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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004753
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/50 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
H01R13/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106643
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087JJ03
5E087KK04
5E087MM05
5E087RR06
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】嵌合部とアウターモールドとの間の境界部分に隙間が生じないように構成されたコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ10は、内部構造体20とアウターモールド70とを備えている。内部構造体20は、インナーモールド30と嵌合部40と突出部60とを備えている。嵌合部40は、インナーモールド30から前方に突出している。突出部60は、嵌合部40又はインナーモールド30から突出している。突出部60の少なくとも一部は、上下方向(Z方向)において、嵌合部40の外側に位置している。アウターモールド70は、後側部72と前側部74とを有している。後側部72は、前後方向(X方向)と直交する直交平面においてインナーモールド30を覆っている。前側部74は、後側部72から前方に延びており、直交平面において嵌合部40を部分的に覆っている。突出部60は、前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側嵌合部を有する相手側コネクタと前後方向に沿って接続可能なコネクタであって、
前記コネクタは、内部構造体と、アウターモールドとを備えており、
前記内部構造体は、インナーモールドと、嵌合部と、突出部とを備えており、
前記嵌合部は、前記インナーモールドから前方に突出しており、前記コネクタが前記相手側コネクタと接続する際、前記相手側嵌合部と嵌合し、
前記突出部は、前記嵌合部又は前記インナーモールドから突出しており、
前記突出部の少なくとも一部は、前記前後方向と直交する上下方向において、前記嵌合部の外側に位置しており、
前記アウターモールドは、後側部と、前側部とを有しており、
前記後側部は、前記前後方向と直交する直交平面において前記インナーモールドを覆っており、
前記前側部は、前記後側部から前方に延びており、前記直交平面において前記嵌合部を部分的に覆っており、
前記突出部は、前記前側部の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記アウターモールドは、樹脂をモールドしたものであり、
前記突出部は、前記樹脂をモールドする際に、前記前側部に対応する部位から前記後側部に対応する部位に向かう前記樹脂の移動を妨げる
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタであって、
前記突出部は、前記アウターモールドの外部まで延びる放熱経路に繋がっている
コネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記内部構造体は、バックシェルを備えており、
前記突出部は、前記バックシェルの一部であり、
前記バックシェルは、部分的に前記嵌合部の後方に位置しており、且つ、部分的に前記インナーモールドの内部に位置している
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記上下方向と交差する方向に延びている
コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタであって、
前記突出部は、第2部位を有しており、
前記第2部位は、前記上下方向において前記嵌合部から離れるように延びており、
前記第1部位は、前記第2部位の先端から延びている
コネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記突出部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記前後方向と交差する方向に延びており、
前記第1部位には、穴部が形成されている
コネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のコネクタであって、
前記前後方向及び前記上下方向の双方と直交する横方向における前記嵌合部のサイズは、前記上下方向における前記嵌合部のサイズよりも大きく、
前記突出部の少なくとも一部は、前記嵌合部の前記横方向における中間部に位置している
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部構造体と、内部構造体を覆うようにモールドされたアウターモールドとを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、このタイプのコネクタが開示されている。
【0003】
