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  • 特開-手洗い器ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047170
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】手洗い器ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/05 20060101AFI20230329BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A47K1/05 A
E03D9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156122
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】安河内 友香
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038ZA01
(57)【要約】
【課題】意匠性を良好にしつつ、手洗い器の前出寸法を抑えて適切な手洗い空間を確保することができる手洗い器を提供する。
【解決手段】洗浄水を吐水する吐水装置と、前記吐水装置から吐水された洗浄水を受けるボウル部を有する手洗い器本体と、前記手洗い器本体を壁面に支持する支持部材と、を備える手洗い器ユニットにおいて、前記支持部材は、前記壁面に沿うように設けられるとともに、壁面に固定される平板部と、正面視における前記手洗い器本体の外縁の範囲内且つボウル部の裏面側であって、前記ボウル部の下方側において、前記平板部から前方側に向かって延出する延出部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を吐水する吐水装置と、前記吐水装置から吐水された洗浄水を受けるボウル部を有する手洗い器本体と、前記手洗い器本体を壁面に支持する支持部材と、を備える手洗い器ユニットにおいて、
前記支持部材は、
前記壁面に沿うように設けられるとともに、壁面に固定される平板部と、
正面視における前記手洗い器本体の外縁の範囲内且つボウル部の裏面側であって、前記ボウル部の下方側において、前記平板部から前方側に向かって延出する延出部と、を有する
ことを特徴とする手洗い器ユニット。
【請求項2】
前記延出部は、前記ボウル部の下方側に延出するとともに、前記手洗い器本体を下方側から支持している
ことを特徴とする請求項1に記載の手洗い器ユニット。
【請求項3】
前記手洗い器本体は、樹脂によって形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手洗い器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手洗い器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ室において、トイレ室の側壁に手洗い器ユニットが設けられるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このような手洗い器ユニットは、手洗い器を載置固定する取付装置を備えている。また、この取付装置は、手洗い器を載置固定する載置部と、この載置部の壁面側の端部に立設する壁面固定部と、を有しており、壁面固定部に取付装置を壁面に固定するための貫通孔が設けられている。
【0003】
これにより、特許文献1に記載の手洗い器ユニットにおいては、手洗器の取付装置は貫通孔を用いて壁面に固定された後、前記載置部に手洗器又は洗面器を載置固定するため手洗器のボウル最背面と壁面の間のスペースを極小にすることができ、ボウル部の大きさを確保して手洗い性を損なわず、手洗器の前端の壁面からの前出を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4438083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような取付装置を用いて手洗い器を壁面に固定する場合、手洗い器を載置部に載置させるため、載置部が露出してしまい、意匠性が低下してしまうおそれがある。ここで、壁面に支持部材を固定して、手洗い器を支持部材に引っ掛けるバックハンガー式で手洗い器を固定する方法が考えられる。しかしながら、手洗い器を支持部材に引っ掛けるために、手洗い器の内部に支持部材を引っ掛けるための空間を設ける必要があり、手洗い器の壁面からの前出寸法が大きくなったり、手洗い器のボウル内の空間が狭くなり、適切な手洗い器空間を確保できなくなってしまったりするおそれがある。
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、手洗い器ユニットにおいて、意匠性を良好にしつつ、手洗い器の前出寸法を抑えて適切な手洗い空間を確保することができる手洗い器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る手洗い器ユニットによれば、洗浄水を吐水する吐水装置と、前記吐水装置から吐水された洗浄水を受けるボウル部を有する手洗い器本体と、前記手洗い器本体を壁面に支持する支持部材と、を備える手洗い器ユニットにおいて、前記支持部材は、前記壁面に沿うように設けられるとともに、壁面に固定される平板部と、正面視における前記手洗い器本体の外縁の範囲内且つボウル部の裏面側であって前記ボウル部の下方側において、前記平板部から前方側に向かって延出する延出部と、を有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、支持部材の平板部が壁面に沿うように設けられ、支持部材の延出部が正面視における手洗い器本体の外縁の範囲内且つボウル部の裏面側にて、ボウル部の下方側に延出している。