での与信評価が求められている。
【0006】
この点、新興企業は、通常、自社商品及び役務の提供に際して、様々な広告システムを利用して広告を展開している。効果的な広告展開は、当該新興企業の認知度の向上、さらには認知度向上に伴う業績向上につながる。そのため、展開している広告の実績に関する情報は、新興企業の認知度や業績と連動しうるものである。そして、業績に関する情報は当該企業の信用力評価の際に考慮されうる財務情報であることから、広告の実績に関する情報は、当該企業の信用力に影響を与えうる。
【0007】
ここで、特許文献2の評価システムは、店舗ごとに、信用情報生成に必要となる広告実績データを含む情報を取得し、信用情報を評価する。しかしながら、特許文献2では、複数の広告システムを利用した広告の実績に関する情報に基づく与信評価は前提とされていない。そのため、様々な広告システムを利用して広告を展開している企業の与信評価を行うことは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、様々な広告システムを利用する複数の広告主の信用度を評価することが可能な企業信用度評価システム及び企業信用度評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る企業信用度評価システムは、複数の広告主のそれぞれが利用する広告主端末から、複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システムを利用するためのアカウント情報を受け付けて、当該アカウント情報を、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部に登録するアカウント情報登録部と、アカウント情報に基づいて、複数の広告主のそれぞれについて、広告主が利用する少なくとも1つの広告システムのそれぞれから、広告主の広告実績情報を取得する広告実績情報取得部と、広告実績情報に基づき、複数の広告主のそれぞれについて、広告主の信用度を示す信用度情報を生成する信用度情報生成部と、を備える。
【0010】
また、本発明の一態様に係る企業信用度評価方法は、コンピュータが、複数の広告主のそれぞれが利用する広告主端末から、複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システムを利用するためのアカウント情報を受け付けて、当該アカウント情報を、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部に登録し、アカウント情報に基づいて、複数の広告主のそれぞれについて、広告主が利用する少なくとも1つの広告システムのそれぞれから、広告主の広告実績情報を取得し、広告実績情報に基づき、複数の広告主のそれぞれについて、広告主の信用度を示す信用度情報を生成する。
【0011】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、様々な広告システムを利用する複数の広告主の信用度を評価することが可能な企業信用度評価システム及び企業信用度評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態である企業信用度評価システム100の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、広告主端末120に表示されるアカウント情報登録の受け付けの例を示す図である。
【
図3】
図3は、アカウント情報記憶部141に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、広告実績情報記憶部143に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、信用度情報記憶部151に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、広告主端末120に表示される信用度情報の提供の例を示す図である。
【
図7】
図7は、乖離情報記憶部161が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、広告主端末120に表示される乖離情報の提供の例を示す図である。
【
図9】
図9は、企業信用度評価システム100における処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である企業信用度評価システム100の構成を示す図である。
【0015】
企業信用度評価システム100は、広告システム110、広告主端末120及び情報処理システム130と、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。企業信用度評価システム100は、広告システム110から複数の広告主の広告実績情報を取得し、取得した広告実績情報に基づいて各広告主の信用度情報を生成する。さらに、企業信用度評価システム100は、広告実績情報及び信用度情報の少なくともいずれか一方を広告主端末120及び情報処理システム130に提供する。企業信用度評価システム100の詳細については、後述する。
【0016】
広告システム110は、インターネット広告のプラットフォームであり、リスティング広告やディスプレイ広告に代表されるように、特定の条件を満たすインターネット閲覧者の端末画面に特定のインターネット広告を表示するシステムである。
【0017】