図15を参照すると、特許文献1に開示されたコネクタ90は、内部構造体92と、アウターモールド94とを備えている。内部構造体92は、ケーブル98に接続されている。内部構造体92は、嵌合部922を備えている。アウターモールド94は、内部構造体92のうちの嵌合部922を除く部位及びケーブル98の一部を覆うようにしてモールドされている。嵌合部922は、アウターモールド94から突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-152244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のコネクタ90を製造すると、嵌合部922とアウターモールド94との間の境界部分93に隙間が生じる場合がある。隙間は、コネクタ90の外観をそこなうだけでなく、コネクタ90の破損の原因になる。
【0006】
そこで、本発明は、嵌合部とアウターモールドとの間の境界部分に隙間が生じないように構成されたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタとして、
相手側嵌合部を有する相手側コネクタと前後方向に沿って接続可能なコネクタであって、
前記コネクタは、内部構造体と、アウターモールドとを備えており、
前記内部構造体は、インナーモールドと、嵌合部と、突出部とを備えており、
前記嵌合部は、前記インナーモールドから前方に突出しており、前記コネクタが前記相手側コネクタと接続する際、前記相手側嵌合部と嵌合し、
前記突出部は、前記嵌合部又は前記インナーモールドから突出しており、
前記突出部の少なくとも一部は、前記前後方向と直交する上下方向において、前記嵌合部の外側に位置しており、
前記アウターモールドは、後側部と、前側部とを有しており、
前記後側部は、前記前後方向と直交する直交平面において前記インナーモールドを覆っており、
前記前側部は、前記後側部から前方に延びており、前記直交平面において前記嵌合部を部分的に覆っており、
前記突出部は、前記前側部の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている
コネクタを提供する。
【0008】
本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記アウターモールドは、樹脂をモールドしたものであり、
前記突出部は、前記樹脂をモールドする際に、前記前側部に対応する部位から前記後側部に対応する部位に向かう前記樹脂の移動を妨げる
コネクタを提供する。
【0009】
本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記突出部は、前記アウターモールドの外部まで延びる放熱経路に繋がっている
コネクタを提供する。
【0010】
本発明は、第4のコネクタとして、第1から第3までのいずれかのコネクタであって、
前記内部構造体は、バックシェルを備えており、
前記突出部は、前記バックシェルの一部であり、
前記バックシェルは、部分的に前記嵌合部の後方に位置しており、且つ、部分的に前記インナーモールドの内部に位置している
コネクタを提供する。
【0011】
本発明は、第5のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記上下方向と交差する方向に延びている
コネクタを提供する。
【0012】
本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記突出部は、第2部位を有しており、
前記第2部位は、前記上下方向において前記嵌合部から離れるように延びており、
前記第1部位は、前記第2部位の先端から延びている
コネクタを提供する。
【0013】
本発明は、第7のコネクタとして、第1から第4までのいずれかのコネクタであって、
前記突出部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記前後方向と交差する方向に延びており、
前記第1部位には、穴部が形成されている
コネクタを提供する。
【0014】
本発明は、第8のコネクタとして、第1から第7までのいずれかのコネクタであって、
前記前後方向及び前記上下方向の双方と直交する横方向における前記嵌合部のサイズは、前記上下方向における前記嵌合部のサイズよりも大きく、
前記突出部の少なくとも一部は、前記嵌合部の前記横方向における中間部に位置している
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明による内部構造体の突出部は、アウターモールドの内部に埋め込まれている。この構造から理解されるように、本発明のアウターモールドは、内部構造体を覆うようにモールドされている。より具体的には、アウターモールドは、金型に注入した液状の樹脂が冷えて硬化することで形成される。従来技術によれば、樹脂を冷やす際、嵌合部とアウターモールドとの間の境界部に隙間が形成され易い。一方、本発明の発明者の研究によれば、前側部の樹脂の内部に突出部を埋め込むことで、隙間の形成を抑制できる。即ち、本発明によれば、嵌合部とアウターモールドとの間の境界部分に隙間が生じないように構成されたコネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。コネクタは、ケーブルに接続されている。相手側コネクタの相手側嵌合部の輪郭、隠れたインナーモールドの輪郭、及び、ケーブルの隠れた輪郭を破線で描画している。
図2図1のコネクタの内部構造体を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図3図1のコネクタを示す前面図である。境界部の位置を破線で描画している。
