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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047241
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】シリンダ錠型流体弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 35/02 20060101AFI20230329BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20230329BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20230329BHJP
   E05B 27/06 20060101ALI20230329BHJP
   E05B 3/00 20060101ALI20230329BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
F16K35/02 Z
E05B65/00 Z
E05B19/00 G
E05B27/06
E05B3/00 A
E03C1/042 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156208
(22)【出願日】2021-09-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】521420462
【氏名又は名称】浅間情報通信技術合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅間 俊平
【テーマコード(参考)】
2D060
3H064
【Fターム(参考)】
2D060BB07
2D060BC00
2D060BE11
2D060BE12
3H064BA13
3H064CA11
3H064CA14
3H064CA17
3H064DA02
(57)【要約】
【課題】流体管理におけるセキュリティ性を向上することができる。
【解決手段】
バルブケース7と弁体8とロータケース9とロータ11とを有し、ロータ11は鍵挿入孔12とタンブラ収納孔13とタンブラ14とを備え、ロータケース9はタンブラ収納凹部15を備え、鍵挿入孔12に連通する鍵穴16に対して挿抜される鍵複合体2を有し、複数のタンブラ収納孔列17を周方向の複数個所に配置し、鍵複合体2は複数の鍵部3を有し、鍵複合体2が鍵穴16に挿入された際、複数の鍵部3のそれぞれに備えられた凹凸形状Dが、対応する1つのタンブラ収納列17の複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納された複数のタンブラ14の自由端部18の位置を、ロータ11の外周面と略一致させることにより、鍵穴15に挿入された状態の鍵複合体2をロータ11とともに回転可能とするシリンダ錠型流体弁装置1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流入する流入口、及び、前記流体が流出する流出口、を備えたバルブケースと、
前記バルブケース内に所定の軸心まわりに回転可能に設けられ、回転により前記流体の流通を断続可能な弁体と、
前記バルブケースに対し固定され、略円筒形のロータ収納孔を備えたロータケースと、
前記ロータケースの前記ロータ収納孔に収容され、前記弁体と一体的に前記軸心まわりに回転可能なロータと、
を有し、
前記ロータは、
前記軸心方向に延びる鍵挿入孔と、
前記鍵挿入孔と連通しつつ径方向にそれぞれ形成された複数のタンブラ収納孔と、
前記複数のタンブラ収納孔に対して径方向に進退自在にそれぞれ収容される複数のタンブラと、
を備え、
前記ロータケースは、
前記複数のタンブラ収納孔に対し径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部を備える、
シリンダ錠型流体弁装置であって、
前記ロータの前記軸心方向の一方側端部に備えられた前記鍵挿入孔に連通する鍵穴に対して、挿抜される鍵複合体を有し、
少なくとも2つの前記タンブラ収納孔を前記軸心に平行な方向に沿って一列に並べてタンブラ収納孔列を構成し、
複数のタンブラ収納孔列を、互いに等しい周方向の角度間隔となる周方向の複数個所に配置し、
前記鍵複合体は、
前記複数のタンブラ収納列の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納列と同一の数で設けられた複数の鍵部を有し、
前記鍵複合体が前記鍵穴に挿入された際、前記複数の鍵部のそれぞれに備えられた凹凸形状が、対応する1つのタンブラ収納列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された複数の前記タンブラの自由端部の位置を、前記ロータの外周面と略一致させることにより、当該鍵穴に挿入された状態の前記鍵複合体を前記ロータとともに回転可能とする
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項2】
