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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047399
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/28 20060101AFI20230330BHJP
   B65D 6/34 20060101ALI20230330BHJP
   B65D 6/10 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B65D6/28 L
B65D6/34
B65D6/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156291
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】501028910
【氏名又は名称】山陽パッケージシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 大敏
(72)【発明者】
【氏名】上原 郁
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA02
3E061AB09
3E061AB12
3E061AD04
3E061AD05
3E061CA22
3E061DA06
3E061DA08
3E061DB11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単且つ安価な構造で高い剛性を確保し、且つ防塵効果を発揮する搬送用の容器を提供する。
【解決手段】容器は、自動車用部品等を収容し、安全に組立工場へ搬送するために使用される。容器は、容器本体11と、開口フレーム12、13と、容器本体11の四隅に設けられたコーナーフレーム16、17とを有する。開口フレーム12、13に補強空間が形成され、補強部材が嵌め込まれている。開口フレーム12、13の天板部に凸条20、21が形成されている。コーナーフレーム16、17の天板部に溝が形成されている。上記凸条20、21が上記溝と嵌合することにより、コーナーフレーム16、17の載置面24と、凸条20、21の天面25とがいわゆる面一状態となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有し、当該開口に連続する収容室が区画された容器本体と、
上記開口の周縁部に嵌め合わされた開口フレームと、
載置面が形成され、上記開口フレームに嵌め合わされたコーナーフレームと、
上記開口フレームを補強する補強部材とを備え、
上記開口フレームは、上記コーナーフレーム側に突出し且つ上記開口の周縁に沿って延びる凸条、並びに上記開口の周縁部が嵌合する嵌合空間及び上記補強部材が内嵌された補強空間を区画する隔壁を有し、
上記コーナーフレームは、上記載置面に貫通し且つ上記凸条が嵌合する嵌合溝を有し、
当該嵌合溝に嵌合した上記凸条の天面が上記載置面と連続している容器。
【請求項2】
上記開口は、4つの開口辺を有する矩形を呈し、
上記開口フレームは、上記各開口辺に嵌め合わされ、天板部及び当該天板部に連続して上記開口辺の側部を覆う側板部を有し、
上記コーナーフレームは、隣り合う開口フレーム間に掛け渡すように配置され、一方の開口フレームの天板部を覆うと共に上記載置面が形成された第1載置板を含む第1アーム及び他方の開口フレームの天板部を覆うと共に上記載置面が形成された第2載置板を含む第2アームを有し、
上記凸条は、上記開口辺に沿って延び且つ上記第1載置板又は第2載置板に向かって突出するように上記天板部に設けられている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
上記開口フレームは、上記開口辺を挟持する一対の側板部を有し、当該一対の側板部の上端同士を上記天板部が連結しており、
上記隔壁は、上記開口辺が嵌合する嵌合空間及び上記補強空間を区画している請求項2に記載の容器。
【請求項4】
上記隔壁は、上記一対の側板部間に掛け渡された平板からなる補強リブである請求項3に記載の容器。
【請求項5】
上記隔壁は、上記側板部の下端を基準として当該側板部の高さの50%~70%の位置に設けられている請求項4に記載の容器。
【請求項6】
上記隔壁は二重構造である請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
上記補強部材は、上記開口の周縁部に沿って配置される断面形状が矩形の棒状を呈する請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
