(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047276
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】マルチワイヤソー用主軸のアンロード装置及びその作業方法
(51)【国際特許分類】
B28D 5/04 20060101AFI20230329BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
B28D5/04 A
B24B27/06 Q
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105954
(22)【出願日】2022-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202111121922.4
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521158923
【氏名又は名称】燕山大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】董 志奎
(72)【発明者】
【氏名】呉 尚
(72)【発明者】
【氏名】常 龍
(72)【発明者】
【氏名】戚 向東
【テーマコード(参考)】
3C069
3C158
【Fターム(参考)】
3C069AA01
3C069BA06
3C069BB03
3C069BC02
3C069CA05
3C069EA01
3C069EA02
3C158AA05
3C158AA15
3C158CB01
3C158CB03
3C158DA17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤの均一分布を保証し、工作機械の加工精度と運転安定性を高めることができるマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置を提供する。
【解決手段】マルチワイヤソー用主軸のアンロード装置は、伝動側アンロード部、主軸部材、及び操作側アンロード部を備え、伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受13、伝動側スリーブ8、及び伝動側アンロードスリーブ4を含み、主軸部材は、溝ローラスリーブ10、連結ボルト群12、主軸鋼心11、伝動側主軸1、ロックボルト14、及び操作側主軸20を含み、操作側アンロード部は一対の操作側アンギュラ玉軸受13、操作側スリーブ15、及び操作側アンロードスリーブ16を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸部材、伝動側アンロード部、及び操作側アンロード部を備え、
前記主軸部材は、溝ローラスリーブ(10)、連結ボルト群(12)、主軸鋼心(11)、工作機械伝動側に位置する伝動側主軸(1)、ロックボルト(14)、及び工作機械操作側に位置する操作側主軸(20)を含み、前記伝動側主軸(1)は一端が駆動モータに接続され、他端が前記ロックボルト(14)により前記操作側主軸(20)に接続され、前記伝動側主軸(1)と前記操作側主軸(20)との内側端はともに前記主軸鋼心(11)に接触接続され、前記主軸鋼心(11)は連結ボルト群(12)により前記溝ローラスリーブ(10)に接続され、前記溝ローラスリーブ(10)は中空円柱体であり、
前記伝動側アンロード部は、機械フレーム(5)の伝動側に固定接続され、その内部が前記伝動側主軸(1)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記操作側アンロード部は、機械フレーム(5)の操作側に固定接続され、その内部が前記操作側主軸(20)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記駆動モータは、前記伝動側主軸(1)を駆動して回転させ、前記ロックボルト(14)は、前記操作側主軸(20)を連動して伝動側主軸と同期回転させ、前記伝動側主軸(1)は、前記操作側主軸(20)とともに前記主軸鋼心(11)を駆動して回転させ、前記主軸鋼心(11)は前記連結ボルト群(12)を介して前記溝ローラスリーブ(10)を連動して同期回転させ、前記駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、主軸部材の回転時に前記溝ローラスリーブ(10)に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、マルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、前記溝ローラスリーブ(10)を介して前記伝動側アンロード部と前記操作側アンロード部に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、溝ローラスリーブ(10)が受けられた大負荷が機械フレーム(5)と地面に移行されて、マルチワイヤの張力による主軸部材の曲げ変形が回避され、
前記伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)、伝動側スリーブ(8)、及び伝動側アンロードスリーブ(4)を含み、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)一側の内部に締まりばめされ、その内輪が伝動側アンロードスリーブ(4)一側の外部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブ(4)の他側が機械フレーム(5)の伝動側に接続され、伝動側アンロードスリーブ(4)の外部には伝動側スリーブ(8)が環設され、伝動側スリーブ(8)は機械フレーム(5)の側壁と一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の側壁との間に位置し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)は伝動側スリーブ(8)と伝動側アンロードスリーブ(4)の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)、操作側スリーブ(15)、及び操作側アンロードスリーブ(16)を含み、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)の他側の内部に締まりばめされ、その内輪が操作側アンロードスリーブ(16)一側の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の他側が機械フレーム(5)の操作側に接続され、操作側アンロードスリーブ(16)の外部には操作側スリーブ(15)が環設され、操作側スリーブ(15)は機械フレーム(5)の側壁と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の側壁との間に位置し、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)は操作側スリーブ(15)と操作側アンロードスリーブ(16)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項2】
前記機械フレーム(5)の伝動側には第1丸穴が開口され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)は前記機械フレーム(5)の第1丸穴の内壁に接触接続され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の左端面には複数の第1ボルト群(28)により前記第1端蓋(29)が固定接続され、複数の第1ボルト群(28)は第1端蓋(29)左端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項3】
前記伝動側アンロードスリーブ(4)は、前記伝動側主軸(1)の外部に環設され、前記伝動側主軸(1)との間には一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)が接続され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記第1端蓋(29)の内壁との間には第1スペーサ(3)が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間には第1中間大スペーサスリーブ(6)が設けられ、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪が前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部に締まりばめされ、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の右端には内部軸肩が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪は、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記伝動側主軸(1)の右端部には外部軸肩が設けられ、且つ左端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、雄ねじに第1径方向ロックナット(2)が螺合され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間にはさらに第1中間小スペーサスリーブ(7)が設けられ、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が前記伝動側主軸(1)の外部に締まりばめされ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪は、前記第1径方向ロックナット(2)、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記伝動側主軸(1)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする請求項2に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項4】
前記機械フレーム(5)の操作側には第2丸穴が開口され、前記操作側アンロードスリーブ(16)は機械フレーム(5)の第2丸穴の内壁に接触接続され、前記操作側アンロードスリーブ(16)の右端面には複数の第2ボルト群(21)により前記第2端蓋(17)が固定接続され、複数の第2ボルト群(21)が第2端蓋(17)の右端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項5】