請求項1記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記鍵複合体が前記鍵穴から抜かれた際、前記複数の鍵部のそれぞれが、対応する1つのタンブラ収納列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された前記複数のタンブラの自由端部の位置を前記ロータの外周面と不一致とすることにより、前記ロータを回転不能とする
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項3】
請求項2記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記複数の鍵部それぞれに備えられた前記凹凸形状は、互いに略同一であり、
これに対応して、前記複数のタンブラ収納孔列それぞれは、
各タンブラ収納孔列に備えられた前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納される前記複数のタンブラの前記自由端部の位置が、互いに略同一である
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項4】
請求項3記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記複数のタンブラ収納孔列が配置される前記角度間隔は、
前記弁体の回転により調整される前記流体の流通量の目標調整間隔に対応して定められている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項5】
請求項4記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記シリンダ錠型流体弁装置において、
前記弁体を手動操作で回転させるためのハンドルをさらに有し、
前記ハンドルは、
前記鍵複合体と一体的に構成されており、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記流体の流通を断続可能に構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項6】
請求項5記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記流入口は、水が流入する入水口であり、
前記流出口は、水が流出する出水口であり、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記入水口から前記出水口への水の流通を断続可能な止水栓として構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項7】
請求項5記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記流入口は、建造物用の燃焼ガスが流入するガス流入口であり、
前記流出口は、前記燃焼ガスが流出するガス流出口であり、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記ガス流入口から前記ガス流出口への前記燃焼ガスの流通を断続可能なガス栓として構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ錠型流体弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盗水を防止するために水栓蛇口に取り付けられる盗水防止カバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-129534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の盗水防止カバー1は、水栓蛇口2の上から盗水防止カバー1を被せ、チェーン3を盗水防止カバー1についている鍵ループ4に入れて鍵5により施錠するものであるが、盗水防止カバー1やチェーン3を破壊すれば簡単に水の流通を変化させることができた。したがってセキュリティ面をさらに向上させる必要があった。
【0005】
本発明の目的は、水等の流体の提供を受けるユーザの意に反して、部外者が無断で弁体を回転させ上記流体の流通を変化させるのを防止することができ、流体管理におけるセキュリティ性を向上することができるシリンダ錠型流体弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、流体が流入する流入口、及び、前記流体が流出する流出口、を備えたバルブケースと、前記バルブケース内に所定の軸心まわりに回転可能に設けられ、回転により前記流体の流通を断続可能な弁体と、前記バルブケースに対し固定され、略円筒形のロータ収納孔を備えたロータケースと、前記ロータケースの前記ロータ収納孔に収容され、前記弁体と一体的に前記軸心まわりに回転可能なロータと、を有し、前記ロータは、前記軸心方向に延びる鍵挿入孔と、前記鍵挿入孔と連通しつつ径方向にそれぞれ形成された複数のタンブラ収納孔と、前記複数のタンブラ収納孔に対して径方向に進退自在にそれぞれ収容される複数のタンブラと、を備え、前記ロータケースは、前記複数のタンブラ収納孔に対し径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部を備える、シリンダ錠型流体弁装置であって、前記ロータの前記軸心方向の一方側端部に備えられた前記鍵挿入孔に連通する鍵穴に対して、挿抜される鍵複合体を有し、少なくとも2つの前記タンブラ収納孔を前記軸心に平行な方向に沿って一列に並べてタンブラ収納孔列を構成し、複数のタンブラ収納孔列を、互いに等しい周方向の角度間隔となる周方向の複数個所に配置し、前記鍵複合体は、前記複数のタンブラ収納列の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納列と同一の数で設けられた複数の鍵部を有し、前記鍵複合体が前記鍵穴に挿入された際、前記複数の鍵部のそれぞれに備えられた凹凸形状が、対応する1つのタンブラ収納列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された複数の前記タンブラの自由端部の位置を、前記ロータの外周面と略一致させることにより、当該鍵穴に挿入された状態の前記鍵複合体を前記ロータとともに回転可能とするシリンダ錠型流体弁装置であることを特徴としている。
【0007】
本願発明の流体弁装置においては、流入口と流出口とを備えたバルブケース内に弁体が設けられている。弁体は、所定の軸心まわりに回転可能であり、その回転によって、流入口から流入し流出口から流出する、例えば水やガス等の流体の流通を断続することができる。
【0008】
本願発明の流体弁装置においては、上記弁体を回転させるための機構を、いわゆるシリンダ錠タイプに構成する。すなわち、バルブケースにロータケースを固定し、ロータケースに備えられたロータ収納孔内に弁体と一体的に回転可能なロータを収容する。ロータ内には、軸心方向に延びる鍵挿入孔と、径方向にそれぞれ延びる複数のタンブラ収納孔と、各タンブラ収納孔に径方向に進退自在に配置されるタンブラと、が設けられ、ロータケースには、各タンブラ収納孔に径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部が設けられる。
【0009】
このとき、ロータでは、少なくとも2つのタンブラ収納孔が軸心に平行な方向に沿って一列に並べられることでタンブラ収納孔列が構成され、このタンブラ収納孔列が複数列設けられている。これら複数のタンブラ収納孔列は、所定の角度間隔をもって互いに周方向に等間隔に配置されている。これに対応し、ロータの鍵挿入孔に挿入される鍵複合体は、複数の鍵部を備えている。これら複数の鍵部は、上記角度間隔と同一の角度間隔で設けられるとともに、上記複数のタンブラ収納列の数と同一数で設けられている。
【0010】
そして、本願発明の流体弁装置においては、上記構成により、鍵複合体を鍵穴に挿入した際に、各鍵部の凹凸形状が、対応する各タンブラの自由端部の位置をロータの外周面と略一致させて、鍵複合体及びロータをともに回転可能とする、いわゆるシリンダ錠が形成される。
【0011】
これにより、鍵複合体をロータの鍵穴に挿入しない限りロータ及び弁体を回転させることはできなくなる。その結果、上記流体の提供を受けるユーザ(又はその関係者)の意に反して、それ以外の部外者が無断で弁体を回転させ上記流体の流通を変化させるのを防止することができ、流体管理におけるセキュリティ性を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水等の流体の提供を受けるユーザの意に反して、部外者が無断で弁体を回転させ上記流体の流通を変化させるのを防止することができ、流体管理におけるセキュリティ性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る鍵複合体の斜視図である。
図2】本実施形態に係るシリンダ錠型流体弁装置の断面図である。
図3】ロータケースとロータの詳細構造を表す斜視図である。
図4】本実施形態に係るシリンダ錠型流体弁装置の構成の要部を表す斜視図である。
図5図4の要部において鍵穴に鍵複合体を挿入した状態を表す斜視図である。
図6図4の要部において鍵穴に鍵複合体を挿入して回転させた状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1図3において本実施形態に係るシリンダ錠型流体弁装置1の構成を示す。図1は鍵複合体2の斜視図であり、図2はシリンダ錠型流体弁装置1を側面から見た断面図であり、図3はロータケース9とロータ11の構造を表す斜視図である。
【0016】
図2に示すシリンダ錠型流体弁装置1は、流体が流入する流入口5及び前記流体が流出する流出口6を備えたバルブケース7と、バルブケース7内に所定の軸心Pまわりに回転可能に設けられ、回転により前記流体の流通を断続可能な弁体8とを有する。弁体8及びその周辺構造としては公知の構造を用いることができる。
【0017】
シリンダ錠型流体弁装置1は、バルブケース7に対し、直接または任意の中間部材を介し間接的に固定されたロータケース9を有し、ロータケース9は略円筒形のロータ収納孔10を備える。シリンダ錠型流体弁装置1は、ロータケース9のロータ収納孔10に収容され、弁体8と一体的に軸心Pまわりに回転可能なロータ11を有する。図2に示される上下方向は、所定の軸心P(ロータケース9等の軸心)に平行な方向である。
