(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047356
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】マストガイド
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20230330BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
H01Q1/12 C
E04H12/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156210
(22)【出願日】2021-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】手計 達也
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA09
5J047AA10
5J047BC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】径の異なる2種類のマストを接続した際に、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業を容易に行うことが可能なマストガイドを提供する。
【解決手段】マストガイド1は、円盤状の本体部10と、本体部10の下面から突出するよう形成された嵌挿部10bと、本体部10に偏心して形成されたガイド部11を備えている。嵌挿部10bを第2マストの上端に嵌挿し、第2マストより径の小さい第1マストをガイド部11および第2マストに挿入した際に、第1マストが第2マストに対して偏心して配置されるようになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状の本体部と、
第1円弧状部と、該第1円弧状部より径の大きい第2円弧状部とが偏心して前記本体部の下面から突出するよう形成されている嵌挿部と、
前記本体部に偏心して形成され、前記第1円弧状部に連通する挿通孔からなるガイド部とを備え、
前記ガイド部は第1のマストの径に対応する形状とされて該第1のマストを挿入可能とされ、前記嵌挿部の前記第2円弧状部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿して、前記ガイド部に前記第1のマストを挿入した際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置され、前記本体部の径は前記第2のマストの径より大きく形成されていることを特徴とするマストガイド。
【請求項2】
前記本体部の下面から突出すると共に前記第2の円弧状部の外縁から前記本体部の外周縁にかけて係合片が形成されており、
前記嵌挿部の前記第2円弧状部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿した際に、前記係合片が前記第2のマストの上端に形成された切り込み部に係合することを特徴とする請求項1に記載のマストガイド。
【請求項3】
前記ガイド部における前記偏心される側が切り欠かれて、前記本体部が三日月状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマストガイド。
【請求項4】
第1の径の円筒状とされたガイド部と、
前記第1の径より大きい第2の径の円筒状とされた嵌挿部と、
前記ガイド部が前記嵌挿部に対して偏心して配置されるよう、前記ガイド部の下端と前記嵌挿部の上端とを連結する斜面部と、
からなる本体部を備え、
前記ガイド部は第1のマストの径に対応する形状とされて該第1のマストを挿入可能とされ、前記嵌挿部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿して、前記ガイド部に前記第1のマストを挿入した際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置されることを特徴とするマストガイド。
【請求項5】
前記第1のマストは、アンテナを取り付け可能とされ、前記第2のマストは前記アンテナを固着する取付金具に備えられ、前記第1のマストを前記第2のマストに挿入することにより、前記第1のマストが前記取付金具で支持されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマストガイド。
【請求項6】
前記第2のマストの側面に設けられ、先端が前記第1のマストに圧接可能とされて、前記第2のマストに挿入された前記第1のマストを固着することができる固着手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載のマストガイド。
【請求項7】
第1の径の第1のマストより大きい径の第2の径の第2のマストの上端部に、対面するよう形成された1対の抱持部と、該抱持部の下端と前記第2のマストの上端との間に形成された切込部とからなるマストガイドであって、
前記第1のマストを前記第2のマストに挿入して前記第1のマストの外面に接触するよう前記抱持部を変形させた際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置され、前記抱持部は前記第2のマストの上端部に一体に形成されていることを特徴とするマストガイド。
【請求項8】
前記第1のマストは、アンテナを取り付け可能とされ、前記第2のマストは前記アンテナを固着する取付金具に備えられていることを特徴とする請求項7に記載のマストガイド。
【請求項9】
前記第2のマストの側面に設けられ、先端が前記第1のマストに圧接可能とされて、前記第2のマストに挿入された前記第1のマストを固着することができる固着手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載のマストガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナが取り付け可能なマストであって、径の異なる2種類のマストを接続することのできるマストガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンテナが取り付けられるマストを、壁面等に固着する従来の取付金具が特許文献1に開示されており、特許文献1の従来の取付金具2102を用いてアンテナ2001を固着する構成を示す側面図を
図19に示す。