図4図3のコネクタをIV-IV線に沿って示す概略断面図である。特に、シェルを除く嵌合部の断面は正確ではない。ケーブルの輪郭を1点鎖線で描画している。コネクタの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。拡大図において、シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図5図2の内部構造体の第1の変形例を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図6図5の内部構造体を備える第1の変形例によるコネクタを図3のIV-IV線に沿って部分的に示す断面図である。シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図7図2の内部構造体の第2の変形例を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図8図7の内部構造体を備える第2の変形例によるコネクタを図3のVIII-VIII線に沿って部分的に示す断面図である。シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図9図2の内部構造体の第3の変形例を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図10図9の内部構造体を備える第3の変形例によるコネクタを図3のVIII-VIII線に沿って部分的に示す断面図である。シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図11図2の内部構造体の第4の変形例を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図12図11の内部構造体を備える第4の変形例によるコネクタを図3のIV-IV線に沿って部分的に示す断面図である。シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図13図2の内部構造体の第5の変形例を示す斜視図である。内部構造体の一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図14図13の内部構造体を備える第5の変形例によるコネクタを図3のIV-IV線に沿って部分的に示す断面図である。シェルを除く嵌合部の構造を描画していない。
図15】特許文献1のコネクタをケーブルと共に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図4と併せて参照すると、本発明の実施の形態によるコネクタ10は、複数の電線86を束ねたケーブル84と接続可能である。即ち、本実施の形態のコネクタ10は、所謂ケーブルコネクタである。ケーブル84に接続されたコネクタ10は、ハーネスを形成する。但し、本発明は、これに限られず、様々なコネクタに適用可能である。
【0018】
図1を参照すると、コネクタ10は、相手側嵌合部82を有する相手側コネクタ80と、前後方向に沿って接続可能である。本実施の形態の前後方向は、X方向である。前方は、+X方向である。後方は、-X方向である。コネクタ10と相手側コネクタ80とが互いに接続した接続状態において、ケーブル84に接続された電子機器(図示せず)は、相手側コネクタ80に接続された相手側電子機器(図示せず)と電気的に接続する。
【0019】
図1及び図2に示されるように、コネクタ10は、内部構造体20と、アウターモールド70とを備えている。本実施の形態の内部構造体20は、インナーモールド30と、嵌合部40と、金属板からなるバックシェル50とを備えている。即ち、本実施の形態のコネクタ10は、インナーモールド30と、嵌合部40と、バックシェル50と、アウターモールド70とを備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、バックシェル50は、必要に応じて設ければよい。一方、コネクタ10は、上述の部材に加えて、更に別の部材を備えていてもよい。
【0020】
以下、本実施の形態の嵌合部40、バックシェル50、インナーモールド30及びアウターモールド70について。この順に説明する。
【0021】
図1を参照すると、嵌合部40は、コネクタ10の前端部に位置している。嵌合部40は、アウターモールド70から前方に延びており、コネクタ10が相手側コネクタ80と接続する際、相手側嵌合部82と嵌合する。本実施の形態の嵌合部40は、嵌合部40と相手側嵌合部82とが互いに嵌合した嵌合状態において、相手側嵌合部82の内部に受容される。即ち、本実施の形態のコネクタ10は、プラグである。但し、本発明はこれに限られず、コネクタ10は、レセプタクルであってもよい。
【0022】
図2を参照すると、本実施の形態の嵌合部40は、導電体からなる複数の端子(図示せず)と、絶縁体からなるハウジング44と、金属板からなるシェル46とを備えている。端子は、ハウジング44の内部に収容されている。ハウジング44は、端子を保持している。シェル46は、前後方向と直交する直交平面(YZ平面)においてハウジング44を囲んでいる。換言すれば、ハウジング44は、前後方向と直交する上下方向においてシェル46に覆われており、且つ、前後方向及び上下方向の双方と直交する横方向においてシェル46に覆われている。本実施の形態の上下方向は、Z方向である。上方は、+Z方向である。下方は、-Z方向である。本実施の形態の横方向は、Y方向である。
【0023】
本実施の形態の嵌合部40は、上述の構造を有している。但し、嵌合部40が相手側嵌合部82(図1参照)と嵌合可能である限り、本発明の嵌合部40の構造は、特に限定されない。例えば、嵌合部40は、上述の部材に加えて、更に別の部材を有していてもよい。端子(図示せず)の数は、1であってもよい。
【0024】
