(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047452
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】アドレス記憶方法およびそれを用いたリング網およびリング網を利用したハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
H04L 12/42 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
H04L12/42 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156373
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
【Fターム(参考)】
5K031AA07
5K031CB10
5K031CB12
5K031CC03
5K031DA02
5K031DA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーを低コストで高速に実現する装置及びパケット転送方法を提供する。
【解決手段】TCP移動端末とサーバがリング網を介して通信する場合、サーバからの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップ及び通過の装置に到着したとき、パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶して、パケットをリング外に送出し、リング外からパケットのアッド、ドロップ及び通過の装置にパケットが到着し、パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、そのアドレスを削除し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左回りリングとそのリングと伝送向きが逆の右回りリングからなる2重リング網を介して端末とサーバとが通信する場合の前記リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、
右回りリングからパケットが到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外には、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出する手段と、
リング外からパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、その位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されていない場合には、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と
を備えることを特徴とするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【請求項2】
左回りリングからパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段を
さらに備える請求項1に記載のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【請求項3】
左回りリングとそのリングと伝送向きが逆の右回りリングからなる2重リング網を介して端末とサーバとが通信する場合の前記リング網のパケット転送方法であって、
右回りリングからパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外には、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出するステップと、
リング外からパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、その位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されていない場合には、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出するステップと
を有することを特徴とするパケット転送方法。
【請求項4】
左回りリングからパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出するステップを
さらに有する請求項1に記載のパケット転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスのようなアドレス記憶方法およびそれを用いたイーサネットパケットを転送するリング網およびリング網を利用したハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特許文献1の特開2000-151617「テーブル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されている場合には、、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特許文献2の特開2004-15592「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
リング形ネットワークの従来例としては特許文献3のようにマスタスイッチとスレーブスイッチを用いたリングネットワークが一般的である。このリングネットワークはマスタスイッチの一方のリングポートがフレームを通過させないブロックポートになっていて、フラッディングによる輻輳を防止している。リングネットワークに障害が発生した場合には、マスタスイッチから出てマスタスイッチに戻る監視フレームが届かなくなり、代わりに障害点のスレーブスイッチから障害通知フレームがマスタスイッチに届くので、マスタスイッチは、マスタスイッチのブロックポートのブロックを解除してフレームを通過させる。また、障害点の一方のスレーブスイッチの障害伝送路側にブロックポートを設定し、リングネットワークの障害回復後もリングネットワークの動作を維持する。
【0005】
また、無線ネットワークにおけるハンドオーバーの従来例としては、特許文献4がある。この先行技術は、ATMセルを転送する制御局から基地局を介して移動端末と通信するネットワークのハンドオーバーを、制御局から移動元の基地局を経由した移動端末までの遅延D1と移動先の基地局を介して移動端末までの遅延D2の差(D1-D2>0)の場合間、制御局から移動端末への送出ATMセルの基地局切り換え場合にATMセルを制御局で遅延させて、切り換えることで実行して、ATMセルの順序逆転を防止する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【特許文献3】再表2008-068813 号公報
【特許文献4】特開2001-128212 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに場合間がかかる問題がある。また、本質的MACアドレス48ビット全体を記憶しているので記憶エリアが大きくなる問題がある。
【0008】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合に、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に場合間がかかる問題がある。
下位ビット列によるMACアドレスの検索は高速になるが、基本的に下位ビット列位置にMACアドレス全体を記憶する方法は、正確記憶であるが、48ビット全体を記憶しなければならないので、記憶アドレス数が少ない問題がある。
【0009】
従来のリングネットワークである特許文献3は、MACアドレス48ビットを用いるMACアドレステーブルを使用するため、記憶できるMACアドレス数が少ない欠点がある。
【0010】
従来のハンドオーバーの特許文献4は、制御局から移動端末までの切り換え前の経路と切り換え後の経路の遅延場合間差を求める必要があり、制御が複雑である上に遅延場合間は制御局から移動端末までの往復場合間の半分としてしか測定できないので遅延場合間測定の正確性に欠ける問題がある。
【0011】
本発明の目的は、従来のMACアドレステーブルを用いないアドレス記憶方法を示し、それを用いたリング網およびリング網を利用したハンドオーバーおよび携帯端末の近距離移動を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、本発明の第1の観点は、TCP移動端末とサーバがリング網を介して通信する場合の、前記サーバからの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶して、前記パケットをリング外に送出し、リング外からパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にパケットが到着し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、そのアドレスを削除し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する方法である。