前記操作側アンロードスリーブ(16)は、操作側主軸(20)の外部に環設され、操作側主軸(20)との間には一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)が接続され、一対の第4アンギュラ玉軸受(22)と第2端蓋(17)の内壁との間には第2スペーサ(18)が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間には第2中間大スペーサスリーブ(23)が設けられ、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪が操作側アンロードスリーブ(16)の内部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の左端部には内部軸肩が設けられ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪は、前記第2スペーサ(18)、前記第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び前記操作側アンロードスリーブ(16)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側主軸(20)の左端部には外部軸肩が設けられ、且つ右端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、前記雄ねじに第2径方向ロックナット(19)が螺合され、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間にはさらに第2中間小スペーサスリーブ(24)が設けられ、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が前記操作側主軸(20)の外部に締まりばめされ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪は、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び操作側主軸(20)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする請求項4に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項6】
前記溝ローラスリーブ(10)の外側輪郭には、ダイヤモンドワイヤが巻きつけられるV字型溝が複数列形成され、前記主軸鋼心(11)は中空回転体であり、前記連結ボルト群(12)は、前記溝ローラスリーブ(10)の中間部の周面に均一分布されるように複数設けられて、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)を連結し、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)にはぞれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴とが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項7】
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項8】
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする請求項6に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法であって、
駆動モータの駆動により伝動側主軸(1)が回転し、ロックボルト(14)により操作側主軸(20)が連動されて同期回転し、同時に第1接触錐面、第2接触錐面の作用下で主軸鋼心(11)が同期回転し、連結ボルト群(12)により溝ローラスリーブ(10)が連動されて同期回転し、駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の外輪が溝ローラスリーブ(10)に連動して回転し、第1径方向ロックナット(2)、第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が伝動側主軸(1)に連動して回転し、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が操作側主軸(20)に連動して回転し、第1スペーサ(3)、第1中間大スペーサスリーブ(6)、一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の内輪は伝動側アンロードスリーブ(4)に不動に固定され、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の内輪は操作側アンロードスリーブ(16)に不動に固定され、溝ローラスリーブ(10)のV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、ダイヤモンドマルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブ(4)と操作側アンロードスリーブ(16)に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、機械フレーム(5)自体は工作機械全体の重量の大部分を占め且つ地面により支持されて、張力を効果的にアンロードし、大負荷による主軸鋼心(11)の曲げ変形を回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤが均一分布され、工作機械の加工精度、加工品質及び運転安定性を高める、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチワイヤ切断加工装置の分野に属し、具体的に、特にマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置及びその作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチワイヤ切断とは、ワイヤの高速往復運動を利用して、研磨材を半導体加工エリアに持ち込んで研磨し、半導体などの硬脆材料を一回で同時に数百枚の薄片に切断する新規の切断方法である。マルチワイヤソーは、切断過程において、効率が高く、精度が高く、損失が小さいため、貴重な超硬材料の切断に大きな利点があり、近十年以来、伝統的な内面円切断に取って代わってシリコンウエハ切断加工の主要な方法になっている。
【0003】
ワイヤ切断の加工品質は、ワイヤ切断の加工精度と、加工面の品質との二つの重要な指標がある。マルチワイヤの張力が大きすぎると、ワイヤの弾性変形の範囲を超えやすく、加工時の往復摩擦が頻繁になり、加工品質が低下する。従って、より良い加工品質を得るためには、ワイヤ切断加工の張力を合理的な範囲内に抑えるべきである。実際の生産では、マルチワイヤの張力の作用により、主軸回転部材は機械フレームに対して曲げ変形が発生して、マルチワイヤの分布が不均一になり、工作機械の運転中に振動が激しくなって、工作機械の加工精度、加工品質、運転安定性に影響を与えるため、マルチワイヤ切断の分野では、主軸が受けられる張力を効果的に除去できるアンロード装置が緊急に必要とされている。
【0004】
特許文献1には、ボイスコイルモーターを利用してテンションアーム部を連動して左右方向に直線移働させることで、切削室のガイドローラ部とテンションアーム部との間のダイヤモンドワイヤが常に水平にあることを保証し、張力制御の難易度とダイヤモンドワイヤの断線率を低減し、張力制御の精度を向上させる改善したマルチワイヤソーの張力制御機構が開示されている。しかしながら、その本質は、力センサからの検知フィードバックで張力の調節をリアルタイムに行い、張力を一定の範囲内に制御することであり、ワイヤ網の張力を効率的に伝達して除去していないため、マルチワイヤソーの実際の生産時にマルチワイヤの張力の作用により主軸回転部が曲げ変形しやすいという問題を解決できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第213137355号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、実際の生産においてマルチワイヤの張力により、機械フレームに対する主軸回転部材の曲げ変形が発生して、マルチワイヤの分布が不均一になり、工作機械の運転中に振動が激しくなって、工作機械の加工精度、加工品質、及び運転安定性に影響を与えるという上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、マルチワイヤソー用主軸のアンロード装置及びその作業方法を提供する。本発明では、溝ローラスリーブと主軸鋼心との間に伝動側アンロード部と操作側アンロード部を増設することで、主軸の回転時に、V字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤの張力が溝ローラスリーブに作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受と一対の操作側アンギュラ玉軸受に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブと操作側アンロードスリーブに伝達され、最終的にその張力が機械フレームに伝達され、これにより溝ローラが受けられた大負荷を機械フレームと地面に伝達させる。即ち、本発明は、主軸の回転時に、溝ローラスリーブに作用したダイヤモンドワイヤの張力を機械フレームにアンロードさせることで、ダイヤモンドワイヤの張力による主軸回転部材の曲げ変形を回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤの均一分布を保証し、工作機械の加工精度と運転安定性を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術的手段は以下の通りである。
【0008】
本発明の一形態様であるマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置は、主軸部材、伝動側アンロード部、及び操作側アンロード部を備え、
主軸部材は、溝ローラスリーブ、連結ボルト群、主軸鋼心、工作機械伝動側に位置する伝動側主軸、ロックボルト、及び工作機械操作側に位置する操作側主軸を含み、伝動側主軸は、一端が駆動モータに接続され、他端がロックボルトにより操作側主軸に接続され、伝動側主軸と操作側主軸の内側端はともに主軸鋼心に接触接続され、主軸鋼心は連結ボルト群により溝ローラスリーブに接続され、溝ローラスリーブは中空円柱体であり、
伝動側アンロード部は、機械フレームの伝動側に固定接続され、その内部が伝動側主軸の外部と回転可能に接続され、その外部が溝ローラスリーブの内部と回転可能に接続され、
操作側アンロード部は、機械フレームの操作側に固定接続され、その内部が操作側主軸の外部と回転可能に接続され、その外部が溝ローラスリーブの内部と回転可能に接続され、
駆動モータは、伝動側主軸を駆動して回転させ、ロックボルトは、操作側主軸を連動して伝動側主軸と同期回転させ、伝動側主軸は、操作側主軸とともに主軸鋼心を駆動して回転させ、主軸鋼心は連結ボルト群を介して溝ローラスリーブを連動して同期回転させ、駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、主軸部材が回転する時に、溝ローラスリーブに巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、マルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブに作用して、溝ローラスリーブを介して伝動側アンロード部と操作側アンロード部に伝達され、最終的に張力が機械フレームに伝達され、これにより溝ローラスリーブが受けられた大負荷が機械フレームと地面に移行されて、マルチワイヤの張力による主軸部材の曲げ変形が回避される。
【0009】