そのため、支持部材が露出することがなく、手洗い器本体を壁面に固定することができ、意匠性を良好にすることができる。また、手洗い器の前出寸法を抑えて適切な手洗い空間を確保することができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る手洗い器ユニットにおいて、好ましくは、前記延出部は、前記ボウル部の下方側に延出するとともに、前記手洗い器本体を下方側から支持していることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、延出部が、手洗い器本体を下方から支持しているため、手洗い器本体の後方側に、支持部材を引っ掛ける空間を設ける必要がなく、手洗い器本体の前出寸法を抑えつつ、より広い手洗い空間を確保することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係るトイレユニットにおいて、好ましくは、前記手洗い器本体は、樹脂によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、手洗い器本体が樹脂によって形成されているため、手洗い器本体をより薄く形成することができる。そのため、手洗い器本体の前出寸法を抑えつつ、より広く手洗い空間を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手洗い器ユニットにおいて、意匠性を良好にしつつ、手洗い器の前出寸法を抑えて適切な手洗い空間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す全体斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る支持部材を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る支持部材を示す正面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す正面図である。
図6図5のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0016】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットの全体構造を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す全体斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す分解斜視図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、トイレ室の壁面に設置される手洗い器ユニット1は、手洗い器本体10と、洗浄水を吐水する吐水装置20と、手洗い器本体10をトイレ室の壁面に支持固定する支持部材30と、を備えている。
また、手洗い器本体10は、吐水装置20から吐水される洗浄水を受けるとともに、上方から下方に向かって凹む形状を有するボウル部11と、ボウル部11の後部から上方に向かって延びる背面部12と、を有している。加えて、手洗い器本体10は、全体が樹脂によって形成されている。
【0018】
吐水装置20は、上流側が給水原に接続されており、図示しないセンサによって、使用者の手を検知すると、ボウル部11に向かって洗浄水を吐水する。また、吐水された洗浄水は、ボウル部11からボウル部11の底部に設けられた排水口、および、この排水口と連通する排水管14を通って排水される。この吐水装置20は、背面部12の上部中央に設けられた吐水装置用開口13に取り付けられる。
なお、吐水装置20は、手動によって洗浄水を吐水するようにしてもよい。
【0019】
支持部材30は、手洗い器固定部材40~43によって、支持部材30と手洗い器本体10が連結固定される。また、支持部材30自体が、壁固定部材50~53によって、壁面に支持固定される。換言すると、支持部材30を介して、手洗い器本体10が壁面に固定支持される。
【0020】
つぎに、図3図6を参照して、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットの支持部材、及び、支持構造について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る支持部材を示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る支持部材を示す正面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットを示す正面図である。図6は、図5のA-A断面図である。
【0021】
図3及び図4に示すように、支持部材30は、全体がL字形状を有しており、後部側が壁面に沿うように設けられる。
また、支持部材30は、壁面に沿うように水平方向に延びる水平部31と、水平部31の右側(手洗い器本体10から壁面に向かってみたときの右側)から上方に向かって壁面に沿って向かうように延びる右側鉛直部32と、水平部31の左側(手洗い器本体10から壁面に向かってみたときの左側)から上方に向かって壁面に沿って向かうように延びる左側鉛直部32と、を有している。
なお、本実施形態においては、水平部31及び、右側鉛直部32、左側鉛直部33、が、平板部として機能する。
【0022】