上記載置面の縁にリブが突設されている請求項1から7のいずれかに記載の容器。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば機械部品を収容し搬送するために使用される容器の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業製品としての機械部品等(典型的には自動車用部品)は、一般に生産工場にて生産され、組立工場へ搬送される。機械部品等は、専用の搬送用容器に収容され、損傷等を防止して安全に搬送される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の搬送用容器は、樹脂製段ボール板あるいは樹脂板からなる容器本体と、これに装着されるコーナー部材とを有する。一般に容器本体の外形は直方体であり、容器本体の上面が開口され、当該開口に連続して内部に収容室が区画されている。容器本体の剛性を向上させるために、上記開口の周縁に樹脂製あるいは金属製の補強フレームが装着される場合がある。収容される工業製品の形状に応じて、上記収容室内に仕切部材が設置される場合もある。他方、コーナー部材は、樹脂あるいは金属から構成され、上記容器本体の開口の角部に被せられ、固定される。これにより、搬送用容器の剛性が向上し、上記収容室に工業製品が収容された状態で、複数の搬送用容器を積み重ねることが可能となる。搬送用容器が積み重ねられる際には、上記コーナー部材の上面に他の搬送用容器が載置される。
【0004】
ところで、容器本体にコーナー部材が装着されることにより、当該コーナー部材の上面と、当該容器本体の上面あるいは当該容器本体に装着された補強フレームの上面との間に段差が生じる。この段差の大きさは、上記コーナー部材の肉厚に相当する。上記コーナー部材の上に他の搬送用容器が積み重ねられると、これら搬送容器の間に上記段差に相当する隙間が生じることになる。そのため、搬送中に外部から上記収容室に塵や埃等が侵入し、工業製品に付着するおそれがある。工業製品としての機械部品に塵等が付着すると、その後の組立工程において様々な不都合が生じるため、従来から種々の対策が講じられている(たとえば特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2が開示する組立て箱では、コーナー部材の上面に段差部が形成されている。この段差部の段差寸法は、補強フレームの肉厚に相当する。具体的には、容器本体の四隅に樹脂製のコーナー部材が装着され、隣り合う2つのコーナー部材間に掛け渡すように、当該容器本体の開口周縁に沿って樹脂製の補強フレームが嵌め込まれる。各コーナー部材の上面に上記段差部が形成されているから、補強フレームがコーナー部材に嵌め込まれると、補強フレームの上面とコーナー部材の上面とがいわゆる面一状態となる。つまり、コーナー部材に形成された段差部が、補強フレームの肉厚により生じる段差を相殺する。したがって、この組立て箱が積み重ねられても、組立て箱間に隙間が生じることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-137444号公報
【特許文献2】特開2011-131920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記組立て箱では、最初にコーナー部材が容器本体に装着され、その後に補強フレームが嵌め込まれるため、コーナー部材が容器本体に確実に固定されなければならない。そのため、容器本体に係合溝が設けられ、これに係合する係合爪がコーナー部材に形成されており、コーナー部材の装着時に上記係合爪が上記係合溝に噛み合うようになっている。
【0008】
ところが、上記係合爪を形成することにより、コーナー部材の構造(金型の構造)が複雑になり、製造コストが上昇する。さらに、上記係合溝は、容器本体の成形において別途木型を用いて形成されるため、容器本体の製造コストも上昇する。加えて、上記係合溝が設けられることにより、容器本体の剛性が局部的に低下し、上記係合溝の周縁に応力集中が発生する。ひいては、工業製品を収容した容器本体の撓みが大きくなり、上記補強フレームが外れて、事実上の組立て箱の破壊に繋がるおそれがあり、これを回避するために更なる補強対策が必要になるという問題が生じる。
【0009】
本発明はかかる背景の下になされたものであって、簡単且つ安価な構造で確実に高い剛性を確保でき、しかも積み重ねられた状態で防塵効果を発揮する搬送用の容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明に係る容器は、上面に開口を有し、当該開口に連続する収容室が区画された容器本体と、上記開口の周縁部に嵌め合わされた開口フレームと、載置面が形成され、上記開口フレームに嵌め合わされたコーナーフレームと、上記開口フレームを補強する補強部材とを備える。上記開口フレームは、上記コーナーフレーム側に突出し且つ上記開口の周縁に沿って延びる凸条、並びに上記開口の周縁部が嵌合する嵌合空間及び上記補強部材が内嵌された補強空間を区画する隔壁を有する。上記コーナーフレームは、上記載置面に貫通し且つ上記凸条が嵌合する嵌合溝を有する。当該嵌合溝に嵌合した上記凸条の天面が上記載置面と連続している。
【0011】
この構成によれば、容器本体の開口の周縁部に開口フレームが嵌め合わされる。上記隔壁によって開口フレーム内に嵌合空間が区画されるので、この嵌合空間に上記容器本体の開口の周縁部が嵌め合わされる。これにより、容器本体に対して開口フレームが確実に固定される。しかも、上記隔壁が設けられることにより、開口フレームの曲げ剛性が向上し、さらに、上記隔壁によって開口フレーム内に区画された補強空間に補強部材が嵌め込まれているから、開口フレームの曲げ剛性が一層向上する。これにより、上記開口の変形が抑えられる。加えて、この開口フレームにコーナーフレームが嵌め合わされることにより、上記開口の変形がなお一層抑えられて容器全体の剛性が向上する。