図19に示す従来の取付金具2102は、支柱や壁面にアンテナ2001を固着することができ、
図19ではアンテナ2001を支柱2110に固着する例が示されている。この図において、アンテナ2001は、CS・BS放送を受信するパラボラアンテナとされている。取付金具2102は、くの字に折曲された円筒状のマスト2101の下部が嵌挿されて保持される円筒状の保持部2103と、平板状の板状部2104と、保持部2103と板状部2104とを連結する板状の連結部2105とから構成されている。マスト2101の上部にはアンテナ取付金具によりアンテナ2001が取り付けられており、マスト2101の下部は取付金具2102の保持部2103に挿入されて固着されている。板状部2104の裏面と板状の当て板2106とを対面させて1対のU字ボルト2107で連結させて、板状部2104の裏面と板状の当て板2106との間に支柱2110を挿入する。そして、一対のU字ボルト2107を締着することにより、マスト2101に取り付けられたアンテナ2001を支柱2110に固着することができる。
また、取付金具2102によりアンテナ2001を壁面に固着することができる。この場合は、U字ボルト2107を板状部2104から取り外すと共に当て板2106は使用しない。そして、板状部2104の裏面を壁面に当接して、板状部2104を壁面にネジ止めすることにより、マスト2101に取り付けられたアンテナ2001を壁面に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記説明した従来の取付金具2102と同じ範疇に属する従来の壁面取付金具1000を用いてアンテナを取り付け可能なマスト1100を固着する構成を
図20(a)(b)に示す。
図20(a)は斜視図であり、
図20(b)は上面図である。
図20(a)(b)に示すように、壁面取付金具1000は、円筒状のマスト1100の下部が嵌挿されて保持される円筒状の保持部1002と、平板状の板状部1001と、保持部1002と板状部1001とを連結する円筒状の2本の支持パイプ1003とから構成されている。現在のところ、多くのマスト1100の径は直径25mmあるいは直径35mmとされており、壁面取付金具1000の保持部1002は、直径25mmのマストに対応する壁面取付金具1000と、直径35mmのマストに対応する壁面取付金具1000とが用意されている。
図20(a)(b)に示す壁面取付金具1000は、直径35mmのマストに対応する壁面取付金具1000とされているが、25mmの径のマスト1100を取り付けることも可能とされている。この場合、円筒状のマスト1100の下部を保持部1002に嵌挿して、保持部1002の外側面の上下にそれぞれ設けられている一対の固定部1002aでマスト1100の下部を保持部1002に固着している。しかしながら、保持部1002の径がマスト1100の径よりかなり大きいことから、保持部1002の内面とマスト1100の外面との間に広い間隙が生じるようになる。すると、一対の固定部1002aとされる2本のネジを締め付けた場合に、
図20(b)に示すようにネジの先端がマスト1100の中央に当接せずに中央からずれた位置を圧接することから、
図20(a)(b)に示すようにマスト1100を保持部1002に対してまっすぐになるよう固着できないおそれが生じたり、マスト1100を保持部1002に固着した際の保持力が十分に得られないおそれがあった。保持力が有効に作用するような固定位置で保持し続けるには、マスト1100を固定する取付作業が困難になると共に、設置の安全性に支障が生じるおそれがあるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はアンテナが取り付け可能なマストを、径の異なるマストに接続した際に、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業を容易に行うことが可能なマストガイドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるマストガイドは、円盤状の本体部と、第1円弧状部と、該第1円弧状部より径の大きい第2円弧状部とが偏心して前記本体部の下面から突出するよう形成されている嵌挿部と、前記本体部に偏心して形成され、前記第1円弧状部に連通する挿通孔からなるガイド部とを備え、前記ガイド部は第1のマストの径に対応する形状とされて該第1のマストを挿入可能とされ、前記嵌挿部の前記第2円弧状部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿して、前記ガイド部に前記第1のマストを挿入した際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置され、前記本体部の径は前記第2のマストの径より大きく形成されていることを最も主要な特徴としている。
本発明にかかるマストガイドにおいて、前記本体部の下面から突出すると共に前記第2の円弧状部の外縁から前記本体部の外周縁にかけて係合片が形成されており、前記嵌挿部の前記第2円弧状部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿した際に、前記係合片が前記第2のマストの上端に形成された切り込み部に係合するようにしてもよい。
また、本発明にかかるマストガイドにおいて、前記ガイド部における前記偏心される側が切り欠かれて、前記本体部が三日月状に形成されているようにしている。
【0007】
本発明にかかる他のマストガイドは、第1の径の円筒状とされたガイド部と、前記第1の径より大きい第2の径の円筒状とされた嵌挿部と、前記ガイド部が前記嵌挿部に対して偏心して配置されるよう、前記ガイド部の下端と前記嵌挿部の上端とを連結する斜面部とからなる本体部を備え、前記ガイド部は第1のマストの径に対応する形状とされて該第1のマストを挿入可能とされ、前記嵌挿部を前記第1のマストより径の大きい第2のマストの上端に嵌挿して、前記ガイド部に前記第1のマストを挿入した際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置されることを最も主要な特徴としている。
また、本発明にかかるマストガイドにおいて、前記第1のマストは、アンテナを取り付け可能とされ、前記第2のマストは前記アンテナを固着する取付金具に備えられ、前記第1のマストを前記第2のマストに挿入することにより、前記第1のマストが前記取付金具で支持されるようにしている。
