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特開2023-47125情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047125
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230329BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156068
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】503369495
【氏名又は名称】帝人ファーマ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515131518
【氏名又は名称】株式会社Mealthy
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝之
(72)【発明者】
【氏名】菅野 崇史
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 大介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定する。
【解決手段】疾病情報取得部102は、生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する。選択部103は、少なくとも一つの関連疾病と関連疾病を改善するための複数の目標とが対応付けられた対応情報と、疾病情報取得部102が取得した疾病情報とに基づいて、複数の目標の中から特定の目標を選択する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する疾病情報取得部と、
前記少なくとも一つの関連疾病と前記関連疾病を改善するための複数の目標とが対応付けられた対応情報と、前記疾病情報取得部が取得した前記疾病情報とに基づいて、前記複数の目標の中から特定の目標を選択する選択部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部が選択した前記特定の目標を示す情報を出力する目標出力部を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対応情報は、前記少なくとも一つの関連疾病と前記関連疾病において臨床的見地から達成すべき目標である複数の達成目標とが対応付けられた第1対応情報を含み、
前記選択部は、前記複数の達成目標の中から前記第1対応情報により前記対象関連疾病に対応付けられた達成目標を選択し、前記選択した達成目標の中から特定の達成目標を選択する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応情報は、前記複数の達成目標と前記達成目標を達成するための行動の目標である複数の行動目標とが対応付けられた第2対応情報を含み、
前記選択部は、前記複数の行動目標の中から前記第2対応情報により前記特定の達成目標に対応付けられた行動目標を選択し、前記選択した行動目標の中から特定の行動目標を選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記行動目標を選択した後、前記行動目標について、指導者による確認と修正とのうち少なくとも一方を受け付ける、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記行動目標は、たばこ、仕事時間、睡眠時間、休日数、歩数のうち、少なくとも一つの項目に関する目標を含む、
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象者に対する性格に関する問診の結果を示す問診情報を取得する問診情報取得部と、
前記問診情報取得部が取得した前記問診情報に基づいて、前記対象者の性格を複数の性格タイプのうち何れかに分類する分類部と、を更に備え、
前記選択部は、前記疾病情報と前記分類部による分類結果とに基づいて、前記複数の目標の中から前記特定の目標を選択する、
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記性格に関する問診は、複数の性質のそれぞれについて、性質の強さを特定するための項目を備え、
前記分類部は、前記問診情報に基づいて、前記対象者における前記複数の性質のそれぞれの強さを特定し、特定した各性質の強さの関係性に基づいて前記対象者の性格を前記複数の性格タイプのうち何れかに分類する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記分類部は、前記特定した各性質の強さの関係性が前記複数の性格タイプのそれぞれに対して設けられた条件を満たすか否かを判別し、前記条件が満たされる性格タイプが複数存在する場合、前記対象者の性格を前記条件が満たされる複数の性格タイプのうち優先順位が最も高い性格タイプに分類する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記分類部は、各性質の関係性の重要度と前記疾病情報とのうち少なくとも一方に基づいて、前記優先順位を決定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記性格に関する問診は、ダミーに関する項目を備え、
前記分類部は、前記ダミーに関する項目に対する回答に特定の回答が含まれていた場合、前記問診情報取得部に再度前記問診情報を取得するようアラートを発出する、
請求項7から10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記目標に関する経過情報を取得する経過情報取得部を更に備え、
前記選択部は、前記経過情報取得部が取得した前記経過情報に基づいて、前記目標を再設定する、
請求項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記経過情報は、前記対象者の自己評価に基づく前記目標の達成率を含む、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記経過情報は、前記対象者の身長、体重、腹囲、栄養状態、血圧、歩数、脈拍、睡眠時間、血液検査における検査値のうち、少なくとも一つの項目を含む、
請求項12又は13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記経過情報は、前記対象者の食事を撮影した画像を含む、
請求項12から14の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記経過情報は、前記対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含む、
請求項12から15の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記経過情報は、前記目標に対する前記対象者の意見を含み、
時系列に沿う前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情の変化を分析する感情分析部を更に備え、
前記選択部は、前記感情分析部による分析結果に基づいて、前記目標を再設定する、
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記経過情報は、前記目標に対する前記対象者の意見を含み、
前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情を分析する感情分析部を更に備え、
前記選択部は、前記感情分析部による分析結果に基づいて、前記目標を再設定する、
請求項12から16の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記目標に関する経過情報であって、前記対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含み、前記目標に対する前記対象者の意見を含む経過情報を取得する経過情報取得部と、
時系列に沿う前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情の変化を分析する感情分析部と、
前記感情分析部による分析結果を出力する感情出力部と、を更に備える、
請求項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記目標に関する経過情報であって、前記目標に対する前記対象者の意見を含む経過情報を取得する経過情報取得部と、
前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情を分析する感情分析部と、
前記感情分析部による分析結果を出力する感情出力部と、を更に備える、
請求項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を指定する操作を前記対象者から受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記操作により指定された前記対象関連疾病を示す疾病情報を情報処理装置に送信する疾病情報送信部と、
前記情報処理装置が前記疾病情報に基づいて前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から選択した特定の目標を示す情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備える、
端末装置。
【請求項22】
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得し、
前記疾病情報に基づいて、前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から特定の目標を選択する、