図2及び図4を参照すると、本実施の形態のバックシェル50は、部分的に嵌合部40の後方に位置している。詳しくは、バックシェル50は、主部52と、突出部60とを有している。突出部60は、バックシェル50の前端に位置しており、嵌合部40のシェル46の後端部に固定されている。即ち、主部52は、嵌合部40から後方に延びている。本実施の形態の主部52は、概ね直方体形状を有する箱状の部位である。本実施の形態のバックシェル50は、上述の構造を有している。但し、本発明のバックシェル50の構造は、特に限定されない。
【0025】
図4を参照すると、ケーブル84は、バックシェル50の主部52に固定されている。ケーブル84の電線86は、主部52の内部を通って前方に延びており、嵌合部40の端子(図示せず)に夫々接続されている。端子は、嵌合状態において、相手側コネクタ80(図1参照)の相手側端子(図示せず)と夫々接触する。
【0026】
図2及び図4を参照すると、本実施の形態のインナーモールド30は、樹脂をモールドしたものである。インナーモールド30は、直方体形状の外形を有している。インナーモールド30は、前後方向に沿って連続的に延びており、YZ平面において嵌合部40の後端部を覆っている。即ち、嵌合部40は、インナーモールド30から前方に突出している。内部構造体20を前方から見たとき、嵌合部40は、インナーモールド30のYZ平面における中間部に位置している。
【0027】
本実施の形態のインナーモールド30は、YZ平面においてバックシェル50の主部52を覆っている。主部52は、インナーモールド30の内部に完全に埋め込まれている。一方、バックシェル50の突出部60は、インナーモールド30の外部に位置している。即ち、バックシェル50は、部分的にインナーモールド30の内部に位置している。
【0028】
本実施の形態のインナーモールド30は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、インナーモールド30の構造は、必要に応じて変形可能である。例えば、インナーモールド30は、YZ平面においてバックシェル50の主部52を部分的に覆っていてもよい。換言すれば、主部52は、部分的にインナーモールド30の外部に露出していてもよい。
【0029】
図1を参照すると、本実施の形態のアウターモールド70は、樹脂をモールドしたものである。図1図2と併せて参照すると、アウターモールド70は、インナーモールド30を完全に埋め込むようにして形成されており、前後方向に沿って連続的に延びている。
【0030】
図4を参照すると、本実施の形態のアウターモールド70は、後側部(薄肉部)72と、前側部(厚肉部)74と、ケーブル保護部78とを有している。後側部72は、前後方向においてインナーモールド30の前端と後端との間に位置している。後側部72は、YZ平面においてインナーモールド30を覆っている。前側部74は、後側部72から前方に延びている。前側部74は、YZ平面において嵌合部40の後端部を覆っている。一方、嵌合部40の大部分は、アウターモールド70の外部に位置している。即ち、前側部74は、YZ平面において嵌合部40を部分的に覆っている。ケーブル保護部78は、後側部72から後方に延びている。ケーブル保護部78は、YZ平面においてケーブル84の前側の部位を覆っており、ケーブル84を保護している。
【0031】
図4図1と併せて参照すると、アウターモールド70の後側部72及び前側部74は、直方体形状の外形を有している。嵌合部40の上下に位置する前側部74の上下方向におけるサイズ(肉厚)は、インナーモールド30の上下に位置する後側部72の上下方向におけるサイズ(肉厚)よりも大きい。また、嵌合部40の横方向における両側に位置する前側部74の横方向におけるサイズ(肉厚)は、インナーモールド30の横方向における両側に位置する後側部72の横方向におけるサイズ(肉厚)よりも大きい。即ち、前側部74は、YZ平面において後側部72よりも肉厚である。図3を参照すると、コネクタ10を前方から見たとき、嵌合部40は、アウターモールド70のYZ平面における中間部に位置している。換言すれば、嵌合部40は、アウターモールド70のYZ平面における中間部から前方に突出している。
【0032】
本実施の形態のアウターモールド70は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られず、アウターモールド70の構造は、必要に応じて変形可能である。例えば、嵌合部40は、アウターモールド70の下側の部位から前方に突出していてもよい。
【0033】
以下、本実施の形態の突出部60について説明する。
【0034】
図2及び図4を参照すると、本実施の形態の突出部60は、バックシェル50の一部である。即ち、本実施の形態の内部構造体20は、バックシェル50と一体に形成された突出部60を備えている。突出部60は、インナーモールド30から前方に突出している。突出部60は、外周部62と、2つの第1部位64と、2つの第2部位66とを有している。
【0035】
外周部62は、YZ平面において嵌合部40のシェル46を囲んでいる。換言すれば、外周部62は、嵌合部40のYZ平面における外周に位置している。外周部62は、全周に亘ってシェル46と接触している。外周部62は、2つの張出部63を有している。張出部63のうちの一方は、外周部62のうちシェル46の上面に位置する部位(上側部位)に形成されている。張出部63のうちの他方は、外周部62のうちシェル46の下面に位置する部位(下側部位)に形成されている。張出部63の夫々は、外周部62の横方向における中間部の前端に位置している。張出部63の夫々は、前方に張り出している。
【0036】