さらに、本発明にかかるマストガイドにおいて、前記第2のマストの側面に設けられ、先端が前記第1のマストに圧接可能とされて、前記第2のマストに挿入された前記第1のマストを固着することができる固着手段を備えている。
【0008】
本発明にかかるさらに他のマストガイドは、第1の径の第1のマストより大きい径の第2の径の第2のマストの上端部に、対面するよう形成された1対の抱持部と、該抱持部の下端と前記第2のマストの上端との間に形成された切込部とからなるマストガイドであって、前記第1のマストを前記第2のマストに挿入して前記第1のマストの外面に接触するよう前記抱持部を変形させた際に、前記第1のマストが前記第2のマストに対して偏心して配置され、前記抱持部は前記第2のマストの上端部に一体に形成されていることを最も主要な特徴としている。
また、本発明にかかるさらに他のマストガイドにおいて、前記第1のマストは、アンテナを取り付け可能とされ、前記第2のマストは前記アンテナを固着する取付金具に備えられている。
さらに、本発明にかかるさらに他のマストガイドにおいて、前記第2のマストの側面に設けられ、先端が前記第1のマストに圧接可能とされて、前記第2のマストに挿入された前記第1のマストを固着することができる固着手段を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマストガイドを使用して径の異なる2種類のマストを接続することにより、第1のマストと、第1のマストより径の大きい第2のマストとを偏心して配置することができることから、径の異なる2種類のマストを接続した際に、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業を容易に行うことが可能となる。また、第2のマストの側面に、先端が第1のマストに圧接可能とされる固着手段を設けると、固着手段が第1マストの中央を圧接するようになって、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業を容易に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施例のマストガイドの構成を示す斜視図、正面図、上面図である。
【
図2】本発明の第1実施例のマストガイドの構成を示す下面図、背面図、側面図である。
【
図3】本発明の第1実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す斜視図で示す分解図および斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す正面図、側面図、上面図、下面図である。
【
図5】本発明の第1実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例を示す斜視図で示す分解図および斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例を示す正面図、側面図、上面図、下面図である。
【
図7】本発明の第2実施例のマストガイドの構成を示す斜視図、正面図、上面図である。
【
図8】本発明の第2実施例のマストガイドの構成を示す下面図、背面図、側面図である。
【
図9】本発明の第3実施例のマストガイドの構成を示す斜視図、正面図、上面図である。
【
図10】本発明の第3実施例のマストガイドの構成を示す下面図、背面図、側面図である。
【
図11】本発明の第4実施例のマストガイドの構成を示す上から見た斜視図、下から見た斜視図、正面図、上面図である。
【
図12】本発明の第4実施例のマストガイドの構成を示す下面図、側面図、背面図である。
【
図13】本発明の第4実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す斜視図で示す分解図である。
【
図14】本発明の第5実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する工程の構成を示す斜視図である。
【
図15】本発明の第5実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す正面図、側面図、上面図、下面図である。
【
図16】本発明の第5実施例のマストガイドを用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す斜視図、正面図、側面図、上面図、下面図である。
【
図17】本発明の実施例のマストガイドを用いてアンテナが取り付けられた第1マストを壁面取付具に固着した構成を示す斜視図である。
【
図18】本発明の実施例のマストガイドを用いてアンテナが取り付けられた第1マストを屋根馬に固着した構成を示す斜視図である。
【
図19】従来の取付金具を用いてアンテナを固着する構成を示す側面図である。
【
図20】従来の壁面取付金具を用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を示す斜視図、上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施例>
本発明の第1実施例のマストガイド1の構成を
図1(a)(b)(c)および
図2(a)(b)(c)に示す。
図1(a)は第1実施例のマストガイド1の構成を示す上面側から見た斜視図、
図1(b)はマストガイド1の構成を示す正面図、
図1(c)はマストガイド1の構成を示す上面図、
図2(a)はマストガイド1の構成を示す下面図、
図2(b)はマストガイド1の構成を示す背面図、
図2(c)はマストガイド1の構成を示す側面図である。
これらの図に示す第1実施例のマストガイド1は、円盤状の本体部10を備えており、本体部10には、下面から突出する嵌挿部10bが形成されていると共に、偏心した挿通孔からなるガイド部11が形成されている。嵌挿部10bは、
図2(a)に示すように第1円弧状部10b-1と、第1円弧状部10b-1より径の大きい第2円弧状部10b-2とから構成され、第1円弧状部10b-1と第1円弧状部10b-1との中心軸はずれている。第1円弧状部10b-1と第2円弧状部10b-2との長さは、第1円弧状部10b-1で形成される円と、第2円弧状部10b-2で形成される円とが交わるまでの長さとされている。すなわち、嵌挿部10bは第1円弧状部10b-1で形成される内側と第2円弧状部10b-2で形成される外側とで形成される三日月状の形状とされている。第2円弧状部10b-2と本体部10との中心軸はほぼ一致しており、本体部10の外径は第2円弧状部10b-2の外径より大きくされている。第2円弧状部10b-2より径の小さい円弧からなる第1円弧状部10b-1はガイド部11を形成しており、第1円弧状部10b-1の中心軸は本体部10の中心軸とずれて本体部10に対して偏心している。ガイド部11は、第1円弧状部10b-1の両端から平行に延伸して本体部10の端まで向かう形状とされている。本体部10は、金属やウレタン、エラストマーなどのいずれかで形成される。