情報処理方法。
【請求項23】
コンピュータを、
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する疾病情報取得部、
前記疾病情報取得部が取得した前記疾病情報に基づいて、前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から特定の目標を選択する選択部、として機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、生活習慣病を改善するために、健康管理の対象者が専門家の指導を受ける健康指導サービスが知られている。このような健康指導サービスでは、例えば、医師が端末装置を操作して患者の端末装置にアドバイスを送信する。
【0003】
例えば、特許文献1には、対象者の端末装置から受信した食事情報を解析して栄養情報を取得し、取得した栄養情報に対応するアドバイス情報を抽出し、抽出したアドバイス情報に基づいて生成した文例を、対象者の端末装置に送信する健康管理サーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-12569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、生活習慣病に対応する疾病を改善するためには、対象者は、疾病を改善するための目標を掲げ、この目標を達成するように努力することが望ましい。従って、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定し、設定した目標を対象者に提示することが重要である。しかしながら、特許文献1に記載された健康管理サーバでは、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定することは困難である。このため、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定する技術が望まれている。
【0006】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1の観点に係る情報処理装置は、
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する疾病情報取得部と、
前記少なくとも一つの関連疾病と前記関連疾病を改善するための複数の目標とが対応付けられた対応情報と、前記疾病情報取得部が取得した前記疾病情報とに基づいて、前記複数の目標の中から特定の目標を選択する選択部と、を備える。
【0008】
前記選択部が選択した前記特定の目標を示す情報を出力する目標出力部を更に備えてもよい。
【0009】
前記対応情報は、前記少なくとも一つの関連疾病と前記関連疾病において臨床的見地から達成すべき目標である複数の達成目標とが対応付けられた第1対応情報を含み、
前記選択部は、前記複数の達成目標の中から前記第1対応情報により前記対象関連疾病に対応付けられた達成目標を選択し、前記選択した達成目標の中から特定の達成目標を選択してもよい。
【0010】
前記対応情報は、前記複数の達成目標と前記達成目標を達成するための行動の目標である複数の行動目標とが対応付けられた第2対応情報を含み、
前記選択部は、前記複数の行動目標の中から前記第2対応情報により前記特定の達成目標に対応付けられた行動目標を選択し、前記選択した行動目標の中から特定の行動目標を選択してもよい。
【0011】
前記選択部は、前記行動目標を選択した後、前記行動目標について、指導者による確認と修正とのうち少なくとも一方を受け付けてもよい。
【0012】
前記行動目標は、たばこ、仕事時間、睡眠時間、休日数、歩数のうち、少なくとも一つの項目に関する目標を含んでいてもよい。
【0013】
前記対象者に対する性格に関する問診の結果を示す問診情報を取得する問診情報取得部と、
前記問診情報取得部が取得した前記問診情報に基づいて、前記対象者の性格を複数の性格タイプのうち何れかに分類する分類部と、を更に備え、
前記選択部は、前記疾病情報と前記分類部による分類結果とに基づいて、前記複数の目標の中から前記特定の目標を選択してもよい。
【0014】
前記性格に関する問診は、複数の性質のそれぞれについて、性質の強さを特定するための項目を備え、
前記分類部は、前記問診情報に基づいて、前記対象者における前記複数の性質のそれぞれの強さを特定し、特定した各性質の強さの関係性に基づいて前記対象者の性格を前記複数の性格タイプのうち何れかに分類してもよい。
【0015】
前記分類部は、前記特定した各性質の強さの関係性が前記複数の性格タイプのそれぞれに対して設けられた条件を満たすか否かを判別し、前記条件が満たされる性格タイプが複数存在する場合、前記対象者の性格を前記条件が満たされる複数の性格タイプのうち優先順位が最も高い性格タイプに分類してもよい。
【0016】
前記分類部は、各性質の関係性の重要度と前記疾病情報とのうち少なくとも一方に基づいて、前記優先順位を決定してもよい。
【0017】
前記性格に関する問診は、ダミーに関する項目を備え、
前記分類部は、前記ダミーに関する項目に対する回答に特定の回答が含まれていた場合、前記問診情報取得部に再度前記問診情報を取得するようアラートを発出してもよい。
【0018】
前記目標に関する経過情報を取得する経過情報取得部を更に備え、
前記選択部は、前記経過情報取得部が取得した前記経過情報に基づいて、前記目標を再設定してもよい。
【0019】
前記経過情報は、前記対象者の自己評価に基づく前記目標の達成率を含んでいてもよい。
【0020】
前記経過情報は、前記対象者の身長、体重、腹囲、栄養状態、血圧、歩数、脈拍、睡眠時間、血液検査における検査値のうち、少なくとも一つの項目を含んでいてもよい。
【0021】
前記経過情報は、前記対象者の食事を撮影した画像を含んでいてもよい。
【0022】
前記経過情報は、前記対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含んでいてもよい。
【0023】
前記経過情報は、前記目標に対する前記対象者の意見を含み、
時系列に沿う前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情の変化を分析する感情分析部を更に備え、
前記選択部は、前記感情分析部による分析結果に基づいて、前記目標を再設定してもよい。
【0024】
前記経過情報は、前記目標に対する前記対象者の意見を含み、
前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情を分析する感情分析部を更に備え、
前記選択部は、前記感情分析部による分析結果に基づいて、前記目標を再設定してもよい。
【0025】
前記目標に関する経過情報であって、前記対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含み、前記目標に対する前記対象者の意見を含む経過情報を取得する経過情報取得部と、
時系列に沿う前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情の変化を分析する感情分析部と、
前記感情分析部による分析結果を出力する感情出力部と、を更に備えていてもよい。
【0026】
前記目標に関する経過情報であって、前記目標に対する前記対象者の意見を含む経過情報を取得する経過情報取得部と、
前記対象者の意見に基づいて、前記対象者が抱く感情を分析する感情分析部と、
前記感情分析部による分析結果を出力する感情出力部と、を更に備えていてもよい。
【0027】
上記目的を達成するために、本開示の第2の観点に係る端末装置は、
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を指定する操作を前記対象者から受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記操作により指定された前記対象関連疾病を示す疾病情報を情報処理装置に送信する疾病情報送信部と、
前記情報処理装置が前記疾病情報に基づいて前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から選択した特定の目標を示す情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0028】
上記目的を達成するために、本開示の第3の観点に係る情報処理方法は、
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得し、
前記疾病情報に基づいて、前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から特定の目標を選択する。
【0029】
上記目的を達成するために、本開示の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
生活習慣病に関連する疾病である少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する疾病情報取得部、
前記疾病情報取得部が取得した前記疾病情報に基づいて、前記関連疾病を改善するための複数の目標の中から特定の目標を選択する選択部、として機能させる。
【発明の効果】
【0030】
本開示によれば、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成図
図2】実施の形態1に係る情報処理装置の構成図
図3】実施の形態1に係る端末装置の構成図
図4】実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成図
図5】第1対応情報を示す図
図6】第2対応情報を示す図
図7】性格問診項目を示す図
図8】性格分類用情報を示す図