【0012】
この容器は積み重ねることが可能であり、一の容器のコーナーフレームに形成された載置面に、他の容器の容器本体の底面が載置される。このとき、一の容器の開口フレームに設けられた凸条が当該容器のコーナーフレームに形成された嵌合溝に嵌合し、当該凸条の天面が上記載置面といわゆる面一状態となる。しかも、上記凸条は、上記開口の周縁部に沿って延びている。したがって、複数の容器が積み重ねられた場合、他の容器の容器本体の底面は、当該一の容器側の載置面及び凸条と当接し、一の容器の開口を塞ぐ。つまり、一の容器と他の容器との間に隙間が形成されることがない。
【0013】
(2) 上記開口は、4つの開口辺を有する矩形であるのが好ましい。上記開口フレームは、天板部及び側板部を有し、上記各開口辺に嵌め合わされる構造であるのが好ましい。この場合、側板部は、天板部に連続して上記開口辺の側部を覆う。上記コーナーフレームは、第1アーム及び第2アームを有し、これらが隣り合う開口フレーム間に掛け渡すように配置されるのが好ましい。この場合、第1アームは、一方の開口フレームの天板部を覆うと共に上記載置面が形成された第1載置板を含む。第2アームは、他方の開口フレームの天板部を覆うと共に上記載置面が形成された第2載置板を含む。上記凸条は、上記開口辺に沿って延び且つ上記第1載置板又は第2載置板に向かって突出するように上記天板部に設けられているのが好ましい。
【0014】
この構成では、容器本体に矩形の開口が設けられるので、容器本体の剛性が一層高くなる。開口フレームは、上記各開口辺に嵌め合わされ、容器本体の上面(上記開口辺の上面)に当接すると共に上記側板部が上記開口辺の側部を覆う。典型的には、一対の側板部が上記開口辺の側部を挟み込む。この状態で、上記天板部に突設された凸条が上記開口辺に沿って延びる。また、コーナーフレームは、隣り合う開口フレーム間に掛け渡すように配置される。すなわち、第1アームの第1載置板が一方の開口フレームの天板部を覆い、第2アームの第2載置板が他方の開口フレームの天板部を覆う。上記天板部に設けられた凸条は、上記第1載置板及び第2載置板に形成された嵌合溝に嵌め込まれ、当該凸条の天面が上記載置面といわゆる面一状態となる。したがって、前述のように、複数の容器が積み重ねられた場合、両者間に隙間が形成されることはない。
【0015】
(3) 上記開口フレームは、上記開口辺を挟持する一対の側板部を有し、当該一対の側板部の上端同士を上記天板部が連結しており、上記隔壁は、上記開口辺が嵌合する嵌合空間及び上記補強空間を区画するのが好ましい。
【0016】
この構成では、上記一対の側板部及び隔壁によって開口フレーム内に嵌合空間及び上記補強空間が区画される。この嵌合空間に上記容器本体の開口辺が嵌め合わされる。このとき、一対の側板部が容器本体の開口辺を挟持すると共に隔壁が容器本体の上面(上記開口辺の上面)に当接する。これにより、開口フレームがより一層確実に固定され得る。
【0017】
(4) 上記隔壁は、上記一対の側板部間に掛け渡された平板からなる補強リブであるのが好ましい。
【0018】
この構成では、隔壁の構造がきわめて簡単であり、開口フレームの製造コストの上昇を抑えることができる。しかも、開口フレームの剛性を著しく向上させることができるという利点がある。
【0019】
(5) 上記隔壁は、上記側板部の下端を基準として当該側板部の高さの50%~70%の位置に設けられているのが好ましい。
【0020】
この構成では、開口フレームの剛性を向上させつつ広い嵌合空間を確保することができる。
【0021】
(6) 上記隔壁は二重構造であってもよい。
【0022】
この構成では、開口フレームの曲げ剛性がより一層向上する。
【0023】
(7) 上記補強部材は、上記開口の周縁部に沿って配置される断面形状が矩形の棒状を呈するのが好ましい。
【0024】
この構成では、開口フレームの長さ方向全体にわたって曲げ剛性が向上する。しかも、補強部材の構造がシンプルであり、容器の製造コストの上昇を抑えることができる。
【0025】
(8) 上記載置面の縁にリブが突設されているのが好ましい。
【0026】
この構成では、上記リブによりコーナーフレームの剛性が向上し、その結果、容器全体の剛性が向上する。しかも、上記リブは上記載置面の縁に突設されるから、複数の容器の積み重ね作業に支障はない。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、容器本体に開口フレーム及びコーナーフレームを設けることにより、十分な剛性を備えた容器が実現する。また、二つの容器が積み重ねられた場合に一の容器と他の容器との間に隙間が形成されることがないため、塵や埃が容器の内部に侵入することがない。しかも、上記開口フレーム及びコーナーフレームは、容器本体に単に嵌め合わされるだけであるから、容器本体への加工が不要であり、安価な容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る容器10の外観斜視図である。
図2図2は、容器10の要部拡大斜視図である。
図3図3は、容器10の要部分解斜視図である。
図4図4は、図2における要部拡大斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る開口フレームの断面形状を示す図である。