【0013】
また、本発明の第2の観点は、左回りリングとそのリングと伝送向きが逆の右回りリングからなる2重リング網を介して端末とサーバとが通信する場合の前記リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、
右回りリングからパケットが到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外には、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出する手段と、
リング外からパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、その位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されていない場合には、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第3の観点は、本発明の第2の観点のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置において、
左回りリングからパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段を
さらに備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第4の観点は、左回りリングとそのリングと伝送向きが逆の右回りリングからなる2重リング網を介して端末とサーバとが通信する場合の前記リング網のパケット転送方法であって、
右回りリングからパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外には、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出するステップと、
リング外からパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、その位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されていない場合には、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出するステップと
を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第5の観点は、本発明の第4の観点のパケット転送方法において、
左回りリングからパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出するステップを
さらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明は、記憶ビット長が短く、記憶アドレス数の多く、記憶アドレス抜けの無い下位アドレス記憶法をイーサーネットパケットを転送するリング網に適用し、それを用いてリング網、リング網によるハンドオーバーおよび近距離端末移動を実現する方法なので、従来の記憶アドレス抜けのあるMACアドレステーブル使用によるunknownパケットのフラッディングのような問題が無く、従来のブロックポートが不要になるので、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を端末とサーバ間通信で利用する動作を説明するための図
【
図3】本発明の第3実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図
【
図4】本発明の第4実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施例を
図1により説明する。本実施例は、第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなるイーサーネットパケットを転送するリング網の動作例である。このリング網で転送されるパケットはTCPパケットの他通信開始時にのみTCPを使うUDPパケットおよびユーチューブパケットがある。
【0020】
図1において、1は左回り光リング、2は右回り光リング、5は頂点装置、6-1,6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、7はリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ、9-1はパケットの通過禁止下位アドレスメモリ、9-2はパケットの通過用架け橋アドレステーブル、11はリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル、22はルータ、13-1,13-2,13-3は端末、20はサーバである。また、(1)~(31)はパケット、I0,I1,I2,I4,I5はサービスプロバイダーの国内または地域IPアドレスである。またはIPv6アドレスである。
【0021】
なお、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2とリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11は従来のMACアドレステーブルと異なり、ポート番号を記憶しない、記憶MACアドレス数の少ないアドレステーブルである。
【0022】
以下に、
図1の動作を説明する。最初に、端末13-1,13-2,13-3はARPテーブルにルータ22のIPアドレスI2とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。端末13-3がパケット(1)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-3のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に送出した例を示す。前記パケットが端末13-3から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。
そのパケットはリング外に送出され、ルータ22に到達する。
【0023】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(4)IPI5I0(IPはIPアドレスであることを示し、I5は送信元端末13-3のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。サーバ20に到着した前記ダウンロード要求等のパケット(4)IPI5I0の応答パケット(5)IPI0I5がルータ22に送出される。ルータ22は前記応答パケット(5)IPI0I5が到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI5からARPテーブルより宛先MACアドレスa3a2を求め、パケット(6)Ma3a2r1r2(I5)を図に示すように頂点装置5を介して右回りリング2に送出する。
【0024】
前記パケットは、(7)Ma3a2r1r2(I5)により図に示されるようにパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11にこの時点では記憶されていない状態で、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2にこの時点で記憶されていない状態で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2をパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶して、そのパケットをリング外に送出し、(8)Ma3a2r1r2(I5)により図に示されるように端末13-3に到達させる。
【0025】
前記パケット(8)Ma3a2r1r2(I5)のACKパケット(9)Mr1r2a3a2(I0)が端末13-3からパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶され、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋下位アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのa3a2を消去し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する。上記パケットは左回りリング1により転送され、頂点装置5を介して、(11)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到達する。