図9】実施の形態1に係る情報処理装置が実行する疾病改善支援処理を示すフローチャート
図10】実施の形態1に係る端末装置が実行する目標提示処理を示すフローチャート
図11】実施の形態2に係る情報処理システムの構成図
図12】実施の形態2に係る情報処理システムの機能構成図
図13】実施の形態3に係る情報処理システムの構成図
図14】実施の形態3に係る端末装置の構成図
図15】実施の形態3に係る情報処理システムの機能構成図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1000の構成を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1000は、情報処理装置100と、記憶装置200と、端末装置300とを備える。情報処理装置100と記憶装置200と端末装置300とは、通信ネットワーク400を介して相互に接続される。
【0034】
情報処理システム1000は、指導者が対象者の疾病の改善を支援するための疾病改善支援サービスに関する情報処理を実行するシステムである。対象者は、情報処理システム1000により提供される疾病改善支援サービスを受ける人である。対象者としては疾病改善を望む者が挙げられるが、対象者はこれに限定されない。例えば、対象者は、疾病改善を望む者の家族、友人等であってもよい。指導者は、疾病改善支援サービスにおいて対象者を指導する人であり、例えば、管理栄養士、医師等の医療関係者である。疾病改善支援サービスは、端末装置300にインストールされるアプリを用いて、対象者の性格に合わせて、対象者の食事指導、栄養指導、運動指導等を実施するサービスである。対象者は、アプリを用いて指導者と情報をやりとりしながら、疾病を改善するための行動ととることができる。
【0035】
情報処理装置100は、対象者に提供される疾病改善支援サービスに関する主な処理を実行する装置である。例えば、情報処理装置100は、記憶装置200、端末装置300等から取得した情報に基づいて、疾病を改善するための目標を設定し、設定した目標を示す目標情報を端末装置300に送信する。情報処理装置100は、疾病の改善を支援する指導者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等でもよいし、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するクラウドサーバでもよい。
図2に示すように、情報処理装置100は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作受付部14と、通信部15とを備える。
【0036】
制御部11は、情報処理装置100の全体の動作を制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、情報処理装置100の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、情報処理装置100を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。なお、CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定可能である。
【0037】
記憶部12は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部12は、制御部11が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0038】
表示部13は、制御部11による制御に従って、各種の画像を表示する。表示部13は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ等を備える。操作受付部14は、ユーザから各種の操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部11に供給する。操作受付部14は、タッチスクリーン、ボタン、レバー等を備える。
【0039】
通信部15は、制御部11による制御に従って、記憶装置200、端末装置300等と通信する。通信部15は、周知の有線通信規格又は周知の無線通信規格に則って、記憶装置200、端末装置300等と通信する。通信部15は、通信ネットワーク400に接続する機能を有し、通信ネットワーク400を介して記憶装置200、端末装置300と通信する。通信ネットワーク400は、例えば、インターネットである。通信部15は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0040】
記憶装置200は、疾病改善支援サービスに用いられる各種の情報を記憶する装置である。例えば、記憶装置200は、改善対象の疾病と疾病を改善するための目標との対応関係を示す対応情報を記憶する。対応情報については、後述する。尚、上記対応情報に関し、記憶装置200を設けずに情報処理装置100が当該対応情報を記憶する形態であってもよい。
【0041】
端末装置300は、疾病改善支援サービスに関する一部の処理を実行する装置である。例えば、端末装置300は、情報処理装置100から受信した目標情報が示す目標を対象者に提示する。端末装置300は、疾病の改善の対象者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等であってもよいし、通信機能を有する各種のデバイスであってもよい。例えば、端末装置300は、通信機能を有する体重計又は血圧計、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスでもよい。図3に示すように、端末装置300は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、操作受付部34と、通信部35と、撮像部36とを備える。
【0042】
制御部31は、端末装置300の全体の動作を制御する。制御部31は、CPU、GPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、端末装置300の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部31において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、端末装置300を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。なお、CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定可能である。
【0043】
記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0044】
表示部33は、制御部31による制御に従って、各種の画像を表示する。表示部33は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ等を備える。操作受付部34は、ユーザから各種の操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部31に供給する。操作受付部34は、タッチスクリーン、ボタン、レバー等を備える。
【0045】
通信部35は、制御部31による制御に従って、情報処理装置100、記憶装置200等と通信する。通信部35は、周知の有線通信規格又は周知の無線通信規格に則って、情報処理装置100、記憶装置200等と通信する。通信部35は、通信ネットワーク400に接続する機能を有し、通信ネットワーク400を介して情報処理装置100、記憶装置200等と通信する。通信部35は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0046】
撮像部36は、制御部31による制御に従って、端末装置300の周囲を撮像する。撮像部36は、撮像により得られた撮像画像を、記憶部32に記憶させる。撮像部36は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を備える。
【0047】
次に、図4を参照して、情報処理システム1000の機能について説明する。情報処理装置100は、機能的には、対応情報取得部101と、疾病情報取得部102と、選択部103と、目標出力部104と、問診情報取得部105と、分類部106と、経過情報取得部107と、感情分析部108とを備える。端末装置300は、機能的には、疾病情報送信部301と、目標情報取得部302と、表示制御部303と、問診情報送信部304と、経過情報送信部305とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,32に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,32に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0048】
対応情報取得部101は、記憶装置200から対応情報を取得する。対応情報は、少なくとも一つの関連疾病と関連疾病を改善するための複数の目標とが対応付けられた情報である。関連疾病は、生活習慣病に関連する疾病である。関連疾病は、生活習慣病と認定されている疾病であってもよいし、生活習慣病として認定されていない疾病であってもよい。関連疾病は、例えば、高尿酸血症、骨粗鬆症などの生活習慣と関連する疾病や、生活習慣病を煩う直前に煩う疾病であってもよい。生活習慣病は、糖尿病、脂質異常症、高血圧等の疾病である。対応情報は、第1対応情報と第2対応情報とを含む。
【0049】
図5に示すように、第1対応情報は、関連疾病と達成目標とが対応付けられた情報である。達成目標は、関連疾病において臨床的見地から達成すべき目標である。図5に示す第1対応情報は、例えば、糖尿病においては血糖値を改善することが達成目標であることを示している。なお、第1対応情報において、1つの関連疾病に少なくとも1つの達成目標が対応付けられる。また、第1対応情報において、異なる関連疾病に同一の達成目標が対応付けられてもよい。
