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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047248
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】錠システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20230329BHJP
   E04H 6/10 20060101ALI20230329BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20230329BHJP
   B62H 5/00 20060101ALI20230329BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230329BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20230329BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230329BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230329BHJP
   E04H 6/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
E05B47/00 Z
E04H6/10 B
E04H6/42 G
B62H5/00 Z
G06Q50/10
G07B15/00 M
G07B15/00 N
H04Q9/00 301B
H04M11/00 301
E04H6/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021172726
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】391009040
【氏名又は名称】ヨコトク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】並木 則夫
【テーマコード(参考)】
3E127
5K048
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA01
3E127BA03
3E127CA12
3E127CA37
3E127CA48
3E127CA61
3E127EA04
3E127EA05
3E127EA21
3E127EA46
3E127FA03
3E127FB06
5K048BA52
5K048DB01
5K048DC01
5K048HA01
5K048HA02
5K201BA01
5K201BA17
5K201ED05
5K201ED08
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】 大掛かりな精算装置(駐車場の出入口に設置された管理装置)を廃止して、ユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末のみで、車両の一時預かり等々の開錠施錠に係るサービスを受けられるようにする。
【解決手段】 この発明は駐車装置1と、複数台の駐車装置1を束ねて管理する島管理装置3と、ユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス5とから構成される。島管理装置3は通信部としてのLTE-M(登録商標)30で、インターネットNの閉域イーサネット網を介してクラウドのWebサービス5に接続される。スマートフォン4が出庫要求を出したWebサービス5は、ユーザー認証部50でユーザー認証をして、ユーザーの課金口座に課金すると共に、島管理装置3の開錠部31に駐車ラック2を開錠するように指令を出す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠の開錠施錠を司る錠装置と、この錠装置の複数台を島として制御する島制御装置と、この島制御装置と無線通信装置で接続して島制御装置を介して各々の錠装置に個別に少なくとも開錠動作を行わせたり、ユーザーの携帯通信端末と接続してユーザー認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段と、を備えたIoTの錠システムであって、前記精算手段はインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段であり、かつ前記島制御装置の無線通信装置にLTE-M(登録商標)を有していることを特徴とする、錠システム。
【請求項2】
錠の開錠施錠を司る錠装置と、この錠装置を制御する制御装置と、この制御装置と無線通信装置で接続して制御装置を介して錠装置に少なくとも開錠動作を行わせたり、ユーザーの携帯通信端末と接続してユーザー認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段と、を備えたIoTの錠システムであって、前記精算手段はインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段であり、かつ前記制御装置の無線通信装置にLTE-M(登録商標)を有していることを特徴とする、錠システム。
【請求項3】
前記錠装置が、車両の駐車装置に設けられた車両の出庫制御手段である、請求項1または請求項2に記載の錠システム。
【請求項4】
前記錠装置が、車両の駐車場に設けられたゲート装置である、請求項2に記載の錠システム。
【請求項5】
前記錠装置が、車両に設けられた錠装置である、請求項2に記載の錠システム。
【請求項6】
前記錠装置が、ホテル(ペットホテルを含む)に於ける各室に設けられた門扉制御手段である、請求項1または請求項2に記載の錠システム。
【請求項7】