さらに、前記伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受、伝動側スリーブ、及び伝動側アンロードスリーブを含み、一対の伝動側アンギュラ玉軸受はその外輪が溝ローラスリーブ一側の内部に締まりばめされ、その内輪が伝動側アンロードスリーブ一側の外部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブの他側は機械フレームの伝動側に接続され、伝動側アンロードスリーブの外部には伝動側スリーブが環設され、伝動側スリーブは機械フレーム側壁と一対の伝動側アンギュラ玉軸受の側壁との間に位置し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受は伝動側スリーブと伝動側アンロードスリーブの外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0010】
さらに、前記操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受、操作側スリーブ、及び操作側アンロードスリーブを含み、一対の操作側アンギュラ玉軸受はその外輪が溝ローラスリーブの他側内部に締まりばめされ、その内輪が操作側アンロードスリーブ一側の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブの他側は機械フレームの操作側に接続され、操作側アンロードスリーブの外部には操作側スリーブが環設され、操作側スリーブは機械フレーム側壁と一対の操作側アンギュラ玉軸受の側壁との間に位置し、一対の操作側アンギュラ玉軸受は操作側スリーブと操作側アンロードスリーブの外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0011】
さらに、前記機械フレームの伝動側には第1丸穴が開口され、伝動側アンロードスリーブは機械フレームの第1丸穴の内壁に接触接続され、伝動側アンロードスリーブの左端面には複数の第1ボルト群により第1端蓋が固定接続され、複数の第1ボルト群は第1端蓋の左端面に周方向に均一分布される。
【0012】
さらに、前記伝動側アンロードスリーブは、伝動側主軸の外部に環設され、伝動側主軸との間に一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受が接続され、一対の第1アンギュラ玉軸受と第1端蓋内壁との間に第1スペーサが設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受との間に第1中間大スペーサスリーブが設けられ、第1スペーサ、第1中間大スペーサスリーブ、及び一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の外輪は伝動側アンロードスリーブの内部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブの右端には内部軸肩が設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の外輪は第1スペーサ、第1中間大スペーサスリーブ、及び伝動側アンロードスリーブの内部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0013】
伝動側主軸の右端部には外部軸肩が設けられ、且つ左端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、雄ねじに第1径方向ロックナットが螺合され、一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受との間には第1中間小スペーサスリーブが設けられ、第1中間小スペーサスリーブ、及び一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の内輪は伝動側主軸の外部に締まりばめされ、一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の内輪は第1径方向ロックナット、第1中間小スペーサスリーブ、及び伝動側主軸の外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0014】
さらに、前記機械フレームの操作側には第2丸穴が開口され、操作側アンロードスリーブは機械フレームの第2丸穴の内壁に接触接続され、操作側アンロードスリーブの右端面には複数の第2ボルト群により第2端蓋が固定接続され、複数の第2ボルト群は第2端蓋右端面に周方向に均一分布される。
【0015】
さらに、前記操作側アンロードスリーブは操作側主軸の外部に環設され、操作側主軸との間には一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受が接続され、一対の第4アンギュラ玉軸受と第2端蓋内壁との間には第2スペーサが設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受との間には第2中間大スペーサスリーブが設けられ、第2スペーサ、第2中間大スペーサスリーブ、及び一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の外輪は操作側アンロードスリーブの内部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブの左端部には内部軸肩が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の外輪は第2スペーサ、第2中間大スペーサスリーブ、及び操作側アンロードスリーブの内部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0016】
操作側主軸の左端部には外部軸肩が設けられ且つ右端の外側輪郭の一部分に雄ねじが設けられ、その雄ねじに第2径方向ロックナットが螺合され、一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受との間には第2中間小スペーサスリーブが設けられ、第2中間小スペーサスリーブ、及び一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の内輪は操作側主軸の外部に締まりばめされ、一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の内輪は第2径方向ロックナット、第2中間小スペーサスリーブ、及び操作側主軸の外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0017】
さらに、前記溝ローラスリーブ外側輪郭には、ダイヤモンドワイヤが巻き付けられるV字型溝が複数列形成され、主軸鋼心は中空回転体であり、結ボルト群は溝ローラスリーブの中間部の周面に均一分布されるように複数設置されて、溝ローラスリーブと主軸鋼心を連結し、溝ローラスリーと主軸鋼心にはそれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴が開口される。
【0018】
さらに、前記主軸鋼心の左端の内表面は伝動側主軸の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、伝動側主軸の右端の中心にはねじ穴が開口され、ロックボルトのヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心の右端の内表面は操作側主軸の左端の外表面の錐面と接触して第2接触錐面を形成し、操作側主軸の中心には長ねじ穴が開口され、ロックボルトのテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は前記主軸鋼心の摩擦角より小さく、
主軸鋼心、伝動側主軸、及び操作側主軸の材質は同じである。
【0019】
本発明はさらに、マルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法を提供し、以下のステップを含み、
駆動モータの駆動により伝動側主軸が回転し、ロックボルトにより操作側主軸が連動されて同期回転し、同時に第1接触錐面、第2接触錐面の作用下で主軸鋼心が同期回転し、連結ボルト群により溝ローラスリーブが連動されて同期回転し、駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受と一対の操作側アンギュラ玉軸受の外輪が溝ローラスリーブに連動して回転し、第1径方向ロックナット、第1中間小スペーサスリーブ、及び一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の内輪が伝動側主軸に連動して回転し、第2径方向ロックナット、第2中間小スペーサスリーブ、及び一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の内輪が操作側主軸に連動して回転し、第1スペーサ、第1中間大スペーサスリーブ、一対の第1アンギュラ玉軸受と一対の第2アンギュラ玉軸受の外輪、一対の伝動側アンギュラ玉軸受の内輪は伝動側アンロードスリーブに不動に固定され、第2スペーサ、第2中間大スペーサスリーブ、一対の第3アンギュラ玉軸受と一対の第4アンギュラ玉軸受の外輪、一対の操作側アンギュラ玉軸受の内輪が操作側アンロードスリーブに不動に固定され、溝ローラスリーブのV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、ダイヤモンドマルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブに作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受と一対の操作側アンギュラ玉軸受に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブと操作側アンロードスリーブに伝達され、最終的に張力が機械フレームに伝達される。機械フレーム自体が工作機械全体の重量の大部分を占め且つ地面により支持されているため、張力を効果的にアンロードすることができ、大負荷により主軸鋼心が曲げ変形することを回避し、主軸部が回転する時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤの均一分布を実現し、工作機械の加工精度、加工品質及び運転安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、従来の技術と比べて、以下のメリットがある。
【0021】
本発明に係るマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置及びその作業方法は、溝ローラスリーブと主軸鋼心との間に伝動側アンロード部と操作側アンロード部を増設しており、これにより主軸の回転時にV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤの張力が溝ローラスリーブに作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受と一対の操作側アンギュラ玉軸受に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブと操作側アンロードスリーブに伝達され、最終的にその張力を機械フレームに伝達させて、溝ローラが受けられた大負荷を機械フレームと地面に移行させることができる。すなわち、本発明によれば、主軸の回転時に溝ローラスリーブに作用したダイヤモンドワイヤの張力を機械フレームにアンロードし、ダイヤモンドワイヤの張力により主軸回転部材が曲げ変形することを回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤの均一分布を保証し、工作機械の加工精度と運転安定性を高めることができる。
