(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047185
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】パンツ型着用物品およびパンツ型着用物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/493 20060101AFI20230329BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20230329BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61F13/493
A61F13/49 413
A61F13/15 355B
A61F13/15 333
A61F13/15 356
A61F13/15 393
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156137
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】519372272
【氏名又は名称】DSGジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 孝利
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA16
3B200BB20
3B200BB30
3B200CA02
3B200CA03
3B200CA06
3B200CA07
3B200DE01
3B200DE11
3B200EA24
(57)【要約】
【課題】胴回り部の左右サイドフラップの耳折りを安定して行うようにして、折込み不良のないパンツ型着用物品を製造する。また、パンツ型着用物品が未使用品であるか否かを容易に判別できるようにする。
【解決手段】パンツ型着用物品は、股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返されている。折り返された前記股部の前側面と当該前側面に対向する面が、手で剥がせる程度の力で仮止めされている。胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップが折り返されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返されていると共に、
折り返された前記股部の前側面と当該前側面に対向する面が、手で剥がせる程度の力で仮止めされており、
胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップが折り返されている、
パンツ型着用物品。
【請求項2】
前記股部の前側面と当該前側面に対向する面が、熱溶着されている、
請求項1に記載のパンツ型着用物品。
【請求項3】
股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返す二つ折り工程と、
前記二つ折り工程の後で、折り返された前記股部の前側面と当該前側面に対向する面を、手で剥がせる程度の力で仮止めする仮止め工程と、
前記仮止め工程の後で、胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップを折り返す耳折り工程と、
含むパンツ型着用物品の製造方法。
【請求項4】
前記仮止め工程は、前記股部の前側面と当該前側面に対向する面を、熱溶着する工程である、
請求項3に記載のパンツ型着用物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつなどのパンツ型着用物品およびパンツ型着用物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
【0003】
おむつのタイプには、折り込まれた状態で出荷されるパンツ型おむつがある。特許文献1には、折り込まれた状態で出荷されるパンツ型おむつの製造方法が記載されている。
【0004】
このパンツ型おむつは、二つ折り工程と、耳折り工程を経て工場から出荷される。二つ折り工程では、股部が二つに折り込まれる。耳折り工程では、胴回り部の左右サイドフラップが内側に折り返される(これを耳折りという)。この際に胴回り部のフックが股部の前見頃領域に設けられたループに係合される。パンツ型おむつは、このように二つ折りと耳折りがなされ、胴回り部のフックが股部のループに係合された状態で出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の製造方法でパンツ型おむつを製造した場合には、股部の前見頃領域が動いてしまい、左右サイドフラップを内側に折り込む耳折りが安定せず、耳折りの折込み不良が発生するおそれがある。
【0007】
また、パンツ型おむつは、個人間でバラ売りがなされるなど中古市場で流通することがある。しかし、実際に着用されたパンツ型おむつであっても未使用品と称して中古市場で流通することがある。中古市場の消費者は、パンツ型おむつの外観からそれが未使用品であるか否かを容易に判別することが困難である。
【0008】
本発明は、胴回り部の左右サイドフラップの耳折りを安定して行うようにして、折込み不良のないパンツ型着用物品を製造することを課題とする。
【0009】