2つの第2部位66は、2つの張出部63に夫々対応している。本実施の形態の第2部位66の夫々は、対応する張出部63の前端から上下方向に沿って嵌合部40から離れるように延びている。より具体的には、本実施の形態の第2部位66の夫々は、矩形の平板形状を有しており、YZ平面と並行に延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第2部位66の夫々は、対応する張出部63の前端から上下方向と斜交する方向に沿って延びていてもよい。即ち、第2部位66の夫々は、上下方向において嵌合部40から離れるように延びていてもよい。
【0037】
2つの第1部位64は、2つの第2部位66に夫々対応している。本実施の形態の第1部位64の夫々は、対応する第2部位66の先端(上端又は下端)から上下方向と直交する前後方向に沿って前方に延びている。より具体的には、本実施の形態の第1部位64の夫々は、矩形の平板形状を有しており、水平面(XY平面)と並行に延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1部位64の夫々は、対応する第2部位66の先端から上下方向と斜交する方向に沿って延びていてもよい。即ち、第1部位64の夫々は、上下方向と交差する方向に延びていてもよい。
【0038】
本実施の形態の第1部位64の夫々と、対応する第2部位66とは、上述の構造を有しており、YZ平面においてL字形状を有している。突出部60の2つのL字形状の部位は、嵌合部40の上方及び下方に夫々位置している。即ち、突出部60の少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40の外側に位置している。また、突出部60の少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40から離れている。換言すれば、突出部60の少なくとも一部は、前後方向と直交する所定方向において嵌合部40から離れて嵌合部40の外側に位置している。本実施の形態及び後述する変形例において、この所定方向を上下方向と規定している。
【0039】
本実施の形態の突出部60は、アウターモールド70を形成する際、前側部74によって完全に覆われる。即ち、突出部60は、前側部74の内部に完全に埋め込まれている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部60は、部分的にアウターモールド70の外部に露出していてもよい。即ち、突出部60は、前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれていればよい。
【0040】
前述したように、本実施の形態のアウターモールド70は、内部構造体20を覆うようにモールドされている。より具体的には、アウターモールド70は、金型に注入した液状の樹脂が冷えて硬化することで形成される。図4図3と併せて参照すると、本実施の形態による突出部60を設けることなく樹脂を冷やす場合、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12に隙間(図示せず)が形成され易い。本願発明の発明者の研究によれば、境界部12の隙間は、下記のプロセスによって形成される。
【0041】
インナーモールド30の周囲に注入された樹脂(以下、「薄肉樹脂」という。)は、嵌合部40の周囲に注入された樹脂(以下、「厚肉樹脂」という。)に比べて、YZ平面において薄い。このため、薄肉樹脂は、厚肉樹脂に比べて早く冷えて硬化する。薄肉樹脂が冷えて硬化する際、薄肉樹脂は収縮し、これにより後側部72が形成される。薄肉樹脂の収縮に伴って、厚肉樹脂は、後側部72に向かって嵌合部40から離れるように移動する。この結果、境界部12に隙間(図示せず)が形成され易い。加えて、厚肉樹脂は、樹脂と異なる材料である金属材料(シェル46)を覆っており、隙間が更に形成され易い。
【0042】
一方、本実施の形態の突出部60は、アウターモールド70を成型する際に、厚肉樹脂の内部に位置しており、これにより、厚肉樹脂の後側部72に向かう移動を妨げる。この結果、厚肉樹脂は、嵌合部40から離れることなく収縮しつつ硬化する。即ち、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12における隙間の形成が防止される。以上の説明から理解されるように、本実施の形態によれば、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12に隙間が生じないように構成されたコネクタ10を提供できる。
【0043】
上述したように、本実施の形態の突出部60は、樹脂をモールドする際に、前側部74に対応する部位から後側部72に対応する部位に向かう樹脂の移動を妨げる。即ち、本実施の形態の突出部60は、樹脂の移動を妨げる遮断機能を有している。
【0044】
本実施の形態によれば、金属製の突出部60から金属製のシェル46を経由してアウターモールド70の外部まで延びる放熱経路が形成されている。換言すれば、本実施の形態の突出部60は、アウターモールド70の外部まで延びる放熱経路に繋がっており、これにより、ヒートシンクとして機能する。より具体的には、突出部60は、厚肉樹脂の冷却を促進する冷却機能を有している。厚肉樹脂は、突出部60の冷却機能によって薄肉樹脂と同程度の速度で冷え、これにより、厚肉樹脂の後側部72に向かう移動が抑制される。
【0045】
以上の説明を纏めると、本実施の形態の突出部60は、遮断機能及び冷却機能の2つの機能を有している。但し、本発明は、これに限られない。突出部60は、遮断機能及び冷却機能の少なくとも一方を有していればよい、より具体的には、突出部60は、樹脂の移動を妨げるのに適した構造、及び、アウターモールド70の外部まで延びる放熱経路に繋がった構造の少なくとも一方を有していればよい。