図6図6は、図3におけるVI-矢視図である。
図7図7は、図3におけるVII-矢視図である。
図8図8は、2つの容器10が上下に積み重ねられた状態を示す図である。
図9図9は、本実施形態の変形例に係る開口フレームの断面図である。
図10図10は、本実施形態の変形例に係る補強部材の断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る容器の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0030】
1.容器の概略と特徴点
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る容器10の外観斜視図である。図2は、容器10の要部拡大斜視図であって、容器10の隅部の構造を示している。
【0032】
容器10は、たとえば工業製品としての自動車用部品を収容するものであり、生産工場で生産された自動車用部品を組立工場へ搬送するために使用される。この容器10は、自動車用部品を収容した状態で、後述のように上下に積み重ねることができるようになっており、その際に、容器10の載置面24の上に他の容器10の底面が載置される。
【0033】
容器10は、容器本体11と、これに設けられた開口フレーム12、13と、容器本体11の四隅に設けられたコーナーフレーム16、17とを有する。本実施形態に係る容器10の特徴とするところは、次の点である。
【0034】
すなわち、第1に、開口フレーム12、13に凸条20、21(図2参照)が形成されると共に、コーナーフレーム16、17に溝61、71(特許請求の範囲に記載された「嵌合溝」に相当)が設けられており、この凸条20、21が溝61、71と嵌合することにより、コーナーフレーム16、17の載置面24(すなわち、上記容器10の載置面24)が、開口フレーム12、13の天面25(すなわち凸条20、21の天面:図2及び図7参照)といわゆる面一状態で連続するようになっている点である。第2に、開口フレーム12、13に隔壁84、85が設けられることによって、嵌合空間90、91及び補強空間92、93(図4参照)が形成されており、この補強空間92、93に補強部材95、96が嵌め込まれている点である。以下、詳述される。
【0035】
2.容器の構成
【0036】
容器本体11は、たとえば樹脂製段ボール板からなり、本実施形態では、図1が示すように外形が直方体を呈する。もっとも、容器本体11の外形形状は特に限定されるものではない。容器本体11の構造は既知であり、典型的にはいわゆるトムソン加工により所定形状に打ち抜かれた樹脂製段ボール板が屈曲されることによって容器本体11が形成される。図2が示すように、容器本体11の上面48、49に矩形の開口27が形成されており、この開口27に連続して収容室34が区画されている。この収容室34に上記自動車用部品が収容されるが、この工自動車用部品の形状に応じて収容室34に所要の仕切板が挿入される場合もある。
【0037】
容器本体11に上記開口27が形成されることにより、容器本体11は、一対の短開口辺28と、一対の長開口辺29を有する。短開口辺28同士並びに長開口辺29同士は、互いに対向している。本実施形態では、短開口辺28の厚み寸法32(図2参照)は、長開口辺29の厚み寸法33よりも大きい。もっとも、これら厚み寸法32、33は特に限定されるものではなく、同一であってもよい。
【0038】
図3は、容器10の要部分解斜視図である。図4は、図3における要部拡大斜視図である。これらの図において、上記補強部材95、96の図示が省略されている。図5は、開口フレームの断面形状を示しており、同図(a)は開口フレーム12の断面図、同図(b)は開口フレーム13の断面図である。
【0039】
図2及び図3が示すように、各短開口辺28に開口フレーム13が設けられ、各長開口辺29に開口フレーム12が設けられている。後述されるが、コーナーフレーム16は、図3が示すように、開口フレーム12、13間に掛け渡すように被せられる。なお、コーナーフレーム17も同様に、開口フレーム12、13間に掛け渡すように被せられる(図1参照)。
【0040】
開口フレーム12は、いわゆるチャンネル材であり、一対の側板部35、36、天板部37及び隔壁84とを有する。開口フレーム12は、本実施形態では樹脂、典型的にはポリプロピレン(PP)からなり、上記側板部35、36、天板部37及び隔壁84は一体的に成形されている。本実施形態では、天板部37に凹条86が形成されている。もっとも、開口フレーム12がアルミニウム合金等の金属により構成されていてもよい。
【0041】
図4及び図5(a)が示すように、側板部35、36の高さ寸法38は、本実施形態では28mmに設定されているが、25mm~40mmの範囲で適宜設定される。側板部35、36の肉厚寸法39は、本実施形態では2.4mmに設定されているが、2mm~3mmの範囲で適宜設定される。側板部35、36間の隙間寸法40(すなわち、側板部35と側板部36との間の距離)は、上記長開口辺29(図2図3参照)の厚み寸法33に対応している。
【0042】