前記管理装置は、設定された時間内の前記錠装置の使用であれば、前記精算手段による利用料金の精算を行うことなく前記錠装置によって開錠を行うものである、請求項1または請求項2に記載の錠システム。
【請求項8】
前記精算手段は登録ユーザーのクレジットカードを登録させて利用料金の精算を行うものである、請求項1または請求項2に記載の錠システム。
【請求項9】
前記精算手段は登録ユーザーの携帯端末に係る課金手段を用いて利用料金の精算を行うものである、請求項1または請求項2に記載の錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自転車、自動二輪車、自動車などの車両の駐車設備、ホテルおよび犬や猫などのペットの一時預かり設備、等々の錠システムに係り、IoT(Internet of Things)を利用して高いセキュリティーで、低コストにて設置することが出来るものに関する。以下では理解を明快なものにするために、例えばペットの一時預かり設備等の詳細に関しては後述するとして、これ等を代表して車両の駐車設備の説明を行うものである。
【背景技術】
【0002】
駐車場に於ける車両の一時預かりサービスを自動化して管理者の無人化を計り、省力化やコストダウンを実現するためには、駐車装置に施錠装置を設けると共に利用料金の精算装置を設けることが必須となる。この利用料金の精算装置(駐車場の出入口に設置された管理装置)は概して大型であり、設置には大きなコストが掛かる。
【0003】
例えば特開2005-180161の駐車設備には精算装置としての操作盤が設けられている。この操作盤のコイン投入口にコインを投入して(コイン投入の代わりにプリペイドカードの使用も可能としている)精算し、テンキーによって駐車台番号を指定すると、この情報は制御装置へと伝達され、制御装置は精算を確認し駐車台番号を確認して、通信ケーブルを通じて施錠装置のソレノイドに通電し、この駐車台に駐車されている自転車の前輪を開放して、出庫可能な状態にする。なお発券機はプリペイドカードを発行するためのものであるが、この他にはコイン(硬貨)による精算を可能としている。また入出力部では釣銭を取り扱うことが出来る。
【0004】
また例えば特開2005-339452の料金精算装置は、立設された支柱の回りがこの支柱に取り付けられた筒状の外壁でカバーされており、この筒状外壁の内部に料金精算装置を構成する各機能ブロックが位置取り自在に積み上げて納められており、前記筒状の外壁は前記機能ブロック毎に上下方向に分離可能に設けられている料金精算装置である。この機能ブロックとしては、例えばコイン投入口とコイン計数機のブロック、釣銭払戻機のブロック、カード受入口とカード読取機のブロック、テンキーボードと各種スイッチのブロック等々が任意に準備される。この構成により細長い筒状の筐体を積み上げて場所を取ることなくスッキリと設置することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-180161
【特許文献2】特開2005-339452
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特開2005-180161の精算装置も特開2005-339452の料金精算装置も、単にサイズが大きいと言うだけでなく製造・設置・管理の各段階に於いて多大なコストが掛かっている。仮にこのような精算装置(駐車場の出入口に設置された管理装置)が不要になるのであれば、駐車場の設置コストが極めて小さいものとなるであろう。そうであれば駐車場設置の自由度もより一層高まることが期待される。
【0007】
一方スマートフォンのような携帯端末の普及によってB2C(Business to Customer)が非常に活発化している。ここでも上述のような精算装置が不要となっており、コントローラPCなどを介在させることなく錠の制御と決済とを携帯端末のみで行うことが出来るのであれば、駐車場の設置、決済、通信、電源、セキュリティー等に係るコストを大幅に削減することが可能になり、この分野の飛躍発展が現実のものとなろう。
【0008】
この発明では上述したような問題を解決して、課金を伴う錠システムを低コストで設置することを可能にしたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
当発明者は、大掛かりで「公共的」に使用される精算装置(駐車場の出入口に設置された管理装置)のようなものを廃止する代わりにユーザーが所有するスマートフォンなどの携帯端末を「私的」に使用して、携帯端末のみで車両の一時預かり等々の開錠施錠に係るサービスが受けられるようにしたいものと考えた。
【0010】
上記課題は、錠の開錠施錠を司る錠装置と、この錠装置の複数台を島として制御する島制御装置と、この島制御装置と無線通信装置で接続して島制御装置を介して各々の錠装置に個別に少なくとも開錠動作を行わせたり、ユーザーの携帯通信端末と接続してユーザー認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段と、を備えたIoTの錠システムであって、前記精算手段はインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段でありかつ前記島制御装置の無線通信装置にLTE-M(登録商標)を有していることを特徴とする、錠システムとすることにより達成される。
【0011】
この発明は錠システム全般に関するが、以下では説明を分かりやすくするために一時預かりシステムとして説明する。島に属する複数台の錠装置は島制御装置が個々に開錠施錠の制御を行う。ユーザーの携帯通信端末は上記の仮想サーバによる精算手段に利用料金の清算を依頼すると共に、どの錠装置に付いて開錠または施錠が行いたいかの指令を出すことが出来る。この指令は仮想サーバから上記島制御装置に伝達されて、ユーザー所望の錠の少なくとも開錠動作が行われる。少なくとも開錠動作と言うのは、施錠動作に関しては必要な時に自動でまたは手動で行えば良いと言うことを意味する。
【0012】