【0050】
図6に示すように、第2対応情報は、達成目標と行動目標とが対応付けられた情報である。行動目標は、達成目標を達成するための行動の目標である。図6に示す第2対応情報は、例えば、血糖値の改善という達成目標を達成するためには、甘い飲み物や食べ物を控えるという行動目標、主食の量を一人前にするという行動目標、野菜・海藻・キノコ類を摂るという行動目標が適切であることを示している。なお、第1対応情報において、1つの達成目標に少なくとも1つの行動目標が対応付けられる。また、第2対応情報において、異なる達成目標に同一の行動目標が対応付けられてもよい。
【0051】
疾病情報取得部102は、少なくとも一つの関連疾病のうち対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する。例えば、対象者の主病が糖尿病である場合、対象関連疾病は糖尿病である。疾病情報の取得元は、適宜、調整することができる。本実施の形態では、疾病情報取得部102は、端末装置300から疾病情報を取得する。疾病情報取得部102は、疾病情報取得部の一例である。
【0052】
操作受付部34は、対象関連疾病を指定する操作を対象者から受け付ける。疾病情報送信部301は、操作受付部34が受け付けた操作により指定された対象関連疾病を示す疾病情報を、情報処理装置100に送信する。疾病情報送信部301は、疾病情報送信部の一例である。
【0053】
選択部103は、対応情報取得部101が取得した対応情報と疾病情報取得部102が取得した疾病情報とに基づいて、複数の目標の中から特定の目標を選択する。なお、本実施の形態では、達成目標と行動目標とを総称して、単に、目標という。従って、目標を選択することは、達成目標を選択することと、行動目標を選択することと、達成目標と行動目標とを選択することとを含む概念である。選択部103は、選択部の一例である。
【0054】
目標出力部104は、選択部103が選択した上記特定の目標を示す目標情報を出力する。目標情報の出力先は、適宜、調整することができる。例えば、目標出力部104は、端末装置300に目標情報を出力してもよいし、表示部13に目標情報を出力してもよい。目標出力部104は、目標出力部の一例である。
【0055】
目標情報取得部302は、情報処理装置100から目標情報を取得する。表示制御部303は、目標情報取得部302が取得した目標情報を表示部33に表示させる。つまり、表示制御部303は、情報処理装置100が疾病情報に基づいて関連疾病を改善するための複数の目標の中から選択した特定の目標を示す情報を表示部33に表示させる。表示制御部303は、表示制御部の一例である。
【0056】
選択部103は、複数の達成目標の中から第1対応情報により対象関連疾病に対応付けられた達成目標を選択し、選択した達成目標の中から特定の達成目標を選択する。また、選択部103は、複数の行動目標の中から第2対応情報により特定の達成目標に対応付けられた行動目標を選択し、選択した行動目標の中から特定の行動目標を選択する。
【0057】
例えば、選択部103は、対象関連疾病が糖尿病である場合、第1対応情報により糖尿病に対応付けられた達成目標は「血糖値の改善」だけである。従って、選択部103は、「血糖値の改善」を特定の達成目標として選択する。ここで、第2対応情報により「血糖値の改善」に対応付けられた行動目標は、「甘い飲み物や食べ物を控える」、「主食の量を一人前にする」、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」の3つである。従って、選択部103は、これらの3つの行動目標の中から最適な1つの行動目標を特定の行動目標として選択する。
【0058】
食事以外の行動目標としては、運動、仕事、睡眠等に関する目標が考えられる。例えば、行動目標は、たばこ、仕事時間、睡眠時間、休日数、又は、歩数、脈拍に関する目標を含むことが好適である。たばこに関する行動目標としては、禁煙する、たばこの量を減らす等が考えられる。仕事時間に関する行動目標としては、1日の仕事時間を8時間以内に抑える、1週間の仕事時間を40時間以内に抑える等が考えられる。睡眠時間に関する行動目標としては、1日の睡眠時間を7時間以上とする、連続した2日間の睡眠時間を15時間以上とする等が考えられる。休日数に関する行動目標としては、1週間の休日数を2日以上とする、1ヶ月の休日数を10日以上とする等が考えられる。歩数に関する行動目標としては、1日に5000歩以上歩く、1週間に50000歩以上歩く等が考えられる。
【0059】
なお、上述の行動目標(特に、食事に関する行動目標)に関し、必要に応じて、指導者による確認と修正とのうち少なくとも一方が行われてもよい。そのため、対象者に行動目標が提示される前に、指導者が行動目標を確認又は修正できるように、目標出力部104が適宜調整されてもよい。例えば、目標出力部104は、選択部103が選択した特定の目標を指導者に提示し、指導者から特定の目標に対する修正を受け付け、修正した目標を端末装置300に送信してもよい。
【0060】
問診情報取得部105は、対象者に対する性格に関する問診の結果を示す問診情報を取得する。性格に関する問診は、対象者の性格を判断するための問診である。性格に関する問診は、複数の性質のそれぞれについて、性質の強さを特定するための項目を備える。図7に、性格に関する問診の項目である性格問診項目を示す。性格問診項目のそれぞれは、エゴグラムにおける5つの性質又はダミーの何れかに関する項目である。
【0061】
5つの性質としては、厳しい心を示し、支配性を示すCP(Critical Parent)、優しい心を示し、寛容性を示すNP(Nurturing Parent)、論理的な心を示し、論理性を示すA(Adult)、自由奔放な心を示し、奔放性を示すFC(Free Child)、協調性的な心を示し、協調性を示すAC(Adapted Child)がある。5つの性質の強さは、それぞれ4つの項目の該当個数により決定される。例えば、対象者がCPに対する4つの項目の全てに該当する場合、対象者の支配性は極めて高く、対象者が極めて厳しい心を有すると判断される。問診情報取得部105は、問診情報取得部の一例である。
【0062】
尚、性格問診項目におけるダミーに関する項目は、いわゆるライスケール(Lie Scale)に関する項目である。ダミーに関する項目を設けることにより、対象者の回答における虚偽の程度を把握することができる。また、ダミーに関する項目に対する回答に、特定の回答が含まれていた場合には、再度問診情報を取得するよう、端末装置300にアラート等を出すように分類部106を設定してもよい。なお、特定の回答は、例えば、望ましくない回答、明らかに誤った回答、又は、正常な精神状態では答えない回答である。このように設定することにより、より適切な問診情報を取得することができる。
【0063】
問診情報送信部304は、操作受付部34が受け付けた操作に基づく問診情報を情報処理装置100に送信する。
【0064】
分類部106は、問診情報取得部105が取得した問診情報に基づいて、対象者の性格を複数の性格タイプのうち何れかに分類する。例えば、分類部106は、5つの性質の強さのバランスから対象者の性格タイプを特定する。分類部106は、分類部の一例である。
【0065】
選択部103は、疾病情報と分類部106による分類結果とに基づいて、複数の目標の中から特定の目標を選択する。例えば、対象関連疾病が糖尿病である場合、達成目標は「血糖値の改善」であり、行動目標の候補は、「甘い飲み物や食べ物を控える」、「主食の量を一人前にする」、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」の3つである。ここで、対象者の性格が、好ましくない行動を制限することが苦手であるが、好ましい行動を積極的に実行することが得意である性格タイプに分類された場合を想定する。この場合、対象者は、「甘い飲み物や食べ物を控える」、「主食の量を一人前にする」という行動の制限は苦手であり、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」という行動の実行は得意であると考えられる。そこで、選択部103は、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」という目標を特定の目標として選択する。上述した例では、対象関連疾病と分類結果とに基づいて、複数の行動目標から特定の行動目標を選択する例について説明した。対象関連疾病と分類結果とに基づいて、複数の達成目標から特定の達成目標を選択してもよい。
【0066】
上述したように、性格に関する問診は、複数の性質のそれぞれについて、性質の強さを特定するための項目を備える。ここで、分類部106は、問診情報に基づいて、対象者における複数の性質のそれぞれの強さを特定し、特定した各性質の強さの関係性に基づいて対象者の性格を複数の性格タイプのうち何れかに分類する。分類部106は、例えば、性格分類用情報に基づいて、対象者の性格タイプを特定する。図8に、性格分類用情報を示す。性格分類用情報は、記憶装置200又は記憶部12に記憶されている。
【0067】
性格分類用情報は、性格タイプと、優先順位と、条件と、説明とが対応付けられた情報である。性格タイプは、5つの性質の強さの関係性から特定される性格のタイプである。優先順位は、対象者の性格タイプの候補が複数存在するときに、対象者の性格タイプとして採用する性格タイプの優先順位である。つまり、対象者の性格タイプの候補が複数存在する場合、複数の性格タイプの候補のうち優先順位が最も高い性格タイプが、対象者の性格タイプとして決定される。条件は、対象者の性格をこの条件に対応する性格タイプに分類するための条件であり、5つの性質の強さの関係性により定義される条件である。説明は、この説明に対応する性格タイプの説明である。