天板部37は、一対の側板部35、36のそれぞれの上端を連結している。この天板部37の上面41に上記凸条20が上方に向かって突設されている。この凸条20は、開口フレーム12の長手方向に沿って延びている。凸条20の幅寸法42は、本実施形態では5.4mmに設定されているが、5mm~7mmの範囲で適宜設定される。凸条20の高さ寸法43(図4参照)は、本実施形態では3mmに設定されている。この高さ寸法43は、上記コーナーフレーム16の肉厚寸法44に対応している。凸条20の長さ46(すなわち、開口フレーム12の長さ寸法:図3参照)は、長開口辺29の長さに対応している。
【0043】
隔壁84は、開口フレーム12に設けられている(図5(a)参照)。同図が示すように、隔壁84は、細長の平板状を呈し、側板部35、36間に掛け渡すように配置されており、開口フレーム12を補強する補強リブとして機能する。この隔壁84は、側板部35、36と一体的に形成されており、開口フレーム12の長手方向(同図において紙面に垂直な方向)に沿って延びている。この隔壁84及び一対の側板部35、36により、嵌合空間90及び補強空間92が区画されている。開口フレーム12が上記長開口辺29(図3参照)に嵌め合わされると、当該長開口辺29は上記嵌合空間90に嵌め込まれる。
【0044】
同図が示すように、隔壁84は、開口フレーム12の下端89(側板部35、36の下端)から高さ88の位置に設けられている。この高さ88は、側板部35、36の高さ寸法38の50%~70%に設定され、好ましくは、55%~65%に設定され得る。
【0045】
前述のように、天板部37に凹条86が形成されている。この凹条86は、凸条20の長手方向(開口フレーム12の長手方向:同図において紙面に垂直な方向)に沿って延びている。凹条86を形成する壁面の形状は特に限定されるものではないが、同図が示すように滑らかな曲面であるのが好ましい。この凹条86が設けられることにより、開口フレーム12にいわゆる肉抜加工が施される。そのため、隔壁84が設けられることによる開口フレーム12の重量増加が抑制される。もっとも、この凹条86は、省略されてもよい。
【0046】
他方、図3が示すように、開口フレーム13の上面78に突設された凸条21は、上記凸条20と同様の形状である。凸条21の長さ47(すなわち、開口フレーム13の長さ寸法)は、短開口辺28の長さに対応している。開口フレーム13の構造が開口フレーム12の構造と異なるところは、側板部35と側板部36との間の距離のみである。同図及び図5が示すように、開口フレーム13の隙間寸法45は、開口フレーム12の隙間寸法40よりも大きく設定されている。この隙間寸法45は、上記短開口辺28の厚み寸法32に対応している。但し、隙間寸法45が隙間寸法40と同一であってもよい。
【0047】
図5(b)が示すように、隔壁85は、開口フレーム13に設けられている。隔壁85は、隔壁84と同様に細長の平板状を呈し、側板部35、36間に掛け渡すように配置されている。隔壁85も隔壁84と同様に、開口フレーム13を補強する補強リブとして機能する。ただし、同図及び図3が示すように、開口フレーム13の側板部35、36間の隙間寸法45が開口フレーム12の側板部35、36間の隙間寸法40よりも大きく設定されているので、これに対応して、隔壁85の幅寸法は、隔壁84の幅寸法よりも大きく設定されている。この隔壁85は、側板部35、36と一体的に形成されており、開口フレーム13の長手方向(同図において紙面に垂直な方向)に沿って延びている。この隔壁85及び一対の側板部35、36により、嵌合空間91及び補強空間93が区画されている。開口フレーム13が上記短開口辺28(図3参照)に嵌め合わされると、当該短開口辺28は上記嵌合空間91に嵌め込まれる。隔壁85は、隔壁84と同様に、開口フレーム13の下端から高さ88の位置に設けられている。
【0048】
開口フレーム13の天板部37に上記凹条87が設けられている。この凹条87は、凸条21の長手方向(開口フレーム13の長手方向:同図において紙面に垂直な方向)に沿って延びている。凹条87の内壁面形状は上記凹条86と同様である。この凹条87が設けられることにより、開口フレーム13にいわゆる肉抜加工が施される。そのため、隔壁85が設けられることによる開口フレーム13の重量増加が抑制される。なお、この凹条87は、省略されてもよい。
【0049】
開口フレーム13のその他の構成については、開口フレーム12と同様である。
【0050】
図2及び図5が示すように、開口フレーム12の補強空間92及び開口フレーム13の補強空間93に、それぞれ、補強部材95及び補強部材96が嵌め込まれている。本実施形態では、補強部材95、96は、断面が矩形の棒状を呈する。補強部材95は、補強空間92の内壁面形状に対応し、補強部材96は、補強空間93の内壁面形状に対応している。したがって、補強部材95は、開口フレーム12の長手方向に沿って補強空間92に挿入され、当該補強空間92の内壁面に当接する。同様に、補強部材96は、開口フレーム13の長手方向に沿って補強空間93に挿入され、当該補強空間93の内壁面に当接する。これにより、開口フレーム12、13は、補強部材95、96によって補強され、特に曲げ剛性が向上する。
【0051】
補強部材95、96は、樹脂、典型的にはポリプロピレン(PP)からなる。もっとも、補強部材95、96の材質は特に限定されるものではなく、アルミニウム合金等の金属が採用されてもよい。補強部材95、96の断面形状は、矩形に限定されるものではなく、後述のように、他の形状も採用され得る。