【0022】
以上により、本発明の技術手段によれば、実際の生産においてマルチワイヤの張力により、機械フレームに対する主軸回転部材の曲げ変形が発生し、マルチワイヤの分布が不均一になり、工作機械の運転中に振動が激しくなって、工作機械の加工精度、加工品質、及び運転安定性に影響を与えるという従来技術における問題を解決することができる。
【0023】
上記の理由に基づき、本発明は、マルチワイヤ切断などの分野で広く普及できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例または従来技術の技術的手段をより一層明らかに説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に使用される図面を簡単に説明する。以下の図面は本発明の実施例に関したものであり、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて、他の図面が得られることは明らかである。
【0025】
【
図1】本発明に係る主軸の中心に沿って垂直に切断した全体構成を示す断面図である。
【
図3】本発明に係る伝動側主軸、主軸鋼心、及び伝動側主軸の構成を示す断面図である。
【
図4】本発明に係る第1端蓋、伝動側スリーブ、及び伝動側アンロードスリーブの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
コンフリクトがない場合、本発明における実施例及び実施例中の特徴を互いに組み合わせることが可能である。以下、図面を参考しながら実施例と併せて本発明を詳細に説明する。
【0027】
本発明に係る実施例の目的、技術的手段及びメリットがより一層明らかになるように、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的手段を明らかで完全に説明する。なお、説明になった実施例は全部の実施例ではなく、本発明に係る一部の実施例だけであることは明らかである。以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する説明は実際的には説明的なものであり、本発明及びその応用または使用についていかなる制限をするものではない。本発明の実施例に基づいて、当業者により創造的な労働を行わずに得られたすべての他の実施例はいずれも本発明の請求の範囲に属するべきである。
【0028】
ここで使用されている用語はただ具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明による例示的な実施形態の制限になることを意図しない。コンテキストによりはっきり指摘されていない限り、ここで使用されている単数形は複数形も含むとのことを理解すべきである。なお、本明細書において用語である「含み」又は/及び「備え」を使用すると、それは特徴、ステップ、操作、部品、構成部品及び/又はそれらの組合せがあることを意味するということを理解すべきである。
【0029】
別途に具体的に説明されていない限り、これらの実施例に記載の部品とステップの相対的な配置、数字の表現式及び数値により本発明の範囲が限定されるものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は、実際の割合によって描いたわけではないことは明らかである。当業者にとって、既知の技術、方法及び設備については詳しく説明しないこともあるが、適当な状況では、前記技術、方法及び設備は許可された明細書の一部に含まれると見なされるべきである。ここで示し、及び説明になった例におけるいかなる具体的な値は、ただ例示的なものであると解釈すべきであり、制限になるものではない。したがって、例示的な実施例の他の例において異なる値が用いられてもよい。類似した符号とアルファベットは後述した図面において類似したものを示すため、一旦、あるものが一つの図面で定義されると、他の図面においてさらに説明する必要はない。
【0030】
本発明の記載において、「前、後、上、下、左、右」、「横向き、縦向き、垂直、水平」及び「トップ、底」等が示す方位または位置関係は、通常、図面に示す方位または位置関係に基づいたものであり、それは本発明に対して便宜で簡単に説明を行うためであり、相反の説明がない場合、それらの方位用語は、当該装置または素子が必ず規定の方位または規定の方位での構造と操作を有するとのことを指示及び暗示するのではなく、したがって、本発明の請求の範囲を制限するものと理解されるべきではない。方位用語である「内」、「外」は各部品本身の輪郭の内と外を指す。
【0031】
説明の便宜上、相対空間的な用語、例えば「……の上に」、「……上方に」、「……上面に」、「上の……」等を用いて、図面に示すような一つの部品または特徴がほかの部品または特徴との空間的な位置関係を説明してもよい。なお、相対空間的な用語とは、部品の図面における方位以外の、使用中または操作中の異なる方位を含むことを理解すべきである。例えば、図面に示す部品が置き換えられると、「ほかの部品または構造の上方に」または「ほかの部品または構造の上に」の部品であると記載した後で、「ほかの部品または構造の下方に」または「ほかの部品または構造の下に」と定位される。したがって、例示的な用語である「……上方に」には「……上方に」と「……下方に」との二者の方位が含まれる。該部品はそのほかの方式(回転90度またはほかの方位に位置)で定位してもよく、ここで使用されている空間的に相対的な記述がそれに応じて解釈され得る。
【0032】
なお、「第1」、「第2」などの用語を用いて部品を限定するのは、ただ対応する部品に対して便利に区別するためであり、別途の説明がなければ、上記の用語は特別な意味があるわけではなく、したがって、本発明の請求の範囲を制限するものと理解されるべきではない。
【0033】
図面に示すように、本発明は、マルチワイヤソー用主軸のアンロード装置を提供し、アンロード装置は、主軸部材、伝動側アンロード部、及び操作側アンロード部を含み、
主軸部材は、溝ローラスリーブ10、連結ボルト群12、主軸鋼心11、工作機械伝動側に位置する伝動側主軸1、ロックボルト14、及び工作機械操作側に位置する操作側主軸20を備え、伝動側主軸1は一端が駆動モータに接続され、他端がロックボルト14により操作側主軸20に接続され、伝動側主軸1と操作側主軸20の内側端はともに主軸鋼心11に接触接続され、主軸鋼心11は連結ボルト群12により溝ローラスリーブ10に接続され、溝ローラスリーブ10は中空円柱体であり、
伝動側アンロード部は、機械フレーム5の伝動側に固定接続され、その内部が伝動側主軸1の外部と回転可能に接続され、その外部が溝ローラスリーブ10の左端の内部と回転可能に接続され、
操作側アンロード部は、機械フレーム5の操作側に固定接続され、その内部が操作側の主軸20の外部と回転可能に接続され、その外部が溝ローラスリーブ10の右端の内部と回転可能に接続され、
駆動モータは、伝動側主軸1を駆動して回転させ、ロックボルト14は、操作側主軸20を連動して伝動側主軸と同期回転させ、伝動側主軸1は操作側主軸20とともに主軸鋼心11を駆動して回転させ、主軸鋼心11は連結ボルト群12を介して溝ローラスリーブ10を連動して同期回転させ、駆動モータの駆動により、主軸部材全体が高速回転し、主軸部材の回転時に溝ローラスリーブ10に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、マルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ10に作用して、溝ローラスリーブ10を介して伝動側アンロード部と操作側アンロード部に伝達され、最終的に張力を機械フレーム5に伝達させて、溝ローラスリーブ10が受けられた大負荷を機械フレーム5と地面に移行し、マルチワイヤの張力により主軸部材が曲げ変形することを回避する。
【0034】
好ましい実施形態として、前記伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9、伝動側スリーブ8、及び伝動側アンロードスリーブ4を含み、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9は外輪が溝ローラスリーブ10一側の内部に締まりばめされ、内輪が伝動側アンロードスリーブ4の一側の外部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブ4の他側は機械フレーム5の伝動側に接続され、伝動側アンロードスリーブ4の外部には伝動側スリーブ8が環設され、伝動側スリーブ8は機械フレーム5側壁と一対の伝動側アンギュラ玉軸受9の側壁との間に位置し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9は伝動側スリーブ8と伝動側アンロードスリーブ4の外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0035】
好ましい実施形態として、前記操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受13、操作側スリーブ15、及び操作側アンロードスリーブ16を含み、一対の操作側アンギュラ玉軸受13は外輪が溝ローラスリーブ10の他側の内部に締まりばめされ、内輪が操作側アンロードスリーブ16の一側の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ16の他側は機械フレーム5の操作側に接続され、操作側アンロードスリーブ16の外部には操作側スリーブ15が環設され、操作側スリーブ15は機械フレーム5の側壁と一対の操作側アンギュラ玉軸受13の側壁との間に位置し、一対の操作側アンギュラ玉軸受13は操作側スリーブ15と操作側アンロードスリーブ16の外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0036】
好ましい実施形態として、前記機械フレーム5の伝動側には第1丸穴が開口され、伝動側アンロードスリーブ4は機械フレーム5の第1丸穴の内壁に接触接続され、伝動側アンロードスリーブ4の左端面には複数の第1ボルト群28により第1端蓋29が固定接続され、複数の第1ボルト群28は第1端蓋29の左端面に周方向に均一分布される。
【0037】
好ましい実施形態として、前記伝動側アンロードスリーブ4は、伝動側主軸1の外部に環設され、伝動側主軸1との間には左から右に一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26が接続され、一対の第1アンギュラ玉軸受27と第1端蓋29の内壁との間には第1スペーサ3が設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26との間には第1中間大スペーサスリーブ6が設けられ、第1スペーサ3、第1中間大スペーサスリーブ6、及び一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の外輪は伝動側アンロードスリーブ4の内部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブ4の右端には内部軸肩が設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の外輪は第1スペーサ3、第1中間大スペーサスリーブ6及び伝動側アンロードスリーブ4の内部軸肩により、軸方向に位置決めされ、