【0026】
次に、端末13-1がパケット(12)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2は端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(14)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0027】
前記パケット(14)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されているので、その下位アドレス位置に通過禁止動作停止ビットを記憶する。その通過禁止動作停止ビットは図では文字S(STOPの意味)として記されている。
そのパケットは左回り光リング1で(16)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5を介してルータ22に到達する。
【0028】
前記パケット(16)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0に対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(17)IPI4I0(IPはIPアドレスであることを示し、I4は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送され、サーバ20に到達する。サーバ20はそのダウンロード要求等のパケット(17)IPI4I0の応答パケット(18)IPI0I4をルータ22に送出する。ルータ22はARPテーブルを参照して、パケット(19)Ma1a2r1r2(I4)を頂点装置5を介して、右回りリング2に送出する。
【0029】
そのパケットは(20)Ma1a2r1r2(I4)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋下位アドレステーブル9-2に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されており、その記憶下位アドレス位置に通過禁止動作停止ビット(S)が記憶されているので、そのパケットはその装置の右回りリング2の前方に送出される。
【0030】
そのパケットは(21)Ma1a2r1r2(I4)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着し、上記と同様にして、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの宛先MACアドレスa1a2を記憶して、そのパケットはリング外に送出され、端末13-1に(23)Ma1a2r1r2(I4)により図に示されるように到着する。
【0031】
次に、端末13-3がパケット(24)Mr1r2a3a2(I0)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に送出した例を示す。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビット(S)が記憶されているので、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。そのパケットはサーバ20側に送出され、その応答パケットが右回りリングから(30)Ma3a2r1r2(I5)により図に示されるようにパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。そのパケットの宛先MACアドレスa3a2がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているので、そのパケットはリング外に送出され、(31)Ma3a2r1r2(I5)により図に示されるように端末13-3に到着する。
【0032】
また、以上の実施例1ではリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する例を示したが、パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶を意味するビット1を記憶することであっても良い。
または、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することで、送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分のデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶することであってもよい。
【0033】
以上述べた実施例1では多周回パケットは多周回ビット付与装置で廃棄する。
【0034】
以上述べた実施例1はLANとして動作可能であるが、エッジノードを介したMANとしても動作可能である。その場合に、本社サーバに向かうMACアドレスを記憶する専用のリングノード装置のアドレステーブルを用い、支社またはクライアントからサーバに向かうパケットは左回りリングを用い、サーバから支社またはクライアントに向かうパケットは右回りリングを用いる。
【0035】
なお、実施例1のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6にパケットの通過を指定する下位アドレスメモリを加えた構成にしてもい。
その場合の動作は実施例1において、左回りリング1を転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合には、必ず、パケットの通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、さらに、サーバ20からの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを廃棄する動作が加わる。
【0036】
上記動作では、サーバに向かう端末パケットがリングの全てのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することは無く、1ビット記憶下位アドレスメモリを用いているので、下位アドレスの記憶漏れはなくなり、unknownパケットのフラッディングの問題が無いので、多周回ビット付与装置は不要にできる。
【0037】
次に、本発明の第2実施例を
図2により説明する。本実施例は、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなるイーサーネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーの動作例である。前記サーバはコンテンツサーバである。
【0038】
図2において、3は加入者系リング、4は上位リング、12-1,12-2,12-3,12-4,12-5は基地局、13-1,13-2,13-4は移動端末、14は移動端末の移動方向であり、他は
図1と同じである。また、(1)~(39)はパケット、I0,I1,I2,I3,I4,I6はサービスプロバイダーの国内または地域IPアドレスである。
【0039】
以下に、
図2の動作を説明する。最初に、TCP移動端末13-1,13-2,13-3は、サーバ20配下に移動して来たときまたは、サーバ20に向かう通信開始パケットがサーバ20前のルータに到着し、端末認証された後に、ルータ22のARPテーブルに端末のIPアドレスとMACアドレスが記憶され、端末のARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP移動端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2はTCP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0040】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にこの時点で記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0041】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。上位リング4は左回りリング1と右回りリング2の2重リングである加入者系リング、加入者系リング3と同様な構成であり、同様に動作する。
【0042】
前記パケット(5)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(6)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0043】