【0068】
分類部106は、特定した各性質の強さの関係性が複数の性格タイプのそれぞれに対して設けられた条件を満たすか否かを判別する。そして、分類部106は、条件が満たされる性格タイプが複数存在する場合、対象者の性格を上記条件が満たされる複数の性格タイプのうち優先順位が最も高い性格タイプに分類する。例えば、CPについて該当する項目が4つであり、NPについて該当する項目が2つであり、Aについて該当する項目が1つであり、FCについて該当する項目が4つであり、ACについて該当する項目が3つである場合を想定する。この場合、AAAという性格タイプに対して設けられたCP>NPという条件が満たされる。また、CCCという性格タイプに対して設けられたAC>NP及びAC>Aという条件も満たされる。従って、対象者の性格タイプの候補として、AAAとCCCとが存在する。この場合、分類部106は、対象者の性格を、AAAとCCCとのうち優先順位が高いAAAに分類する。
【0069】
なお、優先順位を付す際、エゴグラムに関する研究報告の内容を参考にすることができる。また、優先順位を付す際、5つの性質の特徴、5つの性質の関係性、5つの性質の関係性の重要度等を参考にすることができる。例えば、CP>NPである対象者の性格タイプがAAAであると見做せる確率が高い場合、CP>NPであることの重要度が高いと言える。一方、例えば、AC>FC>NPである対象者の性格タイプがBBBであると見做せる確率がそれ程高くない場合、AC>FC>NPであることの重要度が低いと言える。従って、この場合、AAAという性格タイプに付される優先順位は、BBBという性格タイプに付される優先順位よりも高いことが好適である。
【0070】
また、優先順位を付す際、疾病情報が考慮されてもよい。つまり、複数の性格タイプに付される優先順位は、対象関連疾病毎に異なっていてもよい。例えば、対象者が糖尿病である場合、AAAにはBBBよりも高い優先順位が付され、対象者が高血圧である場合、AAAにはBBBよりも低い優先順位が付されてもよい。優先順位を付す際、これらの情報を考慮することで、より的確に優先順位を付すことが可能となる。なお、優先順位を付す主体は、分類部106であってもよい。例えば、分類部106は、疾病情報が取得される毎に、各性質の関係性の重要度と疾病情報とのうち少なくとも一方に基づいて、各性格タイプに優先順位を付し直してもよい。
【0071】
なお、性格タイプの分類結果は、目標の選択に用いられる。従って、目標の違いが目標の達成率に与える影響が大きい性格タイプほど、高い優先順位が与えられることが好適である。例えば、AAAという性格タイプは、ある目標は容易に達成することができるが、他の目標はほぼ達成することができず、CCCという性格タイプは、どの目標も同程度に達成することができる場合を想定する。この場合、対象者の性格がAAAに分類されると、AAAという性格タイプの人が達成しやすい目標が選択され、対象者が達成しやすい目標が選択される。一方、対象者の性格がCCCに分類されると、CCCという性格タイプの人が達成しやすい目標は特にないため、対象者が達成しやすい目標が選択されるとは限らない。そこで、AAAの優先順位はCCCの優先順位よりも高いことが好適である。
【0072】
経過情報取得部107は、目標に関する経過情報を取得する。経過情報は、疾病改善支援サービスの過程で得られる種々の情報であり、目標に関する情報であればどのような情報であってもよい。また、経過情報の取得元は、適宜、調整することができる。例えば、経過情報の取得元は、操作受付部14でもよいし、記憶装置200でもよいし、端末装置300でもよい。選択部103は、経過情報取得部107が取得した経過情報に基づいて、目標を再設定する。つまり、本実施の形態に係る疾病改善支援サービスでは、対象者に提示される目標が、経過情報に応じて、適宜、より好ましい目標に更新される。経過情報取得部107は、経過情報取得部の一例である。
【0073】
経過情報送信部305は、操作受付部34が受け付けた操作に基づく経過情報、又は、撮像部36が撮像した画像を含む経過情報を、情報処理装置100に送信する。
【0074】
経過情報は、対象者の自己評価に基づく目標の達成率を含んでもよい。目標の達成率は、対象者の主観に基づく達成率であり、例えば、端末装置300の操作受付部34が対象者から受け付ける。目標の達成率は、何%達成、何割達成というように具体的な数字で表現されてもよいし、全く達成できていない、あまり達成できていない、ある程度達成できた、ほぼ達成できた、完全に達成できた等、おおまかに表現されてもよい。選択部103は、例えば、目標の達成率が低い場合、現在の目標よりも達成しやすい目標を新たな目標に再設定することができる。
【0075】
経過情報は、対象者の身長、体重、腹囲、栄養状態、血圧、歩数、脈拍、睡眠時間、又は、血液検査における検査値を含んでいてもよい。これらの情報は、記憶装置200から取得されてもよいし、端末装置300から取得されてもよい。これらの情報は、療養計画書に記載された情報であってもよい。選択部103は、これらの情報に基づいて、適宜、目標を再設定することができる。
【0076】
経過情報は、対象者の食事を撮影した画像を含んでいてもよい。このような画像は、例えば、端末装置300が備える撮像部36により生成される。例えば、対象者は、端末装置300を用いて、自分の食事の画像を撮像し、撮像した画像を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、端末装置300から受信した画像に基づいて、適宜、目標を再設定する。例えば、対象関連疾病が脂質異常症であり、達成目標が脂質の改善であり、行動目標が「お酒の量を減らす」である場合を想定する。この場合において、例えば、情報処理装置100が端末装置300から受信する画像が、大量の食事を撮影した画像であることが多い場合、選択部103は、新たな行動目標として「主食の量を一人前にする」に再設定する。
【0077】
経過情報は、対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含んでいてもよい。例えば、端末装置300が対象者により操作され、情報処理装置100が医療関係者により操作される場合、時系列情報は、端末装置300と情報処理装置100との間でやりとりされた一連のメッセージであってもよい。例えば、現材の行動目標が「お酒の量を減らす」である場合において、対象者から医療関係者に送信されたメッセージに「食べる量を減らすのは我慢できるが、お酒だけは飲みたい」というメッセージが含まれる場合、選択部103は、新たな行動目標として「主食の量を一人前にする」に再設定する。
【0078】
経過情報は、目標に対する対象者の意見を含んでいてもよい。感情分析部108は、時系列に沿う対象者の意見に基づいて、対象者が抱く感情の変化を分析する。時系列に沿う対象者の意見は、対象者から医療関係者に送信された一連のメッセージに含まれる。対象者が抱く感情は、行動目標に対する肯定的な感情、行動目標に対する否定的な感情、行動目標に対する中立的な感情等である。選択部103は、感情分析部108による分析結果に基づいて、目標を再設定する。例えば、選択部103は、対象者の行動目標に対する感情が、肯定的な感情から中立的な感情又は否定的な感情に変化した場合、中立的な感情から否定的な感情に変化した場合、又は、否定的な感情で維持された場合、新たな目標を再設定する。
【0079】
例えば、対象者から医療関係者に送信された一連のメッセージにより、当初は、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」という行動目標に対して前向きに取り組んでいたが、次第に、野菜・海藻・キノコ類を摂ることに飽きてきたことが示されている場合を想定する。この場合、感情分析部108は、行動目標に対する感情が、肯定的な感情から否定的な感情に変化したと分析する。そして、選択部103は、例えば、「野菜・海藻・キノコ類を摂る」という現在の行動目標に代えて、「青魚の摂取を増やす」という新たな行動目標を採用する。
【0080】
対象者の感情の変化を分析する手法は、公知のアルゴリズム、分析ツール(例えば、公知の自然言語処理アルゴリズム、ツール等)に基づいて、適宜、調整することができる。例えば、感情分析部108に、人が作成した文章から人の感情を特定する周知の人工知能を持たせることができる。この場合、感情分析部108は、人工知能が一連のメッセージに対して特定した一連の感情から、対象者の感情の変化を特定することができる。このような人工知能は、例えば、文章とこの文章の作成者の感情との組み合わせを多数含む教師データを入力することにより、文章とこの文章の作成者の感情との対応関係を学習する人工知能である。又は、例えば、感情分析部108に、人が作成した一連の文章から人の感情の変化を特定する周知の人工知能を持たせてもよい。このような人工知能は、例えば、一連の文章とこの一連の文章の作成者の感情の変化との組み合わせを多数含む教師データを入力することにより、一連の文章とこの一連の文章の作成者の感情の変化との対応関係を学習する人工知能である。
【0081】
なお、経過情報は、目標に対する対象者の意見を含み、対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含まなくてもよい。この場合、感情分析部108は、対象者の意見に基づいて、対象者が抱く感情を分析する。つまり、感情分析部108は、時系列に沿う対象者の意見ではなく、対象者の単一の意見に基づいて、対象者が抱く感情を分析する。この場合であっても、上述した人工知能により感情分析部108を実現することができる。選択部103は、感情分析部108による分析結果に基づいて、目標を再設定する。例えば、選択部103は、対象者の行動目標に対する感情は否定的な感情であると感情分析部108により分析された場合、現在の行動目標に代えて他の行動目標を新たな行動目標として採用する。
【0082】