伝動側主軸1の右端には外部軸肩が設けられ、且つ左端の外側輪郭の一部分に雄ねじが設けられ、雄ねじに第1径方向ロックナット2が螺合され、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26との間にはさらに第1中間小スペーサスリーブ7が設けられ、第1中間小スペーサスリーブ7及び一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の内輪は伝動側主軸1の外部に締まりばめされ、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の内輪は第1径方向ロックナット2、第1中間小スペーサスリーブ7及び伝動側主軸1の外部軸肩により、軸方向に位置決めされる。
【0038】
好ましい実施形態として、前記機械フレーム5の操作側には第2丸穴が開口され、操作側アンロードスリーブ16は機械フレーム5の第2丸穴の内壁に接触接続され、操作側アンロードスリーブ16の右端面には複数の第2ボルト群21により第2端蓋17が固定接続され、複数の第2ボルト群21は第2端蓋17の右端面に周方向に均一分布される。
【0039】
好ましい実施形態として、前記操作側アンロードスリーブ16は操作側主軸20の外部に環設され、操作側主軸20との間には左から右に一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22が接続され、一対の第4アンギュラ玉軸受22と第2端蓋17の内壁との間には第2スペーサ18が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22との間には第2中間大スペーサスリーブ23が設けられ、第2スペーサ18、第2中間大スペーサスリーブ23、及び一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の外輪は操作側アンロードスリーブ16の内部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ16の左端部には内部軸肩が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の外輪は第2スペーサ18、第2中間大スペーサスリーブ23及び操作側アンロードスリーブ16の内部軸肩により、軸方向に位置決めされ、
操作側主軸20の左端部には外部軸肩が設けられ、且つ右端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、その雄ねじに第2径方向ロックナット19が螺合され、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22との間にはさらに第2中間小スペーサスリーブ24が設けられ、第2中間小スペーサスリーブ24、及び一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の内輪は操作側主軸20の外部に締まりばめされ、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の内輪は第2径方向ロックナット19、第2中間小スペーサスリーブ24及び操作側主軸20の外部軸肩により、軸方向に位置決めされる。
【0040】
好ましい実施形態として、前記溝ローラスリーブ10の外側輪郭にはダイヤモンドワイヤが巻きけられるV字型溝が複数列開口され、主軸鋼心11は中空回転体であり、連結ボルト群12は溝ローラスリーブ10の中間部の周面に均一分布されるように複数設けられて、溝ローラスリーブ10と主軸鋼心11を互いにの連結し、溝ローラスリーブ10と主軸鋼心11にはそれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴とが開口される。
【0041】
好ましい実施形態として、前記主軸鋼心11の左端の内表面は伝動側主軸1の右端の外表面の錐面に接触して第1接触錐面を形成し、伝動側主軸1の右端中心にはねじ穴が開口され、ロックボルト14のヘッド部に螺合され、
前記主軸鋼心11の右端の内表面は操作側主軸20の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、操作側主軸20の中心には長ねじ穴が開口され、ロックボルト14のテイル部に螺合され、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は前記主軸鋼心11の摩擦角より小さい。
【0042】
主軸鋼心11、伝動側主軸1、及び操作側主軸20の材質は同じである。
【0043】
(実施例1)
図1~4に示すように、本実施例はマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置を提供し、アンロード装置は、伝動側アンロード部、主軸部材、及び操作側アンロード部を備え、伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9、伝動側スリーブ8、及び伝動側アンロードスリーブ4を含み、工作機械の伝動側は、モータに接続される一端であり、工作機械の操作側は作業者がワークをロード/アンロードする一端であり、主軸部材は、溝ローラスリーブ10、連結ボルト群12、主軸鋼心11、伝動側主軸1、ロックボルト14、及び操作側主軸20を含み、伝動側主軸1の左端には駆動モータが接続され、機械フレーム5の伝動側と操作側の何れにも主軸部材を組み立てるための丸穴が開口され、機械フレーム5の操作側の上方には作業者がワークのロード/アンロード時に利用するための長方形のエリアがあり、操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受13、操作側スリーブ15及び操作側アンロードスリーブ16を含み、溝ローラスリーブ10は中空円柱体であり、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9の外輪は溝ローラスリーブ10の内部に締まりばめされ、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9の内輪は伝動側アンロードスリーブ4の外部に締まりばめされ、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9は伝動側スリーブ8と伝動側アンロードスリーブ4の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、一対の操作側アンギュラ玉軸受13の外輪は溝ローラスリーブ10の内部に締まりばめされ、一対の操作側アンギュラ玉軸受13の内輪は操作側アンロードスリーブ16の外部に締まりばめされ、一対の操作側アンギュラ玉軸受13は操作側スリーブ15と操作側アンロードスリーブ16の外部軸肩により軸方向に位置決めされる。
【0044】
具体的に、伝動側アンロードスリーブ4は機械フレーム5に直接に接触し、伝動側アンロードスリーブ4の左端面には第1端蓋29が接続され、且つ第1ボルト群28により固定接続され、第1ボルト群28は第1端蓋29の左端面に周方向に均一分布され、伝動側アンロードスリーブ4と伝動側主軸1との間には一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26が接続され、伝動側アンロードスリーブ4には内部軸肩が設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の外輪は第1スペーサ3、第1中間大スペーサスリーブ6及び伝動側アンロードスリーブ4の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、第1スペーサ3、第1中間大スペーサスリーブ6、及び一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の外輪は伝動側アンロードスリーブ4の内部に締まりばめされ、伝動側主軸1には外部軸肩が設けられ、且つ外側輪郭の一部分にはねじが設けられ、一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の内輪は第1径方向ロックナット2、第1中間小スペーサスリーブ7及び伝動側主軸1の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、第1径方向ロックナット2と伝動側主軸1はねじ結合され、第1中間小スペーサスリーブ7、及び一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の内輪は伝動側主軸1の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ16は機械フレーム5に直接に接触し、右端面には第2端蓋17が接続され、且つ第2ボルト群21により固定接続され、第2ボルト群21は第2端蓋17の右端面に周方向に均一分布され、操作側アンロードスリーブ16と操作側主軸20との間には一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22が接続され、操作側アンロードスリーブ16には内部軸肩が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の外輪は第2スペーサ18、第2中間大スペーサスリーブ23及び操作側アンロードスリーブ16の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、第2スペーサ18、第2中間大スペーサスリーブ23、及び一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の外輪は操作側アンロードスリーブ16の内部に締まりばめされ、操作側主軸20には外部軸肩が設けられ、且つ外側輪郭の一部分にねじが設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の内輪は第2径方向ロックナット19、第2中間小スペーサスリーブ24と操作側主軸20の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、第2径方向ロックナット19と操作側主軸20はねじ結合され、第2中間小スペーサスリーブ24、及び一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の内輪は操作側主軸20の外部に締まりばめされる。
【0045】
溝ローラスリーブ10の外側輪郭にはダイヤモンドワイヤの巻き付けに用いられるV字型溝が複数列開口され、主軸鋼心11は中空回転体であり、連結ボルト群12は溝ローラスリーブ10の中心の周方向に均一分布されて、溝ローラスリーブ10と主軸鋼心11を互いに連結し、溝ローラスリーブ10と主軸鋼心11にはそれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴とが開口され、主軸鋼心11の左端の内表面は伝動側主軸1の右端の外表面の錐面に接触して第1接触錐面を形成し、伝動側主軸1の右端の中心にはねじ穴が開口され、ロックボルト14のヘッド部に螺合され、主軸鋼心11の右端の内表面は操作側主軸20の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、操作側主軸20の中心には長ねじ穴が開口され、ロックボルト14のテイル部に螺合され、主軸鋼心11、伝動側主軸1、及び操作側主軸20の材質は同じであり、第1接触錐面と第2接触錐面の水平方向とのなす角(