まず、広告主は、配信を希望する広告データや配信条件を指定し、広告システム110に配信を依頼する。次に、広告システム110は、広告主が指定する広告データや配信条件等に基づいて、インターネット広告を配信する。その上で、広告主は、広告システム110へのブラウザからのアクセス(ウェブスクレイピングも含む)若しくはAPI(Application Program Interface)を通じたアクセスにより、広告システム110を利用して配信した広告の配信実績に関する広告実績情報を取得することができる。
【0018】
広告システムによって提供される広告実績情報には、例えば、広告の配信期間、配信場所、配信時刻、表示時間、インプレッション数、クリック数、コンバージョン数等の、広告配信の実績を示す様々な情報が含まれる。インプレッション数は広告の表示回数であり、クリック数は広告がクリックされた回数であり、コンバージョン数は広告により誘導する行動(成果行動)を実際にユーザが行った回数である。
【0019】
このように、広告システム110は、広告主から広告配信の依頼を受け付け、広告主の依頼に基づいてインターネット上で広告を配信し、広告実績情報を広告主に提供する情報処理システムであり、1台又は複数台のコンピュータを用いて構成される。なお、
図1では、広告システム110の例として、広告システム110a、110b、110cの3つを示しているが、広告システムの数はこれに限られない。
【0020】
広告主端末120は、広告主が利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ここで、広告主とは、広告システム110を利用する者であればよく、広告の対象となる商品や役務を提供する企業であってもよいし、そのような企業を代理する広告代理店であってもよい。広告主は、広告主端末120を用いて、広告システム110を利用した広告配信に際して必要となる広告システム110上のアカウントを作成し、広告システム110に広告配信を依頼する。広告システム110を利用した広告配信に際して必要となるアカウント情報には、例えば、ID情報、パスワード情報、トークン情報等が含まれる。
【0021】
また、広告主は、広告主端末120を用いて企業信用度評価システム100を利用することができる。具体的には、広告主は、企業信用度評価システム100に広告システム110のアカウント情報(ID情報、パスワード情報、トークン情報等)を登録することにより、外部の複数の広告システムを利用して配信した広告の広告実績情報をまとめて取得することができる。広告主端末120からは、企業信用度評価システム100専用のプログラム又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムを介して企業信用度評価システム100にアクセスすることができる。なお、広告主は、企業信用度評価システム100を利用せずに、各広告システム110の広告実績情報を個別に取得することもできる。
【0022】
情報処理システム130は、例えば、与信審査のために用いられるシステムであり、1台又は複数台のコンピュータを用いて構成される。情報処理システム130は、例えば、クレジットカードの発行及び利用限度額の審査、対象者への融資可否及び融資額の審査、並びにファクタリングにおける売掛先の与信審査等に活用される。情報処理システム130がクレジットカード利用者の与信審査を行う場合には、情報処理システム130は、例えば、クレジットカード利用者の収入、職業、過去のクレジットカード利用実績等の情報に基づいて、利用者の与信を審査し、クレジットカードの利用限度額を設定する。なお、情報処理システム130は、企業信用度評価システム100から広告主の信用度を示す情報を受信するシステムであればよく、必ずしも利用者の与信審査を行わなくてもよい。
【0023】
次に、企業信用度評価システム100の詳細について説明する。
図1に示すように、企業信用度評価システム100は、アカウント情報登録部140、アカウント情報記憶部141、広告実績情報取得部142、広告実績情報記憶部143、信用度情報生成部150、信用度情報記憶部151、信用度情報提供部152、審査参考情報提供部153、乖離情報生成部160、乖離情報記憶部161、及び乖離情報提供部162を備える。企業信用度評価システム100を構成するコンピュータは、プロセッサ及び記憶領域を備える。
図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0024】
アカウント情報登録部140は、広告システム110にアクセスするためのアカウント情報を広告主端末120から受け付け、広告主を識別する広告主識別情報と対応づけてアカウント情報記憶部141に格納する。アカウント情報は、ID情報、パスワード情報、トークン情報等を含む。なお、アカウント情報登録部140は、アカウント情報を、広告主端末120からではなく、広告主端末120で指定された広告システム110から取得してもよい。
【0025】
図2は、広告主端末120に表示されるアカウント情報登録の受け付けの例を示す図である。
図2に示す画面は、登録対象として広告システムを選択する領域200、登録対象の広告システムの名称やロゴを表示する領域210及び登録開始を実行する領域220を含む。登録開始を実行すると、広告システム110によってそれぞれ定められた登録方法に沿って登録手続きが進められる。登録手続きの完了後、企業信用度評価システム100による広告システム110へのアクセスに際して必要となるアカウント情報(ID情報、パスワード情報、トークン情報等)が、アカウント情報登録部140によってアカウント情報記憶部141に格納される。なお、