【0012】
<第1実施例の使用の態様>
本発明のマストガイドを使用して径の異なる2種類のマストを接続することができる。そこで、本発明の第1実施例のマストガイド1を用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成を
図3(a)(b)および
図4(a)(b)(c)(d)に示す。
図3(a)は上記構成を斜視図で示す分解図であり、
図3(b)は上記構成を示す斜視図であり、
図4(a)は上記構成を示す正面図であり、
図4(b)は上記構成を示す側面図であり、
図4(c)は上記構成を示す上面図であり、
図4(d)は上記構成を示す下面図である。
図3(a)(b)に示すように、本発明の第1実施例のマストガイド1を用いて円筒状の第1マスト101と、第1マスト101より径の大きい円筒状の第2マスト102とを接続することができる。この場合、
図3(a)に示すように第1実施例のマストガイド1を第2マスト102の上に配置して、マストガイド1の嵌挿部10bを第2マスト102の上端から内部に挿入して嵌挿する。嵌挿部10bを構成する第2円弧状部10b-2の外径は第2マスト102の内径とほぼ同様とされ、嵌挿部10bは第2マスト102の径に対応する形状となっている。次いで、嵌挿部10bが上端に嵌挿された第2マスト102の上に第1マスト101を配置して、第1マスト101をマストガイド1のガイド部11に上から挿入する。この場合、嵌挿部10bを構成する第1円弧状部10b-1の内径は第1マスト101の外径とほぼ同様とされ、ガイド部11は第1マスト101の径に対応する形状となっている。そして、円筒状の第1マスト101の外径は例えば25mmとされ、円筒状の第2マスト102の外径は例えば35mmと異なる2種類の外径とされており、嵌挿部10bが上端に嵌挿された第2マスト102の上から、第1マスト101をガイド部11から第2マスト102内に挿入した状態が
図3(b)に示されており、第2マスト102に対して第1マスト101が偏心して配置されていることが分かる。
【0013】
図4(a)(b)(c)(d)は、
図3(b)に示す構成の正面図、側面図、上面図、下面図であり、これらの図に示すように、第2マスト102に対して第1マスト101が偏心して配置されていることが分かる。この場合、第1マスト101が偏心して配置されて、第2マスト102の内面に近接した側の第1マスト101の外面は第2マスト102の内面に接触するようになる。
【0014】
次に、本発明の第1実施例のマストガイド1を用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例を
図5(a)(b)および
図6(a)(b)(c)(d)に示す。
図5(a)は上記構成の変形例を斜視図で示す分解図であり、
図5(b)は上記構成の変形例を示す斜視図であり、
図6(a)は上記構成の変形例を示す正面図であり、
図6(b)は上記構成の変形例を示す側面図であり、
図6(c)は上記構成の変形例を示す上面図であり、
図6(d)は上記構成の変形例を示す下面図である。
これらの図に示す変形例では、第2マスト102の側面に固着手段を設けて、固着手段により、第1マスト101を第2マスト102に固着している。固着手段の構成について説明すると、第2マスト102の側面の上下にそれぞれ第1ナット102bと第2ナット102dとが設けられている。第1ナット102bと第2ナット102dとは、第2マスト102の中心軸に平行な軸上であって第2マスト102の側面上に固着されている。そして、第1ナット102bには第1ネジ102aが螺合しており、第2ナット102dには第2ネジ102cが螺合している。第1ネジ102aと第2ネジ102cとを締着方向に回していくと、その先端が第2マスト102の内部に侵入していく。すなわち、第1ネジ102aと第2ネジ102cに対応する第2マスト102の位置に貫通孔が設けられており、この貫通孔を第1ネジ102aと第2ネジ102cとが貫通していく。
【0015】
本発明の第1実施例のマストガイド1を用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例においても、
図3(b)および
図4(a)(b)(c)(d)に示す構成と同様に、嵌挿部10bが上端に嵌挿された第2マスト102の上に第1マスト101を配置して、第1マスト101をマストガイド1のガイド部11に上から挿入することにより、第2マスト102に対して第1マスト101が偏心して第2マスト102内に配置されるようになる。そして、第1マスト101が偏心して配置されることで、第1ネジ102aおよび第2ネジ102cの先端が第1マスト101の外側面の中央に対峙するようになる。そこで、第1ネジ102aおよび第2ネジ102cを締め付けていくと、
図6(d)に示すように先端が第1マスト101の外側面の中央に当接した第1ネジ102aおよび第2ネジ102cにより第1マスト101は第2マスト102に圧接されるようになる。これにより、第1ネジ102aと第1ナット102bおよび第2ネジ102cと第2ナット102dとの固着手段により、例えば外径が25mmとされた円筒状の第1マスト101を、例えば35mmと異なる外径とされた円筒状の第2マスト102に、保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着できる取付作業を容易に行うことが可能となる。
【0016】
<第2実施例>
本発明の第2実施例のマストガイド2の構成を
図7(a)(b)(c)および
図8(a)(b)(c)に示す。
図7(a)は第2実施例のマストガイド2の構成を示す上面側から見た斜視図、
図7(b)はマストガイド2の構成を示す正面図、
図7(c)はマストガイド2の構成を示す上面図、
図8(a)はマストガイド2の構成を示す下面図、
図8(b)はマストガイド2の構成を示す背面図、
図8(c)はマストガイド2の構成を示す側面図である。
これらの図に示す第2実施例のマストガイド2は、ガイド部21における偏心される側であって円盤状の周縁の一部がガイド部21まで切り欠かれた三日月状の本体部20を備えており、本体部20には、下面から突出する嵌挿部20bが形成されていると共に、偏心した切欠孔からなるガイド部21が形成されている。嵌挿部20bは、