【0052】
図2及び図3が示すように、開口フレーム12は、上方から上記長開口辺29に嵌め合わされる。このとき、一対の側板部35、36が上記長開口辺29を挟持し、隔壁84は、容器本体11の上面49(すなわち、長開口辺29の上面)を覆う。同様に、開口フレーム13は、上方から上記短開口辺28に嵌め合わされる。開口フレーム13の側板部35、36は、上記短開口辺28を挟持し、隔壁85は、容器本体11の上面49(すなわち、短開口辺28の上面)を覆う。このように開口フレーム12、13が容器本体11の開口27の周縁部に嵌め合わされることにより、上記凸条20、21は、それぞれ、上記長開口辺29及び短開口辺28に沿って延びる。なお、既知の固定手段により、開口フレーム12、13が容器本体11に固定されてもよい。
【0053】
図1ないし図3が示すように、コーナーフレーム16、17は、上方から上記開口フレーム12、13に嵌め合わされる。一対のコーナーフレーム16及び一対のコーナーフレーム17は、ぞれぞれ、容器本体11の開口27の対角線上で向かい合うように配置される。図2及び図3が示すように、コーナーフレーム16、17は、交差して隣り合う開口フレーム12、13の間に掛け渡すように配置されている。
【0054】
図6及び図7は、それぞれ、図3におけるVI-矢視図、VII-矢視図である。
【0055】
図3及び図6が示すように、コーナーフレーム16は、いわゆるチャンネル材が直角に屈曲されたような形状を呈し、第1アーム51及び第2アーム52を有する。本実施形態では、コーナーフレーム16は、樹脂、典型的にはポリプロピレン(PP)からなり、第1アーム51及び第2アーム52は、互いに直交した状態で一体的に成形されている。もっとも、コーナーフレーム16がアルミニウム合金等の金属により構成されていてもよい。
【0056】
第1アーム51は、一対の側板部55、56及び天板部57(特許請求の範囲に記載された「第1載置板」に相当)を有する。図3が示すように、側板部55の高さ寸法58Aは、本実施形態では30mmに設定されているが、25mm~40mmの範囲で適宜設定される。側板部56の高さ寸法58Bは、本実施形態では36mmに設定されているが、30mm~50mmの範囲で適宜設定される。本実施形態では、側壁板56の高さ寸法58Bは、側板部55の高さ寸法58Aよりも大きく設定されている。これによる作用効果については後述される。もっとも、側壁板56の高さ寸法58Bが側板部55の高さ寸法58Aと同一であってもよい。側板部55、56の肉厚寸法59は、本実施形態では3mmに設定されているが、2.5mm~4mmの範囲で適宜設定される。なお、側板部55の肉厚寸法59と側板部56の肉厚寸法59とが異なっていてもよい。側板部55、56間の隙間寸法60(すなわち、側板部55と側板部56との間の距離)は、上記開口フレーム12の幅寸法31に対応している。
【0057】
天板部57は、一対の側板部55、56のそれぞれの上端同士を連結している。天板部57の肉厚寸法44は、上記側板部55、56の肉厚寸法59と同一であってもよい。天板部57に溝61が形成されている。この溝61は、天板部57を上下に貫通しており、第1アーム51の先端から基端側(第1アーム51と第2アーム52との境界側)に向かって延びている。溝61の幅寸法62は、開口フレーム12に設けられた凸条20の幅寸法42(図5及び図4参照)に対応している。溝61の長さ63は、本実施形態では36.2mmに設定されているが、30mm~50mmの範囲で適宜設定される。
【0058】
図3及び図7が示すように、第2アーム52は、第1アーム51と同様の構成であり、一対の側板部65、66及び天板部67(特許請求の範囲に記載された「第2載置板」に相当)を有する。天板部67に形成された溝71は、第1アーム51の天板部57に形成された溝61と同様の形状である。第2アーム52の構造が第1アーム51の構造と異なるところは、側板部65と側板部66との間の距離のみである。第2アーム52における隙間寸法70(図7参照)は、第1アーム51における隙間寸法60(図6参照)よりも大きく設定されている。この隙間寸法70は、上記開口フレーム13の幅寸法30(図3参照)に対応している。第2アーム52のその他の構成については、第1アーム51と同様であるため、第2アーム52の説明は省略される。
【0059】
図3が示すように、第1アーム51及び第2アーム52が一体的に形成されていることから、上記天板部57及び天板部67が連続し、これらの上面によって上記載置面24が形成されている。この載置面24は、同図が示すようにL字状を呈する。この載置面24の縁にリブ72が突設されている。このリブ72は、平板からなり、上記載置面24の縁に沿ってL字状に屈曲されている。リブ72を構成する平板は、上記側板部56及び側板部66に連続して上方へ延びている。リブ72は、コーナーフレーム16と一体的に成形されるのが好ましい。リブ72の高さ寸法73は、本実施形態では12.7mmに設定されているが、0mm~25mmの範囲で適宜設定される。リブ72の肉厚寸法74は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、側板部56、66の肉厚寸法59と同一である。
【0060】