また、本発明は、パンツ型着用物品が未使用品であるか否かを容易に判別できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様は、股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返されていると共に、折り返された前記股部の前側面と当該前側面に対向する面が、手で剥がせる程度の力で仮止めされており、胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップが折り返されている、パンツ型着用物品である。
【0011】
第2の態様は、第1の態様において、前記股部の前側面と当該前側面に対向する面が、熱溶着されている、パンツ型着用物品である。
【0012】
第3の態様は、股部の前見頃領域が、胴回り部の中央領域に重なるように折り返す二つ折り工程と、前記二つ折り工程の後で、折り返された前記股部の前側面と当該前側面に対向する面を、手で剥がせる程度の力で仮止めする仮止め工程と、前記仮止め工程の後で、胴回り部の左端部係合部材及び右端部係合部材が股部の被係合部材に係合するように、胴回り部の左サイドフラップ及び右サイドフラップを折り返す耳折り工程と、含むパンツ型着用物品の製造方法である。
【0013】
第4の態様は、第3の態様において、前記仮止め工程は、前記股部の前側面と当該前側面に対向する面を、熱溶着する工程である、パンツ型着用物品の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様から第4の形態によれば、胴回り部の左右サイドフラップの耳折りが安定する。このため折込み不良のないパンツ型着用物品を製造することができる。
【0015】
また、第1の態様から第4の形態によれば、パンツ型着用物品が未使用品であるか否かを容易に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は実施形態のパンツ型着用物品を展開状態で示す平面図である。
【
図2】
図2は実施形態のパンツ型着用物品の股部の構成を展開状態で示す斜視図である。
【
図3】
図3は、二つ折り工程により折り込まれるパンツ型着用物品を示す図である。
【
図4】
図4は、耳折り工程により折り込まれるパンツ型着用物品を示す図で、股部及び胴回り部が折り込まれたパンツ型着用物品を示す平面図である。
【
図5】
図5は実施形態のおむつの製造方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、おむつを製造する製造装置の構成例を示す図で、二つ折り工程と仮止め工程を実施する製造装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照してパンツ型着用物品およびパンツ型着用物品の製造方法の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、実施形態のパンツ型着用物品を展開状態で示す平面図である。本実施形態では、パンツ型着用物品としてリファスナブルパンツと呼ばれるパンツ型おむつを想定して説明する。このリファスナブルパンツ型おむつは、胴回り部のフックを、股部のループに係合するように折り込んだ状態で工場から出荷される。
【0019】
(おむつの構成)
【0020】
おむつ1は、大きくは、股部100と、胴回り部200を含んで構成されている。
【0021】
図1において図面下側をおむつ1の前側とし、図面上側をおむつ1の後側とする。また図面左側をおむつ1の左側とし図面右側をおむつ1の右側とする。また
図1において図面上下方向を製造ラインにおける股部100の連続体の流れ方向MDとし、流れ方向MDに直交する方向(図面左右方向)をおむつ1の幅方向CDとする。なお、股部100の連続体は、個々のおむつ1の股部100に対応する長さに切断される。
【0022】
図1において、流れ方向MD及び幅方向CDに直交する方向を、おむつ1の厚み方向(
図1の紙面に垂直な方向)とする。
図1において紙面表側が着用者の肌側(内側)で、紙面裏側が非肌側(外側)となる。
【0023】
股部100は、股下領域100Mと、股下領域100Mの前側の前見頃領域100Fと、股下領域100Mの後側の後見頃領域100Rとを有する。前見頃領域100Fは、着用者の前部(腹側、前胴回り)に位置する部分である。後見頃領域100Rは、着用者の後部(背側、後胴回り)に位置する部分である。
【0024】
胴回り部200は、中央領域200Mと、中央領域200Mの左側の左サイドフラップ200Lと、中央領域200Mの右側の右サイドフラップ200Rとを有する。胴回り部200には、左右方向に伸縮可能な胴回り弾性部材(図示せず)、例えば糸ゴムが設けられている。この胴回り弾性部材によって、着用者の胴回り方向に伸縮性が付与される。胴回り部200の中央領域200Mに、股部100の後見頃領域100Rが接合されている。
【0025】
胴回り部200の左サイドフラップ200Lの左端部には、左端部係合部材220Lが設けられている。胴回り部200の右サイドフラップ200Rの右端部には、右端部係合部材220Rが設けられている。左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rは、胴回り部200の肌側面(
図1の紙面表側)に設けられている。
【0026】
一方、股部100の前見頃領域100Fには、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rに係合される被係合部材121が設けられている。被係合部材121は、股部100の被係合領域122に形成されている。被係合部材121は、股部100の非肌側面(
図1の紙面裏側)に設けられている。
【0027】
左端部係合部材220L、右端部係合部材220R及び被係合部材121は、例えばファスニングテープ(面ファスナー)で構成される。オス部材としての左端部係合部材220L、右端部係合部材220Rは、複数のフック(鉤状の突起群)で構成される。メス部材としての被係合部材121は、左端部係合部材220L、右端部係合部材220Rを構成するフックに係合され得る複数のループで構成されている。