図2に示す画面は、領域200及び210が別個の領域として設けられているが、領域200及び210は同一の領域に設けられていてもよい。
【0026】
図3は、アカウント情報記憶部141に記憶される情報の一例を示す図である。アカウント情報記憶部141に記憶される情報は、例えば、広告主ID、広告システムID及びアカウント情報を含む。
【0027】
広告主IDは、企業信用度評価システム100のユーザである広告主を識別する広告主識別情報である。広告主IDは、企業信用度評価システム100で生成される情報であってもよいし、メールアドレス等の他の情報でもよい。広告システムIDは、企業信用度評価システム100において、広告システム110を識別するための情報である。アカウント情報は、企業信用度評価システム100による広告システム110へのアクセスに際して必要となるアカウント情報(ID情報、パスワード情報、トークン情報等)である。
【0028】
広告実績情報取得部142は、アカウント情報記憶部141に記憶されているアカウント情報に基づいて広告システム110にアクセスして各広告主の広告実績情報を取得し、広告実績情報記憶部143に格納する。
【0029】
広告実績情報取得部142が広告システム110から広告実績情報を取得するタイミングは、任意に設定することができる。例えば、広告実績情報取得部142は、週に1回等の予め定められた周期的なタイミングで広告システム110にアクセスしてもよいし、広告配信の終了時等の特定のタイミングで広告システム110にアクセスしてもよい。また、広告主端末120からの指示に応じて広告システム110にアクセスしてもよい。なお、広告実績情報取得部142は、例えば、ウェブスクレイピングやAPI(Application Program Interface)を用いて、広告システム110から広告実績情報を取得することができる。
【0030】
図4は、広告実績情報記憶部143に記憶される情報の一例を示す図である。広告実績情報記憶部143に記憶される情報は、例えば、広告主ID、広告システムID、広告ID及び広告実績情報を含む。
【0031】
広告IDは、広告主が配信している広告を識別する広告識別情報である。広告IDは、企業信用度評価システム100で生成されてもよいし、広告実績情報に含まれていてもよい。
【0032】
広告実績情報は、例えば、広告費用情報、広告配信期間情報、クリック率情報を含む。広告費用情報は、広告システムを利用して広告を配信した際の費用を示す情報である。広告配信期間情報は、広告システムを利用した当該広告の配信を開始した日から、当該広告の配信が終了していれば終了した日まで、当該広告の配信が終了していなければ現在までの期間を示す情報である。クリック率情報は、広告表示回数に対する、広告閲覧者による広告クリックの回数の割合を示す情報である。なお、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報は、広告システムから取得された広告実績情報そのものでなくてもよい。また、広告実績情報に含まれる項目は、広告システム110ごとに異なっていてもよい。
【0033】
信用度情報生成部150は、広告実績情報記憶部143に記憶されている情報に基づいて、広告主それぞれの信用度情報を生成し、信用度情報記憶部151に格納する。信用度情報は、広告主の与信審査に活用し得る情報であればよく、例えば、点数形式であってもよいし、売上期待値等の金額形式であってもよいし、倒産可能性等の確率形式であってもよい。信用度情報生成部150は、例えば、広告実績情報記憶部143に記憶される広告費用情報、広告配信期間情報若しくはクリック率情報に関する情報に基づいて信用度情報を生成する。また、信用度情報生成部150は、信用度情報から推定される、広告主が広告に投下可能な資金規模を示す推定広告利用可能額情報を生成する。
【0034】
信用度情報生成部150が広告実績情報記憶部143に記憶される広告費用情報に基づいて信用度情報を生成する場合には、信用度情報生成部150は、例えば、広告費用が高額であるほど広告主の事業規模が大きいと判断することができる。具体的には、信用度情報生成部150は、広告費用がより高額な広告主により高い信用度を与えるように、信用度情報を生成してもよい。
【0035】
また、信用度情報生成部150が広告実績情報記憶部143に記憶される広告配信期間情報に基づいて信用度情報を生成する場合には、信用度情報生成部150は、例えば、広告配信期間が長期に亘っているほど広告主の事業が安定していると判断することができる。具体的には、信用度情報生成部150は、広告配信期間がより長期に亘っている広告主により高い信用度を与えるように、信用度情報を生成してもよい。
【0036】
また、信用度情報生成部150が広告実績情報記憶部143に記憶されるクリック率情報に基づいて信用度情報を生成する場合には、信用度情報生成部150は、例えば、高いクリック率を有する広告を配信している広告主ほど広告主の事業が社会から注目されていると判断することができる。具体的には、信用度情報生成部150は、より高いクリック率を有する広告を配信している広告主により高い信用度を与えるように、信用度情報を生成してもよい。
【0037】