コーナーフレーム17(図1参照)は、コーナーフレーム16と同様に第1アーム51及び第2アーム52を有する。コーナーフレーム17の構造がコーナーフレーム16の構造と異なるところは、第1アーム51における上記隙間寸法60と、第2アーム52における隙間寸法70とが逆になっている点である。すなわち、コーナーフレーム17では、第1アーム51の隙間寸法60の方が、第2アーム52の隙間寸法70よりも大きく設定されている。なお、コーナーフレーム17のその他の構成についてはコーナーフレーム16と同様であるから、その説明は省略される。
【0061】
図2及び図3が示すように、コーナーフレーム16は、上方から上記開口フレーム12、13に嵌め合わされる。このとき、一対の側板部55、56が開口フレーム12を挟持し一対の側板部65、66が開口フレーム13を挟持する。さらに、天板部57、67は、それぞれ、開口フレーム12、13の天板部37を覆う。同様に、コーナーフレーム17も、上方から上記開口フレーム12、13に嵌め合わされ、一対の側板部55、56が開口フレーム13を挟持すると共に、一対の側板部65、66が開口フレーム12を挟持する。
【0062】
このようにコーナーフレーム16、17が開口フレーム12、13に嵌め合わされることにより、開口フレーム12、13に設けられた凸条20、21は、それぞれ、上記溝61、71に嵌合する。これら凸条20、21は、天板部57、67に向かって突出し、しかも、図4が示すように、凸条20、21の高さ寸法43は、天板部57(67)の肉厚寸法44に対応している。したがって、凸条20、21の天面25は、上記載置面24といわゆる面一状態で連続することになる。なお、既知の固定手段により、コーナーフレーム16、17は、開口フレーム12、13と共に容器本体11に固定されてもよい。
【0063】
3.容器の作用効果
【0064】
図1が示すように、この容器10では、容器本体11に開口フレーム12、13が嵌め合わされるので、容器本体11の剛性が確保される。さらに、開口フレーム12、13にコーナーフレーム16、17が嵌め合わされることにより、容器本体11の変形が抑えられて容器10の実用的な剛性が確保される。
【0065】
図2が示すように、開口フレーム12、13に隔壁84、85が設けられているので、開口フレーム12、13の曲げ剛性がさらに向上する。さらに、この隔壁84、85によって開口フレーム12、13内に補強空間92、93が区画され、ここに補強部材95、96が嵌め込まれているから、開口フレーム12、13の曲げ剛性は、きわめて高くなる。したがって、容器本体11の開口27の変形が確実に抑えられ、容器10全体の剛性がなお一層向上する。
【0066】
図8は、2つの容器10が上下に積み重ねられた状態を示している。
【0067】
下側の容器10の上に他の容器10が積み重ねられている。下側の容器10に形成された載置面24(図2図4参照)に上側の容器10の容器本体11の底面75が載置される。図2及び図4が示すように、下側の容器10に設けられた凸条20、21は、当該容器10の天板部57、67に形成された溝61、71に嵌合し、凸条20、21の天面25は、上記載置面24といわゆる面一状態となる。しかも、凸条20、21は、それぞれ、開口フレーム12、13の長手方向に沿って延びているから、容器本体11の開口27の周縁部を周回するように延びている(図1参照)。
【0068】
したがって、上側の容器10の容器本体11の底面75は、下側の容器10の載置面24及び開口フレーム12、13に設けられた凸条20、21の天面25と当接する。すなわち、上側の容器10は、下側の容器10の開口27を塞ぐように配置され、図8が示すように、上側の容器10の底面75と下側の容器10との間に隙間が形成されることがない。その結果、容器10の搬送中に塵や埃が侵入することがなく、搬送される自動車用部品の品質が確保される。
【0069】
本実施形態では、前述のような容器10の剛性確保及び搬送中の容器10への塵等の侵入防止は、上記開口フレーム12、13及びコーナーフレーム16、17が上記容器本体11に嵌め合わされるだけで簡単に実現される。したがって、容器10の製造コストの上昇が抑えられ。安価な容器10が提供される。しかも、本実施形態では、開口フレーム12、13に嵌め込まれた補強部材95、96は、断面形状が矩形の棒状部材であるから、開口フレーム12、13の剛性が長さ方向全体にわたって向上するうえ、補強部材95、96の構造がシンプルであるから、容器10の製造コストの上昇が抑えられる。
【0070】
本実施形態では、容器本体11が直方体状を呈し、矩形の開口27を有するので、容器10の剛性をより高く設計することが可能であり、しかも、効率よく自動車用部品を収容することができる。また、開口フレーム12、13及びコーナーフレーム16、17は、前述のように簡単な構造であるから(図3参照)、作業者は、開口フレーム12、13を容器本体11に上方から嵌め込むだけで、及びコーナーフレーム16、17を開口フレーム12、13に上方から嵌め込むだけで、高い剛性を備えた容器10をきわめて簡単な作業で組み立てることができる。
【0071】
本実施形態では、前述のように(図6及び図7参照)、コーナーフレーム16(17)の側壁板56(66)の高さ寸法58Bは、側板部55(65)の高さ寸法58Aよりも大きく設定されているので、開口フレーム12、13の側面の一部(具体的には、容器10の隅部)は、コーナーフレーム16、17によって覆われる。これにより、容器10の隅部からの塵等の侵入がより一層確実に防止される。