図8(a)に示すように第1円弧状部20b-1と、第1円弧状部20b-1より径の大きい第2円弧状部20b-2とから構成され、第1円弧状部20b-1と第1円弧状部20b-1との中心軸はずれている。第1円弧状部20b-1と第2円弧状部20b-2との長さは、第1円弧状部20b-1で形成される円と、第2円弧状部20b-2で形成される円とが交差するまでの長さとされている。すなわち、嵌挿部20bは第1円弧状部20b-1と第2円弧状部20b-2とから形成される三日月状の形状とされている。第2円弧状部20b-2と本体部20との中心軸はほぼ一致しており、本体部20の外径は第2円弧状部20b-2の外径より大きくされている。第2円弧状部20b-2より径の小さい円弧からなる第2円弧状部20b-1はガイド部21を形成しており、第1円弧状部20b-1の中心軸は本体部20の中心軸とずれて偏心している。ガイド部21は、第1円弧状部20b-1の両端から平行に延伸して三日月状の本体部20の切り欠かれた周端まで達する形状とされている。本体部20は、金属やウレタン、エラストマーなどのいずれかで形成される。
【0017】
本発明の第2実施例のマストガイド2を使用して径の異なる円筒状の第1マスト101と第2マスト102との2種類のマストを接続することができる。その構成は、上述した
図3(a)(b)および
図4(a)(b)(c)(d)に示す構成において、第1実施例のマストガイド1を第2実施例のマストガイド2に置き換えた構成とされるので、その説明は省略するが、円筒状の第1マスト101の外径は例えば25mmとされ、円筒状の第2マスト102の外径は例えば35mmと異なる2種類の外径とされており、嵌挿部20bが上端に嵌挿された第2マスト102の上から、第1マスト101をガイド部21に挿入することで、第2マスト102に対して第1マスト101が偏心して配置されるようになる。
また、上述した
図5(a)(b)および
図6(a)(b)(c)(d)に示す変形例の構成において、第1実施例のマストガイド1を第2実施例のマストガイド2に置き換えた構成とすることもできる。この場合も、その説明は省略するが、第1ネジ102aと第1ナット102bおよび第2ネジ102cと第2ナット102dとの固着手段により、例えば外径が25mmとされた円筒状の第1マスト101を、例えば35mmと異なる外径とされた円筒状の第2マスト102に、保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着できる取付作業を容易に行うことが可能となる。
【0018】
<第3実施例>
本発明の第3実施例のマストガイド3の構成を
図9(a)(b)(c)および
図10(a)(b)(c)に示す。
図9(a)は第3実施例のマストガイド3の構成を示す上面側から見た斜視図、
図9(b)はマストガイド3の構成を示す正面図、
図9(c)はマストガイド3の構成を示す上面図、
図10(a)はマストガイド3の構成を示す下面図、
図10(b)はマストガイド3の構成を示す背面図、
図10(c)はマストガイド3の構成を示す側面図である。
これらの図に示す第3実施例のマストガイド3は、上部に所定の径の円筒状のガイド部31と、下部にガイド部31より径の大きい円筒状の嵌挿部30bを備え、ガイド部31の下端部と嵌挿部30bの上端部とを連結する斜面状の斜面部30aをさらに備える本体部30から構成されている。円筒状のガイド部31は、
図9(a)(b)(c)および
図10(a)(b)(c)に示すように円筒状の嵌挿部30bに対して偏心して配置されている。斜面部30a、嵌挿部30b、ガイド部31を備える本体部30は、金属やウレタン、エラストマーなどのいずれかで形成される。
【0019】
本発明の第3実施例のマストガイド3を使用して径の異なる円筒状の第1マスト101と第2マスト102との2種類のマストを接続することができる。その構成は、上述した
図3(a)(b)および
図4(a)(b)(c)(d)に示す構成において、第1実施例のマストガイド1を第3実施例のマストガイド3に置き換えた構成とされる。この場合、ガイド部31の内径は第1マスト101の外径とほぼ同様とされ、ガイド部31は第1マスト101の径に対応する形状となっている。また、嵌挿部30bの内径は第2マスト102の外径とほぼ同様とされて、第2マスト102の上端を嵌挿部30b内に嵌挿することができる。すなわち、嵌挿部30bは第2マスト102の径に対応する形状となっている。その他の説明は省略するが、円筒状の第1マスト101の外径は例えば25mmとされ、円筒状の第2マスト102の外径は例えば35mmと異なる2種類の外径とされており、嵌挿部30bが上端に嵌挿された第2マスト102の上から、第1マスト101をガイド部31に挿入することで、第2マスト102に対して第1マスト101が偏心して配置されるようになる。
また、上述した
図5(a)(b)および
図6(a)(b)(c)(d)に示す変形例の構成において、第1実施例のマストガイド1を第3実施例のマストガイド3に置き換えた構成とすることもできる。この場合も、その説明は省略するが、第1ネジ102aと第1ナット102bおよび第2ネジ102cと第2ナット102dとの固着手段により、例えば外径が25mmとされた円筒状の第1マスト101を、例えば35mmと異なる外径とされた円筒状の第2マスト102に、保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着できる取付作業を容易に行うことが可能となる。
【0020】
<第4実施例>
本発明の第4実施例のマストガイド4の構成を
図11(a)(b)(c)および
図12(a)(b)(c)に示す。
図11(a)は第4実施例のマストガイド4の構成を示す上面側から見た斜視図、
図11(b)はマストガイド4の構成を示す正面図、
図11(c)はマストガイド4の構成を示す上面図、
図12(a)はマストガイド4の構成を示す下面図、
図12(b)はマストガイド4の構成を示す背面図、
図12(c)はマストガイド4の構成を示す側面図である。
これらの図に示す第4実施例のマストガイド4は、第1実施例のマストガイド1の変形例に相当し、第4実施例のマストガイド4は少なくとも第1実施例のマストガイド1の構成を備えている。すなわち、第4実施例のマストガイド4は円盤状の本体部40を備えており、本体部40には、下面から突出する嵌挿部40bが形成されていると共に、偏心した挿通孔からなるガイド部41が形成されている。
【0021】
嵌挿部40bは、