島制御装置は、クラウド上の仮想サーバとは島制御装置の無線通信装置の例えばLTE-M(登録商標)SIM(Subscriber Identity Module Card)にて通信を行う。すなわち錠装置は直接閉域網を介してクラウドと接続されている。従って特別な制御装置の介在なくしてセキュリティーやコストの問題が解消され、結果的に通信量や消費電力量の低減も実現されている。なお近年クラウドが提供する決済手段には少額な利用料金でも僅かな決済手数料が設定されたサービスが登場しており、自前の精算手段を設備する必要がなくなり、このようなシェア型サービスの利用は更なる低コスト化に資する。
【0013】
精算手段のユーザーの認証手段は、ユーザーの携帯通信端末から固有の識別符号を取得してユーザー認証を行い、登録ユーザーであるか否かを確認することが出来る。あるいはユーザーの携帯端末から入力される暗証番号を以てユーザー認証を行うようにすることが出来る。さらに二重認証としてユーザーの指紋やユーザーの顔写真や公的な認証サービスによる暗唱などを使用する設計も可能である。登録ユーザーの携帯通信端末と精算手段とが紐付いているため、次はこのユーザーが只今利用しようとしている駐車装置または車両に付されている認証コードを携帯通信端末から入力することで、携帯通信端末と駐車装置や車両とが紐付けられて精算手段に記録される。
【0014】
さて、より具体的にサービスが車両の預かりサービスである場合では、錠装置(後出の出庫制御手段)は当初開錠状態であるため、いつでも車両を受け入れることが出来る状態にある。そこで駐車装置に車両を進入させると出庫制御手段はこれを感知して自動で施錠を行い、車両を出庫不能な状態にする。なお車両を感知して施錠の指令を出すことを出庫制御手段自体で行っても良く、島制御装置で行っても良く、クラウドの精算手段で行うようにしても良い。
【0015】
続いてユーザーがこの駐車装置に付されている固有の識別符号を携帯端末で入力して、この識別符号を携帯端末から精算手段に送信する。この辺りのことは特開2005-180161が精算装置としての操作盤を使用したり特開2005-339452が料金精算装置を使用したりするものであるのと比べると大きく異なる点である。この際に精算手段はユーザーの認証を行って登録ユーザーであることを確認する。同時にこの登録ユーザーに利用料金の精算を促す。なお登録ユーザーでない場合は駐車装置が利用出来ない旨通知をするようにしても良いし、その場でユーザー登録を受け付けるようにしても良い。
【0016】
こうして利用料金の精算が行われた場合には、精算手段は島制御装置を通じて駐車装置の出庫制御手段に開錠させる。この状態で車両は出庫可能であると共に新たに車両を受け入れることが可能となる。
【0017】
なお上記ではユーザーに駐車装置等々に付されている固有の識別符号を携帯通信端末で入力させていた。例えば「A-001」のような英数字を駐車装置に付しておいて、この識別符号を携帯通信端末から入力させるのである。この他、固有の識別符号にQRコード(登録商標)を用いることが可能である。QRコード(登録商標)は広く利用されておりデータ復元力の強いコードである。カメラ画像はデコードすることで認証符号が出力される。このデコードはユーザーの携帯通信端末側で行っても良いし精算手段の側で行っても良い。この辺りのことは任意設計事項である。
【0018】
また上記課題は、錠の開錠施錠を司る錠装置と、この錠装置を制御する制御装置と、この制御装置と無線通信装置で接続して制御装置を介して錠装置に少なくとも開錠動作を行わせたり、ユーザーの携帯通信端末と接続してユーザー認証と利用料金の精算とを行ったりするための精算手段と、を備えたIoTの錠システムであって、前記精算手段はインターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段であり、かつ前記制御装置の無線通信装置にLTE-M(登録商標)を有していることを特徴とする、錠システムとすることにより達成される。
【0019】
請求項1の発明は複数台の錠装置を束ねる島制御装置が、各々の錠装置を精算手段との間に介在する設計であったが、請求項2の発明は錠装置が個々にLTE-M(登録商標)を有していて個々に精算手段と通信する錠システムを構成している点で異なる。
【0020】
すなわち請求項1の発明では島制御装置が不調になると、島全体の錠装置がこの影響を受けるが、錠装置が個々にLTE-M(登録商標)を有していればそのような問題は起こらなくなる分けである。また錠装置が個々に交換や追加が可能になると言う効果もある。
【0021】
さて請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、この発明を駐車装置に適用する場合には、自転車、自動二輪車、自動車などの車両の違いによって専用の駐車ラックや駐車スペースが用意され、それぞれに錠装置が設けられ、この錠装置が車両の出庫制御手段と言うことになる。錠装置は主に遠隔操作が可能な電動式のロック機構であり、電動モータやソレノイドなどが施錠開錠を司る。
【0022】
また請求項2の発明に於いて、前記錠装置が、車両の駐車場に設けられたゲート装置であるものとすることが出来る。例えば囲いで仕切った駐車場の出入口にゲート装置を設けて、ユーザーの車両は駐車場のどこにでも任意に駐車が可能であって良く、唯ゲート装置からの出場が制限される仕組みである。
【0023】
また請求項2の発明に於いて、前記錠装置が、車両に設けられた錠装置であるものとすることが出来る。上記では例えば各車両毎に用意された駐車ラックに、車両の出庫を阻むための錠装置が設けられたり、駐車場のゲート装置の開放を阻むための錠装置が設けられたりしていたが、ここでは車両そのものに車両の移動を制限するための錠装置が設けられている。この場合も遠隔式に少なくとも開錠操作を行うことが出来る。これには当出願人に係る特許第4640667号の「レンタル自転車の錠システム」が参考になる。
【0024】
この特許公報の段落0016によれば、「一般的には開錠して課金を開始し、施錠して課金を終了するのであるが、一時停止と再開の都度きめ細かく課金管理を行なうようにすれば、ユーザーには乗り継ぎも放置返却も安心して行なえるように成る。この観点からも「どこでも駐車場」という新しい概念を実現して見せることが出来る。なお「どこでも駐車場」によれば、従来の駐車場、駐輪台は言うに及ばず、簡易的にロープや柵で囲ったような場所や、路上にラインを引いた場所などを駐車場とするこが可能であり、更には広場や路上など文字通りどこでも駐車場にすることが出来るのである。」と言うことである。
【0025】
次に、請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、前記錠装置が、ホテル(ペットホテルを含む)に於ける各室に設けられた門扉制御手段であるものとすることが出来る。これによれば登録ユーザーがこのホテル(ペットホテルを含む)の各部屋に付されている固有の識別符号を携帯端末から入力して精算手段に送信して、門扉の少なくとも開放と利用料金の精算とが、携帯端末だけで行えるのである。
【0026】
次に、請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、前記管理装置は、設定された時間内の前記錠装置の使用であれば、前記精算手段による利用料金の精算を行うことなく、前記錠装置によって開錠を行うものとすることが出来る。例えば自転車の駐車場が商店街に設置されており、この商店街を利用してもらい易くすべく、1時間以内の駐車は無料であると設定するような使用法を想定している。管理装置や駐車場はこの駐車時間をタイマーにより例えば通勤通学の長時間の駐車と区別するのである。
【0027】
次に、請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、前記精算手段は登録ユーザーのクレジットカードを登録させて、利用料金の精算を行うものとすることが出来る。この他デビットカードを取り扱う銀行と接続したり、暗号資産を取り扱う交換所と接続したりするような設計も可能である。精算手段がクレジットカードの決済端末である場合には精算手段はユーザー登録の中でユーザーが決済手段とするクレジットカードを予め登録しておく必要があることは言うまでもない。デビットカードや仮想通貨に付いても同様である。
【0028】
次に、請求項1の発明に於いても請求項2の発明に於いても、前記精算手段は登録ユーザーの携帯端末に係る課金手段を用いて利用料金の精算を行うものとすることが出来る。いわゆる通信キャリアが電話料金の精算と共に、通信キャリアの運営になるショッピングモールやそのテナントショップでのショッピング代金の精算を行ったりしているがこれと同様である。この辺りの構成は任意設計事項である。
【発明の効果】
【0029】
この発明は、インターネット上に構築された仮想サーバによる精算手段に、ユーザーの携帯通信端末から接続してユーザー認証と利用料金の精算を行わせるようにすると共に、錠装置の制御装置の無線通信装置が有するLTE-M(登録商標)を介して精算手段から少なくとも開錠動作を行わせるようした、IoTの錠システムである。このように極めてシンプルかつセキュアなシステムを実現したことにより課金を伴う錠システムを低コストで設置することが可能となっている。
【0030】
このようにシステムがシンプルであるが故に応用範囲は極めて広く、また持ち合わせている資源を有効に活用しつつ、運用上で必要になった変更をすぐにサービスに反映させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】 実施例1の車両の一時預かりシステムの説明図である。
図2】 駐輪ラック2と出庫制御部11の説明図である。
図3】 課金口座が認証された登録ユーザーと駐車装置との紐付けの説明図である。
図4】 駐車ラックでの駐車時の処理工程の説明図である。
図5】 Webサービスと駐車装置とによる課金処理と開錠処理との工程の説明図である。
図6】 実施例2の車両の一時預かりシステムの説明図である。
図7】 駐輪ラック2と出庫制御部14の説明図である。
図8】 Webサービスと駐車ラックとによる課金処理と開錠処理との工程の説明図である。
図9】 実施例3の車両の一時預かりシステムの説明図である。
図10】 駐車場のゲート装置24と開門管理装置17の説明図である。
図11】 実施例4の車両のレンタルシステムの説明図である。
図12】 後輪錠28と錠管理装置100の説明図である。
図13】 実施例5のペットの一時預かりシステムの説明図である。
図14】 個室7と扉開閉制御部61の説明図である。
図15】 課金口座が認証された登録ユーザーとペットの預かり装置との紐付けの説明図である。
図16】 個室入室時の処理工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明のレンタル商品の貸出返却システムの実施例を説明するが、この発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
【実施例0033】
図1乃至図5を用いて実施例1を説明する。この自転車の一時預かりシステムは、駐車装置1と、複数台の駐車装置1を束ねて管理する島管理装置3と、駐車装置1のユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス5とから構成されている。自転車の駐車場には複数台の駐車ラック2が並んで設置されている。複数台の駐車装置1と島管理装置3との間は通信線33で有線接続されている。この島管理装置3は通信部としてのLTE-M(登録商標)30を有し、インターネットNの閉域イーサネット網を介してクラウドのWebサービス5に接続されている。スマートフォン4は携帯電話機であって、通信部40の図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードによって、最寄りの基地局CからインターネットN経由で仮想サーバによるWebサービス5に接続される。
【0034】