【0046】
本実施の形態の突出部60の第1部位64の夫々は、厚肉樹脂を上下に2つの部位に分割する。この結果、厚肉樹脂の2つの部位の夫々の冷却が促進されるとともに、厚肉樹脂の嵌合部40から離れるような移動が更に確実に妨げられる。但し、本発明は、これに限られず、突出部60の構造は、様々に変形可能である。
【0047】
本実施の形態の突出部60は、バックシェル50に設けられており、インナーモールド30から突出している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部60は、バックシェル50と別体に形成された部材であってもよい。この場合、突出部60は、バックシェル50に固定されていてもよい。一方、突出部60は、嵌合部40のシェル46に固定されていてもよく、嵌合部40から突出していてもよい。即ち、突出部60は、嵌合部40又はインナーモールド30から突出していればよい。
【0048】
本実施の形態の突出部60は、第1部位64及び第2部位66に加えて、外周部62を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部60は、第1部位64及び第2部位66のみを有していてもよい。この場合、第2部位66の夫々は、インナーモールド30から前方に突出した後に上下方向に延びていてもよい。また、第1部位64及び第2部位66の夫々は、平板形状に代えて棒形状を有していてもよい。
【0049】
本実施の形態の嵌合部40は、幅広な構造を有している。詳しくは、横方向における嵌合部40のサイズは、上下方向における嵌合部40のサイズよりも大きい。この幅広構造によれば、嵌合部40の上下に位置する前側部74の上下方向におけるサイズは、嵌合部40の横方向における両側に位置する前側部74の横方向におけるサイズに比べて大きくなり易い。この結果、境界部12のうち嵌合部40とアウターモールド70との上下方向における境界に位置する部位に隙間が形成され易い。特に、境界部12の横方向における中間部に隙間が形成され易い。一方、本実施の形態の突出部60の第1部位64及び第2部位66は、嵌合部40の横方向における中間部に位置している。この構造によれば、境界部12における隙間の形成を効果的に防止できる。
【0050】
本実施の形態の突出部60の第1部位64及び第2部位66は、嵌合部40の上方及び下方の両方に位置している。この構造によれば、境界部12における隙間の形成を更に効果的に防止できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部60がアウターモールド70の下側の部位から突出している場合、第1部位64及び第2部位66は、嵌合部40の上方にのみ位置していてもよい。第1部位64及び第2部位66は、嵌合部40の上方及び下方に加えて、嵌合部40の横方向における両側に位置していてもよい。第1部位64及び第2部位66は、YZ平面において嵌合部40を全周に亘って囲んでいてもよい。多数の第1部位64及び第2部位66がYZ平面において間隔をあけて並んでいてもよい。
【0051】
本実施の形態のインナーモールド30及びアウターモールド70の夫々は、YZ平面において矩形形状を有している。一方、本実施の形態の嵌合部40は、YZ平面においてトラック形状を有している。但し、本発明は、これに限らない。YZ平面において嵌合部40がインナーモールド30の内側に位置しており、且つ、YZ平面においてインナーモールド30がアウターモールド70の内側に位置している限り、YZ平面における各部材の形状は、特に限定されない。例えば、嵌合部40、インナーモールド30及びアウターモールド70の夫々は、YZ平面において円形状を有していてもよい。
【0052】
本実施の形態のコネクタ10は、既に説明した様々な変形例に加えて、更に様々に変形可能である。特に、突出部60は、厚肉樹脂が収縮する際の移動方向を変えて隙間の形成を防止できる限り、様々な形状に変形可能である。以下、突出部60の変形例について、突出部60と異なる構造を中心に説明する。
【0053】
図5及び図6図2及び図4と比較すると、第1の変形例によるコネクタ10Aは、コネクタ10の内部構造体20と異なる内部構造体20Aを備えている。内部構造体20Aは、内部構造体20のバックシェル50と異なるバックシェル50Aを備えている。バックシェル50Aは、突出部60と異なる突出部60Aを有している。即ち、内部構造体20Aは、突出部60Aを備えている。上述した相違点を除き、コネクタ10Aは、コネクタ10と同様な構造を有しており、コネクタ10と同様に機能する。
【0054】
図5及び図6を参照すると、本変形例の突出部60Aは、バックシェル50Aの一部である。突出部60Aは、インナーモールド30から前方に突出している。突出部60Aは、外周部62Aと、2つの第1部位64Aとを有している。外周部62Aは、YZ平面において嵌合部40のシェル46を囲んでいる。外周部62Aは、2つの張出部63Aを有している。張出部63Aは、外周部62Aの上側部位及び下側部位に夫々形成されている。張出部63Aの夫々は、外周部62Aの横方向における中間部の前端に位置している。張出部63Aの夫々は、前方に張り出している。
【0055】
2つの第1部位64Aは、2つの張出部63Aに夫々対応している。第1部位64Aの夫々は、矩形の平板形状を有している。本変形例の第1部位64Aの夫々は、前側部74を上下方向に分割している。より具体的には、第1部位64Aの夫々は、対応する張出部63Aの前端から上下方向と斜交する方向に沿って、嵌合部40から離れつつ、前方に延びている。但し、本発明は、これに限られず、第1部位64Aの夫々は、上下方向と交差する方向に延びていてもよい。