図3ではα)は主軸鋼心11の摩擦角より小さく、主軸鋼心11が両側へ運動する傾向があると、伝動側主軸1と操作側主軸20の外端は端蓋により固定され、軸方向に動かないため、伝動側主軸1と操作側主軸20により主軸鋼心11が両側へ運動することを阻止でき、主軸鋼心11が軸方向に固定されることができる。
【0046】
本発明を使用するときに、駆動モータの駆動により伝動側主軸1が回転し、ロックボルト14により操作側主軸20が連動されて同期回転し、同時に第1接触錐面と第2接触錐面の作用下で主軸鋼心11が同期回転し、連結ボルト群12により溝ローラスリーブ10が連動されて同期回転し、駆動モータの駆動により、主軸部材全体が高速回転し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9と一対の操作側アンギュラ玉軸受13の外輪が溝ローラスリーブ10に連動して回転し、第1径方向ロックナット2、第1中間小スペーサスリーブ7、及び一対の第1アンギュラ玉軸受27と一対の第2アンギュラ玉軸受26の内輪が伝動側主軸1に連動して回転し、第2径方向ロックナット19、第2中間小スペーサスリーブ24、及び一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の内輪が操作側主軸20に連動して回転し、第1スペーサ3、第1中間大スペーサスリーブ6、一対の第1アンギュラ玉軸受27と第2アンギュラ玉軸受26の外輪、及び一対の伝動側アンギュラ玉軸受9の内輪は伝動側アンロードスリーブ4に不動に固定され、第2スペーサ18、第2中間大スペーサスリーブ23、一対の第3アンギュラ玉軸受25と一対の第4アンギュラ玉軸受22の外輪、及び一対の操作側アンギュラ玉軸受13の内輪は操作側アンロードスリーブ16に不動に固定され、溝ローラスリーブ10のV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、ダイヤモンドマルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ10に作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受9と一対の操作側アンギュラ玉軸受13に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブ4と操作側アンロードスリーブ16に伝達され、最終的にその張力が機械フレーム5に伝達される。機械フレーム5自体が工作機械全体の大部分の重量を占め且つ地面に支持されるので、張力を効果的にアンロードして、大負荷により主軸鋼心が曲げ変形することを回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤの均一分布を実現し、工作機械の加工精度、加工品質及び運転安定性を高めることができる。
【0047】
最後に以下の通り、説明すべきである。以上の各実施例は、本発明の技術的手段を説明するためのものにすぎなく、それを限定するものではない。上述した各実施例を参照して本発明について詳しく説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正し、またはその一部や全部の技術的特徴を同等に置き換えてもよく、これらの修正や置換を行っても、対応する技術的手段の本質が本発明の実施例における技術的手段の範囲から逸脱することがないとのことは、当業者に理解されよう。
【0048】
(付記)
(付記1)
主軸部材、伝動側アンロード部、及び操作側アンロード部を備え、
前記主軸部材は、溝ローラスリーブ(10)、連結ボルト群(12)、主軸鋼心(11)、工作機械伝動側に位置する伝動側主軸(1)、ロックボルト(14)、及び工作機械操作側に位置する操作側主軸(20)を含み、前記伝動側主軸(1)は一端が駆動モータに接続され、他端が前記ロックボルト(14)により前記操作側主軸(20)に接続され、前記伝動側主軸(1)と前記操作側主軸(20)との内側端はともに前記主軸鋼心(11)に接触接続され、前記主軸鋼心(11)は連結ボルト群(12)により前記溝ローラスリーブ(10)に接続され、前記溝ローラスリーブ(10)は中空円柱体であり、
前記伝動側アンロード部は、機械フレーム(5)の伝動側に固定接続され、その内部が前記伝動側主軸(1)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記操作側アンロード部は、機械フレーム(5)の操作側に固定接続され、その内部が前記操作側主軸(20)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記駆動モータは、前記伝動側主軸(1)を駆動して回転させ、前記ロックボルト(14)は、前記操作側主軸(20)を連動して伝動側主軸と同期回転させ、前記伝動側主軸(1)は、前記操作側主軸(20)とともに前記主軸鋼心(11)を駆動して回転させ、前記主軸鋼心(11)は前記連結ボルト群(12)を介して前記溝ローラスリーブ(10)を連動して同期回転させ、前記駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、主軸部材の回転時に前記溝ローラスリーブ(10)に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、マルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、前記溝ローラスリーブ(10)を介して前記伝動側アンロード部と前記操作側アンロード部に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、溝ローラスリーブ(10)が受けられた大負荷が機械フレーム(5)と地面に移行されて、マルチワイヤの張力による主軸部材の曲げ変形が回避され、
前記伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)、伝動側スリーブ(8)、及び伝動側アンロードスリーブ(4)を含み、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)一側の内部に締まりばめされ、その内輪が伝動側アンロードスリーブ(4)一側の外部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブ(4)の他側が機械フレーム(5)の伝動側に接続され、伝動側アンロードスリーブ(4)の外部には伝動側スリーブ(8)が環設され、伝動側スリーブ(8)は機械フレーム(5)の側壁と一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の側壁との間に位置し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)は伝動側スリーブ(8)と伝動側アンロードスリーブ(4)の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)、操作側スリーブ(15)、及び操作側アンロードスリーブ(16)を含み、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)の他側の内部に締まりばめされ、その内輪が操作側アンロードスリーブ(16)一側の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の他側が機械フレーム(5)の操作側に接続され、操作側アンロードスリーブ(16)の外部には操作側スリーブ(15)が環設され、操作側スリーブ(15)は機械フレーム(5)の側壁と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の側壁との間に位置し、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)は操作側スリーブ(15)と操作側アンロードスリーブ(16)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0049】
(付記2)
前記機械フレーム(5)の伝動側には第1丸穴が開口され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)は前記機械フレーム(5)の第1丸穴の内壁に接触接続され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の左端面には複数の第1ボルト群(28)により前記第1端蓋(29)が固定接続され、複数の第1ボルト群(28)は第1端蓋(29)左端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする付記1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0050】
(付記3)
前記伝動側アンロードスリーブ(4)は、前記伝動側主軸(1)の外部に環設され、前記伝動側主軸(1)との間には一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)が接続され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記第1端蓋(29)の内壁との間には第1スペーサ(3)が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間には第1中間大スペーサスリーブ(6)が設けられ、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪が前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部に締まりばめされ、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の右端には内部軸肩が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪は、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記伝動側主軸(1)の右端部には外部軸肩が設けられ、且つ左端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、雄ねじに第1径方向ロックナット(2)が螺合され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間にはさらに第1中間小スペーサスリーブ(7)が設けられ、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が前記伝動側主軸(1)の外部に締まりばめされ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪は、前記第1径方向ロックナット(2)、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記伝動側主軸(1)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする付記2に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0051】