次に、TCP移動端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。前記パケットがTCP移動端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(8)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0044】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(9)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到達する。
【0045】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、(10)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到達する。
【0046】
前記パケット(10)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(11)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0047】
サーバ20は前記ダウンロード要求等のパケット(11)IPI3I0が到着した場合、前に端末13-1から到着したパケットの応答パケット(12)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から図に記してないARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(13)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されておらず、かつ、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、そのパケットの宛て先MACアドレスa1a2をパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶して、そのパケットをリング外に、(16)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように送出する。
【0048】
サーバ20は前記パケット(12)IPI0I2のACKパケットが到着しないので、再送パケット(17)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(18)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(20)Ma1a2r1r2(I2)として到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットを右回りリング2の前方に(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように送出する。
【0049】
そのパケットは(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1は、上記と同様にして、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの宛先MACアドレスa1a2を記憶し、そのパケットをリング外に送出し、端末13-1に(22)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように到着させる。
【0050】
端末13-1に前記パケット(22)Ma1a2r1r2(I2)が到着した場合、ACKパケット(23)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出される。
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に前記パケットが到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、かつ、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの送信元MACアドレスa1a2が記憶されているので、そのアドレスa1a2を消去し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、そのパケットを左回りリング1によりパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に向けて(24)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように送出する。前記アドレスa1a2の消去は図ではa1a2の上に横線をひいて示してある。
【0051】
前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されていないので、そのパケットを左回りリング1により(25)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるように転送する。
【0052】
そのパケットが(27)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスの送信元MACアドレスa3a2対応のIPアドレスを宛先IPアドレスとして持つサーバからのIPパケット(28)IPI0I3を、そのパケット対応の移動端末からの再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)が到着するまで待機させる。
【0053】
その再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)は、TCP移動端末13-2からパケット(29)Mr1r2a3a2(I0)としてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2でそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されていないので、そのまま、ルータ22に到着したパケットである。
【0054】
再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、待機してあったパケット(28))IPI0I3の宛先IPアドレスI2対応の宛先MACアドレスを付加したパケット(33)Ma3a2r1r2(I3)を上位リング4、加入者リングの頂点装置5を介して右回りリング2に送出する。そのパケットは(35)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2をパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶し、そのパケットをリング外に(36)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように送出する。
【0055】
次に、TCP移動端末13-2が基地局12-2配下から基地局12-1配下に移動して、パケット(37)Mr1r2a3a2(I0)が基地局12-1に到着した場合、そのパケットを、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。TCP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビット(S)を記憶するが、下位アドレスa2がこの時点で記憶されていないので、そのまま、そのパケットは左回り光リング1で(39)Mr1r2a3a2g(I0)により図に示すように転送され、ルータ22に向かう。
【0056】
前記パケットがルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してないメモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、送出すると共に、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレス対応のIPアドレスを前記図に記してないメモリの記憶アドレスから読み取り、そのIPアドレスの宛先IPアドレスのパケットがサーバ20から到着した場合に、前記IPアドレスのサーバからのパケットを上記と同じように待機させる。
【0057】
以上の述べた実施例2ではTCP移動端末13-2がリング網をサーバから離れる方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバ方向への通過基地局移動の場合には、基地局移動直後のパケットにより、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することになるが、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2にそのパケットの送信元MACアドレスa3a2が記憶されている場合には、そのアドレスa3a2を消去し、かつ、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。前記基地局移動直後のTCP移動端末13-2からのパケットがルータ22に到着した場合、実施例2と同じ動作をルータ22が行った場合、基地局12-1配下からのTCP移動端末からACKパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に左回りリングから到着した場合に、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶する。