Webサービス5はこの他、ユーザーがスマートフォン4にインストールしてあるこの一時預かりサービス専用のアプリ(Application Software)により接続して来た際には、登録ユーザー認証を行うユーザー認証部50と、この登録ユーザーに係る一時預かりサービスの利用料金の精算を行う精算課金部51とを備えている。この精算課金部51が参照するものとして、ユーザーの氏名や連絡先などがユーザー固有の識別符号と共に、データベース52に事前に登録されていることになっている。しかしながら登録ユーザーでない場合には、Webサービス5はユーザー登録サービスに誘導する。また精算課金部51は与信の確認や一時預かりサービス利用料金の課金のために、図示しないカード会社の決済サーバと通信することが出来るようになっている。
【0035】
スマートフォン4は通信部40の他、Webサービス5の精算課金部51と通信するための認証部41を備えている。またスマートフォン4は、駐車ラック2の一台一台にユニークに割り振られた駐車ラック番号23を入力表示窓へ入力するためのソフトウェアキーボードの一種であるテンキーと、駐車ラック2にロックバー22を解放させるための開錠ボタンとを表示画面に表示する機能が備わっている(図示せず)。これは上記アプリにより実現される機能である。
【0036】
各々の駐車ラック2は見える所に駐車ラック番号23を備えている。駐車装置1は駐車ラック2の各々に1-1、1-2、1-3・・として内蔵されており(図3)、各々ユニークな駐車ラック番号23としてA-11、A-12、A-13・・が割り当てられている。図2はこの内のA-12であるが、この駐車ラック番号23は島管理装置3から参照されるような場合に備えて、駐車装置1の図示しない記憶装置に記録されている。駐車装置1は通信部10と出庫制御部11とを備えている。
【0037】
島管理装置3の開錠部31は、通信線33を通して駐車装置1の通信部10を介して、駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことが出来るように構成されている。これによって出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー22を動作させるが、ロックバー22が施錠状態であるか開錠状態であるかは、島管理装置3に設けられた施錠開錠情報32に記録されるように構成されている。なお駐車装置1の通信部10を不要とする設計も可能であり、この場合には出庫制御部11は島管理装置3の開錠部31に直接接続されることになる。
【0038】
図2で表すように、駐車ラック2は自転車の車輪導入路20の先端部分に施錠装置21を有している。また駐車ラック2には車輪導入路20を横切るようにして上記ロックバー22が設けられている。ユーザーが自転車をその前輪から車輪導入路20へと進入させて施錠装置21まで送ると図示しない入庫センサがこのことを感知して、出庫制御部11が自転車の前輪のスポーク間にロックバー22を通して前輪を捕捉するように構成されている。なお出庫時には出庫制御部11が自転車の前輪を捕捉しているロックバー22を開放することになる。
【0039】
さて図4および図5を用いてこの実施例の一時預かりシステムの処理を説明する。なおこの例の駐車ラック2とは図3に於ける2-2のことである。まず駐車ラック2側の処理として、駐車ラック2に自転車が駐車したことが、図示しない入庫センサによって感知されたら(ステップS1)、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー22を動作させ、自転車の前輪を捕捉してロックする(ステップS2)。これによりこの自転車は利用料金が支払われるまでは出庫させることが出来なくなる。なお別途、誤って駐車した、悪戯された、気が変わった、と言うような場合に備えて、例えば3分以内であれば利用料金を支払わずとも出庫出来るような設定にすることも可能である。入庫後の3分間は、この実施例では駐車ラック番号23のA-12のロックバー22を動作させないようにするのである。何れにせよ駐車装置1の出庫制御部11の状態は、島管理装置3の施錠開錠情報32に記録される(ステップS3)。
【0040】
次に自転車を駐車ラック2から出庫させるには、スマートフォン4が最寄りの基地局Cに接続した状態で一時預かりサービス専用のアプリを起動して、Webサービス5に出庫要求を行う。Webサービス5はユーザー認証部50でデータベース52を参照しつつ、このユーザーを特定すると共に、このユーザーの課金口座を確認する(ステップS7)。次いでスマートフォン4側から駐車ラック2-2に付されている識別符号A-12を受け付け(ステップS8)、識別符号A-12の駐車ラック2-2の状態を島管理装置3側に問い合わせる(ステップS9)。これを受けて島管理装置3は施錠開錠情報32に当たり識別符号A-12の駐車ラック2-2の現在値が施錠状態であることを確認して、Webサービス5側に報告する(ステップS4)。するとWebサービス5の側では次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算課金部51はこの登録ユーザーに付いて図示しない決済サーバに所定の利用料金を課金すると共に、島管理装置3の開錠部31に識別符号A-12の駐車ラック5-2を開錠するように指令を出す(ステップS10)。これを受けて島管理装置3は駐車装置1側の出庫制御部11に識別符号A-12の駐車ラック2-2を開錠させ(ステップS5)、開錠状態である旨の報告を通信部10を介して受信して、施錠開錠情報32に記録する(ステップS6)。なお上記ステップS3からステップS6は島管理装置3側の処理工程であり、またS7からステップS10はWebサービス5側の処理工程である。
【0041】
なお上記でWebサービス5は、駐車ラック番号23に対応する駐車ラック2を開錠するように島管理装置3の開錠部31に指令を出し、開錠部31が駐車装置1の出庫制御部11に指令を出すことで、出庫制御部11が図示しないソレノイドに通電してロックバー22を動作させている。これに対してWebサービス5が島管理装置3のルーティングによって、駐車ラック2(駐車ラック番号23のA-12)の出庫制御部11の図示しないソレノイドに直接、通電してロックバー22を動作させるように再構成することも可能(プログラマブル)である。