次に、図9を参照して、情報処理装置100が実行する疾病改善支援処理を説明し、図10を参照して、端末装置300が実行する目標提示処理を説明する。なお、疾病改善支援サービスを受けるためのアプリを対象者が端末装置300にインストールすることで、疾病改善支援処理と目標提示処理とが実行可能となる。
【0083】
まず、図9を参照して、情報処理装置100が実行する疾病改善支援処理について説明する。情報処理装置100が備える制御部11は、対応情報を取得する(ステップS101)。例えば、制御部11は、記憶装置200から対応情報を取得する。制御部11は、ステップS101の処理を完了すると、疾病情報を取得する(ステップS102)。例えば、制御部11は、端末装置300から疾病情報を取得する。
【0084】
制御部11は、ステップS102の処理を完了すると、問診情報を取得する(ステップS103)。例えば、制御部11は、端末装置300から問診情報を取得する。制御部11は、ステップS103の処理を完了すると、対象者の性格タイプを特定する(ステップS104)。例えば、制御部11は、端末装置300から取得した問診情報に基づいて、対象者の性格を複数の性格タイプのうちの何れかに分類する。
【0085】
制御部11は、ステップS104の処理を完了すると、目標を選択する(ステップS105)。例えば、制御部11は、対応情報に含まれる第1対応情報と疾病情報とに基づいて、達成目標の候補を特定する。制御部11は、対象者の性格タイプに基づいて、達成目標の候補から特定の達成目標を選択する。制御部11は、対応情報に含まれる第2対応情報と特定の達成目標とに基づいて、行動目標の候補を特定する。制御部11は、対象者の性格タイプに基づいて、行動目標の候補から特定の行動目標を選択する。
【0086】
制御部11は、ステップS105の処理を完了すると、目標情報を端末装置300に送信する(ステップS106)。例えば、制御部11は、選択した特定の達成目標と選択した特定の行動目標とを示す目標情報を、端末装置300に送信する。制御部11は、ステップS106の処理を完了すると、経過情報を取得する(ステップS107)。例えば、制御部11は、対象者が医療関係者に送信したメッセージを含む経過情報、対象者の食事を撮像した画像を含む経過情報等を、端末装置300から受信する。
【0087】
制御部11は、ステップS107の処理を完了すると、目標を再設定する(ステップS108)。例えば、制御部11は、経過情報に基づいて目標を再設定すべきか否かを判別する。制御部11は、目標を再設定すべきと判別した場合、経過情報に基づいて、新たな目標を設定する。制御部11は、ステップS108の処理を完了すると、新たな目標情報を端末装置300に送信する(ステップS109)。例えば、制御部11は、新たに設定した目標を示す新たな目標情報を端末装置300に送信する。
【0088】
制御部11は、ステップS109の処理を完了すると、ステップS107に処理を戻す。以後、制御部11は、経過情報を取得する毎に、適宜、目標を再設定して目標情報を端末装置300に送信する処理を繰り返す。
【0089】
次に、図10を参照して、端末装置300が実行する目標提示処理について説明する。まず、端末装置300が備える制御部31は、疾病情報を取得する(ステップS201)。例えば、制御部31は、操作受付部34に対する対象者の操作に基づいて、対象者の関連疾病である対象関連疾病を示す疾病情報を取得する。制御部31は、ステップS201の処理を完了すると、問診情報を取得する(ステップS202)。例えば、制御部31は、操作受付部34に対する対象者の操作に基づいて、対象者に対する性格に関する問診の結果を示す問診情報を取得する。
【0090】
制御部31は、ステップS202の処理を完了すると、疾病情報と問診情報とを情報処理装置100に送信する(ステップS203)。制御部31は、ステップS203の処理を完了すると、目標情報を情報処理装置100から受信する(ステップS204)。制御部31は、ステップS204の処理を完了すると、目標を提示する(ステップS205)。つまり、制御部31は、情報処理装置100から受信した目標情報が示す目標を表示部33に表示することにより、対象者に目標を提示する。提示される目標は、達成目標と行動目標とのうち少なくとも一方の目標である。
【0091】
制御部31は、ステップS205の処理を完了すると、経過情報を取得する(ステップS206)。例えば、制御部31は、操作受付部34に対する対象者の操作に基づくメッセージであって、対象者から医療関係者に送信されたメッセージを含む経過情報を取得する。又は、制御部31は、対象者の食事を撮像した画像を撮像部36から取得する。制御部31は、ステップS206の処理を完了すると、経過情報を情報処理装置100に送信する(ステップS207)。
【0092】
制御部31は、ステップS207の処理を完了すると、新たな目標情報を情報処理装置100から受信する(ステップS208)。制御部31は、ステップS208の処理を完了すると、新たな目標を提示する(ステップS209)。つまり、制御部31は、情報処理装置100から受信した新たな目標情報が示す目標を表示部33に表示することにより、対象者に新たな目標を提示する。
【0093】
制御部31は、ステップS209の処理を完了すると、ステップS206に処理を戻す。以後、制御部31は、経過情報を取得する毎に、適宜、経過情報を端末装置300に送信し、目標情報を端末装置300から受信し、目標を提示する処理を繰り返す。
【0094】
本実施の形態では、対応情報と疾病情報とに基づいて、複数の目標の中から特定の目標が選択される。従って、本実施の形態によれば、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定することができる。また、本実施の形態では、特定の目標を示す情報が出力される。従って、本実施の形態によれば、対象者が達成すべき目標を対象者に知らせることができる。
【0095】
また、本実施の形態では、第1対応情報と対象関連疾病とに基づいて特定の達成目標が選択され、第2対応情報と特定の達成目標とに基づいて特定の行動目標が選択される。従って、本実施の形態によれば、対象者が達成すべき達成目標及び行動目標を適切に選択することができる。また、本実施の形態では、行動目標は、たばこ、仕事時間、睡眠時間、休日数、歩数のうち、少なくとも一つの項目に関する目標を含む。従って、本実施の形態によれば、適切な行動目標が選択される。
【0096】
また、本実施の形態では、疾病情報と問診情報に基づく対象者の性格の分類結果とに基づいて、特定の目標が選択される。従って、本実施の形態によれば、対象者の性格に応じた適切な目標を選択することができる。また、本実施の形態では、対象者における複数の性質のそれぞれの強さの関係性に基づいて、対象者の性格が分類される。従って、本実施の形態によれば、対象者の性格が適切に分類される。また、本実施の形態では、対象者の性格が、性格タイプに対して設けられた条件が満たされる複数の性格タイプのうち優先順位が最も高い性格タイプに分類される。従って、本実施の形態によれば、対象者の性格がより適切な性格タイプに分類される。
【0097】
また、本実施の形態では、経過情報に基づいて、目標を再設定される。従って、本実施の形態によれば、対象者が達成すべき目標が適切な目標に更新可能である。また、本実施の形態では、経過情報は、対象者の自己評価に基づく目標の達成率を含む。従って、本実施の形態によれば、目標の達成率に応じて目標を適切に更新することができる。
【0098】
また、本実施の形態では、経過情報は、対象者の身長、体重、腹囲、栄養状態、血圧、歩数、脈拍、睡眠時間、血液検査における検査値のうち、少なくとも一つの項目を含む。従って、本実施の形態によれば、目標を適切に更新することができる。また、本実施の形態では、経過情報は、対象者の食事を撮影した画像を含む。従って、本実施の形態によれば、対象者の食事を撮影した画像に応じて目標を適切に更新することができる。また、本実施の形態では、経過情報は、対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含む。従って、本実施の形態によれば、時系列情報に応じて目標を適切に更新することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、時系列に沿う対象者の意見に基づく対象者の感情の変化の分析結果に基づいて、目標が再設定される。従って、本実施の形態によれば、対象者の感情の変化に応じて、目標を適切に更新することができる。また、本実施の形態では、対象者の意見に基づく対象者の感情の分析結果に基づいて、目標が再設定される。従って、本実施の形態によれば、対象者の感情に応じて、目標を適切に更新することができる。
【0100】
(実施の形態2)
実施の形態1では、記憶装置200が対応情報を記憶する例について説明した。実施の形態2では、情報処理装置100が対応情報を記憶する例について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成及び機能については、説明を省略又は簡略化する。
【0101】
図11は、実施の形態2に係る情報処理システム1100の構成を示す図である。情報処理システム1100は、情報処理装置110と、端末装置300とを備える。情報処理装置110と端末装置300とは、通信ネットワーク400を介して相互に接続される。
【0102】
次に、図12を参照して、情報処理システム1100の機能について説明する。情報処理装置110は、機能的には、疾病情報取得部102と、選択部103と、目標出力部104と、問診情報取得部105と、分類部106と、経過情報取得部107と、感情分析部108と、感情出力部109とを備える。情報処理装置110は、機能的には、対応情報取得部101を備えず、感情出力部109を備える点を除き、情報処理装置100と同様の構成である。
【0103】