【0018】
ロータ11は、前記軸心方向に延びる鍵挿入孔12と、鍵挿入孔12と連通しつつ径方向にそれぞれ形成された複数のタンブラ収納孔13と、複数のタンブラ収納孔13に対して、ばね等により径方向に進退自在にそれぞれ収容される複数のタンブラ14とを備える。
【0019】
ロータケース9は、複数のタンブラ収納孔13に対し径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部15を備える。
【0020】
ロータケース9及びロータ11は略円筒形状であり、ロータケース9がシリンダ錠の外筒に相当しロータ11が内筒に相当する。タンブラ収納孔13は、鍵挿入孔12に連通して構成され、矩形状のタンブラ14をロータ11の径方向に移動案内させる。タンブラ14は、それぞれ対応する鍵部3の形状に合わせて、径方向の任意の場所においてタンブラ14の切断面となる自由端18(図5図6で後述)を備える。
【0021】
シリンダ錠型流体弁装置1は、ロータ11の前記軸心方向の一方側端部(図2の上方向端部)に備えられた鍵挿入孔12に連通する鍵穴16に対して、挿抜される鍵複合体2を有する。図3に示すように、鍵穴16は軸心P方向から見た時、例えば略十字状の断面形状となっている。鍵穴16の断面形状は鍵部3の数等によって適宜設計変更可能である。
【0022】
図1に示すように、鍵複合体2はそれぞれ凹凸形状Dを備えた複数の鍵部3a~d(以下適宜、単に「鍵部3」と総称する)を有する。鍵複合体2は円筒部4とハンドルHとを備える。この図では、円筒部4の外周に90°間隔で4つの鍵部3a~dが設けられている。鍵部3dは円筒部4の背後にあるためこの図では図示を省略している。
【0023】
ハンドルHは、弁体8を手動操作で回転させるために設けられ、鍵複合体2と一体的に構成されている。ハンドルHと一体的に構成された鍵複合体2を鍵穴16に挿入してハンドルHを回転させることにより、前記流体の流通を断続可能に構成されている。
【0024】
この図では、ハンドルHは、円筒部4に設けたネジ穴(図示なし)に対して座金20を介して六角ボルト21により取り付けられることで一体的に構成されている。
【0025】
前記流体としては、例えば水が挙げられる。図2に示したシリンダ錠型流体弁装置1において、流入口5は、水が流入する入水口であり、流出口6は、水が流出する出水口であり、シリンダ錠型流体弁装置1は、図1に示したハンドルHと一体的に構成された鍵複合体2を鍵穴16に挿入してハンドルHを回転させることにより、前記入水口から前記出水口への水の流通を断続可能な止水栓として構成されている。
【0026】
前記流体の他の例としては、例えばガスが挙げられる。図2に示したシリンダ錠型流体弁装置1において、流入口5は、建造物用の燃焼ガスが流入するガス流入口であり、流出口6は、前記燃焼ガスが流出するガス流出口であり、シリンダ錠型流体弁装置1は、図1に示したハンドルHと一体的に構成された鍵複合体2を鍵穴16に挿入してハンドルHを回転させることにより、前記ガス流入口から前記ガス流出口への前記燃焼ガスの流通を断続可能なガス栓として構成されている。
【0027】
図4に、図3までに説明したシリンダ錠型流体弁装置1の構成の要部を示す。シリンダ錠型流体弁装置1は、少なくとも2つのタンブラ収納孔13を前記軸心Pに平行な方向に沿って一列に並べてタンブラ収納孔列17を構成し、複数のタンブラ収納孔列17を、互いに等しい周方向の角度間隔となる周方向の複数個所に配置している。
【0028】
この図では、それぞれ10本ずつのタンブラ収納孔13により構成されるタンブラ収納孔列17が、周方向に90°の角度間隔で4つ配置されている。
【0029】
鍵複合体2は、複数のタンブラ収納列17の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納列17と同一の数で設けられた複数の鍵部3a~dを有し、鍵部3a~dはそれぞれ鍵挿入孔12a~dに対応して挿抜されるようになっている。
【0030】
図5は、シリンダ錠型流体弁装置1の構成の要部において、鍵複合体2を鍵穴16に挿入した時の斜視図である。なお、図の煩雑を避けるために、鍵複合体2の一部については図示を省略している。
【0031】
シリンダ錠型流体弁装置1において、鍵複合体2が鍵穴16に挿入された際、図4で示した、複数の鍵部3a~dのそれぞれに備えられた凹凸形状Dが、対応する1つのタンブラ収納列17の複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納された複数のタンブラ14の自由端部18の位置を、ロータ11の外周面19と略一致させることにより、鍵穴16に挿入された状態の鍵複合体2をロータ11とともに回転可能となっている。
【0032】
すなわち、各タンブラ収納列17のタンブラ14の自由端を上述の条件に適合されるように構成された鍵部3を有する鍵複合体2のみが、鍵穴16に挿入でき、ロータ11を弁体8とともに回転させることができるようになっている。