【0042】
同様にWebサービス5では、データベース52をコールドストレージ化したり図示しない決済サーバを取り込んだりすることを、プログラマブルとすることが可能である。
【0043】
なお上述した課金は出庫時に行うように設計されていたが、課金を駐車時に行うような設計もまた可能である。これは以下の実施例に於いても同様である。
【0044】
なお駐車装置1や島管理装置3の電源として、一般的には給電線からの供給とすることが出来るが、これをマイクロ波による無線給電として設計することが可能である。一例、駐車装置が設置される駐車場の高い位置にマイクロ波用の指向性アンテナを設置して無線給電装置に接続しておき、ここから発せられるマイクロ波を駐車装置1や島管理装置3のアンテナで位置を合わせて受電するのである。この場合、電力を貯めておけるようにスーパーキャパシタ(登録商標)とも呼称される電気二重層コンデンサを含む二次電池を備えるようにしても良い。これは以下の実施例に於いても同様である。
【実施例0045】
図6乃至図8を用いて実施例2を説明する。この自転車の一時預かりシステムは、実施例1とは異なり島管理装置を置かず、各々の駐車装置12と、駐車装置12のユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス5とから構成されている点に特徴を有する。自転車の駐車場には複数台の駐車ラック2が並んで設置されているのであるが、これ等が個々に通信部としてのLTE-M(登録商標)13を有し、インターネットNの閉域イーサネット網を介してクラウドのWebサービス5に接続されている。また各々の駐車装置12は出庫制御部14を備えており、ここが実施例1に於ける開錠部31の役割を担っている。なお実施例1に於ける島管理装置3が有していた施錠開錠情報32は、実施例2ではクラウドのWebサービス5のデータベース53に含まれている。またスマートフォン4は携帯電話機であって通信部40の図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードにより、最寄りの基地局CからインターネットN経由でWebサービス5に接続される。
【0046】
上記駐車装置12は通信部としてのLTE-M(登録商標)13と出庫制御部14とを備えて駐車ラック2に内蔵されている。このことから唯1台分の駐車ラック2しか設置し得ないようなスペースであっても、駐車ラック2を簡単に設置して、Webサービス5の精算課金部51の利用が可能であり、登録ユーザーに取ってもスマートフォン4を利用することで出庫制御部14を操ったり、駐車ラック2の利用料金の精算をしたりすることが出来ると言う特長を有する。なお1台しか設置されていない駐車ラック2に付いても識別符号を設けることが好ましい。
【0047】
図8を用いてこの実施例の一時預かりシステムの処理を説明する。なお駐車ラック2に自転車が駐車した際の処理であるステップS1~ステップS3に付いては上述した実施例1の通りであるが、ステップS3に関して駐車装置12の出庫制御部14の状態がWebサービス5のデータベース53に記録される点で異なる。
【0048】
自転車を駐車ラック2から出庫させるには、スマートフォン4がクラウドのWebサービス5に出庫要求を行うことから始まる分けであるが、Webサービス5はユーザー認証部50でデータベース53を参照しつつ、このユーザーを特定すると共に、このユーザーの課金口座を確認する(ステップS11)。次いでスマートフォン4側から駐車ラック2に付されている識別符号(図7ではB-1とした)を受け付け(ステップS12)、識別符号B-1の駐車ラック2の状態をデータベース53にて確認する(ステップS13)。駐車ラック2の現在値が施錠状態であることを確認したならば、Webサービス5は次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算課金部51はこの登録ユーザーに付いて図示しない決済サーバに所定の利用料金を課金すると共に、駐車ラック2の出庫制御部14に開錠の指令を出す(ステップS14)。そこで駐車装置12の出庫制御部14は当該駐車ラック2を開錠させると共に、駐車ラック2の現在値が開錠状態であることをWebサービス5に報告し(ステップS16)、Webサービス5はこれをデータベース53に記録する(ステップS15)。
【実施例0049】
図9および図10を用いて実施例3を説明する。自転車の一時預かりサービスを提供するための周りを柵で囲った駐車場の一角に出入りのためのゲート装置24が設けられている。ゲート装置24には2本の支柱25の間に、図示しない電動モータにより駆動され、回動軸26によって観音扉のように開閉するゲート27が取り付けられている。
【0050】
ゲート装置24の開閉の制御を担うものが開門管理装置17であり、これは駐車場装置15の一部を構成している。この駐車場装置15は通信部としてのLTE-M(登録商標)16と開門管理装置17とを備えている。登録ユーザーはスマートフォン4を利用することで開門管理装置17を開放させたり、駐車場の利用料金の精算をしたりすることが出来る。
【0051】
これを可能にするのが駐車場の登録ユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス5と、上記駐車場装置15とである。駐車場装置15は通信部としてのLTE-M(登録商標)16を有して、インターネットNの閉域イーサネット網を介してクラウドのWebサービス5に接続されている。上記スマートフォン4がクラウドのWebサービス5に開門要求(ここでは出庫要求)を行うと、Webサービス5はユーザー認証部50でデータベース53を参照しつつこのユーザーを特定して精算課金部51がこのユーザーの課金口座に課金すると共に、駐車場装置15の開門管理装置17に開門を実行させる。