図11(b)および
図12(a)に示すように第1円弧状部40b-1と、第1円弧状部40b-1より径の大きい第2円弧状部40b-2とから構成され、第1円弧状部40b-1と第1円弧状部40b-1との中心軸はずれて偏心している。第1円弧状部40b-1と第2円弧状部40b-2との長さは、第1円弧状部40b-1で形成される円と、第2円弧状部40b-2で形成される円とが重なるまでの長さとされている。すなわち、嵌挿部40bは第1円弧状部40b-1と第2円弧状部40b-2とから形成される三日月状の形状とされている。第2円弧状部40b-2と本体部40との中心軸はほぼ一致しており、本体部40の外径は第2円弧状部40b-2の外径より大きくされている。第2円弧状部40b-2より径の小さい円弧からなる第1円弧状部40b-1はガイド部41を形成しており、第1円弧状部40b-1の中心軸は本体部40の中心軸とずれている。ガイド部41は、第1円弧状部40b-1の両端から平行に延伸して本体部40の端まで向かう形状とされている。
第4実施例のマストガイド4は、係合片40cが形成されている構成において第1実施例のマストガイド1と相違している。係合片40cは本体部40の下面から突出すると共に所定の厚さの矩形状とされ、第2円弧状部40b-2の外縁のほぼ中央から本体部40の外周縁にかけて形成されている。この係合片40cは、嵌挿部40bを第2マスト102の上端に嵌挿した際に、第2マスト102に対する位置決め片として作用する。なお、本体部40は、金属やウレタン、エラストマーなどのいずれかで形成される。
【0022】
<第4実施例の使用の態様>
本発明のマストガイドを使用して径の異なる2種類のマストを接続することができる。そこで、本発明の第4実施例のマストガイド4を用いて円筒状の径の異なる2種類のマストを接続する構成を
図13に示す。
図13は上記構成を斜視図で示す分解図である。
図13に示すように、本発明の第4実施例のマストガイド4を用いて円筒状の第1マスト101と、第1マスト101より径の大きい円筒状の第2マスト103とを接続することができる。この場合、第2マスト103の上端縁から中心軸に沿って細長い矩形状の切り込み部103aが形成されている。
図13に示すように第4実施例のマストガイド4を第2マスト103の上に配置して、マストガイド4の嵌挿部40bを第2マスト102の上端から内部に挿入して嵌挿する。これにより、マストガイド4の係合片40cが切り込み部103aに挿入されて位置決めされる。なお、切り込み部103aの切り込み幅は係合片40cの厚さとほぼ等しくされ、切り込み長さは係合片40cの高さとほぼ等しくされている。また、嵌挿部40bを構成する第2円弧状部40b-2の外径は第2マスト103の内径とほぼ同様とされ、嵌挿部40bは第2マスト103の径に対応する形状となっている。次いで、嵌挿部40bが上端に嵌挿された第2マスト103の上に第1マスト101を配置して、第1マスト101をマストガイド4のガイド部41に上から挿入する。この場合、嵌挿部40bを構成する第1円弧状部40b-1の内径は第1マスト101の外径とほぼ同様とされ、ガイド部41は第1マスト101の径に対応する形状となっている。そして、円筒状の第1マスト101の外径は例えば25mmとされ、円筒状の第2マスト103の外径は例えば35mmと異なる2種類の外径とされており、嵌挿部40bが上端に嵌挿された第2マスト103の上から、第1マスト101をガイド部41に挿入すると、第2マスト103に対して第1マスト101が偏心して第2マスト103内に配置され、第2マスト103の内面に近接した側の第1マスト101の外側面は第2マスト103の内面に接触するようになる。
また、上述した
図5(a)(b)および
図6(a)(b)(c)(d)に示す変形例の構成において、第1実施例のマストガイド1を第4実施例のマストガイド4に置き換えると共に、係合片40cが形成された第2のマスト103とすることもできる。この場合は、第2マスト103の側面に第1ネジ102aと第1ナット102bおよび第2ネジ102cと第2ナット102dからなる固着手段が設けられており、第1マスト101が偏心して配置されることで、第1ネジ102aおよび第2ネジ102cの先端が第1マスト101の外側面の中央に対峙するようになる。すなわち、第2マスト103の上端縁に形成されている切り込み部103aは、第2マスト103の側面に設けられた固着手段を通る線上に矩形状の切り込み部103aが形成されて、この切り込み部103aにマストガイド4の係合片40cが係合することにより、マストガイド4が第2マスト103の所定位置に嵌挿され、第1ネジ102aおよび第2ネジ102cの先端が第1マスト101の外側面の中央に対峙するよう位置決めされる。これにより、第1ネジ102aと第1ナット102bおよび第2ネジ102cと第2ナット102dとの固着手段により、例えば外径が25mmとされた円筒状の第1マスト101を、例えば35mmと異なる外径とされた円筒状の第2マスト103に、保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着できる取付作業を容易に行うことが可能となる。
【0023】
<第5実施例>
次に、本発明の第5実施例のマストガイド5の構成を説明するが、第5実施例のマストガイド5は、第2マスト104の上部に一体に形成されている。そこで、本発明の第5実施例のマストガイド5を用いて円筒状の径の異なる2種類のマストを接続する構成を説明することにより、第5実施例のマストガイド5を説明するものとする。
本発明の第5実施例のマストガイド5を用いて円筒状の径の異なる2種類のマストを接続する構成を
図14(a)(b)(c)および
図15(a)(b)(c)(d)に示す。
図14(a)は上記構成を斜視図で示す分解図であり、
図14(b)は上記構成を示す斜視図であり、
図14(c)は上記構成を示す他の斜視図であり、
図15(a)は上記構成を示す正面図であり、
図15(b)は上記構成を示す側面図であり、
図15(c)は上記構成を示す上面図であり、
図15(d)は上記構成を示す下面図である。
これらの図に示すように、第5実施例のマストガイド5は円筒状の第2マスト104の上部に一体に形成されている。この場合、第2マスト104の上端縁の一部を切り取って段差のある上端縁を形成し、この段差に高さの低い側の上端縁に沿って中心軸とほぼ直交する方向の所定の長さの切込部5bを段差の両側に形成する。これにより、切込部5bと段差の高い上端縁により一対の抱持片5aが形成され、マストガイド5として機能するようになる。抱持片5aおよび切込部5bからなるマストガイド5を備える第2マスト104は、金属で形成するのが好適とされる。