【0033】
この図では、ロータ11の外周面19はロータ収納孔10と略一致するようになっている。
【0034】
図6は、シリンダ錠型流体弁装置1の構成の要部において、鍵複合体2を鍵穴16に挿入し、鍵複合体2を回転させ始めた状態を表す斜視図である。この図では、ロータ11の周方向に沿って約15°程度、鍵複合体2をロータ11とともに回転させた状態となっている。
【0035】
なお、シリンダ錠型流体弁装置1において、鍵複合体2が鍵穴16から抜かれた際、複数の鍵部3a~dのそれぞれが、対応する1つのタンブラ収納列17の複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納された複数のタンブラ14の自由端部18の位置をロータ11の外周面19と不一致とすることにより、ロータ11を回転不能とするようになっている。
【0036】
シリンダ錠型流体弁装置1において、複数の鍵部3a~dそれぞれに備えられた凹凸形状Dは、互いに略同一であり、これに対応して、複数のタンブラ収納孔列17それぞれは、各タンブラ収納孔列17に備えられた複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納される複数のタンブラ14の自由端部18の位置が、互いに略同一となっていることが好ましい。
【0037】
すなわち、複数の鍵部3a~dのうち、どれを用いても、4つのタンブラ収納孔列17に収納されているタンブラ14の自由端18の位置をロータ11の外周面19と一致させることができるように構成されていることが好ましい。
【0038】
上述のような構造とすれば、例えば鍵複合体2を鍵穴16に挿入し、90°回転させて、鍵部3aが元々鍵部3bがあった場所に来たときに、鍵複合体2を抜くことができる。このようにして、90°回転させるごとに、鍵複合体2の挿抜を行うことができる。
【0039】
シリンダ錠型流体弁装置1において、複数のタンブラ収納孔列17が配置される角度間隔Aは、弁体8の回転により調整される流体の流通量の目標調整間隔に対応して定められている。
【0040】
上述の鍵複合体2の回転及び挿抜により、ロータ11及び弁体8も同時に回転し、水やガスなどの流体の流通量が変動する。図6では4つの鍵部3及びタンブラ収納孔列17が配置され、角度間隔Aが90°となっているが、流通量をきめ細かく調整するために、角度間隔Aが45°や30°等であってもかまわない。角度間隔Aは30°であることがより好ましい。その場合は、鍵複合体2を30°回転させるごとに鍵複合体2の挿抜を行うことができる。
【0041】
<実施形態の効果>
本実施形態のシリンダ錠型流体弁装置1においては、流入口5と流出口6とを備えたバルブケース7内に弁体8が設けられている。弁体8は、所定の軸心まわりに回転可能であり、その回転によって、流入口5から流入し流出口6から流出する、例えば水やガス等の流体の流通を断続することができる。
【0042】
本実施形態のシリンダ錠型流体弁装置1においては、弁体8を回転させるための機構を、いわゆるシリンダ錠タイプに構成する。すなわち、バルブケース7にロータケース9を固定し、ロータケース9に備えられたロータ収納孔10内に弁体8と一体的に回転可能なロータ11を収容する。ロータ11内には、軸心方向に延びる鍵挿入孔12と、径方向にそれぞれ延びる複数のタンブラ収納孔13と、各タンブラ収納孔13に径方向に進退自在に配置されるタンブラ14と、が設けられ、ロータケース9には、各タンブラ収納孔13に径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部15が設けられる。
【0043】
このとき、ロータ11では、少なくとも2つのタンブラ収納孔13が軸心に平行な方向に沿って一列に並べられることでタンブラ収納孔列17が構成され、このタンブラ収納孔列17が複数列設けられている。これら複数のタンブラ収納孔列17は、所定の角度間隔Aをもって互いに周方向に等間隔に配置されている。これに対応し、ロータ11の鍵挿入孔12に挿入される鍵複合体2は、複数の鍵部3を備えている。これら複数の鍵部3は、上記角度間隔Aと同一の角度間隔で設けられるとともに、上記複数のタンブラ収納列17の数と同一数で設けられている。
【0044】
そして、本実施形態のシリンダ錠型流体弁装置1においては、上記構成により、鍵複合体2を鍵穴16に挿入した際に、各鍵部3の凹凸形状Dが、対応する各タンブラ14の自由端部18の位置をロータ11の外周面19と略一致させて、鍵複合体2及びロータ11をともに回転可能とする、いわゆるシリンダ錠が形成される。
【0045】
これにより、鍵複合体2をロータ11の鍵穴16に挿入しない限りロータ11及び弁体8を回転させることはできなくなる。その結果、上記流体の提供を受けるユーザ(又はその関係者)の意に反して、それ以外の部外者が無断で弁体8を回転させ上記流体の流通を変化させるのを防止することができ、流体管理におけるセキュリティ性を向上することができる。
【0046】
また、本実施形態のシリンダ錠型流体弁装置1では特に、上記のシリンダ錠の構成によって、鍵複合体2を鍵穴16から抜いた後は、各鍵部3の凹凸形状Dが消失することで、対応する各タンブラ14の自由端部18の位置がロータ11の外周面と一致しなくなる結果、ロータ11を回転不能とすることができる。