【0028】
股部100の構成例について
図2を併せ参照して説明する。
【0029】
股部100は、着用者によって排泄された尿等の液体を吸収し保持する部位であり、外側からカバーシート120と、バックシート110と、吸収性本体130と、トップシート140が順次、厚さ方向に重ね合わせられ、接合されて、構成されている。
図2において図面上側が肌側(内側)で、図面下側が非肌側(外側)となる。
【0030】
吸収性本体130は、図示しない吸収性ポリマーを含有する吸収体と、この吸収体を包む液透過性を有するラップシート131とを含んで構成されている。
【0031】
トップシート140は、吸収性本体130の肌側に配置され、液透過性の部材で構成されている。
【0032】
バックシート120は、吸収性本体130の非肌側に配置され、液不透過性と透湿性を有する部材で構成されている。
【0033】
カバーシート110は、おむつ1の非肌側の外装を構成する部材であり、例えば不織布で構成されている。このカバーシート110と吸収性本体130との間にバックシート120が配置されている。カバーシート110の非肌側面の被係合領域122には、被係合部材121が設けられている。カバーシート110は、透明又は半透明の部材で構成されている。
【0034】
(仮止め部)
【0035】
図3は、二つ折り工程を示す。二つ折り工程では、股部100の前見頃領域100Fが、胴回り部200の中央領域200Mに重なるように、折り返し線111Lに沿って内側に折り返される。
【0036】
図3に示す二つ折り工程の後で、仮止め工程が行われる。仮止め工程では、折り返された股部100の前側の前側面100Aとこの前側面100Aに対向する対向面100Bが、手で剥がせる程度の力で仮止めされる。仮止めは、例えば熱溶着(ヒートシール)によって行われる。
【0037】
図1に戻り、仮止め工程で仮止めが施される股部100及び胴回り部200の箇所を、仮止め部111A、111Bで示す。
【0038】
仮止め部111A、111Bはそれぞれ、折り返し線111Lを挟んで、股部100の前側面100A及び股部100の前側面100Aに対向する対向面100Bに設けられている。
【0039】
股部100の前側面100Aは、股部100の前見頃領域100Fと股下領域100Mを含んでいる。対向面100Bは、股部100の股下領域100Mと後見頃領域100Rと胴回り部200の中央領域200Mを含んでいる。
【0040】
仮止め部111A及び111Bは、仮止めにより互い重なり合う対向箇所であって、熱溶着(ヒートシール)が施されることにより、熱が加えられ圧着される箇所である。
【0041】
仮止め部111Aは、股部100の前見頃領域100Fと股下領域100Mに跨るように位置決めされる。仮止め部111Bは、股部100の股下領域100Mと後見頃領域100Rと胴回り部200の中央領域200Mに跨るように位置決めされる。なお、仮止め部111A及び111Bの位置決め箇所としては、二つ折りされた股部100を仮止め固定できる箇所であればよく、例えば仮止め部111Aを、股部100の前見頃領域100F内に位置決めし、仮止め部111Bを、胴回り部200の中央領域200Mに位置決めしてもよい。
【0042】
仮止め部111A及び111Bに該当する部位の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性プラスチックで成形されたフィルム、シート(例えばポリプロピレン製不織布やポリエチレン製フィルム)といった溶融、加圧して冷却することにより相互に接着することが可能な材質で構成する。
【0043】
なお、仮止め部111A、111Bは、手で剥がせる程度の力で仮止めされていればよく、熱溶着(ヒートシール)以外の仮止め方法、例えば超音波による溶着(超音波シール)、高周波による溶着(高周波シール)、ホットメルト接着剤による接着、ホットメルト以外の接着剤による接着、粘着剤による接着などを用いて仮止めを行ってもよい。仮止め方法としては、仮止め固定された仮止め部111A、111Bを手で剥がした後は、再度接着できない仮止め方法であることが望ましい。
【0044】
例えばホットメルト接着剤による接着を用いる場合には、股部100及び胴回り部200の肌側(内側)表面の仮止め部111A、111Bに、熱で溶かしたホットメルト接着剤を塗布し、股部100の前側面100A、対向面100B同士を圧着して、その後冷却させればよい。
【0045】
図4は、おむつの製造ラインの折込み工程を説明する図で、股部100及び胴回り部200が折り込まれた状態のおむつ1を正面図で示す。
【0046】
図4は、耳折り工程を示す。仮止め工程の後で、耳折り工程が行われる。
【0047】
耳折り工程では、胴回り部200の左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rが股部100の被係合部材121に係合するように、胴回り部200の左サイドフラップ220L及び右サイドフラップ220Rが折り返される。
【0048】
おむつ1は、股部100及び胴回り部200が折り込まれ、左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rが、被係合部材121に係合された状態で工場から出荷される。
【0049】