【0024】
本発明の第5実施例のマストガイド5を使用して円筒状の第1マスト101と、第1マスト101より径の大きい円筒状の第2マスト104とを接続するには、
図14(a)に示すように第5実施例のマストガイド5が形成されている第2マスト104の上に第1マスト101を配置して、第1マスト101を第2マスト104の上端から内部に挿入して
図14(b)に示す状態とする。次いで、
図14(c)に示すように、一対の抱持片5aの先端が第1マスト101の外面に当接するまで抱持片5aを内側に向かって折曲する。
図14(c)に示す状態の正面図、側面部、上面図、下面図が
図15(a)(b)(c)(d)に示されている。この場合、円筒状の第1マスト101の外径は例えば25mmとされ、円筒状の第2マスト104の外径は例えば35mmと異なる2種類の外径とされる。これらの図に示すように、マストガイド5が上端部に形成された第2マスト104の上から、第1マスト101を第2マスト104に挿入して、抱持片5aを折曲することにより、第2マスト104に対して第1マスト101が偏心して配置されていることが分かる。そして、第1マスト101が一対の抱持片5aで押圧されることから、第2マスト104の内面に押圧された第1マスト101の外側面が接触するようになる。
【0025】
次に、本発明の第5実施例のマストガイド5を使用して径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例を
図16(a)(b)(c)(d)(e)に示す。
図16(a)は上記構成の変形例を示す斜視図であり、
図16(b)は上記構成の変形例を示す正面図であり、
図16(c)は上記構成の変形例を示す側面図であり、
図16(d)は上記構成の変形例を示す上面図であり、
図16(e)は上記構成の変形例を示す下面図である。
これらの図に示す変形例では、第2マスト104に替えて側面に固着手段が設けられた円筒状の第2マスト105とされ、マストガイド5の構成は同様とされている。そして、固着手段により、第1マスト101を第2マスト105に固着している。固着手段の構成について説明すると、第2マスト105の側面の上下にそれぞれ第1ナット104bと第2ナット104dとが設けられている。第1ナット104bと第2ナット104dとは、第2マスト105の中心軸に平行な線上であって第2マスト5の側面上に固着されている。そして、第1ナット104bには第1ネジ104aが螺合しており、第2ナット104dには第2ネジ104cが螺合している。第1ネジ104aと第2ネジ104cとを締着方向に回していくと、その先端が第2マスト105の内部に侵入していく。すなわち、第1ネジ104aと第2ネジ104cに対応する第2マスト105の位置に貫通孔が設けられており、この貫通孔を第1ネジ104aと第2ネジ104cとが貫通していく。
【0026】
本発明の第5実施例のマストガイド5を用いて径の異なる2種類のマストを接続する構成の変形例においても、
図16(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、第5実施例のマストガイド5が形成されている第2マスト105の上に第1マスト101を配置して、第1マスト101を第2マスト105の上端から内部に挿入して、一対の抱持片5aの先端が第1マスト101の外面に当接するまで抱持片5aを内側に向かって折曲する。これにより、第2マスト105に対して第1マスト101が偏心して配置される。そして、第1マスト101が偏心して配置されることで、第1ネジ104aおよび第2ネジ104cの先端が第1マスト101の外側面の中央に対峙するようになる。そこで、第1ネジ104aおよび第2ネジ104cを締め付けていくと、
図16(d)(e)に示すように先端が第1マスト101の外側面の中央に当接した第1ネジ104aおよび第2ネジ104cにより第1マスト101は第2マスト105に圧接されるようになる。これにより、第1ネジ104aと第1ナット104bおよび第2ネジ104cと第2ナット104dとの固着手段により、例えば外径が25mmとされた円筒状の第1マスト101を、例えば35mmと異なる外径とされた円筒状の第2マスト105に、保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着できる取付作業を容易に行うことが可能となる。
【0027】
<マストガイドの使用の態様>
第1マスト101にはアンテナを取り付けることができると共に、第2マスト102~105は取付金具に備えることができる。これにより、本発明の実施例のマストガイドを利用して第1マスト101を第2マスト102~105に接続すると、第1マスト101に取り付けられたアンテナを取付金具により被取付体に固着することができる。そこで、本発明の実施例のマストガイドを用いてアンテナが取り付けられた第1マストを壁面取付具に固着した構成を示す斜視図を
図17に示す。
図17に示すように、取付金具は被取付体とされる壁面に固着される壁面取付金具202とされ、壁面取付金具202は、板状部202aと支持パイプ202bと円筒状の第2マスト202cとから構成されている。板状部202aは、複数の取付穴が形成された矩形の板状とされ裏面が壁面に当接可能とされ、支持パイプ202bは板状部202aの表面の上下からそれぞれほぼ直交して突出する断面円形の一対のパイプとされる。また、第2マスト202cは
図5,6に示す第2マスト102と同様に側面の上下にそれぞれナットとネジからなる固着手段とされる一対の固定具202dが設けられ、固定具202dが設けられている外側面と対向する外側面の上下に一対の支持パイプ202bの先端が固着されている。
【0028】
第2マスト202cの上端には第1実施例のマストガイド1が嵌挿されている。そして、厚みの薄い直方体状の平面アンテナ201が、アンテナ取付金具203により円筒状の第1マスト111の上部に固着されており、第1マスト111がマストガイド1のガイド部11に上から挿入されて第1マスト111の下部が第2マスト202c内に配置される。次いで、第2マスト202cの側面の上下に設けられた一対の固定具202dにおけるネジを締着することにより、第1マスト111が壁面取付金具202に保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着される。壁面取付金具202は、壁面に固着されていることから、平面アンテナ201は第1マスト111および壁面取付金具202を介して壁面に固着されるようになる。