【0047】
また、本実施形態では特に、複数の鍵部3a~dそれぞれに備えられた凹凸形状Dが互いに略同一であり、これに対応して、複数のタンブラ収納孔列17のそれぞれの各タンブラ収納孔列17に備えられた複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納される複数のタンブラ14の自由端部18の位置が互いに略同一である
ことにより、複数の鍵部3a~dを備えた鍵複合体2を鍵穴16に挿入してロータ11及び弁体8を回転させる際、周方向に360°分1周させなくても、最低限、360°を上記鍵部3a~dの数(又はタンブラ収納孔列17の数。以下適宜、「鍵部3等の数」という)で除した数の角度だけ回転させれば、その後鍵複合体2を鍵穴16から抜き取ることができる。すなわち例えば、鍵部3等の数が4個であれば鍵複合体2を鍵穴16に挿入後90°(=360°/4)だけ回せば、その後鍵複合体2を鍵穴16から抜き取ることができる。同様に、鍵部3等の数が6個であれば60°、8個であれば45°、12個であれば30°だけ回せば、その後鍵複合体2を鍵穴16から抜き取ることができる。
【0048】
前述のように、鍵複合体2を鍵穴16に挿入しロータ11及び弁体8を回転させた後に抜き取るために必要な最小の角度は、上記鍵部3等の数によって決定される。そこで本実施形態においては特に、上記鍵部3及びタンブラ収納孔列17の角度間隔A、言い換えれば上記鍵部3及びタンブラ収納孔列17の個数を、調整される流体の流通量の目標調整間隔に対応して定める。これにより、例えば、流通量の調整を比較的粗く行えば足りる場合は鍵部3及びタンブラ収納孔列17の個数を少なめに設定し、流通量の調整をきめ細かく行いたい場合は鍵部3及びタンブラ収納孔列17の個数を多めに設定すればよい。すなわち、流体の提供を受けるユーザ(又はその関係者)のニーズに柔軟に対応することができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、ハンドルHと一体的に構成されている鍵複合体2
を鍵穴16に挿入した後、ハンドルHを適宜の角度だけ回転させることにより、流体の流通を遮断したり、再開させたり、流通量を所望の値に設定したりすることができる。
【0050】
また、本実施形態では特に、シリンダ錠型流体弁装置1が止水栓として構成されることにより、例えば水道水の提供を受ける住宅の住民や噴水のある公園の管理者等の意に反して、それ以外の部外者が、上記住宅や噴水等への水道水の供給を勝手に止めたり勝手に再開したり、等を行うのを防止することができる。
【0051】
また、本実施形態では特に、シリンダ錠型流体弁装置1がガス栓として構成されることにより、例えば都市ガスやLPガスの提供を受ける住宅の住民や事業所の管理者等の意に反して、それ以外の部外者が、上記住宅や事業所等へのガスの供給を勝手に止めたり勝手に再開したり、等を行うのを防止することができる。
【0052】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0053】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0054】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 シリンダ錠型流体弁装置
2 鍵複合体
3 鍵部
4 円筒部
5 流入口
6 流出口
7 バルブケース
8 弁体
9 ロータケース
10 ロータ収納孔
11 ロータ
12 鍵挿入孔
13 タンブラ収納孔
14 タンブラ
15 タンブラ収納凹部
16 鍵穴
17 タンブラ収納列
18 自由端部
19 外周面
20 座金
21 六角ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流入する流入口、及び、前記流体が流出する流出口、を備えたバルブケースと、
前記バルブケース内に所定の軸心まわりに回転可能に設けられ、回転により前記流体の流通を断続可能な弁体と、
前記バルブケースに対し固定され、略円筒形のロータ収納孔を備えたロータケースと、
前記ロータケースの前記ロータ収納孔に収容され、前記弁体と一体的に前記軸心まわりに回転可能なロータと、
を有し、
前記ロータは、
前記軸心方向に延びる鍵挿入孔と、
前記鍵挿入孔と連通しつつ径方向にそれぞれ形成された複数のタンブラ収納孔と、
前記複数のタンブラ収納孔に対して径方向に進退自在にそれぞれ収容される複数のタンブラと、
を備え、
前記ロータケースは、
前記複数のタンブラ収納孔に対し径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部を備え
かつ、
前記ロータの前記軸心方向の一方側端部に備えられた前記鍵挿入孔に連通する鍵穴に対して、挿抜される鍵複合体を有し、
少なくとも2つの前記タンブラ収納孔を前記軸心に平行な方向に沿って一列に並べてタンブラ収納孔列を構成し、
複数のタンブラ収納孔列を、互いに等しい周方向の角度間隔となる周方向の複数個所に配置し、
前記鍵複合体は、