【実施例0052】
図11および図12を用いて実施例4を説明する。この自転車のレンタルシステムは、登録ユーザーのスマートフォンと接続し合って開錠を可能にしかつこの際に用いられる鍵を使用することなく機械的に施錠操作を行うことが出来るようにすると共に、レンタルの一時停止と再開と及び課金の一時停止と再開とが出来るようにして、駐車場または駐車台を介さずにレンタルサービスを行い得るようにしたものである。開錠して課金を開始し、施錠して課金を終了するのであるが、一時停止と再開の都度きめ細かく課金管理を行なうようにすれば、ユーザーには乗り継ぎもまた放置返却をも安心して行なえるように成る。この観点から「どこでも駐車場」という新しい概念を実現して見せることが出来る。なお「どこでも駐車場」によれば、従来の駐車場、駐輪台は言うに及ばず、簡易的にロープや柵で囲ったような場所や路上にラインを引いた場所などを駐車場とするこが可能であり、更には広場や路上など文字通りどこでも駐車場にすることが出来るようになる。
【0053】
実施例4が実施例1とは異なる点は、上述した理由から島管理装置のようなものは存在せず、各々の錠装置18と、ユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス5とから構成されている。錠装置18は通信部としてのLTE-M(登録商標)19を有して、インターネットNの閉域イーサネット網を介してクラウドのWebサービス5に接続されている。また錠装置18は錠管理装置100を備えており、ここが実施例2に於ける出庫制御部14の役割を担っている。なお実施例1に於ける島管理装置3が有していた施錠開錠情報32は、実施例4ではクラウドのWebサービス5のデータベース53に含まれている。またスマートフォン4は携帯電話機であって通信部40の図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードにより、最寄りの基地局CからインターネットN経由でWebサービス5に接続される。
【0054】
上記錠装置18は通信部としてのLTE-M(登録商標)19と錠管理装置100とを備えて後輪錠28に内蔵されている。この後輪錠28は手動操作用のつまみ29を備えたロックバー200を有する。前のユーザーのレンタル終了時に於いて、後輪錠28のつまみ29がユーザーにより操作されてロックバー200にて施錠が為される。後輪錠28の錠管理装置100の状態(ロックバー200で施錠されている状態)はWebサービス5のデータベース52に記録される。
【0055】
レンタル開始時に於いて、後輪錠28を開錠するには、スマートフォン4がクラウドのWebサービス5に出庫要求を行うことから始まる。Webサービス5はユーザー認証部50でデータベース53を参照しつつ、このユーザーを特定すると共に、このユーザーの課金口座を確認する。次にスマートフォン4側から後輪錠28に付されている識別符号である後輪錠番号201(図12ではC-1とした)を受け付け、当該後輪錠28の状態をデータベース53にて確認する。後輪錠28の現在値が施錠状態であることを確認したならば、Webサービス5は次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算課金部51はこの登録ユーザーに付いて図示しない決済サーバに所定の利用料金を課金すると共に、後輪錠28の錠管理装置100に開錠の指令を出す。そこで錠管理装置100は上記ロックバー200を開錠させて、後輪錠28の現在値が開錠状態であることをWebサービス5に報告し、Webサービス5はこれをデータベース53に記録する。このユーザーがレンタル途中で例えばコンビニエンスストアに立ち寄りたくなったならば、手動にて後輪錠28のつまみ29を操作してロックバー200による施錠を行うようにする。再開にはマートフォン4でクラウドのWebサービス5に開錠要求を行うことになる。
【実施例0056】
図13乃至図16を用いて実施例5を説明する。このペットホテルシステム(ペットの一時預りシステム)は預かり装置6と、複数台の預かり装置6を束ねて管理する管理装置8と、預かり装置6のユーザーが所有するスマートフォン4と、精算装置としてのWebサービス54とから構成されている。室内には複数台の預かり装置6が、図14のごとく並んで設置されている。複数台の預かり装置6と管理装置8との間は通信線83を介して有線接続されている。この管理装置8は通信部としてのLTE-M(登録商標)80を有して、インターネットNの閉域イーサネット網からクラウドのWebサービス54に接続されている。スマートフォン4は携帯電話機であって、通信部40の図示しないSIM(Subscriber Identity Module)カードによって最寄りの基地局CからインターネットN経由でWebサービス5に接続される。
【0057】
Webサービス54はこの他、ユーザーがスマートフォン4にインストールしてあるこの一時預かりサービス専用のアプリ(Application Software)により接続して来た際に、登録ユーザー認証を行うユーザー認証部55と、この登録ユーザーに係る一時預かりサービスの利用料金の精算を行う精算課金部56とを備えている。この精算課金部56が参照するものとして、ユーザーの氏名や連絡先などがユーザー固有の識別符号と共に、データベース57に事前に登録されていることになっている。しかしながら登録ユーザーでない場合には、Webサービス54はユーザー登録サービスに誘導する。また精算課金部56は与信の確認や一時預かりサービス利用料金の課金のために図示しないカード会社の決済サーバと通信することが出来るようになっている。
【0058】
スマートフォン4は通信部40の他、Webサービス54の精算課金部56と通信するための認証部41を備えている。またスマートフォン4は個室7の一台一台にユニークに割り振られた個室番号74を入力表示窓へ入力するためのソフトウェアキーボードの一種であるテンキーと個室7に錠装置73を解放させるための開錠ボタンとを表示画面に表示する機能が備わっている(図示せず)。これは上記アプリにより実現される機能である。