なお、端末装置300の機能は、基本的に、実施の形態1で説明した通りである。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,32に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,32に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0104】
記憶部12は、第1対応情報と第2対応情報とを含む対応情報を記憶する。選択部103は、記憶部12に記憶された対応情報を参照して、目標を選択する。経過情報取得部107は、目標に関する経過情報であって、対象者と医療関係者との間で伝達された時系列情報を含み、目標に対する対象者の意見を含む経過情報を取得する。
【0105】
感情分析部108は、時系列に沿う対象者の意見に基づいて、対象者が抱く感情の変化を分析する。感情出力部109は、感情分析部108による分析結果を出力する。分析結果の出力先は、適宜、調整することができる。例えば、感情出力部109は、表示部13に分析結果を出力してもよいし、端末装置300に分析結果を出力してもよい。感情出力部109は、感情出力部の一例である。
【0106】
なお、医療関係者は、表示部13に表示された分析結果を考慮して、適切な対策を講じることができる。例えば、医療関係者は、対象者の感情が肯定的な感情から否定的な感情に変化した場合、目標を変更したり、対象者に対してカウンセリングを実施したりすることができる。また、対象者は、端末装置300が備える表示部33に表示された分析結果を考慮して、適切な対策を講じることができる。例えば、対象者は、対象者の感情が肯定的な感情から否定的な感情に変化した場合、目標を変更することを医療関係者に相談したり、医療関係者に対してカウンセリングを依頼したりすることができる。
【0107】
経過情報取得部107は、目標に関する経過情報であって、目標に対する対象者の意見を含む経過情報を取得してもよい。この場合、感情分析部108は、対象者の意見に基づいて、対象者が抱く感情を分析する。そして、感情出力部109は、感情分析部108による分析結果を出力する。
【0108】
本実施の形態では、情報処理装置110が対応情報を記憶する。従って、本実施の形態によれば、記憶装置200が不要である。また、本実施の形態では、感情出力部109が感情分析部108による分析結果を出力する。従って、本実施の形態によれば、感情分析部108による分析結果の利用範囲を広げることができる。
【0109】
(実施の形態3)
実施の形態1では、情報処理装置100が指導者により操作される装置である例について説明した。実施の形態3では、情報処理装置が指導者により操作される装置でない例について説明する。なお、実施の形態1,2と同様の構成及び機能については、説明を省略又は簡略化する。
【0110】
図13は、実施の形態3に係る情報処理システム1200の構成を示す図である。情報処理システム1200は、情報処理装置120と、記憶装置200と、端末装置320と、端末装置500とを備える。情報処理装置120と記憶装置200と端末装置320と端末装置500とは、通信ネットワーク400を介して相互に接続される。
【0111】
情報処理装置120は、対象者に提供される疾病改善支援サービスに関する主な処理を実行する装置である。例えば、情報処理装置120は、記憶装置200、端末装置320、端末装置500等から取得した情報に基づいて、疾病を改善するための目標を設定し、設定した目標を示す目標情報を端末装置320に送信する。また、情報処理装置120は、疾病改善支援サービスを受けるためのアプリがインストールされた端末装置320と疾病改善支援サービスを支援するためのアプリがインストールされた端末装置500との間の情報のやりとりを中継する。
【0112】
情報処理装置120は、例えば、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するクラウドサーバである。情報処理装置120は、物理的には、例えば、情報処理装置100から表示部13と操作受付部14とを除外した構成を備える。例えば、情報処理装置120は、物理的には、制御部11と、記憶部12と、通信部15とを備える。記憶装置200は、対応情報を記憶する装置である。
【0113】
端末装置320は、疾病改善支援サービスに関する一部の処理を実行する装置である。例えば、端末装置320は、情報処理装置120から受信した目標情報が示す目標を対象者に提示する。端末装置320には、疾病改善支援サービスを受けるためのアプリがインストールされる。端末装置320は、疾病の改善の対象者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等であってもよいし、通信機能を有する各種のデバイスであってもよい。例えば、端末装置320は、通信機能を有する体重計又は血圧計、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスでもよい。端末装置320は、物理的には、端末装置300と同様に、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、操作受付部34と、通信部35と、撮像部36とを備える。
【0114】
端末装置500は、疾病改善支援サービスに関する一部の処理を実行する装置である。例えば、端末装置500は、指導者から受け付けた各種の情報を、通信ネットワーク400を介して情報処理装置120に送信する。端末装置500には、疾病改善支援サービスを支援するためのアプリがインストールされる。端末装置500は、例えば、対象者の疾病の改善を支援する指導者が操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。図14に示すように、端末装置500は、制御部51と、記憶部52と、表示部53と、操作受付部54と、通信部55と、撮像部56とを備える。なお、端末装置500は、撮像部56を備えていなくてもよい。
【0115】
制御部51は、端末装置500の全体の動作を制御する。制御部51は、CPU、GPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、端末装置500の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部51において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、端末装置500を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。なお、CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定可能である。
【0116】
記憶部52は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部52は、制御部51が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部52は、制御部51が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0117】
表示部53は、制御部51による制御に従って、各種の画像を表示する。表示部53は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ等を備える。操作受付部54は、ユーザから各種の操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部51に供給する。操作受付部54は、タッチスクリーン、ボタン、レバー等を備える。
【0118】
通信部55は、制御部51による制御に従って、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置320等と通信する。通信部55は、周知の有線通信規格又は周知の無線通信規格に則って、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置320等と通信する。通信部55は、通信ネットワーク400に接続する機能を有し、通信ネットワーク400を介して情報処理装置120、記憶装置200、端末装置320等と通信する。通信部55は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0119】
撮像部56は、制御部51による制御に従って、端末装置500の周囲を撮像する。撮像部56は、撮像により得られた撮像画像を、記憶部52に記憶させる。撮像部56は、例えば、CCD、CMOS等を備える。
【0120】
次に、図15を参照して、情報処理システム1200の機能について説明する。情報処理装置120は、機能的には、対応情報取得部101と、選択部103と、分類部106と、感情分析部108と、送信部121と、受信部122、中継部123とを備える。端末装置320は、機能的には、表示制御部303と、送信部321と、受信部322とを備える。端末装置500は、送信部501と、受信部502と、表示制御部503とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,32,52に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,32,52に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0121】
送信部121は、記憶装置200、端末装置320、端末装置500等に各種の情報を送信する。例えば、送信部121は、目標情報を端末装置320又は端末装置500に送信する。従って、送信部121は、少なくとも目標出力部104として機能する。
【0122】