前記複数のタンブラ収納孔列の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納孔列と同一の数で設けられた複数の鍵部を有し、
前記鍵複合体が前記鍵穴に挿入された際、前記複数の鍵部のそれぞれに備えられた凹凸形状が、対応する1つのタンブラ収納孔列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された複数の前記タンブラの自由端部の位置を、前記ロータの外周面と略一致させることにより、当該鍵穴に挿入された状態の前記鍵複合体を前記ロータとともに回転可能としたシリンダ錠型流体弁装置であって、
前記鍵複合体が前記鍵穴から抜かれた際、前記複数の鍵部のそれぞれが、対応する1つのタンブラ収納孔列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された前記複数のタンブラの自由端部の位置を前記ロータの外周面と不一致とすることにより、前記ロータを回転不能とし、
前記複数のタンブラ収納孔列の数に対応する当該タンブラ収納孔列が配置される前記角度間隔を、前記弁体の回転により調整される前記流体の流通量の目標調整間隔に対応して60°又は45°又は30°に定め、前記複数の鍵部それぞれに備えられた前記凹凸形状を、互いに同一とし、これに対応して、前記複数のタンブラ収納孔列それぞれにおいて、各タンブラ収納孔列に備えられた前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納される前記複数のタンブラの前記自由端部の位置を、互いに同一とすることにより、
前記鍵複合体を前記鍵穴に差し込んだ後、360°を前記タンブラ収納孔列の数で除した数の角度であって前記角度間隔に等しい角度である60°又は45°又は30°だけ回転させることで、前記鍵複合体を前記鍵穴から抜き取ることができるようにした
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項2】
請求項1記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記シリンダ錠型流体弁装置において、
前記弁体を手動操作で回転させるためのハンドルをさらに有し、
前記ハンドルは、
前記鍵複合体と一体的に構成されており、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記流体の流通を断続可能に構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項3】
請求項2記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記流入口は、水が流入する入水口であり、
前記流出口は、水が流出する出水口であり、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記入水口から前記出水口への水の流通を断続可能な止水栓として構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【請求項4】
請求項2記載のシリンダ錠型流体弁装置において、
前記流入口は、建造物用の燃焼ガスが流入するガス流入口であり、
前記流出口は、前記燃焼ガスが流出するガス流出口であり、
前記ハンドルと一体的に構成された前記鍵複合体を前記鍵穴に挿入して当該ハンドルを回転させることにより、前記ガス流入口から前記ガス流出口への前記燃焼ガスの流通を断続可能なガス栓として構成されている
ことを特徴とするシリンダ錠型流体弁装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、流体が流入する流入口、及び、前記流体が流出する流出口、を備えたバルブケースと、前記バルブケース内に所定の軸心まわりに回転可能に設けられ、回転により前記流体の流通を断続可能な弁体と、前記バルブケースに対し固定され、略円筒形のロータ収納孔を備えたロータケースと、前記ロータケースの前記ロータ収納孔に収容され、前記弁体と一体的に前記軸心まわりに回転可能なロータと、を有し、前記ロータは、前記軸心方向に延びる鍵挿入孔と、前記鍵挿入孔と連通しつつ径方向にそれぞれ形成された複数のタンブラ収納孔と、前記複数のタンブラ収納孔に対して径方向に進退自在にそれぞれ収容される複数のタンブラと、を備え、前記ロータケースは、前記複数のタンブラ収納孔に対し径方向にそれぞれ連通する複数のタンブラ収納凹部を備え、かつ、前記ロータの前記軸心方向の一方側端部に備えられた前記鍵挿入孔に連通する鍵穴に対して、挿抜される鍵複合体を有し、少なくとも2つの前記タンブラ収納孔を前記軸心に平行な方向に沿って一列に並べてタンブラ収納孔列を構成し、複数のタンブラ収納孔列を、互いに等しい周方向の角度間隔となる周方向の複数個所に配置し、前記鍵複合体は、前記複数のタンブラ収納孔列の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納孔列と同一の数で設けられた複数の鍵部を有し、前記鍵複合体が前記鍵穴に挿入された際、前記複数の鍵部のそれぞれに備えられた凹凸形状が、対応する1つのタンブラ収納孔列