なお、第1実施例のマストガイド1に替えて第2実施例ないし第4実施例のマストガイド2-4とすることもできる。ただし、第4実施例のマストガイド4に替えた場合は、第2マスト202cの上端縁に上述した切り込み部103aと同様の切り込み部を設けるようにする。
【0029】
次に、本発明の実施例のマストガイドを用いてアンテナが取り付けられた第1マストを屋根馬に固着した構成を示す斜視図を
図18に示す。
図18に示すように、取付金具は被取付体とされる屋根に固定される屋根馬210とされ、屋根馬210は、4本のパイプからなる脚部210cと基部210dと円筒状の第2マスト210aとから構成されている。第2マスト210aの下端は基部210dの上面に固着されており、第2マスト210aの側面にはナットとネジからなる固定具210bが設けられている。基部210dの外側面には、4本の脚部210cの上端部が固着されて、基部210dの外側面から4本の脚部210cが等間隔で延伸している。脚部210cは外方へ折曲されることで、同形状とされた4本の脚部210cの下端部は互いに離隔されて配置されるようになり、4本の脚部210cの間で屋根をまたぐようにして屋根馬210を屋根に固定することができる。
【0030】
第2マスト210aの上端には第1実施例のマストガイド1が嵌挿されている。そして、厚みの薄い直方体状の平面アンテナ201が、アンテナ取付金具203により円筒状の第1マスト111の上部に固着されており、第1マスト111がマストガイド1のガイド部11に上から挿入されて第1マスト111の下部が第2マスト210a内に配置される。次いで、第2マスト210aの側面に設けられた固定具210bにおけるネジを締着することにより、第1マスト101が屋根馬210に保持力が有効に作用するような固定位置で確実に固着される。屋根馬210は、屋根に固着されていることから、平面アンテナ201は第1マスト111および屋根馬210を介して屋根に固着されるようになる。なお、屋根馬210を屋根上に固定するには複数本のステーを張ることが通常とされる。
なお、第1実施例のマストガイド1に替えて第2実施例ないし第4実施例のマストガイド2-4とすることもできる。ただし、第4実施例のマストガイド4に替えた場合は、第2マスト210aの上端縁に上述した切り込み部103aと同様の切り込み部を設けるようにする。
また、壁面取付金具202におけるマストガイド1が嵌挿された第2マスト202cや屋根馬210におけるマストガイド1が嵌挿された第2マスト210aを、第5実施例のマストガイド5を備える第2マスト105に替えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
現在のところ、アンテナが取り付けられる第1マストの径は直径25mmあるいは直径35mmが通常の径とされている。そして、この第1マストの径に対応する壁面取付金具や屋根馬が用意されている。すなわち、直径25mmの第1マストに対応するか、直径35mmの第1マストに対応する第2マストを備える壁面取付金具が用意されている。すると、直径25mmの第1マストは直径25mmの第1マストに対応する第2マストを備える壁面取付金具に固着できると共に、直径35mmの第1マストに対応する第2マストを備える壁面取付金具にも固着することができる。ここで、直径25mmの第1マストを直径35mmの第1マストに対応する第2マストを備える壁面取付金具に固着する場合は、径が大きく異なり第1マストと第2マストの間の間隙が広くなることから、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業が困難になる場合がある。そこで、本発明の実施例のマストガイドを使用すると、直径25mmの第1マストを直径35mmの第1マストに対応する第2マストを備える壁面取付金具に固着する際に、第1マストを第2マストに対して偏心して配置することができることから、径が大きく異なっていても固着手段により第1マストの中央を圧接することができるようになり、保持力が有効に作用するような固定位置での取付作業を容易に行うことが可能となる。固着金具が屋根馬とされた場合も同様である。
【0032】
上記説明した本発明の実施例のマストガイドは、直径25mmの第1マストに対応する第2マストの径に合わせたマストガイドや、直径35mmの第1マストに対応する第2マストの径に合わせたマストガイドが用意されている。なお、上記第1マストの径の寸法は一例であって、第1マストの径は上記以外の径とすることもでき、この場合は、第1マストの径に対応すると共に第2マストの径に合わせた径のマストガイドとされる。
上記説明した本発明の実施例のマストガイドは、円筒状の第1マストおよび第2マストに使用するとしたが、これに限らず、楕円や角形、多角形の形状の第1マストおよび第2マストに使用するようにしてもよい。この場合は、本発明の実施例のマストガイドにおける本体部の嵌挿部やガイド部を第1マストおよび第2マストの形状に合わせた形状とすれば良い。
【符号の説明】
【0033】
1 マストガイド、2 マストガイド、3 マストガイド、4 マストガイド、5 マストガイド、5a 抱持片、5b 切込部、10 本体部、10b 嵌挿部、10b-1 第1円弧状部、10b-2 第2円弧状部、11 ガイド部、20 本体部、20b 嵌挿部、20b-1 第1円弧状部、20b-2 第2円弧状部、21 ガイド部、30 本体部、30a 斜面部、30b 嵌挿部、31 ガイド部、40 本体部、40b 嵌挿部、40b-1 第1円弧状部、40b-2 第2円弧状部、40c 係合片、41 ガイド部、101 第1マスト、102 第2マスト、102a 第1ネジ、102b 第1ナット、102c 第2ネジ、102d 第2ナット、103 第2マスト、103a 切り込み部、104 第2マスト、104a 第1ネジ、104b 第1ナット、104c 第2ネジ、104d 第2ナット、105 第2マスト、111 第1マスト、201 平面アンテナ、202 壁面取付金具、202a 板状部、202b 支持パイプ、202c 第2マスト、202d 固定具、203 アンテナ取付金具、210 屋根馬、210a 第2マスト、210b 固定具、210c 脚部、210d 基部、1000 壁面取付金具、1001 板状部、1002 保持部、1002a 固定部、1003 支持パイプ、1100 マスト、2001 アンテナ、2101 マスト、2102 取付金具、2103 保持部、2104 板状部、2105 連結部、2106 当て板、2107 U字ボルト、2110 支柱