【0056】
本変形例の第1部位64Aの夫々は、嵌合部40の上方又は下方に位置している。即ち、突出部60Aの少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40の外側に位置している。一方、本変形例の突出部60Aは、アウターモールド70の前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。本変形例によれば、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12(図3参照)に隙間が生じないように構成されたコネクタ10Aを提供できる。
【0057】
図7及び図8図2及び図4と比較すると、第2の変形例によるコネクタ10Bは、コネクタ10の内部構造体20と異なる内部構造体20Bを備えている。内部構造体20Bは、内部構造体20のバックシェル50と異なるバックシェル50Bを備えている。バックシェル50Bは、突出部60と異なる突出部60Bを有している。即ち、内部構造体20Bは、突出部60Bを備えている。上述した相違点を除き、コネクタ10Bは、コネクタ10と同様な構造を有しており、コネクタ10と同様に機能する。
【0058】
図7及び図8を参照すると、本変形例の突出部60Bは、バックシェル50Bの一部である。突出部60Bは、インナーモールド30から前方に突出している。突出部60Bは、外周部62Bと、2つの第1部位64Bとを有している。外周部62Bは、YZ平面において嵌合部40のシェル46を囲んでいる。外周部62Bは、2つの張出部63Bを有している。張出部63Bは、外周部62Bの上側部位及び下側部位に夫々形成されている。張出部63Bの夫々は、外周部62Bの横方向における中間部の前端に位置している。張出部63Bの夫々は、前方に張り出している。
【0059】
2つの第1部位64Bは、2つの張出部63Bに夫々対応している。第1部位64Bの夫々は、矩形の平板形状を有している。本変形例の第1部位64Bの夫々は、対応する張出部63Bの前端から前後方向と直交する上下方向に沿って、嵌合部40から離れつつ延びている。但し、本発明は、これに限られず、第1部位64Bの夫々は、前後方向と交差する方向に延びていてもよい。
【0060】
第1部位64Bの夫々には、4つの穴部68Bが形成されている。穴部68Bは、横方向に並んでいる。穴部68Bの夫々は、第1部位64Bを前後方向に貫通する孔である。本変形例の第1部位64Bの夫々は、上述の構造を有している。即ち、第1部位64Bの夫々が前後方向において前側部74を分割しており、且つ、複数の穴部68Bが上下方向において前側部74を分割している。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、第1部位64Bの夫々には、横方向に長く延びる1つの穴部68Bが形成されていてもよい。
【0061】
本変形例の第1部位64Bの夫々は、嵌合部40の上方又は下方に位置している。即ち、突出部60Bの少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40の外側に位置している。一方、本変形例の突出部60Bは、アウターモールド70の前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。本変形例によれば、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12(図3参照)に隙間が生じないように構成されたコネクタ10Bを提供できる。
【0062】
図9及び図10図7及び図8と比較すると、第3の変形例によるコネクタ10Cは、コネクタ10Bの内部構造体20Bと異なる内部構造体20Cを備えている。内部構造体20Cは、内部構造体20Bのバックシェル50Bと異なるバックシェル50Cを備えている。バックシェル50Cは、突出部60Bと異なる突出部60Cを有している。即ち、内部構造体20Cは、突出部60Cを備えている。突出部60Cは、突出部60Bと同じ外周部62Bを有している。一方、突出部60Cは、突出部60Bの第1部位64Bと異なる2つの第1部位64Cを有している。上述した相違点を除き、コネクタ10Cは、コネクタ10Bと同様な構造を有しており、コネクタ10Bと同様に機能する。
【0063】
図9及び図10を参照すると、本変形例の突出部60Cは、バックシェル50Cの一部である。突出部60Cは、インナーモールド30から前方に突出している。2つの第1部位64Cは、2つの張出部63Bに夫々対応している。第1部位64Cの夫々は、矩形の平板形状を有している。第1部位64Cの夫々は、対応する張出部63Bの前端から、前後方向と交差する方向において嵌合部40から離れつつ延びている。
【0064】
第1部位64Cの夫々には、4つの穴部68Cが形成されている。穴部68Cは、横方向に並んでいる。本変形例の穴部68Cの夫々は、第1部位64Cを部分的に後方に凹ますことで形成されている。即ち、本変形例の穴部68Cの夫々は、底のある穴である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、第1部位64Cの夫々の構造は、第1部位64B(図7及び図8参照)と同様に変形可能である。
【0065】
本変形例の第1部位64Cの夫々は、嵌合部40の上方又は下方に位置している。即ち、突出部60Cの少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40の外側に位置している。一方、本変形例の突出部60Cは、アウターモールド70の前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。本変形例によれば、嵌合部40とアウターモールド70との間の境界部12(図3参照)に隙間が生じないように構成されたコネクタ10Cを提供できる。