【0058】
上記実施例2では、ルータからサーバに向かうIPヘッダのオプション領域に送信元端末のMACアドレスを入れて送出し、ルータのセッションレイヤで送信元端末情報を記憶するとと共に、サーバ側で上記パケット待機手段を実行してもよい。なお、ルータ22のIPアドレスからMACアドレスへの変換はSSDで行ってもよい。またはIPv6の下位アドレスからMACアドレスを生成してもよい。
【0059】
上記実施例2では移動端末の認証を、移動端末からサーバ20に通信開始パケットが到着した場合に、サーバ20が、その移動端末のホームのIPアドレスをキーとしてホームメモリにルータ22のIPアドレスでアクセスして行う。従ってサーバまで気付けアドレスを用いない。TCP3ウェイ(syn)の中にはデータ通信開始に必要な情報が含まれているので、認証もその中で行われる。
【0060】
次に、本発明の第3実施例を
図3により説明する。本実施例は、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなるイーサーネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーの動作例である。前記サーバはコンテンツサーバである。本実施例は移動端末側からの通過する基地局を移動した直後のパケットである旨の信号gとリングのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過禁止下位アドレスメモリに通過禁止動作停止ビットを記憶した旨の信号gをルータが受信した場合のみ、ルータのパケット待機手段を動作させる点である。
【0061】
図3において、記号はパケットへの付加信号gを除いて、全て
図2と同じである。
【0062】
以下に、
図3の動作を説明する。最初に、TCP移動端末13-1,13-2,13-3,13-4はARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP移動端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2はTCP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0063】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にこの時点で記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0064】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。上位リング4は左回りリング1と右回りリング2の2重リングである加入者系リング、加入者系リング3と同様な構成であり、同様に動作する。
【0065】
前記パケット(5)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa1a2および送信元IPアドレスI2を図に記してないメモリに記憶する。そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(6)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0066】
次に、TCP移動端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。
前記パケットがTCP移動端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(8)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0067】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(9)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到達する。
【0068】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、(10)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到達する。
【0069】
前記パケット(10)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2と送信元IPアドレスI3を図に記してないメモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(11)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0070】
サーバ20は前記ダウンロード要求等のパケット(11)IPI3I0が到着した場合、前に端末13-1から到着したパケットの応答パケット(12)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないメモリまたはARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(13)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に(14)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(15)Ma1a2r1r2(I2)として到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されておらず、かつ、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、そのパケットの宛て先MACアドレスa1a2をパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶して、そのパケットをリング外に、(16)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように送出する。
【0071】
サーバ20は前記パケット(12)IPI0I2のACKパケットが到着しないので、再送パケット(17)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないメモリまたはARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(18)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。
そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(20)Ma1a2r1r2(I2)として到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットを右回りリング2の前方に(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように送出する。
【0072】
そのパケットは(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1は、そのパケットが到着した場合、上記と同様にして、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの宛先MACアドレスa1a2を記憶し、そのパケットをリング外に送出し、端末13-1に(22)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように到着させる。
【0073】
端末13-1に前記パケット(22)Ma1a2r1r2(I2)が到着した場合、ACKパケット(23)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出される。
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に前記パケットが到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、かつ、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの送信元MACアドレスa1a2が記憶されているので、そのアドレスa1a2を消去し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、そのパケットを左回りリング1によりパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に向けて(24)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように送出する。前記アドレスa1a2の消去は図ではa1a2の上に横線をひいて示してある。