図5は、信用度情報記憶部151に記憶される情報の一例を示す図である。信用度情報記憶部151に記憶される情報は、例えば、広告主ID及び信用度情報を含む。信用度情報記憶部151が記憶する信用度情報は、信用度情報生成部150による生成手法に応じて、1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。また、信用度情報記憶部151が記憶する信用度情報は、信用度情報から推定される推定広告利用可能額情報を含んでもよい。
【0038】
信用度情報提供部152は、信用度情報記憶部151に記憶された信用度情報を広告主端末120に提供する。
【0039】
図6は、広告主端末120に表示される信用度情報の提供の例を示す図である。
図6に示す画面は、広告主の信用度を表示する領域600及び広告主の広告実績情報を表示する領域610(610a、610b、610c、・・・)を含む。なお、
図6に示した画面は信用度情報提供の一例であり、信用度情報を提供するためのユーザインターフェースはこれに限られない。例えば、信用度情報の提供は、企業信用度評価システム100の画面上で行われるのではなく、電子メールでの送付や、企業信用度評価システム100からのダウンロード等の他の手段を用いて行われてもよい。また、信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報の一部の情報のみを広告主端末120に提供してもよいし、全部の情報を広告主端末120に提供してもよい。また、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報の一部の情報のみを広告主端末120に提供してもよいし、全部の情報を広告主端末120に提供してもよい。
【0040】
審査参考情報提供部153は、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報及び信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報の少なくともいずれか一方を、広告主の与信審査の参考情報として、情報処理システム130に提供する。提供の形態として、審査参考情報提供部153が広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報を情報処理システム130に提供し、情報処理システム130が当該広告実績情報に基づいて広告主の与信審査を行ってもよい。また、審査参考情報提供部153が信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報を情報処理システム130に提供し、情報処理システム130が当該信用度情報に基づいて広告主の与信審査を行ってもよい。また、審査参考情報提供部153が、広告実績情報及び信用度情報の両方を情報処理システム130に提供し、情報処理システム130が当該広告実績情報及び当該信用度情報の少なくともいずれか一方に基づいて広告主の与信審査を行ってもよい。ここで、情報処理システム130による与信審査には、融資審査や決済に係る金融サービスの審査等を含む。なお、情報処理システム130が広告主の与信審査を行わない場合には、情報処理システム130は、審査参考情報をさらに別のシステムに提供してもよい。
【0041】
乖離情報生成部160は、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報及び信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報に基づいて、広告実績情報と信用度情報の乖離度合を示す乖離情報を生成し、乖離情報記憶部161に格納する。乖離情報は、乖離が大きいほど、当該広告主の広告利用実績が、当該広告主の信用度と若しくは同水準の信用度を有する他広告主の広告利用実績と見合っていないことを示す情報である。例えば、乖離情報は、広告主の広告利用実績と、当該広告主の信用度情報から推定される推定広告利用可能額若しくは当該広告主の信用度情報と同水準の他広告主の平均広告利用実績との乖離度合に基づいて生成される。
【0042】
乖離情報生成部160は、例えば、広告実績情報に含まれる広告費用情報及び信用度情報から推定される推定広告利用可能額情報に基づいて、広告費用と推定広告利用可能額の差額を、乖離情報として生成する。また、乖離情報生成部160は、例えば、広告実績情報に含まれる広告費用情報及び同水準の信用度を有する他広告主の平均広告費用に基づいて、当該広告主の広告費用と同水準他広告主の平均広告費用との差額を、乖離情報として生成する。
【0043】
図7は、乖離情報記憶部161が記憶する情報の一例を示す図である。乖離情報記憶部161に記憶される情報は、例えば、広告主IDと乖離情報を含む。乖離情報の種類は、乖離情報生成部160による生成手法に応じて、1種類のみあってもよいし、複数種類であってもよい。
【0044】
乖離情報提供部162は、乖離情報記憶部161に記憶される乖離情報を、当該広告主が利用する広告主端末120及び情報処理システム130の少なくともいずれか一方に提供する。乖離情報提供部162は、乖離情報そのものを提供してもよいし、乖離情報に基づく提案情報を提供してもよい。提案情報には、例えば、広告配信の拡大若しくは縮小に向けた検討を促す情報であってもよいし、クレジットカード利用限度額の増額若しくは減額に向けた検討を促す情報でもよい。また、乖離情報提供部162は、乖離情報記憶部161に記憶される広告主全員に、それぞれの乖離情報を提供してもよいし、乖離が一定値以上である等の所定の条件を満たす広告主のみに、それぞれの乖離情報を提供してもよい。