受信部122は、記憶装置200、端末装置320、端末装置500等から各種の情報を受信する。例えば、受信部122は、疾病情報と問診情報と経過情報とを端末装置320から受信する。従って、受信部122は、少なくとも、疾病情報取得部102、問診情報取得部105、経過情報取得部107として機能する。
【0123】
中継部123は、記憶装置200、端末装置320、端末装置500等の間の情報のやりとりを中継する。例えば、中継部123は、端末装置320から受信した情報を端末装置500に送信し、端末装置500から受信した情報を端末装置320に送信する。具体的には、例えば、端末装置320から受信した疾病情報と問診情報と撮像画像を含む経過情報とを端末装置500に送信し、端末装置500から受信したアドバイス情報を端末装置320に送信する。アドバイス情報は、例えば、疾病の改善を支援するために指導者が対象者に送るアドバイスを示す情報である。このように、中継部123は、端末装置320と端末装置500との間で経過情報を中継する。
【0124】
送信部321は、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置500等に各種の情報を送信する。例えば、送信部321は、疾病情報と問診情報と撮像画像を含む経過情報とを情報処理装置120に送信する。従って、送信部321は、少なくとも、疾病情報送信部301、問診情報送信部304、経過情報送信部305として機能する。
【0125】
受信部322は、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置500等から各種の情報を受信する。例えば、受信部322は、目標情報を情報処理装置120から受信する。従って、受信部322は、少なくとも目標情報取得部302として機能する。
【0126】
送信部501は、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置320等に各種の情報を送信する。例えば、送信部501は、アドバイス情報を情報処理装置120に送信する。また、送信部501は、修正した目標を示す目標情報を情報処理装置120に送信する。なお、指導者による目標の修正は、例えば、受信部502が情報処理装置120から受信した目標情報が示す目標を表示制御部503が表示部53に表示し、表示された目標に対する修正を指示する操作を操作受付部54が受け付けることにより実現する。
【0127】
受信部502は、情報処理装置120、記憶装置200、端末装置320等から各種の情報を受信する。例えば、受信部502は、疾病情報と問診情報と撮像画像を含む経過情報と目標情報とを情報処理装置120から受信する。
【0128】
表示制御部503は、各種の情報を表示部53に表示させる。例えば、表示制御部503は、受信部502が情報処理装置120から受信した各種の情報を表示部53に表示させる。具体的には、表示制御部503は、問診情報が示す問診結果、経過情報に含まれる撮像画像、目標情報が示す目標等を示す画像を表示部53に表示する。
【0129】
本実施の形態では、端末装置320と端末装置500とが情報処理装置120にアクセスすることにより、疾病改善支援サービスが実現される。情報処理装置120は、端末装置320と端末装置500との間で情報を中継する。また、情報処理装置120は、対象関連疾病を改善するための目標を特定し、特定した目標を示す目標情報を端末装置320に送信する。
【0130】
具体的には、情報処理装置120は、疾病情報を端末装置320又は端末装置500から取得し、対応情報を記憶装置200から取得する。情報処理装置120は、対応情報と疾病情報とに基づいて、対象関連疾病を改善するための目標を選択する。情報処理装置120は、選択した目標を示す目標情報を端末装置320に送信する。情報処理装置120は、各種の情報を参照して、複数の目標の中から適切な目標を選択することができる。
【0131】
例えば、情報処理装置120は、端末装置320から取得した問診情報が示す問診結果から対象者の性格タイプを特定し、特定した性格タイプに基づいて目標を選択することができる。また、情報処理装置120は、端末装置320又は端末装置500から取得した経過情報に基づいて、目標を再設定することができる。例えば、情報処理装置120は、対象者の自己評価に基づく目標の達成率に基づいて、目標を再設定することができる。又は、例えば、情報処理装置120は、対象者の目標に対する意見に基づいて、対象者が抱く感情を分析し、分析結果に基づいて、目標を再設定することができる。
【0132】
また、情報処理装置120は、適宜、指導者から目標の修正を受け付けてもよい。この場合、例えば、情報処理装置120は、選択した目標を示す目標情報を端末装置500に送信する。一方、端末装置500は、受信した目標情報が示す目標を指導者に提示する。指導者は、経過情報等を考慮して目標を修正すべきか否かを検討し、適宜、操作受付部54に対して修正を指示する操作をする。端末装置500は、操作受付部54に対してなされた操作に基づいて目標を修正し、修正した目標を示す目標情報を情報処理装置120に送信する。情報処理装置120は、受診した目標情報を端末装置320に送信する。端末装置320は、受信した目標情報が示す目標を対象者に提示する。
【0133】
本実施の形態では、対応情報と疾病情報とに基づいて、複数の目標の中から特定の目標が選択される。従って、本実施の形態によれば、対象者の疾病を改善するための目標を適切に設定することができる。また、本実施の形態では、クラウドサーバである情報処理装置120が疾病改善支援サービスに関する主な処理を実行するため、指導者が操作する端末装置500の処理負荷が小さい。
【0134】
(変形例)
以上、本開示の実施の形態を説明したが、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0135】
上記実施の形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施の形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施の形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施の形態において示したものに限定されないことは勿論である。
【0136】
情報処理装置100,110及び端末装置300の機能は、実施の形態1,2で示した機能に限定されない。例えば、情報処理装置100,110が備える一部の機能(例えば、感情出力部109等)を端末装置300が備えていてもよいし、端末装置300が備える一部の機能を情報処理装置100,110が備えていてもよい。つまり、実施の形態1,2で示した機能が情報処理システム1000,1100全体として実施されるのであれば、各機能を備える装置はどの装置であってもよい。
【0137】
実施の形態1では、情報処理装置100は、目標の選択に用いる対応情報の全体を記憶装置200から取得する例について説明した。情報処理装置100は、対応情報の全体を記憶装置200から取得しなくてもよい。例えば、情報処理装置100は、第1対応情報のうち対象関連疾病に関する情報を記憶装置200から取得して特定の達成目標を特定し、第2対応情報のうち特定の達成目標に関する情報を記憶装置200から取得して特定の行動目標を特定してもよい。
【0138】
上記実施の形態では、制御部11,31,51において、CPUがROM又は記憶部12,32,52に記憶されたプログラムを実行することによって、図4,12,15に示した各部として機能した。しかしながら、本開示において、制御部11,31,51は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部11,31,51が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部11,31,51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0139】
本開示に係る情報処理装置100,110,120、端末装置300,320,500の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本開示に係る情報処理装置100,110,120、端末装置300,320,500として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、又は、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。例えば、上述したプログラムは、各社が提供する端末装置向けのアプリケーションのダウンロードサービスを利用して、端末装置にダウンロードされてもよい。
【0140】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、本開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0141】
11,31,51 制御部、12,32,52 記憶部、13,33,53 表示部、14,34,54 操作受付部、15,35,55 通信部、36,56 撮像部、100,110,120 情報処理装置、101 対応情報取得部、102 疾病情報取得部、103 選択部、104 目標出力部、105 問診情報取得部、106 分類部、107 経過情報取得部、108 感情分析部、109 感情出力部、121,321,501 送信部、122,322,502 受信部、123 中継部、200 記憶装置、300,320,500 端末装置、301 疾病情報送信部、302 目標情報取得部、303,503 表示制御部、304 問診情報送信部、305 経過情報送信部、400 通信ネットワーク、1000,1100,1200 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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