【0074】
前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されていないので、そのパケットを左回りリング1により(25)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるように転送する。
【0075】
そのパケットが(27)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスの送信元MACアドレスa3a2対応のIPアドレスを宛先IPアドレスとして持つサーバからのIPパケット(28)IPI0I3を、そのパケット対応の移動端末からの再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)が到着するまで待機させる。
【0076】
その再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)は、TCP移動端末13-2からパケット(29)Mr1r2a3a2(I0)としてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2でそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、かつ、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されていないので、そのまま、ルータ22に到着したパケットである。
【0077】
再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、待機してあったパケット(28))IPI0I3の宛先IPアドレスI2対応の宛先MACアドレスを付加したパケット(33)Ma3a2r1r2(I3)を上位リング4、加入者リングの頂点装置5を介して右回りリング2に送出する。そのパケットは(35)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11にこの時点で記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2をパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶し、そのパケットをリング外に(36)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように送出する。
前記パケット(36)Ma3a2r1r2(I3)はTCP移動端末13-2に到達する。
【0078】
前記パケット(36)Ma3a2r1r2(I3)がTCP移動端末13-2に到達した場合、TCP移動端末13-2はACKパケット(37)Mr1r2a3a2(I0)を基地局12-2を介してパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶する。そのパケットは左回りリング1により転送され、(40)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着する。
【0079】
次に、TCP移動端末13-2が基地局12-2配下から基地局12-1配下に移動して、パケット(41)Mr1r2a3a2(I0)が基地局12-1に到着した場合、そのパケットのIPヘッダのオプション領域に基地局移動の旨の信号gを入れ、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。TCP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されているので、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットS(STOPの意味)を記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(43)Mr1r2a3a2g(I0)により図に示すように転送され、ルータ22に向かう。
【0080】
前記パケットがルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してないメモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、送出すると共に、前記パケットに基地局を移動した直後のパケットである旨の表示gが付与されているので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレス対応のIPアドレスを前記図に記してないメモリの記憶アドレスから読み取り、そのIPアドレスの宛先IPアドレスのパケットがサーバ20から到着した場合に、前記IPアドレスのサーバからのパケットを上記と同じように図に記してないバッファのパケット待機手段により待機させる。
【0081】
以上の述べた実施例3ではTCP移動端末13-2がリング網をサーバから離れる方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバ方向への通過基地局移動の場合には、基地局移動直後のパケットがリング外からパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することになるが、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2にそのパケットの送信元MACアドレスa3a2が記憶されている場合には、そのアドレスa3a2を消去し、かつ、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。前記基地局移動直後のTCP移動端末13-2からのパケットがルータ22に到着した場合、実施例3と同じ動作をルータ22が行った場合、基地局12-1配下からのTCP移動端末からACKパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に左回りリングから到着した場合に、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶する。
【0082】
なお、実施例3のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6にパケットの通過を指定する下位アドレスメモリを加えた構成とすることもできる。
その場合の動作は実施例3において、左回りリング1を転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合には、必ず、パケットの通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、さらに、サーバ20からの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを廃棄する動作が加わる。
【0083】
上記動作では、サーバに向かう端末パケットがリングの全てのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することは無く、1ビット記憶下位アドレスメモリを用いているので、下位アドレスの記憶漏れはなくなり、unknownパケットのフラッディングの問題が無いので、多周回ビット付与装置は不要にできる。
【符号の説明】
【0084】
1 加入者系の左回り光リング
2 加入者系の右回り光リング
3 加入者系リング
4 上位リング
5 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
7 リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ
9-1パケットの通過禁止下位アドレスメモリ
9-2パケットの通過用架け橋アドレステーブル
11 リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル
12-1,12-2,12-3,12-4,12-5 基地局
13-1,13-2,13-3,13-4 TCP移動端末
14 移動端末の移動
20 サーバ
22 ルータ
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を端末とサーバ間通信で利用する動作を説明するための図
【
図2】本発明の第
2実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図
【
図3】本発明の第
3実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図