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された複数の前記タンブラの自由端部の位置を、前記ロータの外周面と略一致させることにより、当該鍵穴に挿入された状態の前記鍵複合体を前記ロータとともに回転可能としたシリンダ錠型流体弁装置であって、前記鍵複合体が前記鍵穴から抜かれた際、前記複数の鍵部のそれぞれが、対応する1つのタンブラ収納孔列の前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納された前記複数のタンブラの自由端部の位置を前記ロータの外周面と不一致とすることにより、前記ロータを回転不能とし、前記複数のタンブラ収納孔列の数に対応する当該タンブラ収納孔列が配置される前記角度間隔を、前記弁体の回転により調整される前記流体の流通量の目標調整間隔に対応して60°又は45°又は30°に定め、前記複数の鍵部それぞれに備えられた前記凹凸形状を、互いに同一とし、これに対応して、前記複数のタンブラ収納孔列それぞれにおいて、各タンブラ収納孔列に備えられた前記複数のタンブラ収納孔にそれぞれ収納される前記複数のタンブラの前記自由端部の位置を、互いに同一とすることにより、前記鍵複合体を前記鍵穴に差し込んだ後、360°を前記タンブラ収納孔列の数で除した数の角度であって前記角度間隔に等しい角度である60°又は45°又は30°だけ回転させることで、前記鍵複合体を前記鍵穴から抜き取ることができるようにしたことを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
このとき、ロータでは、少なくとも2つのタンブラ収納孔が軸心に平行な方向に沿って一列に並べられることでタンブラ収納孔列が構成され、このタンブラ収納孔列が複数列設けられている。これら複数のタンブラ収納孔列は、所定の角度間隔をもって互いに周方向に等間隔に配置されている。これに対応し、ロータの鍵挿入孔に挿入される鍵複合体は、複数の鍵部を備えている。これら複数の鍵部は、上記角度間隔と同一の角度間隔で設けられるとともに、上記複数のタンブラ収納孔列の数と同一数で設けられている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
鍵複合体2は、複数のタンブラ収納孔列17の前記角度間隔と同一の角度間隔で当該複数のタンブラ収納孔列17と同一の数で設けられた複数の鍵部3a~dを有し、鍵部3a~dはそれぞれ鍵挿入孔12a~dに対応して挿抜されるようになっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
シリンダ錠型流体弁装置1において、鍵複合体2が鍵穴16に挿入された際、図4で示した、複数の鍵部3a~dのそれぞれに備えられた凹凸形状Dが、対応する1つのタンブラ収納孔列17の複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納された複数のタンブラ14の自由端部18の位置を、ロータ11の外周面19と略一致させることにより、鍵穴16に挿入された状態の鍵複合体2をロータ11とともに回転可能となっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
すなわち、各タンブラ収納孔列17のタンブラ14の自由端を上述の条件に適合されるように構成された鍵部3を有する鍵複合体2のみが、鍵穴16に挿入でき、ロータ11を弁体8とともに回転させることができるようになっている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
なお、シリンダ錠型流体弁装置1において、鍵複合体2が鍵穴16から抜かれた際、複数の鍵部3a~dのそれぞれが、対応する1つのタンブラ収納孔列17の複数のタンブラ収納孔13にそれぞれ収納された複数のタンブラ14の自由端部18の位置をロータ11の外周面19と不一致とすることにより、ロータ11を回転不能とするようになっている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
このとき、ロータ11では、少なくとも2つのタンブラ収納孔13が軸心に平行な方向に沿って一列に並べられることでタンブラ収納孔列17が構成され、このタンブラ収納孔列17が複数列設けられている。これら複数のタンブラ収納孔列17は、所定の角度間隔Aをもって互いに周方向に等間隔に配置されている。これに対応し、ロータ11の鍵挿入孔12に挿入される鍵複合体2は、複数の鍵部3を備えている。これら複数の鍵部3は、上記角度間隔Aと同一の角度間隔で設けられるとともに、上記複数のタンブラ収納孔列17の数と同一数で設けられている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
1 シリンダ錠型流体弁装置
2 鍵複合体
3 鍵部
4 円筒部
5 流入口
6 流出口
7 バルブケース
8 弁体
9 ロータケース
10 ロータ収納孔
11 ロータ
12 鍵挿入孔
13 タンブラ収納孔
14 タンブラ
15 タンブラ収納凹部
16 鍵穴
17 タンブラ収納孔列
18 自由端部
19 外周面
20 座金
21 六角ボルト