実施形態1のおむつ1は、工場から出荷された状態で、そのまま着用者に装着させることができる。また、胴回り部200の左端部係合部材220L及び右端部係合部材220Rを、股部100の被係合部材121から一旦外して、再度、股部100に対して胴回り部200を折り込んで適切な折込み位置に調整することもできる。おむつ1を使用する際には、仮止め固定された仮止め部111A、111Bを手で剥がして、着用者に着用させる。
【0050】
このため仮止め部111A、111B同士が仮止め固定されているか否かを判別することにより、そのパンツ型おむつが未使用品であるか使用済品であるかを判別することができる。このため中古市場の消費者は、パンツ型おむつの外観から未使用品であるか否かを容易に判別することが可能となる。
【0051】
(おむつの製造方法)
【0052】
図5は実施形態のおむつ1の製造方法の手順を示すフローチャートである。
【0053】
上述したように、ステップS1で二つ折り工程が実施され、二つ折り工程の後で、仮止め工程が実施される(ステップS2)。仮止め工程の後で耳折り工程が実施される(ステップS3)。
【0054】
図6A、
図6Bは、おむつ1を製造する製造装置300の構成例を示す図で、二つ折り工程と仮止め工程を実施する製造装置300を示している。
図6A、
図6Bはそれぞれ、矢視方向を変えて見た製造装置300を斜視図で示している。
【0055】
製造装置300は、ワークとしてのおむつ1を吸着しながら搬送方向の上流から下流に向けて搬送するバキュームコンベア310と、バキュームコンベア310に沿って配置された複数組の一対のローラ311~317と、バキュームコンベア310の下流に設けられた仮止め用ヒートシールユニット320とを含んで構成されている。仮止め用ヒートシールユニット320は、一対の複数組の一対のローラ311~317の内の最下流の一対のローラ317の下流に配置されている。
【0056】
おむつ1は、連続シート状態でバキュームコンベア310に沿って上流から下流に搬送される。胴回り部200は、隣り合う胴回り部200と切断線200Lにて切断されていない一体の連続シート状態となっている。胴回り部200の中央領域200Mには股部100の後見頃領域100Rが接合された状態となっている。なお、連続シート状態のおむつ1は、バキュームコンベア310の上流と下流に設けられた図示しないローラによって長手方向に張力を付与されながら搬送される。
【0057】
股部100の前見頃領域100Fは、バキュームコンベア310により吸着されながら、バキュームコンベア310の上に保持されながら上流から下流へ搬送される。
【0058】
連続シート状態の胴回り部200は、複数組の一対のローラ311~317の間を挿通しながらバキュームコンベア310に沿って上流から下流に搬送される。
【0059】
複数組の一対のローラ311~317はそれぞれ、上流から下流に向かうにつれて、股部100を、展開状態から折り返し線111Lに沿って股部100の後見頃領域100Rを内側に徐々に折り返す姿勢角が付与されている。このため胴回り部200の中央領域200Mが、一対のローラ311~317を通過する毎に、股部100の後見頃領域100Rが内側に徐々に折り返される。胴回り部200の中央領域200Mが、最下流の一対のローラ317を通過した時点で、股部100の前側面100Aと対向面100Bが対向した状態となる(ステップS1)。
【0060】
胴回り部200の中央領域200Mが、仮止め用ヒートシールユニット320まで搬送された時点で仮止め用ヒートシールユニット320によって仮止めが行われる。
【0061】
仮止め用ヒートシールユニット320は、上側ローラ部321と、下側ローラ323を含んで構成されている。上側ローラ部321は、上側ローラ322を支持しながら下側ローラ323に向けて下降することができる。また上側ローラ部321は、上側ローラ322を支持しながら下側ローラ323から離れるよう上昇することができる。上側ローラ322にはヒータにより熱が加えられている。上側ローラ322の下降及び上昇は、連続シート状態のおむつ1の搬送に応じて制御される。
【0062】
上側ローラ322と下側ローラ323の間に、胴回り部200の中央領域200Mが位置されると、上側ローラ322が下側ローラ323に向けて下降する。これにより股部100の前側面100A及び対向面100Bそれぞれの仮止め部111A及び111Bに熱溶着(ヒートシール)が施され圧着される。この後、上側ローラ322は下側ローラ323から離れるように上昇し、股部100の前側面100A及び対向面100Bそれぞれの仮止め部111A及び111Bが冷却され、股部100の前側面100A、対向面100B同士が仮止め固定された状態となる(ステップS2)。
【0063】
連続シート状態のおむつ1は、切断線200Lにて個々のおむつ1に切断され、次工程の耳折り工程に搬送される。
【0064】
二つ折りされた股部100は仮止めにより固定されている。このため耳折り工程時に、股部100の前見頃領域100Fが動いてしまうことがない。これにより胴回り部200の左右サイドフラップ220L及び220Rを内側に折り込む耳折りが安定して行われる。この結果折込み不良の発生を抑制することができる(ステップS3)。
【0065】
以上のように実施形態によれば、胴回り部200の左右サイドフラップ220L及び220Rの耳折りが安定する。このため折込み不良のないパンツ型着用物品を製造することができる。
【0066】
また、実施形態によれば、パンツ型着用物品が未使用品であるか否かを容易に判別することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 おむつ
100 股部
200 胴回り部
220L 左端部係合部材
220R 右端部係合部材
121 被係合部材
122 被係合領域
100A 前側面
100B 対向面
111A、111B 仮止め部