【0045】
図8は、広告主端末120に表示される乖離情報の提供の例を示す図である。
図8に示す画面は、企業信用度評価システム100に登録されたクレジットカードの情報を表示する領域800(800a、800b、・・・)及び乖離情報を表示する領域810(810a、810b、・・・)を含む。
図8に示す画面では、領域810aに、乖離情報に基づく提案情報として広告配信の拡大に向けた検討を促す情報が表示され、領域810bに、乖離情報に基づく提案情報としてクレジットカード利用限度額の増額に向けた検討を促す情報が表示されている。
【0046】
なお、
図8に示した画面は乖離情報提供の一例であり、乖離情報を提供するためのユーザインターフェースはこれに限られない。例えば、乖離情報の提供は、企業信用度評価システム100の画面上で行われるのではなく、電子メールでの送付や、企業信用度評価システム100からのダウンロード等の他の手段を用いて行われてもよい。
【0047】
図9は、企業信用度評価システム100における処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0048】
アカウント情報登録部140は、広告システム110にアクセスするためのアカウント情報を広告主端末120から受け付けてアカウント情報記憶部141に登録する(S901)。なお、アカウント情報登録部140は、広告主端末120からの操作に応じて、広告システム110と連携してアカウント情報を登録してもよい。広告実績情報取得部142は、アカウント情報記憶部141に記憶されているアカウント情報に基づいて広告システム110にアクセスして広告実績情報を取得し、広告実績情報記憶部143に格納する(S902)。
【0049】
信用度情報生成部150は、広告実績情報記憶部143に記憶される情報に基づいて、対応する広告主の信用度情報を生成し、信用度情報記憶部151に格納する(S903)。信用度情報提供部152は、信用度情報記憶部151に記憶された信用度情報を広告主端末120に提供する(S904)。審査参考情報提供部153は、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報及び信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報の少なくともいずれか一方を、広告主の与信審査の参考情報として、情報処理システム130に提供する(S905)。
【0050】
乖離情報生成部160は、広告実績情報記憶部143に記憶される広告実績情報及び信用度情報記憶部151に記憶される信用度情報に基づいて、乖離情報を生成する(S906)。乖離情報提供部は、乖離情報及び乖離情報に基づく提案情報の少なくともいずれか一方を、広告主端末120及び情報処理システム130の少なくともいずれか一方に提供する(S907、S908)。なお、
図9に示している処理の順序はこれに限られるものではない。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明した。企業信用度評価システム100は、複数の広告主が利用する複数の広告システムのうちの少なくとも1つの広告システム上の広告実績を示す広告実績情報を取得し、当該広告実績情報に基づいて、広告主の信用度情報を生成することができる。これにより、広告主が利用する様々な広告プラットフォームにおける広告実績情報を取得し、広告主ごとに、広告プラットフォームでの配信実績に基づいた信用度情報及び様々な広告プラットフォームでの配信実績を加味した総合的な信用度情報を生成することができる。
【0052】
また、企業信用度評価システム100は、信用度情報を広告主端末120に提供することができる。これにより、広告主が、様々な広告プラットフォームにおける広告実績情報に基づく自身の信用度を把握することができる。
【0053】
また、企業信用度評価システム100は、広告実績情報及び信用度情報の少なくともいずれか一方を、情報処理システム130に提供することができる。これにより、情報処理システム130は、様々な広告プラットフォームにおける広告主の広告実績及び広告実績に基づく信用度を与信審査の参考情報とすることができる。
【0054】
また、企業信用度評価システム100は、広告実績情報及び信用度情報に基づいて、乖離情報を生成することができる。そして、企業信用度評価システム100は、乖離情報及び乖離情報に基づく提案情報の少なくともいずれか一方を、広告主端末120及び情報処理システム130の少なくともいずれか一方に提供することができる。これにより、広告主は、広告配信の拡大若しくは縮小に向けた検討の必要性を効率よく把握することができ、また、広告主及び情報処理システムは、クレジットカード利用限度額の増額若しくは減額に向けた検討の必要性を効率よく把握することができる。
【0055】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0056】
100 企業信用度評価システム、110 広告システム、120 広告主端末、130 情報処理システム、140 アカウント情報登録部、141 アカウント情報記憶部、142 広告実績情報取得部、143 広告実績情報記憶部、150 信用度情報生成部、151 信用度情報記憶部、152 信用度情報提供部、153 審査参考情報提供部、160 乖離情報生成部、161 乖離情報記憶部、162 乖離情報提供部