(付記4)
前記機械フレーム(5)の操作側には第2丸穴が開口され、前記操作側アンロードスリーブ(16)は機械フレーム(5)の第2丸穴の内壁に接触接続され、前記操作側アンロードスリーブ(16)の右端面には複数の第2ボルト群(21)により前記第2端蓋(17)が固定接続され、複数の第2ボルト群(21)が第2端蓋(17)の右端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする付記1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0052】
(付記5)
前記操作側アンロードスリーブ(16)は、操作側主軸(20)の外部に環設され、操作側主軸(20)との間には一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)が接続され、一対の第4アンギュラ玉軸受(22)と第2端蓋(17)の内壁との間には第2スペーサ(18)が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間には第2中間大スペーサスリーブ(23)が設けられ、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪が操作側アンロードスリーブ(16)の内部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の左端部には内部軸肩が設けられ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪は、前記第2スペーサ(18)、前記第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び前記操作側アンロードスリーブ(16)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側主軸(20)の左端部には外部軸肩が設けられ、且つ右端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、前記雄ねじに第2径方向ロックナット(19)が螺合され、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間にはさらに第2中間小スペーサスリーブ(24)が設けられ、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が前記操作側主軸(20)の外部に締まりばめされ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪は、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び操作側主軸(20)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする付記4に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0053】
(付記6)
前記溝ローラスリーブ(10)の外側輪郭には、ダイヤモンドワイヤが巻きつけられるV字型溝が複数列形成され、前記主軸鋼心(11)は中空回転体であり、前記連結ボルト群(12)は、前記溝ローラスリーブ(10)の中間部の周面に均一分布されるように複数設けられて、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)を連結し、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)にはぞれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴とが設けられる、ことを特徴とする付記1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0054】
(付記7)
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする付記1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0055】
(付記8)
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする付記6に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【0056】
(付記9)
付記1~8のいずれか1つに記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法であって、
駆動モータの駆動により伝動側主軸(1)が回転し、ロックボルト(14)により操作側主軸(20)が連動されて同期回転し、同時に第1接触錐面、第2接触錐面の作用下で主軸鋼心(11)が同期回転し、連結ボルト群(12)により溝ローラスリーブ(10)が連動されて同期回転し、駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の外輪が溝ローラスリーブ(10)に連動して回転し、第1径方向ロックナット(2)、第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が伝動側主軸(1)に連動して回転し、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が操作側主軸(20)に連動して回転し、第1スペーサ(3)、第1中間大スペーサスリーブ(6)、一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の内輪は伝動側アンロードスリーブ(4)に不動に固定され、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の内輪は操作側アンロードスリーブ(16)に不動に固定され、溝ローラスリーブ(10)のV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、ダイヤモンドマルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブ(4)と操作側アンロードスリーブ(16)に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、機械フレーム(5)自体は工作機械全体の重量の大部分を占め且つ地面により支持されて、張力を効果的にアンロードし、大負荷による主軸鋼心(11)の曲げ変形を回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤが均一分布され、工作機械の加工精度、加工品質及び運転安定性を高める、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法。
【符号の説明】
【0057】
1 伝動側主軸
2 第1径方向ロックナット
3 第1スペーサ
4 伝動側アンロードスリーブ
5 機械フレーム
6 第1中間大スペーサスリーブ
7 第1中間小スペーサスリーブ
8 伝動側スリーブ
9 一対の伝動側アンギュラ玉軸受
10 溝ローラスリーブ
11 主軸鋼心
12 連結ボルト群
13 一対の操作側アンギュラ玉軸受
14 ロックボルト
15 操作側スリーブ
16 操作側アンロードスリーブ
17 第2端蓋
18 第2スペーサ
19 第2径方向ロックナット
20 操作側主軸
21 第2ボルト群
22 一対の第4アンギュラ玉軸受
23 第2中間大スペーサスリーブ
24 第2中間小スペーサスリーブ
25 一対の第3アンギュラ玉軸受
26 一対の第2アンギュラ玉軸受
27 一対の第1アンギュラ玉軸受
28 第1ボルト群
29 第1端蓋
【手続補正書】
【提出日】2022-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸部材、伝動側アンロード部、及び操作側アンロード部を備え、
前記主軸部材は、溝ローラスリーブ(10)、連結ボルト群(12)、主軸鋼心(11)、工作機械伝動側に位置する伝動側主軸(1)、ロックボルト(14)、及び工作機械操作側に位置する操作側主軸(20)を含み、前記伝動側主軸(1)は一端が駆動モータに接続され、他端が前記ロックボルト(14)により前記操作側主軸(20)に接続され、前記伝動側主軸(1)と前記操作側主軸(20)との内側端はともに前記主軸鋼心(11)に接触接続され、前記主軸鋼心(11)は連結ボルト群(12)により前記溝ローラスリーブ(10)に接続され、前記溝ローラスリーブ(10)は中空円柱体であり、
前記伝動側アンロード部は、機械フレーム(5)の伝動側に固定接続され、その内部が前記伝動側主軸(1)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記操作側アンロード部は、機械フレーム(5)の操作側に固定接続され、その内部が前記操作側主軸(20)の外部と回転可能に接続され、その外部が前記溝ローラスリーブ(10)の内部と回転可能に接続され、
前記駆動モータは、前記伝動側主軸(1)を駆動して回転させ、前記ロックボルト(14)は、前記操作側主軸(20)を連動して伝動側主軸と同期回転させ、前記伝動側主軸(1)は、前記操作側主軸(20)とともに前記主軸鋼心(11)を駆動して回転させ、前記主軸鋼心(11)は前記連結ボルト群(12)を介して前記溝ローラスリーブ(10)を連動して同期回転させ、前記駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、主軸部材の回転時に前記溝ローラスリーブ(10)に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、マルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、前記溝ローラスリーブ(10)を介して前記伝動側アンロード部と前記操作側アンロード部に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、溝ローラスリーブ(10)が受けられた大負荷が機械フレーム(5)と地面に移行されて、マルチワイヤの張力による主軸部材の曲げ変形が回避され、