【0072】
加えて、容器10の載置面24にリブ72が突設されているので、コーナーフレーム16、17の剛性が向上し、その結果、容器10の剛性も一層が向上する。しかも、このリブ72は、上記載置面24の縁に設けられているから、図8が示すように複数の容器10が積み重ねられる際に、作業の邪魔になることはない。
【0073】
図3が示すように、この容器10では、隔壁84、85により、開口フレーム12、13内に嵌合空間90、91が区画され、この嵌合空間90、91に容器本体11の長開口辺29及び短開口辺28が嵌め合わされる。具体的には、一対の側板部35、36が上記長開口辺29及び短開口辺28を挟持する。したがって、開口フレーム12、13が容器本体11に確実に固定される。
【0074】
特に、上記隔壁84、85が一対の側板部35、36間に配置される平板からなるので、開口フレーム12、13の剛性を効果的に著しく向上させることができる。しかも、隔壁84、85の構造がきわめて簡単且つ安価であるため、開口フレーム12、13の製造コストの上昇も抑えることができる。
【0075】
本実施形態では、隔壁84、85は、上記側板部35、36に対して前述の位置に配置されている(図5参照)。すなわち、隔壁84、85は、側板部35、36の下端89を基準として側板部35、36の高さ寸法38の50%~70%の位置に設けられている。これにより、開口フレーム12、13の剛性を向上させつつ、上記嵌合空間90、91を大きくすることができる。その結果、開口フレーム12、13が上記長開口辺29、短開口辺28に嵌め合わされたときに、容器本体11の上面48、49(図3参照)が隔壁84、85に当接し、開口フレーム12、13がより安定的に容器本体11に固定される。
【0076】
4.設計変更例
【0077】
図9は、本実施形態の変形例に係る開口フレーム82の断面図である。
【0078】
本変形例に係る開口フレーム82は、隔壁84及び隔壁94を有する。すなわち、上記実施形態に係る開口フレーム12は、単一の隔壁84を備えていたが、開口フレーム82は、隔壁が二重構造となっている。この場合、隔壁94は、隔壁84と同一の形状であり、隔壁94が隔壁84と平行に配置されている。もっとも、隔壁94の肉厚寸法が、隔壁84の肉厚寸法と異なっていてもよい。なお、上記実施形態に係る開口フレーム13も同様に、隔壁が二重構造とされてもよい。かかる設計変更は、開口フレーム13にも同様に適用され得る。
【0079】
このように、隔壁が二重構造である場合、二つの補強空間92a、92bが形成される。上記補強部材95は、いずれの補強空間92a、92bに嵌め込まれてもよいし、各補強空間92a、92bに補強部材95が嵌め込まれてもよい。これにより、開口フレーム82の曲げ剛性がより一層向上し、容器10の剛性がさらに向上する。
【0080】
図10は、本実施形態の変形例に係る補強部材95の断面形状を示す図である。
【0081】
同図(a)~(d)が示すように、補強部材95の断面形状は、さまざまな設計変更が施される。但し、各補強部材95は、補強空間92の内壁面に当接するように設計されるのが好ましい。もっとも、補強部材95の断面形状は、これらに限定されるものではない。なお、かかる設計変更は、補強部材96にも同様に適用され得る。
【0082】
同図(a)(b)は、補強部材95の断面形状が十字状である場合を示している。これらの図が示すように、補強部材95は、一対のアーム95a、95bを有し、これらが一体的に形成されている。同図(a)では、一対のアーム95a、95bが直交するように交差しており、同図(b)では、一対のアーム95a、95bは、補強空間92を対角線状に延びるように配置されている。
【0083】
同図(c)(d)は、補強部材95の断面形状がH形である場合を示している。これらの図が示すように、補強部材95は、一対のフランジ95c及びウェブ95dを有し、これらが一体的に形成されている。同図(c)では、一対のフランジ95cが左右方向に配置され、同図(d)では、一対のフランジ95cが上下方向に配置されている。
【符号の説明】
【0084】
10・・・容器
11・・・容器本体
12・・・開口フレーム
13・・・開口フレーム
16・・・コーナーフレーム
17・・・コーナーフレーム
20・・・凸条
21・・・凸条
24・・・載置面
25・・・天面
27・・・開口
28・・・開口辺
29・・・開口辺
34・・・収容室
35・・・側板部
36・・・側板部
37・・・天板部
41・・・上面
46・・・長さ
47・・・長さ
48・・・上面
49・・・上面
51・・・第1アーム
52・・・第2アーム
55・・・側板部
56・・・側板部
57・・・天板部
61・・・溝
65・・・側板部
66・・・側板部
67・・・天板部
71・・・溝
72・・・リブ
75・・・底面
78・・・上面
82・・・開口フレーム
84・・・隔壁
85・・・隔壁
88・・・高さ
89・・・下端
90・・・嵌合空間
91・・・間具尾空間
92・・・補強空間
93・・・補強空間
94・・・隔壁
95・・・補強部材
96・・・補強部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10