【0059】
各々の個室7は見える所に個室番号74を備えている。預かり装置6は個室7の各々に6-1、6-2、6-3・・として内蔵されており(図13)、各々ユニークな個室番号74としてD-11、D-12、D-13・・が割り当てられている。この個室番号74は管理装置8から参照されるような場合に備えて、預かり装置6の図示しない記憶装置に記録されている。預かり装置6は通信部60と扉開閉制御部61とを備えている。預かり装置6の個室7は図14ではD-11~D-18の8台が表されている。個室7にはその前面にガラス窓71が填め込まれた個室扉70が開閉自在に設けられ、個室扉70の左縁中央部に図示しない施錠装置を内蔵した開閉レバー72が取り付けられている。ユーザーが個室扉70を閉じて開閉レバー72を個室7の側に倒すと、図示しない入庫センサがこのことを感知して、扉開閉制御部61が施錠装置の図示しないソレノイドを動作させて、錠装置73の開閉レバー72が開かないようにロックする。なおペットの出庫時には開閉レバー72を引き起こして個室扉70を開けることが出来るように、扉開閉制御部61が施錠装置を動作させることになる。なお開閉レバー72が開かないようにロックしたり、開くようにアンロックしたりするのに、上記ソレノイド以外にもステッピングモータなどを任意に採用することが出来る。
【0060】
管理装置8の開錠部81は、通信線83を通して預かり装置6の通信部60を介して、預かり装置6の扉開閉制御部61に指令を出すことが出来るように構成されている。これにより扉開閉制御部61が図示しないソレノイドに通電して錠装置73を動作させるが、錠装置73が施錠状態であるか開錠状態であるかは、管理装置3に設けられた施錠開錠情報82に記録されるように構成されている。なお預かり装置6の通信部60を不要とする設計も可能であり、この場合には扉開閉制御部61は管理装置8の開錠部81に直接接続されることになる。
【0061】
さて図15および図16を用いて実施例5のペットの一時預かりシステムの処理を説明する。まず預かり装置6側の処理として、その個室7にペットが入って(個室7は犬猫など異なる種類のペットが混在して泊まらないように決めておくことが好ましい)、個室扉70が閉じられて、開閉レバー72が個室7の側に倒されたことを図示しない入庫センサが感知したら(ステップS17)、扉開閉制御部61が図示しないソレノイドに通電して開閉レバー72が開かないようにロックを掛ける(ステップS18)。この時個室扉70のガラス窓71を透してペットの状態を確認することが可能である。これでこのペットは利用料金が支払われるまでは受け出し出庫することが出来ないことになる。なお別途誤って預け入れた、悪戯された、気が変わったと言うような場合に備えて、例えば3分以内であれば利用料金を支払わずとも、ペットを出庫出来るような設定を設けておくことも可能である。
【0062】
次にペットを個室7から出庫するには、スマートフォン4が最寄りの基地局Cに接続した状態で、一時預かりサービス専用のアプリを起動してWebサービス54に出庫要求を行う。Webサービス54はユーザー認証部55でデータベース57を参照しつつ、このユーザーを特定すると共にこのユーザーの課金口座を確認する。次いでスマートフォン4側から例えば個室7-2に付されている識別符号D-12を受け付け、この状態を管理装置8の通信部としてのLTE-M(登録商標)80を介して管理装置8に問い合わせる。これを受けて管理装置8は施錠開錠情報82に当たり、識別符号D-12の個室7-2の現在値が施錠状態であることを確認してWebサービス54側に報告する。するとWebサービス54の側では次の2つの処理を行う。すなわちユーザーの課金口座に課金するのであるが、精算課金部56はこの登録ユーザーに付いて、図示しない決済サーバに所定の利用料金を課金すると共に、管理装置8の開錠部81に識別符号D-12の個室7-2を開錠するように指令を出す。これを受けて管理装置8は個室7-2側の扉開閉制御部61に識別符号D-12の個室7-2を開錠させ、個室7-2の現在の状態が開錠状態である旨の報告を通信部60を介して受信して、施錠開錠情報82に記録する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
この発明はIoTの錠システムとして、インターネット上に構築された仮想サーバに、錠装置の無線通信装置が有するLTE-M(登録商標)を介して、少なくとも開錠動作を行わせるようした点に特徴を有する。このように極めてシンプルかつセキュアなシステムを実現したことにより、課金を伴う錠システムを低コストで設置することが可能となり、以て産業の発展に寄与するものとなっている。
【符号の説明】
【0064】
1 駐車装置 10 通信部 11 出庫制御部
12 駐車装置 13 LTE-M(登録商標) 14 出庫制御部
15 駐車場装置 16 LTE-M(登録商標) 17 開門管理装置
18 錠装置 19 LTE-M(登録商標) 100錠管理装置
2 駐車ラック 20 車輪導入路 21 施錠装置
22 ロックバー 23 駐車ラック番号 24 ゲート装置
25 支柱 26 回動軸 27 ゲート
28 後輪錠 29 つまみ 200ロックバー
201後輪錠番号
3 島管理装置 30 LTE-M(登録商標) 31 開錠部
32 施錠開錠情報 33 通信線
4 スマートフォン 40 通信部 41 認証部
5 Webサービス 50 ユーザー認証部 51 精算課金部
52 データベース 53 データベース 54 Webサービス
55 ユーザー認証部 56 精算課金部 57 データベース
6 預かり装置 60 通信部 61 扉開閉制御部
7 個室 70 個室扉 71 ガラス窓
72 開閉レバー 73 錠装置 74 個室番号
8 管理装置 80 LTE-M(登録商標) 81 開錠部
82 施錠開錠情報 83 通信線
C 基地局 N 閉域イーサネット網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図16