前記伝動側アンロード部は、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)、伝動側スリーブ(8)、及び伝動側アンロードスリーブ(4)を含み、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)一側の内部に締まりばめされ、その内輪が伝動側アンロードスリーブ(4)一側の外部に締まりばめされ、伝動側アンロードスリーブ(4)の他側が機械フレーム(5)の伝動側に接続され、伝動側アンロードスリーブ(4)の外部には伝動側スリーブ(8)が環設され、伝動側スリーブ(8)は機械フレーム(5)の側壁と一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の側壁との間に位置し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)は伝動側スリーブ(8)と伝動側アンロードスリーブ(4)の外部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側アンロード部は、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)、操作側スリーブ(15)、及び操作側アンロードスリーブ(16)を含み、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)はその外輪が溝ローラスリーブ(10)の他側の内部に締まりばめされ、その内輪が操作側アンロードスリーブ(16)一側の外部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の他側が機械フレーム(5)の操作側に接続され、操作側アンロードスリーブ(16)の外部には操作側スリーブ(15)が環設され、操作側スリーブ(15)は機械フレーム(5)の側壁と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の側壁との間に位置し、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)は操作側スリーブ(15)と操作側アンロードスリーブ(16)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項2】
前記機械フレーム(5)の伝動側には第1丸穴が開口され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)は前記機械フレーム(5)の第1丸穴の内壁に接触接続され、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の左端面には複数の第1ボルト群(28)により第1端蓋(29)が固定接続され、複数の第1ボルト群(28)は第1端蓋(29)左端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項3】
前記伝動側アンロードスリーブ(4)は、前記伝動側主軸(1)の外部に環設され、前記伝動側主軸(1)との間には一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)が接続され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記第1端蓋(29)の内壁との間には第1スペーサ(3)が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間には第1中間大スペーサスリーブ(6)が設けられ、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪が前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部に締まりばめされ、前記伝動側アンロードスリーブ(4)の右端には内部軸肩が設けられ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪は、前記第1スペーサ(3)、前記第1中間大スペーサスリーブ(6)、及び前記伝動側アンロードスリーブ(4)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記伝動側主軸(1)の右端部には外部軸肩が設けられ、且つ左端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、雄ねじに第1径方向ロックナット(2)が螺合され、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)との間にはさらに第1中間小スペーサスリーブ(7)が設けられ、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が前記伝動側主軸(1)の外部に締まりばめされ、前記一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と前記一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪は、前記第1径方向ロックナット(2)、前記第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び前記伝動側主軸(1)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする請求項2に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項4】
前記機械フレーム(5)の操作側には第2丸穴が開口され、前記操作側アンロードスリーブ(16)は機械フレーム(5)の第2丸穴の内壁に接触接続され、前記操作側アンロードスリーブ(16)の右端面には複数の第2ボルト群(21)により第2端蓋(17)が固定接続され、複数の第2ボルト群(21)が第2端蓋(17)の右端面に周方向に均一分布される、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項5】
前記操作側アンロードスリーブ(16)は、操作側主軸(20)の外部に環設され、操作側主軸(20)との間には一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)が接続され、一対の第4アンギュラ玉軸受(22)と第2端蓋(17)の内壁との間には第2スペーサ(18)が設けられ、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間には第2中間大スペーサスリーブ(23)が設けられ、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪が操作側アンロードスリーブ(16)の内部に締まりばめされ、操作側アンロードスリーブ(16)の左端部には内部軸肩が設けられ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪は、前記第2スペーサ(18)、前記第2中間大スペーサスリーブ(23)、及び前記操作側アンロードスリーブ(16)の内部軸肩により軸方向に位置決めされ、
前記操作側主軸(20)の左端部には外部軸肩が設けられ、且つ右端の外側輪郭の一部分には雄ねじが設けられ、前記雄ねじに第2径方向ロックナット(19)が螺合され、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)との間にはさらに第2中間小スペーサスリーブ(24)が設けられ、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が前記操作側主軸(20)の外部に締まりばめされ、前記一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と前記一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪は、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び操作側主軸(20)の外部軸肩により軸方向に位置決めされる、ことを特徴とする請求項4に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項6】
前記溝ローラスリーブ(10)の外側輪郭には、ダイヤモンドワイヤが巻きつけられるV字型溝が複数列形成され、前記主軸鋼心(11)は中空回転体であり、前記連結ボルト群(12)は、前記溝ローラスリーブ(10)の中間部の周面に均一分布されるように複数設けられて、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)を連結し、前記溝ローラスリーブ(10)と前記主軸鋼心(11)にはぞれぞれ対応するカウンターボアとねじ穴とが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項7】
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項8】
前記主軸鋼心(11)の左端の内表面は、前記伝動側主軸(1)の右端の外表面の錐面と接触して第1接触錐面を形成し、前記伝動側主軸(1)の右端の中心にはねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のヘッド部に螺合し、
前記主軸鋼心(11)の右端の内表面は、前記操作側主軸(20)の左端の外表面の錐面に接触して第2接触錐面を形成し、前記操作側主軸(20)の中心には長ねじ穴が開口され、前記ロックボルト(14)のテイル部に螺合し、
前記第1接触錐面と前記第2接触錐面の水平方向とのなす角は、前記主軸鋼心(11)の摩擦角より小さく、
主軸鋼心(11)、伝動側主軸(1)、及び操作側主軸(20)の材質は同じである、ことを特徴とする請求項6に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法であって、
駆動モータの駆動により伝動側主軸(1)が回転し、ロックボルト(14)により操作側主軸(20)が連動されて同期回転し、同時に第1接触錐面、第2接触錐面の作用下で主軸鋼心(11)が同期回転し、連結ボルト群(12)により溝ローラスリーブ(10)が連動されて同期回転し、駆動モータの駆動により主軸部材全体が高速回転し、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の外輪が溝ローラスリーブ(10)に連動して回転し、第1径方向ロックナット(2)、第1中間小スペーサスリーブ(7)、及び一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の内輪が伝動側主軸(1)に連動して回転し、第2径方向ロックナット(19)、第2中間小スペーサスリーブ(24)、及び一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の内輪が操作側主軸(20)に連動して回転し、第1スペーサ(3)、第1中間大スペーサスリーブ(6)、一対の第1アンギュラ玉軸受(27)と一対の第2アンギュラ玉軸受(26)の外輪、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)の内輪は伝動側アンロードスリーブ(4)に不動に固定され、第2スペーサ(18)、第2中間大スペーサスリーブ(23)、一対の第3アンギュラ玉軸受(25)と一対の第4アンギュラ玉軸受(22)の外輪、一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)の内輪は操作側アンロードスリーブ(16)に不動に固定され、溝ローラスリーブ(10)のV字型溝に巻き掛けられたマルチワイヤが高速運動し、ダイヤモンドマルチワイヤの巨大な張力が溝ローラスリーブ(10)に作用して、一対の伝動側アンギュラ玉軸受(9)と一対の操作側アンギュラ玉軸受(13)に伝達され、さらに伝動側アンロードスリーブ(4)と操作側アンロードスリーブ(16)に伝達され、最終的に張力が機械フレーム(5)に伝達され、機械フレーム(5)自体は工作機械全体の重量の大部分を占め且つ地面により支持されて、張力を効果的にアンロードし、大負荷による主軸鋼心(11)の曲げ変形を回避し、主軸の回転時に工作機械に対する振動影響を低減し、マルチワイヤが均一分布され、工作機械の加工精度、加工品質及び運転安定性を高める、ことを特徴とするマルチワイヤソー用主軸のアンロード装置の作業方法。