右側鉛直部32には、上下方向に並ぶように、壁固定孔32a、32bが開口している。この壁固定孔32a、32bに、前方側から後方側に向かって壁固定部材50、51がそれぞれ挿通されて、壁面に固定される。また、左側鉛直部33も同様に、上下方向に並ぶように、壁固定孔33a、33bが開口している。この壁固定孔33a、33bに、前方側から後方側に向かって、壁固定部材52、53がそれぞれ挿通されて、壁面に固定される。
【0023】
また、右側鉛直部32には、右側鉛直部32上部から前方に向かって延びる平板状の右側鉛直舌部34が形成されている。この右側鉛直舌部34には、手洗い器固定孔34aが形成されている。手洗い器固定孔34aに、右側から左側に向かって手洗い器固定部材40が挿通され、支持部材30と手洗い器本体10が固定される(図6参照)。
【0024】
右側鉛直部32と同様に、左側鉛直部33には、左側鉛直部33上部から前方に向かって延びる平板状の左側鉛直舌部35が形成されている。この左側鉛直舌部35には、手洗い器固定孔35aが形成されている。手洗い器固定孔35aに、左側から右側に向かって手洗い器固定部材41が挿通され、支持部材30と手洗い器本体10が固定される(図6参照)。
【0025】
このように、手洗い器本体10の上部において、右側鉛直舌部34及び左側鉛直舌部35が手洗い器本体10の背面部12の内側に入り込み、右側鉛直舌部34及び左側鉛直舌部35と手洗い器本体10が固定されている。これにより、例えば、手洗い器本体10のボウル部11の前方側に荷重がかかったとき、手洗い器本体10が前方側に向かって倒れこんでしまい、手洗い器本体10と壁面との間にすき間が生じてしまうことが抑制される。
【0026】
また、支持部材30は、平板部として機能する水平部31の下端から前方側に向かって延出する平板状の右側延出部36及び左側延出部37とを有している。
具体的には、右側延出部36は、水平部31を前方からみたときの中央よりも右側の水平部31の下端から、前方側に向かって延出している。また、左側延出部37は、水平部31を前方からみたときの中央よりも左側の水平部31の下端から、前方側に向かって延出している。
なお、本実施形態においては、右側延出部36及び、左側延出部37が、延出部として機能する。
【0027】
図5及び図6に示すように、右側延出部36及び左側延出部37は、正面視(手洗い器ユニット1から壁面に向かう方向)における手洗い器本体10の外縁の範囲内且つボウル部11の裏側であって、ボウル部11の下方側に設けられる。つまり、正面視において、右側延出部36及び左側延出部37は、手洗い器本体10によって見えないようになっている。
【0028】
右側延出部36及び左側延出部37は、ボウル部11の下方側に延出するとともに、手洗い器本体10(ボウル部11)を下方側から支持している。より具体的には、ボウル部の底面の一部が、右側延出部36及び左側延出部37の上面に載置されるような構造となっている。
【0029】
また、右側延出部36には、手洗い器固定孔36aが設けられている。この手洗い器固定孔36aに、下方から上方に向かって手洗い器固定部材42が挿通され、手洗い器固定部材42が、ボウル部11の裏側の底部に固定されることによって、右側延出部36と手洗い器本体10とが固定される。
【0030】
同様に、左側延出部37には、手洗い器固定孔37aが設けられている。この手洗い器固定孔37aに、下方から上方に向かって手洗い器固定部材43が挿通され、手洗い器固定部材43が、ボウル部11の裏側の底部に固定されることによって、左側延出部37と手洗い器本体10とが固定される。
【0031】
このように、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットにおいては、支持部材30の平板部(水平部31、及び右側鉛直部32、左側鉛直部33)が壁面に沿うように設けられ、支持部材30の延出部(右側延出部36、左側延出部37)が正面視における手洗い器本体10の外縁の範囲内且つボウル部11の裏面側にて、ボウル部11の下方側に延出している。そのため、支持部材30が露出することがなく、手洗い器本体10を壁面に固定することができ、意匠性を良好にすることができる。また、手洗い器本体10の前出寸法を抑えて適切な手洗い空間を確保することができる。
【0032】
また、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットにおいては、延出部(右側延出部36、左側延出部37)が、手洗い器本体10を下方から支持しているため、手洗い器本体10の後方側に、支持部材30を引っ掛ける空間を設ける必要がなく、手洗い器本体10の前出寸法を抑えつつ、より広い手洗い空間を確保することができる。
【0033】
さらに、本発明の一実施形態に係る手洗い器ユニットにおいては、手洗い器本体10が樹脂によって形成されているため、手洗い器本体10をより薄く形成することができる。そのため、手洗い器本体10の前出寸法を抑えつつ、より広く手洗い空間を確保することができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、手洗い器ユニットなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0035】
1 手洗い器ユニット
10 手洗い器本体
11 ボウル部
12 背面部
13 吐水装置用開口
14 排水管
20 吐水装置
30 支持部材
31 水平部
32 右側鉛直部
32a,32b 壁固定孔
33 左側鉛直部
33a,33b 壁固定孔
34 右側鉛直舌部
34a 手洗い器固定孔
35 左側鉛直舌部
35a 手洗い器固定孔
36 右側延出部
36a 手洗い器固定孔
37 左側延出部
37a 手洗い器固定孔
40~43 手洗い器固定部材
50~53 壁固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6