【0066】
図11及び図12図2及び図4と比較すると、第4の変形例によるコネクタ10Dは、コネクタ10の内部構造体20と異なる内部構造体20Dを備えている。内部構造体20Dは、嵌合部40と異なる嵌合部40Dと、バックシェル50と異なるバックシェル50Dと、突出部60と異なる突出部60Dとを備えている。嵌合部40Dは、シェル46と異なるシェル46Dを備えている。バックシェル50Dは、突出部60に代えて外周部54Dを有している。外周部54Dは、外周部62と同様に、YZ平面において嵌合部40Dのシェル46Dを囲んでいる。上述した相違点を除き、コネクタ10Dは、コネクタ10と同様な構造を有しており、コネクタ10と同様に機能する。
【0067】
図11及び図12を参照すると、本変形例の内部構造体20Dは、2つの突出部60Dを備えている。本変形例の突出部60Dの夫々は、シェル46Dに設けられている。より具体的には、突出部60Dの夫々は、シェル46Dを形成する金属板の一部であり、シェル46Dに繋がっている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部60Dの夫々は、シェル46Dと別体に形成された部材であってもよく、シェル46Dに固定されていてもよい。
【0068】
本変形例の突出部60Dの夫々は、嵌合部40Dから上下方向に突出している。突出部60Dの夫々は、第1部位64Dと、第2部位66Dとを有している。第1部位64D及び第2部位66Dの夫々は、矩形の平板形状を有している。第2部位66Dの夫々は、上下方向に沿って、嵌合部40Dから離れつつ延びている。第1部位64Dの夫々は、第2部位66Dの先端(上端または下端)から前方に延びている。即ち、本変形例の第1部位64Dの夫々と、対応する第2部位66Dとは、YZ平面においてL字形状を有している。
【0069】
本変形例の第1部位64Dの夫々は、嵌合部40Dの上方又は下方に位置している。即ち、突出部60Dの夫々の少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40Dの外側に位置している。一方、本変形例の突出部60Dは、アウターモールド70の前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。本変形例によれば、嵌合部40Dとアウターモールド70との間の境界部12(図3参照)に隙間が生じないように構成されたコネクタ10Dを提供できる。
【0070】
図13及び図14図11及び図12と比較すると、第5の変形例によるコネクタ10Eは、コネクタ10Dの内部構造体20Dと異なる内部構造体20Eを備えている。内部構造体20Eは、嵌合部40D及び突出部60Dと夫々異なる嵌合部40E及び突出部60Eを備えている。嵌合部40Eは、シェル46Dと異なるシェル46Eを備えている。上述した相違点を除き、コネクタ10Eは、コネクタ10Dと同様な構造を有しており、コネクタ10Dと同様に機能する。
【0071】
図13及び図14を参照すると、本変形例の内部構造体20Eは、2つの突出部60Eを備えている。本変形例の突出部60Eの夫々は、シェル46Eに繋がっており、嵌合部40Eから上下方向に突出している。突出部60Eの夫々は、連結部62Eと、第1部位64Eとを有している。連結部62E及び第1部位64Eの夫々は、矩形の平板形状を有している。連結部62Eの夫々は、上下方向に沿って、嵌合部40Eから離れつつインナーモールド30の内部を延びている。第1部位64Eの夫々は、連結部62Eの先端(上端または下端)からインナーモールド30の内部を前方に延びた後、インナーモールド30の外部に突出している。
【0072】
本変形例の第1部位64Eの夫々は、嵌合部40Eの上方又は下方に位置している。即ち、突出部60Eの夫々の少なくとも一部は、上下方向において嵌合部40Eの外側に位置している。一方、本変形例の突出部60Eは、アウターモールド70の前側部74の内部に少なくとも部分的に埋め込まれている。本変形例によれば、嵌合部40Eとアウターモールド70との間の境界部12(図3参照)に隙間が生じないように構成されたコネクタ10Eを提供できる。
【0073】
上述した実施の形態及び変形例は、更に様々に変形可能であり、且つ、様々に組み合わせ可能である。例えば、突出部は、シェルやバックシェル以外の部材の一部であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10,10A,10B,10C,10D,10E コネクタ
12 境界部
20,20A,20B,20C,20D,20E 内部構造体
30 インナーモールド
40,40D,40E 嵌合部
44 ハウジング
46,46D,46E シェル
50,50A,50B,50C,50D バックシェル
52 主部
54D 外周部
60,60A,60B,60C,60D,60E 突出部
62,62A,62B 外周部
62E 連結部
63,63A,63B 張出部
64,64A,64B,64C,64D,64E 第1部位
66,66D 第2部位
68B,68C 穴部
70 アウターモールド
72 後側部(薄肉部)
74 前側部(厚肉部)
78 ケーブル保護部
80 相手側コネクタ
82 相手側嵌合部
84 ケーブル
86 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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